説明

光ディスク再生装置

【課題】光ディスクがローダに載置されてからデータ再生までの時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】光ディスク再生装置において、ローディング機構100は、光ディスク再生装置の内部への光ディスク2をローディングする。そして、このローディングの最中に、システム制御部17は、光ピックアップ6から光ディスク2にレーザ光5を照射させる。システム制御部17は、光ディスク2からの反射光が最初に検出されると、この反射光の光量に基づき光ディスク2の種類の判別を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク再生装置のなかには、光ディスクのローディング完了後に光ピックアップレンズをアップダウンさせて光ディスクの有無および光ディスクの種類を判別するものがある。このような光ディスク再生装置として、例えば、特許文献1記載の光ディスク再生装置が知られている。この光ディスク再生装置は、光ディスクのローディングの完了後、光ピックアップをアップダウンさせる間に光ディスクの種類を判別する。具体的には、対物レンズをフォーカスアップする間に得られるプルイン信号に基づいて、ローディングした光ディスクの表面反射から光ディスクの記録層反射が検出されるまでの時間長を計測する。この計測結果に基づいて、ローディングした光ディスクがCD(Compact Disc)系であるかDVD(Digital Versatile Disc)系であるか判別する。
【0003】
また、この光ディスク再生装置は、さらに、対物レンズをフォーカスダウンさせる間に得られるフォーカスエラー信号のS字区間のピーク値(反射率)およびその個数を計測し、この計測結果に基づきディスクの詳細な種別を判別する。
【特許文献1】特開2005−259252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の光ディスク再生装置は、光ディスクをローディング(再生可能状態)した後から、光ディスクの種類判別処理に要する時間を短縮可能である。しかし、ローダに光ディスクが載置されてからデータ再生までのトータル時間の短縮化について、何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光ディスク再生装置において、光ディスクがローダに載置されてから、光ディスクの有無または光ディスクの種類を判別するまでの時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置において、光ディスクのローディング中に、光ディスクの種類を判別する。
【0007】
例えば、本発明は、光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置において、
当該光ディスク再生装置の内部に前記光ディスクをローディングするローディング機構と、
前記光ディスクにレーザ光を照射し、前記光ディスクからの反射光を検出する光ピックアップと、
前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング中に、前記光ピックアップから前記レーザ光を前記光ディスクに照射させ、前記光ピックアップにより検出された前記光ディスクからの反射光の光量に基づき前記光ディスクの種類を判別する制御手段と、を有する。
【0008】
ここで、前記ローディング機構の駆動中に、前記光ピックアップが反射光を検出しない場合には、前記制御手段に、前記ローディング機構に光ディスクがセットされていないと判断させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光ディスク再生装置において、光ディスクがローダに載置されてから、光ディスクの有無および光ディスクの種類を判別するまでの時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の概略構成を示す図である。
【0012】
本実施の形態に係る光ディスク再生装置は、光ディスクローディング機構100、光ディスクドライブ400、ドライブコントローラ200、制御部300、および再生処理部(不図示)を有する。これら各部の概要は、以下の通りである。
【0013】
光ディスクローディング機構100は、光ディスク2が載置される移動台(光ディスクローダ)24、装置本体に設けられた光ディスクローダ収容部の奥行き方向Xに沿って光ディスクローダ24に設けられたラックギア26、ラックギア26とかみ合う歯車を回転させるローダモータ25、およびローダモータ25を駆動するローダモータ駆動回路27、を有する。
【0014】
このような構成において、後述のシステム制御部17の制御信号に応じてローダモータ駆動回路27がローダモータ25を双方向に回転駆動すると、光ディスクローダ24は、装置本体に設けられた光ディスクローダ収容部から外部に突出した状態の位置(以下、開位置:図2(a)および図3(a)参照)と、その光ディスクローダ収容部の内部に完全に収容された状態の位置(以下、閉位置:図2(c)及び図3(c)参照)との間を往復移動(前後移動)する。これにより、光ディスクローダ24に載置された光ディスク2は、装置本体内部のターンテーブル1のチャック位置1Aまでローディング、または、その位置1Aから装置外部にアンローディングされる。
【0015】
光ディスクドライブ400は、ローディングされた光ディスク2が載置される載置台(ターンテーブル)1、ターンテーブル1を回転させるスピンドルモータ4、チャック位置1Aの光ディスク2に近づける方向およびその逆方向Zにそってターンテーブル1をスピンドルモータ4とともに往復移動(上下移動)させるスピンドルモータ昇降機構29、およびスピンドルモータ4の回転周波数(単位時間当たりの回転数)を検出するスピンドル回転検出器16、を有する。このような構成により、ドライブコントローラ200が、後述のシステム制御部17の指示に応じてスピンドルモータ昇降機構29およびスピンドルモータ4を駆動すると、ターンテーブル1が、光ディスクローダ24上の光ディスク2をチャッキングして回転、または、回転を停止して光ディスク2を光ディスクローダ24上に開放する。なお、スピンドル回転検出器16の出力は、スピンドルモータ4の回転周波数を一定制御すべくフィードバックされる。
【0016】
また、光ディスクドライブ400は、光ピックアップ6を有している。
【0017】
光ピックアップ6は、ローディングされた光ディスク2に照射するための光ビーム5を発する複数種類のレーザダイオード(例えば、CD用レーザダイオード、DVD用レーザダイオード)、光ビーム5を光ディスク2に集光するための対物レンズ、および光ディスク2で反射した光ビーム(以下、反射光)を検出するための受光素子等の光学部品(不図示)と、ドライブコントローラ200からの制御信号に応じて対物レンズを駆動するアクチュエータ(不図示)と、を備えている。ここで、アクチュエータとしては、例えば、対物レンズを、光軸方向(フォーカス方向)、光ディスク2の半径方向(トラッキング方向)、および、光ディスク2の記録面に対する傾斜方向(チルト方向)に移動させる駆動コイル(フォーカスコイル、トラッキングコイル等)が用いられる。
【0018】
さらに、光ディスクドライブ400は、光ディスク2の半径方向に光ピックアップ6を送る光ピックアップ送り機構として、光ディスク2の半径方向に沿って光ピックアップ6に設けられたラックギア32、ラックギア32にかみ合う歯車を回転させるスライドモータ11、および光ディスク2の内周位置において光ピックアップ6を検出する光ピックアップ内周位置検出器15、を有している。このような構成により、後述のスライドモータ駆動回路10がスライドモータ11を双方向に回転駆動すると、スライドモータ11の回転がラックギア32に伝達し、光ピックアップ内周位置検出器15で光ピックアップ6が検知される位置を初期位置として、光ピックアップ6が光ディスク2の半径方向に往復移動する。
【0019】
ドライブコントローラ200は、電流電圧変換回路7、スピンドルモータ駆動回路3、フォーカス制御回路8、レンズ傾き制御回路28、トラッキング制御回路9、トラッキングオフセット電圧検出回路30、LPF回路13、スライドモータ駆動回路10、EFM信号発生回路31、回転制御信号切換回路23、同期信号抽出回路21、アドレスデータ抽出回路22、およびレーザ切換制御回路(不図示)を有する。
【0020】
電流電圧変換回路7は、光ピックアップ6の受光素子が受光した反射光の光量に応じた光電流信号を電圧信号に変換し、光ディスク2に記録された記録データの変調信号(HF信号)、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を出力する。
【0021】
回転制御信号切換回路23は、スピンドルモータ4の制御に用いる回転制御信号の切り換えを行なう。具体的には、スピンドルモータ4の回転制御に用いる回転制御信号を、同期信号抽出回路21で抽出した回転同期信号、および、スピンドル回転検出器16で検出した回転周波数のいずれに切り換える。例えば、回転周波数が一定になるようにスピンドルモータ4を制御する場合、回転制御信号切換回路23は、スピンドルモータ4の制御に用いる回転制御信号を、スピンドル回転検出器16の出力信号に切り換える。
【0022】
スピンドルモータ駆動回路3は、同期信号抽出回路21が抽出した回転同期信号が回転制御信号として回転制御信号切換回路23から与えられると、その回転同期信号の周波数と内部クロック(図示せず)の周波数を分周した基準同期信号の周波数とを比較し、両周波数が一致するようにスピンドルモータ4の回転を制御する。一方、スピンドル回転検出器16が抽出した回転周波数が回転制御信号として回転制御信号切換回路23から与えられると、スピンドルモータ駆動回路3は、回転周波数が一定となるようにスピンドルモータ4の回転を制御する。
【0023】
EFM信号発生回路31は、EFM生成回路19と積分回路20とにより構成され、電流電圧変換回路7から連続的に出力されるHF信号からEFM信号を生成する。同期信号抽出回路21は、EFM信号発生回路31から出力されるEFM信号からフレーム同期信号を抽出して、このフレーム同期信号を回転同期信号として出力する。
【0024】
LPF回路13は、電流電圧変換回路7から出力されたトラッキングエラー信号の高周波数成分を除去する。スライドモータ駆動回路10は、フィルタ後のトラッキングエラー信号を位相補償および増幅し、その信号に基づいてスライドモータ11を駆動する。これにより、スライドモータ11の回転がラックギア32に伝達して、光ピックアップ6は、光ディスク2の半径方向に移動する。
【0025】
フォーカス制御回路8、トラッキング制御回路9およびレンズ傾き制御回路28は、光ピックアップ6のアクチュエータに駆動信号を与えることにより、光ピックアップ6の対物レンズを3方向に移動させる。これにより、ターンテーブル1上の光ディスク2に対する対物レンズの位置(フォーカス方向の位置、トラッキング方向の位置)および姿勢(光ディスク2の表面に対する傾斜)を制御する。
【0026】
具体的には、フォーカス制御回路8は、光ピックアップ6の対物レンズからの光ビーム5が光ディスク2の反射面に合焦するように、電流電圧変換回路7から出力されるフォーカスエラー信号に基づきフォーカスコイルを駆動する。これにより、対物レンズをフォーカス方向に移動させる。
【0027】
また、トラッキング制御回路9は、光ピックアップ6の対物レンズからの光ビーム5が光ディスク2のピット列に追従するように、電流電圧変換回路7から出力されるトラッキングエラー信号に基づきトラッキングコイルを駆動する。これにより、対物レンズをトラッキング方向に移動させる。
【0028】
また、レンズ傾き制御回路28は、光ディスク2のローディング中、光ディスク2の記録面に対する光ビーム5の入射角が小さくなるように、システム制御部17からの指示に応じてアクチュエータを駆動する。これにより、対物レンズをチルト方向に移動させ、光ディスク2に対する光ピックアップ6の対物レンズの傾きを補正する。
【0029】
トラッキングオフセット電圧検出回路30は、トラッキングエラー信号からトラッキングオフセット電圧TE(Voffset)を検出し、このトラッキングオフセット電圧TEの大きさに応じた補正電圧をトラッキング制御回路9に与える。
【0030】
アドレスデータ抽出回路22は、光ディスク2から読み取られた記録信号から記録データの記録位置を示すアドレスデータを抽出する。例えば、光ディスク2がCD(Compact Disc)である場合、サブコードに記録された時間情報が、このアドレスデータに該当する。光ディスク2の記録データが音楽データ等であれば、この時間情報は、その音楽データの再生に使用可能な物理アドレスに相当する。
【0031】
レーザ切換制御回路は、後述のシステム制御部17の指示に応じて、光ディスク2に照射する光ビーム5の発射に使用するレーザダイオードを切り替える。本実施の形態においては、レーザダイオードを、CD用レーザダイオードからDVD用レーザダイオード、または、DVD用レーザダイオードからCD用レーザダイオードに切り替える。
【0032】
制御部300は、装置全体を制御するシステム制御部17、メモリ部18a、および光ディスク2の判別処理等を実行する演算部18b、を有する。
【0033】
システム制御部17は、例えば、アドレスデータ抽出回路22が抽出したアドレスデータと検索目標アドレスデータとを比較し、その差分に応じて、スライドモータ駆動回路10、スピンドルモータ駆動回路3、フォーカス制御回路8およびトラッキング制御回路9を制御する。これにより、検索目標アドレスデータが示す、光ディスク2の記録面上の位置へ光ピックアップ6を位置付ける。また、システム制御部17は、不図示のローダ開閉指示釦がローダ閉指示を受け付けたことを検知すると、ローダモータ駆動回路27を制御して、開位置にある光ディスクローダ24を閉位置に移動させる。
【0034】
メモリ部18aは、光ディスクローダ24が開位置(図2(a)、図3(a)参照)から装置内部に向かって移動(以下、後方移動)すると、光ディスクローダ24が後方移動し始めたときの時間(以下、ディスクローダ駆動開始時間)と、光ディスクローダ24の後方移動開始後、光ディスク2からの反射光が最初に検出されたときの時間(反射光検出開始開始時間)と、を記憶する。また、メモリ部18aは、光ディスク2からの反射光のレベル、および光ピックアップ6の位置と光ディスク2から抽出するアドレスデータとの対応情報、を記憶する。
【0035】
演算部18bは、光ディスク2からの反射光のレベルに基づき、光ディスク2の有無及び種類の判別を行うとともに、メモリ部18aに記憶されたディスクローダ駆動開始時間と反射光検出開始時間とに基づいて光ディスク2の外径寸法を判別する。また、演算部18bは、メモリ部18a内の対応情報に基づいて、再生位置から検索目標位置までの、光ディスク2の半径方向の距離を演算する。
【0036】
そして、再生処理部は、電流電圧変換回路7から供給される記録データの変調信号に対して再生処理を施して、その再生処理の結果得られるオーディオデータを外部に出力する。
【0037】
次に、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の再生動作について説明する。なお、本実施の形態においては、角速度一定制御(CAV制御)の場合を例に挙げる。
【0038】
図2は、外径12cmの光ディスク2が光ディスクローダ24に載置された場合における、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図であり、(a)は、光ディスクローダ24が開位置に位置付けられた状態を示す側面図、(b)は、光ディスクローダ24が開位置から装置内部に向かって後方移動している状態を示す側面図、(c)は、光ディスクローダ24が閉位置に位置付けられた状態を示す側面図である。
【0039】
図3は、外径8cmの光ディスク2が光ディスクローダ24に載置された場合における、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図であり、(a)は、光ディスクローダ24が開位置に位置付けられた状態を示す側面図、(b)は、光ディスクローダ24が開位置から装置内部へ向かって後方移動している状態を示す側面図、(c)は、光ディスクローダ24が閉位置に位置付けられた状態を示す側面図である。
【0040】
図4、図5および図6は、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【0041】
図2(a)または図3(a)に示すように、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置において、光ディスクローダ24が開位置に位置付けられると(すなわち、装置本体に設けられた光ディスクローダ収容部から外部に突出している状態となると)、システム制御部17は、スライドモータ駆動回路10に制御信号を与えることによりスライドモータ11を駆動する。これにより、光ピックアップ内周位置検出器15が光ピックアップ6を検出するまで(光ピックアップ6の初期位置まで)、光ピックアップ6を移動させて停止させる(ST1)。
【0042】
ここで、ローダ閉指示をローダ開閉釦が受け付けて、ローダ開閉釦から、ローダを閉める指示信号が出力されると、システム制御部17は、この指示信号に応じて、ローダモータ駆動回路27に制御信号を与えることにより、装置内部に向けた、光ディスクローダ24の後方移動を開始させる。あわせて、システム制御部17は、ディスクローダ駆動開始時間等を計測するタイマーを起動させる(ST2)。また、システム制御部17は、レンズ傾き制御回路28を制御し、光ディスク2の記録面に光ピックアップ6からの光ビーム5が垂直に入射するように光ピックアップ6の対物レンズの傾きを補正制御する(ST3)。
【0043】
光ディスクローダ24が装置内部に向かって後方移動している間に、フォーカス制御回路8は、システム制御部17の指示に応じて、三角波の駆動電圧を光ピックアップ6のフォーカスコイルに印加する。これにより、光ピックアップ6の対物レンズを光ビーム5の光軸方向に往復移動させる(ST4)。
【0044】
次に、システム制御部17は、光ピックアップ6の対物レンズを往復移動させている間、光ピックアップ6からの光ビーム5が光ディスク2で反射したか否かを検出する(ST5)。
【0045】
ここで、光ディスク2からの反射光が検出されないときは、ディスクローダ24の後方移動が完了したか否かを判断する(ST6−1)。その結果、光ディスクローダ24の後方移動が完了していない場合、システム制御部17は、ST5以降の処理を再度実行する。また、光ディスクローダ24の後方移動が完了している場合(光ディスクローダ24が閉位置に到達した場合)、システム制御部17は、光ディスク2が光ディスクローダ24に載置されていないと判断する(ST7)。
【0046】
一方、光ディスク2からの反射光が検出されたときに、システム制御部17は、この反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものであるか否かを判断する(ST6−2)。すなわち、図2(b)または図3(b)に示すように、光ディスクローダ24が後方移動して、光ディスクローダ2に載置された光ディスク2の後端部(進行方向側の端部)が光ビーム5の照射位置に位置付けられたときの反射光であるか否かを判断する(ST6−2)。
【0047】
反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものである場合、システム制御部17は、このときの時間を、反射光検出開始時間としてメモリ部18bに記憶するよう制御する(ST6−3)。さらに、システム制御部17は、光ディスクローダ24の後方移動が完了しているか否かを判断し(ST6−5)、後方移動が完了していなければ、ST5に戻って反射光の検出を継続して行い、後方移動が完了していれば、ST8(図5)に進む。
【0048】
また、反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものでない場合、システム制御部17は、光ピックアップ6の対物レンズを上下させている間に、レーザ切換制御回路を制御して、光ビーム5の照射に使用するレーザダイオードを、CD用レーザダイオードとDVD用レーザダイオードとの間で適時に切り換えながら、反射光を電流電圧変換回路7で変換した場合の信号レベルを計測する(ST6−4)。そして、システム制御部17は、この信号レベルにより、光ディスク2がCDであるかDVDであるか判別する(ST6−6)。
【0049】
そして、光ディスクの種類判別が終了したら、システム制御部17は、光ディスクローダ24の後方移動が完了しているか否かを判断し(ST6−5)、後方移動が完了していなければ、ST5に戻って反射光の検出を継続して行い、後方移動が完了していれば、ST8(図5)に進む。
【0050】
さて、光ディスクローダ24の後方移動が完了すると、システム制御部17は、ローダモータ駆動回路10を制御して、ローダモータ25の駆動を停止する。これにより、光ディスク2の中心孔がターンテーブル1のチャック位置1Aに位置付けられる。このときあわせて、システム制御部17は、ディスクローダ駆動開始時間等を計測するためのタイマーを停止する(ST8)。
【0051】
その後、演算部18bは、システム制御部17の指示に応じて、メモリ部18aに記憶したディスクローダ駆動開始時間と反射光検出開始時間とに基づいて、光ディスクローダ24が後方移動を始めてから、光ディスク2からの反射光を最初に検出したときまでの時間長を算出する(ST9)。
【0052】
システム制御部17は、演算部18bの算出結果とあらかじめ定めた一定時間(基準時間)とを比較し、その比較結果に応じて、光ディスクローダ24上の光ディスク2の外径を判別する。具体的には、システム制御部17は、演算部18bの算出結果が基準時間以下である場合に光ディスク2を外径12cmのディスクと判別し(ST12)、演算部18bの算出結果が基準時間よりも大きい場合に光ディスク2を外径8cmのディスクと判別する(ST11)。ここで用いる基準時間は、例えば、以下のように定めることができる。
【0053】
外径12cmの光ディスク2をディスクローダ24に載置したときの、光ディスク2の後端部から光ビーム5までの距離(図2(a)におけるA)よりも、図3(a)に示すように、外径8cmの光ディスク2をディスクローダ24に載置したときの、光ディスク2の後端部から光ビーム5までの距離(図3(a)におけるB)は長くなる。このため、光ディスクローダ24が一定速度で後方移動する場合、図2(b)および図3(b)に示すように、光ディスクローダ24の後方移動が開始してから、光ディスク2の後端部の位置が光ビーム5の照射位置に到達するまでの時間(すなわち、光ディスクローダ24の後方移動が開始してから、光ディスク2からの反射光を最初に検出するまでの時間)は、光ディスクローダ24に外径12cmの光ディスク2が載置されている場合よりも、光ディスクローダ24に外径8cmの光ディスク2が載置されている場合のほうが長い。そこで、光ディスクローダ24の後方移動開始から、外径12cmの光ディスク2からの最初の反射光検出までに要する平均時間と、光ディスクローダ24の後方移動開始から、外径8cmの光ディスク2からの最初の反射光検出までに要する平均時間との中間の値を、基準時間として用いることにより、光ディスク2の外径が12cmであるか8cmであるかの判別を行うことができる。例えば、光ディスクローダ24の後方移動開始から、外径12cmの光ディスク2からの最初の反射光検出までの平均時間が3秒、光ディスクローダ24の後方移動開始から、外径8cmの光ディスク2からの最初の反射光検出までの平均時間が5秒である場合には、3秒+5秒)/2=4秒を基準時間として用いる。
【0054】
このようにして光ディスク2の外径判別が完了したら、システム制御部17は、スピンドルモータ昇降機構29によってスピンドルモータ4を上昇させる。これにより、図2(c)または図3(c)に示すように、光ディスク2の中心孔がターンテーブル1にチャッキングされる(ST13)。
【0055】
このようにして光ディスク2がデータ再生可能な状態になると、スピンドルモータ4の回転が停止している状態で、光ディスク2のデータ再生処理を開始する(図6)。
【0056】
まず、フォーカス制御回路8は、システム制御部17の指示に応じて、三角波の駆動電圧を光ピックアップ6のフォーカスコイルに印加して、光ピックアップ6の対物レンズを、光ディスク2から離れる方向に移動させる(ST14)。
【0057】
その後、スピンドルモータ駆動回路3は、システム制御部17の指示に応じて、モータ駆動電圧をスピンドルモータ駆動回路3に印加して、スピンドルモータ4を回転させる(ST15)。スピンドルモータ4の回転が開始すると、フォーカス制御回路8は、システム制御部17の指示に応じて、三角波の駆動電圧を光ピックアップ6のフォーカスコイルに印加して、光ピックアップ6の対物レンズを、光ディスク2に近づく方向に移動させる(ST16)。システム制御部17は、この間に電流電圧変換回路7から出力されるフォーカスエラー信号から合焦点を検出すると(ST17)、フォーカス制御回路8をオンし、電流電圧変換回路7から出力されるフォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボを作動させる(ST18)。
【0058】
その後、スライドモータ駆動回路10は、システム制御部17の指示に応じて、スライドモータ11を回転させて、光ピックアップ6を光ディスク2の外周方向に移動させる。光ピックアップ6の移動中、トラッキングオフセット電圧検出回路30は、光ビーム5が光ディスク2のトラックを横切ったときに得られるトラッキングエラー信号の波形のピーク電圧TE(Vp−p)を検出し、さらに、ピーク電圧TE(Vp−p)の中心値と0ボルトとの差から求められるトラッキングオフセット電圧TE(Voffset)を検出する。そして、トラッキングオフセット電圧検出回路30は、検出したトラッキングオフセット電圧TE(Voffset)の大きさに対応した補正電圧をトラッキング制御回路9に加えるとともに、検出したトラッキングオフセット電圧TE(Voffset)のデータをシステム制御部17に出力する。システム制御部17は、このトラッキングオフセット電圧TE(Voffset)が表すデータをメモリ部18aに記憶させる(ST19)。
【0059】
システム制御部17は、トラッキングオフセット電圧TE(Voffset)の検出後、トラッキング制御回路9をオンにして、電流電圧変換回路7から出力されるトラッキングエラー信号に基づくトラッキングサーボを作動させる(ST20)。
【0060】
このようにしてフォーカス制御回路8およびトラッキング制御回路9がオンになり、その結果、光ピックアップ6が検出するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の信号レベルが予め定めた範囲内になると、光ディスク2に記録された記録データが検出され、記録データの変調信号が電流電圧変換回路7から連続的に出力される。これにより、同期信号抽出回路21は、EFM信号発生回路31から出力されるEFM信号からフレーム同期信号を抽出し、回転同期信号として出力する(ST21)。
【0061】
システム制御部17は、光ディスク2からの回転同期信号が同期信号抽出回路21で抽出されたときに、スライドモータ駆動回路10をオンにして、LPF回路13からの出力信号に基づくスライドサーボを作動させる。あわせて、システム制御部17は、スピンドルモータ11をCAV制御するため、回転制御信号切換回路23を制御し、スピンドルモータ駆動回路3に与える制御信号を、スピンドル回転検出器16からの出力信号に切り換える。スピンドルモータ駆動回路3は、この制御信号に応じて、回転周波数を一定にするようにスピンドルモータ4の回転制御を行う(ST22)。
【0062】
さらに、システム制御部17は、フォーカスゲイン調整(ST23)およびトラッキングゲイン調整(ST24)を実行したのち、アドレスデータ抽出回路22から、光ディスク2上における光ビーム5の現在位置を表すアドレスデータを得る(ST25)。そして、演算部18bが、現在位置を表すアドレスデータと検索目標位置を表すアドレスデータとを比較し(ST26)、両アドレスデータが一致していれば、システム制御部17が、再生を開始する(ST28)。また、両アドレスデータが一致していなければ、演算部18bが、メモリ18a内の対応情報に基づき、現在位置から検索目標位置までの、光ディスク2の半径方向の距離を算出し、システム制御部17が、その算出結果に基づきスライドモータ駆動回路10およびトラッキング制御回路9を制御して、光ピックアップ6を、検索目標位置に移動させる(ST27)。そして、再生処理部は、電流電圧変換回路7から供給される記録データの変調信号に対して再生処理を施して、その再生処理の結果得られるオーディオデータを出力する。
【0063】
以上の構成により、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置は、光ディスク2に記録されたデータを再生する。
【0064】
本発明の第1実施例の光ディスク再生装置は、光ディスクローダ24のローディング中(装置内部へ向かって後方移動中)に光ディスク2の種類を判別するので、従来の光ディスク再生装置のように、光ディスクのローディングが完了してから光ディスクの種類の判別をする場合よりも、光ディスクローダに光ディスクがセットされてからデータ再生までの時間を短縮することができる。
【0065】
また、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置は、光ディスクローダ24のローディング中に、光ディスク2の有無および光ディスク2の外径を判別するので、従来の光ディスク再生装置のように、光ディスクのローディングが完了してから光ディスクの有無および外径を判別する場合よりも、光ディスクローダに光ディスクがセットされてからデータ再生までの時間を短縮することができる。
【0066】
さらに、光ディスク2の有無や光ディスク2の外径を判別するためのセンサを必要としないので、装置のコストを低減することもできる。
【0067】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0068】
例えば、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置は、図4のST6−6に示すように、レーザの種類を切り替えることによって光ディスク2がCD系であるかDVD系であるか判別する構成としたが、特開2005-259252号公報に開示されているように、光ディスクにレーザを照射して光ディスクの表面反射から光ディスクの記録層反射が検出されるまでの時間長に基づいて光ディスクの種類がCD系であるかDVD系であるかの判別するようにしてもよい。
【0069】
また、本発明の第1実施例の光ディスク再生装置は、光ディスク2の外径が12cmであるか8cmであるかを判別する構成としたが、他の外径寸法の光ディスク2を同様の構成によって判別するようにしてもよい。
【0070】
次に、本発明の光ディスク再生装置の第2実施例について説明する。
【0071】
第2実施例における光ディスク再生装置は、光ディスクの構成及び後述するディスク情報読取部の構成以外は、第1実施例の構成と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
図7は、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の概略構成を示す図である。
本発明の第2実施例の光ディスク再生装置は、先に説明した第1実施例の光ディスク再生装置の構成に加え、ディスク情報読取部32を備える。本発明の第2実施例の光ディスク再生装置においては、このディスク情報読取部32を備える構成以外の構成については、第1実施例で説明した図1に示す構成と同じであるため、同符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0073】
ディスク情報読取部32は、装置内部における光ディスクローダ24の上方であって装置本体の前方部分となる位置に配設され、後述する光ディスク2に備えるディスク情報記録ICタグに記録されたディスクの種類を示す情報を読み取る。
【0074】
図8は、本発明の第2実施例における光ディスク2の構成を示す図である。
【0075】
光ディスク2は、記録面と反対の表面の外周部分にディスク情報記録ICタグ33(ディスク情報記録部)を備える。ディスク情報記録ICタグ33は、図8に示すように、光ディスク2の中心に対して対称となる2の位置にそれぞれ備える。これは、光ディスク2がスピンドルモータ4によって回転した際に、ディスク情報記録ICタグ33によってディスクが偏心してしまうのを防止するためである。本実施例においては、光ディスク2の中心に対して対称となる2の位置にディスク情報読取部32を備える構成としたが、光ディスク2を回転させた場合に偏心が生じないのであれば、1つでも構わないし、また、光ディスク2の中心に対して扇状に3以上のディスク情報記録ICタグ33を備えるようにしても良い。
【0076】
ディスク情報記録ICタグ33は、光ディスク2の種類がCD系であるかDVD系であるかを示す情報と、光ディスク2の外径が8cmのディスクであるか12cmであるかを示す情報が記録されている。なお、ディスク情報記録ICタグ33は、これらの情報以外にも、ディスクを構成する記録層が1層であるか2層であるかを示す情報や、ハイブリッド層を有するか否かの情報、タイトル名やコピープロテクションなどの著作権情報を示す情報等が記録されていても良い。
【0077】
図9は、光ディスク2が光ディスクローダ24に載置された場合における、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図であり、(a)は、光ディスクローダ24が開位置に位置付けられた状態を示す側面図、(b)は、光ディスクローダ24が開位置から装置内部に向かって後方移動している状態を示す側面図、(c)は、光ディスクローダ24が閉位置に位置付けられた状態を示す側面図である。
【0078】
図10は、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【0079】
図9(a)に示すように、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置において、光ディスクローダ24が開位置に位置付けられると(すなわち、装置本体に設けられた光ディスクローダ収容部から外部に突出している状態となると)、システム制御部17は、スライドモータ駆動回路10に制御信号を与えることによりスライドモータ11を駆動する。これにより、光ピックアップ内周位置検出器15が光ピックアップ6を検出するまで(光ピックアップ6の初期位置まで)、光ピックアップ6を移動させて停止させる(ST29)。
【0080】
図9(a)に示すように、使用者が光ディスク2を光ディスクローダ24に載置する場合には、ディスク情報記録ICタグ33が上面となるようにし、かつ、ディスク情報記録ICタグ33が装置本体の方向となるように載置する。
【0081】
ここで、ローダ閉指示をローダ開閉釦が受け付けて、ローダ開閉釦から、ローダを閉める指示信号が出力されると、システム制御部17は、この指示信号に応じて、ローダモータ駆動回路27に制御信号を与えることにより、装置内部に向けた、光ディスクローダ24の後方移動を開始させる。あわせて、システム制御部17は、ディスクローダ駆動開始時間等を計測するタイマーを起動させる(ST30)。
【0082】
光ディスクローダ24が装置内部に向かって後方移動している間、システム制御部17は、光ディスク2のディスク情報記録ICタグ33に記録されているディスクの種類を示す情報(ディスク情報)の読み取りを開始するようディスク情報読取部32を制御する。ディスク情報読取部32は、システム制御部17の制御により、ディスク情報記録ICタグ33に記録されたディスク情報の読み取りを開始する(ST31)。ここで、システム制御部17は、ディスク情報読取部32によるディスク情報が読み取れたか否かを判別し(ST32)、ディスク情報が読み取れた場合はST33に移行し、読み取れない場合はST34に移行する。
【0083】
ST32において、ディスク情報読取部32によってディスク情報記録ICタグ33に記録されているディスク情報が読み取れた場合、システム制御部17は、この読み取ったディスク情報をメモリ部18aに記憶する(ST33)。そして、システム制御部17は、メモリ部18aに記憶した光ディスク2の種類がCD系であるかDVD系であるかを示す情報と、光ディスク2の外径が8cmのディスクであるか12cmであるかを示す情報に基づいて、光ディスク2を再生するよう制御を行い、第1実施例で説明した動作と同様に図5に示すST8に進む。以降の動作については、第1実施例の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0084】
ST32において、ディスク情報読取部32がディスク情報記録ICタグ33に記録されているディスク情報を読み取れない場合、システム制御部17は、光ディスクローダ24が装置内部に向かって移動し始めてからディスク情報記録ICタグ33がディスク情報読取部32の下方を通過したと推定Dされる一定時間、例えば、1秒が経過したか否かを判別し(ST34)、1秒が経過していない場合は、ST32に戻る。
【0085】
ST34において、1秒が経過したと判別した場合、システム制御部17は、レンズ傾き制御回路28を制御し、光ディスク2の記録面に光ピックアップ6からの光ビーム5が垂直に入射するように光ピックアップ6の対物レンズの傾きを補正制御する(ST35)。
【0086】
フォーカス制御回路8は、システム制御部17の指示に応じて、三角波の駆動電圧を光ピックアップ6のフォーカスコイルに印加する。これにより、光ピックアップ6の対物レンズを光ビーム5の光軸方向に往復移動させる(ST36)。
【0087】
次に、システム制御部17は、光ピックアップ6の対物レンズを往復移動させている間、光ピックアップ6からの光ビーム5が光ディスク2で反射したか否かを検出する(ST37)。
【0088】
ここで、光ディスク2からの反射光が検出されないときは、ディスクローダ24の後方移動が完了したか否かを判断する(ST38−1)。その結果、光ディスクローダ24の後方移動が完了していない場合、システム制御部17は、ST37以降の処理を再度実行する。また、光ディスクローダ24の後方移動が完了している場合(光ディスクローダ24が閉位置に到達した場合)、システム制御部17は、光ディスク2が光ディスクローダ24に載置されていないと判断する(ST39)。
【0089】
一方、光ディスク2からの反射光が検出されたときに、システム制御部17は、この反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものであるか否かを判断する(ST38−2)。すなわち、図9(b)に示すように、光ディスクローダ24が後方移動して、光ディスクローダ2に載置された光ディスク2の後端部(進行方向側の端部)が光ビーム5の照射位置に位置付けられたときの反射光であるか否かを判断する(ST38−2)。
【0090】
反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものである場合、システム制御部17は、このときの時間を、反射光検出開始時間としてメモリ部18bに記憶するよう制御する(ST38−3)。さらに、システム制御部17は、光ディスクローダ24の後方移動が完了しているか否かを判断し(ST38−5)、後方移動が完了していなければ、ST5に戻って反射光の検出を継続して行い、後方移動が完了していれば、
第1実施例で説明したのと同様にS8(図5)に進む。以降の動作については、第1実施例の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0091】
また、反射光が、光ディスクローダ24の後方移動開始後、最初に検出されたものでない場合、システム制御部17は、光ピックアップ6の対物レンズを上下させている間に、レーザ切換制御回路を制御して、光ビーム5の照射に使用するレーザダイオードを、CD用レーザダイオードとDVD用レーザダイオードとの間で適時に切り換えながら、反射光を電流電圧変換回路7で変換した場合の信号レベルを計測する(ST38−4)。そして、システム制御部17は、この信号レベルにより、光ディスク2がCDであるかDVDであるか判別する(ST38−6)。
【0092】
そして、光ディスクの種類判別が終了したら、システム制御部17は、光ディスクローダ24の後方移動が完了しているか否かを判断し(ST38−5)、後方移動が完了していなければ、ST37に戻って反射光の検出を継続して行い、後方移動が完了していれば、第1実施例で説明した動作と同様に図5に示すST8に進む。以降の動作については、第1実施例の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
以上の構成により、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置は、光ディスク2に備えるディスク情報記録ICタグ33に記録されているディスク情報を読み取ることができた場合は、この読み取った情報に基づいて、光ディスク2の種類がCD系であるかDVD系であるかを判別すると共に、光ディスク2の外径が8cmのディスクであるか12cmであるかを判別することができる。このことにより、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置は、光ディスクローダ24が装置内部に向かって移動し始めた段階で光ディスク2の種類を判別することができるので、第1実施例で説明したように、ディスクローダ駆動開始時間と光ピックアップ6による反射光検出開始時間とに基づいて光ディスクの外径を判別する場合よりも短い時間で光ディスクの種類を判別でき、これにより、第1実施例で説明したディスクの種類の判別の場合よりも、光ディスクローダ24に光ディスク2がセットされてからデータ再生までの時間を更に短縮することができる。
【0094】
また、本発明の第2実施例の光ディスク再生装置は、光ディスクローダ24に載置された光ディスク2がディスク情報記録ICタグ33を備えていない場合であっても、ディスク情報読取部32によって光ディスクローダ24が後方に移動し始めてから1秒以内にディスク情報記録ICタグ33の情報が読み取れないと判断した後、第1実施例で説明したのと同様に、光ディスクローダ24が装置内部に向かって移動する間に光ディスク2の外径及び種類を判別するので、従来の光ディスク再生装置のように、光ディスクのローディングが完了してから光ディスクの外径及び種類の判別をする場合よりも、光ディスクローダに光ディスクがセットされてからデータ再生までの時間を短縮することができる。
【0095】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0096】
本発明の第2実施例の光ディスク再生装置は、先ず、ディスク情報読取部32がディスク情報記録ICタグ33に記録されているディスク情報を読み取ろうと試み、光ディスクローダ24が後方に移動し始めてから1秒以内にディスク情報読取部32がディスク情報を読み取ることができない場合、光ピックアップ6が光ビーム5を光ディスク2に照射させて光ディスク2の外径及び種類を判別する構成としたが、ディスク情報読取部32によるディスク情報の読み取りと光ピックアップ6による光ビーム5の照射を同時に行い、光ディスク2の外径及び種類をより早く判別できた方の判別結果に基づいて光ディスクを再生させる構成としてもよい。このことにより、光ディスクをさらに迅速に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図。
【図3】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図。
【図4】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図。
【図5】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図。
【図6】本発明の第1実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図。
【図7】本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の概略構成を示す図。
【図8】本発明の第2実施例における光ディスク2の構成を示す図。
【図9】本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の動作を示す図。
【図10】本発明の第2実施例の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0098】
1:ターンテーブル、2:光ディスク、3:スピンドルモータ駆動回路、4:スピンドルモータ、5:光ビーム、6:光ピックアップ、7:電流電圧変換回路、8:フォーカス制御回路、9:トラッキング制御回路、10:スライドモータ駆動回路、11:スライドモータ、13:LPF、15:光ピックアップ内周位置検出器、16:スピンドル回転検出器、17:システム制御部、18a:メモリ部、18b:演算部、19:EFM生成回路、20:積分回路、21:同期信号抽出回路、22:アドレスデータ抽出回路、23:回転制御信号切換回路、24:光ディスクローダ、25:ローダモータ、26:ラックギア、27:ローダモータ駆動回路、28:レンズ傾き制御回路、29:スピンドルモータ昇降機構、30:トラッキングオフセット電圧検出回路、31:EFM信号発生回路、
50:対物レンズ、60:光ピックアップ、61:レーザーA駆動回路、62:レーザーB駆動回路、71:レーザーA照射部、72:レーザーB照射部、81:レーザーA偏光板、82:レーザーB偏光板、91:光電変換回路、92:光電変換回路、100:信号切換え回路、32:ディスク情報読取部、33:ディスク情報記録ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置において、
当該光ディスク再生装置の内部に前記光ディスクをローディングするローディング機構と、
前記光ディスクにレーザ光を照射し、前記光ディスクからの反射光を検出する光ピックアップと、
前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング中に、前記光ピックアップから前記レーザ光を前記光ディスクに照射させ、前記光ピックアップにより検出された前記光ディスクからの反射光の光量に基づき前記光ディスクの種類を判別する制御手段と、
を備えることを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク再生装置において、
前記制御手段は、
前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング開始から、前記光ピックアップによる前記反射光の検出開始までの時間を算出し、当該時間の長さに基づいて前記光ディスクの外径寸法を判別することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光ディスク再生装置であって、
前記制御手段は、前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング中に、前記光ディスクに照射される前記レーザ光の種類を切り換えて、前記光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項4】
請求項1、2および3のうちのいずれか1項に記載の光ディスク再生装置であって、
前記制御手段は、前記ローディング機構の駆動中に、前記光ピックアップが反射光を検出しない場合には、前記ローディング機構に光ディスクがセットされていないと判断することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の光ディスク再生装置であって、
前記光ディスクは、表面にディスクの種類を示す情報が記録されたディスク情報記録部を備え、
前記光ディスク再生装置は、前記ディスク情報記録部に記録されたディスクの種類を示す情報を読み取るディスク情報読取部を備え、
前記制御手段は、前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング中に、前記ディスク情報読取部により前記ディスク情報記録部の情報を読み取った場合、当該読み取った情報に基づいて前記光ディスクの種類を判別し、前記ディスク情報読取部により前記ディスク情報記録部の情報を読み取れない場合、前記光ピックアップにより検出された前記光ディスクからの反射光の光量に基づき前記光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の光ディスク再生装置であって、
前記光ディスクは、表面にディスクの種類を示す情報が記録されたディスク情報記録部を備え、
前記光ディスク再生装置は、前記ディスク情報記録部に記録されたディスクの種類を示す情報を読み取るディスク情報読取部を備え、
前記制御手段は、前記ローディング機構による前記光ディスクのローディング中に、前記ディスク情報読取部により前記ディスク情報記録部の情報を読み取るよう試みると共に前記光ピックアップにより検出された前記光ディスクからの反射光の光量に基づき前記光ディスクの種類を判別するよう試み、前記ディスク情報読取部により読み取った情報または前記光ピックアップにより検出された前記光ディスクからの反射光の光量に基づき前記光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−238343(P2009−238343A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85610(P2008−85610)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】