説明

充電機構、充電方法及びプログラム

【課題】対象機器の温度上昇を抑え、高速に二次電池を充電する。
【解決手段】携帯端末の筐体内に配置され、充電器に内蔵される送電用コイルに電磁結合して送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電用コイル41と、補助充電ユニット内に配置され、送電用コイルに電磁結合して送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電用コイル51と、携帯端末内の温度と補助充電ユニット内の温度とを検出し、これらの温度に基づいて、第1の受電用コイル41又は第2の受電用コイル51を選択し、選択した第1の受電用コイル41又は第2の受電用コイル51で受電する電力で二次電池19を充電させる充電制御部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電機構、充電方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクターや電線を介さずに、無線で電力を対象機器に伝送し、対象機器に組込まれた二次電池を充電する非接触式の充電器が開発され、実用化されつつある。
【0003】
非接触式の充電器は、ケース内に送電用コイルを内蔵し、対象機器に組込まれた受電用コイルに対し、電磁誘導を利用して電力を送電する。
【0004】
しかしながら、電磁誘導を利用する充電では、電力の伝達における電力損失が大きく、電力損失が熱に変化し、この熱によって対象機器の温度が上昇する。対象機器の温度が上昇すると、対象機器の安全性を脅かしたり、性能を劣化させる危険性があった。
【0005】
対象機器の温度上昇を抑える方法としては、送電電力を制限する方法や、温度を検出して温度上昇時に送電を一時停止し、温度が低下したときに送電を再開する方法や、対象機器に特許文献1に示されるような放熱機構を設ける方法が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−207870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
対象機器の温度上昇を抑えるために、非接触式の充電器から送電する電力を制限する方法や、対象機器の温度を検出して充電を一時的に停止する方法では、対象機器の温度上昇を考慮しない場合に比べて、対象機器への充電時間が長くなるという問題があった。
【0008】
対象機器に放熱機構を設ける方法では、放熱機構の放熱能力が十分高ければ、対象機器の温度上昇は抑制できるが、放熱機構が設けられない場合や放熱能力が低い場合には、前述の非接触式の充電器から送電する電力を制限する方法等と同様に、充電に時間がかかるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような現状を鑑みてなされた発明であり、非接触式の充電器を用いて充電するときに、対象機器の温度上昇を抑制し、高速に充電することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る充電機構は、
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電機構であって、
第1の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電用コイルと、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電用コイルと、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る充電方法は、
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電方法であって、
第1の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第1の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電処理と、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第2の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電処理と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出処理と、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池の充電を制御する充電制御処理とを含み、
前記充電制御処理では、
前記温度検出処理が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電処理で受電する電力又は前記第2の受電処理で受電する電力を選択し、選択した電力で前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
充電器に内蔵された送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置された第1の筐体内の温度と、前記送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置され前記第1の筐体に着脱自在に取付けられた第2の筐体内の温度とを検出する温度検出機能と、
前記温度検出機能が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、対象機器の温度上昇を抑え、高速に充電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】充電対象機器としての携帯端末の要部を示す図である。
【図2】携帯端末と補助充電ユニットとを示す図である。
【図3】充電時の状態を示す透過斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る充電機構を示す構成図である。
【図5】充電器の構成例を示す図である。
【図6】二次電池を充電する際の充電機構の動作を示すフローチャートである。
【図7】満充電処理を示すフローチャートである。
【図8】他の充電器の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、充電対象機器としての携帯端末100の要部を示すブロック図である。
【0016】
携帯端末100は、例えば、バスBを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)11と、通信部12と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発性メモリ15と、表示部16と、音声処理部17と、バイブレータ18と、二次電池19とを備えている。
【0017】
CPU11は、ROM13に記憶されたプログラムに基いて動作し、携帯端末100の全体の動作を制御すると共に、データ処理を行う。
【0018】
通信部12は,通信相手に対して、音声やデータの送受信を行う。
RAM14は、CPU11に記憶領域を提供する。
【0019】
不揮発性メモリ15は、各種データを保存する。
表示部16は、画像やデータを表示する。
音声処理部17は、マイクロホンやスピーカ等を含み、着信音を鳴動させたり、音声を入出力する。
バイブレータ18は、振動モータで構成され、着信時等に着信を利用者に知らせるために振動する。
【0020】
これらCPU11、通信部12、ROM13、RAM14、不揮発性メモリ15、表示部16、音声処理部17、及びバイブレータ18は、二次電池19から電源ラインPLを介して与えられた電力によって動作し、携帯端末100として種々の機能を実現する。二次電池19は、例えばリチウムイオン電池である。二次電池19の負極は、グランドに接続され、二次電池19の正極に電源ラインPLが接続されている。
【0021】
携帯端末100の二次電池19を充電する場合、図2に示すように、携帯端末100に着脱自在に装着される補助充電ユニット200を用いる。
【0022】
二次電池19を充電する場合、携帯端末100に補助充電ユニット200を装着し、図3に示すように充電器300の上面に携帯端末100及び補助充電ユニット200を載置する。
【0023】
充電器300には、複数の送電用コイル310が配列されて配置されている。各送電用コイル310は巻線が平板状に巻回されて構成され、平板面が上を向くようにそれぞれ配置されている。充電器300は、送電用コイル310に励磁電流を流して磁界を発生させることにより、電力を送電する。携帯端末100及び補助充電ユニット200は、充電器300側から送電された電力を受電して二次電池19を充電する。
【0024】
携帯端末100と補助充電ユニット200とに、携帯端末100の二次電池19を充電するための充電機構20が組込まれている。
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係る充電機構20を示す構成図である。
充電機構20は、充電制御部30と、電力ピックアップ部40と、電力ピックアップ部50とで構成されている。
【0026】
充電制御部30と電力ピックアップ部40とは携帯端末100の筐体内に組込まれ、電力ピックアップ部50は補助充電ユニット200の筐体内に組込まれている。充電制御部30は、携帯端末100に組込まれた二次電池19から電源ラインPLを介して電力の供給を受けるようになっている。尚、充電制御部30は、CPU11で構成することも可能である。
【0027】
補助充電ユニット200は、携帯端末100に取付けられた状態でコネクタ60を介して充電制御部30と接続される。
【0028】
電力ピックアップ部40は、受電用コイル41と、コンデンサ42と、整流素子としてのダイオード43と、平滑コンデンサ44と、電流検出用の抵抗45と、切り替えスイッチ46と、過充電防止用スイッチ47と、温度センサ48とを備えている。
【0029】
電力ピックアップ部50は、受電用コイル51と、コンデンサ52と、整流素子としてのダイオード53と、平滑コンデンサ54と、過充電防止用スイッチ55と、温度センサ56とを備えている。
【0030】
補助充電ユニット200が携帯端末100に取付けられた状態では、図4に示すように、携帯端末100側のグランドと補助充電ユニット200のグランドとが接続される。
【0031】
電力ピックアップ部40において、温度センサ48は、受電用コイル41の近傍に配置されている。温度センサ48は、充電制御部30に接続され、周囲の温度を測定し、充電制御部30に与える。
【0032】
受電用コイル41の一端はグランドに接続され、受電用コイル41の他端には、過充電防止用スイッチ47の一端が接続されている。受電用コイル41の他端は、充電制御部30と接続され、充電制御部30から受電用コイル41に信号を流すことが可能になっている。
【0033】
過充電防止用スイッチ47は、充電制御部30から高レベルの制御信号が与えられている状態でオフし、充電制御部30から高レベルの制御信号が与えられていない状態でオンする。充電制御部30は、二次電池19の充電電流及び充電電圧を監視し、二次電池19が満充電状態であるか否かを判断する。二次電池19が満充電状態であると判断した場合に、充電制御部30は過充電防止用スイッチ47に高レベルの制御信号を与える。充電制御部30は、二次電池19が満充電状態でないと判断した場合には、高レベルの制御信号を過充電防止用スイッチ47に与えない。
【0034】
過充電防止用スイッチ47の他端とグランドとの間には、コンデンサ42が接続されている。コンデンサ42は、受電用コイル41と相まって共振回路を構成している。
【0035】
過充電防止用スイッチ47の他端には、ダイオード43のアノードが接続され、ダイオード43のカソードは、平滑コンデンサ44の一方の電極に接続されている。平滑コンデンサ44の一方の電極には、接点49aが接続されている。平滑コンデンサ44の他方の電極は、二次電池19の負極に接続されている。
【0036】
二次電池19の負極は、グランドに接続されている。二次電池19の正極に、抵抗45の一端が接続されている。抵抗45は、二次電池19への充電電流を電圧に変換するものである。二次電池19の正極と抵抗45の他端とが充電制御部30に接続されている。
【0037】
抵抗45の他端には、切り替えスイッチ46が接続されている。
切り替えスイッチ46は、充電制御部30からの制御信号に基づいて抵抗45の他端を接点49a又は接点49bに接続する。切り替えスイッチ46が抵抗45を接点49aに接続している状態では、二次電池19の正極が電力ピックアップ部40の平滑コンデンサ44の正極に接続され、二次電池19が電力ピックアップ部40で受電した電力で充電される。
【0038】
切り替えスイッチ46が抵抗45を接点49bに接続している状態では、二次電池19の正極が電力ピックアップ部50に接続せれ、電力ピックアップ部50からの電力が二次電池19に与え与えられる。つまり、充電制御部30は、二次電池19の充電を電力ピックアップ部40側から行うか、電力ピックアップ部50から行うかを選択する。
【0039】
電力ピックアップ部50において、温度センサ56は、受電用コイル51の近傍に配置されている。温度センサ56は、携帯端末100に補助充電ユニット200が取付けられた状態でコネクタ60を介して充電制御部30に接続され、周囲の温度を測定して充電制御部30に与える。
【0040】
受電用コイル51の一端はグランドに接続され、受電用コイル51の他端に過充電防止用スイッチ55の一端が接続されている。受電用コイル51の他端は、携帯端末100に補助充電ユニット200が取付けられた状態でコネクタ60を介して充電制御部30に接続され、充電制御部30から受電用コイル51に信号を流すことが可能になっている。
【0041】
過充電防止用スイッチ55は、携帯端末100に補助充電ユニット200が取付けられた状態で充電制御部30に接続され、充電制御部30からコネクタ60を介して制御信号が与えられる。過充電防止用スイッチ55は、充電制御部30から高レベルの制御信号が与えられている状態でオフし、充電制御部30から高レベルの制御信号が与えられていない状態でオンする。
【0042】
充電制御部30は、二次電池19が満充電状態であると判断した場合に、過充電防止用スイッチ55に高レベルの制御信号を与える。充電制御部30は、二次電池19が満充電状態でないと判断した場合には、高レベルの制御信号を過充電防止用スイッチ55に与えない。
【0043】
過充電防止用スイッチ55の他端とグランドとの間にコンデンサ52が接続されている。コンデンサ52は、受電用コイル51と相まって共振回路を構成している。
【0044】
過充電防止用スイッチ55の他端にダイオード53のアノードが接続され、ダイオード53のカソードは、平滑コンデンサ54の一方の電極に接続されている。この平滑コンデンサ54の一方の電極は、補助充電ユニット200が携帯端末100に取付けられた状態で、コネクタ60を介して電力ピックアップ部40内の接点49bに接続される。平滑コンデンサ54の他方の電極はグランドに接続されている。
【0045】
一方、充電器300は、図5に示すように、複数の送電用コイル310と、電源回路311と、送電制御部312とを備える。
【0046】
電源回路311は、商用電源からプラグ313を介して与えられた電力に対して電圧変換と周波数変換とを行うことにより、送電用コイル310に供給する送電電力を生成する。
【0047】
送電制御部312は、複数の送電用コイル310から送電電力を流す送電用コイル310を選定し、電源回路311を制御し、選定した送電用コイル310に電源回路311から交流の送電電力を流す。
【0048】
次に、携帯端末100の二次電池19を受電する際の充電器300と充電機構20の動作を説明する。
【0049】
二次電池19を充電する場合、携帯端末100に補助充電ユニット200を装着し、携帯端末100及び補助充電ユニット200を充電器300の上面に載置する。
【0050】
二次電池19が満充電状態でない場合には、電力ピックアップ部40の過充電防止用スイッチ47と電力ピックアップ部50の過充電防止用スイッチ55は、オンした状態となっている。
【0051】
二次電池19が満充電状態の場合には、充電制御部30が過充電防止用スイッチ47,55に高レベルの制御信号を与え、過充電防止用スイッチ47,55をオフにしている。過充電防止用スイッチ47,55がオフにしているときには、受電用コイル41及び51には電流が流れず、二次電池19に対する充電は行われない。
【0052】
充電器300の送電制御部312は、送電電力を流していない送信用コイル310を走査し、順にパルス信号を流す。送電制御部312は、送電電力を流していない送電用コイル310を走査して順にパルス信号を流す処理を、周期的に行う。
【0053】
二次電池19が満充電状態でない場合、パルス信号が流れた送電用コイル310に対向して電力ピックアップ部40の受電用コイル41があれば、電磁結合により、受電用コイル41に電流が流れる。受電用コイル41に電流が流れることにより、パルス信号に対応するエコー信号が、パルス信号を流した送電用コイル310に誘導される。
【0054】
送電制御部312は、送電用コイル310に誘導されたエコー信号を検出し、エコー信号の強度から受電用コイル41に最も近い位置に対向して配置されている送電用コイル310を検出する。送電制御部312は、電源回路311を制御し、受電用コイル41に最も近い位置に対向して配置されている送電用コイル310に送電電力を流す。送電電力が送電用コイル310に流れることにより、その送電用コイル310に対向する受電用コイル41に電力が電磁結合により誘導され、送電が開始される。
【0055】
また、パルス信号が流れた送電用コイル310に対向して電力ピックアップ部50の受電用コイル51があれば、電磁結合により、受電用コイル51に電流が流れる。受電用コイル51に電流が流れることにより、パルス信号に対応するエコー信号が、パルス信号を流した送電用コイル310に誘導される。
【0056】
送電制御部312は、送電用コイル310に誘導されたエコー信号から受電用コイル51に最も近い位置に対向して配置されている送電用コイル310を検出し、電源回路311を制御し、受電用コイル51に最も近い位置に対向して配置されている送電用コイル310に対して送電電力を流す。送電電力が送電用コイル310に流れることにより、その送電用コイル310に対向する受電用コイル51に電力が電磁結合により誘導され、送電が開始される。
【0057】
一方、充電機構20に設けられた充電制御部30は、二次電池19から電力が供給されて制御信号を発生することが可能な状態では、受電用コイル41又は受電用コイル51に対する送電を停止させるための停止要求信号を制御信号として流す。
【0058】
切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49aに接続している状態では、充電制御部30は受電用コイル51に停止要求信号を流す。切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49bに接続している状態では、充電制御部30は受電用コイル41に停止要求信号を流す。
【0059】
停止要求信号を受電用コイル41に流した場合、受電用コイル41に対向する送電用コイル310に停止要求信号に対応する信号が誘起され、送電制御部312がこれを検知する。送電用コイル310に停止要求信号に対応する信号が誘起されたことを検知した送電制御部312は、電源回路311を制御し、停止要求信号に対応する信号が誘起された送電用コイル310に流す送電電力を停止する。
【0060】
停止要求信号を受電用コイル51に流した場合、受電用コイル51に対向する送電用コイル310に停止要求信号に対応する信号が誘起され、送電制御部312がこれを検知する。送電用コイル310に停止要求信号に対応する信号が誘起されたことを検知した送電制御部312は、電源回路311を制御し、停止要求信号に対応する信号が誘起された送電用コイル310に流す送電電力を停止する。
このように、受電用コイル41又は受電用コイル51に停止要求信号を流すことにより、無駄な電力の送電が抑制される。
【0061】
充電制御部30は、制御信号を発生することができる期間、停止要求信号を継続的に受電用コイル41又は受電用コイル51を選択して流す。
尚、停止要求信号の周波数は、送電用コイル310に流れる送電電力とは異なることが望ましい。
【0062】
次に充電機構20の充電動作を図6を参照して説明する。
図6は、充電機構20の動作を示すフローチャートである。
尚、ここでは、充電器300が送電を開始したときに、例えば、切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49aに接続しているものとして充電機構20の動作を説明する。
【0063】
充電器300が送電を開始すると、送電電力が流された送電用コイル310に対向する受電用コイル41には、電磁結合により、送電電力に対応する受電電力が流れる。ダイオード43は、受電用コイル41に流れる電力を整理し、平滑コンデンサ44がダイオード43から与えられた受電電力を平滑化し、切り替えスイッチ46及び抵抗45を介して二次電池19に与えて二次充電池19を充電する。即ち、電力ピックアップ部40側から二次電池19の充電を開始する(ステップS10)。
【0064】
充電制御部30が受電用コイル51に停止要求信号を流していない状態で、充電器300が受電用コイル51に対向する送電用コイル310に送電電力を流した場合には、その送電用コイル310に対向する受電用コイル51に送電電力に対応する受電電力が流れるが、切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49bに接続されていないので、電力ピックアップ部50側から、二次電池19が充電されることはない。
【0065】
二次電池19の充電が開始されると、二次電池19には、携帯端末100の各部に与える電力が蓄えられることになる。充電制御部30が二次電池19から電力の供給を受けて制御信号を生成することができるようになると、充電制御部30は、受電用コイル51に制御信号として停止要求信号を流し、受電用コイル51に対する電力の送電を停止させる。
【0066】
充電制御部30は、温度センサ48及び56の温度測定結果を監視し、受電用コイル41の近傍の温度と受電用コイル51の近傍の温度とを検出している。
また、充電制御部30は、抵抗45の一端の電圧を測定するとと共に抵抗45の他端の電圧を監視している。充電制御部30は、抵抗45の一端の電圧から、二次電池19の充電電圧を検出し、抵抗45の両端の電圧から二次電池19の充電電流を検出している。
【0067】
充電制御部30は抵抗45の両端の電圧に基づいて、二次電池19が満充電状態になったか否かを判断する(ステップS20)。例えば二次電池19の充電電圧が所定の電圧になった後、二次電池19の充電電流が所定値まで減少した場合に、充電制御部30は二次電池19が満充電状態になったと判断する。
【0068】
充電制御部30は、二次電池19が満充電状態になったと判断した場合(ステップS20:YES)、充電制御部30は満充電処理を行う(ステップS30)。
【0069】
図7は、満充電処理を示すフローチャートである。
満充電処理は、電力ピックアップ部40及び電力パックアップ部50の過充電防止用スイッチ47,55に高レベルの制御信号を送り、過充電防止用スイッチ47,55をオフにする(ステップS31)。さらに、充電制御部30は、受電用コイル41及び受電用コイル51に、制御信号として停止要求信号を流し(ステップS32)、処理を終了する。
【0070】
受電用コイル41及び受電用コイル51に、停止要求信号を流すことにより、受電用コイル41及び受電用コイル51に対向する各送電用コイル310に、停止要求信号に対応する信号が誘起され、送電制御部312がこれを検出する。送電制御部312は電源回路311を制御し、受電用コイル41及び受電用コイル51に対向する送電用コイル310に送電電力を流さないようにする。
【0071】
尚、充電制御部30は、満充電処理の終了後、抵抗45の他端の電圧が所定値以下になった場合、二次電池19が満充電状態でなくなったと判断し、過充電防止用スイッチ47,55に与えている高レベルの制御信号を停止して、過充電防止用スイッチ47,55をオンにする。
また、充電制御部30は、切り替えスイッチ46で選択していない側の電力ピックアップ部40,50の受電用コイル41又は受電用コイル51に停止要求信号を流すことを停止する。例えば、切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49aに接続している場合には、受電用コイル51に停止要求信号を流すことを停止する。切り替えスイッチ46が抵抗45の他端を接点49bに接続している場合には、受電用コイル41に停止要求信号を流すことを停止する。これにより、二次電池19の再充電が可能になる。
【0072】
ステップS20の判断で二次電池19が満充電状態でないと判断した場合(ステップS20:NO)、充電制御部30は、温度センサ48の温度測定結果に基づき、受電用コイル41の周辺が所定の温度以上になったか否かを判断する(ステップS40)。
【0073】
受電用コイル41の周辺が所定の温度以上になったと判断した場合(ステップS40:YES)、充電制御部30は、切り替えスイッチ46に制御信号を送り、切り替えスイッチ46の接続先を切り替え、抵抗45の他端を接点49に接続する。さらに、充電制御部30は、停止要求信号を受電用コイル41に流し、停止要求信号を受電用コイル51に流すことを停止する。この処理により、電力ピックアップ部50側での受電を可能にすると共に、電力ピックアップ部40側からの二次電池19の充電を停止する(ステップS50)。
【0074】
さらに、充電制御部30は、停止要求信号を受電用コイル51に流すことを停止する。これにより、電力ピックアップ部50側での受電が可能になる。
充電器300の送電制御部312は、送電を行っていない複数の送電用コイル310を走査しつつパルス信号を与え、パルス信号に応答するエコー信号から受電用コイル51に対向する送電用コイル310を検出し、その送電用コイル310に対して電源回路311を制御して送電電力を流す。即ち、充電器300が送電を開始する。
【0075】
充電器300が送電を開始すると、送電電力が流された送電用コイル310に対向する受電用コイル51には、電磁結合により、送電電力に対応する受電電力が流れる。ダイオード53は、受電用コイル51に流れる電力を整理し、平滑コンデンサ54がダイオード53から与えられた受電電力を平滑化し、接点49b、切り替えスイッチ46及び抵抗45を介して二次電池19に与えて二次充電池19を充電する。即ち、電力ピックアップ部50側から二次電池19の充電を開始する(ステップS60)。
【0076】
充電制御部30は抵抗45の両端の電圧の電圧に基づいて、二次電池19が満充電状態になったか否かを判断する(ステップS70)。例えば二次電池19の充電電圧が所定の電圧になった後、二次電池19の充電電流が所定値まで減少した場合に、充電制御部30は二次電池19が満充電状態になったと判断する。
【0077】
充電制御部30は、二次電池19が満充電状態になったと判断した場合(ステップS70:YES)、処理をステップS30に移して満充電処理を行う。
【0078】
ステップS70の判断で二次電池19が満充電状態でないと判断した場合(ステップS70:NO)、充電制御部30は、温度センサ56の温度測定結果に基づき、受電用コイル51の周辺が所定の温度以上になったか否かを判断する(ステップS80)。
【0079】
受電用コイル41の周辺が所定の温度以上になったと判断した場合(ステップS80:YES)、充電制御部30は、切り替えスイッチ46に制御信号を送り、切り替えスイッチ46の接続先を切り替え、抵抗45の他端を接点49aに接続する。さらに、充電制御部30は、停止要求信号を受電用コイル51に流し、、停止要求信号を受電用コイル41に流すことを停止する。この処理により、電力ピックアップ部40側での受電を可能にすると共に、電力ピックアップ部50側からの二次電池19の充電を停止する(ステップS90)。
【0080】
充電器300の送電制御部312は、送電を行っていない複数の送電用コイル310を走査しつつパルス信号を与え、パルス信号に応答するエコー信号から受電用コイル41に対向する送電用コイル310を検出し、その送電用コイル310に対して電源回路311を制御して送電電力を流す。即ち、充電器300が送電を開始する。以降、充電機構20での処理は、ステップS10に移る。
【0081】
以上のように、本実施形態の充電機構20は、携帯端末100の筐体内に組込まれた充電制御部30及び電力ピックアップ部40と、補助充電ユニット200に組込まれた電力ピックアップ部50とで構成されている。そして、電力ピックアップ部40と電力ピックアップ部50の温度を検出し、電力ピックアップ部40で受電した電力で二次電池19を充電しているとき、電力ピックアップ部40の温度が所定値になった場合には、選択を切り替えて電力ピックアップ部50で受電した電力で二次電池19を充電する。また、電力ピックアップ部50で受電した電力で二次電池19を充電しているとき、電力ピックアップ部50の温度が所定値になった場合には、選択を切り替えて電力ピックアップ部40で受電した電力で二次電池19を充電する。したがって、携帯端末100及び補助充電ユニット200の温度が、携帯端末100及び補助充電ユニット200を痛めるほど上昇することがない。また、二次電池19の充電を停止しないので、高速に二次電池を受電することができる。
【0082】
また、二次電池19が満充電状態になったことを検出した場合に、停止要求信号を受電用コイル41,51に流し、二次電池19に対する充電が行われない構成にしたので、二次電池19の過充電の防止ができる。
【0083】
また、停止要求信号を受電用コイル41,51に流し、受電用コイル41,51に対向する送電用コイルからの電力の放出を停止するようにしたので、無駄な電力の送電を防止できる。
【0084】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
電力ピックアップ部40及び電力ピックアップ部50は、図4に示す構成に限定されるものではない。例えば過充電防止用スイッチ47,55は、受電用コイル41,51とグランドとの間に設けてもよいい。
【0085】
また、充電制御部30を電力ピックアップ部50に配置してもよい。
【0086】
また、携帯端末100を対象機器として、充電機構20が二次電池19を充電するようにしたが、対象機器は携帯端末100に限定されない。例えばシェーバー等に充電機構を設け、シェーバー等に内蔵される二次電池を充電するようにしてもよい。
【0087】
また、充電器300は、複数の配列された送電用コイル310から受電用コイル41,51に対向する送電用コイルを検出して送電を行う構成としたが、他の構成も考えられる。
図8は、他の充電器の構成を説明するための図である。
例えば、図8に示す充電器400は、2つの送電用コイル410と、各送電用コイル410をそれぞれX方向及びY方向に移動させる移動機構420と、受電用コイル41,51のX方向の位置を検出するための複数のコイル430と、受電用コイル41,51のY方向の位置を検出するための複数のコイル440とを備える。
【0088】
充電器400では、複数のコイル430にパルス信号を送り、パルス信号に対応するエコー信号から、受電用コイル41,51のX方向の位置を検出し、複数のコイル440にパルス信号を送り、パルス信号に対応するエコー信号から、受電用コイル41,51のY方向の位置を検出する。これらの検出結果に基づいて移動機構420は、送電用コイル410をそれぞれX方向及びY方向に移動させ、送電用コイル410を受電用コイル41,51に対向させる。
本発明の充電機構は、このような充電器が用いられた場合にも、適用できる。
【0089】
尚、本発明は上記した装置の機能をコンピューターに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0090】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0091】
(付記1)
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電機構であって、
第1の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電用コイルと、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電用コイルと、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御手段と、
を備えることを特徴とする充電機構。
【0092】
(付記2)
前記充電制御手段は、前記第1の受電コイルで受電する電力で前記二次電池を充電しているときに前記第1の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第2の受電用コイルを選択し、選択した第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電し、前記第2の受電コイルで受電する電力で該二次電池を充電しているときに前記第2の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第1の受電用コイルを選択し、選択した第1の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電することを特徴とする付記1に記載の充電機構。
【0093】
(付記3)
前記充電制御手段は、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイルへの電力の放出又は、前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、選択していない側の前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルでの前記電力の受電を停止することを特徴とする付記1又は2に記載の充電機構。
【0094】
(付記4)
前記充電制御手段は、
前記二次電池が満充電状態か否かを検出し、
前記二次電池が満充電状態であることを検出している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイル及び前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、前記第1の受電用コイルで受電する電力及び前記第2の受電用コイルで受電する電力での該二次電池の充電を停止することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の充電機構。
【0095】
(付記5)
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電方法であって、
第1の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第1の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電処理と、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第2の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電処理と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出処理と、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池の充電を制御する充電制御処理とを含み、
前記充電制御処理では、
前記温度検出処理が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電処理で受電する電力又は前記第2の受電処理で受電する電力を選択し、選択した電力で前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする充電方法。
【0096】
(付記6)
前記充電制御処理では、前記第1の受電処理で受電する電力により前記二次電池を充電しているときに前記第1の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第2の受電処理で受電する電力を選択し、該第2の受電処理で受電する電力で前記二次電池を充電し、該第2の受電処理で受電する電力で該二次電池を充電しているときに前記第2の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、該第1の受電処理で受電する電力を選択し、該第1の受電処理で受電する電力で前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする付記5に記載の充電方法。
【0097】
(付記7)
前記充電制御処理では、前記第1の受電処理で受電する電力を選択している場合には、前記送電用コイルの前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、該第2の受電用コイルでの電力の受電を停止し、前記第2の受電処理で受電する電力を選択している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、該第1の受電用コイルでの電力の受電を停する、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の充電方法。
【0098】
(付記8)
前記充電制御処理では、
前記二次電池が満充電状態か否かを検出し、
前記二次電池が満充電状態であることを検出している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイル及び前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、前記第1の受電処理で受電した電力及び前記第2の受電処理で受電した電力での該二次電池の充電を停止することを特徴とする付記5乃至7のいずれか1つに記載の充電方法。
【0099】
(付記9)
コンピュータに、
充電器に内蔵された送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置された第1の筐体内の温度と、前記送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置され前記第1の筐体に着脱自在に取付けられた第2の筐体内の温度とを検出する温度検出機能と、
前記温度検出機能が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0100】
19 二次電池
20 充電機構
30 充電制御部
40,50 電力ピックアップ部
41,51 受電用コイル
42,52 コンデンサ
43,53 ダイオード
44,54 平滑コンデンサ
45 抵抗
46 切り替えスイッチ
47,55 過充電防止用スイッチ
48,56 温度センサ
100 携帯端末
200 補助充電ユニット
300,400 充電器
310 送電用コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電機構であって、
第1の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電用コイルと、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置され、前記送電用コイルに電磁結合して前記送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電用コイルと、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御手段と、
を備えることを特徴とする充電機構。
【請求項2】
前記充電制御手段は、前記第1の受電コイルで受電する電力で前記二次電池を充電しているときに前記第1の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第2の受電用コイルを選択し、選択した第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電し、前記第2の受電コイルで受電する電力で該二次電池を充電しているときに前記第2の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第1の受電用コイルを選択し、選択した第1の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電することを特徴とする請求項1に記載の充電機構。
【請求項3】
前記充電制御手段は、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイルへの電力の放出又は、前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、選択していない側の前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルでの前記電力の受電を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電機構。
【請求項4】
前記充電制御手段は、
前記二次電池が満充電状態か否かを検出し、
前記二次電池が満充電状態であることを検出している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイル及び前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、前記第1の受電用コイルで受電する電力及び前記第2の受電用コイルで受電する電力での該二次電池の充電を停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の充電機構。
【請求項5】
充電器に内蔵される送電用コイルが放出する電力を受電し、該受電した電力で二次電池を充電する充電方法であって、
第1の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第1の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第1の受電処理と、
前記第1の筐体に着脱自在に取付けられる第2の筐体内に配置されて前記送電用コイルに電磁結合する第2の受電用コイルにより、該送電用コイルから放出される電力を受電する第2の受電処理と、
前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で該第1の筐体内の温度と該第2の筐体内の温度とを検出する温度検出処理と、
前記第1の筐体内又は前記第2の筐体内に配置された前記二次電池の充電を制御する充電制御処理とを含み、
前記充電制御処理では、
前記温度検出処理が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の筐体に前記第2の筐体が取付けられた状態で前記第1の受電処理で受電する電力又は前記第2の受電処理で受電する電力を選択し、選択した電力で前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする充電方法。
【請求項6】
前記充電制御処理では、前記第1の受電処理で受電する電力により前記二次電池を充電しているときに前記第1の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、前記第2の受電処理で受電する電力を選択し、該第2の受電処理で受電する電力で前記二次電池を充電し、該第2の受電処理で受電する電力で該二次電池を充電しているときに前記第2の筐体内の温度が所定値を越えた場合には、該第1の受電処理で受電する電力を選択し、該第1の受電処理で受電する電力で前記二次電池を充電する、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電方法。
【請求項7】
前記充電制御処理では、前記第1の受電処理で受電する電力を選択している場合には、前記送電用コイルの前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、該第2の受電用コイルでの電力の受電を停止し、前記第2の受電処理で受電する電力を選択している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、該第1の受電用コイルでの電力の受電を停する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の充電方法。
【請求項8】
前記充電制御処理では、
前記二次電池が満充電状態か否かを検出し、
前記二次電池が満充電状態であることを検出している場合には、前記送電用コイルの前記第1の受電用コイル及び前記第2の受電用コイルへの電力の放出を停止させることにより、前記第1の受電処理で受電した電力及び前記第2の受電処理で受電した電力での該二次電池の充電を停止することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の充電方法。
【請求項9】
コンピュータに、
充電器に内蔵された送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置された第1の筐体内の温度と、前記送電用コイルに電磁結合し該送電用コイルの放出する電力を受電する第1の受電用コイルが配置され前記第1の筐体に着脱自在に取付けられた第2の筐体内の温度とを検出する温度検出機能と、
前記温度検出機能が検出する前記第1の筐体内の温度と前記第2の筐体内の温度とに基づいて、前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルを選択し、選択した前記第1の受電用コイル又は前記第2の受電用コイルで受電する電力で該二次電池を充電する充電制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−46444(P2013−46444A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180984(P2011−180984)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】