説明

光ディスクを再生するための装置及び方法

本発明は,光ディスクを再生するための方法及び装置,並びに光ディスク記録装置を提供する。本発明で提供される当該方法によれば,光ディスクに書かれているプログラムのコンテンツの記述情報及びより高度な(enhanced)コンテンツの記述情報が最初に取得され,その後お互いが比較され,そして当該比較の結果により,このプログラムがより高度なコンテンツに対応しているかどうかが判定され,最後に,このプログラムのコンテンツがより高度なコンテンツに対応していない場合,当該プログラムはより高度なコンテンツとは無関係に再生される。本発明により,より高度なフォ-マットをサポ-トしていない従来の光ディスク記録装置による光ディスクの更新に起因した光ディスク中のプログラムコンテンツとより高度なフォ-マットを持つ強化コンテンツとの不整合から生じる再生時のトラブルを避けることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオプティカルストレ-ジの分野,特に光ディスクを再生するための装置と方法とに関し,更に光ディスク記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オプティカルストレ-ジ技術の発展と共に,光ディスクは,膨大な量の情報を格納できるばかりでなく,強化DVD (eDVD)フォ-マット及びBlu-rayディスクフォ-マットのような高度なフォ-マットを持つ光ディスクで例示されるように,より多くの情報を入手するための窓口及び方法としても役立っている。これらのより高度なフォ-マット(強化フォ-マット)は,従来の光ディスクフォ-マットが光ディスク中に格納されたコンテンツの再生しかサポ-ト出来ないという制約を打破し,かつ,強化フォ-マット中の高度な機能を通じて強化コンテンツの再生も更にサポ-ト出来る。例えば,この強化フォ-マットは,光ディスク中のインタネットリンク情報に従ってインタネット上の関連コンテンツを再生出来,ユ-ザは幾つかの先例のないオ-ディオビジュアルの経験を持つことが可能である。
【0003】
図1は,これまでの強化フォ-マット光ディスク再生装置100の概観図である。当該光ディスク再生装置100は,光ディスクからの情報(例えばプログラムコンテンツ及び強化コンテンツ,等々)を読取るための光読取り手段120を有する。この光読取り手段120によって読取られた情報に従って前記プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを再生するために,当該装置100は再生エンジン140も含む。
【0004】
この光ディスク用強化フォ-マットは,様々な長所を持ち,当該強化フォ-マットを持つ光ディスク,再生機及び記録機をより広範囲に適用可能にする。しかしながら,市場には前記強化フォ-マットをサポ-トしていない旧来の再生機及び記録機が多数在り,これらの機器は光ディスク上の強化コンテンツを認識することも信号処理することも出来ない。
【0005】
もしも強化フォ-マット光ディスク記録機(例えばeDVDレコ-ダ)が強化フォ-マット(例えばeDVD-RW)の消去可能,書換え可能な光ディスクの記録に使用されるならば,又は光ディスクにコンテンツを加えるため,若しくは光ディスクからコンテンツを削除するために使用されるならば,そのプログラムコンテンツ及び対応する強化コンテンツは対応して全て更新されるであろう。この光ディスクコンテンツ及び光ディスクの強化コンテンツは,強化フォ-マット再生機(例えばeDVDプレイヤ)によって普通に再生されることが出来る。
【0006】
しかしながら,従来の光ディスク記録機(例えばDVDレコ-ダ)が強化フォ-マット光ディスク(例えばeDVD-RW)の記録,又は強化フォ-マットコンテンツの付加/削除に使われるとすると,旧来の光ディスク記録機はプログラムコンテンツ(例えばDVDメニュ-,DVDのビデオバンド中のビデオコンテンツ,等々)を更新出来るのみで当該強化コンテンツを更新することは出来ない,何故ならこの記録機はこの強化フォ-マットを認識できないからである。この結果,以前はお互いに対応していた光ディスクプログラムコンテンツ及び強化コンテンツは,今や対応しないか,又はお互いにすっかり違ったものにさえなってしまう。
【0007】
もしも前記の光ディスクが,強化フォ-マット再生機(例えばeDVDプレイヤ)に再度入れられて再生されるとすると,異常な再生効果が多分に生じることであろう,というのは当該光ディスク中のプログラムコンテンツと強化コンテンツとはお互いに整合していない,又はお互いに全く何の関係も無いからで,誤りだらけの再生さえ生じるかも知れず,斯様にユ-ザの楽しむべきディスク情報に影響を及ぼす。
【0008】
その他に,強化フォ-マット記録機が光ディスクの記録に使用されるとき,従来の非強化フォ-マット光ディスクプレイヤ-がこの光ディスクを認識出来るようにこのプログラムコンテンツ(プログラム記述情報を含む)は記録されるであろうし,そして,強化コンテンツは,強化フォ-マットにて記録されることであろう。この記録方法は,プログラムコンテンツと強化コンテンツとの間を結び付けている関係を別々に切り離すもので,かつ,ある程度まで,当該プログラムコンテンツとeDVD中の強化コンテンツとの間の前述のミスマッチの問題をくっきりと明白にした。
【0009】
上記のような,プログラムコンテンツとeDVD中の強化コンテンツとの間の非整合から生じる再生時のトラブルを避けるための,光ディスクを再生する方法及び装置,そして,同様に光ディスク記録装置が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は,従来の記録装置によるeDVDの更新に起因する再生時のトラブルを解決するための光ディスク記録装置を提供すること,及び光ディスクを再生する方法と装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの実施例によれば,プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを含む光ディスクを再生する方法が提供され,当該方法は,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報及び前記強化コンテンツの記述情報を入手するステップと,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報を,前記強化コンテンツの記述情報と比較するステップと,
- 前記の比較の結果に基づいて,このプログラムは,前記強化コンテンツに対応するかどうかを判断するステップと,
- このプログラムコンテンツが前記強化コンテンツに対応していない場合は,この強化コンテンツと関係なく,前記プログラムコンテンツを再生するステップとを有する。前記の記述情報は,このプログラムコンテンツのタイトルの数についての何らかの情報を含んでも良いし,これらのタイトルの再生時間についての情報を含んでも良いし,この光ディスク中の他のコンテンツとの(時間又は位置関係,等々のような)再生関係及び情報格納アドレスについての情報を含んでも良い。
【0012】
本発明の他の実施例によれば,プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを含む光ディスクを再生する装置もまた提供され,当該装置は,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報及び前記強化コンテンツの記述情報を取得するための取得手段と,
- このプログラムコンテンツの記述情報を前記強化コンテンツの記述情報と比べるための比較手段と,
- 前記の比較の結果に基づいて,このプログラムが前記強化コンテンツに対応しているかどうかを判断する判断手段と,
- もしこのプログラムコンテンツが前記強化コンテンツに対応していない場合は,前記強化コンテンツに関係なく前記光ディスク上の当該プログラムコンテンツを再生するための再生エンジン手段とを有する。
【0013】
本発明の更に他の実施例によれば,光ディスク記録装置が提供され,当該装置は,
- 光ディスク上にプログラムコンテンツ及び強化コンテンツを記録するための記録手段と,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報と前記強化コンテンツの記述情報とを取得するための取得手段とを有し,
前記プログラムコンテンツがこの強化コンテンツに対応しているかどうかを判断するために,取得手段によって取得した記述情報を,この光ディスク上に強化フォ-マットにてこの記録手段は記録する。
【0014】
本発明によって提供される光ディスクを再生する装置及び再生する方法は,再生されるコンテンツと強化コンテンツとが互いに対応するかどうかの判断と,この判断の結果に基づいて当該強化コンテンツが再生されるか否かという決定とを通し,当該強化フォ-マットをサポ-トしない旧来の光ディスクレコ-ダによる光ディスクの内容の更新が招く再生時のトラブルを防ぐことが可能である。
【0015】
プログラムを記録するとき,本発明によって提供される光ディスク記録装置は,このプログラムの記述情報もまた当該光ディスクに強化フォ-マットにて記録するので,これによりこの記述情報が旧来のレコ-ダによって更新されることはないであろう。この光ディスクの再生中に,強化フォ-マットにて格納されたプログラム記述情報と前記光ディスクの当該プログラムとの間で両者が矛盾していないかどうかを調べる比較を通じて,前記プログラムが前記強化コンテンツに対応しているかどうかの判断をすることが出来,従って旧来の光ディスクレコ-ダによる光ディスクの内容の更新が招く再生時のトラブルを防ぎ,前記強化コンテンツを再生するかどうかの判断がなされる。
【0016】
添付された図面を参照する以降の説明及び請求項により,本発明の他の目的及び功績がより明確にされ,そして本発明がより良く理解されることであろう。
【0017】
本発明は例を用い,かつ図面の参照による方法により,詳細に説明されるであろう。図中の同一の参照番号は,類似した又は同一の特徴及び機能を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の概念は次のとおりである:光ディスク上のプログラムコンテンツの記述情報は強化コンテンツの記述情報と両者が互いに対応しているかどうかを決定するために比較され,そして当該強化コンテンツを再生するかどうか決めるために,前記プログラムコンテンツが強化コンテンツと対応しているかどうかが判断される。本発明はeDVD-RWフォ-マット(強化コンテンツ)及びDVDフォ-マット(前記強化コンテンツをサポ-トしていない従来のディスクフォ-マット)の例と共に説明される。
【0019】
DVDビデオプログラムの記述情報は,幾つものコンテンツのタイトルと当該コンテンツの再生時間とを含み,これらは光ディスク上にECMAScript (European Computer Manufacturers Association Script)コ-ドにて記録される。従来のDVDレコ-ダは消去型,書換形の光ディスク上のDVDビデオコンテンツを更新する(例えばタイトルの消去,付加,等々)ことが出来るが,しかしeDVDフォ-マット中に格納されたDVDビデオプログラムコンテンツの記述情報を認識したり,更新したりは出来ない,というのはこのレコ-ダは当該強化機能をサポ-トしておらず,結果としてeDVDフォ-マット中に格納されたプログラムの記述情報が,追加/削除されたDVDビデオプログラムコンテンツと一致していないからである。
【0020】
本発明によれば,前記プログラムコンテンツ及び強化コンテンツのミスマッチから生じる再生時のトラブルを避けるために,前記プログラムコンテンツの記述情報及び強化コンテンツの記述情報によって,強化コンテンツを再生するかどうかを決定できるよう,このプログラムコンテンツ及び強化コンテンツがお互いに一致しているかどうかが最初に判断される。
【0021】
図2は,本発明の一実施例に準拠した光ディスク再生装置200の概観図である。装置200は(例えばeDVD-RWのような)強化フォ-マットを持つ光ディスクを再生するのに用いられ,当該ディスク上の情報はプログラムコンテンツと強化コンテンツとを含む。
【0022】
装置200は,光ディスクから前記プログラムコンテンツの記述情報と強化コンテンツの記述情報とを取得するための取得手段210を含む。この強化コンテンツの記述情報は,インタ-ネットのリンク情報,再生制御情報,及び他のプログラムコンテンツとの再生関係についての記述であり得る。前記プログラムコンテンツの記述情報は,このプログラムのタイトルの数についての情報,このプログラムを再生する時間についての情報,このプログラムと他のプログラム(例えば,強化コンテンツ)との間の再生関係(時間関係又は位置関係,等々)についての情報,及びプログラム収納アドレスについての情報であり得る。
【0023】
装置200は他に,取得した前記プログラムコンテンツの記述情報と強化コンテンツの記述情報とを比較するための比較手段220を含む。この強化コンテンツの記述情報及びプログラムコンテンツの記述情報は,両者に何らかの対応が在り,かつ整合の取れた情報コンテンツであるかどうかを調べるために比較される。例えば,強化コンテンツの記述情報が,対応するプログラムコンテンツのタイトルの数の記述,再生開始時間の記述を含むかどうか,又は当該プログラムとの再生対応関係,等々を含むかどうかを調べるための比較がなされる。
【0024】
装置200はまた,前記比較手段220によりなされた比較の結果に基づき,前記プログラムコンテンツと強化コンテンツとがお互いに対応しているかどうかを判断する判断手段230も含む。強化コンテンツの記述情報とプログラムコンテンツの記述情報とが対応し,かつ整合の取れた情報コンテンツを含む場合,例えば,強化コンテンツとプログラムコンテンツとの間を結びつけている関係についての情報を含む場合,当該プログラムコンテンツは前記強化コンテンツと対応していると言える,さもなければ対応は無い。
【0025】
装置200はまた,前記光ディスク上のコンテンツを再生するため,及び前記プログラムコンテンツが前記強化コンテンツに対応していない場合は前記強化コンテンツと関係無く前記プログラムコンテンツを再生するための再生エンジン手段240も含む。前記判断手段230による判断に従って,再生エンジン240は,プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを再生する。このプログラムコンテンツが強化コンテンツに対応している場合には,このプログラムコンテンツと強化コンテンツとは従来の態様で再生されることであろう。もしも両者が対応していない場合は,当該プログラムコンテンツと強化コンテンツとのいかなる同調再生も当該再生効果を大変異常なものにするかも知れない,又はこの再生をまったく不可能にするかも知れない。従って,強化コンテンツではなくプログラムコンテンツのみを再生する,即ち強化コンテンツとは関係なく前記プログラムコンテンツを再生する。
【0026】
例えば,あるeDVD-RWは,DVDビデオプログラムとENAV(より高度なナビゲ-ション)のような強化コンテンツとを含み,そこでもしDVDビデオプログラムの記述情報が強化コンテンツの記述情報に対応していない場合,DVDビデオプログラムのみが再生され,当該ENAVコンテンツは再生されない。ユ-ザに示されるのは,旧来のDVD再生装置が旧来のDVDビデオプログラムを再生するようなDVDビデオコンテンツである。装置200は強化フォ-マットで書かれた光ディスクを再生するものの,プログラムコンテンツの再生のみであり,これは正しく整合の取れていない強化コンテンツの再生を妨げ,これから生じるいかなる再生エラ-も避ける。
【0027】
図3は,本発明の一つの実施例による光ディスクを再生する方法のフロ-チャ-トである。この実施例は前記強化フォ-マットを持つeDVD-RWに基づき,このeDVD-RWはDVDビデオプログラムと前記強化コンテンツとを含む。
【0028】
最初に,プログラムコンテンツの記述情報と強化コンテンツの記述情報とが光ディスクから取得される(ステップS310)。このプログラムコンテンツの記述情報は,当該プログラムのタイトルの総数,即ち,全プログラムタイトルの数と,各タイトルの再生時間及び全タイトルの再生時間,等々のような,このプログラムタイトルの再生時間,とを含むことが出来る。強化コンテンツの記述情報は,インタネット上でのこの強化コンテンツのリンク情報及び再生制御情報,等々を含むことが出来る。
【0029】
その後,このプログラムの記述情報が,取得された記述情報に基づいて強化コンテンツの記述情報と比較される(ステップS320),即ち,何らかの対応が取れていて矛盾の無いコンテンツが在るかどうかを調べるために強化コンテンツの記述情報がプログラムコンテンツの記述情報と比較される。例えば,タイトルの総数及びこれらタイトルの時間が,プログラムコンテンツと強化コンテンツとで矛盾していないかどうかを調べる。
【0030】
これに続いて,前記比較の結果により,このプログラムコンテンツと強化コンテンツとがお互いに対応しているかどうかが判断される(ステップS330)。強化コンテンツの記述情報及びプログラムコンテンツの記述情報に(タイトルの総数及びタイトルの再生時間のような)何らかの対応していてかつ矛盾しない情報コンテンツが在る場合,当該プログラムコンテンツと強化コンテンツとはお互いに対応していると言える,さもなければ対応はしていない。
【0031】
最後に,前記判断の結果により,前記プログラムコンテンツと強化コンテンツとがお互いに対応していない場合には,強化コンテンツではなく,プログラムコンテンツのみが再生される。即ち,光ディスクのプログラムコンテンツが,強化コンテンツに関係なく再生される(ステップS340)。もしも再生されるプログラムと前記強化コンテンツとが互いに対応している場合には,当然再生されるプログラムと強化コンテンツとが整合しないという状況は起きないであろうし,再生エラ-も生じないと思われ,再生されるべきコンテンツと強化コンテンツとは選択的に再生される。前記プログラムコンテンツが強化コンテンツに対応している場合,当該プログラム及び強化コンテンツは,より高度な再生効果を実現するために,強化フォ-マットにて再生される(ステップS350)。
【0032】
ステップS320において,記述情報中のタイトルの時間が比較される場合は,このプログラムのタイトルを再生するための時間の判断が順番になされる。タイトルの再生時間の一つが,強化コンテンツの記述情報中に書かれているプログラムのタイトルの再生時間と整合しない限り,ステップS330において,このプログラムコンテンツは強化コンテンツに対応していないと判断されるであろう,即ち,このタイトルは当該強化フォ-マットをサポ-トしていない光ディスクレコ-ダによって更新され,これが強化コンテンツとプログラムコンテンツとがお互いに対応しない原因となっている。
【0033】
ステップS320にて,非強化フォ-マットレコ-ダによって更新されたプログラムタイトルと,非強化フォ-マットレコ-ダによって更新されていないプログラムタイトルとを決定するために,ディスク上の全てのタイトルの時間に対しても,斯様な判断が順番になされてゆく。その後,更新されたタイトルに関しては,このプログラムコンテンツのみが再生され,更新されていないタイトルに関しては,プログラムコンテンツと強化コンテンツとが対応している関係によって再生され得,この場合,より高度な特徴が維持される。
【0034】
この実施例において,ある光ディスクが強化フォ-マットをサポ-トしていない旧来のレコ-ダによって更新された場合には,この光ディスクから得られたタイトルを再生する合計時間が強化コンテンツの記述情報中の合計時間と同じであることは殆ど不可能であるが,しかし両者が同じ値であることも大変少ない可能性で存在することに注意すべきである。
【0035】
勿論,強化フォ-マットを持つ光ディスクが当該強化フォ-マットをサポ-トしていない旧来の光ディスクレコ-ダによって更新されたか否かだけが判断され,かつ再生されるべきコンテンツ及び強化コンテンツを選択して再生するかどうかを決定するのみの場合には,幾つかの他の簡単な方法が使われ得よう。例として,何らかの識別ファイル,又は(光ディスクの記述情報とも呼ばれる)幾つかの特定のセクタの一定のデジタル署名が光ディスク中に格納されていて,順番にこれらのファイルがこの光ディスクを再生する前に先ず取り出され,そしてもし,このファイルが見つからない又は取り出したファイルが要件を満たさぬファイルである場合,当該光ディスクは強化フォ-マットをサポ-トしていない旧来のレコ-ダによって更新されたと判断することが出来る。又は,前記強化フォ-マット中に格納された特定のブランドに対応する私的なファイル若しくはオ-ディオの無音ファイル,等々は,通常他のブランドのレコ-ダによって削除されるので,これによって当該光ディスクが更新されたか否かが判断される。
【0036】
図4は,本発明の一つの実施例による光ディスク記録装置400の概観図である。装置400は,光ディスクにプログラムコンテンツ及び強化コンテンツを記録するための記録手段410を含む。 前記プログラムコンテンツが前記強化コンテンツに対応しているかどうか判断できるよう,装置400はプログラムコンテンツの記述情報及び強化コンテンツの記述情報を取得するための取得手段420もまた含み,同装置中では前記記録手段410は,この記述情報を前記光ディスクに前記強化フォ-マットで記録する。
【0037】
e-DVDに関して手段410は,前記記述情報を光ディスクにECMAScriptコ-ドの形式で記録出来,BDに関しては,JAVA言語にてディスクに記録されよう。前記記述情報は,
- プログラムコンテンツのタイトルの数,
- プログラムタイトルを再生するための時間,
- VIDEO_RMのダイレクトリ・ファイル,又は
- 光ディスクのデ-タ領域のファイル若しくはセクタのデ-タ署名,
のうちの少なくとも一つを含む。
【0038】
本発明によって提供される強化フォ-マットディスクの記録装置は,前記プログラムコンテンツと強化コンテンツとの関係を光ディスク上に強化フォ-マットで記述することが可能で,これゆえ,お互いに対応している前記プログラムコンテンツ及び強化コンテンツの両方を同期して再生することを決定できる。お互いに対応していないプログラムコンテンツと強化コンテンツに関しては,後者ではなく,前者のみが再生される。
【0039】
強化フォ-マットを持つ光ディスクに関して,強化フォ-マットをサポ-トしない旧来のレコ-ダによる更新を経て得られた結果は,強化フォ-マットをサポ-トするレコ-ダによる更新結果とは異なる。 本発明は前記プログラムコンテンツが強化コンテンツに対応するかどうか判断するためと,その後このコンテンツを再生するかどうか決定するためとに上記の特性を使用することが出来,強化フォ-マットをサポ-トしない従来のレコ-ダによる更新から生じる再生時のトラブルが解決された。本発明は,eDVDフォ-マットのみならず強化フォ-マットをサポ-トしているいかなる光ディスクフォ-マットにも適用する。例えば,本発明は次世代の消去可能な,書換え形Blu-rayディスクフォ-マット及び高品位光ディスクフォ-マットにも適用する。
【0040】
本発明は,上記にて実施例と共に説明されてきた。上記の記述に従って当業者は,多くの代用,変更及びバリエ-ションが明らかに可能であることが明白である。それゆえ,以下の請求項の意図及び範囲に該当する全ての代用,変更及びバリエ-ションは,本発明に包含されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】旧来の光ディスク再生装置の概観図。
【図2】本発明の一つの実施例に準拠した光ディスク再生装置のブロック線図。
【図3】本発明の一つの実施例に準拠した光ディスクを再生するための方法のフロ-チャ-ト。
【図4】本発明の一つの実施例に準拠した光ディスク記録装置のブロック線図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを含む光ディスクを再生するための方法であって,当該方法は,
(a) 前記プログラムコンテンツの記述情報と前記強化コンテンツの記述情報とを取得するステップと,
(b) 前記プログラムコンテンツの記述情報と前記強化コンテンツの記述情報とを比較するステップと,
(c) 前記の比較の結果に基づいて前記プログラムコンテンツが前記強化コンテンツと対応しているかどうかを判断するステップと,
(d) 前記プログラムコンテンツが前記強化コンテンツと対応していない場合,前記強化コンテンツと関係なく,前記プログラムコンテンツを再生するステップとを有する方法。
【請求項2】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,このプログラムコンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記強化コンテンツの記述情報が,この強化コンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,前記プログラムコンテンツのタイトル情報を含む,請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記タイトル情報は,
- タイトルの総数,
- タイトルの再生時間,又は
- 全タイトルを再生する合計時間
のうちの少なくとも一つを含む,請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プログラムコンテンツ及び強化コンテンツを含む光ディスクを再生するための装置であって,当該装置は,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報及び前記強化コンテンツの記述情報を取得するための取得手段と,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報及び前記強化コンテンツの記述情報を比較するための比較手段と,
- 前記の比較の結果に基づいて前記プログラムが前記強化コンテンツと対応しているかどうかを判断するための判断手段と,
- 前記判断の結果によって前記光ディスクを再生し,前記プログラムコンテンツが前記強化コンテンツに対応していない場合は,前記強化コンテンツとは関係なく,前記プログラムコンテンツを再生するための再生エンジン手段とを有する装置。
【請求項7】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,このプログラムコンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記強化コンテンツの記述情報が,この強化コンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,前記プログラムコンテンツのタイトル情報を含む,請求項6又は7に記載の装置。
【請求項10】
前記タイトル情報は,
- タイトルの総数,
- タイトルの再生時間,又は
- 全タイトルを再生する合計時間
のうちの少なくとも一つを含む,請求項9に記載の装置。
【請求項11】
光ディスク記録装置であって,当該装置は,
- 光ディスクにプログラムコンテンツ及び強化コンテンツを記録するための記録手段と,
- 前記プログラムコンテンツの記述情報と,前記強化コンテンツの記述情報とを取得するための取得手段とを有し,
前記プログラムコンテンツがこの強化コンテンツに対応しているかどうかを判断するために,前記取得手段によって取得した記述情報を,この光ディスクに強化フォ-マットにて前記記録手段が記録する光ディスク記録装置。
【請求項12】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,このプログラムコンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記強化コンテンツの記述情報が,この強化コンテンツと何か他の再生可能なコンテンツとの間の再生関係の記述を含む,請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記プログラムコンテンツの記述情報が,前記プログラムコンテンツのタイトル情報を含む,請求項11又は12に記載の装置。
【請求項15】
前記タイトル情報は,
- タイトルの総数,
- タイトルの再生時間,又は
- 全タイトルを再生する合計時間
のうちの少なくとも一つを含む,請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−525939(P2008−525939A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548928(P2007−548928)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/054266
【国際公開番号】WO2006/070303
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】