光を送るためのハンドピース及びそのハンドピースを利用するシステム
本明細書において記述される発明は、光を送達するための改善されたハンドピース(12)、およびそのハンドピース(12)を利用するシステム(10)である。ハンドピース(12)は通常、本体(22)、本体(22)と同一の長さで延在する光ファイバのような光学構成要素(24)とを含む。当該システム(10)は、ハンドピース(12)に光を与えるための、遠隔光源(40)および光学構成要素(42)(たとえば、光源光ファイバ)を含みうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には医療デバイスに関する。より詳細には、本発明は、典型的には医療の目的で光を送達するためのハンドピース及びシステムに関する。
【0002】
[出願日の利益の主張]
本願は、2005年6月29日に出願の米国仮特許出願第60/694,952号及び2006年6月21日に出願の代理人整理番号第1248.025号の出願日の利益を主張し、それらの特許出願はいずれも、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、数多くの用途において光を送達するために都合よく使用されている。最近になって、光ファイバは、光線力学的療法(PDT)、光線力学的消毒(PDD)、光照射組織溶接等の医療の目的で使用するための光を送出するために利用されている。或る特定の医療の用途では、光ファイバを用いて光を送るのを助けるために、個人がハンドピースを使用できるようにすることが望ましい。しかしながら、従来のハンドピースにおいて、種々の望ましくない特性及び問題が明らかになっている。一例として、ハンドピースの光ファイバは、特定の環境条件(たとえば、オートクレーブにおいて受けることがあるような高温又は湿度等)にさらされることによって損傷を受けることがある。別の例として、そのようなハンドピースは非常に価格が高いことがある。さらに別の例として、そのようなハンドピースは著しい光損失を示すことがある。したがって、これまでに述べられたように、又は後の説明から当業者には明らかになるように、本発明は、従来のハンドピースにおいて明らかになっている望ましくない特性及び/又は問題を最小限に抑えるか、又は克服するハンドピース、そのハンドピースを利用するシステム、又はその両方を提供する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、医療の用途において、そしておそらく他の用途においても、光を送るために用いられるハンドピースである。そのハンドピースの近端は通常光源ファイバからの光を受光するように構成され、光源ファイバは、遠隔した光源/受光器手段から光を送る。その光は、光源ファイバから、ハンドピースの光ファイバを通って、ハンドピースの遠端まで伝送することができる。その遠端は、人又は他の生物の生体組織のような、対象とする適用部位に光を送達し、且つ/又は対象とする適用部位から光を受光するために用いられる取り外し可能な先端部を受け入れるように構成することができる。
【0005】
そのハンドピースは、オートクレーブにおいてハンドピースを滅菌できるようにし、且つ光学表面を洗浄できるようにする特有のモジュール性を有するように設計することができる。そのハンドピースは通常人間工学的な意匠を有することができ、ハンドピースの中央シャフトアセンブリの一部と見なすことができる本体を備えるが、本体は、別個の構成要素にすることができるか、又は先端部の一部にすることもできる。そのハンドピースは、シャフトアセンブリの残りの部分の上に本体を保持するのを助けることができる保持スリーブを備えるように構成することができる。ハンドピースの一部として保持ナットを備えることもでき、保持ナットは、取り外し可能な光源ファイバフェルールをハンドピースにしっかりと連結できるように構成することができる。取り外し可能な光源ファイバフェルールが用いられるときに、光源ファイバを中央シャフトアセンブリに固定しておくのを助けるために、保持ナットと協働するように保持スリーブ及び内部アダプタを用いることができる。
【0006】
図面では、別段の指示がない限り、種々の図全体を通して、同様の参照番号及び文字は同様の部品を指している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、光線力学的消毒(PDD)のような光線力学的治療(PDT)において使用するために、遠隔した光源/受光器手段から、口腔又は他の体内の部位のような組織又は生体物質に光を送達するためのハンドピースを提供することに基づく。また、そのハンドピースは、光活性化抗真菌治療、光照射組織溶接、治療化合物の光活性化融解又は重合、光硬化セメントの用途における光硬化(たとえば、歯科用途)、医療レーザ用途(たとえば、手術用切断)、医療アブレーション用途、眼科関連の用途における光凝固、光センシング用途、光学過程のモニタリング又は他の用途等の、医療又は他の用途のために用いることができるものと考えられる。
【0008】
本発明のハンドピースは、1つ又はいくつかの望ましい、又は好都合な特性を示すことができる。本発明の一態様によれば、そのハンドピースは、滅菌するためにオートクレーブ又は薬浴に繰返し出し入れしても、ハンドピースの光学部品に起因する著しい物理的な劣化又は性能の劣化を生じることなく耐えるように構成することができる。たとえば、そのハンドピースは、滅菌中に光ファイバを熱、湿度又はその両方から保護するために、中央シャフトアセンブリ内で保護及び/又は封止(たとえば、気密封止)される光ファイバを含むことができる。そのような保護又は封止を助けるために、ハンドピースがオートクレーブ又は他の方法において繰返し滅菌されるのに耐えることができるようにするほど高いガラス転移温度を有する医療グレードの接着剤を用いることが望ましいことがある。1つの例示的な好ましい接着剤は、EPO−TEK 353 NDの商品名で、Epoxy Technology社(14 Fortune Drive in Billerica, MA 01821)から市販される2成分エポキシ接着剤である。
【0009】
本発明の別の態様によれば、完全に組み立てられたユニットとしてのハンドピース全体(光源ファイバ及び先端部を除く)を、消毒のためにオートクレーブ又は薬浴の中に入れることができる。オートクレーブ後に、近端及び遠端上の表面(たとえば、フェルールの表面、又は中央シャフトアセンブリの中に延在する光ファイバの表面)をさらに洗浄して、理想的な光学特性を取り戻すことが必要とされることがある。それゆえ、一実施形態では、近端フェルール及び遠端フェルールはいずれも、フェルールの一方又は両方を洗浄のために処理できるように、ハンドピースと一体に構成される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースは、中央シャフトアセンブリ、ハンドピースの近端上の構成要素又はその両方がハンドピースの使用中等に、いかなる生体組織(たとえば、患者の生体組織)からも十分に分離され、そのアセンブリ、構成要素又はその両方を滅菌する必要がないように、中央シャフトアセンブリを保護する本体を備えることができる。先端部及び本体だけが滅菌されるか、又は処分される必要があるようにハンドピースが設計されると言うこともできる。これは、ハンドピース内の光学部品を、(たとえば、オートクレーブにおける)滅菌に耐えるように設計する必要がないので、耐用年数を延ばし、製造コストを下げることができることを意味する。
【0011】
別の態様によれば、そのハンドピースは、光学的な挿入損失/伝送損失を低くできるように設計することができる。これは、1つには、および/または一実施形態では、中央シャフトアセンブリの中に延在する光ファイバの特性と光源ファイバの特性とを一致させることによって果たすことができる。一例として、2つの光ファイバ間の隙間又は距離の制御を維持しながら、2つの光ファイバ間の軸方向の厳密な公差を維持することができる。コストを低く抑えながら、これらの厳しい公差を保持することは、業界標準の光ファイバコネクタを用いるという選択肢によって、さらに良くすることができる。また、これらの設計によれば、たとえば、劈開した光ファイバに特有の、損失及び歩留まりが変わりやすい問題に対して、耐久性がある低損失の光学配線を作り出すために、光ファイバの端部を適当に処理(たとえば、研磨)できるようになる。
【0012】
別の例として、中央シャフト本体の特性をフェルール及び光ファイバと一致させることによって(たとえば、すべてガラスおよび/またはセラミックの構成を利用することによる)、或る範囲の熱条件にわたって、ハンドピースのための安定した光学特性を達成することができる。材料特性を一致させることによって、光ファイバがフェルール(たとえば、ピストン)の中に引き込まれる(オートクレーブの極端な温度サイクルに起因する)のを避けることができるか、又は少なくとも抑制することができる。それにより、構成要素の光学性能の低下、及びユニットの耐用年数の減少も避けることができるか、又は抑制することができる。
【0013】
さらに別の例として、光ファイバと中央シャフト及びフェルールとの間(たとえば、真鍮製シャフト及び鋼製フェルールとグラスファイバ)の特性の不一致は、オートクレーブ温度においてアセンブリをソーキングするという手順を踏んで対処することができ、それにより光ファイバが永久にフェルールの中にわずかに引き込まれる。これは、硬化過程の最中に、又はその後に行うことができる。その後、温度サイクル後に光ファイバ端を研磨して、次のさらに高い温度の事象(たとえば、オートクレーブの中を通されること)によって引き起こされる将来の膨張に対応するために、室温において十分に「緩みがある」低損失のアセンブリを作り出すことができる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースはモジュール式の設計を有することができる。一実施形態では、そのハンドピースは、ユニット間で互換性のある3つの部品又はサブアセンブリに分解される。これにより、組み立て直す際に形が合う部品を見つける必要はなく、それらのサブアセンブリを分解し、それらのサブアセンブリのトレイをオートクレーブの中に通すことができるようになる。また、その用途の要求(特定の作業の人間工学的な使いやすさ、又は専門技術者の嗜好)により一層適合させるために、異なる本体を中央シャフトアセンブリと組み合わせることもできる。さらに、標準的な光コネクタに概ね、または全く同じである標準的な大量生産の光ファイバフェルール構成要素を利用するという選択肢によって、低コスト、高性能、モジュール性又はそれらの任意の組み合わせを達成することができるものと考えられる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースの本体部分は、専門技術者の手に、又は適用される処置のタイプにより一層適合させるために、種々の輪郭で構成することができる。さらに、モジュール式の意匠の場合には、ただ1組の内部構成要素上で種々の本体スタイルを交換することができる。したがって、1つの光ファイバと共に、種々の本体スタイルを利用することができる。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、そのハンドピースの設計によれば、ハンドピースを、再利用可能な先端部と共に、または一度しか使用しない(使い捨ての)先端部と共に用いることができるようになる。ハンドピースの遠端、保持スリーブのいずれか、又はその両方の上にある機構を、先端部、本体のいずれか、又はその両方にある保持機構と連結するように設計することができる。これらの機構は、構成要素を取り外すことによって、その保持機構が「機能しなくなる」ように、保持される構成要素に作用する特定の機構を含むことができ、その構成要素を後に使用するのにほとんど役に立たないようにし、それにより処分を助長し、安全に一度だけ使用するという行動を助長する。後に説明される先端部に加えて、本明細書において記述される先端部の代替品として用いることができるか、又は本発明と共に、又は本発明の機構と共に用いることができる、他の適当な先端部の例が、2006年4月4日に出願の”Optical Probe for Delivery of Light”と題する米国特許出願第11/397,768号に開示されており、その特許出願は、参照により本明細書に特に援用される。
【0017】
図1、図2A及び図2Bを参照すると、1つの例示的なシステム10が示される。システム10は、ハンドピース12と、光源アセンブリ14とを備える。ハンドピース12は、遠端フェルール20、中央シャフト本体22、光ファイバ24及び近端フェルール26のうちの1つまたは任意の組み合わせから構成される中央シャフトアセンブリ18を備える。中央シャフトアセンブリ18は、中央シャフト本体内の溝に嵌合する留め具(たとえば、止めねじ)で本体28内に保持することができる。内部アダプタ30が近端フェルール26と係合し、保持スリーブ32によって適所に保持される。光源アセンブリ14からの光源フェルール34が、内部アダプタ30の他方に係合し、保持ナット36で適所に保持される。
【0018】
光源ファイバアセンブリは、ハンドピース12に、及び/又は、ハンドピース12から光を搬送し、且つ光源又は手段(instrument)40に、及び/又は、光源又は手段40から光を搬送する光ファイバケーブル38の構成要素を含む。そのアセンブリは、限定はしないが、光源ファイバ42、外装44、ストレインレリーフ46、フェルール34及び保持ナット36を含むことができる。保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリを本体アセンブリに接続するための連結部を提供する構成要素を含む。保持スリーブアセンブリは、限定はしないが、保持スリーブ32及び内部アダプタ30を含むことができる。本体アセンブリは、ハンドピース12の握り部分50を形成し、その中を通ってハンドピース12の近端54と遠端56との間で光が行き来することができるコンジット52を提供し、さらに先端部との連結部も提供する構成要素を含む。通常、先端部はエンドエフェクタであり、処置エリアに光を送達し、且つ/又は処置エリアについての特定の特性を測定するように構成される。
【0019】
図1の左側に示されるように、光源ファイバ42は、光源/受光器手段40からハンドピース12まで光を伝送し、オプションではハンドピース12からの光を光源/受光器手段40に戻すように伝送するための役割を果たす光ファイバ構成要素である。このように光を伝送する目的を果たすために、このファイバは、限定はしないが、シリカ(又はガラス)、ハードクラッドシリカ(HCS)、ポリマークラッドシリカ(PCS)及びプラスチックファイバを含む、複数のタイプの光ファイバから選択することができる。中空コア又は液体コアの導波路を利用することもできる。通常、ファイバを保護スリーブで被覆することによって、ファイバを保護する。さらに、限定はしないが、多種多様な業界標準の強化外装を含む、多数の異なるファイバ外装を用いることができることは本発明の範囲内にある。口腔PDDの用途では、このファイバは通常、滅菌される必要がないように、患者から十分に離れて取り外される。しかしながら、ほとんどすべてのシリカ及びHCSはオートクレーブに耐えることになるが、他のタイプのファイバは、そのような滅菌技法に繰返しさらされる場合には、耐用年数が限られる傾向があることに注目すべきである。
【0020】
図1乃至図3には1つのファイバだけが示されるが、光源光ファイバに、1つのコアを有する1つのファイバ、複数のコアを有する1つのファイバ、又は複数のファイバのいずれかが用いられることができることは本発明の範囲内にある。複数のファイバは、単一の伝導体としての役割を果たすか、又は個々のファイバが個別の目的を果たすファイバの束とすることができる。例として、本発明の範囲を限定はしないが、ハンドピースに光を与えるために用いられるファイバもあれば、光を光源/受光器手段に戻すように伝送するための役割を果たすファイバもある。それとは別に、またはそれと組み合わせて、種々のファイバが、種々の波長の光を、いずれかの方向に伝送するための役割を果たすこともできる。さらに、それとは別に、またはそれと組み合わせて、ファイバ束は、たとえば、撮像する目的を果たすために用いられることがあるコヒーレントなファイバ束を含むこともある。
【0021】
本明細書において説明される光源ファイバ又は他のファイバは、電磁放射スペクトルの任意の部分からの放射を伝送することができる。特に対象となるのは、スペクトルの紫外線部分、可視光部分及び近赤外線部分における治療目的の波長である。光源ファイバ又は他のファイバは、1つの波長、或る範囲の光の波長、または個々の波長及び波長範囲の組み合わせから構成されるグループを放射することができる。光源ファイバまたは他のファイバは、光をハンドピースに伝送し、かつ光源/受光器手段に戻すように伝送することがある。或るグループの波長が、光源/受光器手段から外に向かって伝送され、別のグループの波長が、光源/受光器手段に戻るように伝送されることがある。
【0022】
そのファイバ(複数の場合もあり)を研磨して、平坦であるか、又は曲率を有するかのいずれかである滑らかな表面にすることができるか、又はファイバ(複数の場合もあり)を劈開して、平坦な表面を形成することができる。ファイバは、ファイバ表面を保護するか、又は反射損を低減するか、又は特定の波長に反射率を合わせるために、その上にコーティングを有することもある。またファイバは、ハンドピース内の対応するファイバに伝送される光の方向を変更するための役割を果たす光学構成要素において終端することもある。そのファイバは、伝送能力を高めて、限定はしないが、回折光学系又はHOEのような光学構成要素を形成するために、表面内にエッチングされたパターンを有することもある。そのファイバ終端として、ボールレンズ又はグレーデッドインデックスレンズのようなレンズを用いることもできる。
【0023】
光源フェルール34は、光源ファイバ42の終端における構造を提供し、またファイバの端部において連結するための場所も提供する。光源フェルール34は、限定はしないが、図2に示されるようなステンレス鋼SMAフェルールのような、多数の業界標準光ファイバ部品のうちのいずれかから構成することができる。光源フェルールは、標準的な形状若しくは構成、または特別に設計された形状若しくは構成(たとえば、正方形又は長方形)を有することができ、非対称又は対称な形状(たとえば、円筒形SMAフェルール)を有することができる。また光源フェルールは、特定の向きにフェルールを位置合わせするための役割を果たす機構(たとえば、キータブ、又は非対称及び/若しくは非円形の形状)を含むこともできる。光源フェルールは、所望の寸法公差、フェルールの内部にさらにしっかりとファイバを保持するための望ましい能力、および望ましい耐用年数(たとえば着脱サイクル)に応じて、限定はしないが、ガラス、セラミック、金属及びガラス充填プラスチックを含む、任意の実用的な材料から構成することができる。多くの市販のフェルールは、ステンレス鋼又はジルコニウム系セラミックから形成されるが、当業者であれば、所望の構成に応じて用いることができる他の材料を理解できるであろう。
【0024】
光源フェルールは、1つのフェルールの中に1つのファイバ又は複数のファイバを収容するように構成することができる。限定はしないが、複数(たとえば、5、6、7又はそれ以上)の別個のファイバの束を単一の穴を有する1つのフェルールの中に一纏めにして収容することができるか、または一連の個別のファイバを長方形の棒に沿って直線的に配置することができる。光源フェルールは、1つのフェルール又は複数の別個のフェルールから構成されることがあり、複数の個別のフェルールを接合して単一の部品を構成するようにすることもできる。本発明の範囲を限定はしないが、複数の光源フェルールの例として、送り光及び戻り光のために1つずつの一対のSMAフェルールを考えることができる。限定はしないが、接合されるフェルールの一例が、2つ以上の円筒形のフェルールが共通の線に沿って互いに接合される(たとえば、接着されるか、又は溶接される)ように構成されることがあるか、又は複数の円筒形のフェルールが直線的なアレイのようなパターンで互いに接合される外観を有するように、1つの構成要素が1つの部品(すなわち、プラスチック成形品)から形成されるように構成されることがある。
【0025】
図1、図2b及び図3の光源フェルール34は、業界標準のフェルール、具体的にはSMAスタイルフェルールとして示される。SMAフェルールは通常、保持ナットと共に使用され、保持ナットをSMAフェルールアセンブリの一部と見なすことが好都合であることもある。図1及び図3に詳細に示されるように、SMAフェルール34が、対応する雄ねじを有する保持スリーブ内に、および/またはアダプタスリーブ30内に挿入されるとき、保持ナット36が雄ねじと嵌合するために用いられ、それにより、保持ナット36はSMAフェルール34をアダプタスリーブ32内にしっかりと保持する役割を果たす。他の光ファイバコネクタを用いることができることは本発明の範囲内にあるので、保持ナットの役割が、ねじで嵌合すること以外の広範な他の方法において果たされることがあることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、STスタイルの典型であるバヨネットスタイル保持バレルを利用することもできる。さらに、保持ナットの役割は、光源フェルール及び/又はハンドピース上の機構の組み合わせによって果たすこともできる。同じく限定はしないが、この一例は、フェルールがハンドピースに挿入され、回して所定の位置に固定される構成であろう。限定はしないが、別の例は、光源フェルールが横方向に摺動してハンドピース内のポケットの中に入り、ばね押し機構によって十分に位置合わせされた位置に保持されることであろう。保持ナットはアルミニウム又は鋼から形成されることが多いが、当業者であれば、他の望ましい材料を選択することができるであろう。必ずしも望ましくないが、光源フェルールを接着剤で保持スリーブアセンブリに永久に固定することができることも本発明の範囲内にある。
【0026】
図1を参照すると、保持スリーブアセンブリの一実施形態が示される。ハンドピース12は、光源ファイバアセンブリが、本体アセンブリ上の近端フェルール26に極めて近接して配置される光源フェルール34において終端することを示す。内部アダプタ30は、2つのフェルール26、34を位置合わせする。保持スリーブ32は本体28上にねじで、又は他の方法で接続され、内部アダプタ30、近端フェルール26及び中央シャフトアセンブリ18を本体28に固定するための役割を果たす。ナット36は、内部アダプタ30にねじ嵌めされるか、又はその上に配置され、光源ファイバアセンブリをハンドピース12に固定する。
【0027】
図3に示される本発明の実施形態では、内部アダプタ30は、ファイバ24、42を極めて近接して、且つ十分に位置合わせされた状態で近端フェルール26及び光源フェルール34内に保持するための役割を果たすスリーブである。光源フェルール34側では、内部アダプタ30は、光源フェルール34をしっかりと嵌合した状態に保持するために保持ナット36と嵌合する雄ねじを有する。一方、内部アダプタ30内の機構は、近端フェルール26を受け入れるか、または近端フェルール26を収容する。また、図1には、保持スリーブ32上の対応する機構と嵌合する内部アダプタ30上の外側嵌合リム機構60も示される。
【0028】
図1に示される保持スリーブ32の実施形態は、本体28上の雄ねじと嵌合する雌ねじを有する。また、内部アダプタ30上の対応する機構と嵌合する内側嵌合リム機構も示される。保持スリーブ32が本体28上にねじ嵌めされるか、又は他の方法で配置されるときに、内側嵌合リム60が外側嵌合リムと嵌合し、それにより、内部アダプタ30を捕捉する。保持スリーブ32が本体28にしっかり締め付けられるとき、これは、近端フェルール26上に内部アダプタ30をしっかりと保持するという効果がある。このように、図1に示される実施形態は、内部アダプタ30及び保持スリーブ32の組み合わせによって、光源ファイバアセンブリ及び本体アセンブリが位置合わせされた状態でいかに互いに保持されるかを示す。
【0029】
図3の実施形態は、内部アダプタ及び保持スリーブを別個の構成要素として示す。単一の構成要素によって、2つの構成要素の役割を果たすことができることも本発明の範囲内にある。図1に示される実施形態では、これは、内部アダプタの遠端に、本体上の雄ねじにしっかりねじ嵌めできるようにする雌ねじを有する機構を追加することによって果たすことができる。
【0030】
保持スリーブは、その外側表面の一部の周囲に、保持スリーブをしっかり掴むのを助け、且つ本体から取り外すのを助けるための機構を有することができる。これらの機構は、限定はしないが、ローレット切り、荒面仕上げ、軟質の高分子材料を含む領域、突出機構(すなわち、こぶ)、又は1つ若しくは複数の平坦な面から形成されるナットのようなプリズム状の機構を含むことがある。また保持スリーブは、握りの快適性を高め、且つ使用中にしっかりと掴むのを助ける人間工学的な輪郭を有することもできる。保持スリーブは、握り機構及び人間工学的機構を別個に、又は組み合わせて有することができることは本発明の範囲内にある。
【0031】
本発明の範囲内で、保持スリーブは、図3に示されるのとは異なるようして本体と嵌合することもできる。たとえば、これは、限定はしないが、保持スリーブ上の雄ねじが本体上の雌ねじに嵌合すること、または保持スリーブが本体とバヨネットスタイルの「回して差し込む」機構で嵌合することを含むことがある。他の類似の嵌合機構を利用することもできる。上記の保持ナットの記述において説明されたとの同じようにして、内部アダプタの近端が、光源フェルール又は光源ファイバアセンブリと嵌合することもできる。図3では、保持スリーブアセンブリが、近端フェルールと位置合わせされた状態で光源フェルールアセンブリをしっかりと保持するための役割を果たし、本体アセンブリに光源ファイバアセンブリをしっかりと保持することに留意されたい。また、保持スリーブアセンブリと本体との間の圧締め作用によって、本体部分の内部に中央シャフトアセンブリをしっかりと保持することもできることも本発明の範囲内にある。後の節で説明されるように、中央シャフトアセンブリは、他の手段によって、本体内に保持することもできる。
【0032】
保持スリーブアセンブリは、1つのスタイルのフェルールから別のスタイルのフェルールに変換するための役割を果たすことができる。この一例は、限定はしないが、第1のスタイルの光源フェルール(たとえば、STスタイル光源フェルール)を第2のスタイルの光源フェルール(たとえば、SMAスタイル近端コネクタ)と係合させることを含むであろう。そのような事例では、保持スリーブの長さの或る部分では、第1のサイズ又はSMAサイズの内径になり、その長さの別の部分では、第2のサイズ又はSTサイズの内径になるであろう。さらに、その保持スリーブアセンブリは、第1の第2のスタイル又はSTスタイルのフェルールと嵌合するために必要とされる機構(たとえば、ポスト及びキー溝)と、第2のスタイルのフェルールと嵌合するための第2の機構(たとえば、バヨネットインターロックバレル)とを有する必要がある。保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリ、本体アセンブリのいずれか、又は両方からの1つ又は複数のフェルールを収容することができることも本発明の範囲内にある。また、保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリ、本体アセンブリのいずれか、又は両方から任意の、又は種々の形状又はサイズのフェルールを収容するように構成することもできる。これらのタイプのフェルールの例は、限定はしないが、プリズム形のフェルール、接合されたフェルールの配列、ファイバの束を有する1つのフェルール、又は外に向かう照明のための1組のフェルール及び戻り光のための第2の1組のフェルールを含む。
【0033】
保持スリーブアセンブリを含む構成要素は、考えられる広範な材料から構成することができることは本発明の範囲内にある。これは、限定はしないが、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウムおよび他の合金、ならびにアルミナ若しくはジルコニアのようなセラミック、またはガラス充填エポキシのような硬質のポリマーのような、オートクレーブに適合する材料(すなわち、大きく劣化することなく、オートクレーブ条件に耐えることができる材料)を含む。また、オートクレーブに適合しない材料(たとえば、種々のプラスチック)から保持スリーブアセンブリの構成要素を形成することもできる。材料の混合物を用いることができることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、内部アダプタは、ステンレス鋼のような1つの材料から形成されることがあり、保持スリーブは、アルミニウムのような別の材料から形成されることがある。また、個々の構成要素を、2つ以上の材料から構成することもできる。たとえば、同じく限定はしないが、保持スリーブはアルミニウムから構成されることがあり、握り機構は、シリコンゴムのような可撓性材料の挿入物(inset)から形成されることがある。
【0034】
本体アセンブリは通常、本体構成要素と、中央シャフトアセンブリを構成する構成要素のうちの1つ、または任意の組み合わせとを含む。図2Bの実施形態において示されるように、本体アセンブリは、外側に向かって延びるか、または各端部から突出する雄フェルール20、26を有する。材料の選択によっては、保持スリーブアセンブリと接続されたままでオートクレーブの中に本体アセンブリ全体を通すことができるか、又は分解されるときには、いかなる部分構成要素も劣化させることなくすべて通すことができる。構成要素の特有の構成によって、デバイスの両端にある光学表面64、66を検査及び洗浄できるようになる。このように保守できることによって、66において係合する光学表面に異物が堆積する場合であっても、デバイスの光学性能の損失を少なく(low loss optical performance)保持できるようになる。特有の構成による利点は、いくつかのハンドピースからの構成要素を交換することができることである。これにより、いくつかの構成要素が同時に滅菌された場合でも、ユニットを組み立て直すのが簡単になり、単一の構成要素をアップグレード又は交換できるようになる。これは、限定はしないが、中央シャフトアセンブリの光学表面64、66が損傷し、交換する必要がある場合に、または本体スタイルを別の本体スタイルに切り替えることが望ましい場合に、または異なるスタイルの光源ファイバアセンブリに適合する内部アダプタを使用するために、内部アダプタを変更する必要がある場合に好都合であろう。単一の部品として構成されるように、または容易に分解できないように構成されるように、本体及び保持スリーブアセンブリを設計することができることに留意されたい。この構成では、効果的に滅菌できるようになるが、内部アダプタのシャフト内に配置される光学表面を検査及び洗浄するのが難しくなることがある。
【0035】
本体28は通常、ハンドピース12の外殻を形成し、ハンドピースに1つ、または複数の機能的な属性を与えることができる。たとえば、本体28は握り表面及び形状を与えることができる。別の例として、本体は、その内部の構成要素、特に光学部品を保護する。別の例として、本体は、患者とハンドピースの構成要素との間の滅菌障壁を提供することができる。本体のさらに別の潜在的な役割は、すべての種々の構成要素を互いに堅く保持するための硬質の支持体としての役割を果たすことである。最後に、別の潜在的な機能は、注目せずにはいられない形を与え、患者及び介添人の注意を、用いられるブランド及び処置技法に引き付ける(focus:集中させる)ことである。
【0036】
図4は、ハンドピース12の一実施形態を示しており、本体28の部分が、快適であるか、疲れにくい(low strain)か、安定しているか、又はそれらの性質の組み合わせである握り部を提供する、視覚に訴える形を与えるように形作られている。特定のサイズ又は形の手に馴染むように、人間工学的な輪郭を設計することができ、それにより種々の使用者が、最も快適であると感じる本体スタイルでハンドピースを組み立てることができるようにする。また、種々の部分が安定した握りを与えるのを助ける表面仕上げ又は表面機構を有するように、ハンドピースを設計することもできる。限定はしないが、いくつかの例は、荒面、隆起、こぶのパターン、くぼみのパターン、ローレット切り、指の線に合わせた輪郭、又はその組み合わせ等を含む。しっかり掴むのを助けるために、可撓性材料の部分も含まれることができる。限定はしないが、いくつかの例は、シリコンゴムの部分、さらには本体部分全体を包み込むシリコンゴムスリーブを含む。可撓性部分は、しっかり掴むのを助ける上記のような表面仕上げ又は表面機構を有することもできる。
【0037】
図4には、ハンドピース12の一実施形態が示されており、本体28は、快適で、疲れにくく、安定した握りを与えるために、人間工学的に形作られる。図から明らかなように、本体28は一般的に、ハンドピース12の遠端に向かって径が大きくなるか、または膨らんでおり、この膨らんだ部分は、安定した握りを確保するのを助けるために、両側に可撓性の握り表面70を含む。
【0038】
所望により、ハンドピースの意匠は視覚に訴えるスタイルを含むことができ、それは、患者及び介添人の両者にとってブランド及び処置の両方を認識する上で重要な部分であることがある。そのような意匠上の特徴は、限定はしないが、図4に示されるような特有のロゴ、及び/又は同じく図4に示される特有の形状、可撓性のはめ込み部品(inlay)の特有のパターン、および/またはコントラストを生み出す塗料または他の材料の特有のパターン、表面レリーフの特有のパターン、さらには使用中に独特の光を発する部分を含むことがある。光を発する本体部分を作り出すことは、半透明の材料から成る本体の部分を構成し、光源からの送り光または光源への戻り光の一部がこれらの部分に迂回するように配置することによって構成することができる。特有のパターンは、半透明の部分の形状によって、または特有のパターンの不透明な材料で覆うことによって作り出すことができる。
【0039】
図1乃至図3に示される実施形態では、本体28の近端又は端部54が、保持スリーブアセンブリの構成要素と連結する。中央シャフトアセンブリを本体28内に収容して保護することができ、近端フェルール26だけが一方の側または端部54において露出しており、他端では遠端フェルール20が露出している。本体を保持スリーブアセンブリに嵌合するという行為は、すべての部品を互いにしっかりと固定しておくための役割を果たすことができる。代替的には、または上記の事柄と組み合わせて、図5に示される止めねじ76のような保持機構74によって、中央シャフトアセンブリ18を本体28の中に保持することができる。止めねじ76は本体28内のねじ山によって保持され、その先端が中央シャフトアセンブリと嵌合する。所望により、止めねじは、図5において中央シャフトアセンブリ上に示される溝のような保持機構78と嵌合することができる。本体28が保持スリーブアセンブリといかに嵌合するかに関する具体的な設計の潜在的な変形形態は、既に説明されている。
【0040】
本体28は、広範な潜在的材料から構成することができる。本体がオートクレーブ内で滅菌される場合には、高い熱及び湿度に適合する材料が選択されるべきである。限定はしないが、それらの例は、ステンレス鋼及びアルミニウムのような金属、またはアルミナ若しくはジルコニアのようなセラミック、またはガラス充填エポキシ若しくはいくつかのシリコンゴム化合物のような耐久性のあるポリマーである。本体が化学的に滅菌されることになる場合には、反応しにくい材料が選択されるべきである。限定はしないが、それらの例は、ポリカーボネートのようなプラスチック、またはシリコンゴム化合物のようなポリマー、またはステンレス鋼のような金属である。本体は、オートクレーブによる滅菌及び化学的滅菌の両方に耐えるために、セラミック化合物から形成することもできる。また本体は、限定はしないが、ステンレス鋼構造内にシリコンゴムの握りを挿入したもの、人間工学的なシリコンゴムをオーバーモールドされたスリーブを有するアルミニウム構造、さらには、保持スリーブアセンブリと嵌合するように近端にねじ山のあるアルミニウム挿入物を有するセラミック構造のような、複数の材料の組み合わせから形成することもできる。本体部分が使い捨てにされるべきである場合には、本体は、プラスチックのような低コストの材料から形成されるべきである。
【0041】
図1および図5に示されるように、中央シャフトアセンブリ18、本体28又はその両方は、ハンドピース12の長さに沿って延在する光学部品24、および光源フェルール及び先端部と連結する構成要素を概ね包み込むか、または収容することができる。組立中に光学系を保護し、光学系の周囲に封止部(たとえば、気密封止部)を形成する構成要素も含まれることがある。図5は、中央シャフト本体を近端フェルール20及び遠端フェルール26と組み合わせて、中央シャフトアセンブリ、すなわち光ファイバ24を保護する硬質で、封止された(たとえば、気密封止された)ユニットを形成する実施形態を示す。気密封止部が望ましい場合には、たとえば、ファイバを金属スリーブにはんだ付けすることができる。図1および図5に示されるように、中央シャフトアセンブリ18は、本体28の近端54に挿入される。それは、近端フェルール26の基部にある機構に対する保持スリーブ32の圧締め作用によって、または保持溝78に嵌合する止めねじ76によって、またはその両方によって、所定の位置に保持される。この構成の1つの大きな利点は、中央シャフトアセンブリ18の両端が、精密な端部を製造しやすく、且つ検査及び洗浄しやすい雄ファイバフェルール20、26であることである。
【0042】
図1乃至図5では、遠端フェルール20は中央シャフト本体内に挿入される剥き出しのフェルールとして示され、一方、近端フェルール26は、中央シャフト本体22の端部に嵌合する基部本体を有することに留意されたい。本発明の範囲内で、いずれの端部においてもいずれかのスタイルのフェルールを用いることができるが、これは、中央シャフトアセンブリを本体のどちらの端部に挿入することができるかを決定するであろう。中央シャフトアセンブリの端部は、本体の遠端に設けられるリップ上に嵌合することができることも本発明の範囲内にある。また、本体と中央シャフトアセンブリとの間で働く材料が汚れる状況を減らすために、いずれか一方、又は両方の端部において、それらの間に封止部を設けることもできる。そのような封止部は、本明細書において説明されるような医療グレートの接着剤を使用することによって、または他の方法で設けることができる。
【0043】
近端フェルールは通常、光源ファイバアセンブリ内の対応する光学構成要素(複数の場合もあり)(たとえば、ファイバ(複数の場合もあり))と位置合わせされた状態で1つ又は複数の光学構成要素(たとえば、ファイバ)を保持するように構成される。フェルールの形状、材料及び光源ファイバアセンブリ内の光導体の数について上記で説明されたことが、近端フェルールにも当てはまる。たとえば、ハンドピース全体の所望の構成に応じて、剥き出しのバレルフェルール、及び基部を有するフェルールを選択することができる。高電力の用途(たとえば、1ワットを超えるレーザ電力の送達)では、セラミック又はポリマーフェルールに比べて高い温度により一層耐えることができることに起因して、金属フェルールを利用することが相応しいことがあることに留意されたい。
【0044】
遠端フェルールは、中央シャフト本体に沿って延在する1つ又は複数の光学構成要素(たとえば、ファイバ(複数の場合もあり))を、その先端の光学部分で連結又は収容するように構成される。光源フェルールアセンブリ内のフェルールの形状、材料及び光導体の数について上記で説明されたことが、遠端フェルールにも当てはまる。たとえば、ハンドピース全体の所望の構成に応じて、剥き出しのバレルフェルール、及び基部を有するフェルールを選択することができる。再び、高電力の用途(たとえば、1ワットを超えるレーザ電力の送達)で、セラミック又はポリマーフェルールに比べて高い温度により一層耐えることができることに起因して、金属フェルールを利用することが相応しいことがあることに留意されたい。
【0045】
図5に示される実施形態は、近端フェルールと遠端フェルールとの間に延在する単一の光ファイバを有するが、複数のファイバ又は光伝導構成要素が利用されることもある。本発明の範囲内で、広範な種々の光伝導構成要素を用いることができる。本明細書では、光ファイバが参照されることが多いが、そのようなファイバの代わりに、本明細書において説明される光伝導構成要素、または当該技術分野において開示される他の構成要素のいずれかを用いることができることは理解されたい。限定はしないが、それらの例は、ガラスクラッドシリカファイバ、ハードクラッドシリカファイバ、ポリマークラッドシリカファイバ及びポリマーファイバである。その光ファイバは、円柱形の形状を有することができるか、または任意の、または別の断面(たとえば、正方形、三角形又は他の突起のある形状)から成ることができる。その光ファイバは、その上にクラッディングを有することがあるか、または中央シャフト本体内の媒体だけで被覆されることがある。ガラスおよび/または石英ガラスから成るファイバは丈夫であり、オートクレーブタイプの滅菌又は化学的な滅菌に耐える傾向があるが、ポリマーファイバの多くは、高温、高湿又は過酷な化学反応に耐えられないことに留意されたい。
【0046】
光ファイバは、電磁放射スペクトルの任意の部分からの放射を伝送することができる。特に対象となるのは、スペクトルの紫外線部分、可視光部分および近赤外線部分の治療目的の波長である。光ファイバは、1つの波長、或る範囲の光の波長、または個々の波長及び波長範囲の組み合わせから構成されるグループを放射することができる。光ファイバファイバは、光を、先端部に伝送し、かつ光源ファイバに戻すように伝送することができる。或るグループの波長が、外に向かって伝送され、別のグループの波長が、戻るように伝送されることがある。
【0047】
ファイバの端部は、同じように処理するか又は異なる特性を有することができる。そのファイバを研磨して、平坦であるか、又は曲率を有するかのいずれかである滑らかな表面にすることができるか、又はファイバを劈開して、平坦な表面を形成することができる。ファイバは、ファイバ表面を保護するか、又は反射損を低減するか、又は特定の波長に反射率を合わせるために、その上にコーティングを有することもある。またファイバは、ファイバから伝送される光の方向を変更するための役割を果たす光学構成要素において終端することもある。そのファイバは、伝送能力を高めて、限定はしないが、回折光学系又はHOEのような光学構成要素を形成するために、表面内にエッチングされたパターンを有することもある。そのファイバ終端は、ボールレンズまたはグレーデッドインデックスレンズのようなレンズとすることができる。
【0048】
光源又は入力ファイバに関して上記で説明されたのと概ね同じように、光ファイバは、単一のファイバ構成要素、複数のコアを有するファイバ、または複数のファイバのいずれかを含むことができる。複数のファイバとして、単一の光導体としての役割を果たすか、または個々のファイバが別個の目的を果たすファイバの束を用いることができる。それとは別に、またはそれと組み合わせて、種々のファイバが、いずれかの方向に異なる波長の光を伝送するための役割を果たすこともできる。さらに、それとは別に、またはそれと組み合わせて、ファイバ束は、たとえば、撮像する目的を果たすために用いられることがあるコヒーレントなファイバ束を含むこともある。コヒーレントなファイバ束は、その近端における合焦された画像に対応する画像を、その遠端において再現することができるファイバ構成要素の束である。
【0049】
中央シャフトアセンブリの中に真直ぐに延在する1つ、または複数の光導体に加えて、中央シャフト本体の中に、光の向きを変更するか、または光を合成して新たな構成にするための役割を果たす他の光学構成要素が存在することがあることも本発明の範囲内にある。限定はしないが、具体的な例は、近端上に1つのファイバがあり、遠端上に一対のファイバがある場合に用いられる機械式又は融着型の「Y」字形結合器を含むことである。そのような実施形態では、一対のファイバは、1つのファイバの中を伝送した光を分配し、1つのファイバは、一対のファイバの中を伝送する光を合成したものを搬送するであろう。この概念は、近端側に概ね任意の数(たとえば、2、3、4、5、又はそれ以上)のファイバを含むこともでき、遠端上に概ね任意の数(たとえば、2、3、4、5、又はそれ以上)のファイバを有し、遠端上のファイバの数は、近端上の数と同じにすることができるか、または異なる数にすることができる(たとえば、ファイバ数を増減)。いずれの端部においても一対のファイバが用いられた場合には、これは、融着型又は機械式「X」字形ファイバスプリッタを形成することになり、「結合器」と呼ばれることもある。
【0050】
真直ぐに延在するファイバ及び結合されるファイバは組み合わせて用いることもできる。限定はしないが、一例は、近端にある一対のファイバであり、第1のファイバが治療目的の光を処置エリアに送達するように構成され、第2のファイバが、検知光を光源/受光器手段に戻すように構成される。第1のファイバは、遠端まで真直ぐに支持されることができ、遠端でその光を先端まで送達する。第2のファイバは、遠端において第1のファイバを包囲する複数(たとえば、6つ)のファイバのアレイに結合することができる。このようにして、複数のファイバの構成を用いて、先端から散乱性の戻り光を収集し、その光の一部が、測定及び検知の目的のために光源/受光器手段に光を戻す第2のファイバの中に確実に入るようにすることができる。
【0051】
ファイバ結合器は、方向性のスペクトル特性を有することができ、いくつかの波長が1つまたは複数のファイバの中に進み、残りの波長が異なる1つ又は複数のファイバの中に進むように、光の波長が分割される。限定はしないが、一例は2:1結合器であり、これは、近端上に2つのファイバがあり、遠端上に1つのファイバがある。第1の近端ファイバの中に治療目的の波長(複数の場合もあり)を導入することができ、それらの波長は、結合器を通って1つのファイバの中に伝送され、さらに先端まで伝送される。先端からの戻り光は、治療目的の波長の帯域内にない光が第2の近端ファイバの中に進むように、光路を選択することができる。フィルタ、格子又は特定の融着構造の使用を含む、ファイバによってそのように波長分割するために用いられる十分に完成しているいくつかの技法がある。
【0052】
図5の実施形態は、中央シャフト本体22を円筒形の形状で示しており、それは製造するのが容易である。しかしながら、中央シャフト本体は、限定はしないが、楕円形、長方形、さらには一対又はそれよりも多くの数の軸方向に接合される筒状物を含む、任意の、又は所定の断面形状を有することができることは本発明の範囲内にある。
【0053】
ハンドピースの設計目標が、化学的技法又はオートクレーブ技法による滅菌に耐えることができるようにすることである場合には、中央シャフトアセンブリを、光ファイバを保護するアセンブリ(たとえば、気密アセンブリ)にして、ファイバの遠端および近端の表面だけを露出させることが有用である。これは、光ファイバの完全な状態が損なわれないようにし、ハンドピースの低損失の伝送特性を保持する。しかしながら、オートクレーブ内の熱サイクル中に、中央シャフトアセンブリ内の材料は、大きな熱膨張を受けることがある。光ファイバと中央シャフト本体との間の熱膨張が一致しない場合には、光ファイバに望ましくない張力が加えられることがあり、光ファイバが劣化するか、又は破壊される可能性がある。1つの例示的な例として、85mm長の光ファイバを考える。中央シャフト本体がアルミニウムから構成される場合には、15ppm/℃(1℃当たりの百万分率)の熱膨張の違いが存在することがある。250℃のオートクレーブ温度の場合、中央シャフト本体は、光ファイバよりも0.25mmだけ大きく膨張している。これは、フェルールの一方または両方の内外に光ファイバを収縮させる効果があり、それにより大きな隙間を作り出して、ハンドピースの光学的な伝送損失を増加させることがある。または、ファイバが十分に伸長できない場合には、単にファイバが断線することがある。
【0054】
その場合に、設計または製造工程のいずれかにおいて、熱膨張の違いに対処するために新たに考案された技法を用いることができることは本発明の少なくとも1つの実施形態の範囲内にある。製造工程において熱膨張の問題を解決するために、中央シャフトアセンブリが構成されるが、ファイバは、フェルールの各端部から、わずかな距離だけ突き出したままにされる。未硬化の接着剤を用いて、光ファイバがフェルールの中に封止され、その後、そのアセンブリは材料が膨張した状態にある間に、接着剤が固まる、又は硬化できるのに十分に長い持続時間にわたってオートクレーブ温度まで高められる。一旦、冷却されたなら、わずかな量だけ「緩みがある」光ファイバが中央シャフトアセンブリ内に存在することになり、将来の熱膨張に対する緩衝材としての役割を果たすであろう。この状態において、光ファイバに端面処理(たとえば、ファイバの端面を研磨すること)を施すことができ、その光ファイバは温度サイクル中に後退及び損傷を受けにくくなるであろう。
【0055】
別の新たな製造技法も、高温の硬化技法と同じようにして、熱膨張の違いの問題を解決又は緩和することが立証されている。光ファイバと中央シャフト本体との間に、硬化した接着剤又はガラスはんだ接合部が存在する場合に、短い熱サイクルを繰り返すと、封止部を劣化させることなく、ファイバが徐々に、しかし永久にフェルールの中に後退することがわかっている。ただし、その封止部は気密封止部であっても、なくてもよい。この技法をいかに利用することができるかの一例は、中央シャフトアセンブリに接合または接着されるが、フェルールの端部から、或る距離だけ突き出すように端部が長いままである光ファイバで開始する。そのファイバは、少なくとも予想される熱膨張の違いと同じ程度(たとえば、0.5mmより長く)まで伸びる必要があるが、その長さは、後続の処理ステップを容易にするために、10mn〜20mmであることが実用的である。その後、そのアセンブリを、室温とオートクレーブ温度との間で繰返し循環させることができる(たとえば、それぞれ15分の全サイクルを20サイクル)。繰返し循環した後に、そのファイバは、伸長若しくは収縮のいずれか、またはその両方を受けており、高温硬化で参照されたのと同じ「緩みがある」状態が生じる。ここで、たとえば、フェルールの端部と同じ面で劈開又は研磨することによって、ファイバの端部を仕上げることができる。
【0056】
フェルールおよび中央シャフト本体に金属部品を用いて、強いアセンブリを製造することができるが、それらの部品は、光ファイバ構成要素よりも大きな熱膨張係数を有する傾向がある。ただし、そのアセンブリは気密であっても、なくてもよい。しかしながら、熱サイクルの問題を緩和する別のオプションもある。中央シャフトアセンブリ内の材料が、厳密に一致する熱膨張係数を有するように選択される場合には、温度サイクルの影響を緩和又は無効にすることができる。光ファイバ及び中央シャフト本体が厳密に同じ熱特性を有することが最も重要であるが、フェルールの熱特性をファイバとも一致させることから、或る付加的な利益を得ることができる。限定はしないが、一致する材料の例は、ガラス、セラミック、複合材料(すなわち、ガラス繊維)、ガラス充填エポキシ、又はそれらの混合物等を用いることである。たとえば、限定はしないが、セラミックフェルールはかなり一般的であり、それらのフェルールはセラミック又はガラス製の中央シャフト本体と調和させることができる。
【0057】
好ましい実施形態では、高温において、中央シャフト本体は、その長さに沿って、第1の距離だけ膨張又は伸長し、光ファイバは、その長さに沿って、第2の距離だけ膨張又は伸長し、第1の距離は、第2の距離の1mm以内、より典型的には0.5mm以内であり、さらに典型的には0.1mm以内である。高温は、オートクレーブの典型的な温度(たとえば、約100℃〜約300℃、又は約200℃〜約300℃)である。
【0058】
上記で述べられたように、光ファイバはフェルールの中に接着することができる。限定はしないが、適当な接着剤の例は、エポキシ及びウレタンである。ガラスはんだ化合物を用いて、光ファイバをフェルールの中に封止することもできる。また、金属はんだを用いて光ファイバをフェルールの中に封止することもできるが、接着を促進するために、非金属構成要素(すなわち、光ファイバ)上に金属「シード」層を形成することが望ましいこともある。ガラスはんだ化合物及び金属はんだ化合物を用いて、限定はしないが、レーザエネルギー、赤外線放射、又はオーブンにさらすことを含む、種々の形の熱を加えることによって、封止部を形成することができる。1つの実用上の考慮すべき事柄は、ガラスはんだ化合物または金属はんだ化合物が必要な場合には、オートクレーブ温度において機械的に安定したままでなければならないことである。
【0059】
フェルール及び中央シャフト本体は、限定はしないが、エポキシ、ウレタン及び弾性シーラント(RTV)化合物を含む接着剤を用いて互いに封止することもできる。処理ステップに関して同じような要件で、ガラスはんだ化合物及び金属はんだ化合物も利用することができる。金属フェルール及び金属中央シャフト本体の場合には、限定はしないが、レーザ溶接、MIG溶接及びTIG溶接のような高品質の溶接技法を用いて、直に溶接部を作り出すこともできる。フェルール及び中央シャフト本体がいずれも金属、または高分子材料、またはその組み合わせ等から形成される場合には、スエージ加工された接続部も、フェルールを中央シャフト本体にしっかりと接合するための役割を果たすことができる。スエージ加工された接続部を形成する1つの典型的な方法は、外側管が潰れて内側管との機械的な接続部を形成するように、同心管の外側管をクリンプすることである。同じようにして、圧入接続部を用いて、フェルールと中央シャフト本体との間にしっかりとした接続部を形成することもできる。スエージ加工された接続部及び圧入接続部では、エポキシ、ウレタン又はRTV化合物のような接着剤を塗布することによって例示されるような封止剤を用いて、封止(たとえば、気密封止)を形成するのを助けるために気密性の高い封止部を確保することができる。
【0060】
光ファイバ上に直にフェルール及び中央シャフト本体の幾何学的形状を成形することによって、「一体型」の中央シャフトアセンブリを製造することもできる。これは、限定はしないが、セラミック、複合材料およびガラス充填エポキシのようないくつかの材料を用いて果たすことができる。そのような場合には、材料が、ファイバの周囲に形成され、硬化される。その後、一体型のユニットを処理して、必要とされる、精密なファイバ端及び任意の他の重要な幾何学的機構を作り出すことができる。一体型の意匠の製造コストを十分に低くすることができる場合には、ハンドピース全体又は少なくとも本体アセンブリを使い捨てにすることが実用的である。
【0061】
図5に示される実施形態は、本体28の中にねじ嵌めされ、保持溝78に嵌合して、本体28内に中央シャフトアセンブリ18をしっかりと捕捉する止めねじ76を有する。図5は、保持溝78が径方向への溝であり、三角形の断面を有すること、および止めねじ76が尖った端部を有することを示す。止めねじ穴の軸と、溝78の底部との間にわずかな軸方向へのずれがあることも考えられる。その結果として、止めねじ76が穴の中に向かって進むとき、傾斜した先端の遠端が、保持溝78の遠端にある傾斜のある壁部と嵌合し、中央シャフトアセンブリ18を本体28の遠端に向かって摺動させる。これは、本体28を、近端フェルール26に本体28に対してしっかりと嵌合し、安定して、堅く結合された本体アセンブリを形成するという効果がある。
【0062】
止めねじは、限定はしないが、丸みのある先端、ポリマー先端、ばね押しボール先端、その先端上にある軟質の金属パッドを含む、他のスタイルの先端を有することができることも本発明の範囲内にある。保持溝の形状は、限定はしないが、丸みのあるプロファイル、又は正方形のプロファイルを含む、他のプロファイルを有することもできる。さらに、保持溝は、中央シャフト本体の周囲に径方向に延在する必要はなく、代わりに、止めねじに嵌合する穴またはくぼみにすることができる。そのような機構は、本体内に中央シャフトアセンブリを回して位置合わせするための役割を果たすことになる特異な位置合わせ状態を提供することになり、それは、ハンドピースの中のどこでも望ましい場所において、特に回して固定する場合に好都合であることがある。限定はしないが、このように固定することが有用である例は、中央シャフトアセンブリの中に、治療目的の光のためのファイバ、および戻り光のためのファイバの2本の光ファイバが存在する場合である。その固定機構は、これらのファイバが光源ファイバアセンブリ内の対応するファイバと、または先端部内の機構と一列に並べられるのを確実にすることができる。止めねじは、他に指定のない限り、オプションの意匠要素である。また保持スリーブアセンブリも、中央シャフトアセンブリを本体の中にしっかりと固定することができる。また、互いにねじ嵌めされるときにしっかりと嵌合するように、本体上に雌ねじを設け、中央シャフトアセンブリ内に雄ねじを設けることもできる。
【0063】
また、本体及び中央シャフト本体の役割を組み合わせて、1つの構成要素にすることもできる。図1を検討すると、ハンドピース12の他の態様を概ね変更することなく、近端フェルール20および遠端フェルール26を本体内に直に取り付けることができることが暗示される。この組み合わされた部品は、構成する上でのコストを下げることができる。2つの構成要素は、別個に構成し、接着剤を塗布して永久に接合することもできる。一体型の意匠の場合と同様に、機能的に低下はするが、製造コストを十分に下げることができる場合には、本体アセンブリ全体を、さらにはハンドピース全体を使い捨てのユニットとして形成することができる。これを思いついたなら、オートクレーブ滅菌の必要がなくなり、安価な材料を利用することができるであろう。
【0064】
図1は、先端部80が摩擦及び真空圧によって本体アセンブリ上に保持される実施形態を示す。本体アセンブリに先端部xxを押し付けることによって、先端部80及び本体アセンブリの合わせ面間から空気が押しのけられるであろう。先端部と本体アセンブリとの間の公差が十分に厳密である場合には、空気がポケットの中に容易に逆流することができなくなるので、先端部が空気圧によってしっかりと保持される。
【0065】
先端部の保持は、先端部内の対応する機構と嵌合する、本体アセンブリ内の機械的なインターロック機構を含むこともできる。図6に示される実施形態では、本体アセンブリは先端部92の近端から延在するアームを収容する軸方向スロット90を有する。先端部が十分な距離だけ押されるとき、アームの端部にある歯が弾発的に引っかかり、軸方向スロットに垂直であるスロット内に嵌合する。このようにして、本体部分の中の機構が、先端部上の機構と互いに噛み合うので、機械的に安定したアセンブリであることが明らかである。本体部分の中のインターロック機構は、図6に示されるのとは異なり得ることは本発明の範囲内にある。限定はしないが、他のインターロック機構の例は、ねじ山、他のスロット形状、ポスト、穴、及び図6の先端部上に示されるものに類似のアームを含む。さらに、保持スリーブが締め付けられるときに、結果として、コレットが締め付けられ、先端部において圧締めされるように、本体アセンブリ内にコレット機構を形成することができる。
【0066】
ハンドピースの別の実施形態または態様が図8に示される。この実施形態では、光源フェルール、近端フェルールおよび内部アダプタが省かれる。光源ファイバ100が、中央シャフトアセンブリ103上の遠端フェルール102に直に接続される。ストレインレリーフブーツ104が係止機構106上に嵌合し、係止機構はさらに、中央シャフト本体の端部に挿入される。中央シャフト本体の大きな直径と係止機構106の大きな直径との間に内部リップ112を挟むことができることによって、保持スリーブ108が、中央シャフトアセンブリ上に捕捉される。図3に示されるようにねじ嵌めする代わりに、この実施形態では、図6において先端部を捕捉するために示されるものに類似のインターロック機構を用いて、保持スリーブ108に接続する本体116が示される。ばね120が、中央シャフトアセンブリの近端に向かって保持スリーブを押すための役割を果たし、効率的には、本体と中央シャフトアセンブリを引き寄せる。組み合わされた本体先端部が保持スリーブと嵌合するとき、ばねは遠端フェルール102上に先端部を引き寄せるという効果がある。
【0067】
図7A乃至図7Cに示されるように、ハンドピースの一実施形態では、本体116及び先端部118を組み合わせて、ハンドピースの大部分を完全に覆い、保護する単一の使い捨て部品が構成されている。図7Bに示されるように、組み合わされた本体116及び先端部118は、中央シャフトアセンブリにわたって摺動し、変更された保持スリーブと嵌合する。図7Cに示されるように、保持スリーブ108は、図6の本体の遠端にあるのと類似のインターロック機構を有する。
【0068】
図8は、図7A乃至図7Cに示される保持スリーブ108が、中央シャフトアセンブリと係止機構との間にいかに捕捉されるかを示す拡大図である。保持スリーブ108が本体116と嵌合するとき、本体116及び先端部118を組み合わせたものが底に達するまで、すなわち保持スリーブ108が係止機構に突き当たるまで、ばね120が本体116を中央シャフトアセンブリに押し込む。
【0069】
図8は、係止機構106が中央シャフト本体の近端内に圧入することを示す。係止機構は、限定はしないが、ねじ嵌めによる接続、接着による接続、はんだ付けによる接続、または溶接による接続を含む、他の方法によって接続されることがあるがあることは本発明の範囲内にある。また、係止機構は、中央シャフト本体の近端にある縮径した部分の外側に押し込まれることもある。
【0070】
先端部は、同じく図6に示されるのと類似のインターロック機構を用いて、本体に接続することもできることも本発明の範囲内にある。これにより、先端部が交換されるときに、本体がハンドピース上に留まることができるようになるか、またはそれらの両方を交換できるようになるであろう。本体及び先端部を、単一の使い捨て部品として一緒に成形できることも好都合である。組み合わされた本体/先端部は、中央シャフトアセンブリ全体を覆い、保持スリーブと嵌合する。中央シャフトアセンブリ全体が汚染されないように保護されるので、滅菌される必要はない。それゆえ、必ずしも、オートクレーブの過酷な環境に耐えるように設計される必要はない。これは設計を簡単することができ、材料のコストを下げることができ、製造コストを削減することができ、かつ介護者の労働負荷を軽減することができる。さらに、それにより、遠端フェルールの端部上に汚染物が焼き固まることに起因する、過剰な損失が生じるのを減らすことができる。
【0071】
組み合わされた本体及び先端部は、同じ材料から1つのステップにおいて成形されることが理想的であろう。しかしながら、上記で述べられたように、それらが元々2つの個別の部品として形成され、物理的に組み合わされることは本発明の範囲内にある。組み合わせる方法は、限定はしないが、圧入、物理的なインターロック機構で嵌合すること、互いに接着すること、互いに融着すること、または超音波接合である。本体及び先端部を2つの別個の材料から形成することができることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、本体及び先端部はポリカーボネートから形成することができるが、人間工学的な握り領域は、シリコンゴムのオーバーモールディングとして形成することができる。使い捨ての本体部分を導入することによって、同じ製造ラインにおいて、或る範囲の異なる人間工学的なスタイルを導入できるようになり、介護人が、その手及び用途に合うスタイルを容易に選択できるようになる。
【0072】
具体的には示されないが、本開示に鑑みて、ここで機械設計の熟練者(当業者)に明らかになり、それゆえ、明らかに本発明の範囲内にある、本発明に対する改変、組み合わせ、及び変更がある。一例は、図3に示される実施形態のための保持機構として、図7Cに示される物理的なインターロック機構を利用することであろう。別の例は、図7A乃至図7Cの実施形態の機構と、図1の機構とを組み合わせて、結果として、ハンドピース上に使い捨ての組み合わされた本体/先端部が取り付けられるようにすることであり、それでも、中央シャフトアセンブリは、光源ファイバアセンブリから取り外すことができ、滅菌のためにオートクレーブの中に通すことができる。
【0073】
本発明を実施する際に用いることができる付加的な機構または別の機構が、図9Aおよび図9Bにも示される。図から明らかなように、中央シャフトアセンブリ142の近端及び遠端において封止部140(たとえば、弾性Oリング)を備えるハンドピースが示される。そのような封止部140は、外側本体144と中央シャフトアセンブリ142との間を封止できることが好都合である。図9Aおよび図9Bの実施形態又は他の実施形態の場合に、中央シャフトアセンブリをオートクレーブ、または他の方法で滅菌することが不要になり、外側本体しかオートクレーブ、または他の方法で滅菌する必要がないように、中央シャフトアセンブリと外側本体との間を十分に封止できるようにすることが考えられる。
【0074】
図10を参照すると、図9Aまたは図9Bの実施形態の場合に、本発明を実施する際に金属化されたファイバが用いられることがあることが考えられる。図10は、金属コーティング152(たとえば、薄膜)を有するファイバ150を示す。図示される特定のファイバ150は、複数の層を有するコーティング152を含み、各層は異なる金属又は他の金属から成る(たとえば、チタン層156、ニッケル層158、金層160及びバッファコート層162)。しかしながら、単一の層が用いられることもあり、その単一の層、又は複数の層のうちのいずれかを、金属および/または他の材料の混合物できることがさらに考えられる。そのようなコーティングは、約100nmから約2000nmの厚みを有することができるが、それよりも厚くすることも、薄くすることもできる。
【0075】
別段に指示がなければ、本明細書において示される種々の構造の寸法及び幾何学的形状は、本発明を限定することを意図するものではなく、他の寸法または幾何学的形状も実現可能である。複数の構造的な構成要素をただ1つの一体構造によって設けることもできる。別法では、ただ1つの一体構造を、個別の複数の構成要素に分割することもできる。さらに、本発明の機構が、例示される実施形態のうちのただ1つの実施形態との関連で説明されていることがあるが、そのような機構は、任意の所与の用途の場合に、他の実施形態の1つ、または複数の他の機構と組み合わせることもできる。上記のことから、本明細書における固有の構造の製造、及びその動作も、本発明による方法を構成することは理解されよう。
【0076】
本発明の好ましい実施形態が開示されてきた。しかしながら、或る特定の変更が本発明の教示内に入ることは当業者には理解されよう。それゆえ、本発明の真の範囲及び内容を定めるために、添付の特許請求の範囲が調べられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースおよび/またはシステムの一部を切り取った側断面図。
【図2A】1つの例示的な保持スリーブアセンブリを用いる場合の図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの側面図。
【図2B】1つの例示的な保持スリーブアセンブリを用いない場合の図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの側面図。
【図3】図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの1つの例示的な接続部の拡大図。
【図4】本発明の別の態様による、別の例示的なハンドピースの斜視図。
【図5A】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースの一部の分解断面図。
【図5B】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースの一部の分解断面図。
【図6】本発明の一態様による、プローブ先端部をハンドピースに取り付けるための1つの例示的な機構を示す斜視図。
【図7A】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図7B】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図7C】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図8】図7A乃至図7Cの例示的なハンドピースの一部を切り取った断面図。
【図9A】本発明の例示的な態様による、分解されたハンドピースを示す図。
【図9B】本発明の例示的な態様による、図9Aのハンドピースの一部の拡大図。
【図10】本発明の一態様による、1つの例示的な光学構成要素を示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には医療デバイスに関する。より詳細には、本発明は、典型的には医療の目的で光を送達するためのハンドピース及びシステムに関する。
【0002】
[出願日の利益の主張]
本願は、2005年6月29日に出願の米国仮特許出願第60/694,952号及び2006年6月21日に出願の代理人整理番号第1248.025号の出願日の利益を主張し、それらの特許出願はいずれも、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、数多くの用途において光を送達するために都合よく使用されている。最近になって、光ファイバは、光線力学的療法(PDT)、光線力学的消毒(PDD)、光照射組織溶接等の医療の目的で使用するための光を送出するために利用されている。或る特定の医療の用途では、光ファイバを用いて光を送るのを助けるために、個人がハンドピースを使用できるようにすることが望ましい。しかしながら、従来のハンドピースにおいて、種々の望ましくない特性及び問題が明らかになっている。一例として、ハンドピースの光ファイバは、特定の環境条件(たとえば、オートクレーブにおいて受けることがあるような高温又は湿度等)にさらされることによって損傷を受けることがある。別の例として、そのようなハンドピースは非常に価格が高いことがある。さらに別の例として、そのようなハンドピースは著しい光損失を示すことがある。したがって、これまでに述べられたように、又は後の説明から当業者には明らかになるように、本発明は、従来のハンドピースにおいて明らかになっている望ましくない特性及び/又は問題を最小限に抑えるか、又は克服するハンドピース、そのハンドピースを利用するシステム、又はその両方を提供する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、医療の用途において、そしておそらく他の用途においても、光を送るために用いられるハンドピースである。そのハンドピースの近端は通常光源ファイバからの光を受光するように構成され、光源ファイバは、遠隔した光源/受光器手段から光を送る。その光は、光源ファイバから、ハンドピースの光ファイバを通って、ハンドピースの遠端まで伝送することができる。その遠端は、人又は他の生物の生体組織のような、対象とする適用部位に光を送達し、且つ/又は対象とする適用部位から光を受光するために用いられる取り外し可能な先端部を受け入れるように構成することができる。
【0005】
そのハンドピースは、オートクレーブにおいてハンドピースを滅菌できるようにし、且つ光学表面を洗浄できるようにする特有のモジュール性を有するように設計することができる。そのハンドピースは通常人間工学的な意匠を有することができ、ハンドピースの中央シャフトアセンブリの一部と見なすことができる本体を備えるが、本体は、別個の構成要素にすることができるか、又は先端部の一部にすることもできる。そのハンドピースは、シャフトアセンブリの残りの部分の上に本体を保持するのを助けることができる保持スリーブを備えるように構成することができる。ハンドピースの一部として保持ナットを備えることもでき、保持ナットは、取り外し可能な光源ファイバフェルールをハンドピースにしっかりと連結できるように構成することができる。取り外し可能な光源ファイバフェルールが用いられるときに、光源ファイバを中央シャフトアセンブリに固定しておくのを助けるために、保持ナットと協働するように保持スリーブ及び内部アダプタを用いることができる。
【0006】
図面では、別段の指示がない限り、種々の図全体を通して、同様の参照番号及び文字は同様の部品を指している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、光線力学的消毒(PDD)のような光線力学的治療(PDT)において使用するために、遠隔した光源/受光器手段から、口腔又は他の体内の部位のような組織又は生体物質に光を送達するためのハンドピースを提供することに基づく。また、そのハンドピースは、光活性化抗真菌治療、光照射組織溶接、治療化合物の光活性化融解又は重合、光硬化セメントの用途における光硬化(たとえば、歯科用途)、医療レーザ用途(たとえば、手術用切断)、医療アブレーション用途、眼科関連の用途における光凝固、光センシング用途、光学過程のモニタリング又は他の用途等の、医療又は他の用途のために用いることができるものと考えられる。
【0008】
本発明のハンドピースは、1つ又はいくつかの望ましい、又は好都合な特性を示すことができる。本発明の一態様によれば、そのハンドピースは、滅菌するためにオートクレーブ又は薬浴に繰返し出し入れしても、ハンドピースの光学部品に起因する著しい物理的な劣化又は性能の劣化を生じることなく耐えるように構成することができる。たとえば、そのハンドピースは、滅菌中に光ファイバを熱、湿度又はその両方から保護するために、中央シャフトアセンブリ内で保護及び/又は封止(たとえば、気密封止)される光ファイバを含むことができる。そのような保護又は封止を助けるために、ハンドピースがオートクレーブ又は他の方法において繰返し滅菌されるのに耐えることができるようにするほど高いガラス転移温度を有する医療グレードの接着剤を用いることが望ましいことがある。1つの例示的な好ましい接着剤は、EPO−TEK 353 NDの商品名で、Epoxy Technology社(14 Fortune Drive in Billerica, MA 01821)から市販される2成分エポキシ接着剤である。
【0009】
本発明の別の態様によれば、完全に組み立てられたユニットとしてのハンドピース全体(光源ファイバ及び先端部を除く)を、消毒のためにオートクレーブ又は薬浴の中に入れることができる。オートクレーブ後に、近端及び遠端上の表面(たとえば、フェルールの表面、又は中央シャフトアセンブリの中に延在する光ファイバの表面)をさらに洗浄して、理想的な光学特性を取り戻すことが必要とされることがある。それゆえ、一実施形態では、近端フェルール及び遠端フェルールはいずれも、フェルールの一方又は両方を洗浄のために処理できるように、ハンドピースと一体に構成される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースは、中央シャフトアセンブリ、ハンドピースの近端上の構成要素又はその両方がハンドピースの使用中等に、いかなる生体組織(たとえば、患者の生体組織)からも十分に分離され、そのアセンブリ、構成要素又はその両方を滅菌する必要がないように、中央シャフトアセンブリを保護する本体を備えることができる。先端部及び本体だけが滅菌されるか、又は処分される必要があるようにハンドピースが設計されると言うこともできる。これは、ハンドピース内の光学部品を、(たとえば、オートクレーブにおける)滅菌に耐えるように設計する必要がないので、耐用年数を延ばし、製造コストを下げることができることを意味する。
【0011】
別の態様によれば、そのハンドピースは、光学的な挿入損失/伝送損失を低くできるように設計することができる。これは、1つには、および/または一実施形態では、中央シャフトアセンブリの中に延在する光ファイバの特性と光源ファイバの特性とを一致させることによって果たすことができる。一例として、2つの光ファイバ間の隙間又は距離の制御を維持しながら、2つの光ファイバ間の軸方向の厳密な公差を維持することができる。コストを低く抑えながら、これらの厳しい公差を保持することは、業界標準の光ファイバコネクタを用いるという選択肢によって、さらに良くすることができる。また、これらの設計によれば、たとえば、劈開した光ファイバに特有の、損失及び歩留まりが変わりやすい問題に対して、耐久性がある低損失の光学配線を作り出すために、光ファイバの端部を適当に処理(たとえば、研磨)できるようになる。
【0012】
別の例として、中央シャフト本体の特性をフェルール及び光ファイバと一致させることによって(たとえば、すべてガラスおよび/またはセラミックの構成を利用することによる)、或る範囲の熱条件にわたって、ハンドピースのための安定した光学特性を達成することができる。材料特性を一致させることによって、光ファイバがフェルール(たとえば、ピストン)の中に引き込まれる(オートクレーブの極端な温度サイクルに起因する)のを避けることができるか、又は少なくとも抑制することができる。それにより、構成要素の光学性能の低下、及びユニットの耐用年数の減少も避けることができるか、又は抑制することができる。
【0013】
さらに別の例として、光ファイバと中央シャフト及びフェルールとの間(たとえば、真鍮製シャフト及び鋼製フェルールとグラスファイバ)の特性の不一致は、オートクレーブ温度においてアセンブリをソーキングするという手順を踏んで対処することができ、それにより光ファイバが永久にフェルールの中にわずかに引き込まれる。これは、硬化過程の最中に、又はその後に行うことができる。その後、温度サイクル後に光ファイバ端を研磨して、次のさらに高い温度の事象(たとえば、オートクレーブの中を通されること)によって引き起こされる将来の膨張に対応するために、室温において十分に「緩みがある」低損失のアセンブリを作り出すことができる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースはモジュール式の設計を有することができる。一実施形態では、そのハンドピースは、ユニット間で互換性のある3つの部品又はサブアセンブリに分解される。これにより、組み立て直す際に形が合う部品を見つける必要はなく、それらのサブアセンブリを分解し、それらのサブアセンブリのトレイをオートクレーブの中に通すことができるようになる。また、その用途の要求(特定の作業の人間工学的な使いやすさ、又は専門技術者の嗜好)により一層適合させるために、異なる本体を中央シャフトアセンブリと組み合わせることもできる。さらに、標準的な光コネクタに概ね、または全く同じである標準的な大量生産の光ファイバフェルール構成要素を利用するという選択肢によって、低コスト、高性能、モジュール性又はそれらの任意の組み合わせを達成することができるものと考えられる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、そのハンドピースの本体部分は、専門技術者の手に、又は適用される処置のタイプにより一層適合させるために、種々の輪郭で構成することができる。さらに、モジュール式の意匠の場合には、ただ1組の内部構成要素上で種々の本体スタイルを交換することができる。したがって、1つの光ファイバと共に、種々の本体スタイルを利用することができる。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、そのハンドピースの設計によれば、ハンドピースを、再利用可能な先端部と共に、または一度しか使用しない(使い捨ての)先端部と共に用いることができるようになる。ハンドピースの遠端、保持スリーブのいずれか、又はその両方の上にある機構を、先端部、本体のいずれか、又はその両方にある保持機構と連結するように設計することができる。これらの機構は、構成要素を取り外すことによって、その保持機構が「機能しなくなる」ように、保持される構成要素に作用する特定の機構を含むことができ、その構成要素を後に使用するのにほとんど役に立たないようにし、それにより処分を助長し、安全に一度だけ使用するという行動を助長する。後に説明される先端部に加えて、本明細書において記述される先端部の代替品として用いることができるか、又は本発明と共に、又は本発明の機構と共に用いることができる、他の適当な先端部の例が、2006年4月4日に出願の”Optical Probe for Delivery of Light”と題する米国特許出願第11/397,768号に開示されており、その特許出願は、参照により本明細書に特に援用される。
【0017】
図1、図2A及び図2Bを参照すると、1つの例示的なシステム10が示される。システム10は、ハンドピース12と、光源アセンブリ14とを備える。ハンドピース12は、遠端フェルール20、中央シャフト本体22、光ファイバ24及び近端フェルール26のうちの1つまたは任意の組み合わせから構成される中央シャフトアセンブリ18を備える。中央シャフトアセンブリ18は、中央シャフト本体内の溝に嵌合する留め具(たとえば、止めねじ)で本体28内に保持することができる。内部アダプタ30が近端フェルール26と係合し、保持スリーブ32によって適所に保持される。光源アセンブリ14からの光源フェルール34が、内部アダプタ30の他方に係合し、保持ナット36で適所に保持される。
【0018】
光源ファイバアセンブリは、ハンドピース12に、及び/又は、ハンドピース12から光を搬送し、且つ光源又は手段(instrument)40に、及び/又は、光源又は手段40から光を搬送する光ファイバケーブル38の構成要素を含む。そのアセンブリは、限定はしないが、光源ファイバ42、外装44、ストレインレリーフ46、フェルール34及び保持ナット36を含むことができる。保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリを本体アセンブリに接続するための連結部を提供する構成要素を含む。保持スリーブアセンブリは、限定はしないが、保持スリーブ32及び内部アダプタ30を含むことができる。本体アセンブリは、ハンドピース12の握り部分50を形成し、その中を通ってハンドピース12の近端54と遠端56との間で光が行き来することができるコンジット52を提供し、さらに先端部との連結部も提供する構成要素を含む。通常、先端部はエンドエフェクタであり、処置エリアに光を送達し、且つ/又は処置エリアについての特定の特性を測定するように構成される。
【0019】
図1の左側に示されるように、光源ファイバ42は、光源/受光器手段40からハンドピース12まで光を伝送し、オプションではハンドピース12からの光を光源/受光器手段40に戻すように伝送するための役割を果たす光ファイバ構成要素である。このように光を伝送する目的を果たすために、このファイバは、限定はしないが、シリカ(又はガラス)、ハードクラッドシリカ(HCS)、ポリマークラッドシリカ(PCS)及びプラスチックファイバを含む、複数のタイプの光ファイバから選択することができる。中空コア又は液体コアの導波路を利用することもできる。通常、ファイバを保護スリーブで被覆することによって、ファイバを保護する。さらに、限定はしないが、多種多様な業界標準の強化外装を含む、多数の異なるファイバ外装を用いることができることは本発明の範囲内にある。口腔PDDの用途では、このファイバは通常、滅菌される必要がないように、患者から十分に離れて取り外される。しかしながら、ほとんどすべてのシリカ及びHCSはオートクレーブに耐えることになるが、他のタイプのファイバは、そのような滅菌技法に繰返しさらされる場合には、耐用年数が限られる傾向があることに注目すべきである。
【0020】
図1乃至図3には1つのファイバだけが示されるが、光源光ファイバに、1つのコアを有する1つのファイバ、複数のコアを有する1つのファイバ、又は複数のファイバのいずれかが用いられることができることは本発明の範囲内にある。複数のファイバは、単一の伝導体としての役割を果たすか、又は個々のファイバが個別の目的を果たすファイバの束とすることができる。例として、本発明の範囲を限定はしないが、ハンドピースに光を与えるために用いられるファイバもあれば、光を光源/受光器手段に戻すように伝送するための役割を果たすファイバもある。それとは別に、またはそれと組み合わせて、種々のファイバが、種々の波長の光を、いずれかの方向に伝送するための役割を果たすこともできる。さらに、それとは別に、またはそれと組み合わせて、ファイバ束は、たとえば、撮像する目的を果たすために用いられることがあるコヒーレントなファイバ束を含むこともある。
【0021】
本明細書において説明される光源ファイバ又は他のファイバは、電磁放射スペクトルの任意の部分からの放射を伝送することができる。特に対象となるのは、スペクトルの紫外線部分、可視光部分及び近赤外線部分における治療目的の波長である。光源ファイバ又は他のファイバは、1つの波長、或る範囲の光の波長、または個々の波長及び波長範囲の組み合わせから構成されるグループを放射することができる。光源ファイバまたは他のファイバは、光をハンドピースに伝送し、かつ光源/受光器手段に戻すように伝送することがある。或るグループの波長が、光源/受光器手段から外に向かって伝送され、別のグループの波長が、光源/受光器手段に戻るように伝送されることがある。
【0022】
そのファイバ(複数の場合もあり)を研磨して、平坦であるか、又は曲率を有するかのいずれかである滑らかな表面にすることができるか、又はファイバ(複数の場合もあり)を劈開して、平坦な表面を形成することができる。ファイバは、ファイバ表面を保護するか、又は反射損を低減するか、又は特定の波長に反射率を合わせるために、その上にコーティングを有することもある。またファイバは、ハンドピース内の対応するファイバに伝送される光の方向を変更するための役割を果たす光学構成要素において終端することもある。そのファイバは、伝送能力を高めて、限定はしないが、回折光学系又はHOEのような光学構成要素を形成するために、表面内にエッチングされたパターンを有することもある。そのファイバ終端として、ボールレンズ又はグレーデッドインデックスレンズのようなレンズを用いることもできる。
【0023】
光源フェルール34は、光源ファイバ42の終端における構造を提供し、またファイバの端部において連結するための場所も提供する。光源フェルール34は、限定はしないが、図2に示されるようなステンレス鋼SMAフェルールのような、多数の業界標準光ファイバ部品のうちのいずれかから構成することができる。光源フェルールは、標準的な形状若しくは構成、または特別に設計された形状若しくは構成(たとえば、正方形又は長方形)を有することができ、非対称又は対称な形状(たとえば、円筒形SMAフェルール)を有することができる。また光源フェルールは、特定の向きにフェルールを位置合わせするための役割を果たす機構(たとえば、キータブ、又は非対称及び/若しくは非円形の形状)を含むこともできる。光源フェルールは、所望の寸法公差、フェルールの内部にさらにしっかりとファイバを保持するための望ましい能力、および望ましい耐用年数(たとえば着脱サイクル)に応じて、限定はしないが、ガラス、セラミック、金属及びガラス充填プラスチックを含む、任意の実用的な材料から構成することができる。多くの市販のフェルールは、ステンレス鋼又はジルコニウム系セラミックから形成されるが、当業者であれば、所望の構成に応じて用いることができる他の材料を理解できるであろう。
【0024】
光源フェルールは、1つのフェルールの中に1つのファイバ又は複数のファイバを収容するように構成することができる。限定はしないが、複数(たとえば、5、6、7又はそれ以上)の別個のファイバの束を単一の穴を有する1つのフェルールの中に一纏めにして収容することができるか、または一連の個別のファイバを長方形の棒に沿って直線的に配置することができる。光源フェルールは、1つのフェルール又は複数の別個のフェルールから構成されることがあり、複数の個別のフェルールを接合して単一の部品を構成するようにすることもできる。本発明の範囲を限定はしないが、複数の光源フェルールの例として、送り光及び戻り光のために1つずつの一対のSMAフェルールを考えることができる。限定はしないが、接合されるフェルールの一例が、2つ以上の円筒形のフェルールが共通の線に沿って互いに接合される(たとえば、接着されるか、又は溶接される)ように構成されることがあるか、又は複数の円筒形のフェルールが直線的なアレイのようなパターンで互いに接合される外観を有するように、1つの構成要素が1つの部品(すなわち、プラスチック成形品)から形成されるように構成されることがある。
【0025】
図1、図2b及び図3の光源フェルール34は、業界標準のフェルール、具体的にはSMAスタイルフェルールとして示される。SMAフェルールは通常、保持ナットと共に使用され、保持ナットをSMAフェルールアセンブリの一部と見なすことが好都合であることもある。図1及び図3に詳細に示されるように、SMAフェルール34が、対応する雄ねじを有する保持スリーブ内に、および/またはアダプタスリーブ30内に挿入されるとき、保持ナット36が雄ねじと嵌合するために用いられ、それにより、保持ナット36はSMAフェルール34をアダプタスリーブ32内にしっかりと保持する役割を果たす。他の光ファイバコネクタを用いることができることは本発明の範囲内にあるので、保持ナットの役割が、ねじで嵌合すること以外の広範な他の方法において果たされることがあることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、STスタイルの典型であるバヨネットスタイル保持バレルを利用することもできる。さらに、保持ナットの役割は、光源フェルール及び/又はハンドピース上の機構の組み合わせによって果たすこともできる。同じく限定はしないが、この一例は、フェルールがハンドピースに挿入され、回して所定の位置に固定される構成であろう。限定はしないが、別の例は、光源フェルールが横方向に摺動してハンドピース内のポケットの中に入り、ばね押し機構によって十分に位置合わせされた位置に保持されることであろう。保持ナットはアルミニウム又は鋼から形成されることが多いが、当業者であれば、他の望ましい材料を選択することができるであろう。必ずしも望ましくないが、光源フェルールを接着剤で保持スリーブアセンブリに永久に固定することができることも本発明の範囲内にある。
【0026】
図1を参照すると、保持スリーブアセンブリの一実施形態が示される。ハンドピース12は、光源ファイバアセンブリが、本体アセンブリ上の近端フェルール26に極めて近接して配置される光源フェルール34において終端することを示す。内部アダプタ30は、2つのフェルール26、34を位置合わせする。保持スリーブ32は本体28上にねじで、又は他の方法で接続され、内部アダプタ30、近端フェルール26及び中央シャフトアセンブリ18を本体28に固定するための役割を果たす。ナット36は、内部アダプタ30にねじ嵌めされるか、又はその上に配置され、光源ファイバアセンブリをハンドピース12に固定する。
【0027】
図3に示される本発明の実施形態では、内部アダプタ30は、ファイバ24、42を極めて近接して、且つ十分に位置合わせされた状態で近端フェルール26及び光源フェルール34内に保持するための役割を果たすスリーブである。光源フェルール34側では、内部アダプタ30は、光源フェルール34をしっかりと嵌合した状態に保持するために保持ナット36と嵌合する雄ねじを有する。一方、内部アダプタ30内の機構は、近端フェルール26を受け入れるか、または近端フェルール26を収容する。また、図1には、保持スリーブ32上の対応する機構と嵌合する内部アダプタ30上の外側嵌合リム機構60も示される。
【0028】
図1に示される保持スリーブ32の実施形態は、本体28上の雄ねじと嵌合する雌ねじを有する。また、内部アダプタ30上の対応する機構と嵌合する内側嵌合リム機構も示される。保持スリーブ32が本体28上にねじ嵌めされるか、又は他の方法で配置されるときに、内側嵌合リム60が外側嵌合リムと嵌合し、それにより、内部アダプタ30を捕捉する。保持スリーブ32が本体28にしっかり締め付けられるとき、これは、近端フェルール26上に内部アダプタ30をしっかりと保持するという効果がある。このように、図1に示される実施形態は、内部アダプタ30及び保持スリーブ32の組み合わせによって、光源ファイバアセンブリ及び本体アセンブリが位置合わせされた状態でいかに互いに保持されるかを示す。
【0029】
図3の実施形態は、内部アダプタ及び保持スリーブを別個の構成要素として示す。単一の構成要素によって、2つの構成要素の役割を果たすことができることも本発明の範囲内にある。図1に示される実施形態では、これは、内部アダプタの遠端に、本体上の雄ねじにしっかりねじ嵌めできるようにする雌ねじを有する機構を追加することによって果たすことができる。
【0030】
保持スリーブは、その外側表面の一部の周囲に、保持スリーブをしっかり掴むのを助け、且つ本体から取り外すのを助けるための機構を有することができる。これらの機構は、限定はしないが、ローレット切り、荒面仕上げ、軟質の高分子材料を含む領域、突出機構(すなわち、こぶ)、又は1つ若しくは複数の平坦な面から形成されるナットのようなプリズム状の機構を含むことがある。また保持スリーブは、握りの快適性を高め、且つ使用中にしっかりと掴むのを助ける人間工学的な輪郭を有することもできる。保持スリーブは、握り機構及び人間工学的機構を別個に、又は組み合わせて有することができることは本発明の範囲内にある。
【0031】
本発明の範囲内で、保持スリーブは、図3に示されるのとは異なるようして本体と嵌合することもできる。たとえば、これは、限定はしないが、保持スリーブ上の雄ねじが本体上の雌ねじに嵌合すること、または保持スリーブが本体とバヨネットスタイルの「回して差し込む」機構で嵌合することを含むことがある。他の類似の嵌合機構を利用することもできる。上記の保持ナットの記述において説明されたとの同じようにして、内部アダプタの近端が、光源フェルール又は光源ファイバアセンブリと嵌合することもできる。図3では、保持スリーブアセンブリが、近端フェルールと位置合わせされた状態で光源フェルールアセンブリをしっかりと保持するための役割を果たし、本体アセンブリに光源ファイバアセンブリをしっかりと保持することに留意されたい。また、保持スリーブアセンブリと本体との間の圧締め作用によって、本体部分の内部に中央シャフトアセンブリをしっかりと保持することもできることも本発明の範囲内にある。後の節で説明されるように、中央シャフトアセンブリは、他の手段によって、本体内に保持することもできる。
【0032】
保持スリーブアセンブリは、1つのスタイルのフェルールから別のスタイルのフェルールに変換するための役割を果たすことができる。この一例は、限定はしないが、第1のスタイルの光源フェルール(たとえば、STスタイル光源フェルール)を第2のスタイルの光源フェルール(たとえば、SMAスタイル近端コネクタ)と係合させることを含むであろう。そのような事例では、保持スリーブの長さの或る部分では、第1のサイズ又はSMAサイズの内径になり、その長さの別の部分では、第2のサイズ又はSTサイズの内径になるであろう。さらに、その保持スリーブアセンブリは、第1の第2のスタイル又はSTスタイルのフェルールと嵌合するために必要とされる機構(たとえば、ポスト及びキー溝)と、第2のスタイルのフェルールと嵌合するための第2の機構(たとえば、バヨネットインターロックバレル)とを有する必要がある。保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリ、本体アセンブリのいずれか、又は両方からの1つ又は複数のフェルールを収容することができることも本発明の範囲内にある。また、保持スリーブアセンブリは、光源ファイバアセンブリ、本体アセンブリのいずれか、又は両方から任意の、又は種々の形状又はサイズのフェルールを収容するように構成することもできる。これらのタイプのフェルールの例は、限定はしないが、プリズム形のフェルール、接合されたフェルールの配列、ファイバの束を有する1つのフェルール、又は外に向かう照明のための1組のフェルール及び戻り光のための第2の1組のフェルールを含む。
【0033】
保持スリーブアセンブリを含む構成要素は、考えられる広範な材料から構成することができることは本発明の範囲内にある。これは、限定はしないが、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウムおよび他の合金、ならびにアルミナ若しくはジルコニアのようなセラミック、またはガラス充填エポキシのような硬質のポリマーのような、オートクレーブに適合する材料(すなわち、大きく劣化することなく、オートクレーブ条件に耐えることができる材料)を含む。また、オートクレーブに適合しない材料(たとえば、種々のプラスチック)から保持スリーブアセンブリの構成要素を形成することもできる。材料の混合物を用いることができることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、内部アダプタは、ステンレス鋼のような1つの材料から形成されることがあり、保持スリーブは、アルミニウムのような別の材料から形成されることがある。また、個々の構成要素を、2つ以上の材料から構成することもできる。たとえば、同じく限定はしないが、保持スリーブはアルミニウムから構成されることがあり、握り機構は、シリコンゴムのような可撓性材料の挿入物(inset)から形成されることがある。
【0034】
本体アセンブリは通常、本体構成要素と、中央シャフトアセンブリを構成する構成要素のうちの1つ、または任意の組み合わせとを含む。図2Bの実施形態において示されるように、本体アセンブリは、外側に向かって延びるか、または各端部から突出する雄フェルール20、26を有する。材料の選択によっては、保持スリーブアセンブリと接続されたままでオートクレーブの中に本体アセンブリ全体を通すことができるか、又は分解されるときには、いかなる部分構成要素も劣化させることなくすべて通すことができる。構成要素の特有の構成によって、デバイスの両端にある光学表面64、66を検査及び洗浄できるようになる。このように保守できることによって、66において係合する光学表面に異物が堆積する場合であっても、デバイスの光学性能の損失を少なく(low loss optical performance)保持できるようになる。特有の構成による利点は、いくつかのハンドピースからの構成要素を交換することができることである。これにより、いくつかの構成要素が同時に滅菌された場合でも、ユニットを組み立て直すのが簡単になり、単一の構成要素をアップグレード又は交換できるようになる。これは、限定はしないが、中央シャフトアセンブリの光学表面64、66が損傷し、交換する必要がある場合に、または本体スタイルを別の本体スタイルに切り替えることが望ましい場合に、または異なるスタイルの光源ファイバアセンブリに適合する内部アダプタを使用するために、内部アダプタを変更する必要がある場合に好都合であろう。単一の部品として構成されるように、または容易に分解できないように構成されるように、本体及び保持スリーブアセンブリを設計することができることに留意されたい。この構成では、効果的に滅菌できるようになるが、内部アダプタのシャフト内に配置される光学表面を検査及び洗浄するのが難しくなることがある。
【0035】
本体28は通常、ハンドピース12の外殻を形成し、ハンドピースに1つ、または複数の機能的な属性を与えることができる。たとえば、本体28は握り表面及び形状を与えることができる。別の例として、本体は、その内部の構成要素、特に光学部品を保護する。別の例として、本体は、患者とハンドピースの構成要素との間の滅菌障壁を提供することができる。本体のさらに別の潜在的な役割は、すべての種々の構成要素を互いに堅く保持するための硬質の支持体としての役割を果たすことである。最後に、別の潜在的な機能は、注目せずにはいられない形を与え、患者及び介添人の注意を、用いられるブランド及び処置技法に引き付ける(focus:集中させる)ことである。
【0036】
図4は、ハンドピース12の一実施形態を示しており、本体28の部分が、快適であるか、疲れにくい(low strain)か、安定しているか、又はそれらの性質の組み合わせである握り部を提供する、視覚に訴える形を与えるように形作られている。特定のサイズ又は形の手に馴染むように、人間工学的な輪郭を設計することができ、それにより種々の使用者が、最も快適であると感じる本体スタイルでハンドピースを組み立てることができるようにする。また、種々の部分が安定した握りを与えるのを助ける表面仕上げ又は表面機構を有するように、ハンドピースを設計することもできる。限定はしないが、いくつかの例は、荒面、隆起、こぶのパターン、くぼみのパターン、ローレット切り、指の線に合わせた輪郭、又はその組み合わせ等を含む。しっかり掴むのを助けるために、可撓性材料の部分も含まれることができる。限定はしないが、いくつかの例は、シリコンゴムの部分、さらには本体部分全体を包み込むシリコンゴムスリーブを含む。可撓性部分は、しっかり掴むのを助ける上記のような表面仕上げ又は表面機構を有することもできる。
【0037】
図4には、ハンドピース12の一実施形態が示されており、本体28は、快適で、疲れにくく、安定した握りを与えるために、人間工学的に形作られる。図から明らかなように、本体28は一般的に、ハンドピース12の遠端に向かって径が大きくなるか、または膨らんでおり、この膨らんだ部分は、安定した握りを確保するのを助けるために、両側に可撓性の握り表面70を含む。
【0038】
所望により、ハンドピースの意匠は視覚に訴えるスタイルを含むことができ、それは、患者及び介添人の両者にとってブランド及び処置の両方を認識する上で重要な部分であることがある。そのような意匠上の特徴は、限定はしないが、図4に示されるような特有のロゴ、及び/又は同じく図4に示される特有の形状、可撓性のはめ込み部品(inlay)の特有のパターン、および/またはコントラストを生み出す塗料または他の材料の特有のパターン、表面レリーフの特有のパターン、さらには使用中に独特の光を発する部分を含むことがある。光を発する本体部分を作り出すことは、半透明の材料から成る本体の部分を構成し、光源からの送り光または光源への戻り光の一部がこれらの部分に迂回するように配置することによって構成することができる。特有のパターンは、半透明の部分の形状によって、または特有のパターンの不透明な材料で覆うことによって作り出すことができる。
【0039】
図1乃至図3に示される実施形態では、本体28の近端又は端部54が、保持スリーブアセンブリの構成要素と連結する。中央シャフトアセンブリを本体28内に収容して保護することができ、近端フェルール26だけが一方の側または端部54において露出しており、他端では遠端フェルール20が露出している。本体を保持スリーブアセンブリに嵌合するという行為は、すべての部品を互いにしっかりと固定しておくための役割を果たすことができる。代替的には、または上記の事柄と組み合わせて、図5に示される止めねじ76のような保持機構74によって、中央シャフトアセンブリ18を本体28の中に保持することができる。止めねじ76は本体28内のねじ山によって保持され、その先端が中央シャフトアセンブリと嵌合する。所望により、止めねじは、図5において中央シャフトアセンブリ上に示される溝のような保持機構78と嵌合することができる。本体28が保持スリーブアセンブリといかに嵌合するかに関する具体的な設計の潜在的な変形形態は、既に説明されている。
【0040】
本体28は、広範な潜在的材料から構成することができる。本体がオートクレーブ内で滅菌される場合には、高い熱及び湿度に適合する材料が選択されるべきである。限定はしないが、それらの例は、ステンレス鋼及びアルミニウムのような金属、またはアルミナ若しくはジルコニアのようなセラミック、またはガラス充填エポキシ若しくはいくつかのシリコンゴム化合物のような耐久性のあるポリマーである。本体が化学的に滅菌されることになる場合には、反応しにくい材料が選択されるべきである。限定はしないが、それらの例は、ポリカーボネートのようなプラスチック、またはシリコンゴム化合物のようなポリマー、またはステンレス鋼のような金属である。本体は、オートクレーブによる滅菌及び化学的滅菌の両方に耐えるために、セラミック化合物から形成することもできる。また本体は、限定はしないが、ステンレス鋼構造内にシリコンゴムの握りを挿入したもの、人間工学的なシリコンゴムをオーバーモールドされたスリーブを有するアルミニウム構造、さらには、保持スリーブアセンブリと嵌合するように近端にねじ山のあるアルミニウム挿入物を有するセラミック構造のような、複数の材料の組み合わせから形成することもできる。本体部分が使い捨てにされるべきである場合には、本体は、プラスチックのような低コストの材料から形成されるべきである。
【0041】
図1および図5に示されるように、中央シャフトアセンブリ18、本体28又はその両方は、ハンドピース12の長さに沿って延在する光学部品24、および光源フェルール及び先端部と連結する構成要素を概ね包み込むか、または収容することができる。組立中に光学系を保護し、光学系の周囲に封止部(たとえば、気密封止部)を形成する構成要素も含まれることがある。図5は、中央シャフト本体を近端フェルール20及び遠端フェルール26と組み合わせて、中央シャフトアセンブリ、すなわち光ファイバ24を保護する硬質で、封止された(たとえば、気密封止された)ユニットを形成する実施形態を示す。気密封止部が望ましい場合には、たとえば、ファイバを金属スリーブにはんだ付けすることができる。図1および図5に示されるように、中央シャフトアセンブリ18は、本体28の近端54に挿入される。それは、近端フェルール26の基部にある機構に対する保持スリーブ32の圧締め作用によって、または保持溝78に嵌合する止めねじ76によって、またはその両方によって、所定の位置に保持される。この構成の1つの大きな利点は、中央シャフトアセンブリ18の両端が、精密な端部を製造しやすく、且つ検査及び洗浄しやすい雄ファイバフェルール20、26であることである。
【0042】
図1乃至図5では、遠端フェルール20は中央シャフト本体内に挿入される剥き出しのフェルールとして示され、一方、近端フェルール26は、中央シャフト本体22の端部に嵌合する基部本体を有することに留意されたい。本発明の範囲内で、いずれの端部においてもいずれかのスタイルのフェルールを用いることができるが、これは、中央シャフトアセンブリを本体のどちらの端部に挿入することができるかを決定するであろう。中央シャフトアセンブリの端部は、本体の遠端に設けられるリップ上に嵌合することができることも本発明の範囲内にある。また、本体と中央シャフトアセンブリとの間で働く材料が汚れる状況を減らすために、いずれか一方、又は両方の端部において、それらの間に封止部を設けることもできる。そのような封止部は、本明細書において説明されるような医療グレートの接着剤を使用することによって、または他の方法で設けることができる。
【0043】
近端フェルールは通常、光源ファイバアセンブリ内の対応する光学構成要素(複数の場合もあり)(たとえば、ファイバ(複数の場合もあり))と位置合わせされた状態で1つ又は複数の光学構成要素(たとえば、ファイバ)を保持するように構成される。フェルールの形状、材料及び光源ファイバアセンブリ内の光導体の数について上記で説明されたことが、近端フェルールにも当てはまる。たとえば、ハンドピース全体の所望の構成に応じて、剥き出しのバレルフェルール、及び基部を有するフェルールを選択することができる。高電力の用途(たとえば、1ワットを超えるレーザ電力の送達)では、セラミック又はポリマーフェルールに比べて高い温度により一層耐えることができることに起因して、金属フェルールを利用することが相応しいことがあることに留意されたい。
【0044】
遠端フェルールは、中央シャフト本体に沿って延在する1つ又は複数の光学構成要素(たとえば、ファイバ(複数の場合もあり))を、その先端の光学部分で連結又は収容するように構成される。光源フェルールアセンブリ内のフェルールの形状、材料及び光導体の数について上記で説明されたことが、遠端フェルールにも当てはまる。たとえば、ハンドピース全体の所望の構成に応じて、剥き出しのバレルフェルール、及び基部を有するフェルールを選択することができる。再び、高電力の用途(たとえば、1ワットを超えるレーザ電力の送達)で、セラミック又はポリマーフェルールに比べて高い温度により一層耐えることができることに起因して、金属フェルールを利用することが相応しいことがあることに留意されたい。
【0045】
図5に示される実施形態は、近端フェルールと遠端フェルールとの間に延在する単一の光ファイバを有するが、複数のファイバ又は光伝導構成要素が利用されることもある。本発明の範囲内で、広範な種々の光伝導構成要素を用いることができる。本明細書では、光ファイバが参照されることが多いが、そのようなファイバの代わりに、本明細書において説明される光伝導構成要素、または当該技術分野において開示される他の構成要素のいずれかを用いることができることは理解されたい。限定はしないが、それらの例は、ガラスクラッドシリカファイバ、ハードクラッドシリカファイバ、ポリマークラッドシリカファイバ及びポリマーファイバである。その光ファイバは、円柱形の形状を有することができるか、または任意の、または別の断面(たとえば、正方形、三角形又は他の突起のある形状)から成ることができる。その光ファイバは、その上にクラッディングを有することがあるか、または中央シャフト本体内の媒体だけで被覆されることがある。ガラスおよび/または石英ガラスから成るファイバは丈夫であり、オートクレーブタイプの滅菌又は化学的な滅菌に耐える傾向があるが、ポリマーファイバの多くは、高温、高湿又は過酷な化学反応に耐えられないことに留意されたい。
【0046】
光ファイバは、電磁放射スペクトルの任意の部分からの放射を伝送することができる。特に対象となるのは、スペクトルの紫外線部分、可視光部分および近赤外線部分の治療目的の波長である。光ファイバは、1つの波長、或る範囲の光の波長、または個々の波長及び波長範囲の組み合わせから構成されるグループを放射することができる。光ファイバファイバは、光を、先端部に伝送し、かつ光源ファイバに戻すように伝送することができる。或るグループの波長が、外に向かって伝送され、別のグループの波長が、戻るように伝送されることがある。
【0047】
ファイバの端部は、同じように処理するか又は異なる特性を有することができる。そのファイバを研磨して、平坦であるか、又は曲率を有するかのいずれかである滑らかな表面にすることができるか、又はファイバを劈開して、平坦な表面を形成することができる。ファイバは、ファイバ表面を保護するか、又は反射損を低減するか、又は特定の波長に反射率を合わせるために、その上にコーティングを有することもある。またファイバは、ファイバから伝送される光の方向を変更するための役割を果たす光学構成要素において終端することもある。そのファイバは、伝送能力を高めて、限定はしないが、回折光学系又はHOEのような光学構成要素を形成するために、表面内にエッチングされたパターンを有することもある。そのファイバ終端は、ボールレンズまたはグレーデッドインデックスレンズのようなレンズとすることができる。
【0048】
光源又は入力ファイバに関して上記で説明されたのと概ね同じように、光ファイバは、単一のファイバ構成要素、複数のコアを有するファイバ、または複数のファイバのいずれかを含むことができる。複数のファイバとして、単一の光導体としての役割を果たすか、または個々のファイバが別個の目的を果たすファイバの束を用いることができる。それとは別に、またはそれと組み合わせて、種々のファイバが、いずれかの方向に異なる波長の光を伝送するための役割を果たすこともできる。さらに、それとは別に、またはそれと組み合わせて、ファイバ束は、たとえば、撮像する目的を果たすために用いられることがあるコヒーレントなファイバ束を含むこともある。コヒーレントなファイバ束は、その近端における合焦された画像に対応する画像を、その遠端において再現することができるファイバ構成要素の束である。
【0049】
中央シャフトアセンブリの中に真直ぐに延在する1つ、または複数の光導体に加えて、中央シャフト本体の中に、光の向きを変更するか、または光を合成して新たな構成にするための役割を果たす他の光学構成要素が存在することがあることも本発明の範囲内にある。限定はしないが、具体的な例は、近端上に1つのファイバがあり、遠端上に一対のファイバがある場合に用いられる機械式又は融着型の「Y」字形結合器を含むことである。そのような実施形態では、一対のファイバは、1つのファイバの中を伝送した光を分配し、1つのファイバは、一対のファイバの中を伝送する光を合成したものを搬送するであろう。この概念は、近端側に概ね任意の数(たとえば、2、3、4、5、又はそれ以上)のファイバを含むこともでき、遠端上に概ね任意の数(たとえば、2、3、4、5、又はそれ以上)のファイバを有し、遠端上のファイバの数は、近端上の数と同じにすることができるか、または異なる数にすることができる(たとえば、ファイバ数を増減)。いずれの端部においても一対のファイバが用いられた場合には、これは、融着型又は機械式「X」字形ファイバスプリッタを形成することになり、「結合器」と呼ばれることもある。
【0050】
真直ぐに延在するファイバ及び結合されるファイバは組み合わせて用いることもできる。限定はしないが、一例は、近端にある一対のファイバであり、第1のファイバが治療目的の光を処置エリアに送達するように構成され、第2のファイバが、検知光を光源/受光器手段に戻すように構成される。第1のファイバは、遠端まで真直ぐに支持されることができ、遠端でその光を先端まで送達する。第2のファイバは、遠端において第1のファイバを包囲する複数(たとえば、6つ)のファイバのアレイに結合することができる。このようにして、複数のファイバの構成を用いて、先端から散乱性の戻り光を収集し、その光の一部が、測定及び検知の目的のために光源/受光器手段に光を戻す第2のファイバの中に確実に入るようにすることができる。
【0051】
ファイバ結合器は、方向性のスペクトル特性を有することができ、いくつかの波長が1つまたは複数のファイバの中に進み、残りの波長が異なる1つ又は複数のファイバの中に進むように、光の波長が分割される。限定はしないが、一例は2:1結合器であり、これは、近端上に2つのファイバがあり、遠端上に1つのファイバがある。第1の近端ファイバの中に治療目的の波長(複数の場合もあり)を導入することができ、それらの波長は、結合器を通って1つのファイバの中に伝送され、さらに先端まで伝送される。先端からの戻り光は、治療目的の波長の帯域内にない光が第2の近端ファイバの中に進むように、光路を選択することができる。フィルタ、格子又は特定の融着構造の使用を含む、ファイバによってそのように波長分割するために用いられる十分に完成しているいくつかの技法がある。
【0052】
図5の実施形態は、中央シャフト本体22を円筒形の形状で示しており、それは製造するのが容易である。しかしながら、中央シャフト本体は、限定はしないが、楕円形、長方形、さらには一対又はそれよりも多くの数の軸方向に接合される筒状物を含む、任意の、又は所定の断面形状を有することができることは本発明の範囲内にある。
【0053】
ハンドピースの設計目標が、化学的技法又はオートクレーブ技法による滅菌に耐えることができるようにすることである場合には、中央シャフトアセンブリを、光ファイバを保護するアセンブリ(たとえば、気密アセンブリ)にして、ファイバの遠端および近端の表面だけを露出させることが有用である。これは、光ファイバの完全な状態が損なわれないようにし、ハンドピースの低損失の伝送特性を保持する。しかしながら、オートクレーブ内の熱サイクル中に、中央シャフトアセンブリ内の材料は、大きな熱膨張を受けることがある。光ファイバと中央シャフト本体との間の熱膨張が一致しない場合には、光ファイバに望ましくない張力が加えられることがあり、光ファイバが劣化するか、又は破壊される可能性がある。1つの例示的な例として、85mm長の光ファイバを考える。中央シャフト本体がアルミニウムから構成される場合には、15ppm/℃(1℃当たりの百万分率)の熱膨張の違いが存在することがある。250℃のオートクレーブ温度の場合、中央シャフト本体は、光ファイバよりも0.25mmだけ大きく膨張している。これは、フェルールの一方または両方の内外に光ファイバを収縮させる効果があり、それにより大きな隙間を作り出して、ハンドピースの光学的な伝送損失を増加させることがある。または、ファイバが十分に伸長できない場合には、単にファイバが断線することがある。
【0054】
その場合に、設計または製造工程のいずれかにおいて、熱膨張の違いに対処するために新たに考案された技法を用いることができることは本発明の少なくとも1つの実施形態の範囲内にある。製造工程において熱膨張の問題を解決するために、中央シャフトアセンブリが構成されるが、ファイバは、フェルールの各端部から、わずかな距離だけ突き出したままにされる。未硬化の接着剤を用いて、光ファイバがフェルールの中に封止され、その後、そのアセンブリは材料が膨張した状態にある間に、接着剤が固まる、又は硬化できるのに十分に長い持続時間にわたってオートクレーブ温度まで高められる。一旦、冷却されたなら、わずかな量だけ「緩みがある」光ファイバが中央シャフトアセンブリ内に存在することになり、将来の熱膨張に対する緩衝材としての役割を果たすであろう。この状態において、光ファイバに端面処理(たとえば、ファイバの端面を研磨すること)を施すことができ、その光ファイバは温度サイクル中に後退及び損傷を受けにくくなるであろう。
【0055】
別の新たな製造技法も、高温の硬化技法と同じようにして、熱膨張の違いの問題を解決又は緩和することが立証されている。光ファイバと中央シャフト本体との間に、硬化した接着剤又はガラスはんだ接合部が存在する場合に、短い熱サイクルを繰り返すと、封止部を劣化させることなく、ファイバが徐々に、しかし永久にフェルールの中に後退することがわかっている。ただし、その封止部は気密封止部であっても、なくてもよい。この技法をいかに利用することができるかの一例は、中央シャフトアセンブリに接合または接着されるが、フェルールの端部から、或る距離だけ突き出すように端部が長いままである光ファイバで開始する。そのファイバは、少なくとも予想される熱膨張の違いと同じ程度(たとえば、0.5mmより長く)まで伸びる必要があるが、その長さは、後続の処理ステップを容易にするために、10mn〜20mmであることが実用的である。その後、そのアセンブリを、室温とオートクレーブ温度との間で繰返し循環させることができる(たとえば、それぞれ15分の全サイクルを20サイクル)。繰返し循環した後に、そのファイバは、伸長若しくは収縮のいずれか、またはその両方を受けており、高温硬化で参照されたのと同じ「緩みがある」状態が生じる。ここで、たとえば、フェルールの端部と同じ面で劈開又は研磨することによって、ファイバの端部を仕上げることができる。
【0056】
フェルールおよび中央シャフト本体に金属部品を用いて、強いアセンブリを製造することができるが、それらの部品は、光ファイバ構成要素よりも大きな熱膨張係数を有する傾向がある。ただし、そのアセンブリは気密であっても、なくてもよい。しかしながら、熱サイクルの問題を緩和する別のオプションもある。中央シャフトアセンブリ内の材料が、厳密に一致する熱膨張係数を有するように選択される場合には、温度サイクルの影響を緩和又は無効にすることができる。光ファイバ及び中央シャフト本体が厳密に同じ熱特性を有することが最も重要であるが、フェルールの熱特性をファイバとも一致させることから、或る付加的な利益を得ることができる。限定はしないが、一致する材料の例は、ガラス、セラミック、複合材料(すなわち、ガラス繊維)、ガラス充填エポキシ、又はそれらの混合物等を用いることである。たとえば、限定はしないが、セラミックフェルールはかなり一般的であり、それらのフェルールはセラミック又はガラス製の中央シャフト本体と調和させることができる。
【0057】
好ましい実施形態では、高温において、中央シャフト本体は、その長さに沿って、第1の距離だけ膨張又は伸長し、光ファイバは、その長さに沿って、第2の距離だけ膨張又は伸長し、第1の距離は、第2の距離の1mm以内、より典型的には0.5mm以内であり、さらに典型的には0.1mm以内である。高温は、オートクレーブの典型的な温度(たとえば、約100℃〜約300℃、又は約200℃〜約300℃)である。
【0058】
上記で述べられたように、光ファイバはフェルールの中に接着することができる。限定はしないが、適当な接着剤の例は、エポキシ及びウレタンである。ガラスはんだ化合物を用いて、光ファイバをフェルールの中に封止することもできる。また、金属はんだを用いて光ファイバをフェルールの中に封止することもできるが、接着を促進するために、非金属構成要素(すなわち、光ファイバ)上に金属「シード」層を形成することが望ましいこともある。ガラスはんだ化合物及び金属はんだ化合物を用いて、限定はしないが、レーザエネルギー、赤外線放射、又はオーブンにさらすことを含む、種々の形の熱を加えることによって、封止部を形成することができる。1つの実用上の考慮すべき事柄は、ガラスはんだ化合物または金属はんだ化合物が必要な場合には、オートクレーブ温度において機械的に安定したままでなければならないことである。
【0059】
フェルール及び中央シャフト本体は、限定はしないが、エポキシ、ウレタン及び弾性シーラント(RTV)化合物を含む接着剤を用いて互いに封止することもできる。処理ステップに関して同じような要件で、ガラスはんだ化合物及び金属はんだ化合物も利用することができる。金属フェルール及び金属中央シャフト本体の場合には、限定はしないが、レーザ溶接、MIG溶接及びTIG溶接のような高品質の溶接技法を用いて、直に溶接部を作り出すこともできる。フェルール及び中央シャフト本体がいずれも金属、または高分子材料、またはその組み合わせ等から形成される場合には、スエージ加工された接続部も、フェルールを中央シャフト本体にしっかりと接合するための役割を果たすことができる。スエージ加工された接続部を形成する1つの典型的な方法は、外側管が潰れて内側管との機械的な接続部を形成するように、同心管の外側管をクリンプすることである。同じようにして、圧入接続部を用いて、フェルールと中央シャフト本体との間にしっかりとした接続部を形成することもできる。スエージ加工された接続部及び圧入接続部では、エポキシ、ウレタン又はRTV化合物のような接着剤を塗布することによって例示されるような封止剤を用いて、封止(たとえば、気密封止)を形成するのを助けるために気密性の高い封止部を確保することができる。
【0060】
光ファイバ上に直にフェルール及び中央シャフト本体の幾何学的形状を成形することによって、「一体型」の中央シャフトアセンブリを製造することもできる。これは、限定はしないが、セラミック、複合材料およびガラス充填エポキシのようないくつかの材料を用いて果たすことができる。そのような場合には、材料が、ファイバの周囲に形成され、硬化される。その後、一体型のユニットを処理して、必要とされる、精密なファイバ端及び任意の他の重要な幾何学的機構を作り出すことができる。一体型の意匠の製造コストを十分に低くすることができる場合には、ハンドピース全体又は少なくとも本体アセンブリを使い捨てにすることが実用的である。
【0061】
図5に示される実施形態は、本体28の中にねじ嵌めされ、保持溝78に嵌合して、本体28内に中央シャフトアセンブリ18をしっかりと捕捉する止めねじ76を有する。図5は、保持溝78が径方向への溝であり、三角形の断面を有すること、および止めねじ76が尖った端部を有することを示す。止めねじ穴の軸と、溝78の底部との間にわずかな軸方向へのずれがあることも考えられる。その結果として、止めねじ76が穴の中に向かって進むとき、傾斜した先端の遠端が、保持溝78の遠端にある傾斜のある壁部と嵌合し、中央シャフトアセンブリ18を本体28の遠端に向かって摺動させる。これは、本体28を、近端フェルール26に本体28に対してしっかりと嵌合し、安定して、堅く結合された本体アセンブリを形成するという効果がある。
【0062】
止めねじは、限定はしないが、丸みのある先端、ポリマー先端、ばね押しボール先端、その先端上にある軟質の金属パッドを含む、他のスタイルの先端を有することができることも本発明の範囲内にある。保持溝の形状は、限定はしないが、丸みのあるプロファイル、又は正方形のプロファイルを含む、他のプロファイルを有することもできる。さらに、保持溝は、中央シャフト本体の周囲に径方向に延在する必要はなく、代わりに、止めねじに嵌合する穴またはくぼみにすることができる。そのような機構は、本体内に中央シャフトアセンブリを回して位置合わせするための役割を果たすことになる特異な位置合わせ状態を提供することになり、それは、ハンドピースの中のどこでも望ましい場所において、特に回して固定する場合に好都合であることがある。限定はしないが、このように固定することが有用である例は、中央シャフトアセンブリの中に、治療目的の光のためのファイバ、および戻り光のためのファイバの2本の光ファイバが存在する場合である。その固定機構は、これらのファイバが光源ファイバアセンブリ内の対応するファイバと、または先端部内の機構と一列に並べられるのを確実にすることができる。止めねじは、他に指定のない限り、オプションの意匠要素である。また保持スリーブアセンブリも、中央シャフトアセンブリを本体の中にしっかりと固定することができる。また、互いにねじ嵌めされるときにしっかりと嵌合するように、本体上に雌ねじを設け、中央シャフトアセンブリ内に雄ねじを設けることもできる。
【0063】
また、本体及び中央シャフト本体の役割を組み合わせて、1つの構成要素にすることもできる。図1を検討すると、ハンドピース12の他の態様を概ね変更することなく、近端フェルール20および遠端フェルール26を本体内に直に取り付けることができることが暗示される。この組み合わされた部品は、構成する上でのコストを下げることができる。2つの構成要素は、別個に構成し、接着剤を塗布して永久に接合することもできる。一体型の意匠の場合と同様に、機能的に低下はするが、製造コストを十分に下げることができる場合には、本体アセンブリ全体を、さらにはハンドピース全体を使い捨てのユニットとして形成することができる。これを思いついたなら、オートクレーブ滅菌の必要がなくなり、安価な材料を利用することができるであろう。
【0064】
図1は、先端部80が摩擦及び真空圧によって本体アセンブリ上に保持される実施形態を示す。本体アセンブリに先端部xxを押し付けることによって、先端部80及び本体アセンブリの合わせ面間から空気が押しのけられるであろう。先端部と本体アセンブリとの間の公差が十分に厳密である場合には、空気がポケットの中に容易に逆流することができなくなるので、先端部が空気圧によってしっかりと保持される。
【0065】
先端部の保持は、先端部内の対応する機構と嵌合する、本体アセンブリ内の機械的なインターロック機構を含むこともできる。図6に示される実施形態では、本体アセンブリは先端部92の近端から延在するアームを収容する軸方向スロット90を有する。先端部が十分な距離だけ押されるとき、アームの端部にある歯が弾発的に引っかかり、軸方向スロットに垂直であるスロット内に嵌合する。このようにして、本体部分の中の機構が、先端部上の機構と互いに噛み合うので、機械的に安定したアセンブリであることが明らかである。本体部分の中のインターロック機構は、図6に示されるのとは異なり得ることは本発明の範囲内にある。限定はしないが、他のインターロック機構の例は、ねじ山、他のスロット形状、ポスト、穴、及び図6の先端部上に示されるものに類似のアームを含む。さらに、保持スリーブが締め付けられるときに、結果として、コレットが締め付けられ、先端部において圧締めされるように、本体アセンブリ内にコレット機構を形成することができる。
【0066】
ハンドピースの別の実施形態または態様が図8に示される。この実施形態では、光源フェルール、近端フェルールおよび内部アダプタが省かれる。光源ファイバ100が、中央シャフトアセンブリ103上の遠端フェルール102に直に接続される。ストレインレリーフブーツ104が係止機構106上に嵌合し、係止機構はさらに、中央シャフト本体の端部に挿入される。中央シャフト本体の大きな直径と係止機構106の大きな直径との間に内部リップ112を挟むことができることによって、保持スリーブ108が、中央シャフトアセンブリ上に捕捉される。図3に示されるようにねじ嵌めする代わりに、この実施形態では、図6において先端部を捕捉するために示されるものに類似のインターロック機構を用いて、保持スリーブ108に接続する本体116が示される。ばね120が、中央シャフトアセンブリの近端に向かって保持スリーブを押すための役割を果たし、効率的には、本体と中央シャフトアセンブリを引き寄せる。組み合わされた本体先端部が保持スリーブと嵌合するとき、ばねは遠端フェルール102上に先端部を引き寄せるという効果がある。
【0067】
図7A乃至図7Cに示されるように、ハンドピースの一実施形態では、本体116及び先端部118を組み合わせて、ハンドピースの大部分を完全に覆い、保護する単一の使い捨て部品が構成されている。図7Bに示されるように、組み合わされた本体116及び先端部118は、中央シャフトアセンブリにわたって摺動し、変更された保持スリーブと嵌合する。図7Cに示されるように、保持スリーブ108は、図6の本体の遠端にあるのと類似のインターロック機構を有する。
【0068】
図8は、図7A乃至図7Cに示される保持スリーブ108が、中央シャフトアセンブリと係止機構との間にいかに捕捉されるかを示す拡大図である。保持スリーブ108が本体116と嵌合するとき、本体116及び先端部118を組み合わせたものが底に達するまで、すなわち保持スリーブ108が係止機構に突き当たるまで、ばね120が本体116を中央シャフトアセンブリに押し込む。
【0069】
図8は、係止機構106が中央シャフト本体の近端内に圧入することを示す。係止機構は、限定はしないが、ねじ嵌めによる接続、接着による接続、はんだ付けによる接続、または溶接による接続を含む、他の方法によって接続されることがあるがあることは本発明の範囲内にある。また、係止機構は、中央シャフト本体の近端にある縮径した部分の外側に押し込まれることもある。
【0070】
先端部は、同じく図6に示されるのと類似のインターロック機構を用いて、本体に接続することもできることも本発明の範囲内にある。これにより、先端部が交換されるときに、本体がハンドピース上に留まることができるようになるか、またはそれらの両方を交換できるようになるであろう。本体及び先端部を、単一の使い捨て部品として一緒に成形できることも好都合である。組み合わされた本体/先端部は、中央シャフトアセンブリ全体を覆い、保持スリーブと嵌合する。中央シャフトアセンブリ全体が汚染されないように保護されるので、滅菌される必要はない。それゆえ、必ずしも、オートクレーブの過酷な環境に耐えるように設計される必要はない。これは設計を簡単することができ、材料のコストを下げることができ、製造コストを削減することができ、かつ介護者の労働負荷を軽減することができる。さらに、それにより、遠端フェルールの端部上に汚染物が焼き固まることに起因する、過剰な損失が生じるのを減らすことができる。
【0071】
組み合わされた本体及び先端部は、同じ材料から1つのステップにおいて成形されることが理想的であろう。しかしながら、上記で述べられたように、それらが元々2つの個別の部品として形成され、物理的に組み合わされることは本発明の範囲内にある。組み合わせる方法は、限定はしないが、圧入、物理的なインターロック機構で嵌合すること、互いに接着すること、互いに融着すること、または超音波接合である。本体及び先端部を2つの別個の材料から形成することができることも本発明の範囲内にある。たとえば、限定はしないが、本体及び先端部はポリカーボネートから形成することができるが、人間工学的な握り領域は、シリコンゴムのオーバーモールディングとして形成することができる。使い捨ての本体部分を導入することによって、同じ製造ラインにおいて、或る範囲の異なる人間工学的なスタイルを導入できるようになり、介護人が、その手及び用途に合うスタイルを容易に選択できるようになる。
【0072】
具体的には示されないが、本開示に鑑みて、ここで機械設計の熟練者(当業者)に明らかになり、それゆえ、明らかに本発明の範囲内にある、本発明に対する改変、組み合わせ、及び変更がある。一例は、図3に示される実施形態のための保持機構として、図7Cに示される物理的なインターロック機構を利用することであろう。別の例は、図7A乃至図7Cの実施形態の機構と、図1の機構とを組み合わせて、結果として、ハンドピース上に使い捨ての組み合わされた本体/先端部が取り付けられるようにすることであり、それでも、中央シャフトアセンブリは、光源ファイバアセンブリから取り外すことができ、滅菌のためにオートクレーブの中に通すことができる。
【0073】
本発明を実施する際に用いることができる付加的な機構または別の機構が、図9Aおよび図9Bにも示される。図から明らかなように、中央シャフトアセンブリ142の近端及び遠端において封止部140(たとえば、弾性Oリング)を備えるハンドピースが示される。そのような封止部140は、外側本体144と中央シャフトアセンブリ142との間を封止できることが好都合である。図9Aおよび図9Bの実施形態又は他の実施形態の場合に、中央シャフトアセンブリをオートクレーブ、または他の方法で滅菌することが不要になり、外側本体しかオートクレーブ、または他の方法で滅菌する必要がないように、中央シャフトアセンブリと外側本体との間を十分に封止できるようにすることが考えられる。
【0074】
図10を参照すると、図9Aまたは図9Bの実施形態の場合に、本発明を実施する際に金属化されたファイバが用いられることがあることが考えられる。図10は、金属コーティング152(たとえば、薄膜)を有するファイバ150を示す。図示される特定のファイバ150は、複数の層を有するコーティング152を含み、各層は異なる金属又は他の金属から成る(たとえば、チタン層156、ニッケル層158、金層160及びバッファコート層162)。しかしながら、単一の層が用いられることもあり、その単一の層、又は複数の層のうちのいずれかを、金属および/または他の材料の混合物できることがさらに考えられる。そのようなコーティングは、約100nmから約2000nmの厚みを有することができるが、それよりも厚くすることも、薄くすることもできる。
【0075】
別段に指示がなければ、本明細書において示される種々の構造の寸法及び幾何学的形状は、本発明を限定することを意図するものではなく、他の寸法または幾何学的形状も実現可能である。複数の構造的な構成要素をただ1つの一体構造によって設けることもできる。別法では、ただ1つの一体構造を、個別の複数の構成要素に分割することもできる。さらに、本発明の機構が、例示される実施形態のうちのただ1つの実施形態との関連で説明されていることがあるが、そのような機構は、任意の所与の用途の場合に、他の実施形態の1つ、または複数の他の機構と組み合わせることもできる。上記のことから、本明細書における固有の構造の製造、及びその動作も、本発明による方法を構成することは理解されよう。
【0076】
本発明の好ましい実施形態が開示されてきた。しかしながら、或る特定の変更が本発明の教示内に入ることは当業者には理解されよう。それゆえ、本発明の真の範囲及び内容を定めるために、添付の特許請求の範囲が調べられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースおよび/またはシステムの一部を切り取った側断面図。
【図2A】1つの例示的な保持スリーブアセンブリを用いる場合の図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの側面図。
【図2B】1つの例示的な保持スリーブアセンブリを用いない場合の図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの側面図。
【図3】図1の例示的なハンドピースおよび/またはシステムの1つの例示的な接続部の拡大図。
【図4】本発明の別の態様による、別の例示的なハンドピースの斜視図。
【図5A】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースの一部の分解断面図。
【図5B】本発明の一態様による、1つの例示的なハンドピースの一部の分解断面図。
【図6】本発明の一態様による、プローブ先端部をハンドピースに取り付けるための1つの例示的な機構を示す斜視図。
【図7A】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図7B】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図7C】本発明の一態様による、1つの例示的な、代替的なプローブ先端部を備える例示的なハンドピースの斜視図。
【図8】図7A乃至図7Cの例示的なハンドピースの一部を切り取った断面図。
【図9A】本発明の例示的な態様による、分解されたハンドピースを示す図。
【図9B】本発明の例示的な態様による、図9Aのハンドピースの一部の拡大図。
【図10】本発明の一態様による、1つの例示的な光学構成要素を示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療の用途において光を送るのに適しているハンドピースであって、
近端及び遠端を有する中央シャフトアセンブリであって、
i.近端フェルールと、
ii.遠端フェルールと、
iii.前記近端フェルールと前記遠端フェルールとの間に延在する光ファイバと
を備える、中央シャフトアセンブリと、
前記中央シャフトアセンブリを実質的に包囲する把持可能な外側本体と
を備える、ハンドピース。
【請求項2】
前記中央シャフトアセンブリは、中央シャフト本体をさらに備える、請求項1記載のハンドピース。
【請求項3】
前記本体の材料の温度膨張/収縮特性は、前記フェルールまたは前記光ファイバ、もしくはその両方の温度膨張/収縮特性に概ね一致する、請求項1または2記載のハンドピース。
【請求項4】
前記ハンドピースは高い温度でソーキングされて、前記光ファイバを著しく伸長させることなく、将来前記ハンドピースを高い温度にさらすことができるのに十分な緩みをもたらすように、前記中央シャフト本体または前記外側本体、もしくはその両方の中に前記光ファイバが配置されるようにする、請求項1乃至3のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項5】
前記光ファイバは前記中央シャフトまたは前記外側本体、もしくはその両方の中に気密封止され、前記光ファイバを著しく劣化させることなく、前記ハンドピースを滅菌できるようにする、請求項1乃至4のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項6】
前記ハンドピースを光源光学構成要素に接続するのを助けるために、前記シャフトアセンブリの前記近端に保持スリーブをさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項7】
先端であって、少なくとも前記外側本体及び前記先端は、前記遠端フェルールから、使い捨て可能であり、取り付け可能であり、取り外し可能であり、かつ、前記本体及び前記先端は、取り付けられる際に、前記遠端フェルール及び前記光ファイバを覆う、先端をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項8】
前記光ファイバの1つまたは複数の特性は、前記光ファイバに光を送る光源ファイバの1つまたは複数の特性と一致するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項9】
前記光ファイバおよび前記光源ファイバの前記1つまたは複数の特性は、前記光ファイバおよび前記光源ファイバの直径、および前記光ファイバおよび前記光源ファイバの前記直径の公差を含む、請求項8記載のハンドピース。
【請求項10】
前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方は前記ハンドピースの前記外側本体よりも外側に延在し、それにより、前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方にアクセスすることができるようにし、それにより、前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方の洗浄または研磨もしくはその両方を実施できるようにする、請求項1乃至9のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項11】
前記本体、前記近端フェルール、前記遠端フェルール、前記光ファイバ、またはそれらの任意の組み合わせは、前記ハンドピースを高い温度にさらしても、前記ハンドピースの光学特性への影響が最小限に抑えられるように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項12】
前記近端フェルールは、標準的なサイズのコネクタを有する前記光源ファイバに接続できるようにする標準的なサイズで設けられる、請求項1乃至11のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項1】
医療の用途において光を送るのに適しているハンドピースであって、
近端及び遠端を有する中央シャフトアセンブリであって、
i.近端フェルールと、
ii.遠端フェルールと、
iii.前記近端フェルールと前記遠端フェルールとの間に延在する光ファイバと
を備える、中央シャフトアセンブリと、
前記中央シャフトアセンブリを実質的に包囲する把持可能な外側本体と
を備える、ハンドピース。
【請求項2】
前記中央シャフトアセンブリは、中央シャフト本体をさらに備える、請求項1記載のハンドピース。
【請求項3】
前記本体の材料の温度膨張/収縮特性は、前記フェルールまたは前記光ファイバ、もしくはその両方の温度膨張/収縮特性に概ね一致する、請求項1または2記載のハンドピース。
【請求項4】
前記ハンドピースは高い温度でソーキングされて、前記光ファイバを著しく伸長させることなく、将来前記ハンドピースを高い温度にさらすことができるのに十分な緩みをもたらすように、前記中央シャフト本体または前記外側本体、もしくはその両方の中に前記光ファイバが配置されるようにする、請求項1乃至3のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項5】
前記光ファイバは前記中央シャフトまたは前記外側本体、もしくはその両方の中に気密封止され、前記光ファイバを著しく劣化させることなく、前記ハンドピースを滅菌できるようにする、請求項1乃至4のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項6】
前記ハンドピースを光源光学構成要素に接続するのを助けるために、前記シャフトアセンブリの前記近端に保持スリーブをさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項7】
先端であって、少なくとも前記外側本体及び前記先端は、前記遠端フェルールから、使い捨て可能であり、取り付け可能であり、取り外し可能であり、かつ、前記本体及び前記先端は、取り付けられる際に、前記遠端フェルール及び前記光ファイバを覆う、先端をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項8】
前記光ファイバの1つまたは複数の特性は、前記光ファイバに光を送る光源ファイバの1つまたは複数の特性と一致するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項9】
前記光ファイバおよび前記光源ファイバの前記1つまたは複数の特性は、前記光ファイバおよび前記光源ファイバの直径、および前記光ファイバおよび前記光源ファイバの前記直径の公差を含む、請求項8記載のハンドピース。
【請求項10】
前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方は前記ハンドピースの前記外側本体よりも外側に延在し、それにより、前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方にアクセスすることができるようにし、それにより、前記近端フェルールまたは前記遠端フェルール、もしくはその両方の洗浄または研磨もしくはその両方を実施できるようにする、請求項1乃至9のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項11】
前記本体、前記近端フェルール、前記遠端フェルール、前記光ファイバ、またはそれらの任意の組み合わせは、前記ハンドピースを高い温度にさらしても、前記ハンドピースの光学特性への影響が最小限に抑えられるように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項記載のハンドピース。
【請求項12】
前記近端フェルールは、標準的なサイズのコネクタを有する前記光源ファイバに接続できるようにする標準的なサイズで設けられる、請求項1乃至11のいずれか一項記載のハンドピース。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【公表番号】特表2008−544809(P2008−544809A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519410(P2008−519410)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/024272
【国際公開番号】WO2007/005313
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(507022282)オンディーヌ インターナショナル リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/024272
【国際公開番号】WO2007/005313
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(507022282)オンディーヌ インターナショナル リミテッド (8)
【Fターム(参考)】
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