説明

光ディスク装置

【課題】ピ二オンをトレイの前後ラックと横移動部材の左右ラックとにスムーズに乗り継いで噛合させる。
【解決手段】光ディスク挿脱位置と光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイ14と、ターンテーブル22及び光ピックアップ24をトラバースベース21上に支持し且つ上昇位置と下降位置との間を上下動するトラバースメカ20と、トラバースメカ20を上下動させるためにトレイ14の移動方向に対して直交する左右方向に往復動する横移動部材29と、トレイ14の前後ラック14fと横移動部材29の左右ラック29eとを乗り継いで噛合するピニオン36と、を備えた光ディスク装置10において、ピニオン36は、前後ラック14fに噛合する大径平歯車部36aと、左右ラック29eに噛合する小径平歯車部36bとを同軸的に一体形成すると共に、大径平歯車部36aと小径平歯車部36bの各歯数が同じで両平歯車部のモジュールを異ならせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンテーブル及び光ピックアップをトラバースベース上に支持し且つ記録再生時の上昇位置と退避時の下降位置との間を上下動するトラバースメカをメインベース内に取り付けると共に、メインベースの前方に突出した光ディスク挿脱位置とメインベース内に収納された光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイをメインベースの上方部位に取り付けた際に、トラバースメカとトレイとをメインベース上に取り付けた共通の駆動源を用いて駆動する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスク装置の普及はめざましく、多用されているものの、記録時間短縮のための高倍速記録、及び、操作性向上を目的としたトリックプレイのための高速度再生等のために、光ディスク記録再生速度の高速化が進んでいる。また、安価な光ディスクを使用するために、面振れ、偏重心に強い機構が必要とされ、高速度回転時に光ディスクの保持を確実にすると同時に動作音を小さくすることが求められている。
【0003】
この種の光ディスク装置には各種の構造形態があるものの、従来例として、光ディスクを搭載して回転するターンテーブルと光ディスクの径方向に移動自在な光ピックアップとをトラバースベース上に支持し且つ記録再生時の上昇位置と退避時の下降位置との間を上下動するトラバースメカと、光ディスクを挿脱するためにメインベースの前方に突出した光ディスク挿脱位置と光ディスクに対して記録再生するためにメインベース内に収納された光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイとを、メインベース上に取り付けたモータを介して正逆転する一つのピニオンを用いて駆動するように構成したディスクプレーヤがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−7551号公報
【0004】
図12は従来のディスクプレーヤを示した平面図、
図13(a)〜(e)は従来のディスクプレーヤにおいて、ピニオンがトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに乗り継いで噛合する状態を摸式的に示した図である。
【0005】
図12に示した従来のディスクプレーヤ100は、上記した特許文献1(特公平7−7551号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0006】
図12に示した如く、従来のディスクプレーヤ100では、メインベース101内で互い直交するX軸,Y軸で形成される矩形上の平面上に光ディスク記録再生用のトラバースメカ102がメインベース101とトラバースベース103の各後方左右部位に設けた不図示の支点を中心にして上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0007】
上記したトラバースメカ102は、トラバースベース103の前方側に不図示の光ディスクを搭載して回転するターンテーブル104が取り付けられていると共に、トラバースベース103の矩形孔103a内に光ピックアップユニット105が光ディスクの径方向に移動自在に取り付けられている。
【0008】
また、メインベース101内の前方部位には、横移動部材106が左右方向(矢印Y3,Y4方向)に移動自在に取り付けられている。この横移動部材106は、Y軸方向に沿って左右ラック106aが形成され、且つ、上面に後述するトレイ107のカム溝107bに進退自在に嵌合するボス106bが植設されていると共に、紙面に垂直な面にトラバースベース103の前方側に横設したボス(図示せず)と嵌合してトラバースメカ102全体を上下動させるカム溝(図示せず)が形成されている。
【0009】
そして、横移動部材106が矢印Y3方向に移動した時には、トラバースメカ102が下方に向かって回動するのでトラバースメカ102が後述するトレイ107から退避した下降位置に至る一方、横移動部材106が矢印Y4方向に移動した時には、トラバースメカ102が上方に向かって回動するのでトラバースメカ102が光ディスクに対して記録再生する上昇位置に至るようになっている。
【0010】
また、メインベース101の上方部位には、トレイ107が前後方向(矢印X1,X2方向)に移動自在に取り付けられており、トレイ107が矢印X1方向に移動してメインベース101の前方に突出した時に光ディスクを挿脱する光ディスク挿脱位置に至る一方、トレイ107が矢印X2方向に移動してメインベース101内に収納された時に光ディスクに対して記録再生する光ディスク記録再生位置に至るようになっている。
【0011】
この際、トレイ107の裏面には、横移動部材106の近傍にX軸方向に沿って前後ラック107aが横移動部材106の左右ラック106aと直交して長尺に形成され、且つ、トレイ107の裏面前方中央部位に45°傾斜溝部107b1とY軸方向溝部107b2とを連接させたカム溝107bが形成されていると共に、前後ラック107aの近傍に後述する縦横ラック乗り継ぎ機構114が接離するためのストッパ片107cが形成されている。
【0012】
また、メインベース101内の前方部位でトレイ107の下方には、モータ108の軸に固着した第1プーリ109,ベルト110,第2プーリ111,ギヤ列112を介してピニオン113が正逆転可能に軸支されている。
【0013】
更に、ピニオン113の近傍で、横移動部材106の左右ラック106aとトレイ107の前後ラック107aとの交点近傍に縦横ラック乗り継ぎ機構114が配設されており、この縦横ラック乗り継ぎ機構114は上記した各ラック106a,107aの一方から他方へピニオン113を乗り継がせる機能を有している。
【0014】
そして、上記構成による従来のディスクプレーヤ100では、トレイ107の前後ラック107aとピニオン113との噛合でトレイ107が光ディスク挿脱位置から中間位置まで移動し、次に、縦横ラック乗り継ぎ機構114によりピニオン113はトレイ107の前後ラック107aに代って横移動部材106の左右ラック106aに噛合し、これにより横移動部材106のボス106bがトレイ107のカム溝107bに進入してトレイ10を中間位置から光ディスク記録再生位置まで移動して固定されると共に、横移動部材106はターンテーブル104及びピックアップユニット105を上昇せしめるように動作するので、トレイ107の為の駆動系部品への負担が軽くなり、ディスクプレーヤ100の小型化を図れる旨が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上記した従来のディスクプレーヤ100において、トレイ107は、図13(a)に示した光ディスク挿脱位置側と、図13(e)に示した光ディスク記録再生位置側との間を往復動可能になっている。
【0016】
この際、トレイ107が、図13(a)〜図13(e)、又は、図13(e)〜図13(a)に向かって順に移動して、一つのピニオン113がトレイ107の前後ラック107aから横移動部材106の左右ラック106a、又は、横移動部材106の左右ラック106aからトレイ107の前後ラック107aに乗り継ぎ、この動作に伴って、横移動部材106の上面に植設したボス106bがトレイ107の裏面に形成したカム溝107b内に進退する時に、トレイ107の裏面に形成したカム溝106bは前述したように45°傾斜溝部107b1とY軸方向溝部107b2とが連接されているために、トレイ107の移動と横移動部材106の移動とに協働して横移動部材106の上面に植設したボス106bがトレイ107の裏面に形成したカム溝106bの45°傾斜溝部107b1内を進退するが、この進退時に45°傾斜溝部107b1は傾斜が急峻なために大きな衝撃力が加わり動作音が大きくなってしまうという問題点が生じている。
【0017】
更に、ピニオン113によりトレイ107を前後方向に移動させ、且つ、横移動部材106を左右方向に移動させる際に、縦横ラック乗り継ぎ機構114を設けなければならないのでラック切り換え構造が複雑となっている。
【0018】
そこで、ピ二オンをトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに簡単な機構でスムーズに乗り継いで噛合させることができ、且つ、ディスククランプ解除力とトラバースメカの上下動時の駆動力を大きくすることができると共に、横移動部材の上面に植設したボスがトレイの裏面に形成したカム溝に嵌合する時に衝撃力がなく動作音を小さくして品位のある光ディスク装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、メインベースと、
上面に裸の光ディスク及び光ディスクを収納したディスクカートリッジの少なくとも一方を載置する載置部を有し、且つ、裏面に前後ラックとカム溝とを有し、前記メインベースの前方に突出した光ディスク挿脱位置と該メインベース内に収納された光ディスク記録再生位置との間を前後方向に往復動するトレイと、
前記メインベース内に設けられ、ターンテーブル及び光ピックアップユニットをトラバースベース上に支持し且つ記録再生時の上昇位置と退避時の下降位置との間を上下動するトラバースメカと、
前記トレイの往復動に伴って該トレイの前記カム溝内に進退するボスと、前記トラバースメカを上下動させるカム溝と、前記トレイの前記前後ラックに対して直交する左右ラックとを有し、前記トレイの移動方向に対して直交する左右方向に往復動する横移動部材と、
前記メインベース内に設けた回転駆動機構により減速されて正逆転可能に軸支され、且つ、前記トレイの前記前後ラックから前記横移動部材の前記左右ラック、又は、前記横移動部材の前記左右ラックから前記トレイの前記前後ラックに乗り継いで噛合するピニオンと、を備えた光ディスク装置において、
前記ピニオンは、前記トレイの前記前後ラックに噛合する大径平歯車部と、前記横移動部材の前記左右ラックに噛合する小径平歯車部とを同軸的に一体形成すると共に、前記大径平歯車部と前記小径平歯車部の各歯数が同じで両平歯車部のモジュールを異ならせたことを特徴とする光ディスク装置である。
【0020】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ディスク装置において、
前記トレイのカム溝は、前記トレイの移動方向に沿った前後溝と、左右方向となるY軸に対して傾斜角θ1傾いた第1傾斜溝と、前記Y軸に対して傾斜角θ1より小さい傾斜角θ2傾いた第2傾斜溝と、前記横移動部材の移動方向に沿った左右溝とがこの順に連接されており、且つ、前記第1傾斜溝の傾斜角θ1を前記ピニオンの大径平歯車部のモジュールMaと、前記ピニオンの小径平歯車部のモジュールMbとの比、θ1=tan−1Ma/Mb に予め設定したことを特徴とする光ディスク装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の光ディスク装置によると、ピニオンをトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに乗り継いで噛合させる際に、ピニオンは、トレイの前後ラックに噛合する大径平歯車部と、横移動部材の左右ラックに噛合する小径平歯車部とを同軸的に一体形成すると共に、大径平歯車部と小径平歯車部の各歯数が同じで両平歯車部のモジュールを異ならせたために、ピニオンはトレイに形成した前後ラックから横移動部材に形成した左右ラック、又は、左右ラックから前後ラックにスムーズに乗り継いで噛合させることができると共に、従来例で説明したような縦横ラック乗り継ぎ機構を設ける必要がないのでラック切り換え構造が簡単である。
【0022】
また、請求項2記載の光ディスク装置によると、トレイのカム溝は、トレイの移動方向に沿った前後溝と、左右方向となるY軸に対して傾斜角θ1傾いた第1傾斜溝と、Y軸に対して傾斜角θ1より小さい傾斜角θ2傾いた第2傾斜溝と、横移動部材の移動方向に沿った左右溝とがこの順に連接されており、且つ、第1傾斜溝の傾斜角θ1をピニオンの大径平歯車部のモジュールMaと、ピニオンの小径平歯車部のモジュールMbとの比、θ1=tan−1Ma/Mb に予め設定したために、この結果、例えば、トレイが光ディスク挿脱位置から光ディスク記録再生位置に向かって移動した時に、横移動部材のボスがトレイ14の裏面に形成したカム溝14中で前後溝を経てY軸に対して傾斜角θ1を有する第1傾斜溝からY軸に対して傾斜角θ1より小さな傾斜角θ2を有する第2傾斜溝内に進入するので、トレイはピニオンの大径平歯車部が前後ラックに噛合していた時よりもtanθ2/tanθ1の速度に遅くなるために、動作音を小さくして品位を向上させることができる。更に、横移動部材の駆動力は、ピニオンの大径平歯車部のモジュールMaと、ピニオンの小径平歯車部のモジュールMbとの比Ma/Mb分大きくなるので、ディスククランプ解除力とトラバースメカの上下動時の駆動力を大きくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明に係る光ディスク装置の一実施例について図1〜図11を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0024】
図1は本発明に係る光ディスク装置の外観構成を示した斜視図、
図2は本発明に係る光ディスク装置を分解して示した分解斜視図、
図3はトレイを取り外した状態で本発明に係る光ディスク装置を示した平面図、
図4(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置において、横移動部材の左右移動状態を説明するための正面図、
図5(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置において、トラバースメカの上下動状態を説明するための側面図、
図6は本発明に係る光ディスク装置において、トレイを示した平面図である。
【0025】
図1に示した如く、本発明に係る光ディスク装置10では、基台となるメインベース11の前面上方部位にフロントカバー12が取り付けられ、且つ、フロントカバー12の後方にトップカバー13がメインベース11全体を覆うように取り付けられている。
【0026】
そして、光ディスク装置10は、メインベース11とフロントカバー12とトップカバー13とにより箱状に組み立てられている。
【0027】
また、メインベース11の上方部位に、トレイ14が前後方向(矢印X1,X2方向)に移動自在に取り付けられており、このトレイ14はフロントカバー12に形成した矩形状のトレイ挿脱口12a内を進退可能になっている。
【0028】
そして、トレイ14が矢印X1方向に移動してメインベース11の前方に突出した時に光ディスクDを挿脱する光ディスク挿脱位置に至る一方、トレイ14が矢印X2方向に移動してメインベース11内に収納された時に光ディスクDに対して記録再生する光ディスク記録再生位置に至るようになっている。
【0029】
また、トップカバー13の内面側にディスククランパ15が回転可能に懸架されており、このディスククランパ15は記録再生時に光ディスクDをターンテーブル22(図2)側に押圧するようになっている。
【0030】
次に、本発明に係る光ディスク装置10の内部構造について図2〜図6を用いて説明する。
【0031】
まず、図2及び図3に示した如く、本発明に係る光ディスク装置10の基台となるメインベース11は、アルミダイキャスト材又は剛性のある樹脂材を用いて直方形状に一体的に形成されており、この内部の中間部位から後方部位にかけて矩形孔11aが大きく肉抜して開口されている。
【0032】
そして、メインベース11の矩形孔11a内に光ディスクDに対して記録再生するためのトラバースメカ20が上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0033】
上記したトラバースメカ20は、トラバースベース21が板金材を用いて略矩形状に形成されており、このトラバースベース21の前方側に光ディスクDを搭載して回転するターンテーブル22がスピンドルモータ23の軸に取り付けられていると共に、トラバースベース21の矩形孔21a内に光ピックアップユニット24がカイドレール25に沿って光ディスクDの径方向に移動自在に取り付けられている。
【0034】
また、トラバースベース21の4隅には、振動吸収用のインシュレータ26がそれぞれ嵌め込まれており、トラバースベース21の前方左右に取り付けた2個のインシュレータ26は2個のネジ27により下記するトラバースホルダ28の前方左右の内側部位に固着され、且つ、トラバースベース21の後方左右に取り付けた2個のインシュレータ26は2個のネジ27によりメインベース11の矩形孔11a内の後方左右に下方に向かって突出形成した2個のボス11bに固着されている。
【0035】
この際、上記したトラバースホルダ28は、アルミダイキャスト材又は剛性のある樹脂材を用いてトラバースベース21の左右前方部位を跨ぐように逆コ字状のアーム形状に形成されており、このトラバースホルダ28の前面左右に2個の第1ボス28aが後述する横移動部材29の垂直面29aに形成した2個のカム溝29c内に嵌合できるように突出形成されていると共に、このトラバースホルダ28の左右の各アーム状側面に第2ボス28bがメインベース11の矩形孔11a内の左右中間部位に形成した各支点用溝11c内に嵌合できるように突出形成されている。
【0036】
従って、トラバースホルダ28の前方左右の内側部位にトラバースメカ20の前方左右部位を固着した状態で、トラバースホルダ28の左右の各アーム状側面に突出形成した第2ボス28bをメインベース11の支点用溝11c内に嵌合させると、トラバースメカ20全体が上下方向に回動可能に支持されることになる。
【0037】
また、メインベース11の矩形孔11aの前方にガイド壁11dが左右方向(矢印Y1,Y2方向)に沿って垂直に形成されており、このガイド壁11dに沿って横移動部材29が左右方向(矢印Y1,Y2方向)にスライド可能に取り付けられている。
【0038】
上記した横移動部材29は、樹脂材を用いて下方に垂下した垂直面29aと前方に延出した水平面29bとで逆L字状に一体的に形成に形成されている。この際、横移動部材29の垂直面29aの左右には、2個のカム溝29cが形成されており、これら2個のカム溝29cは図4(a),(b)に拡大して示したように、図示左側から右側に向かって上側水平溝29c1と傾斜溝29c2と下側水平溝29c3とで階段状に連接されて、これらのカム溝29c内にトラバースホルダ28の前方に突出した2個の第1ボス28aが嵌合している。
【0039】
そして、図4(a)に示したように、横移動部材29がメインベース11のガイド壁11dに沿って左方(矢印Y1方向)に移動した時に、トラバースホルダ28の第1ボス28aがカム溝29c中の下側水平溝29c3に嵌合するので、図5(a)に示したように、トラバースホルダ28の第2ボス28bを回動支点にしてトラバースメカ20全体が下方(矢印Z1方向)に向かって回動するので、トラバースメカ20がトレイ14(図1,図2)の移動に対して支障のない下降位置に至る。
【0040】
一方、図4(b)に示したように、横移動部材29がメインベース11のガイド壁11dに沿って右方(矢印Y2方向)に移動した時に、トラバースホルダ28の第1ボス28aがカム溝29c中の上側水平溝29c1に嵌合するので、図5(b)に示したように、トラバースホルダ28の第2ボス28bを回動支点にしてトラバースメカ20全体が上方(矢印Z2方向)に向かって回動するので、トラバースメカ20が光ディスクD(図1,図2)に対して記録再生する上昇位置に至る。
【0041】
図2及び図3に戻り、横移動部材29の水平面29b上には、左右ラック29dが左前方に向かって形成され、且つ、第1ボス29eが左右ラック29dの右端近傍で上方に向かって突出形成されていると共に、第2ボス29fが右端前方で上方に向かって突出形成されている。
【0042】
そして、横移動部材29の左右ラック29dに後述する回転駆動機構30中の最終段のピニオン36の小径平歯車部36bが噛合可能になっており、また、トレイ14の往復動に伴って横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の裏面左側部位に長尺に形成した第1カム溝14g内に進退自在に嵌合する一方、横移動部材29の第2ボス29fがトレイ14の裏面右側後方部位に短尺に形成した第2カム溝14h内に進退自在に嵌合している。
【0043】
また、メインベース11の前方側には、トレイ14を前後方向(矢印X1,X2方向)に移動させ、且つ、横移動部材29を左右方向(矢印Y1,Y2方向)に移動させるための回転駆動機構30が設けられている。
【0044】
上記した回転駆動機構30では、モータ31の回転を減速して最終段のピニオン36に伝達するように構成されている。具体的には、モータ31の回転をモータ軸に固着した第1プーリ32からベルト33を介して第2プーリ34aとウオーム34bとを同軸的に一体形成したプーリ付きウオーム34に伝達させ、この後、プーリ付きウオーム34の回転をメインベース11の前方側に植設した第1軸部11eに軸着させた中間歯車35を経由して、メインベース11の前方側に植設した第2軸部11fに軸着させた最終段のピニオン36に伝達している。
【0045】
この際、上記した中間歯車35は、プーリ付きウオーム34のウオーム34bに噛合する大径ハスバ歯車部35aと、ピニオン36の大径平歯車部36aに噛合する小径平歯車部35bとが同軸的に2段構造で一体形成されている。
【0046】
また、上記したピニオン36は、本発明の要部となるものであり、従来例とは異なって
中間歯車35の小径平歯車部35b及び後述するトレイ14の前後ラック14fに噛合する大径平歯車部36aと、横移動部材29の左右ラック29dに噛合する小径平歯車部36bとが同軸的に2段構造で一体形成されている。更に、ピニオン36の大径平歯車部36aと小径平歯車部36bは、共に歯数が同じで例えば17歯であるものの、両平歯車部36a,36b同士はモジュールを異ならせており、大径平歯車部36aのモジュールMaは例えば1.25に設定され、一方、小径平歯車部36bのモジュールMbは例えば0.8に設定されている。
【0047】
また、横移動部材29の左下方には、第1プレート37上に第1スイッチ38が取り付けられ、且つ、この第1スイッチ38に移動部材29の左下方に形成した不図示のリブが接離自在になっており、横移動部材29が左方(矢印Y1方向)に移動して左側のリブで第1スイッチ38を押圧した時にトレイ14が光ディスク挿脱位置に至ったことを検出してモータ31の回転を止めるようになっている。
【0048】
更に、横移動部材29の右下方には、第2プレート39上に第2スイッチ40が取り付けられ、且つ、この第2スイッチ40に移動部材29の右下方に形成した不図示のリブが接離自在になっており、横移動部材29が右方(矢印Y2方向)に移動して右側のリブで第2スイッチ40を押圧した時にトレイ14が光ディスク記録再生位置に至ったことを検出してモータ31の回転を止めるようになっている。
【0049】
次に、図2及び図6に示した如く、光ディスクDが挿脱されるトレイ14は、樹脂材を用いて略矩形状に一体的に形成されており、この上面14a側に直径が12cmの裸の光ディスクDを載置する大径載置部14bと、直径が8cmの裸の光ディスク(図示せず)を載置する小径載置部14cとが同心的に段付きで形成されていると共に、トラバースメカ20中のターンテーブル22及び光ピックアップユニット24を臨ませる長孔14dがX軸方向に沿って貫通して形成されている。
【0050】
尚、上記したトレイ14は、裸の光ディスクDを載置するように形成されているが、これに限ることなく、光ディスクDを収納したディスクカートリッジ(図示せず)を載置するように形成しても良く、更に、裸の光ディスク及びディスクカートリッジ(図示せず)の少なくとも一方を載置するように形成しても良いものであり、この場合にはトレイへのディスクカートリッジの挿脱動作に伴ってディスクカートリッジのシャッタを開閉するシャッタ開閉機構を設ければ良いものである。
【0051】
また、トレイ14の裏面14e側には、回転駆動機構30中の最終段のピニオン36に噛合して前後方向(矢印X1,X2方向)に移動する前後ラック14fが左側部位に長尺に形成され、且つ、前後ラック14fの近傍に横移動部材29の第1ボス29eが進退自在に嵌合する第1カム溝14gが形成されていると共に、右側後方部位に横移動部材29の第2ボス29fが進退自在に嵌合する第2カム溝14hが形成されている。
【0052】
この際、トレイ14の裏面14e側に形成した第1カム溝14gは、X軸に沿って長尺な前後溝(X軸溝)14g1と、左右方向となるY軸に対して傾斜角θ1傾斜した第1傾斜溝14g2と、Y軸に対して傾斜角θ1より小さな傾斜角θ2傾斜した第2傾斜溝14g3と、短尺な左右溝(Y軸溝)14g4とがこの順で連接して形成されており、且つ、長尺な前後溝14g1と左右溝14g4とが第1,第2傾斜溝14g2,14g3を介して直交する形態を取っている。
【0053】
更に、第1カム溝14g中で第1傾斜溝14g2の傾斜角θ1は、前記したピニオン36の大径平歯車部36aのモジュールMa=1.25と、ピニオン36の小径平歯車部36bのモジュールMb=0.8との比、即ち、θ1=tan−1Ma/Mb に予め設定されているので、ピニオン36の大径平歯車部36aと小径平歯車部36bのピッチ円直径が異なっても、大径平歯車部36aがトレイ14の前後ラック14fにスムーズに噛合し、且つ、小径平歯車部36bが横移動部材29の左右ラック29dにスムーズに噛合して、ピニオン36がトレイ14の前後ラック14fから横移動部材29の左右ラック29d、又は、横移動部材29の左右ラック29dからトレイ14の前後ラック14fに確実に乗り継ぐことができるようになっている。
【0054】
次に、上記構成による本発明に係る光ディスク装置10の動作について図7〜図11を用いて説明する。
【0055】
図7は本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置に至った状態を示した第1動作工程図、
図8は本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置から光ディスク記録再生位置側に向かって移動した時に、横移動部材の第1ボスがトレイの第1カム溝中で前後溝から第1傾斜溝内に進入し始めた状態を示した第2動作工程図、
図9は本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置から光ディスク記録再生位置側に向かって移動した時に、横移動部材の第1ボスがトレイの第1カム溝中で第1傾斜溝から第2傾斜溝内に進入し始めた状態を示した第3動作工程図、
図10は本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク記録再生位置に至った状態を示した第4動作工程図、
図11(a)〜(e)は本発明に係る光ディスク装置において、ピニオンがトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに乗り継いで噛合する状態を摸式的に示した図である。
【0056】
まず、図7に示した如く、本発明に係る光ディスク装置10の第1動作工程では、トレイ14がメインベース11の前方(矢印X1方向)に移動してこのメインベース11の前方に突出した光ディスク挿脱位置に至っている。この時には、メインベース11内に設けたトラバースメカ20は下動して下降位置に至っているので、トラバースベース21上に取り付けたターンテーブル22及び光ピックアップユニット24はトレイ14の移動に対して何等の支障をきたさない。
【0057】
また、横移動部材29はトラバースメカ20の下降に伴ってメインベース11のガイド壁11dに沿って左方(矢印Y1方向)に移動しているので、メインベース11上に取り付けた回転駆動機構30中で最終段のピニオン36の大径平歯車部36aがトレイ14の裏面左側部位に形成した前後ラック14fの後方部位に噛合しているものの、ピニオン36の小径平歯車部36bは横移動部材29の左側部位に形成した左右ラック29dに噛合していない。
【0058】
また、横移動部材29の左側部位に突出形成した第1ボス29eはトレイ14の裏面左側部位に形成した長尺な第1カム溝14g中の前後溝14g1の後方端に進入していなものの、横移動部材29の右側部位に突出形成した第2ボス29fがトレイ14の裏面右側後方部位に形成した短尺な第2カム溝14h内に嵌合している。
【0059】
そして、トレイ14が光ディスク挿脱位置に至っている時に、光ディスクD(図1,図2)をトレイ14上に載置するか、又は、トレイ14上に載置された光ディスクDを取り出している。
【0060】
次に、トレイ14が光ディスク挿脱位置に至っている状態(図7)からピニオン36を時計方向に回転させると、図8に示したように、トレイ14の前後ラック14fにピニオン36の大径平歯車部36aが噛合しているのでトレイ14が後方(矢印X2方向)に向かって移動し、これに伴って、横移動部材29(図2〜図5)の第1ボス29eがトレイ14の長尺な第1カム溝14g中の前後溝14g1内に進入する。この際、トレイ14が後方(矢印X2方向)に向かうにつれて横移動部材29の第1ボス29eが前後溝14g1の前端側に至るがこの間は横移動部材29(図2〜図5)が移動しないものの、横移動部材29の第1ボス29eが前後溝14g1から第1傾斜溝14g2内に進入すると、横移動部材29が右方(矢印Y2方向)に向かって僅かに移動するので、ピニオン36の小径平歯車部36bに横移動部材29の左右ラック29dが噛合し始める。これに伴って、横移動部材29の右側部位に突出形成した第2ボス29fがトレイ14の裏面右側後方部位に形成した短尺な第2カム溝14h内から離脱する。
【0061】
次に、図8に示した状態からピニオン36を更に時計方向に回転させると、図9に示したように、横移動部材29(図2〜図5)の左右ラック29dがピニオン36の小径平歯車部36bに噛合しながら横移動部材29が更に右方(矢印Y2方向)に向かって移動するので、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の長尺な第1カム溝14g中の第1傾斜溝14g2から第2傾斜溝14g3に向かう。この際、ピニオン36の大径平歯車部36aはトレイ14の前後ラック14fの前端近傍に噛合しているので、トレイ14が更に後方(矢印X2方向)に向かって移動する。
【0062】
次に、図9に示した状態からピニオン36をより更に時計方向に回転させると、図10に示したように、横移動部材29(図2〜図5)の左右ラック29dがピニオン36の小径平歯車部36bに噛合しながら横移動部材29がより更に右方(矢印Y2方向)に向かって移動するので、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の長尺な第1カム溝14g中の第1傾斜溝14g2から第2傾斜溝14g3を経由して左右溝(Y軸溝)14g4内に進入するので、メインベース11上に設けたトラバースメカ20は上動して光ディスクD(図1,図2)に対して記録再生可能な上昇位置に至る。これに伴って、ピニオン36の大径平歯車部36aはトレイ14の前後ラック14fの前端部位に至るように噛合しているので、トレイ14はメインベース11内に収納されると共に、トレイ14の長孔14d内にトラバースメカ20中のターンテーブル22及び光ピックアップユニット24が臨んでいるために、トレイ14上の光ディスクD(図1,図2)に対して記録再生可能になる。
【0063】
尚、トレイ14を光ディスク記録再生位置から光ディスク挿脱位置に移動させる際には、上記とは逆に図10,図9,図8,図7の順にトレイ14を移動させれば良い。
【0064】
ここで、本発明の要部となるピニオン36がトレイ14の前後ラック14fと、横移動部材29の左右ラック29dとを乗り継いで噛合する動作について図11(a)〜(e)を用いて説明する。
【0065】
トレイ14は、図11(a)に示した光ディスク挿脱位置側と、図11(e)に示した光ディスク記録再生位置側との間を往復動可能になっている。
【0066】
この際、前述したように、ピニオン36の大径平歯車部36aと小径平歯車部36bは、共に歯数が同じで例えば17歯であるものの、両平歯車部36a,36b同士はモジュールを異ならせており、大径平歯車部36aのモジュールMaは例えば1.25に設定され、一方、小径平歯車部36bのモジュールMbは例えば0.8に設定されている。
【0067】
また、前述したように、トレイ14の裏面に形成した第1カム溝14g中で第1傾斜溝14g2は、Y軸に対して傾斜角θ1で傾斜し、且つ、第2傾斜溝14g3はY軸に対して傾斜角θ1より小さな傾斜角θ2で傾斜していると共に、第1傾斜溝14g2の傾斜角θ1は、前記したピニオン36の大径平歯車部36aのモジュールMa=1.25と、ピニオン36の小径平歯車部36bのモジュールMb=0.8との比、即ち、θ1=tan−1Ma/Mb に予め設定されている。
【0068】
そして、図11(a)に示したように、トレイ14が光ディスク挿脱位置に至っている状態からピニオン36を時計方向に回転させると、ピニオン36の大径平歯車部36aがトレイ14の前後ラック14fに噛合しているので、トレイ14が後方(矢印X2方向)に向かって移動すると共に、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の裏面に形成した第1カム溝14g中の前後溝14g1の後端部位から進入してこの前後溝14g1の前端部位に至る。一方、ピニオン36の小径平歯車部36bは横移動部材29の左右ラック29dに噛合していないので、横移動部材29は左方(矢印Y1方向)に移動した位置で停止している。
【0069】
次に、図11(a)の状態からピニオン36を時計方向に更に回転させて、トレイ14を更に後方(矢印X2方向)に向かって移動させると、図11(b)及び図11(c)に示したように、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の裏面に形成した第1カム溝14g中の前後溝14g1からY軸に対して傾斜角θ1を有する第1傾斜溝14g2の後端部位から進入してこの第1傾斜溝14g2の前端部位に至る。この際、ピニオン36の大径平歯車部36aと小径平歯車部36bのピッチ円直径が異なっていても、トレイ14の前後ラック14fに噛合しているピニオン36の大径平歯車部36aから横移動部材29の左右ラック29dに噛合するピニオン36の小径平歯車部36bにスムーズに乗り継ぐことができるので、横移動部材29は右方(矢印Y2方向)に向かって移動をする。
【0070】
従って、本発明では、従来例で説明したような縦横ラック乗り継ぎ機構を設ける必要がないのでラック切り換え構造が簡単である。
【0071】
次に、図11(c)の状態からピニオン36を時計方向により更に回転させて、トレイ14をより更に後方(矢印X2方向)に向かって移動させると、図11(d)に示したように、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の裏面に形成した第1カム溝14g中でY軸に対して傾斜角θ1を有する第1傾斜溝14g2からY軸に対して傾斜角θ1より小さな傾斜角θ2を有する第2傾斜溝14g3内に進入するので、トレイ14はピニオン36の大径平歯車部36aが前後ラック14fに噛合していた時よりもtanθ2/tanθ1の速度に遅くなるために、動作音を小さくして品位を向上させることができる。
【0072】
次に、図11(d)の状態からピニオン36を時計方向により更に回転させて、トレイ14をより更に後方(矢印X2方向)に向かって移動させると、図11(e)に示したように、横移動部材29の第1ボス29eがトレイ14の裏面に形成した第1カム溝14g中の第2傾斜溝14g3から左右溝(Y軸溝)14g4内に進入するので、トレイ14はメインベース11内に収納された光ディスク記録再生位置に至る共に、横移動部材29の右方(矢印Y2方向)への移動に伴ってトラバースメカ20が上昇位置に至る。
【0073】
この際、横移動部材29の駆動力は、ピニオン36の大径平歯車部36aのモジュールMa=1.25と、ピニオン36の小径平歯車部36bのモジュールMb=0.8との比Ma/Mb分大きくなるので、ディスククランプ解除力とトラバースメカ20の上下動時の駆動力を大きくすることができる。
【0074】
尚、図11(e)から図11(a)に向かってトレイ14及び横移動部材29をそれぞれ移動させる動作は上記に対して逆に行えば良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の外観構成を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る光ディスク装置を分解して示した分解斜視図である。
【図3】トレイを取り外した状態で本発明に係る光ディスク装置を示した平面図である。
【図4】(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置において、横移動部材の左右移動状態を説明するための正面図である。
【図5】(a),(b)は本発明に係る光ディスク装置において、トラバースメカの上下動状態を説明するための側面図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置において、トレイを示した平面図である。
【図7】本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置に至った状態を示した第1動作工程図である。
【図8】本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置から光ディスク記録再生位置側に向かって移動した時に、横移動部材の第1ボスがトレイの第1カム溝中で前後溝から第1傾斜溝内に進入し始めた状態を示した第2動作工程図である。
【図9】本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク挿脱位置から光ディスク記録再生位置側に向かって移動した時に、横移動部材の第1ボスがトレイの第1カム溝中で第1傾斜溝から第2傾斜溝内に進入し始めた状態を示した第3動作工程図である。
【図10】本発明に係る光ディスク装置において、トレイが光ディスク記録再生位置に至った状態を示した第4動作工程図である。
【図11】(a)〜(e)は本発明に係る光ディスク装置において、ピニオンがトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに乗り継いで噛合する状態を摸式的に示した図である。
【図12】従来のディスクプレーヤを示した平面図である。
【図13】(a)〜(e)は従来のディスクプレーヤにおいて、ピニオンがトレイの前後ラックから横移動部材の左右ラック、又は、横移動部材の左右ラックからトレイの前後ラックに乗り継いで噛合する状態を摸式的に示した図である。
【符号の説明】
【0076】
10…光ディスク装置。
【0077】
11…メインベース、11a…矩形孔、11b…ボス、11c…支点用溝、
11d…ガイド壁、11e…第1軸部、11f…第2軸部、
12…フロントカバー、13…トップカバー、
14…トレイ、14a…上面、14b…大径載置部、14c…小径載置部、
14d…長孔、14e…裏面、14f…前後ラック、
14g…第1カム溝、14g1…前後溝(X軸溝)、14g2…第1傾斜溝、
14g3…第2傾斜溝、14g4…左右溝(Y軸溝)、14h…第2カム溝、
15…ディスククランパ、
20…トラバースメカ、
21…トラバースベース、21a…矩形孔、22…ターンテーブル、
23…スピンドルモータ、24…光ピックアップユニット、25…カイドレール、
26…インシュレータ、27…ネジ、
28…トラバースホルダ、28a…第1ボス、28b…第2ボス、
29…横移動部材、29a…垂直面、29b…水平面、
29c…カム溝、29c1…上側水平溝、29c2…傾斜溝、29c3…下側水平溝、
29d…左右ラック、29e…第1ボス、29f…第2ボス、
30…回転駆動機構、
31…モータ、32…第1プーリ、33…ベルト、
34…プーリ付きウオーム、34a…第2プーリ、34b…ウオーム、
35…中間歯車、35a…大径ハスバ歯車部、35b…小径平歯車部、
36…ピニオン、36a…大径平歯車部、36b…小径平歯車部、
37…第1プレート、38…第1スイッチ、39…第2プレート、40…第2スイッチ、
D…光ディスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインベースと、
上面に裸の光ディスク及び光ディスクを収納したディスクカートリッジの少なくとも一方を載置する載置部を有し、且つ、裏面に前後ラックとカム溝とを有し、前記メインベースの前方に突出した光ディスク挿脱位置と該メインベース内に収納された光ディスク記録再生位置との間を前後方向に往復動するトレイと、
前記メインベース内に設けられ、ターンテーブル及び光ピックアップユニットをトラバースベース上に支持し且つ記録再生時の上昇位置と退避時の下降位置との間を上下動するトラバースメカと、
前記トレイの往復動に伴って該トレイの前記カム溝内に進退するボスと、前記トラバースメカを上下動させるカム溝と、前記トレイの前記前後ラックに対して直交する左右ラックとを有し、前記トレイの移動方向に対して直交する左右方向に往復動する横移動部材と、
前記メインベース内に設けた回転駆動機構により減速されて正逆転可能に軸支され、且つ、前記トレイの前記前後ラックから前記横移動部材の前記左右ラック、又は、前記横移動部材の前記左右ラックから前記トレイの前記前後ラックに乗り継いで噛合するピニオンと、を備えた光ディスク装置において、
前記ピニオンは、前記トレイの前記前後ラックに噛合する大径平歯車部と、前記横移動部材の前記左右ラックに噛合する小径平歯車部とを同軸的に一体形成すると共に、前記大径平歯車部と前記小径平歯車部の各歯数が同じで両平歯車部のモジュールを異ならせたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記トレイのカム溝は、前記トレイの移動方向に沿った前後溝と、左右方向となるY軸に対して傾斜角θ1傾いた第1傾斜溝と、前記Y軸に対して傾斜角θ1より小さい傾斜角θ2傾いた第2傾斜溝と、前記横移動部材の移動方向に沿った左右溝とがこの順に連接されており、且つ、前記第1傾斜溝の傾斜角θ1を前記ピニオンの大径平歯車部のモジュールMaと、前記ピニオンの小径平歯車部のモジュールMbとの比、θ1=tan−1Ma/Mb に予め設定したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−251085(P2008−251085A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90314(P2007−90314)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】