説明

光コネクタモジュール、光バックプレーン、筐体内光通信装置及び光接続方法

【課題】筐体内光通信装置搭載の光バックプレーンの光配線の余長処理部により筐体が大きくなると共に、ファイバ敷設が煩雑となる。光ファイバシートを用いた場合、カードスロット間接続トポロジーが固定的で容易に変更できない。
【解決手段】少なくとも2つの端部を有し、各端部に少なくとも1本の第1光ファイバと接続するための接続部81を有し、2つの端部の接続部間を少なくとも1本の第2光ファイバで内部接続する光コネクタモジュールであって、光コネクタモジュールの側面に、長手方向に伸縮可能な、少なくとも一つの伸縮自在部94と、長手方向に対して曲げ可能な、少なくとも1つの曲げ自在部93とが設けられ、
光コネクタモジュールの内部に、第2光ファイバを巻き取る巻き取り部を備え、
伸縮自在部の伸縮又は/及び曲げ自在部の曲げによる接続部間の第2光ファイバの長さ調整を、巻き取り部で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタモジュール、光バックプレーン、筐体内光通信装置及び光接続方法に係わり、特に筐体内の各スロット間の通信を光伝送で行う筐体内光通信装置に好適に用いられる光コネクタモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パケット通信で用いられる代表的なプロトコルであるイーサネット(登録商標)においては、一般のパソコンクラスの通信インターフェースに1Gbpsの通信速度をもつギガビットイーサネット(登録商標)が普及すると共に、基幹系では10ギガビットイーサネット(登録商標)が導入され始めるなど通信容量は飛躍的に増大している。同様に、ストレージ通信で用いられる伝送プロトコルであるファイバチャネルでも、伝送速度は1Gbpsから2Gbpsへ主流が移り、さらに10Gbpsの製品が登場し始めてきている。この様な通信容量の急激な増大と共に、その経路スイッチング等の処理を行う通信装置に要求される処理能力は大きくなってきている。基幹系の通信処理装置では、すでにTbitクラスの処理能力を持つ製品が現れている。かかる通信処理装置の一つとして特許文献1に、筐体に光配線がされた複数のカード差込み、カード間の光接続を光バックプレーンを用いて行う筐体内光通信装置が開示されている。
【0003】
以下、従来の筐体内光通信装置について図27を用いて説明する。図27は従来の筐体内光通信装置の実装構造を示す斜視図である。図27に示した筐体内光通信装置101は光・電気複合装置であり、ブックシェルフ型のラック102の背面に設けたバックプレーン139には、電気コネクタ113が設けられている。バックプレーン139に垂直に実装された光・電気複合ボード間の光接続を行うには、バックプレーン139の必要な箇所に穴141を開け、この穴に臨むように配設した光コネクタ142を介してラック102の背面側に配置したファイバシート143により行っており、電気配線のみを形成したバックプレーンとは独立した構成になっている。113は電気コネクタを示している。電気コネクタ113のそれぞれから電気ケーブル140が導出されている。
【0004】
105は光・電気複合ボードであって、電子回路(図示せず)が形成されているとともに、一方の面に光配線されたファイバシート(図示せず)が実装されている。この光・電気複合ボード105の後端部には、電子回路に電気接続された電気コネクタ107と、ファイバシートと光接続された光コネクタ108とが実装されている。
【0005】
光・電気複合ボード105を、ラック102の前面側の開口から挿入すると、光・電気複合ボード105は、ラック102内のガイド(図示せず)によって立設した状態を保ってラック102の背面側に案内される。ラック102の背面側の終端まで案内されると、光・電気複合ボード105の電気コネクタ107および光コネクタ108が、バックプレーン139の電気コネクタ113およびファイバシート143の光コネクタ142とそれぞれ電気接続および光接続される。
【0006】
なお、本発明は上記筐体内光通信装置の光配線に用いることができる光コネクタモジュール、それを用いたシステム及び方法に関するものであるが、光配線を行うものとしては上記のファイバシートの他に、特許文献2に光ファイバコードを収容し、90度湾曲させた光コネクタが開示されており(図3)、特許文献3には光ファイバを巻き取るスプールを設けることの記載がある(図4)。また、特許文献4には空洞内に光ファイバ心線が動きえる状態で収容される光ドロップワイヤの記載があり(図2)、特許文献5には両端にフェルールを有する光コードの開示がある(図1)。
【特許文献1】特開2003−121697号公報
【特許文献2】特開2002−341182号公報
【特許文献3】特開平5−143209号公報
【特許文献4】特開平9−068632号公報
【特許文献5】特開平10−239576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来の筐体内光通信装置は、以下のような課題を有していた。
【0008】
第1の課題は、カード間光配線に光ファイバシートを用いた場合、カード間の接続トポロジーが固定的となることである。
【0009】
その理由は、光ファイバシートは、あらかじめ設計されたトポロジーとなるように複数の光ファイバを裁断し、薄いシートに挟み込んだ構造となっていることにある。そして、一端光ファイバシートを設置するとカード間で所望の接続形態に光ファイバを自由に組み替えることが出来なくなる。
【0010】
第2の課題は、カード間光配線に特許文献5に示されるような光コードを用いた場合でも、カードが挿入されるカードスロット数の増大、各カードスロットに収容される光伝送路数の増大に伴い、筐体の物理的大きさが大きくなるとともに、光コード敷設の為の時間的負担が大きくなることである。
【0011】
その理由は、光コードは汎用的に使用できる様にある一定の長さで作られており、余った長さを収容する余長処理部が必要であるためである。また、光コードは1本ずつ敷設を行う必要があり、そのため、光コード配線数が多くなると、余長処理のスペースが大きくなるとともに、配線作業が煩雑となるためである。
【0012】
第3の課題は、光コード接続、ファイバシート接続ともに、ファイバを傷つけやすく故障の原因となりやすいことである。
【0013】
その理由は、光パッチコード、ファイバシートともに、被覆はなされているが、引っかけ、挟み込み等により光ファイバ内部のコアおよびクラッドが破損してしまう場合があるからである。
(発明の目的)
本発明の目的は、余長処理部が不要、かつ簡単に敷設が可能で、さらに接続形態が柔軟に変更可能な光コネクタモジュール、かかる光コネクタモジュールを用いた光バックプレーン、筐体内光通信装置及び光接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の光コネクタモジュールは、少なくとも2つの端部を有し、各端部に少なくとも1本の第1光ファイバと接続するための接続部を有し、2つの前記端部の接続部間を少なくとも1本の第2光ファイバで内部接続する光コネクタモジュールであって、前記光コネクタモジュールの側面に、長手方向に伸縮可能な、少なくとも一つの伸縮自在部と、該長手方向に対して曲げ可能な、少なくとも1つの曲げ自在部とが設けられ、
前記光コネクタモジュールの内部に、前記第2光ファイバを巻き取る巻き取り部を備え、
前記伸縮自在部の伸縮又は/及び前記曲げ自在部の曲げによる前記接続部間の前記第2光ファイバの長さ調整を、前記巻き取り部で行ってなるものである。
【0015】
上記本発明では、光コネクタモジュールの長さ方向は伸縮自在部で伸縮可能で、曲げ自在部で曲げ可能である。そして、光ファイバの引出しや巻き取りは巻き取り部で行うことができるので、光ファイバの余長処理が不要である。
【0016】
本発明の光バックプレーン及び筐体内光通信装置は上記本発明の光コネクタモジュールを用いたものである。
【0017】
本発明の光接続方法は、少なくとも2つの端部を有し、各端部に少なくとも1本の第1光ファイバと接続するための接続部を有し、2つの前記端部の接続部間を少なくとも1本の第2光ファイバで内部接続する光コネクタモジュールであって、前記光コネクタモジュールの側面に、長手方向に伸縮可能な、少なくとも一つの伸縮自在部と、該長手方向に対して曲げ可能な、少なくとも1つの曲げ自在部とが設けられ、前記光コネクタモジュールの内部に、前記第2光ファイバを巻き取る巻き取り部を備え光コネクタモジュールの光接続方法であって、
前記光コネクタモジュールの端部と接続される光コネクタの位置に合わせて、前記伸縮自在部により長手方向に伸縮させる、又は/及び前記曲げ自在部の曲げにより該長手方向に対して湾曲させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光コネクタモジュールと接続される光コネクタの位置に応じて配線形状を変えることができ、配線の余長処理に伴う煩雑な作業が無く、配線に伴う時間が大幅に短縮可能である。また、配線トポロジーを柔軟に変更可能である。
【0019】
また本発明によれば、光ファイバは光コネクタモジュール内に有るため、外部からの力が直接光ファイバに掛からない。その為、従来の光パッチコードや光ファイバシートに比較して故障しにくい。
【0020】
本発明のコネクタモジュールを用いた筐体内光通信装置では、筐体内に余長処理部を設ける必要が無く、装置の小型化が可能となる。更に、カードスロット間の配線トポロジーを柔軟に変更可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
図1(a)〜(c)は本発明の第2実施形態に係わる光コネクタモジュールの概略的な構成と動作を説明するための図である。
【0023】
光コネクタモジュール71には、接続部となるフェルール81と光ファイバ82が搭載される。フェルール81は、光ファイバ同士が精度よくフィジカルコンタクトするために設置されるものであり、光ファイバ82は精度よく平面度を出したフェルールの突当面に光ファイバ端面が並ぶ様に設置される。そして、フェルールどうしを突当面で突き当て、光ファイバどうしを接続する。また、フェルール81に余圧をかけるためにフェルール81の後部にはバネ83が設置される。
【0024】
本構成により、光コネクタモジュール71と光コネクタとを結合すると、光コネクタモジュール71のフェルール81と光コネクタのフェルールの突当面同士がある一定の圧力で押し当てられ、光ファイバ同士が精度よくフィジカルコンタクトすることが可能となる。
【0025】
図1(a)に示す構成では、光コネクタモジュールの曲げ自在部の2箇所が曲げられた例を示しており、曲げ自在部の2箇所を折り曲げて、光コネクタモジュールが「Z」状に形成されている。なおここでは光ファイバは直角に折れ曲がるように示してあるが、実際は湾曲している。図1(b)に示す構成では、曲げ自在部の2箇所を折り曲げて、光コネクタモジュールが「コ」状に形成されている。光コネクタモジュールの直線部には伸縮自在部が設けられており、長手方向に伸縮可能となっている。この場合、伸縮自在部を伸縮させることで、光コネクタモジュールの両端と接続される光コネクタ間距離に合わせて、光コネクタモジュールの長さを伸縮することができる。
【0026】
光コネクタモジュール71に搭載される光ファイバ82は単芯でも、多芯でもよく、一般的に多芯の場合、光ファイバ設置を容易化するために芯線を束ねた光ファイバリボンで構成することが多い。図1(c)では例として4芯の場合を示している。
【0027】
次に、図2〜図7を用いて、本実施形態に係わる光コネクタモジュールの構成について具体的に説明する。図2は本実施形態に係わる光コネクタモジュール71のケース部9を示した図であり、図3は蓋部10aを示した図である。また、図4は組み立て図、図5はフェルール搭載部の断面図を示している。また図6は光ファイバを巻き取る巻き取り部を示す断面図、図7は伸縮自在部を示す断面図である。
【0028】
図2〜図5に示すように、ケース部9は、フェルール搭載部91、曲げ自在部93、伸縮自在部94、蓋止め用ピン穴部92で構成される。また、フェルール搭載部91には、フェルール11aと、フェルール11aに余圧をかけるバネ12aを収容できるように溝が掘られている。また、蓋部10aはフェルール搭載部10b、止めピン用穴部10cから構成される。なお、曲げ自在部93、伸縮自在部94の数は必要に応じて任意に決めることができる。曲げ自在部93の曲率半径や、伸縮自在部94の伸縮幅も必要に応じて決められる。
【0029】
まず、組み立ては方法について説明する。まず、このフェルール搭載部91にフェルール11aとバネ12aを搭載し、次に、蓋部10aをかぶせて、ケース部の止めピン用穴部92および蓋部の止めピン用穴部10cを貫通するように止めピン11bを差込固定する。上記のように、簡単に組み立ては完了する。また、止めピン11bは抜き差し可能で、不具合のあった場合でも再生可能である。
【0030】
次に、光コネクタモジュール71の曲げ自在部、伸縮自在部の構造について説明を行う。曲げ自在部93は蛇腹構造となっており、光コネクタモジュール71の長手方向に対して曲げる(例えば垂直方向に曲げる)ことが可能である。また、伸縮自在部94は図7に示すように、径の異なる円筒を組み合わせて摺動可能とし、外径の小さい円筒を内径がほぼ等しい円筒内に収納、円筒内から引出すことで、光コネクタモジュールを長手方向に伸縮可能としている。
【0031】
次に、図6を用いて光コネクタモジュール71内部に設置される光配線巻き取り部について説明する。図6に示す光配線巻き取り部13aはケース部9に対して時計回り、反時計回りに回転自由で、かつ、内部に巻きバネ(不図示)を保有している。この巻きバネは、一方向(例えば時計回り)に回転すると、バネも同時に巻かれ、回転方向と反対方向(反時計回り)に反力を生じる。本構造によると、光コネクタモジュール71を伸縮自在部で伸ばしたり、曲げ自在部で曲げると、光配線巻き取り部13aが回転(例えば時計回り)し、光配線巻き取り部13aに巻かれている光ファイバ13bがほどかれる。
【0032】
一方、光コネクタモジュール71を伸縮自在部で縮めたり、曲げ自在部での曲げをもとに戻したりすると、巻きバネの反力により、光配線巻き取り部13aが反対方向(例えば反時計回り)に回転して、光ファイバ13bの余長を巻き取る。光配線巻き取り部13aは伸縮自在部、曲げ自在部と離れた位置に設けられることが望ましいが、伸縮動作を阻害しなければ伸縮自在部に設けても良い。
【0033】
また、光配線巻き取り部13aにラッチを設けて、光ファイバ13bに常に反力がかからないようにすることも可能である。この場合、ラッチは、伸ばす方向に一定の長さだけ引っ張ったときに解除される。
【0034】
以上、光コネクタモジュールについて説明したが、次に、かかる光コネクタモジュールを用いる筐体内光通信装置、光モジュール及び光接続方法について説明する。
【0035】
まず、図8〜図10を用いて筐体内光通信装置の構成について説明する。筐体1には、複数のラインカード11とスイッチカード12が搭載され、ラインカード11とスイッチカード12間を筐体1の背面側に設けられた不図示の光バックプレーンで光接続する構成となっている。外部伝送路14からラインカード11へ入力された通信信号は光バックプレーンを経由してスイッチカード12で所望の出力ポートの存在するラインカード11へスイッチングされ外部伝送路14へ再び出力される。外部伝送路14からの信号が電気信号の場合には、ラインカード11で、電気信号から光信号、光信号から電気信号へ変換される。13はラインカード11の外部入出力ポートを示す。
【0036】
ラインカード11とスイッチカード12との間の信号伝送は光バックプレーンを用いた光伝送により行われる。ラインカード11とスイッチカード12とが搭載されるスロット間は通常50cm以下の短い距離であるが、通信速度が10Gbitクラスとなると、隣接配線間の干渉や減衰により電気伝送方式では、バックプレーン間の通信が困難となるので、光バックプレーンを用いた光伝送方式が利用される。
【0037】
次に図9を用いて筐体1の内部構造を説明する。図9は筐体の断面図である。ラインカード11及びスイッチカード12には1つ或いは複数の光コネクタ511、1つ或いは複数の電源コネクタ512、1つ或いは複数の電気コネクタ513が搭載されている。筐体1には光バックプレーン52及び電気バックプレーン53が搭載されており、さらに、光バックプレーン52上には1つ或いは複数の光コネクタハウジング(不図示)がラインカード11及びスイッチカード12上の光コネクタ511と対向するように搭載されている。そして光コネクタハウジングに光コネクタ511及び光コネクタモジュールが収容され、両者が光接続される。電気バックプレーン53上には1つ或いは複数の電源コネクタ532及び1つ或いは複数の電気コネクタ531がラインカード11及びスイッチカード12上の電源コネクタ512、電気コネクタ513と対向するように搭載されている。これらラインカード11及びスイッチカード12が筐体1に挿入されると、光コネクタ511と光コネタクハウジング内の光コネクタモジュール71、電源コネクタ512と532、電気コネクタ513と531が接続する構造となっている。
【0038】
各スロット間の光配線は、光バックプレーン52に搭載の光コネクタモジュール17を通して行われる。また、図示していないが電気バックプレーン53上には電気のパターン配線がされておりこのパターンに沿ってスロット間の電気配線が実現されている。
【0039】
次に、図10を用いて光バックプレーン6の構造を説明する。図10は本実施形態の光バックプレーン6をラインカード側から見た図(以下正面とする)である。光バックプレーン6には、複数のカードスロット61が設置されている。このカードスロット61にはラインカードおよびスイッチカードが搭載されるが位置は特定されない。また、カードスロット61には1つ或いは複数の光コネクタハウジング62(図では2個図示)が搭載されている。次に、図11は光バックプレーン6を筐体背面から見た図(以下背面とする)である。光バックプレーン6のカードスロット61に搭載された光コネクタハウジング62には光コネクタモジュール71が搭載され、光コネクタモジュール71内に搭載された光ファイバを通して、他のスロットと結合される。
【0040】
(動作の説明)
図12〜図18を用いて本発明の動作の説明を行う。図12は、光バックプレーン6に光ファイバユニット71を搭載し、スロット61−1〜61−4間でリングトポロジを構成した図である(説明簡素化の為、スロット61−1〜61−4間の接続のみを示しているが、搭載スロット全体にわたり構成が可能である)。ここで、スロット61−1とスロット61−2間の接続方法を例にとり説明する。まず、スロット61−1とスロット61−2のコネクタモジュール71の差込方向は、コネクタモジュール71の長手方向と直角であるから、曲げ自在部を用いて直角に曲げる。次に、スロット61−1とスロット61−2間の長さに合うように、伸縮自在部を調整する。
【0041】
そして最後に、光コネクタハウジング62に固定する。また、その他のスロット間の接続についても同様である。図12の様に光コネクタモジュール71を搭載すると図13に示す如くリングトポロジを構成することができる。図13において、15aは光バックプレーンの搭載スロット番号、15bは光コネクタモジュールで接続される光バックプレーン伝送線路を示す。
【0042】
次に、図14は、光バックプレーン6に光ファイバユニット71を搭載し、スロット61−1〜61−5間でスロット61−3を中心とするスタートポロジを構成した図である(説明簡素化の為、スロット61−1〜61−5間の接続のみを示しているが、搭載スロット全体にわたり構成が可能である)。また、各スロット間の接続方法については、上記に説明したリングトポロジと同様であるのでここでは省略する。図14の様に光コネクタモジュール71を搭載すると図15に示すようにスタートポロジを構成することができる。
【0043】
次に、図16は、光バックプレーン6に光ファイバユニット71を搭載し、スロット61−1〜61−4間でメッシュトポロジを構成した図である(説明簡素化の為、スロット1〜4間の接続のみを示しているが、搭載スロット全体にわたり構成が可能である)。また、各スロット間の接続方法については、上記に説明したリングトポロジと同様であるのでここでは省略する。図16の様に光コネクタモジュール71を搭載すると図17に示すようにメッシュトポロジを構成することができる。
【0044】
次に、図18はラインカードおよびスイッチカードから直接筐体外部へ接続する構成を示した図である。光バックプレーン6に搭載する光コネクタハウジング62と筐体間接続用光コネクタハウジング20aの位置が垂直/水平方向に一致する構成とすることで、光コネクタモジュール71は、曲げずに長さのみを調整することにより敷設可能である。これにより、例えば、異なる筐体間に搭載されたカード間をダイレクトに光接続することも可能である。
【0045】
さらに、構成の説明で示した如く(図2参照)、曲げ自在部93が複数あるので、さらに複雑な曲げ方が可能であること、および、曲げ自在部93の長さを変えることで曲げ高さを変えることが可能であることから、光コネクタモジュール71同士の立体交差も可能である。
【0046】
本動作の説明では、リングトポロジ、スタートポロジ、メッシュトポロジを示したが、上記の特徴を用いることで、さらに複雑なトポロジーを構成することができる。
【0047】
さらに、光コネクタモジュール71はコネクタハウジングに抜き差し可能であるため、必要に応じて自在にトポロジーを組み替えることができる。
【0048】
また、光コネクタモジュール71に搭載される光ファイバ82はケース部に納められている為、外部からさわることができない。従って、敷設工事や、メンテナンス時に、光ファイバを破損する危険性は低い。
【0049】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について以下説明を行うが、先に記載した第1の実施形態との差異は光コネクタモジュール71の構成である。このため、光コネクタモジュール71のみの説明を以下に行う。
【0050】
図19は本発明の第2実施形態を示す構成図である。図21は光配線変換部の具体的な構成を示す構成を示す図である。本実施形態では、光コネクタモジュール71内に光配線変換部21aが設けられている。光配線変換部21aは、光コネクタモジュール71内での光ファイバ配線の組み替えが可能である。
(動作の説明)
次に、図20を用いて第2実施形態の動作の説明を行う。図20はフェルール81−1側およびフェルール81−2側のポート番号、信号種別、接続を示した図である。同一種別のカードを搭載した場合、ポート番号と信号種別はフェルール81−1(フェルール1)側および、フェルール81−2(フェルール2)側で一致する場合が多い。例えば、フェルール81−1側のポート番号1(図19〜図21ではA1と記載する)がTX1(送信チャネル1)、ポート番号2(図19〜図21ではA2と記載する)がRX1(受信チャネル1)ならば、フェルール81−2側も同様となる。この場合、TX1とRX1を接続する必要があるため、図20に示すようなクロス接続をしている。
【0051】
この場合、本実施形態2の光配線変換部21aはクロス接続となるように構成する。また、本動作の説明では、クロス接続のみを示したが、接続方式はこれにこだわらない。
【0052】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について以下説明を行うが、先に記載した第1の実施形態との差異は光コネクタモジュール71の構成である。このため、光コネクタモジュール71のみの説明を以下行う。
【0053】
図22は本発明の第3の実施形態を示す構成図である。図23は光配線変換部の具体的な構成を示す構成を示す図である。本実施形態では、光コネクタモジュール内に光スイッチ部23aが設けられている。図示していないが、光スイッチ部23aの電源線および制御線は光コネクタモジュール71から電気線として取り出され、電気バックプレーン53に接続されている。光スイッチ部23aは信号の光路を切換えるためのものであり、可動部を持つ機械式光スイッチと電気光学効果等を利用した電子式光スイッチとがある。
(動作の説明)
次に、第3の実施形態の動作の説明を行う。図22に示した光スイッチ部23aは制御部(図示せず)からの制御信号により、所望のポート間を接続する様にスイッチングされる。従って、光コネクタモジュール71を交換することなく、光コネクタモジュール71内の光配線を変更することが可能である。
【0054】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態について以下説明を行うが、先に記載した第1の実施形態との差異は光コネクタモジュール71の構成である。このため、光コネクタモジュール71のみの説明を以下行う。
【0055】
図24は本発明の第4の実施形態を示す構成図である。図25はモニタ部の具体的な構成を示す構成を示す図である。本実施形態では、光コネクタモジュール71内にモニタ部24aが設けられ、モニタポート24bは光ファイバを経由して光コネクタモジュール71外部に取り出される。また、モニタ部24aには光ファイバを1:2に分岐する光カプラが搭載される。
(動作の説明)
次に、第4の実施形態の動作の説明を行う。図24に示したモニタ部24aに1:2に分岐する光カプラを搭載した場合、フェルール81−1のポート2(図24及び図25においてA2と記載する)の光信号はモニタ部24aで2分岐されフェルール81−2のポート1(図24及び図25においてB1と記載する)およびポート2(図24及び図25においてB2と記載する)に出力される。例えば、フェルール81−2のポート1側に5%、ポート2側に95%の分岐率とすることで、フェルール81−2のポート2側は通常の伝送用の信号として、また、フェルール81−2のポート1側はモニタ信号として強度測定等に使用できる。
【0056】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態について以下説明を行うが、先に記載した第1の実施形態との差異は光コネクタモジュールの構成である。このため、光コネクタモジュールのみの説明を以下行う。
【0057】
図26は本発明の第5の実施形態を示す構成図である。本実施形態では、光コネクタモジュール72は「T」状に形成され、3つの端部を有している。かかる構成により、1つのコネクタモジュールで、2つのカードスロットと1つのカードスロットとを光接続することができる。光コネクタモジュール7の形状は「Y」状等の他の形状であってもよい。また、端部の数は4以上であってもよい。
【0058】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は種々の変形が可能であり、本願の請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しないかぎり、構成要件の置換、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの概略的構成と動作を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールのケース部構造図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの蓋部構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの組み立て図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールのフェルール搭載部断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの光配線巻き取り部である。
【図7】本発明の第1実施形態に係わる伸縮自在部の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係わる筐体内光通信装置の外観図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係わる筐体内光通信装置の断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係わる光バックプレーンのカード面側からの外観図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係わる光バックプレーンの筐体背面側からの外観図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの光配線形態を示す外観図である。
【図13】図12の光配線のトポロジー図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの他の光配線形態を示す外観図である。
【図15】図14の光配線のトポロジー図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係わる光コネクタモジュールの他の光配線形態を示す外観図である。
【図17】図16の光配線のトポロジー図である。
【図18】ラインカードおよびスイッチカードから直接筐体外部へ接続する構成を示した図である。
【図19】本発明の第2の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図20】本発明の第2の実施形態を示す光コネクタモジュール動作図である。
【図21】本発明の第2の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図22】本発明の第3の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図23】本発明の第3の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図24】本発明の第4の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図25】本発明の第4の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図26】本発明の第5の実施形態を示す光コネクタモジュールの構成図である。
【図27】従来の筐体内光通信システムの実装構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1 光通信筐体
11 光通信筐体に搭載するラインカード
12 光通信筐体に搭載するスイッチカード
13 ラインカードの外部入出力ポート
14 ラインカードの外部入出力ポートからの外部通信路
511 ラインカード及びスイッチカードに搭載される光コネクタ
512 ラインカード及びスイッチカードに搭載される電源コネクタ
513 ラインカード及びスイッチカードに搭載される電気コネクタ
52 光通信筐体に搭載する光バックプレーン
53 光通信筐体搭載する電気バックプレーン
531 電気バックプレーンに搭載する電気コネクタ
532 電気バックプレーンに搭載する電源コネクタ
6 光バックプレーン
61 光バックプレーンのカードスロット
62 光バックプレーンに搭載する光コネクタハウジング
71 光コネクタモジュール
81 光コネクタモジュール搭載のフェルール
82 光コネクタモジュール搭載の光ファイバ
83 光コネクタモジュール搭載の余圧用バネ
9 光コネクタモジュールのケース部
91 光コネクタモジュールのケース部におけるフェルール搭載部
92 光コネクタモジュールのケース部におけるふた止めピン用穴部
93 光コネクタモジュールのケース部における曲げ自在部
94 光コネクタモジュールのケース部における伸縮自在部
10a 光コネクタモジュールの蓋部
10b 光コネクタモジュールの蓋部におけるフェルール搭載部
10c 光コネクタモジュールの蓋部における止めピン用穴部
11a 光コネクタモジュールに搭載されるフェルール部
11b 光コネクタモジュールと蓋部を固定するピン部
12a 余圧用バネ部
13a 光コネクタモジュール搭載の光配線巻き取り部
13b 光コネクタモジュール搭載の光ファイバ
15a 光バックプレーンの搭載スロット番号
15b 光コネクタモジュールで接続される光バックプレーン伝送線路
20a 筐体間接続用光コネクタハウジング
20b 筐体間接続用光パッチコード
21a 光コネクタモジュール搭載の光配線変換部
23a 光コネクタモジュール搭載の光スイッチ部
24a 光コネクタモジュール搭載のモニタ部
24b 光コネクタモジュール搭載のモニタポート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの端部を有し、各端部に少なくとも1本の第1光ファイバと接続するための接続部を有し、2つの前記端部の接続部間を少なくとも1本の第2光ファイバで内部接続する光コネクタモジュールであって、
前記光コネクタモジュールの側面に、長手方向に伸縮可能な、少なくとも一つの伸縮自在部と、該長手方向に対して曲げ可能な、少なくとも1つの曲げ自在部とが設けられ、
前記光コネクタモジュールの内部に、前記第2光ファイバを巻き取る巻き取り部を備え、
前記伸縮自在部の伸縮又は/及び前記曲げ自在部の曲げによる前記接続部間の前記第2光ファイバの長さ調整を、前記巻き取り部で行ってなる光コネクタモジュール。
【請求項2】
前記第2光ファイバは複数本設けられ、前記光コネクタモジュールの内部に、前記複数本の第2光ファイバの光配線の接続を組み替える光配線変換部を搭載したことを特徴とする請求項1に記載の光コネクタモジュール。
【請求項3】
前記第2光ファイバは複数本設けられ、前記光コネクタモジュールの内部に、前記複数本の第2光ファイバの光配線を切り換える光スイッチ部を搭載したことを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタモジュール。
【請求項4】
前記光コネクタモジュールの内部に、前記第2光ファイバを光分岐する光モニタ部を搭載したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光コネクタモジュール。
【請求項5】
1つのカードスロットに対応する複数の光コネクタハウジング、又は複数のカードスロットにそれぞれ対応する複数の光コネクタハウジングを搭載した光バックプレーンにおいて、
前記複数の光コネクタハウジングの少なくとも2つに前記端部が挿入される、請求項1から4のいずれか1項に記載の光コネクタモジュールを搭載したことを特徴とする光バックプレーン。
【請求項6】
光コネクタを少なくとも1つ搭載したカードが挿入される1又は複数のカードスロットと、該1又は複数のカードスロットに対し、前記光コネクタハウジングが設けられた請求項5に記載の光バックプレーンとを有する筐体内光通信装置。
【請求項7】
少なくとも2つの端部を有し、各端部に少なくとも1本の第1光ファイバと接続するための接続部を有し、2つの前記端部の接続部間を少なくとも1本の第2光ファイバで内部接続する光コネクタモジュールであって、前記光コネクタモジュールの側面に、長手方向に伸縮可能な、少なくとも一つの伸縮自在部と、該長手方向に対して曲げ可能な、少なくとも1つの曲げ自在部とが設けられ、前記光コネクタモジュールの内部に、前記第2光ファイバを巻き取る巻き取り部を備え光コネクタモジュールの光接続方法であって、
前記光コネクタモジュールの端部と接続される光コネクタの位置に合わせて、前記伸縮自在部により長手方向に伸縮させる、又は/及び前記曲げ自在部の曲げにより該長手方向に対して湾曲させることを特徴とする光接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−233268(P2007−233268A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58039(P2006−58039)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人情報通信研究機構における委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】