説明

光ディスクドライブ装置

【課題】薄型化とCDのみでなく、各種規格に応じたDVDでも再生や記録できることなど高性能な光ピックアップ装置に要求される性能を満たし、且つ低コストで信頼性を維持したフレキシブル基板を備えた光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、光ディスクドライブ装置における、分割して製造された光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板と分割して製造されたドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板との接続部において、少なくとも一方のフレキシブル基板のベースフィルムの端面を配線導体の端面より外側に延長したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等の光ディスクの再生、記録に用いられる薄型光ピックアップ装置、または薄型光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクドライブ装置及びこれに組み込まれる光ピックアップ装置に係る従来技術は、例えば、特開平8−96390号公報(特許文献1)及び特開平9−320078号公報(特許文献2)に記載される。
【0003】
特許文献1には、光ディスクの表面からの戻り光ビームをフォトディテクタ(受光素子)により受光し、このフォトディテクタからの出力信号を外部に取り出すと共に、外部から駆動制御される二軸アクチュエータ(Actuator)に支持された光学ピックアップ(Pick−up)において、当該光ピックアップの本体側面に配置されたフレキシブルプリント基板と、当該フレキシブルプリント基板に接続されて上記二軸アクチュエータの駆動制御信号と上記フォトディテクタからの出力信号を伝送する接続コードとの夫々の接続部に形成されたランドが記される。フレキシブルプリント基板の上記接続部には、接続コードに結線される信号ラインの夫々に対応した複数個のランドが形成され、接続コードにおける上記接続部(以下、光学ピックアップ側の端部)には、当該フレキシブルプリント基板に形成された当該複数個のランドに夫々接触するように複数のランドが形成される。この接続コードは、その光学ピックアップ側の端部が、弾性材料から成る押圧部材によって、光学ピックアップの側面に設けられたフレキシブルプリント基板に圧接される。
【0004】
また、特許文献2には、対物レンズを保持するレンズホルダーに永久磁石を巻きつけたムービングマグネット方式の光ピックアップにおいて、コイルに通電するフレキシブル基板1の穴に第2の引出しフレキシブル基板を挿入し、位置決めしてからはんだ付け作業をすることで、組立作業性の改善と部品点数を削減した光ピックアップを提供することが示されている。
【0005】
また、特開2004−63356号公報(特許文献3)には、フレキシブル基板が複雑な形状を持つ場合に、複数に分けたフレキシブル基板を嵌合させたり、接続することにより、素材板からの取り数を多くして素材板の無駄を低減できるフレキシブル基板を提供することが記載されている。
【0006】
また、特開平5−90748号公報(特許文献4)には、フレキシブル基板とプリント基板の接続において、フレキシブル基板の脇部分を突出させ、折り曲げ、相対するプリント基板の導電パターン接続部裏面に接続することで、フレキシブル基板の引張や曲げに対する接続部分への応力を緩和し、耐久性や剥離等に強い基板間の接続ができる接続方法について記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−96390号公報
【特許文献2】特開平9−320078号公報
【特許文献3】特開2004−63356号公報
【特許文献4】特開平5−90748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近の光ピックアップ装置の高機能化に伴い、当該光ピックアップ装置本体とこれが搭載された光ディスクドライブ装置のドライブ側とを接続する印刷回路基板(フレキシブル基板)の光ピックアップ装置本体に固定されている部分は、そこに形成される信号配線の高密度化に対応すべく、配線が形成された複数の層を絶縁膜で隔てながら積層してなる所謂多層のフレキシブル基板として形成され、光ピックアップ装置本体における実装面積(フレキシブル基板の面積)の低減が図られる。これに対し、当該印刷回路基板の少なくともドライブ側のコネクタに挿し込まれる部分付近(又は、当該部分から上記光ピックアップ装置本体への固定部分へ延在する領域)では、ドライブ側のコネクタに対する光ピックアップ装置本体の移動に対応すべく、上記配線を1層(単層)にまとめて形成して、その屈曲性を確保するため、当該部分の例えば、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる部分付近の面積は光ピックアップ装置本体に固定される部分の2倍近くに大きくなる。従って、多層配線部分と単層配線部分とを備えた上記印刷回路基板を一体化して作製するとなると、その多層部分の取り数が少なくなるというコスト面での大きな課題が生じた。
【0009】
また、現在の高機能化されたフレキシブル基板ではピン数が非常に多く、ピン間隔も狭ピッチになる傾向にあるため、上記特許文献1の技術によりフレキシブル基板に貫通孔をあける精度に比べ、狭ピッチ部分の位置合わせ精度の方が厳しくなり、その結果、接続の際の歩留まりが非常に悪いという課題があった。
【0010】
また、上記特許文献2の従来技術においては、第2のフレキシブル基板に部品が配置される部分も含まれる。そのため、第2のフレキシブル基板はドライブ側のコネクタに挿し込まれる部分とチップ部品が実装される部分とを一体化させて製造されるため、上記に示した同様の課題が挙げられる。
【0011】
また、上記特許文献3及び特許文献4の従来技術は、厚みに余裕のある光ピックアップ装置には有効であるが、その厚みが低減された所謂薄型の光ピックアップ装置においては、厚み制限が厳しく、光ピックアップ装置内のフレキシブル基板にコネクタをつけることができないという課題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、薄型化とCDのみでなく、各種規格に応じたDVDでも再生や記録できることなど高性能な光ピックアップ装置に要求される性能を満たし、且つ低コストで信頼性を維持したフレキシブル基板を備えた光ディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、半導体チップ部品が実装された光ピックアップ本体を設けて光ディスクの内周側及び外周側に水平方向に直線的に往復走行される光ピックアップ用ケースを備えた光ディスクドライブ装置において、第2のフレキシブル基板と分割して製造された、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される第1のフレキシブル基板を前記光ピックアップ装置本体の上面に固定し、該光ピックアップ装置本体の上面に固定される前記第1のフレキシブル基板における第1の接続端部の配線導体と、ドライブ側のコネクタに挿し込まれ、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される前記第2のフレキシブル基板における第2の接続端部の配線導体とを前記光ピックアップ用ケース上の端近傍において重ね位置合わせをして接合材を用いて接続して構成し、該接続部において、少なくとも一方のフレキシブル基板の接続端部におけるベースフィルムの端面を前記配線導体の端面より外側に延長して構成したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記延長する長さを概ね1mm以上とすることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の接続端部と前記第2の接続端部との間は、接着剤を用いて前記接合材を保護するように固定して構成することを特徴とする。
また、本発明は、前記接着剤として、熱硬化型接着剤であることを特徴とする。
また、本発明は、前記接合材は、はんだメッキで形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1のフレキシブル基板の配線導体の層数を、前記第2のフレキシブル基板の配線導体の層数よりも多くして形成することを特徴とする。
また、本発明は、前記第2のフレキシブル基板の配線導体を1層で形成し、前記第1のフレキシブル基板の配線導体を複数層で形成することを特徴とする。
また、本発明は、前記接続部を前記光ピックアップ用ケースに取り付けられる該光プックアップ装置本体を保護するためのカバーで押し付けて構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光ピックアップ装置及びこれを備えた光ディスクドライブ装置の薄型化や、CDのみならず、各種規格に応じたDVDでも再生や記録を可能ならしめる高性能な光ピックアップ装置への要求仕様を満たし、且つ低コストで信頼性を維持したフレキシブル基板を備えた光ディスクドライブ装置を実現することができる。
【0016】
また、本発明によれば、光ディスクドライブ装置における、半導体チップ部品が実装された光ピックアップ装置装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板とドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板との接続部において、少なくとも一方のベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長したことにより、接続部において厚みを増加させることなく薄型化を実現し、接続部における機械的強度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るフレキシブル基板及びこれを用いた光ピックアップ装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る光ディスクドライブ装置において、光ピックアップ装置本体からドライブ側のコネクタまでのフレキシブル基板を、光ピックアップ装置本体に固定されている高密度化を重視した2層以上の第1のフレキシブル基板と、屈曲性を重視した1層のドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板とに光ピックアップ用ケースの走行方向(光ディスク(又はドライブ)に対する変位方向)の端部で分割した状態を示す斜視図である。
【0019】
図2は、本発明に係る光ディスクドライブ装置において、分割された上記第1のフレキシブル基板と上記第2のフレキシブル基板とを光ピックアップ用ケースの走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。
【0020】
図3は、本発明に係る、図2に示すように接続された接続部を、少なくとも一方のフレキシブル基板の外側に設けられたベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長して構成し、さらに前記接続部を、光ピックアップ装置本体を保護するための金属製カバーで押し付けして光ピックアップ用ケースに取り付けた状態を示す断面図である。
【0021】
図4は、本発明に係る光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態を示す斜視図である。
【0022】
即ち、光ディスクドライブ装置10は、図1及び図2に示された光ピックアップ装置本体1(及びこれが搭載されたケース3)と、ドライブと呼ばれる光ディスクを回転させる駆動装置(光ディスクが嵌合されるロータ16として示される)や光ピックアップ装置本体との信号の送受信を行う回路が設けられたユニットとで構成されるが、後者に関する詳細な図示は割愛する。光ピックアップ装置本体1は、上面側に対物レンズ5を向けた状態で、ドライブ側カバー9の切り欠き部分を介して、更に上面側の光ディスクに対向し、外周・内周間を移動しながら、情報を読み取り・書き込みを行うように構成される。そして、ドライブに対する光ピックアップ装置本体1の位置は、図示されたドライブ側カバー9の溝に沿って、言わば光ディスクの半径方向に変位する。即ち、光ピックアップ装置本体1の往復走行方向は、光ピックアップケース3の一部が主軸側シャフト6と副軸側シャフト7に案内されるシャフトの軸線方向である。
【0023】
図5は、本発明に係る光ピックアップ装置におけるフレキシブル基板の動作を示す側面図であり、(a)は光ディスクの最も外周側に光ピックアップ装置が移動した(最外周のトラックにアクセスした)場合、(b)光ディスクに対して最も内周側に光ピックアップ装置が移動した(最内周のトラックにアクセスした)場合である。
【0024】
ところで、CDやDVD等の光ディスクの再生、記録に用いられる薄型(厚み:7mm以下)の光ピックアップ装置、または薄型の光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置10は、図1乃至図4に示すよう構造になっている。即ち、光ピックアップ装置は、Zn(亜鉛)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、PPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂などのいずれかを主成分としたダイカストやモールドで形成され、主軸側シャフト6で駆動されて副軸側シャフト7に沿って光ディスクの内周側及び外周側に直線的に往復走行する光ピックアップ用ケース3と、該光ピックアップ用ケース3上に、光ディスクから読み取った情報を信号処理したり、光ディスクに書き込むための情報についての信号処理などを行うLSI半導体チップ部品が実装された光ピックアップ装置本体1と、光学系を構成するための部品である発光素子、各種レンズ、ミラー、受光素子などで構成される。そして、発光素子や受光素子などの光モジュールやLSI半導体チップ部品が接続される一部のフレキシブル基板は、サブフレキシブル基板として存在させても良い。
【0025】
さらに、図1に示すように、光ピックアップ装置本体1からドライブ側のコネクタ挿入部8までのフレキシブル基板を、高密度化を重視した2層以上(多層)の光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板(2−a)と、屈曲性を重視した1層のドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板(2−b)とに光ピックアップ用ケース3の走行方向の端部で分割した状態で製造される。このように、狭小な光ピックアップ装置本体の中で、各種部品を高密度で、且つ水平・垂直方向に配置せざるを得ないために、それらの信号伝達を受け持つ複雑な形状のフレキシブル基板を、高密度重視の第1のフレキシブル基板(2−a)と、屈曲性重視の第2のフレキシブル基板(2−b)とに分割して製造することにした。
【0026】
このように、第2のフレキシブル基板(2−b)は屈曲性重視であるが、光ピックアップ装置は数百万回のアクセスに耐える必要があり、第2のフレキシブル基板(2−b)の剛性は、長さ10mm程度、幅9mm程度のフレキシブル基板を用いた場合、例えば、半径2mm程度で折り曲げた時の反力が2.0×10−2N以上となることが望ましい。なお、第1のフレキシブル基板(2−a)よりも第2のフレキシブル基板(2−b)の剛性を低くする手段として、第1のフレキシブル基板(2−a)よりも第2のフレキシブル基板(2−b)の厚みを薄くしても可能であり、その場合、第2のフレキシブル基板(2−b)の厚みとしては40μm程度以上であることが望ましい。
【0027】
また、第1のフレキシブル基板(2−a)は高密度化を重視して多層で構成されるため、第1のフレキシブル基板を多数並べた連続的な状態であるシート状に製造されたものから、切り出す(打ち抜く)ことによって個々の第1のフレキシブル基板を製造することが可能となって、光ピックアップ装置本体1に固定される第1の多層フレキシブル基板の取り数が大幅にあがり、コスト削減に大きく寄与することが可能となる。
【0028】
ところで、分割して製造された第1のフレキシブル基板(2−a)は、図1に示すように、光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品と接続した状態で、光ピックアップケース3上の対物レンズ5の側に取り付けられて固定される。さらに、図1は、光ピックアップ装置本体1に固定されている第1のフレキシブル基板(2−a)が、テスティングをした状態、つまり光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品の調整工程が行なわれた後の状態を示す。なお、テスティングの方法は、プローブピンを用いても良いし、コネクタを用いても良い。このように、第2のフレキシブル基板(2−b)を接続する前に、光ピックアップ装置のテストを実施するため、この段階で良品となったものがその後の工程に移行し、歩留りを向上させることが可能となる。
【0029】
そして、分割して製造された第1のフレキシブル基板(2−a)の端部と第2のフレキシブル基板(2−b)の端部とは、図2に示すように光ピックアップ用ケース3の走行方向の端部において、互いに平行な状態で導体同士が重ね合されて接続され、図3に示すように該接続部を押付けした状態で、光ピックアップ装置本体1を保護するための、高さ制限が加えられた金属製カバー4が光ピックアップ用ケース3に対して取り付けされることになる。
【0030】
即ち、第1のフレキシブル基板(2−a)よりも屈曲性が重視された(例えば、剛性を小さくした)ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板(2−b)の接続端部は、光ピックアップ用ケース3の走行方向の端部において光ピックアップ装置本体に固定されているフレキシブル基板(2−a)の接続端部に互いに平行にして配線導体同士を重ね位置合わせをして接合材により接続された状態で、金属製カバー4で押さえられた構成となる。このように、第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)との接続部を金属製カバー4で押さえ付けることによって、図5に示すように光ピックアップ用ケース3が光ディスクの内周側や外周側に走行する際、第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)の接続部(2−ab4)に負荷(例えば、第2のフレキシブル基板(2−b)への弱い引張り応力)が繰り返し作用したとしても剥がれることを防止することが可能となると共に、第2のフレキシブル基板(2−b)の反りも防止することも可能である。
【0031】
なお、分割された第1及び第2のフレキシブル基板(2−a)、(2−b)は、各々、銅箔等から配線導体部(2−a1)、(2−b1)をポリイミドや接着剤を含む絶縁樹脂(2−a2)、(2−a3)、(2−b2)、(2−b3)で挟むようにシート状に形成されて製造される。なお、図3においては、第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)とを接続する接続端部を示したものであり、第1のフレキシブル基板(2−a)の内部はLSI半導体チップ部品等と接続するために多層(多層部は図示せず)の配線層を有して構成される。
【0032】
ところで、本発明のようにフレキシブル基板について分割構造を採用し、接続部分を光ピックアップ装置本体の取り出し部分(カバー4からドライブ側のコネクタ側に通じるフレキシブル基板の吐き出しになる端部付近の位置)に設けた場合、その部分のスペースが小さいため、150μm程度の狭ピッチで10ピン以上並んでいる場合が多い。しかも、上述したように、光ディスクを読み取り・書き込むためにストローク距離が長くなり、そのため接続した第2のフレキシブル基板の配線に対して繰り返しの屈曲荷重が掛かることになり、上記接続部を更に補強することが必要となる。
【0033】
そこで、本発明に係る特徴ある実施の形態として、接続部において、少なくとも一方のフレキシブル基板の外側に設けられたベースフィルム端面を銅配線端面より外側に概ね1mm以上、好ましくは折り曲げ半径に近似した概ね2mm以上延長して構成した。
【0034】
図3に示す場合には、図5(b)に示す折り曲げ半径rが2mm程度で厚さが40μm程度〜100μm程度の第2のフレキシブル基板(2−b)に対して第2のフレキシブル基板(2−b)を構成する外側に設けられたベースフィルム(2−b3)の端面を銅配線(2−b1)の端面より外側に長さL1を概ね1mm以上、好ましくは折り曲げ半径に近似した概ね2mm以上、最も好ましくはベースフィルム(2−b3)の端面が第1のフレキシブル基板(2−a)のカバーフィルム(2−a2)の開口端を越えるまで、延長して構成される。逆に、第2のフレキシブル基板(2−b)よりも高密度重視の第1のフレキシブル基板(2−a)を構成する外側に設けられたベースフィルム(2−a3)の端面を銅配線(2−a1)の端面より外側に概ね1mm以上、好ましくは折り曲げ半径に近似した概ね2mm以上、最も好ましくはベースフィルム(2−a3)の端面が第2のフレキシブル基板(2−b)のカバーフィルム(2−b2)の開口端を越えるまで、延長して構成しても良い。
【0035】
また、図6に示すように、第2のフレキシブル基板(2−b)を構成する外側に設けられたベースフィルム(2−b3)の端面を銅配線(2−b1)の端面より外側に概ね1mm以上、好ましくは折り曲げ半径に近似した概ね2mm以上、最も好ましくはベースフィルム(2−b3)の端面が第1のフレキシブル基板(2−a)のカバーフィルム(2−a2)の開口端を越えるまで、延長し、さらに、第2のフレキシブル基板(2−b)よりも高密度重視の第1のフレキシブル基板(2−a)を構成する外側に設けられたベースフィルム(2−a3)の端面を銅配線(2−a2)の端面より外側に概ね1mm以上、好ましくは折り曲げ半径に近似した概ね2mm以上、最も好ましくはベースフィルム(2−a3)の端面が第2のフレキシブル基板(2−b)のカバーフィルム(2−b2)の開口端を越えるまで、延長して構成しても良い。
【0036】
このように、接続部において、少なくとも一方のフレキシブル基板に設けられたベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長して構成することにより、光ディスクを読み取り・書き込む度に、接続した第2のフレキシブル基板の配線に対して繰り返しの屈曲荷重が掛かったとしても、一層補強されて剥がれや接続不良を発生させることを防止することが可能となると共に、接続部の厚さも増加することなく薄型化の光ピックアップ装置を低コストで実現することが可能となる。
【0037】
また、本発明に係る分割された第1のフレキシブル基板(多層構造)と第2のフレキシブル基板(単層構造)との接続技術は、主に薄型の光ピックアップ装置への適用が可能である。
【実施例1】
【0038】
まず、本発明に係る第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)を接続する方法の第1の実施例について図1乃至図7を用いて説明する。
【0039】
図7は、本発明に係る光ピックアップ装置の概略製造工程を示すフロー図である。
【0040】
ところで、光ピックアップ装置の概略製造工程は、シート状で納入されたフレキシブル基板をそれぞれ打ち抜く工程(S41)と、その後、最終的に光ピックアップ装置本体1に固定される予定の第1のフレキシブル基板(2−a)にLSIチップ部品をはんだペーストなどのはんだ材で固定し、その後リフローすることによりLSIチップ部品を第1のフレキシブル基板(2−a)と電気的に接続して実装する工程(S42)と、その後、最終的に光ピックアップ装置本体に固定される予定の第1のフレキシブル基板(2−a)に、発光素子や受光素子が接続されたサブのフレキシブル基板をはんだ接続する工程(S43)と、その後、各種光学部品・光素子を調整、接着する工程(S44)と、主に、図7に示すA〜Dのいずれかにおいて第2のフレキシブル基板(2−b)を、第1のフレキシブル基板(2−a)に接続する工程と、その後、光ピックアップ装置本体1を保護するために金属製カバー付けを行う工程(S45)と、その後最終チェックを行う工程(S46)等から構成される。
【0041】
即ち、第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)の接続をする工程は、主に、図7に示すA〜Dのいずれかにおいて接続することが考えられる。Aは工程(S41)の後、Bは、工程(S42)の後、Cは、工程(S43)の後、Dは工程(S44)の後である。Dのように最後にすれば、途中工程における第2のフレキシブル基板の外観不良を大幅に減らすことができ、光ピックアップ装置全体の歩留まりを大きく向上させることが可能となる。
【0042】
このように、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板との接続は上記A、B、C、Dのいずれでも良いが、Dの場合について前述した。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明に係る第1のフレキシブル基板(2−a)と第2のフレキシブル基板(2−b)との接続部の第2の実施例について図8乃至図11の接続部断面図を用いて詳細に説明する。図8は、光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板(2−a)を図示しない位置決め治具に搭載した状態である。第1のフレキシブル基板(2−a)の構成は、ベースフィルム(2−a3)に対して、図示しない接着剤を介して配線銅箔(2−a1)が付与されている。ここでは、ベースフィルム(2−a3)端面と配線銅箔(2−a1)端面が同一面となっている第1のフレキシブル基板(2−a)を使用した状態で説明する。さらに、この配線銅箔(2−a1)の表面を覆うようにカバーフィルム(2−a2)が図示しない接着剤により貼り付けられている。配線銅箔(2−a1)上においてカバーフィルム(2−a2)がない箇所が、半導体チップ部品を実装したり(図示せず)、第2のフレキシブル基板(2−b)との接続に使用される。この箇所には、部品や相手基板との接続を容易にするために、はんだメッキ(2−a4)が施されている。
【0044】
図9は、図8で示した図示しない位置決め治具に搭載した光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板(2−a)に対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板(2−b)を位置決めした状態である。第2のフレキシブル基板(2−b)の構成は第1のフレキシブル基板(2−a)と同様に、ベースフィルム(2−b3)に対して、図示しない接着剤を介して配線銅箔(2−b1)が付与されている。この配線銅箔(2−b1)の表面を覆うようにカバーフィルム(2−b2)が図示しない接着剤により貼り付けられている。
【0045】
ここで、第2の実施例の特徴である繰り返しの屈曲荷重が掛かった際の接続部への補強を目的として第2のフレキシブル基板(2−b)としては、ベースフィルム(2−b3)の端面が配線銅箔(2−b1)の端面より長さL1を概ね1mm以上延長されたものを使用する。配線銅箔(2−b1)においてカバーフィルム(2−b2)がない箇所が、第1のフレキシブル基板(2−a)との接続に使用される。この箇所には、相手基板との接続を容易にするために、はんだメッキ(2−b4)が施されている。はんだメッキ(2−a4)、(2−b4)は、接合時・接合後に要求される性能によって、同種同士や異種の組合せが選択され、表面に付与されている。
【0046】
この時の位置合わせ方法としては、図12に示すように、接続する第1のフレキシブル基板(2−a)の配線部分(2−a4)と第2のフレキシブル基板(2−b)の配線部分(2−b4)(裏面側)とを重ね合わせたずれから判断して位置合わせを行う。
【0047】
図10は、図9で示した状態に対して、その接合箇所に接着剤11を塗布した状態である。ここでは、フレキシブル基板(2−a)、(2−b)を位置決めした後で相互の空隙に接着剤11を充填しているが、工程順の制限や塗布の容易さから、フレキシブル基板(2−a)、(2−b)に事前に塗布した状態で位置決めしても構わない。
【0048】
図11は、図10で示した状態に対して、その接合箇所に加熱ヘッド12を位置決めした後で、加熱ヘッド12を所定の温度と時間のパターンに従って加熱することで、はんだが溶融し接合が完了した状態を示す。はんだ溶融時には、接触しているはんだメッキ(2−a4)、(2−b4)の部分だけでなく、配線銅箔(2−a1)、(2−b1)の端面にもはんだが濡れ拡がりフィレットが形成される。この時、接着剤11に熱硬化型を使用することで、はんだの溶融と同時に接着剤の硬化を進行させることが可能である。はんだの溶融と同時に接着剤を硬化させるが、別工程で加熱することで、更に強度を向上させることが可能である。また、ここでは熱圧着方式の加熱ヘッドを示しているが、接合部だけ窓が開いた押さえ治具を使用して、窓部にめがけて所定の熱を与える方式(例えば、レーザ加熱)であっても同様な効果が得られる。
【0049】
なお、熱硬化型接着剤としては、シリコン系又はエポキシ系接着剤を使用する。本発明においては、屈曲性が要求されるため柔軟なシリコン系が主となる。但し、エポキシ系であっても、本使用条件に合致する弾性率を有する接着剤を選定することで使用可能である。
【0050】
次に、加熱ヘッド12をフレキシブル基板(2−a)、(2−b)から離し、フレキシブル基板(2−a)下の図示しない位置決め治具から取り外すことで接合工程が完了する。
【0051】
次に、第2の実施例においては、ベースフィルム延長を、上側となる第2のフレキシブル基板(2−b)に対して実施した場合について説明したが、第1・第2のフレキシブル基板のどちらのベースフィルムを延長するかの選択方法について図14及び図15を用いて説明する。図14には、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)に対して、接続部(2−a4),(2−b4)、及びコネクタ挿入部8や半導体チップ部品実装用パッド13に、メッキを形成する際の第1の形状を示す。即ち、はんだメッキ形成用通電回路14a、14bの各々が配線銅箔(2−a1)、(2−b1)の各々の一部に接続される。この場合、図14(b)に示すように、第1のフレキシブル基板(2−a)では通電回路14aは半導体チップ部品実装用パッド13と反対側の接合箇所(2−a8’)に接続され、図14(a)に示すように、第2のフレキシブル基板(2−b)では通電回路14bはコネクタ挿入側8に接続される。このように通電回路14a、14bはメッキを形成した後、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)の各々の外形を打ち抜く際に切り離される。その結果、通電回路14a、14bに近い部分の断面(2−a8’)、コネクタ挿入部8はベースフィルムの端面と配線銅箔の端面が同一面となる。よって、第2のフレキシブル基板(2−b)において通電回路に近い部分と反対側(2−b8)がベースフィルム延長側となって、図3に示す如く、第2のフレキシブル基板(2−b)においてベースフィルムの端面を配線銅箔の端面から延長した接続部を実現することが可能となる。
【0052】
図15は、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)に対して、接続部(2−a4),(2−b4)、及びコネクタ挿入部8や半導体チップ部品実装用パッド13に、メッキを形成する際の第2の形状を示す。即ち、はんだメッキ形成用通電回路14c、14bの各々が配線銅箔(2−a1)、(2−b1)の各々の一部に接続される。この場合、図15(b)に示すように、第1のフレキシブル基板(2−a)では通電回路14cは半導体チップ部品実装用パッド13に接続され、図15(a)に示すように、第2のフレキシブル基板(2−b)では通電回路14bはコネクタ挿入側8に接続される。このように通電回路14c、14bはメッキを形成した後、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)の各々の外形を打ち抜く際に切り離される。その結果、通電回路14cに近い部分の断面、及び通電回路14bに近い部分のコネクタ挿入部8の断面はベースフィルムの端面と配線銅箔の端面が同一面となる。よって、第1のフレキシブル基板(2−a)において通電回路14cに近い部分と反対側(2−a8)がベースフィルム延長側となる。
【0053】
ところで、光ピックアップ装置の外周・内周間の往復運動により、フレキシブル基板へ屈曲荷重が負荷される。この時の屈曲点をフレキシブル基板の接続部から外側になるように設計する必要がある。さらに、フレキシブル基板の製造上の制約により、第1及び第2のフレキシブル基板の各々において、はんだメッキを形成する面を表か裏のどちらか一方に集約する必要がある。従って、図14の形態、図15の形態の何れかを選択するかは、上記制約とユーザー要求であるドライブに接続されるコネクタ側の表裏と、半導体チップ部品が実装される内部側の表裏との組み合わせによって最終的に決定される。一方だけのベースフィルムを延長する場合でも、延長しない側の接続部近傍に接着剤11を充填することで、ベースフィルム延長に準じた効果を得ることが可能となる。
【0054】
また、配線パターンの制約がなく、どちらのベースフィルムを延長しても構わない場合には、屈曲による負荷が掛かり易い側と対向するベースフィルムの端面を配線銅箔の端面から延長することで、相対するベースフィルムの補強がより有効となる。
【実施例3】
【0055】
図6は本発明の第3の実施例であり、図3において一方のフレキシブル基板(2−b)だけのベースフィルム(2−b3)の端面が配線銅箔(2−b1)の端面より延長した状態に対して、他方のフレキシブル基板(2−a)もベースフィルム(2−a3)の端面が配線銅箔(2−a1)の端面より延長した状態を示す。はんだ溶融時には、接触しているはんだメッキ(2−a4)、(2−b4)部分だけでなく、配線銅箔(2−a1)、(2−b1)の端面にもはんだが濡れ拡がりフィレットが形成される。
【0056】
この時の位置合わせ方法としては、図13に示すように、接続する第1のフレキシブル基板(2−a)の配線部分(2−a4)と第2のフレキシブル基板(2−b)の配線部分(2−b4)(裏面側)とを重ね合わせたずれから判断して位置合わせを行う。
【0057】
図16は、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)に対して、接続部(2−a4),(2−b4)、及びコネクタ挿入部8や半導体チップ部品実装用パッド13に、メッキを形成する際の第3の形状を示す。即ち、はんだメッキ形成用通電回路14c、14bの各々が配線銅箔(2−a1)、(2−b1)の各々の一部に接続される。この場合、図16(b)に示すように、第1のフレキシブル基板(2−a)では通電回路14cは半導体チップ部品実装用パッド13aに接続され、図16(a)に示すように、第2のフレキシブル基板(2−b)では通電回路14bはコネクタ挿入側8に接続される。このように通電回路14c、14bはメッキを形成した後、分離型フレキシブル基板(2−a)、(2−b)の各々の外形を打ち抜く際に切り離される。その結果、通電回路14cに近い部分の断面、及び通電回路14bに近い部分のコネクタ挿入部8の断面はベースフィルムの端面と配線銅箔の端面が同一面となる。よって、第1のフレキシブル基板(2−a)において通電回路14cに近い部分と反対側(2−a8)と第2のフレキシブル基板(2−b)において通電回路14bに近い部分と反対側(2−b8)とがベースフィルム延長側となる。
【0058】
この構成では、図6に示すように、接続部の配線銅箔(2−a1)、(2−b1)を覆うようにベースフィルム(2−a3)、(2−b3)が介在するため、より強固な補強が可能となり、また、光ピックアップ装置使用期間において、配線銅箔(2−a1)、(2−b1)に異物が付着することで発生する回路のショート不良を更に確実に防止することが可能となる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態によれば、光ディスクドライブ装置における、半導体チップ部品が実装された光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板とドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板との接続部において、少なくとも一方のベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長したことにより、接続部の厚さを増加させることなく薄型化をはかって、接続部の機械的強度を向上させることが可能となった。さらに、補強用の副資材を不要とすることにより、補強の工程や副資材等の費用をなくして総合的な原価アップを防止して低コスト化を実現することが可能になった。
【0060】
また、本実施の形態によれば、相対するフィルム同士の固定に用いる接着剤を熱硬化型を選択することで、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続に用いる加熱ヘッドの熱により同時に接着できるため、工程の増加を抑止することが可能となった。
【0061】
また、本実施の形態によれば、少なくとも一方のベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長した延長部分により、接合した導電部を覆うことで、熱圧着時に利用する加熱ヘッドへの溶融はんだが触れて汚れることを防止し、加熱ヘッドのメンテナンスが容易となる。また、導電部の表面を覆うことで、光ピックアップ装置使用期間において、異物が付着することで発生する回路のショート不良を防止することが可能となる。
【0062】
以上、本実施の形態によれば、光ピックアップ内で、フレキシブル基板同士の接続する際の接続部において、弱い部分を補強・保護しているため、信頼性や耐久性を向上させることが可能となる。さらに、フレキシブル基板に大幅な変更をせずに、部材の補強ができるため光ピックアップ装置全体の低コスト化に寄与することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
現在、光ピックアップ装置に要求される性能として薄型化と、CDのみでなく各種規格に応じたDVDでも再生や記録できるなど高性能化が望まれている。さらに、今後、次世代ディスクを再生・録画するために、青色半導体レーザを組み込んだ3波長互換性のある薄型の光ピックアップ装置が必要になると想定される。
【0064】
本発明によれば、このように想定される薄型の光ピックアップ装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る光ディスクドライブ装置において、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向に端部で分割した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る光ディスクドライブ装置において、分割した第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る、接続部を、少なくとも一方のフレキシブル基板の外側に設けられたベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長して構成し、さらに前記接続部を、光ピックアップ装置本体を保護するための金属製カバーで押し付けして光ピックアップ用ケースに取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る光ピックアップ装置におけるフレキシブル基板の動作を示す側面図である。
【図6】本発明に係る、接続部を、第1及び第2のフレキシブル基板において外側に設けられたベースフィルム端面を銅配線端面より外側に延長して構成し、さらに前記接続部を、光ピックアップ装置本体を保護するための金属製カバーで押し付けして光ピックアップ用ケースに取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る光ピックアップ装置の概略製造工程を示すフロー図である。
【図8】本発明に係る光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板を図示しない位置決め治具に搭載した状態を示す図である。
【図9】図8で示した第1のフレキシブル基板に対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板を位置決めした状態を示す図である。
【図10】図9で示した状態に対して、その接合箇所に接着剤を塗布した状態を示す図である。
【図11】図10で示した状態に対して、その接合箇所に加熱ヘッドを位置決めした後で、加熱ヘッドを所定の温度と時間のパターンに従って加熱することで、はんだが溶融し接合が完了した状態を示す図である。
【図12】本発明に係る第2の実施例において第1のフレキシブル基板の第1の接続端部と第2のフレキシブル基板の第2の接続端部とを重ねて位置合わせする方法の説明図である。
【図13】本発明に係る第3の実施例において第1のフレキシブル基板の第1の接続端部と第2のフレキシブル基板の第2の接続端部とを重ねて位置合わせする方法の説明図である。
【図14】本発明に係る分離型フレキシブル基板に対して、接続部及びコネクタ挿入部や半導体チップ部品実装用パッドに、メッキを形成する際の第1の形状を示す図である。
【図15】本発明に係る分離型フレキシブル基板に対して、接続部及びコネクタ挿入部や半導体チップ部品実装用パッドに、メッキを形成する際の第2の形状を示す図である。
【図16】本発明に係る分離型フレキシブル基板に対して、接続部及びコネクタ挿入部や半導体チップ部品実装用パッドに、メッキを形成する際の第3の形状を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1…光ピックアップ装置本体、2−a…第1のフレキシブル基板、2−a1…配線銅箔(配線導体)、2−a2…カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2−a3…ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2−a4…はんだメッキ(接合材)、2−a8…ベースフィルムの端面を延長した部分、
2−b…第2のフレキシブル基板、2−b1…配線銅箔(配線導体)、2−b2…カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2−b3…ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2−b4…はんだメッキ(接合材)、2−b8…ベースフィルムの端面を延長した部分、
3…光ピックアップケース、4…対物レンズ側上カバー、5…対物レンズ、6…主軸側シャフト、7…副軸側シャフト、8…コネクタ挿入部、9…ドライブ側カバー、10…光ディスクドライブ装置本体、11…接着剤、12…加熱ヘッド、13…半導体チップ部品実装用パッド、14…はんだメッキ形成用通電回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ部品が実装された光ピックアップ装置本体を設けて光ディスクの内周側及び外周側に水平方向に直線的に往復走行される光ピックアップ用ケースを備えた光ディスクドライブ装置において、
第2のフレキシブル基板と分割して製造された、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される第1のフレキシブル基板を前記光ピックアップ装置本体の上面に固定し、
該光ピックアップ装置本体の上面に固定される前記第1のフレキシブル基板における第1の接続端部の配線導体と、ドライブ側のコネクタに挿し込まれ、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される前記第2のフレキシブル基板における第2の接続端部の配線導体とを前記光ピックアップ用ケース上の端近傍において重ね位置合わせをして接合材を用いて接続して構成し、
該接続部において、少なくとも一方のフレキシブル基板の接続端部におけるベースフィルムの端面を前記配線導体の端面より外側に延長して構成したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
半導体チップ部品が実装された光ピックアップ装置本体を設けて光ディスクの内周側及び外周側に水平方向に直線的に往復走行される光ピックアップ用ケースを備えた光ディスクドライブ装置において、
第2のフレキシブル基板と分割して製造された、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される第1のフレキシブル基板を前記光ピックアップ装置本体の上面に固定し、
該光ピックアップ装置本体の上面に固定される前記第1のフレキシブル基板における第1の接続端部の配線導体と、ドライブ側のコネクタに挿し込まれ、ベースフィルムとカバーフィルムとの間に配線導体層を挟んで形成される前記第2のフレキシブル基板における第2の接続端部の配線導体とを前記光ピックアップ用ケース上の端近傍において重ね位置合わせをして接合材を用いて接続して構成し、
該接続部において、前記第1のフレキシブル基板の第1の接続端部におけるベースフィルムの端面を前記配線導体の端面より外側に延長し、前記第2のフレキシブル基板の第2の接続端部におけるベースフィルムの端面を前記配線導体の端面より外側に延長して構成したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記延長する長さを概ね1mm以上とすることを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記第1の接続端部と前記第2の接続端部との間は、接着剤を用いて前記接合材を保護するように固定して構成することを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記接着剤として、熱硬化型接着剤であることを特徴とする請求項4記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項6】
前記接合材は、はんだメッキで形成されることを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項7】
前記第1のフレキシブル基板の配線導体の層数を、前記第2のフレキシブル基板の配線導体の層数よりも多くして形成することを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項8】
前記第2のフレキシブル基板の配線導体を1層で形成し、前記第1のフレキシブル基板の配線導体を複数層で形成することを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項9】
前記接続部を前記光ピックアップ用ケースに取り付けられる該光プックアップ装置本体を保護するためのカバーで押し付けて構成することを特徴とする請求項1または2記載の光ディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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