光コネクタ用クリップ着脱工具
【課題】板バネ式のクリップの着脱を、接続光コネクタ(突き合わせ接続された2つの光コネクタ)を移動させずに行えるようにする。
【解決手段】クリップは短冊状の平板部の両端の湾曲状突片にて接続光コネクタを弾性的に挟持する。中間部を回転軸12で連結した一対の開閉片13、14は、一端側に操作部15、16、他端側に作業部17、18を持つ。作業部17,18は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアーム20の先端にクリップ係止部21を持つ。クリップ係止部21は、クリップの2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部21aを持つ。接続光コネクタを挟持したクリップの平板部と直交する方向のスペースが狭くても、クリップ係止21部の突起部21aをクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に係合させてクリップ着脱作業を行える。
【解決手段】クリップは短冊状の平板部の両端の湾曲状突片にて接続光コネクタを弾性的に挟持する。中間部を回転軸12で連結した一対の開閉片13、14は、一端側に操作部15、16、他端側に作業部17、18を持つ。作業部17,18は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアーム20の先端にクリップ係止部21を持つ。クリップ係止部21は、クリップの2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部21aを持つ。接続光コネクタを挟持したクリップの平板部と直交する方向のスペースが狭くても、クリップ係止21部の突起部21aをクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に係合させてクリップ着脱作業を行える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、いわゆるMT光コネクタと一般に呼ばれる光コネクタどうしの突き合わせ接続が板バネ式のクリップで挟持して行われる場合に、そのクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具に関する。
【背景技術】
【0002】
JIS C
5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタに相当する光コネクタは一般にMT光コネクタと称されるが、直接このMT光コネクタどうしを突き合わせ接続する場合は、一般に、図11に示すような板バネ式のクリップ1を用いて行う。
このクリップ1は、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2の各後端面2aを突き合わせ方向(矢印a方向)に弾性的に押し付ける1対の湾曲状突片1bを略短冊状の平板部1aの長手方向の両側に備えた構成である。
同図において、3は光ファイバテープ心線である
【0003】
このクリップ1を、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2、2(以下、これを接続光コネクタと呼ぶ)に対して図11のように装着して挟持したり、図11の状態からクリップ1を取り外したりする場合、一般に専用の光コネクタ用クリップ着脱工具(以下、単にクリップ着脱工具という)を用いる。
【0004】
従来のクリップ着脱工具は一般に、例えば図13に示したクリップ着脱工具4(特許文献1)のように、対向する操作部5a、6aを手で握って閉じた時に先端側の作業部5b、6bが開くようにそれぞれの中間部を回転軸7で連結してなる屈曲した棒状の一対の開閉片5、6を備え、作業部5b、6bの先端部にそれぞれクリップ係止部8を設け、さらに、操作部6a、7aを開く方向に付勢するバネ9を設けた構成である。
そして、各クリップ係止部8は、クリップ1の長手方向両側のそれぞれ2つの湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合可能な2つの爪8aを備えている。
上記の通り、従来のクリップ着脱工具4は、屈曲した棒状の開閉片5、6の開閉面内(図14の紙面内)の先端にクリップ係止部8を備え、かつ、クリップ係止部8の爪8aは、開閉片5、6の開閉面内で先端方向(図14で下方)に突出して、クリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合する構成である。
【0005】
上記クリップ着脱工具4で、図11のような接続光コネクタ10からクリップ1を取り外す場合、クリップ着脱工具4を接続光コネクタ10に対して図14のようにセットし、次いで、操作部5a、6aを手で握って互いに接近させ、これにより先端側のクリップ係止部8を離間させて爪8aでクリップ1の湾曲状突片1bを図14で左右に広げ、こうして接続光コネクタ2に対する挟持状態を解除した後、クリップ着脱工具4を上に引き上げて、クリップ1を接続光コネクタから取り外す。
また、特許文献2〜特許文献4も概ね同様な構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-265023(光コネクタ用クリップホルダ)の図5
【特許文献2】実開平2-35682(光コネクタ用クリップ脱着工具)の図1など
【特許文献3】特許3547373号(クリップ着脱工具)の図11
【特許文献4】特開2006-208680(光コネクタの活線作業用工具・・・)の図5、図6など
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来のクリップ着脱工具4は、屈曲した棒状の開閉片5、6の開閉面内(図14の紙面内)の先端に、クリップ1の湾曲状突片1bを広げるための爪8aを設けた構造であるから、クリップ1の平板部1aと直交する方向(図14の上下方向)に、クリップ着脱工具の長さ以上の広いスペースを必要とする。
したがって、接続光コネクタ10を挟持したクリップ1の平板部1aが横を向いている場合で、複数の接続光コネクタ10が接近して並んでいる場合(図12参照)には、その状態のままではクリップ着脱作業ができない。後述するが、図12は光クロージャ内のトレイ30を模式的に示した平面図である。
【0008】
接続光コネクタ10に対してクリップ1を着脱する作業は、新規に施工する場合に限らず、光クロージャのメンテナンスにおいても必要となる。例えば、光クロージャ内で接続光コネクタを挟持したクリップ1が経年変化等で劣化して押圧力が低下した場合等にはクリップ交換が必要となる。
このように、光クロージャ内の接続光コネクタに対してクリップ着脱作業をするような場合には、クリップ1の平板部1aと直交する方向に広いスペースがない場合が多いので、そのままの状態ではクリップ着脱工具4を使用できず、接続光コネクタを手元に移動させなければ、クリップ着脱作業をすることができないことが多い。
例えば前述したように、接続光コネクタが、クリップ1の平板部1aが横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタが接近して並んでいる場合には、その状態のままではクリップ着脱作業ができないので、接続光コネクタを手元に移動させる必要がある。
【0009】
しかし、活線状態の接続光コネクタを移動させると、光コネクタどうしの突き合わせ圧力が変化したり接続端面が離間したりして、信号が途切れるなど、通信状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、できるだけ接続光コネクタを移動させずにクリップを取り外すことができることが、光クロージャのメンテナンスにおいて求められている。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、クリップを用いた接続光コネクタに対するクリップの着脱を、その接続光コネクタを移動させることなく行うことが可能な光コネクタ用クリップ着脱工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は、突き合わせ接続された2つの光コネクタの各後端面を突き合わせ方向に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片を短冊状平板部の長手方向の両側にそれぞれ備えた板バネ式のクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具において、
一端側を閉じた時に他端側が開くようにそれぞれの中間部を回転軸で連結した一対の開閉片を備え、
各開平片は、前記一端側に操作部、他端側に作業部を備え、
前記作業部は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けた構成であり、
前記クリップ係止部は、クリップの前記2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項2は、請求項1記載の光コネクタ用クリップ着脱工具において、対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3は、請求項2記載の光コネクタ用クリップ着脱工具において、前記バネが両操作部間を開く方向に付勢している状態で、対向するアーム部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間を形成する間隙規制手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回転軸で開閉可能に連結された1対の開閉片が回転軸を挟んで互いに反対側に操作部と作業部とを備えるとともに、作業部に形成した回転軸長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けたので、クリップ係止部が操作部から回転軸長手方向に離れており、クリップ係止部の近傍では、その突起部をクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に嵌入させる方向に占めるスペースが小さい。
したがって、クリップで挟持した接続光コネクタにおけるクリップの平板部と直交する方向に広いスペースがなくても、クリップ係止部の突起部をクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に係合させることができ、クリップ着脱作業を行うことができる。
これにより、空きスペースの少ない光クロージャ内でのクリップ着脱作業であっても、接続光コネクタを手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
例えば、接続光コネクタが、クリップの平板部が横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタが接近して並んでいる場合でも、接続光コネクタを移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
【0015】
請求項2によれば、対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けているので、クリップ着脱作業をする際には、単に操作部を握ればよい状態となっており、作業性が良好である。
【0016】
請求項3によれば、ストッパ部により常に、対向するアーム部間及びクリップ係止部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間が形成されているので、操作部の握りを緩めて作業部が閉じた場合でも、まだ隙間が残っていることで、光ファイバを挟み込んで損傷してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例の光コネクタ用クリップ着脱工具の斜め上方から見た斜視図である。
【図2】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の斜め下方から見た斜視図である。
【図3】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の正面図である。
【図4】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の側面図である。
【図5】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の平面図である。
【図6】クリップで挟持された接続光コネクタのクリップに、上記光コネクタ用クリップ着脱工具のクリップ係止部を係合させた状態の拡大した正面図である。
【図7】図6の要部の右側面図である。
【図8】図6の状態からクリップ着脱工具の操作部を握って、クリップ係止部でクリップの湾曲状突片を左右に広げた状態を示す図である。
【図9】上記のクリップ着脱工具で図12中の接続光コネクタのクリップを取り外す作業状況を説明するもので、(a)は作業状態での平面図、(b)は同側面図である。
【図10】上記クリップ着脱工具の異なる使用態様を説明する図である。
【図11】光コネクタ用クリップ着脱工具の作業対象を示すもので、突き合わせ接続された2つの光コネクタをクリップで挟持した接続光コネクタの一例を示す斜視図である。
【図12】光コネクタ用クリップ着脱工具の作業環境の一例を説明するもので、光クロージャ内に設けられた、接続光コネクタを収容したトレイの模式的な平面図である。
【図13】従来の光コネクタ用クリップ着脱工具の斜視図である。
【図14】図13の光コネクタ用クリップ着脱工具の使用状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施した光コネクタ用クリップ着脱工具について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明のクリップ着脱工具は、図11のように突き合わせ接続された2つの光コネクタ2,2(接続光コネクタ10)を板バネ式のクリップ1で挟持する場合に、そのクリップ1の着脱を行うものである。
光コネクタ2は、一般にMT光コネクタと称されているもので、JIS
C 5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタに相当する。
クリップ1は、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2、2(接続光コネクタ10)の各後端面2aを突き合わせ方向(矢印a方向)に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片1bを略短冊状の平板部1aの長手方向の両側にそれぞれ備えた構成である。
同図において、3は光ファイバテープ心線である
【0020】
図1は本発明の一実施例の光コネクタ用クリップ着脱工具11の斜め上方から見た斜視図、図2は斜め下方から見た斜視図である。図3は光コネクタ用クリップ着脱工具(以下クリップ着脱工具と略す)11の正面図、図4は同右側面図、図5は同平面図である。
このクリップ着脱工具11は、一端側(図3や図4の上側)を閉じた時に他端側(図3や図4の下側)が開くようにそれぞれの中間部を回転軸12で連結した一対の開閉片13、14を備えている。
図1等において、回転軸12の長手方向をX方向(X軸)、開閉片13,14の対向方向をZ方向(Z軸)、X軸及びZ軸に直交する方向をY方向(Y軸)として示している。
各開平片13、14は、Y軸方向の上側(一端側)に操作部15、16、下側(他端側)に作業部17、18を備えている。
前記操作部15、16は、図4に示すように上部輪郭が半円形であり概ね板状をなしている。
前記作業部17、18は、回転軸12から図3、図4等で下方に離れた位置で、図4に示すように回転軸12の長手方向(X方向)に延びるアーム20の先端にクリップ係止部21を設けた構成である。
【0021】
前記クリップ係止部21は、クリップ1の前記2つの湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’(湾曲状突片1bの凹面側を指す)にそれぞれ係合可能な4つの突起部21aを備えている。クリップ係止部21は、一対の開閉片13、14の対向方向(Z方向)から見てコ字形(図4で下向きのコ字形)をなしており、そのコ字形の両側の下方(Y方向)に伸びる脚部分21bの内側面に前記突起部21aが内向き(X方向の内向き)に突出している。
また、対向する操作部15、16間に、両操作部15、16を互いに開く方向に付勢するバネ(図示例は圧縮バネであるコイルバネで)22を設けている。
また、前記バネ22が両操作部15、16間を開く方向に付勢している状態(図1〜図6の等の状態)で、対向するアーム部20間に、光ファイバを通すことができる程度の隙間gを形成する間隙規制手段を設けている。
実施例の間隙規制手段は、図3等に示すように、回転軸12の中心からやや下方に偏位した位置で一方の開閉片13に形成した内向きのストッパ部13aが他方の開閉片14の内側面14aに当たることで、両アーム部20が閉じずに隙間gが残るようにした構成である。
【0022】
上記のクリップ着脱工具11を用いて、図11のようにクリップ1で挟持した接続光コネクタ10からクリップ1を取り外す作業について説明する。
この説明では、接続光コネクタ10が、図12に示すように光クロージャ内のトレイ30の底板30a上に、クリップ1の平板部1aが横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタ10が接近して並んで収容されている場合とする。
クリップ着脱工具11は、例えば図9(a)のように操作部15,16を指で軽く挟んで持つ。
図9(b)のように、クリップ着脱工具11のアーム20がトレイ30の底板30aに対して直角をなす姿勢とし、クリップ取り外しをしようとする接続光コネクタ10に近づける。
操作部13、14を閉じないまま、アーム20の図9(b)で下端で図9(a)の両側のクリップ係止部21を接続光コネクタ10のクリップ1に矢印のように接近させ、各突起部21aをクリップ1の両側の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入させる。
この場合、必要があれば接続光コネクタ10をトレイ30の底板30aから僅かに浮かせるとよい。
クリップ係止部21の突起部21aが湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入した状態を図6、図7に示す。
次いで、指に若干力を入れて操作部15、16をバネ22の反力に抗して接近させると、図8に示すように、各アーム20がクリップ長手方向に離間して両側のクリップ係止部21が互いに離間し、クリップ係止部21の突起部21aがクリップ1の両側の湾曲状突片1bをそれぞれ外側に拡げる。これにより、突き合わされた2つの光コネクタ2のそれぞれ後端面2aを押圧していた湾曲状突片1bが光コネクタ2の後端面2aから離れ、挟持状態が解除される。
次いで、クリップ着脱工具11を引き上げると、クリップ1が接続光コネクタ10から外れる。
【0023】
上記の作業において、クリップ係止部21は、その突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入させる方向(Y方向)の寸法が短い(占めるスペースが小さい)ので、クリップ1で挟持された接続光コネクタ10におけるクリップ1の平板部1aと直交する方向(図9(b)で左右方向(Y方向))に広いスペースがなくても(他の接続光コネクタ10が近くにあっても)、突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合させることができ、クリップ着脱作業を行うことができる。したがって、接続光コネクタ10を手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
【0024】
クリップ1を外した状態の接続光コネクタ10に対して、クリップ1を装着する時は、クリップ着脱工具11のクリップ係止部21でクリップ1を保持(図6、図7で光コネクタ2がない状態)し、図9(a)と同様に指で掴んだ操作部15、16を閉ざしてアーム20を開き、これにより両側のクリップ係止部21を互いに離間させて、突起部21aでクリップ1の湾曲状突片1bをそれぞれ外側に拡げる(図8で光コネクタ2のない状態)。
次いで、操作部13,14の掴みの力を緩めると、操作部15、16が開きアーム2が閉じクリップ係止部21及びその突起部21aが互いに接近し、クリップ1の湾曲状突片1bが元に復帰して、各光コネクタ2の後端面を押圧する状態となる。
これにより、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2がクリップ1で挟持される。この作業も、前述と同様に接続光コネクタ10を移動させずに行うことができる。
したがって、活線状態の接続光コネクタに対してクリップ着脱作業をしても、光コネクタどうしの突き合わせ圧力が変化したり接続端面が離間したりして通信状態に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【実施例2】
【0025】
上述では、図9(b)のように、クリップ着脱工具11のアーム20をトレイ30の底板30aと直交させる姿勢で、クリップ取り外し作業をする場合について説明したが、接続光コネクタ10の姿勢によっては、前記とは別の姿勢でクリップ取り外し作業をすることができる。
例えば、図10に示すように、接続光コネクタ10がトレイの底板30aにクリップ1の平板部1aが上面になる姿勢で置かれていた場合には、アーム20が底板30aと平行になる姿勢で、操作部15、16を掴み、クリップ係止部21を矢印のように下降させる動作で、その突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合させることができ、クリップ取り外し作業をすることができる。
クリップ1を接続光コネクタに装着する作業も、前述と同様な操作で行うことができる。
この使用例は、クリップ1の平板部1aを上にしてトレイ30に置かれた接続光コネクタ10の上方にスペースがあまりない場合でも、接続光コネクタ10を手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことができる、という使用例である。
【符号の説明】
【0026】
1 クリップ(光コネクタ用クリップ)
1a 平板部
1b 湾曲状突片
1b’ 湾曲凹部
2 光コネクタ
2a (光コネクタの)後端面
3 光ファイバテープ心線
10 接続光コネクタ(突き合わせ接続された2つの光コネクタ)
11 クリップ着脱工具(光コネクタ用クリップ着脱工具)
12 回転軸
13、14 開閉片
13a ストッパ部
14a 内側面
15、16 操作部
17、18 作業部
20 アーム
21 クリップ係止部
21a 突起部
22 バネ
30 トレイ
30a (トレイの)底板
g (両アーム間の)隙間
【技術分野】
【0001】
この発明は、いわゆるMT光コネクタと一般に呼ばれる光コネクタどうしの突き合わせ接続が板バネ式のクリップで挟持して行われる場合に、そのクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具に関する。
【背景技術】
【0002】
JIS C
5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタに相当する光コネクタは一般にMT光コネクタと称されるが、直接このMT光コネクタどうしを突き合わせ接続する場合は、一般に、図11に示すような板バネ式のクリップ1を用いて行う。
このクリップ1は、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2の各後端面2aを突き合わせ方向(矢印a方向)に弾性的に押し付ける1対の湾曲状突片1bを略短冊状の平板部1aの長手方向の両側に備えた構成である。
同図において、3は光ファイバテープ心線である
【0003】
このクリップ1を、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2、2(以下、これを接続光コネクタと呼ぶ)に対して図11のように装着して挟持したり、図11の状態からクリップ1を取り外したりする場合、一般に専用の光コネクタ用クリップ着脱工具(以下、単にクリップ着脱工具という)を用いる。
【0004】
従来のクリップ着脱工具は一般に、例えば図13に示したクリップ着脱工具4(特許文献1)のように、対向する操作部5a、6aを手で握って閉じた時に先端側の作業部5b、6bが開くようにそれぞれの中間部を回転軸7で連結してなる屈曲した棒状の一対の開閉片5、6を備え、作業部5b、6bの先端部にそれぞれクリップ係止部8を設け、さらに、操作部6a、7aを開く方向に付勢するバネ9を設けた構成である。
そして、各クリップ係止部8は、クリップ1の長手方向両側のそれぞれ2つの湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合可能な2つの爪8aを備えている。
上記の通り、従来のクリップ着脱工具4は、屈曲した棒状の開閉片5、6の開閉面内(図14の紙面内)の先端にクリップ係止部8を備え、かつ、クリップ係止部8の爪8aは、開閉片5、6の開閉面内で先端方向(図14で下方)に突出して、クリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合する構成である。
【0005】
上記クリップ着脱工具4で、図11のような接続光コネクタ10からクリップ1を取り外す場合、クリップ着脱工具4を接続光コネクタ10に対して図14のようにセットし、次いで、操作部5a、6aを手で握って互いに接近させ、これにより先端側のクリップ係止部8を離間させて爪8aでクリップ1の湾曲状突片1bを図14で左右に広げ、こうして接続光コネクタ2に対する挟持状態を解除した後、クリップ着脱工具4を上に引き上げて、クリップ1を接続光コネクタから取り外す。
また、特許文献2〜特許文献4も概ね同様な構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-265023(光コネクタ用クリップホルダ)の図5
【特許文献2】実開平2-35682(光コネクタ用クリップ脱着工具)の図1など
【特許文献3】特許3547373号(クリップ着脱工具)の図11
【特許文献4】特開2006-208680(光コネクタの活線作業用工具・・・)の図5、図6など
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来のクリップ着脱工具4は、屈曲した棒状の開閉片5、6の開閉面内(図14の紙面内)の先端に、クリップ1の湾曲状突片1bを広げるための爪8aを設けた構造であるから、クリップ1の平板部1aと直交する方向(図14の上下方向)に、クリップ着脱工具の長さ以上の広いスペースを必要とする。
したがって、接続光コネクタ10を挟持したクリップ1の平板部1aが横を向いている場合で、複数の接続光コネクタ10が接近して並んでいる場合(図12参照)には、その状態のままではクリップ着脱作業ができない。後述するが、図12は光クロージャ内のトレイ30を模式的に示した平面図である。
【0008】
接続光コネクタ10に対してクリップ1を着脱する作業は、新規に施工する場合に限らず、光クロージャのメンテナンスにおいても必要となる。例えば、光クロージャ内で接続光コネクタを挟持したクリップ1が経年変化等で劣化して押圧力が低下した場合等にはクリップ交換が必要となる。
このように、光クロージャ内の接続光コネクタに対してクリップ着脱作業をするような場合には、クリップ1の平板部1aと直交する方向に広いスペースがない場合が多いので、そのままの状態ではクリップ着脱工具4を使用できず、接続光コネクタを手元に移動させなければ、クリップ着脱作業をすることができないことが多い。
例えば前述したように、接続光コネクタが、クリップ1の平板部1aが横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタが接近して並んでいる場合には、その状態のままではクリップ着脱作業ができないので、接続光コネクタを手元に移動させる必要がある。
【0009】
しかし、活線状態の接続光コネクタを移動させると、光コネクタどうしの突き合わせ圧力が変化したり接続端面が離間したりして、信号が途切れるなど、通信状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、できるだけ接続光コネクタを移動させずにクリップを取り外すことができることが、光クロージャのメンテナンスにおいて求められている。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、クリップを用いた接続光コネクタに対するクリップの着脱を、その接続光コネクタを移動させることなく行うことが可能な光コネクタ用クリップ着脱工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は、突き合わせ接続された2つの光コネクタの各後端面を突き合わせ方向に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片を短冊状平板部の長手方向の両側にそれぞれ備えた板バネ式のクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具において、
一端側を閉じた時に他端側が開くようにそれぞれの中間部を回転軸で連結した一対の開閉片を備え、
各開平片は、前記一端側に操作部、他端側に作業部を備え、
前記作業部は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けた構成であり、
前記クリップ係止部は、クリップの前記2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項2は、請求項1記載の光コネクタ用クリップ着脱工具において、対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3は、請求項2記載の光コネクタ用クリップ着脱工具において、前記バネが両操作部間を開く方向に付勢している状態で、対向するアーム部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間を形成する間隙規制手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回転軸で開閉可能に連結された1対の開閉片が回転軸を挟んで互いに反対側に操作部と作業部とを備えるとともに、作業部に形成した回転軸長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けたので、クリップ係止部が操作部から回転軸長手方向に離れており、クリップ係止部の近傍では、その突起部をクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に嵌入させる方向に占めるスペースが小さい。
したがって、クリップで挟持した接続光コネクタにおけるクリップの平板部と直交する方向に広いスペースがなくても、クリップ係止部の突起部をクリップの湾曲状突片の湾曲凹部に係合させることができ、クリップ着脱作業を行うことができる。
これにより、空きスペースの少ない光クロージャ内でのクリップ着脱作業であっても、接続光コネクタを手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
例えば、接続光コネクタが、クリップの平板部が横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタが接近して並んでいる場合でも、接続光コネクタを移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
【0015】
請求項2によれば、対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けているので、クリップ着脱作業をする際には、単に操作部を握ればよい状態となっており、作業性が良好である。
【0016】
請求項3によれば、ストッパ部により常に、対向するアーム部間及びクリップ係止部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間が形成されているので、操作部の握りを緩めて作業部が閉じた場合でも、まだ隙間が残っていることで、光ファイバを挟み込んで損傷してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例の光コネクタ用クリップ着脱工具の斜め上方から見た斜視図である。
【図2】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の斜め下方から見た斜視図である。
【図3】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の正面図である。
【図4】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の側面図である。
【図5】上記光コネクタ用クリップ着脱工具の平面図である。
【図6】クリップで挟持された接続光コネクタのクリップに、上記光コネクタ用クリップ着脱工具のクリップ係止部を係合させた状態の拡大した正面図である。
【図7】図6の要部の右側面図である。
【図8】図6の状態からクリップ着脱工具の操作部を握って、クリップ係止部でクリップの湾曲状突片を左右に広げた状態を示す図である。
【図9】上記のクリップ着脱工具で図12中の接続光コネクタのクリップを取り外す作業状況を説明するもので、(a)は作業状態での平面図、(b)は同側面図である。
【図10】上記クリップ着脱工具の異なる使用態様を説明する図である。
【図11】光コネクタ用クリップ着脱工具の作業対象を示すもので、突き合わせ接続された2つの光コネクタをクリップで挟持した接続光コネクタの一例を示す斜視図である。
【図12】光コネクタ用クリップ着脱工具の作業環境の一例を説明するもので、光クロージャ内に設けられた、接続光コネクタを収容したトレイの模式的な平面図である。
【図13】従来の光コネクタ用クリップ着脱工具の斜視図である。
【図14】図13の光コネクタ用クリップ着脱工具の使用状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施した光コネクタ用クリップ着脱工具について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明のクリップ着脱工具は、図11のように突き合わせ接続された2つの光コネクタ2,2(接続光コネクタ10)を板バネ式のクリップ1で挟持する場合に、そのクリップ1の着脱を行うものである。
光コネクタ2は、一般にMT光コネクタと称されているもので、JIS
C 5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタに相当する。
クリップ1は、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2、2(接続光コネクタ10)の各後端面2aを突き合わせ方向(矢印a方向)に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片1bを略短冊状の平板部1aの長手方向の両側にそれぞれ備えた構成である。
同図において、3は光ファイバテープ心線である
【0020】
図1は本発明の一実施例の光コネクタ用クリップ着脱工具11の斜め上方から見た斜視図、図2は斜め下方から見た斜視図である。図3は光コネクタ用クリップ着脱工具(以下クリップ着脱工具と略す)11の正面図、図4は同右側面図、図5は同平面図である。
このクリップ着脱工具11は、一端側(図3や図4の上側)を閉じた時に他端側(図3や図4の下側)が開くようにそれぞれの中間部を回転軸12で連結した一対の開閉片13、14を備えている。
図1等において、回転軸12の長手方向をX方向(X軸)、開閉片13,14の対向方向をZ方向(Z軸)、X軸及びZ軸に直交する方向をY方向(Y軸)として示している。
各開平片13、14は、Y軸方向の上側(一端側)に操作部15、16、下側(他端側)に作業部17、18を備えている。
前記操作部15、16は、図4に示すように上部輪郭が半円形であり概ね板状をなしている。
前記作業部17、18は、回転軸12から図3、図4等で下方に離れた位置で、図4に示すように回転軸12の長手方向(X方向)に延びるアーム20の先端にクリップ係止部21を設けた構成である。
【0021】
前記クリップ係止部21は、クリップ1の前記2つの湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’(湾曲状突片1bの凹面側を指す)にそれぞれ係合可能な4つの突起部21aを備えている。クリップ係止部21は、一対の開閉片13、14の対向方向(Z方向)から見てコ字形(図4で下向きのコ字形)をなしており、そのコ字形の両側の下方(Y方向)に伸びる脚部分21bの内側面に前記突起部21aが内向き(X方向の内向き)に突出している。
また、対向する操作部15、16間に、両操作部15、16を互いに開く方向に付勢するバネ(図示例は圧縮バネであるコイルバネで)22を設けている。
また、前記バネ22が両操作部15、16間を開く方向に付勢している状態(図1〜図6の等の状態)で、対向するアーム部20間に、光ファイバを通すことができる程度の隙間gを形成する間隙規制手段を設けている。
実施例の間隙規制手段は、図3等に示すように、回転軸12の中心からやや下方に偏位した位置で一方の開閉片13に形成した内向きのストッパ部13aが他方の開閉片14の内側面14aに当たることで、両アーム部20が閉じずに隙間gが残るようにした構成である。
【0022】
上記のクリップ着脱工具11を用いて、図11のようにクリップ1で挟持した接続光コネクタ10からクリップ1を取り外す作業について説明する。
この説明では、接続光コネクタ10が、図12に示すように光クロージャ内のトレイ30の底板30a上に、クリップ1の平板部1aが横向きの姿勢で配置され、かつ、複数の接続光コネクタ10が接近して並んで収容されている場合とする。
クリップ着脱工具11は、例えば図9(a)のように操作部15,16を指で軽く挟んで持つ。
図9(b)のように、クリップ着脱工具11のアーム20がトレイ30の底板30aに対して直角をなす姿勢とし、クリップ取り外しをしようとする接続光コネクタ10に近づける。
操作部13、14を閉じないまま、アーム20の図9(b)で下端で図9(a)の両側のクリップ係止部21を接続光コネクタ10のクリップ1に矢印のように接近させ、各突起部21aをクリップ1の両側の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入させる。
この場合、必要があれば接続光コネクタ10をトレイ30の底板30aから僅かに浮かせるとよい。
クリップ係止部21の突起部21aが湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入した状態を図6、図7に示す。
次いで、指に若干力を入れて操作部15、16をバネ22の反力に抗して接近させると、図8に示すように、各アーム20がクリップ長手方向に離間して両側のクリップ係止部21が互いに離間し、クリップ係止部21の突起部21aがクリップ1の両側の湾曲状突片1bをそれぞれ外側に拡げる。これにより、突き合わされた2つの光コネクタ2のそれぞれ後端面2aを押圧していた湾曲状突片1bが光コネクタ2の後端面2aから離れ、挟持状態が解除される。
次いで、クリップ着脱工具11を引き上げると、クリップ1が接続光コネクタ10から外れる。
【0023】
上記の作業において、クリップ係止部21は、その突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に嵌入させる方向(Y方向)の寸法が短い(占めるスペースが小さい)ので、クリップ1で挟持された接続光コネクタ10におけるクリップ1の平板部1aと直交する方向(図9(b)で左右方向(Y方向))に広いスペースがなくても(他の接続光コネクタ10が近くにあっても)、突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合させることができ、クリップ着脱作業を行うことができる。したがって、接続光コネクタ10を手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことが可能となる。
【0024】
クリップ1を外した状態の接続光コネクタ10に対して、クリップ1を装着する時は、クリップ着脱工具11のクリップ係止部21でクリップ1を保持(図6、図7で光コネクタ2がない状態)し、図9(a)と同様に指で掴んだ操作部15、16を閉ざしてアーム20を開き、これにより両側のクリップ係止部21を互いに離間させて、突起部21aでクリップ1の湾曲状突片1bをそれぞれ外側に拡げる(図8で光コネクタ2のない状態)。
次いで、操作部13,14の掴みの力を緩めると、操作部15、16が開きアーム2が閉じクリップ係止部21及びその突起部21aが互いに接近し、クリップ1の湾曲状突片1bが元に復帰して、各光コネクタ2の後端面を押圧する状態となる。
これにより、突き合わせ接続された2つの光コネクタ2がクリップ1で挟持される。この作業も、前述と同様に接続光コネクタ10を移動させずに行うことができる。
したがって、活線状態の接続光コネクタに対してクリップ着脱作業をしても、光コネクタどうしの突き合わせ圧力が変化したり接続端面が離間したりして通信状態に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【実施例2】
【0025】
上述では、図9(b)のように、クリップ着脱工具11のアーム20をトレイ30の底板30aと直交させる姿勢で、クリップ取り外し作業をする場合について説明したが、接続光コネクタ10の姿勢によっては、前記とは別の姿勢でクリップ取り外し作業をすることができる。
例えば、図10に示すように、接続光コネクタ10がトレイの底板30aにクリップ1の平板部1aが上面になる姿勢で置かれていた場合には、アーム20が底板30aと平行になる姿勢で、操作部15、16を掴み、クリップ係止部21を矢印のように下降させる動作で、その突起部21aをクリップ1の湾曲状突片1bの湾曲凹部1b’に係合させることができ、クリップ取り外し作業をすることができる。
クリップ1を接続光コネクタに装着する作業も、前述と同様な操作で行うことができる。
この使用例は、クリップ1の平板部1aを上にしてトレイ30に置かれた接続光コネクタ10の上方にスペースがあまりない場合でも、接続光コネクタ10を手元に移動させることなく、クリップ着脱作業を行うことができる、という使用例である。
【符号の説明】
【0026】
1 クリップ(光コネクタ用クリップ)
1a 平板部
1b 湾曲状突片
1b’ 湾曲凹部
2 光コネクタ
2a (光コネクタの)後端面
3 光ファイバテープ心線
10 接続光コネクタ(突き合わせ接続された2つの光コネクタ)
11 クリップ着脱工具(光コネクタ用クリップ着脱工具)
12 回転軸
13、14 開閉片
13a ストッパ部
14a 内側面
15、16 操作部
17、18 作業部
20 アーム
21 クリップ係止部
21a 突起部
22 バネ
30 トレイ
30a (トレイの)底板
g (両アーム間の)隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突き合わせ接続された2つの光コネクタの各後端面を突き合わせ方向に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片を短冊状平板部の長手方向の両側にそれぞれ備えた板バネ式のクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具において、
一端側を閉じた時に他端側が開くようにそれぞれの中間部を回転軸で連結した一対の開閉片を備え、
各開平片は、前記一端側に操作部、他端側に作業部を備え、
前記作業部は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けた構成であり、
前記クリップ係止部は、クリップの前記2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部を備えていることを特徴とする光コネクタ用クリップ着脱工具。
【請求項2】
対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けたことを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用クリップ着脱工具。
【請求項3】
前記バネねが両操作部間を開く方向に付勢している状態で、対向するアーム部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間を形成する間隙規制手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の光コネクタ用クリップ着脱工具。
【請求項1】
突き合わせ接続された2つの光コネクタの各後端面を突き合わせ方向に弾性的に押し付ける2つの湾曲状突片を短冊状平板部の長手方向の両側にそれぞれ備えた板バネ式のクリップを接続光コネクタに対して着脱する光コネクタ用クリップ着脱工具において、
一端側を閉じた時に他端側が開くようにそれぞれの中間部を回転軸で連結した一対の開閉片を備え、
各開平片は、前記一端側に操作部、他端側に作業部を備え、
前記作業部は、回転軸から離れた位置で回転軸の長手方向に延びるアームの先端にクリップ係止部を設けた構成であり、
前記クリップ係止部は、クリップの前記2つの湾曲状突片の湾曲凹部にそれぞれ係合可能な突起部を備えていることを特徴とする光コネクタ用クリップ着脱工具。
【請求項2】
対向する操作部間に、両操作部を互いに開く方向に付勢するバネを設けたことを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用クリップ着脱工具。
【請求項3】
前記バネねが両操作部間を開く方向に付勢している状態で、対向するアーム部間に光ファイバを通すことができる程度の隙間を形成する間隙規制手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の光コネクタ用クリップ着脱工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−27943(P2011−27943A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172752(P2009−172752)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】
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