説明

充電回路及び充電制御方法

【課題】予め設定した充電完了設定時刻に電池を満充電状態で使用することができる充電回路を提供する。
【解決手段】本発明の充電回路1は、外部電源3により内部電圧を生成する電源制御回路部6と、電源制御回路部6と電池2との間に設けられる制御トランジスタ9と、電池2の残容量を測定する電池容量測定部10と、電池2の充電完了設定時刻を設定する時刻設定部11と、電池2の残容量と電池2の充電完了設定時刻とに基づいて、制御トランジスタ9の導通状態を制御する制御部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電回路及び充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話装置は小型、薄型であるとともに、より高機能なものが求められている。LCD(Liquid Crystal Display)の画面が大きくなったり、イルミネーションに趣向を凝らしたり、それぞれ特徴を持った携帯電話装置が発売されている。基本的な機能の通話、メールについては、ユーザーによっては1日に数十件の発着信がある場合もある。また、LCD画面を表示したままにしておく等のユーザーの設定次第では、消費電流が多くなってしまうこともある。上記のように使用していると電池の消耗が激しく、夜になると毎日電池を充電するというユーザーが多い。充電をする場合、携帯電話装置にACアダプタを接続し、約2時間で充電が完了するが、充電完了後は電池からの電源供給となり、その後多くのメール着信が有った場合、電池が減ってしまう。充電をして電池が一杯になっているはずで、あまり使用していないと思っているにもかかわらず、朝起きた時点で、電池が消耗していると思われる場合が多々あった。
【0003】
図7に、関連する充電回路のブロック図を示す。充電回路はACアダプタ32が接続される充電用入力(+)端子4、充電用入力(−)端子5、電池2が接続される電源用入力(+)端子7、電源用入力(−)端子8を備える。さらに充電回路は、ACアダプタ32からの電源供給により電池2を充電する充電回路部61、電池2からの電源供給により充電回路内部で使用する内部電源を生成し、供給する電源回路部62、充電回路の動作状態を監視する制御部12を備える。制御部12は、充電回路全体を制御するCPU(中央処理装置)121と、当該CPU121を機能させるための制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリー・メモリ)122と、を備える。電池電圧Vbと、電源回路部62に供給されるシステム電源電圧Vsとは同じ電圧値となっている。
【0004】
このような充電回路は、図8のように、ACアダプタ32が接続されると同時に充電が開始される。経過時間と共に電池電圧Vb及びシステム電源電圧Vsは上昇し、約2時間で充電が完了し、電池電圧Vbは4.2Vとなる。この後、当該充電回路を搭載する携帯電話装置にメール着信が有ると、システム電源電圧Vsを通して、内部の回路動作で電流消費されるため、電池電圧Vbは降下していく。充電が完了してから、ユーザーが携帯電話装置の使用を開始するまでの時間が長いと、電池が消耗している場合が多いという問題点があった。
【0005】
そこで、特許文献1、2の充電回路は、ACアダプタに接続した時の電子機器の電池残容量を測定し、当該電池残容量から予定充電時間を算出し、ユーザーが設定した充電完了設定時刻から当該予定充電時間を減算して、充電開始予定時刻を逆算している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−253596号公報
【特許文献2】特開平8−214412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2の充電回路は、単にタイマー等によって電池への充電を待機しているだけである。つまり、待機中は電池から電子機器に電源供給するため、当該電池が消耗し、電池電圧が低下する。電池残容量を測定し、充電開始予定時刻を導き出すのは、電子機器をACアダプタに接続した直後であるので、その後、電池が消耗した場合は、電池の充電時間が長引いたり、それに伴い当該充電完了設定時刻に電池の充電が完了していなかったりする場合がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する充電回路及び充電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の充電回路は、外部電源により内部電圧を生成する電源制御回路部と、前記電源制御回路部と電池との間に設けられる制御トランジスタと、前記電池の残容量を測定する電池容量測定部と、前記電池の充電完了設定時刻を設定する時刻設定部と、前記電池の残容量と前記電池の充電完了設定時刻とに基づいて、前記制御トランジスタの導通状態を制御する制御部と、を備える。
【0010】
本発明の充電制御方法は、充電回路に接続される電池の残容量と前記電池の充電完了設定時刻とに基づいて、前記電池への充電電流を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予め設定した充電完了設定時刻に電池を満充電状態で使用することができる充電回路及び充電制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る充電回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明に係る充電制御方法を概略的に示すフローチャート図である。
【図3】(a)は、実施例1の充電回路及び充電制御方法における、電池電圧と時間との関係を示す図である。(b)は、実施例1の充電回路及び充電制御方法における、システム電源電圧と時間との関係を示す図である。(c)は、実施例1の充電回路及び充電制御方法における、充電制御信号と時間との関係を示す図である。
【図4】実施例2の充電回路及び充電制御方法における、電池電圧と時間との関係を示す図である。
【図5】実施例3の充電回路及び充電制御方法における、電池電圧と時間との関係を示す図である。
【図6】実施例4の充電回路及び充電制御方法における、電池電圧と時間との関係を示す図である。
【図7】関連する充電回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】関連する充電回路及び充電制御方法における、電池電圧(システム電源電圧)と時間との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る充電回路及び充電制御方法の実施の形態について説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0014】
<実施の形態1>
本実施の形態の充電回路1は、図1に示すように、例えば携帯電話装置等の電子機器に接続される電池2を、外部電源3からの電源供給によって充電するべく、当該電子機器内に搭載される。
【0015】
この充電回路1は、充電用入力端子4、5、電源制御回路部6、電源用入力端子7、8、制御トランジスタ9、電池容量測定部10、時刻設定部11、制御部12を備える。
充電用入力端子4、5は、外部電源3が接続される端子である。外部電源3は、AC電源供給部31、ACアダプタ32を備える。すなわち、外部電源3は、AC電源供給部31から供給されるAC電源をACアダプタ32でDC電源とする。ACアダプタ32の電源側は、充電用入力(+)端子4に電気的に接続される。ACアダプタ32の接地電源側は、充電用入力(−)端子5に電気的に接続される。
【0016】
電源制御回路部6は、外部電源3により内部電圧を生成する。電源制御回路部6は、充電回路部61、電源回路部62を備える。充電回路部61は、外部電源3からの電源供給により電池2を充電する。なお、充電回路部61は、外部電源3が充電用入力端子4、5に接続されたか否かを検出する接続検出部(図示省略)を備えており、当該接続検出部は外部電源3が充電用入力端子4、5に接続されたことを示す情報を制御部12に出力する。電源回路部62は、電池2又は充電回路部61からの電源供給により充電回路1内部で使用する内部電源を生成し、供給する。
【0017】
電源用入力端子7、8は、電池2が接続される端子である。電池2は、携帯電話装置等の電子機器に搭載されるバッテリである。電池2の正極側は、電源用入力(+)端子7に電気的に接続される。電池2の負極側は、電源用入力(−)端子8に電気的に接続される。
【0018】
制御トランジスタ9は、例えばpチャンネル型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。制御トランジスタ9は、充電回路部61と電源用入力(+)端子7との間に接続される。つまり、制御トランジスタ9のソースは、充電回路部4に電気的に接続される。制御トランジスタ9のドレインは、電源用入力(+)端子7に電気的に接続される。制御トランジスタ9のゲートは、制御部12と電気的に接続される。この制御トランジスタ9は、詳細は後述するが、制御部12からの充電制御信号Csにより、充電回路部61から電池2へ充電が行われる。つまり、制御トランジスタ9は、制御部12からの充電制御信号CsがLowレベルの時、ONとなり、充電回路部61から電池2へ充電が行われる。制御トランジスタ9は、制御部12からの充電制御信号CsがHighレベルの時、OFFとなり、充電回路部61と電池2との接続は切り離される。このとき、充電回路部61から電源回路部62へ、電池2の定格電圧と同レベルの電源電圧がシステム電源電圧Vsとして供給される。
【0019】
電池容量測定部10は、電池2の残容量を測定する。電池容量測定部10は、抵抗101、測定部102を備える。抵抗101の一方の端子は、電源用入力(−)端子8に電気的に接続される。抵抗101の他方側の端子は、接地端子に電気的に接続される。測定部102は、抵抗101の両側に電気的に接続される。これにより、測定部102は、電源用入力(−)端子8に接続された抵抗101の両端の電圧を測定し、電流値を算出することによって、電池2の残容量を測定する。測定部102は、測定結果を示す情報を制御部12に定期的に出力する。
【0020】
時刻設定部11は、電池2の充電完了設定時刻を設定する。具体的に云うと、時刻設定部11は、例えば携帯電話装置の表示部から電池2の充電完了設定時間の入力をユーザーに促し、テンキーボタン等を用いて入力される電池2の充電完了設定時刻を制御部12に出力する。ちなみに、本実施の形態の時刻設定部11は、タイマー部111を備える。タイマー部111は、制御部12からの待機時間情報に基づいて動作し、待機時間経過後に制御部12に待機時間経過情報を出力する。
【0021】
制御部12は、入力された電池2の残容量と当該電池2の充電完了設定時刻とに基づいて、制御トランジスタ9の導通状態を制御する。つまり、制御部12は、詳細は後述するが、充電完了設定時刻に電池2の充電が完了するように、電池2への充電電流を制御する。
【0022】
制御部12は、充電回路、しいては電子機器全体を制御するCPU(中央処理装置)121、当該CPU121を機能させるための制御プログラム等が格納されたROM(リード・オンリー・メモリ)122を備える。制御部12は、時計機能を有するリアルタイムクロック等を備えており、現在時刻がROMに格納される。
【0023】
この制御部12は、図2に示すように動作し、充電制御方法を実現する。
すなわち、CPU121は、充電用入力端子4、5に外部電源3が接続されたことを示す情報が充電回路部61から入力されると、ROM122から充電用入力端子4、5にACアダプタ32が接続された時刻、即ち現在時刻を取得する(ステップS1)。CPU121は、ROM122から断続的に入力されている電池2の残容量を取得する。
【0024】
CPU121は、ROM122から充電完了設定時刻を取得する(ステップS2)。
CPU121は、電池2の残容量に基づいて、予定充電時間を算出する(ステップS3)。充電容量は「電流×時間」で決まるため、予定充電時間の算出は電池2の満充電時の容量と残容量とを減算して充電すべき電池の容量(充電電池容量)をまず算出する。そして、充電電池容量を充電電流値で割算することで予定充電時間を算出する。満充電時の電池容量は、ROM122に格納されたものを使用する。
【0025】
CPU121は、充電完了設定時刻と充電用入力端子4、5にACアダプタ32を接続した時刻とを減算した時間と、予定充電時間と、を比較する(ステップS4)。
CPU121は、充電完了設定時刻と充電用入力端子4、5にACアダプタ32を接続した時刻とを減算した時間が予定充電時間より長いと、充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間から予定充電時間を減算して待機時間を算出する(ステップS5)。
CPU121は、待機時間情報を時刻設定部11のタイマー部111に出力する(ステップS6)。
【0026】
このとき、充電回路1は、電池2への充電が待機状態となる。制御部12は、待機時間が経過するまで、充電回路部61と電池2との接続を切り離すように、制御トランジスタ9の導通状態を制御する。つまり、電池2への充電の待機状態の時に、制御部12は、制御トランジスタ9のゲートにHighレベルの充電制御信号Csを入力する。その結果、電池2と充電回路部61との接続が切り離される。一方、外部電源3と充電回路部61とは接続された状態が維持される。そのため、上述のように、充電回路部61から電源回路部62へ、電池2の定格電圧と同レベルの電源電圧がシステム電源電圧Vsとして供給され、当該システム電源電圧Vsで電子機器が動作することになる。したがって、充電回路及び充電制御方法は、電池2への充電が待機状態の時に当該電池2が消耗し、電池電圧が低下することがないので、電池の充電時間が長引いたり、それに伴い充電完了設定時刻から充電完了時刻が大幅にずれ込んで、電池2の充電が完了していなかったりすることがない。よって、予め設定した充電完了設定時刻に電池2を満充電状態で使用することができる。
【0027】
電池2の待機時間の経過後、CPU121には、タイマー部111から待機時間経過情報が入力される(ステップS7)。
CPU121は、待機時間経過情報が入力されると、充電回路部61と電池2とを接続するべく、制御トランジスタ9のゲートに与えるLowレベルの充電制御信号Csを生成し、当該制御トランジスタ9のゲートに出力する(ステップS8)。
【0028】
一方、CPU121は、充電完了設定時刻と充電用入力端子4、5にACアダプタ32を接続した時刻とを減算した時間が予定充電時間より短いと、すぐに電池2の充電を開始するべく、制御トランジスタ9のゲートに与えるLowレベルの充電制御信号Csを生成し、当該制御トランジスタ9のゲートに出力する。つまり、CPU121は、ステップS4からステップS8に移行する。
【0029】
なお、充電用入力端子4、5から外部電源3が取り外されると、充電回路部61の接続検出部が充電用入力端子4、5から外部電源3が取り外されたことを示す情報を、バックゲート切替部(図示省略)に出力する。そして、バックゲート切替部は、制御トランジスタ9のソースとドレインとを逆に切り替える。これにより、充電回路1は、電子機器の内部回路として電池2からの電源供給によって駆動することになる。
【0030】
上記実施の形態では、時刻設定部11が備えるタイマー部111が待機時間を計測して、充電開始時刻になったか否かを判断しているが、この限りでない。つまり、制御部12のCPU121は、充電完了設定時刻から予定充電時間を減算して充電開始予定時刻を算出する。そして、CPU121は、ROM122から取得した現在時間に基づいて、充電開始予定時刻になったか否かを判断し、充電開始予定時間となると、電池2の充電を開始するべく、制御トランジスタ9の導通状態を制御する。この場合も、制御部12のCPU121は、充電開始予定時刻になるまで、充電回路部61と電池2との接続を切り離すように、制御トランジスタ9の導通状態を制御する。
【0031】
上記実施の形態では、充電完了設定時刻に丁度、電池2の充電が完了するように、制御部12が制御トランジスタ9の導通状態を制御しているが、この限りでない。充電完了設定時刻に対して余裕をもって電池2の充電が完了するように、制御部12が制御トランジスタ9の導通状態を制御しても良い。
【0032】
上記実施の形態では、ユーザーがテンキーボタン等を用いて充電完了設定時刻を設定しているが、この限りでない。本発明の充電回路が搭載される電子機器が、例えば携帯電話装置などの場合、アラーム機能等の設定時刻が予め制御部12のROM122に格納されているので、当該アラーム機能等の設定時刻を充電完了設定時刻として用いても良い。
【0033】
上記実施の形態では、pチャンネル型MOSトランジスタを制御トランジスタ9として用いたが、nチャンネル型MOSトランジスタも略同様に用いることができる。
上記実施の形態では、抵抗101を電池2の負極側に挿入しているが、正極側に挿入しても良い。
【0034】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【実施例】
【0035】
<実施例1>
本実施例では、電池2の残容量が少ない場合の一例を示す。
図3に示すように、時刻(0:00)に外部電源3を接続したとき、制御部12は、電池残容量から予定充電時間(2時間)を算出する。そして、制御部12は、外部電源3の接続時刻(0:00)から充電完了設定時刻(6:00)までの6時間は予定充電時間(2時間)より長いので、待機時間を4時間と算出し、待機時間情報をタイマー部111に出力する。タイマー部111は、待機時間情報が入力されるとスタートし、4時間経過後に待機時間経過情報を制御部12に出力する。制御部12は、待機時間経過情報が入力されると、制御トランジスタ9の導通状態を制御して電池2の充電を開始させる。2時間後には、電池2の充電が完了状態となる。この場合、電池電圧Vbは3.2Vから充電され、充電完了時、4.2Vとなる。充電待機時間では、充電制御信号CsがHighレベルとなり、制御トランジスタ9がOFFとされ、システム電源電圧Vsは充電回路部61より定電圧供給(4.2V)される。充電待機時間経過後は、充電制御信号CsがLowレベルとなり、制御トランジスタ9がONとされ、システム電源電圧Vsは電池電圧Vbが供給される。
【0036】
<実施例2>
本実施例では、電池2の残容量が多い場合の一例を示す。電池電圧Vbは3.7Vから充電される。
図4に示すように、時刻(0:00)に外部電源3を接続したとき、制御部12は、電池残容量から予定充電時間(1.5時間)を算出する。そして、制御部12は、外部電源3の接続時刻(0:00)から充電完了設定時刻(6:00)までの6時間は予定充電時間(1.5時間)より長いので、充電待機時間は4.5時間と算出し、待機時間情報をタイマー部111に出力する。タイマー部111は、待機時間情報が入力されるとスタートし、4.5時間経過後に待機時間経過情報を制御部12に出力する。制御部12は、待機時間経過情報が入力されると、制御トランジスタ9の導通状態を制御して電池2の充電を開始させる。1.5時間後には、電池2の充電が完了状態となる。充電開始時間は図3と比較し30分遅くなったことになる。
【0037】
<実施例3>
本実施例では、充電完了設定時刻と充電用入力端子4、5にACアダプタ32を接続した時刻とを減算した時間が予定充電時間と等しい場合の一例を示す。
図5に示すように、時刻(0:00)に外部電源3を接続したとき、制御部12は、電池残容量から予定充電時間(2時間)を算出する。そして、制御部12は、外部電源3の接続時刻(0:00)から充電完了設定時刻(2:00)までの2時間は予定充電時間(2時間)と等しいので、充電待機時間は0時間と算出する。そのため、制御部12は、待機時間情報をタイマー部111に出力せず、すぐに制御トランジスタ9の導通状態を制御して電池2の充電を開始させる。2時間後には、電池2の充電が完了状態となる。外部電源3の接続時刻から充電完了設定時刻までの時間と、予定充電時間との比較結果が負の値となった場合も同様に、すぐに充電開始となる。
【0038】
<実施例4>
本実施例では、充電完了設定時刻に対して余裕をもって電池2の充電が完了するように、制御部12が制御トランジスタ9の導通状態を制御する一例を示す。
図6に示すように、時刻(0:00)に外部電源3を接続したとき、制御部12は、電池残容量から予定充電時間(2時間)を算出する。そして、制御部12は、外部電源3の接続時刻(0:00)から充電完了設定時刻(7:00)までの7時間は予定充電時間(2時間)より長いので、充電完了時刻を6:00とし、充電待機時間を4時間と算出する。さらに制御部12は、待機時間情報をタイマー部111に出力する。タイマー部111は、待機時間情報が入力されるとスタートし、4時間経過後に待機時間経過情報を制御部12に出力する。制御部12は、待機時間経過情報が入力されると、制御トランジスタ9の導通状態を制御して電池2の充電を開始させる。2時間後には、電池2の充電が完了状態となる。
【符号の説明】
【0039】
1 充電回路
2 電池
3 外部電源、31 電源供給部、32 ACアダプタ
4、5 充電用入力端子
6 電源制御回路部、61 充電回路部、62 電源回路部
7、8 電源用入力端子
9 制御トランジスタ
10 電池容量測定部、101 抵抗、102 測定部
11 時刻設定部、111 タイマー部
12 制御部
Cs 充電制御信号
Vb 電池電圧
Vs システム電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源により内部電圧を生成する電源制御回路部と、
前記電源制御回路部と電池との間に設けられる制御トランジスタと、
前記電池の残容量を測定する電池容量測定部と、
前記電池の充電完了設定時刻を設定する時刻設定部と、
前記電池の残容量と前記電池の充電完了設定時刻とに基づいて、前記制御トランジスタの導通状態を制御する制御部と、
を備える充電回路。
【請求項2】
前記制御部は、前記充電回路に前記外部電源が接続されると、前記電池の残容量に基づいて、予定充電時間を算出し、さらに前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間と前記予定充電時間とを比較して、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より長いと、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間から前記予定充電時間を減算して待機時間を算出し、前記待機時間経過後に前記電池の充電を開始するべく、前記制御トランジスタの導通状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記待機時間が経過するまで、前記電源制御回路部と前記電池との接続を切り離すように、前記制御トランジスタの導通状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の充電回路。
【請求項4】
前記制御部は、前記充電回路に前記外部電源が接続されると、前記電池の残容量に基づいて、予定充電時間を算出し、さらに前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間と前記予定充電時間とを比較して、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より長いと、前記充電完了設定時刻から前記予定充電時間を減算して充電開始予定時刻を算出し、前記充電開始予定時刻に前記電池の充電を開始するべく、前記制御トランジスタの導通状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電回路。
【請求項5】
前記制御部は、前記充電開始予定時刻になるまで、前記電源制御回路部と前記電池との接続を切り離すように、前記制御トランジスタの導通状態を制御することを特徴とする請求項4に記載の充電回路。
【請求項6】
前記制御部は、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より短いと、前記電池の充電を開始するべく、前記制御トランジスタの導通状態を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の充電回路。
【請求項7】
前記制御トランジスタは、pチャンネル型MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電回路。
【請求項8】
前記制御トランジスタは、nチャンネル型MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電回路。
【請求項9】
充電回路に接続される電池の残容量と前記電池の充電完了設定時刻とに基づいて、前記電池への充電電流を制御する充電制御方法。
【請求項10】
前記電池の残容量に基づいて、予定充電時間を算出し、
前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間と前記予定充電時間とを比較して、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より長いと、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間から前記予定充電時間を減算して待機時間を算出し、
前記待機時間経過後に前記電池の充電を開始するべく、前記電池への充電電流を制御することを特徴とする請求項9に記載の充電制御方法。
【請求項11】
前記待機時間が経過するまで、前記外部電源により内部電圧を生成することを特徴とする請求項10に記載の充電制御方法。
【請求項12】
前記電池の残容量に基づいて、予定充電時間を算出し、
前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間と前記予定充電時間とを比較して、前記充電完了設定時刻と前記充電回路に外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より長いと、前記充電完了設定時刻から前記予定充電時間を減算して充電開始予定時刻を算出し、
前記充電開始予定時刻に前記電池の充電を開始するべく、前記電池への充電電流を制御することを特徴とする請求項9に記載の充電制御方法。
【請求項13】
前記充電開始予定時刻になるまで、前記外部電源により内部電圧を生成することを特徴とする請求項12に記載の充電制御方法。
【請求項14】
前記充電完了設定時刻と前記充電回路に前記外部電源を接続した時刻とを減算した時間が前記予定充電時間より短いと、前記電池の充電を開始するべく、前記電池への充電電流を制御することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の充電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−246176(P2010−246176A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88845(P2009−88845)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】