説明

充電台

【課題】 自走可能な電気・電子機器を容易にセットすることができる充電台を提供する。
【解決手段】 充電台30に、電気・電子機器10のボールキャスタを案内するメインガイド35と、一対の車輪をそれぞれ案内するサブガイド36を設ける。各ガイドの入口部分は、奥へ進むほど幅が狭くなる形状とする。ボールキャスタをメインガイドに進入させた状態で電気・電子機器を後進させると、充電台に対する電気・電子機器の進入角度にかかわらず、電気・電子機器は、ガイドに導かれて方向を変える。これにより、充電端子は給電端子に対して適切に接触する。充電台の所定位置にボールキャスタのボールを受ける凹部37を設けることで、電気・電子機器が傾き、充電端子と給電端子の接触は安定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子機器の充電に用いられる充電台に関し、特に、自走可能な電気・電子機器の充電に用いられる充電台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の充電台は、床面に連続する上り斜面とそれに連続する下り斜面、及び下り斜面の下端部近傍に設けられた給電端子を有する充電スタンドを有している。自走可能な電気・電子機器の充電を行う場合、電気・電子機器は、プログラムに従い充電台に接近するとともにセンサー等を用いてその向きを制御する。電気・電子機器は、受電端子を充電スタンドに向けた状態で、上り斜面を登り下り斜面へと進む。下り斜面へと進んだ電気・電子機器は、車輪の駆動を停止し、車輪を自由回転させる。これより、電気・電子機器は自重により充電スタンドに突き当たり、電気・電子機器に設けられた充電端子が充電台の給電端子に押圧接触する。充電スタンドは、充電端子が給電端子に接触したことを検出し充電を開始する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、自走可能な電気・電子機器ではないが、電気掃除機用の充電台として、断面かまぼこ形の凸部とその後方に隣接する凹部とを設け、電気掃除機の車輪を凹部に位置させて、充電を行なうものも存在する(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、充電台ではないが、筐体にサブラックを収容する構造において、サブラックにキャスターを設けると共に、筐体にキャスターガイドを設ける構造が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−204758号公報
【特許文献2】特開平4−361727号公報
【特許文献3】特開平11−189100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自走可能な電気・電子機器を充電するための従来の充電台は、電気・電子機器を正面から真直ぐに進入させなければ、電気・電子機器の充電端子を充電台の給電端子に正しく接触させることができない。即ち、従来の充電台は、電気・電子機器の向きや進行方向を高精度で制御する必要がある。このため、従来の充電台は、電気・電子機器に搭載された二次電池が放電し、動作不能となったときに、手動で電気・電子機器をセットすることが困難であるという問題点がある。
【0007】
また、従来の充電台は、手動で電気・電子機器をセットしたときに正しくセットされたか否かが分かり難いという問題点もある。
【0008】
さらに、従来の充電台は、電気・電子機器を載置できる広さの下り斜面のほかに、その下り斜面への電気・電子機器の移動を可能にするための上り斜面を必要とするため、比較的大型であるという問題点もある。
【0009】
特許文献2に記載された電気掃除機用の充電台は、車輪を凹部に位置させる構造なので、電気掃除機が正しくセットされたか否かを容易に知ることができる。しかしながら、この充電台は、据え置き型電気掃除機という特殊な形状を持つものを対象とするため、それとは異なる特殊な形状を持つ自走可能な電気・電子機器にそのまま適用することができないという問題点がある。また、この充電台は、両面に給電端子が形成された端子板を、一対の充電電極で挟み込む構造のため、充電電極が変形して充電不可能になるおそれがあるという問題点がある。
【0010】
また、特許文献3に記載された筐体にサブラックを収容する構造は、サブラックが筐体の正面に正対して位置することを前提とするものであって、挿入中にサブラックが筐体に対して傾きを持たないようにするためのものである。即ち、傾きを持って進入してきたサブラックの向きを変えるものではない。したがって、特許文献3に記載された構造は、電気・電子機器の充電台への手動セットを容易にすることについて何ら開示するものでも示唆するものでもない。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、自走可能な電気・電子機器を容易にセットすることができる充電台を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、給電端子を確実に電機機器の充電端子に接続することができる充電台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の要旨は、自走可能な電気・電子機器を充電するための充電台において、前記電気・電子機器に設けられた充電端子が前記充電台に設けられた給電端子に接触するように、前記電気・電子機器の走行を案内するガイドを設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係る充電台において、前記電気・電子機器が一対の車輪と一つの支持脚部とを備えており、前記ガイドが前記支持脚部を案内するメインガイドと、前記一対の車輪を夫々案内する一対のサブガイドとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の要旨は、第2の要旨に係る充電台において、前記支持脚部が前記一対の車輪の中央後方に設けられ、かつ前記給電端子が前記支持脚部のさらに後方の背面に設けられており、前記電気・電子機器が前記背面側から前記給電端子へ向かって進行した場合に前記給電端子が前記給電端子に接触するように、前記ガイドが形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の要旨は、第2または第3の要旨に係る充電台において、前記メインガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる形状であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第5の要旨は、第4の要旨に係る充電台において、前記メインガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる割合が減少する形状であることを特徴とする。
【0018】
本発明の第6の要旨は、第4または第5の要旨に係る充電台において、前記サブガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる形状であることを特徴とする。
【0019】
本発明の第7の要旨は、第6の要旨に係る充電台において、前記サブガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる割合が減少する形状であることを特徴とする。
【0020】
本発明の第8の要旨は、第2乃至第7の要旨のいずれか一つに係る充電台において、前記支持脚部の先端形状が半球形であり、前記ガイドの底面であって前記支持脚部の先端を載置すべき位置に、前記支持脚部の先端を受ける凹部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の第9の要旨は、第8の要旨に係る充電台において、前記支持脚部の先端が前記凹部内に進入する際、前記充電端子が前記給電端子に接触し、前記支持脚部の先端が前記凹部内で安定したとき、前記充電端子が充電端子に押圧されることを特徴とする。
【0022】
本発明の第10の要旨は、電気・電子機器システムにおいて、前記電気・電子機器と、第1乃至第9のいずれか一つに記載した充電台とを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の第11の要旨は、一対の車輪と一つの支持脚部とにより走行方向を自在に変更できる電気・電子機器を充電するための充電方法において、前記支持脚部を進行方向に向けて前記電気・電子機器を充電台に向かって走行させ、前記充電台のメインガイドに前記支持脚部を接触させてさらに走行させることにより前記支持脚部の進行方向を変えるとともに、前記一対の車輪を対応するサブガイドに接触させて該一対の車輪の進行方向を変え、前記支持脚部の先端を前記メインガイドの最奥部近傍に形成された凹部に受けさせて前記電気・電子機器を傾け、前記支持脚部の後方の背面に設けられた充電端子を前記充電台の給電端子に押圧する、ようにしたことを特徴とする。
【0024】
本発明の第12の要旨は、三箇所で支持される電気・電子機器を充電台の上に載置して充電する充電方法において、前記三箇所の支持点のうちの一つを前記充電台の上面に形成された凹部に受けさせることにより前記電気・電子機器を傾け、これにより前記電気・電子機器の側面に設けられた充電端子を充電台の給電端子へ押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、電気・電子機器に設けられた充電端子が充電台に設けられた給電端子に接触するように、電気・電子機器を案内するガイドを充電台に設けたことで、充電台への電気・電子機器のセットを容易に行なうことができる。
【0026】
また、電気・電子機器が一対の車輪と一つの支持脚部とを備える場合に、支持脚部を案内するメインガイドと、一対の車輪を夫々案内する一対のサブガイドとを夫々設け、メインガイドの最奥部近傍に支持脚部の先端を受ける凹部を形成したことにより、充電端子と給電端子との接続を確実にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1に、本発明の充電台にセットされる電気・電子機器の一例の部分断面図を示す。図1の電気・電子機器10は、例えば、自走可能なパーソナルロボットである。図1において左側が電気・電子機器10の前方(正面)側、右側が後方(背面)側である。
【0029】
図1の電気・電子機器10は、底面側前方に一対の車輪11を有している。これらの車輪11は、夫々電気・電子機器10の前後方向に垂直かつ床面に平行な(即ち、紙面に対して垂直な)回転軸を有し、互いに平行に設けられている。これらの車輪11は、図示しない駆動源により駆動され、互いに独立して回転可能である。二つの車輪11を同一方向に同一速度で回転させることにより、電気・電子機器10は前後方向に走行する。また、これら車輪11を互いに異なる回転速度で同一方向に回転させることにより、電気・電子機器10は、向きを変えながら走行する。さらに、車輪11のいずれか一方のみを回転させ、あるいは互いに逆回転させることにより、電気・電子機器10は、略その場で向きを変えることもできる。
【0030】
また、電気・電子機器10は、その姿勢を安定させるための支持脚部として回転自在のボール12を有するボールキャスター13を有している。ボールキャスター13は、一対の車輪11の中央後方に設けられている。電気・電子機器10は、一対の車輪11とボールキャスター13のボール12とによって三点で支持される。ボールキャスター13は、電気・電子機器10の本体と床面との接触を防止し、電気・電子機器10の走行、回転をスムースにする。なお、支持脚部は、ボールキャスター13に代えて、例えば図2に示すような、先端半球状の凸部を有する固定脚でもよい。いずれにしても支持脚部は、電気・電子機器10の姿勢を安定させ、走行を阻害しないものであればよい。
【0031】
さらに、電気・電子機器10は、その背面の左右方向中央(即ち、ボールキャスター13の後方)に、充電端子14を有している。
【0032】
電気・電子機器10のその他の構成については、本願発明とは無関係なのでその説明を省略する。
【0033】
図3(a)及び(b)に、本発明の第1の実施の形態に係る充電台30を示す。
【0034】
図3の充電台30は、底板(図5参照)の上に固定されたガイド板31と、ガイド板31の後縁近傍(図の上方)に立設された後部壁32と、後部壁32の前面側に設けられた給電端子部33とを有している。給電端子部33には、電気・電子機器10の充電端子14と接触可能に給電端子34が設けられている。
【0035】
ガイド板31には、左右中央に前縁から後縁へ向かって延びるメインガイド35が形成されている。また、その両サイドには、一対のサブガイド36が形成されている。メインガイド35は、電気・電子機器10のボールキャスター13を案内するためのガイドであり、一対のサブガイド36は、車輪11をそれぞれ案内するためのガイドである。
【0036】
メインガイド35及びサブガイド36の入口部分は、床面を走行する電気・電子機器10がスムースに充電台30上へと移動できるように、斜面(図5参照)が形成されている。
【0037】
また、メインガイド35及びサブガイド36の入口部分の幅は、奥に進むほど狭くなるとともに、その狭くなる割合が減少する形状(即ち、R形状)としてある。各ガイドの奥行き方向中央付近よりも奥の部分は、最奥部を除き、その幅を一定としてある。
【0038】
図4(a)及び(b)は、図3(a)におけるあ−あ線断面図及びい−い線断面図である。図4(a)及び(b)に示すような状態で、ボールキャスター13がメインガイド35によって奥へと案内される。即ち、メインガイド35に形成された段差部又は湾曲部41によってボールキャスター13が案内される。
【0039】
図5に、電気・電子機器10がセットされた状態の充電台30の中央縦断面図を示す。図5に示すように、充電台30の上面であるガイド板31の上面(メインガイド35の最奥部近傍の底面)であって、ボールキャスター13のボール12が載置されるべき位置に、ボール12を受ける凹部37が形成されている。凹部37は、車輪11を駆動した場合にはボール12の移動を阻止できないが、軽い振動などに対してはボール12の移動を阻止できる大きさとしてある。ボール12が凹部37に受け止められると、充電台30に置かれた電気・電子機器10がわずかに後部壁32側に傾き、電気・電子機器10の充電端子14が充電台30の給電端子34に押圧される。
【0040】
給電端子34は、ボール12の一部が凹部37に進入する際に充電端子14に接触し、ボール12の一部が凹部37に完全に受け入れられた状態でも接触するように、前後方向に弾性変位可能に、例えば板ばね等を備えて構成される。
【0041】
次に、上述した構成の充電台30に、電気・電子機器10をセットする動作について図6を参照して説明する。なお、電気・電子機器10は、ユーザが手動で走行させてもよいし、自走させるようにしてもよい。
【0042】
まず、電気・電子機器10を、充電台30の前方に位置させる。このとき、電気・電子機器10の向きは、その背面が充電台30に向かうようにする。ただし、その位置や向きについて高い精度は要求されない。
【0043】
次に、電気・電子機器10を充電台30に向かって走行させる。このとき、ボールキャスター13が車輪11よりも走行方向前方に位置するように走行させ(後進させ)、ボールキャスター13がメインガイド35の入口に進入するようにする。
【0044】
メインガイド35の入口は、上述したように奥に進むほど幅が狭くなる形状であり、入口側が最も広くなっているので、ボールキャスター13は容易に進入できる。
【0045】
電気・電子機器10が充電台30の真正面に位置しかつ正対していなかった場合、図6に示すように、ボールキャスター13が側部段差に接触し及び/又はボール12が湾曲部41に接触する。電気・電子機器10の進入方向が、側部段差の接線61と法線62との間(図矢印Aで示す範囲内)にあれば、電気・電子機器10をそのまま走行(後進)させることにより、ボールキャスター13はメインガイド35の側部段差によってメインガイド35の奥へと案内される。即ちボールキャスター13はメインガイド35の側部段差に沿って奥へ移動する。
【0046】
ボールキャスター13がメインガイド35の奥へと進むのに伴い、電気・電子機器10は、その進行方向を変える。それとともに、車輪11もまた対応するサブガイド36の入口に進入し、各ガイドの側部段差に沿って奥へと進む。
【0047】
以上のようにして、電気・電子機器10は、メインガイド35及びサブガイド36に案内されて、充電台30上に載り、後部壁32に向かって進む。一対の車輪11及びボールキャスター13を、対応するガイド35,36で個々に案内するようにしたことで、電気・電子機器10の向きを所定方向に向けることができる。即ち、電気・電子機器10の充電端子14を充電台30の給電端子34に正対させることができる。
【0048】
メインガイド35の最奥部近傍には、上述の通り凹部37が形成されており、ボールキャスター13のボール12は凹部37に受け止められる。これにより、電気・電子機器10は、わずかに後部壁32側に傾き、安定する。電気・電子機器10を手動で走行させていたユーザーは、ボール12が凹部37に落ち込むことでロック感を得ることができ、充電端子14が給電端子34に接触接続されたことを容易に認識することができる。また、この構成により、充電端子14と給電端子34との間の接触は、少々の振動や衝撃が充電台30に加えられても、安定維持される。
【0049】
自走の場合、たとえ電気・電子機器10が充電台30に対して傾きを持って進入したとしても、上記同様にして正しくセットされる。電気・電子機器10は、充電端子14が給電端子34に接触したことを検出し、車輪11の回転を停止させる。これにより、ボールキャスタ13のボール12の一部が凹部37に受け止められた状態で、電気・電子機器は安定する。
【0050】
図7(a)に示すように、ボールキャスター13のボール12の一部が凹部37に落ち込む途中で、充電端子14は給電端子34に接触する。また、図7(b)に示すように、ボール12の一部が凹部37に完全に落ち込んだ(受け入れられた)状態でも、充電端子14は給電端子34に接触する。図7(a)の状態と図7(b)の状態とでは、充電端子14と給電端子34との接触位置が異なる。つまり、図7(a)の状態から図7(b)の状態へと遷移する間に、充電端子14及び給電端子34は互いにこすれあい、相手の表面を磨く。これにより、充電端子14及び給電端子34の接触面は常にきれいな状態に保たれる(つまり、セルフクリーニング効果がある。)。
【0051】
以上のように、本実施の形態では、ボール12及び車輪11を案内するガイド35,36を設けたことで、充電台30への電気・電子機器10のセットを容易に行なうことができる。
【0052】
また、本実施の形態では、ボール12の一部を凹部37で受けるようにしたことで、ユーザーにロック感を与えることができるとともに、電気・電子機器10を傾け、重力により充電端子14を給電端子34に押し付けて、これらの間の接触接続を安定させることができる。これにより、振動や衝撃による充電不良の発生を抑えることができる。
【0053】
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る充電台について説明する。
【0054】
図8(a)は本実施の形態に係る充電台の平面図、図8(b)は正面図、図9は図8(a)における、う−う線断面図、図10は図8(a)における、え−え線断面図である。
【0055】
図8(a)及び(b)に示すように、本実施の形態に係る充電台80は、ボールキャスター13を案内するメインガイド81によって規定される切り欠き82を有している。
【0056】
ボールキャスター13のボール12は、充電台80が載置される床面(図9及び図10参照)上を走行する。この構成でも、ボールキャスター13は、第1の実施の形態の場合と同様に、メインガイド81と床面との間に生じる段差によって案内される。
【0057】
車輪11は、第1の実施の形態と同様に、サブガイド36の底面に乗り上げるので、電気・電子機器10は、後部壁32に向かって傾きを生じる。本実施の形態では、サブガイド36の底面を床面と平行としているが、傾斜や凹部を設けることにより電気・電子機器の充電端子14を給電端子34に押圧するようにすることもできる。
【0058】
次に、図11乃至図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る充電台について説明する。
【0059】
図11(a)は本実施の形態に係る充電台の平面図、図11(b)は正面図、図12は図11(a)における、お−お線断面図、図13は図11(a)における、か−か線断面図である。
【0060】
図11(a)及び(b)に示すように、本実施の形態に係る充電台110は、ボールキャスター13を案内するメインガイド81によって規定される切り欠き82のほかに、サブガイド111によって規定される切り欠き112を有している。
【0061】
ボールキャスター13及び車輪11は、充電台110が載置される床面上を走行する(図12及び図13参照)が、各ガイドと床面との間に生じる段差によって、第1の実施の形態の場合と同様に案内される。
【0062】
本実施の形態では、電気・電子機器が充電台110にセットされるまで、段差無しでスムースに移動することができる。
【0063】
本実施の形態では、充電端子14と給電端子34との接触を安定させるために、床面に直接、第1の実施の形態の凹部37のような凹部を形成するようにしてもよい。あるいは、充電台を110を専用のテーブルや台の上に載置し、その専用テーブル等に凹部を形成するようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明についていくつかの実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、メインガイド及びサブガイドの形状は直線を組み合わせたものであってもよい。また、本発明は、パーソナルロボットに限らず、電気掃除機を始め、二次電池を搭載したあらゆる自走電気・電子機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の充電台にセットされ得る電気・電子機器の一例を示す部分断面図である。
【図2】図1の電気・電子機器の支持脚部として利用可能な固定脚の側面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る充電台の平面図、(b)は、その正面図である。
【図4】(a)は、図3(a)におけるあ−あ線断面図、(b)は、い−い線断面図である。
【図5】電気・電子機器がセットされた状態の図3の充電台の中央縦断面図である。
【図6】電気・電子機器を図3の充電台にセットする動作を説明するための図である。
【図7】(a)は、ボールキャスターのボールが充電台に形成された凹部に入り始めたときの充電端子付近の様子を示す縦断面図、(b)は、ボールキャスターのボールが凹部に完全に入った状態の充電対し付近の様子を示す縦断面図である。
【図8】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る充電台の平面図、(b)はその正面図である。
【図9】図8(a)における、う−う線断面図である。
【図10】図8(a)における、え−え線断面図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る充電台の平面図、(b)は、その正面図である。
【図12】図11(a)における、お−お線断面図である。
【図13】図11(a)における、か−か線断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 電気・電子機器
11 車輪
12 ボール
13 ボールキャスター
14 充電端子
31 ガイド板31
32 後部壁
33 給電端子部
34 給電端子
35 メインガイド
36 サブガイド
37 凹部
41 湾曲部
61 接線
62 法線
80 充電台80
81 メインガイド
82 切り欠き
110 充電台
112 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な電気・電子機器を充電するための充電台において、
前記電気・電子機器に設けられた充電端子が前記充電台に設けられた給電端子に接触するように、前記電気・電子機器の走行を案内するガイドを設けたことを特徴とする充電台。
【請求項2】
前記電気・電子機器が一対の車輪と一つの支持脚部とを備えており、前記ガイドが前記支持脚部を案内するメインガイドと、前記一対の車輪を夫々案内する一対のサブガイドとを含むことを特徴とする請求項1に記載された充電台。
【請求項3】
前記支持脚部が前記一対の車輪の中央後方に設けられ、かつ前記給電端子が前記支持脚部のさらに後方の背面に設けられており、前記電気・電子機器が前記背面側から前記給電端子へ向かって進行した場合に前記給電端子が前記給電端子に接触するように、前記ガイドが形成されていることを特徴とする請求項2に記載された充電台。
【請求項4】
前記メインガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる形状であることを特徴とする請求項2または3に記載された充電台。
【請求項5】
前記メインガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる割合が減少する形状であることを特徴とする請求項4に記載された充電台。
【請求項6】
前記サブガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる形状であることを特徴とする請求項4または5に記載された充電台。
【請求項7】
前記サブガイドの入口部分の形状が、奥に進むほど幅が狭くなる割合が減少する形状であることを特徴とする請求項6に記載された充電台。
【請求項8】
前記支持脚部の先端形状が半球形であり、前記ガイドの底面であって前記支持脚部の先端を載置すべき位置に、前記支持脚部の先端を受ける凹部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一つに記載の充電台。
【請求項9】
前記支持脚部の一部が前記凹部内に進入する際、前記充電端子が前記給電端子に接触し、前記支持脚部の先端が前記凹部内で安定したとき、前記充電端子が充電端子に押圧されることを特徴とする請求項8に記載の充電台。
【請求項10】
前記電気・電子機器と、請求項1乃至9のいずれか一つに記載した充電台とを含むことを特徴とする電気・電子機器システム。
【請求項11】
一対の車輪と一つの支持脚部とにより走行方向を自在に変更できる電気・電子機器を充電するための充電方法において、
前記支持脚部を進行方向に向けて前記電気・電子機器を充電台に向かって走行させ、
前記充電台のメインガイドに前記支持脚部を接触させてさらに走行させることにより前記支持脚部の進行方向を変えるとともに、前記一対の車輪を対応するサブガイドに接触させて該一対の車輪の進行方向を変え、
前記支持脚部の先端を前記メインガイドの最奥部近傍に形成された凹部に置くことで前記電気・電子機器を傾け、
前記支持脚部の後方の背面に設けられた充電端子を前記充電台の給電端子に押圧する、
ようにしたことを特徴とする充電方法。
【請求項12】
三箇所で支持される電気・電子機器を充電台の上に載置して充電する充電方法において、
前記三箇所の支持点のうちの一つを前記充電台の上面に形成された凹部に受けさせることにより前記電気・電子機器を傾け、これにより前記電気・電子機器の側面に設けられた充電端子を充電台の給電端子へ押圧することを特徴とする充電方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−193820(P2008−193820A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26342(P2007−26342)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】