説明

充電管理サーバ、充電管理システム、充電管理方法および充電管理プログラム

【課題】
電気自動車に搭載される蓄電池への充電を行う充電スタンドの管理を図る。
【解決手段】
本実施形態の充電管理サーバは、自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、充電管理サーバ、充電管理システム、充電管理方法および充電管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、蓄電池から供給される電力を動力源とする自動車である。これら蓄電池から供給される電力、つまり蓄電池の残容量がなくなった時点で、電気自動車は停止してしまう。よって、蓄電池の容量がなくなる前に車載器の機能を利用して充電スタンドを検索し充電を促すシステムなどが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−148590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充電スタンドを検索し充電スタンド情報を提供したとしても、ドライバーのスケジュールや目的地によっては行くことができないなど、不要な充電スタンド情報を提供することとなる。
【0005】
そこで、本実施形態の充電管理サーバ、充電管理システム、充電管理方法およびプログラムは、ドライバーにとってより適切な充電スタンドを案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の充電管理サーバは、自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る充電管理システムのブロック図。
【図2】第1の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図3】第1の実施形態の変形例1に係る充電管理システムのブロック図。
【図4】第2の実施形態に係る充電管理システムのブロック図。
【図5】第2の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態の変形例2に係る充電管理システムの構成を示すブロック図。
【図7】第2の実施形態の変形例2に係るを示す充電管理システムの動作を示すフローチャート。
【図8】第1の実施形態、第2の実施形態のその他の変形例を示す充電管理システムのブロック図。
【図9】第1の実施形態に係る充電予約システムのプログラムを利用した場合のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施態様について図1乃至図9を参照しながら説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る充電予約システムについて図1、図2を参照しながら説明する。
【0010】
本実施形態の充電予約システムは、図1に示すように、管理サーバ10と、通信ネットワーク1と、複数のアンテナ部20と、自動車30とを含む構成である。また、通信ネットワーク1を介して、管理サーバ10とアンテナ部20が接続され、アンテナ部20と自動車30とが無線通信可能となっている。
【0011】
通信ネットワーク1は、相互通信可能なネットワーク網である。本実施形態ではネットワーク1が例えば、LAN、イントラネット等のネットワーク等の有線通信網としているが、無線通信網に代替することができる。
【0012】
管理サーバ10は、演算処理部100と、記憶部110と、通信部120と、表示部130と、入力部140を含む構成である。本実施形態における管理サーバ10は、表示部130、入力部140を備えているが、本サーバへの入出力は図示していないシリアル回線や、通信ネットワーク1を経由して外部に設置されていても良い。
【0013】
演算処理部100は、情報登録部101と、走行距離算出部102と、充電スタンド検索部103と、スケジュール取得・提供部104とを含む構成である。
【0014】
情報登録部101は、各種演算に必要な情報を各種データベース(DB)111〜115に登録する。本実施形態では、通信部120を介して受信した自動車情報を自動車情報DB111に蓄電量の残容量等を蓄電量情報DB112、アンテナ位置をアンテナ位置情報DB113に、充電スタンド情報を充電スタンド情報DB114に、ドライバーのスケジュール等の情報をスケジュール情報DB115に登録、記憶させる。
【0015】
スケジュール取得・提供部104は、スケジュール情報DB115に記憶された移動経路や最終目的地を含むドライバーのスケジュールを取得する。スケジュールとは、ドライバーが自己の自動車情報と関連付けてあらかじめ登録したスケジュール情報をいい、「AA時BB分にCC地点に到着」等の情報である。ドライバーのスケジュールには予め蓄電池に充電する予定充電時間、予定充電量、最終目的地までの移動経路も含まれていてもよい。例えば、1時間の間、充電スタンドがある設備に滞在する予定である場合、この時間に蓄電池に充電するといったスケジュールである。スケジュールはいわゆる一日のスケジュールではなく二日以上分のスケジュールを加味したものであってもよい。最終目的地とは、例えばスケジュール登録された最後の目的地、または1日の最後の目的地をいう。
【0016】
走行距離算出部102は、予定充電時間を組み入れた自動車の走行可能距離を算出する。本実施形態では、アンテナ部20を介して送られてきた自動車30の自動車情報と電池の残容量である蓄電量情報から、情報を受け取った地点(各アンテナ部20が自動車30と無線通信できる領域の所定地点の位置)からの走行可能距離を算出する。予定充電量情報が有る場合は、自動車情報と電池の残容量である蓄電量情報から、情報を受け取った地点および予定される充電量である予定充電量から走行可能距離を算出してもよい。本実施形態では、各アンテナ部20の位置情報を、自動車30の位置として利用していることから、GPS(Global Positioning System)を利用する場合と比べて、位置検出精度を高くすることができる。さらに、自動車が高速道路で走行している際のGPSによる位置測定と異なり、高速道路に側道があった場合の混同が生じにくいという利点もある。
【0017】
充電スタンド検索部103は、上記走行距離算出部102から送られてきた走行可能距離に関する情報を受け取り、スケジュールの最終目的地まで到達可能な走行可能距離であるか否かの判断を行う。最終目的地まで到達可能な場合つまり予定される移動経路で充電のための寄り道が必要ないと判断した場合は、処理を終了する。最終目的地まで到達ができない場合は、スケジュールの空き時間と移動経路と蓄電量(または走行可能距離)から、到達可能な充電スタンドを抽出し、併せて充電時間を算出する。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報を自動車30へ提供する。充電スタンドの抽出の際には滞在場所に充電スタンドが有る場合に、滞在時間を空き時間としてとらえ当該滞在場所の充電スタンドを優先して案内する。
【0018】
これら抽出した充電スタンドを自動で予約してもよい。自動予約に代えて自動車30のドライバーに予約をするか否かの予約確認をしてもよい。例えば予約確認については、ドライバー等の人間の音声により入力を行う音声認識機能により行ってもよいし、実際に入力部340のタッチパネル等の操作によって予約の決定がなされてもよい。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報にはあらかじめスケジュールの途中に寄る充電スタンドで予定よりも長く充電するといった情報であってもよい。
【0019】
なお、この抽出した充電スタンドおよび充電時間に関する情報を予め定められたパターンにそって優先順位をつけて並びかえてもよい。「予め定められたパターンにそって」とは例えば移動経路からの寄り道時間、または充電スタンドDB114からデータを取得して予約状況が少ない充電スタンド、充電時間が短い順番に並べるかえることをいう。
【0020】
また、最終目的地まで到達ができるか否かについては、蓄電量の値を用いることができる。例えば、移動経路上で自動車30の蓄電量が50%以下になる場合は、最終目的地まで到達できないとした場合の処理を行うこととする等である。
【0021】
記憶部110は、自動車情報DB111と、蓄電量情報DB112と、アンテナ位置情報DB113と、充電スタンド情報DB114と、予約情報DB115とを含む構成のデータベース(DB)である。各DBとは、データが記憶される媒体であり、一般に使用されるディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ等の各種記憶媒体が利用できる。これらの記憶媒体は一時記憶に利用してもよい。
【0022】
自動車DB111は、走行可能距離を算出するために必要な、自動車30の車種や、前記車種毎における蓄電量の残容量および速度に対応する平均走行距離、その他必要な情報を記憶する。例えば、平均走行距離は、高速道路や車両専用道路などの制限速度で走行している場合を想定した、各蓄電量の残量に対応する距離である。また受信したアンテナ部20の位置付近で渋滞が発生している場合、低速走行時における各蓄電量に対応する平均走行距離であってもよい。その他、自動車の所有者や、ETCカード等を利用する場合は、そのカードの利用者情報を記憶していてもよい。
【0023】
蓄電量情報DB112は、自動車30から送られてきた蓄電量を記憶する。蓄電量は、電荷量であってもよいし、電池の容量をパーセンテージ(percentage)で記憶させても良い。
【0024】
アンテナ位置情報DB113は、各アンテナ部20の位置情報を記憶する。例えば、各アンテナ部20の緯度経度情報であっても良いし、あらかじめ与えられた位置に対応する番号等であってもよい。
【0025】
充電スタンド情報DB114は、充電スタンドの位置情報を記憶する。例えば、高速道路のサービスエリア内の充電スタンドの台数の情報や、充電スタンドの充電性能(自動車への時間毎提供可能電力量等)に関する情報である。充電スタンドの予約状況も記憶する。
【0026】
スケジュール情報DB115は、自動車30のドライバーの予約情報を記憶する。例えば、どの車両または利用者が今後どのようなスケジュールに沿って行動するか等予定情報である。予定情報には、予め充電する時間等も組み込まれていてもよい。スケジュール情報は、パソコン(図示しない)などの外部入力インターフェースから登録する。
【0027】
通信部120は、通信ネットワーク1およびアンテナ部20を介して自動車30の通信部320と接続され、各種情報の送受信を行う。
【0028】
表示部130は、各種DBに記憶された情報等を表示する表示画面である。
【0029】
入力部140は、各種情報を入力するために使用する。例えば、キーボード等である。
【0030】
アンテナ部20は、各種路車間通信を行うアンテナである。道路に一定間隔毎に配置されている。また、各アンテナ毎に位置情報が設定されている。本実施形態では、自動車30と無線通信により接続され、管理サーバ10とはネットワーク1を介して接続されている。例えば、アンテナ部20としては、DSRCアンテナ等の狭帯域通信があるが、その他、自動車30と通信を行うことができるアンテナであれば良い。
【0031】
自動車30は、演算処理部300と、記憶部310と、通信部320と、表示部330と、入力部340とを含む構成である。
【0032】
演算処理部300は、蓄電量検出部301と、自動車情報記憶部302とを含む構成である。その他必要な演算処理を行う。
【0033】
蓄電量検出部301は、自動車30の蓄電量を検出する。実際の蓄電量を数値化して検出しても良いし、自動車30が積載する蓄電池の最大蓄電量に対する蓄電量の割合としてパーセンテージで表しても良い。
【0034】
自動車情報送信部302は、各種自動車情報を記憶する自動車情報DB312から自動車情報を読み出し、演算処理部100へ提供する。例えば、車種情報や、自動車の所有者等である。また、積載する電池の最大蓄電量等の情報や走行速度、各走行速度に対する電力の使用量を記憶させても良い。
【0035】
記憶部310は、蓄電量情報DB311と、自動車情報DB312を含む構成であり、それぞれ、自動車30の蓄電量情報、自動車情報(ドライバー情報)を格納する。
【0036】
通信部320は、アンテナ部20と通信ネットワーク1を介して管理サーバ10の通信部120と接続され、各種情報の送受信を行う。
【0037】
表示部330は、予約情報や、充電スタンド情報や地図等を表示する表示画面である。また、予約をするか否かの選択画面を出力しても良い。なお本実施形態では、画像等により表示する媒体として記載しているが、その他の出力機能、例えば、音声出力による音声出力部であってもよい。
【0038】
入力部340は、各種情報を入力するために使用する。例えば、ボタンや表示部330上に表示されるタッチパネルである。また、自動車30のドライバー等の発する声を認識することにより、入力信号としてもよい。
【0039】
なお、図9に示すように情報登録部101は情報登録プログラム、走行距離算出部102は走行距離算出プログラム、充電スタンド検索部103は充電スタンド検索プログラム、充電スタンド予約部104は充電スタンド予約プログラムであってもよい。
【0040】
次に、第1の実施形態の動作について図2を参照しながら説明する。
【0041】
図2は、第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0042】
まず、自動車30が、アンテナ部20が設置された所定の道路に進入する。
【0043】
次に、所定の道路内に一定間隔毎に設置されているアンテナ部20と通信部320との通信が確立されると、自動車30は、通信部320を介して蓄電量検出部301により検出された蓄電量および自動車情報送信部302から自動車に関する情報をアンテナ部20へ送信する(S101)。
【0044】
管理サーバ10は、送られてきた情報を、通信部120により受信し、自動車に関する情報は自動車情報DB111に、蓄電量に関する情報を蓄電量情報DB112へ記憶させる。また、受信したアンテナ部20の位置情報は、アンテナ位置情報DB113へ記憶させる(ステップS201)。
【0045】
スケジュール取得・提供部104は、スケジュール情報DB115に記憶された移動経路情報、最終目的地を含むスケジュールを読み出し、走行距離算出部102に提供する(ステップS202)。
【0046】
走行距離算出部102は、予定充電時間を組み入れた自動車の走行可能距離を算出する。本実施形態では、アンテナ部20を介して送られてきた自動車30の自動車情報と電池の残容量である蓄電量情報(予定充電時間がスケジュール情報に組み込まれている場合はさらに予定蓄電量)から、情報を受け取った地点(各アンテナ部20が自動車30と無線通信できる領域の所定地点)からの走行可能距離を算出する(ステップS203)。
【0047】
充電スタンド検索部103は、上記走行距離算出部102から送られてきた走行可能距離に関する情報を受け取り、スケジュールの最終目的地まで到達可能な走行可能距離であるか否かの判断を行う。最終目的地まで到達可能な場合つまり道中で充電のための寄り道が必要ないと判断した場合は、処理を終了する(ステップS204−NO)。最終目的地まで到達ができない場合は、スケジュールの空き時間と移動経路と蓄電量(または走行可能距離)から、到達可能な充電スタンドを抽出し、併せて充電時間を算出する。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報を自動車30へ提供する。滞在場所に充電スタンドが有る場合は当該充電スタンドを優先して案内する(ステップS205)。
【0048】
充電スタンドおよび充電時間に関する情報を表示部330に表示する(ステップS102)。
【0049】
この後、提供した充電スタンドを自動予約してもよいし、ドライバーの判断に任せて予約してもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0050】
このように、本実施形態によれば、車両に搭載されている蓄電池(バッテリー)の残量情報等をアンテナ部20を介して管理サーバ10に送信し、さらに、移動経路途中の充電量も加味して算出された走行可能距離から、自動車30に対して最適な充電スタンドまたは充電時間の案内を行うことができる。
【0051】
<変形例1>
第1の実施形態では、アンテナ部20の位置情報を利用したが、本実施例では、これに代えて図3に示すように自動車30内の演算処理部300に位置情報取得部305を設けてGPSにより取得された位置情報を利用してもよい。
【0052】
スケジュール情報に含まれる移動経路情報を、演算処理部300により算出し、これを取得してもよい。
【0053】
このようにすることで、カーナビゲーションシステムの位置取得機能、移動経路算出機能を流用しサーバの演算処理量を減らすことが可能である。
【0054】
以上に記載したように、サーバと自動車の各演算処理部、各記憶部の機能は様々な組み合わせで処理を相互に分担することが可能である。
【0055】
(第2の実施形態)
本実施形態では、図4に示すように自動車30が道路交通情報取得部304、走行距離算出部307、スケジュール情報DB313、道路交通情報DB116を備えている。
【0056】
道路交通情報取得部304は、渋滞情報等の道路交通情報を取得し、これを走行距離算出部307に提供する。
【0057】
位置情報取得部305は、自動車30の位置情報を取得する。
【0058】
走行距離算出部307は、自動車情報、蓄電情報、予定充電量に加え、さらに渋滞情報を組み入れて走行可能距離を算出する。
【0059】
スケジュール情報DB313は、スケジュール情報を記憶している。第一の実施形態のスケジュール情報DB115と同様の機能を有する。
【0060】
動作について図5を用いて説明する。
【0061】
蓄電量検出部301により検出された蓄電量、自動車情報送信部302により提供される自動車に関する情報、位置情報取得部305により検出された位置情報を走行距離算出部307に提供する(ステップS301)。
【0062】
スケジュール取得・提供部303は、スケジュール情報DB313に記憶された移動経路情報、最終目的地を含むスケジュールを読み出し、走行距離算出部307に提供する(ステップS302)。
【0063】
道路交通情報取得部304は、道路交通情報DB116から渋滞情報などの道路交通情報を取得する。本実施形態ではDSRCアンテナから取得しているが、他のインターネット回線などを通じて道路交通情報を取得してもよい。取得した道路交通情報を走行距離算出部307に提供する(ステップS302−1)
走行距離算出部307は、スケジュール情報を取得したのちに、前記スケジュール情報に含まれる目的地までの移動経路中の道路交通情報を組み入れて自動車の走行可能距離を算出する。つまり本実施例では、自動車30の位置情報と自動車情報と電池の残容量である蓄電量情報(予定充電情報が有る場合は予定蓄電量)および道路交通情報から、情報を受け取った地点からの走行可能距離を算出する(ステップS303)。
【0064】
充電スタンド検索部306は、上記走行距離算出部307から送られてきた走行可能距離に関する情報を受け取り、スケジュールの最終目的地まで到達可能な走行可能距離であるか否かの判断を行う。最終目的地まで到達可能な場合つまり道中で充電のための寄り道が必要ないと判断した場合は、処理を終了する。最終目的地まで到達ができない場合は、スケジュールの空き時間と移動経路と蓄電量(または走行可能距離)から、到達可能な充電スタンドを抽出し、併せて充電時間を算出する。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報を表示部330に表示する滞在場所に充電スタンドが有る場合は当該充電スタンドを優先して案内する(ステップS304、ステップS305)。
【0065】
本実施形態により、より正確な走行可能距離を算出することができる。よって、正確な走行可能距離からさらに適切な充電スタンドを提供することができる。
【0066】
<変形例2>
本実施例は、第2実施形態の変形例である。
【0067】
図6に示すように第2の実施形態の道路交通情報取得部304に代えて、健康状態情報取得部308を道路交通情報DB116に代えて健康状態情報DB314を備えている。
【0068】
健康状態情報取得部308は、自動車30のドライバーの目蓋の開き量(その他、顔色や頭部の動き等)の情報を取得し、健康状態情報DB314に記録されたパターンとパターンマッチングを行い、健康状態が良好か否かを判定する。この健康状態に関する健康状態情報を充電スタンド検索部306へ送出する。
【0069】
この健康状態情報を受け取った充電スタンド検索部306は、走行距離算出部307で算出された走行距離情報と併せて、スケジュールの最終目的地までに充電するか否かの判断を行う。最終目的地までの距離が近く充電のための寄り道が必要ないと判断した場合は、処理を終了する。最終目的地まで休憩を取得すべきと判断した場合は、スケジュールの空き時間と移動経路と蓄電量(または走行可能距離)から、到達可能な充電スタンドを抽出し、併せて充電時間を算出する。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報を表示部330に表示する。
【0070】
動作について図7を用いて説明する。
【0071】
蓄電量検出部301により検出された蓄電量、自動車情報送信部302により提供される自動車に関する情報、位置情報取得部305により検出された位置情報を走行距離算出部307に提供する(ステップS401)。
【0072】
スケジュール取得・提供部303は、スケジュール情報DB313に記憶された移動経路情報、最終目的地を含むスケジュールを読み出し、走行距離算出部307に提供する(ステップS402)。
【0073】
健康状態情報取得部304は、健康状態情報DB314から渋滞情報などの道路交通情報を取得する。取得した健康状態情報を走行距離算出部307に提供する(ステップS402−1)
走行距離算出部307は、スケジュール情報を取得したのちに、前記スケジュール情報に含まれる目的地までの移動経路中の健康状態情報を組み入れて自動車の走行可能距離を算出する。つまり本実施例では、自動車30の位置情報と自動車情報と電池の残容量である蓄電量情報および予定蓄電量および道路交通情報から、情報を受け取った地点からの走行可能距離を算出する(ステップS403)。
【0074】
充電スタンド検索部306は、上記走行距離算出部307から送られてきた走行可能距離に関する情報を受け取り、スケジュールの最終目的地まで到達可能な走行可能距離であるか否かの判断を行う。最終目的地まで到達可能な場合つまり道中で充電のための寄り道が必要ないと判断した場合は、処理を終了する。最終目的地まで到達ができない場合は、スケジュールの空き時間と移動経路と蓄電量(または走行可能距離)から、到達可能な充電スタンドを抽出し、併せて充電時間を算出する。この充電スタンドおよび充電時間に関する情報を表示部330に表示する(ステップS404、ステップS405)。
【0075】
このようにドライバーの健康状態をも、スケジュール情報に組み入れることにより、よりドライバーにとって適切な充電スタンド設備の情報を提供することができる。
【0076】
<その他の変形例>
これら第1の実施形態および第2の実施形態、各変形例のスケジュール情報DB115、313に代えて、図8に示すようにスケジュール管理サーバ40内にスケジュール情報DB411を設けてもよい。
【0077】
スケジュール管理サーバ40は演算処理部400、記憶部410、通信部420および入力部440を含む構成である。
【0078】
演算処理部400は、記憶部410内に設置されたスケジュール情報DB411からスケジュール情報を読み出し、通信部420を介して、自動車30または管理サーバ10へスケジュールに関する情報を提供する。
【0079】
このような構成にすることで、管理サーバを介さずインターネット回線を通じてより大きなデータであっても取得することができる。
【0080】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 … 通信ネットワーク
10 … 管理サーバ
20 … アンテナ部20
30 … 自動車
40 … スケジュール管理サーバ
100 … 演算処理部
101 … 情報登録部
102 … 走行距離算出部
103 … 充電スタンド検索部
104 … スケジュール取得提供部
110 … 記憶部
111 … 自動車情報DB
112 … 蓄電量情報DB
113 … アンテナ位置情報DB
114 … 充電スタンド情報DB
115 … スケジュール情報DB
120 … 通信部
130 … 表示部
140 … 入力部
300 … 演算処理部
301 … 蓄電量検出部
302 … 自動車情報記憶部
303 … スケジュール情報提供部
304 … 道路交通情報取得部
305 … 位置情報取得部
306 … 充電スタンド検索部
307 … 走行距離算出部
308 … 健康状態情報取得部
310 … 記憶部
311 … 蓄電量情報DB
312 … 自動車情報DB
330 … 表示部
340 … 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理サーバ。
【請求項2】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報、位置情報と、から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理サーバ。
【請求項3】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項4】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記自動車の位置情報から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項5】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記移動経路上の道路交通情報を取得し提供する道路交通情報取得部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項6】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記ドライバーの健康状態情報を取得し提供する健康状態情報取得部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記自動車の位置情報と前記健康状態情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項7】
蓄電池を備える自動車と、前記管理サーバと前記自動車を通信ネットワークを介して接続される管理サーバとから構成される充電管理システムにおいて、
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得・提供し、
前記移動経路上の道路交通情報を取得し、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出し、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する
充電管理方法。
【請求項8】
蓄電池を備える自動車と、前記自動車を通信ネットワークを介して接続される管理サーバとから構成される充電管理システムにおいて、
前記管理サーバに、
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路を含むスケジュール情報を取得・提供する処理と、
前記移動経路上の道路交通情報を取得する処理と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する処理と
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドおよび充電時間に関する情報を検索し前記自動車へ提供する処理と、
をシステム上で動作させることを実現する充電管理プログラム。
【請求項9】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理サーバ。
【請求項10】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報、位置情報と、前記予定充電量情報と、から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理サーバ。
【請求項11】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
アンテナを介して通知される前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記アンテナの位置から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項12】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記自動車の位置情報から前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項13】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記移動経路上の道路交通情報を取得し提供する道路交通情報取得部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項14】
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得し提供するスケジュール情報取得・提供部と、
前記ドライバーの健康状態情報を取得し提供する健康状態情報取得部と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記自動車の位置情報と前記健康状態情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する走行距離算出部と、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する充電スタンド検索部と、
を備える充電管理システム。
【請求項15】
蓄電池を備える自動車と、前記自動車を通信ネットワークを介して接続される管理サーバとから構成される充電管理システムにおいて、
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得・提供し、
前記移動経路上の道路交通情報を取得し、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出し、
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドを検索し、充電時間を算出し、前記充電スタンドおよび前記充電時間に関する情報を前記自動車へ提供する
充電管理方法。
【請求項16】
蓄電池を備える自動車と、前記自動車を通信ネットワークを介して接続される管理サーバとから構成される充電管理システムにおいて、
前記管理サーバに
自動車を運転するドライバーの最終目的地までの移動経路、予定充電量を含むスケジュール情報を取得・提供する処理と、
前記移動経路上の道路交通情報を取得する処理と、
前記自動車の自動車情報、蓄電量情報と、前記予定充電量情報と、前記自動車の位置情報と前記道路交通情報とから前記自動車の走行可能距離を算出する処理と
前記走行可能距離と前記移動経路を比較して前記最終目的地まで到達できない場合は、前記移動経路および前記走行可能距離から前記自動車が充電することができる充電スタンドおよび充電時間に関する情報を検索し前記自動車へ提供する処理と、
をシステム上で動作させることを実現する充電管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−160022(P2012−160022A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19230(P2011−19230)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】