光データキャリア信号におけるタンジェンシャルチルトを補償するシステム及び方法
本発明は、主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償するシステム及び方法に関する。当該方法は、主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値MTTからチルトが補償されたデータ信号TCDSを生成する適応型タンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(ODS)を生成するサンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成するビット検出ステップ(DET)、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成するタンジェンシャルチルトの推定ステップ(TTE)を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法に関する。
本発明は、光ディスクシステム又は光磁気ディスクシステムの分野で適用される。
【背景技術】
【0002】
ディスクドライブシステムは、ディスク状の記憶媒体に情報を記憶するか、又はかかるディスク状の記憶媒体から情報を読出すことを意味する。かかるシステムでは、ディスクが回転され、書込み/読取りヘッドが回転するディスクに関して半径方向に移動される。
【0003】
光ストレージディスクは、連続する螺旋の形式であるか、又は複数の同心円の形式のいずれかで、少なくとも1つのトラックを含んでいる。光ディスクは、リードオンリタイプからなる場合があり、製造中に情報が記録され、そのデータのみをユーザにより読取ることができる。光ストレージディスクは、書換え型からなる場合もあり、ユーザにより情報が記憶される場合がある。
【0004】
光ストレージディスクの記憶スペースに情報を書き込むため、又はディスクから情報を読取るため、光ディスクドライブは、一方で光ディスクを受けて回転する回転手段を有し、他方で典型的にはレーザビームである光ビームを生成して、ストレージトラックを前記レーザビームで走査するための光手段を有している。光ディスクの技術は一般的であって、光ディスクに情報が記憶される方式、及び光ディスクから光データを読出す方式は、一般に知られており、この技術を更に詳細に記載する必要はない。
【0005】
光ディスクを回転するため、光ディスクドライブは、典型的にモータを有しており、このモータは、光ディスクの中心部分に係合するハブを駆動する。通常、モータは、スピンドルモータとして実現され、モータにより駆動されるハブは、モータのスピンドルの車軸に直接配置される場合がある。
【0006】
回転するディスクを光学的に走査するため、光ディスクドライブは、光ビームジェネレータデバイス(典型的にレーザダイオード)、ディスクの焦点スポットに光ビームを焦点合わせするための対物レンズ、及びディスクから反射された反射光を受け、電気的な検出器出力信号を生成するための光検出器を含んでいる。
【0007】
動作の間、光ビームは、ディスクに焦点合わせされたままであるべきである。このため、対物レンズは、軸方向に置き換え可能であるように配置され、光ディスクドライブは、対物レンズの軸方向の位置を制御するためのフォーカルアクチュエータ手段を含んでいる。さらに、フォーカルスポットは、トラックと配列されたままであるべきか、又は新たなトラックに関して位置合わせ可能であるべきである。このため、少なくとも対物レンズは、半径方向に置き換え可能であるように設けられ、光ディスクドライブは、対物レンズの半径方向の位置を制御するための半径方向のアクチュエータ手段を含んでいる。
【0008】
より詳細には、光ディスクドライブは、ディスクドライブフレームに関して置換可能にガイドされるスレッジを含んでおり、このフレームは、また、ディスクを回転するためのスピンドルモータを搬送する。スレッジの移動コースは、ディスクに関して実質的に半径方向に位置され、スレッジは、内部トラックの半径から外部トラックの半径への範囲に実質的に対応するレンジにわたり変位することができる。かかる半径方向のアクチュエータ手段は、たとえばリニアモータ、ステッパモータ又はウォームギアモータを含む、制御可能なスレッジドライブを含んでいる。
【0009】
スレッジの変位は、光レンズを粗く位置合わせすることが意図される。光レンズの位置をファインチューニングするため、光ディスクドライブは、対物レンズを搬送し、かかるスレッジに関して置換可能に設けられるレンズプラットフォームを含んでいる。スレッジに関するプラットフォームの変位レンジは、比較的小さいが、スレッジに関するプラットフォームの位置合わせ精度は、フレームに関してスレッジの位置合わせ精度よりも大きい。
【0010】
多くのディスクドライブでは、対物レンズの指向性が固定されており、すなわちその軸は、ディスクの回転軸に平行に向けられている。幾つかのディスクドライブでは、対物レンズは、その軸がディスクの回転軸とある角度を囲むように回転可能に設けられる。通常、これは、プラットフォームをスレッジに関して回転可能にすることで実現される。
【0011】
記録媒体の記憶容量を増加することが一般に望まれている。この望みを達成する1つの方法は、記憶密度を高めることである。このため、光スキャニングシステムが開発されており、対物レンズは、比較的高い開口数(NA)を有する。かかる光システムに含まれる1つの問題点は、光ディスクのチルトに対する感度が増加することである。光ディスクのチルトは、焦点の位置での光ディスクのストレージレイヤが光軸に対して正確に垂直ではない状況として定義される場合がある。チルトは、全体として傾斜された光ディスクにより引き起こされるが、ワープされる光ディスクにより通常引き起こされる場合があり、結果としてチルトの量は、ディスクの位置に依存する。
【0012】
図1に示されるように、チルトは、半径方向の成分及び接線方向の成分を有する場合がある。半径方向成分(ラジアルチルト)は、読取られるトラックに対して横に指向される(すなわち半径方向Rに沿って)平面での偏差の成分βであり、接線方向成分(タンジェンシャルチルト)は、読出されるべきトラックに平行に指向され(すなわち接線方向Tに沿って)、データキャリアに対して横に指向される平面での偏差の成分αとして定義される。
【0013】
図2は、傾きのない光ディスクへのレーザビーム照射、並びに、ラジアルチルトとタンジェンシャルチルトをもつ光ディスクへのレーザビーム照射を例示している。ディスクが傾いていない場合、光ビーム206は、トラック201に焦点合わせされたままである。ディスクがコマ収差につながるラジアルチルト又はタンジェンシャルチルトを有する場合、光ビームはもはやトラック202及び203に焦点合わせされないが、テイル204及び204をそれぞれ有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
結果として、結果的に得られるコマ収差が読出し及び書込み精度を低下させ、チルトマージンがより狭くなるので、短波長レーザダイオード及び高い開口数の対物レンズを使用する光ディスクシステムにおいて、ディスクの傾きを検出して補正することが必要である。
【0015】
光ディスクのタンジェンシャルチルトは、チルトセンサにより伝送されるタンジェンシャルチルト信号から、タンジェンシャルチルト補償のための3次元アクチュエータを使用した方法のような、公知の光学的/機械的なソリューションにより補償することができる。チルト補償の品質は、チルト信号の精度に直接的にリンクされる。
【0016】
光データキャリアのタンジェンシャルチルトを正確に推定すると共に、効率的に補償することが必要とされる。
特許出願US6,525,332は、光データキャリアのタンジェンシャルチルトを推定する方法を開示している。
この公知の方法は、特定の機械的及び光学的エレメントが必要とされるので制限をもたらす。したがって、対応するドライブは、かなりのサイズであって、容易にダメージを受け、かつ高価である。
【0017】
図3には、タンジェンシャルチルト補償のための信号処理に基づいたソリューションが示されている。この方法は、光ディスクに記憶されたデータ信号から導出された読出し信号302に印加されたフィルタ301を使用するフィルタリングステップを含んでいる。読出し信号のビット同期データのサンプルは、フィルタ301によりイコライズされ、光ディスクのタンジェンシャルチルトの作用が減衰される出力データ信号303を生成可能である。フィルタリングステップで使用されるフィルタの係数304は、平均二乗誤差(LMS)アルゴリズムに基づいた適合ステップ305により決定される。係数は、直交誤差信号306を最小にするように決定され、かかる誤差信号は、最適な出力データ信号307と出力データ信号303との間の減算から導出される。
【0018】
LMSアルゴリズムは、その簡単さのために、多くの適応領域で広く使用されるが、幾つかの問題点を有している。
【0019】
はじめに、かかるアルゴリズムは、システムが最適に適合されていないときに参照信号307が低品質であるので、スタートアップの問題を有している。次いで、適応システムは、全体的に誤ったソリューションで停止される場合がある。
【0020】
第二に、かかるアルゴリズムは、フィルタが多数の係数を有する場合に特にその最適な値にフィルタ係数を集束するのに全く遅い場合がある。チルトの作用は、出力データ信号で完全に補償されない。
【0021】
最後に、フィルタ係数は、定義されていない傾向にあり、それらの集束の特性は、システムが厳密に必要とされるよりも多くの係数を有する場合、特に、読出しデータ信号がスペクトル的にリッチでない場合、すなわち読出し信号が全体の周波数スペクトルにおいて周波数成分を有さない場合に低下する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的は、光ストレージシステムのタンジェンシャルチルト補償のための新たなクラスのスキームを提案することにある。
【0023】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第一のファミリの方法は、以下を有している。適応型のタンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)は、かかる主要なデータ信号から導出される読出しデータ信号(RDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかるチルト補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデジタル信号(SRCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトのかかる測定値(MTT)を生成する。
【0024】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第二のファミリの方法は、サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかる主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。適応型タンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトのかかる測定値(MTT)を生成する。
【0025】
提案される方法は、タンジェンシャルチルトにより生じた読出しチャネル歪みを推定及び補償するための信号処理に基づいたソリューションである。光データキャリアのタンジェンシャルチルトは、ビット同期又はビット非同期のいずれかのTTEステップにより推定される場合がある。
【0026】
これらの方法は、LMSタイプのアダプティブイコライザに基づいた汎用の信号処理スキームよりもロバストであり、良好な結果につながる。
【0027】
これらの方法により、ビット検出回路が低品質のビット判定を生じる場合でさえも、たとえばスタートアップの間に生じる場合がある大きな初期のディスクチルトのために、チルトの関連する歪みを推定して補償することができる。また、提案される方法は、必要とされる場合、LMSタイプのイコライザと結合される場合もある。
【0028】
信号処理TTC及びTTE回路は、ビット同期又はビット非同期のクロックドメインのいずれかで実現される場合がある。
また、本発明は、本発明に係る方法のステップを実現するためのコード命令を有するコンピュータプログラムに関する。
また、本発明は、本発明に係る方法のステップを実現するための処理手段を有する光ディスクドライブに関する。
本発明の詳細な説明及び他の態様は、以下に与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の特定の態様は、以下に記載され、添付図面と共に考慮される実施の形態を参照して説明される。添付図面では、同じ構成要素又はサブステップは、同じやり方で示されている。
【0030】
本発明では、タンジェンシャルチルト推定及び補償のための(図4〜図10に示される)多数の異なるスキームが考慮され、チルト推定及びチルト補償タスクは、互いに明らかに分離されている。
【0031】
かかるスキームは、第一及び第二のファミリの方法に小区分され、かかる方法は、異なる処理ステップのアセンブリにより相違する。
【0032】
それぞれの方法は、タイミングリカバリステップとも呼ばれる、サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)を使用し、読出しサンプルからなる到来するビット非同期ストリームを光データキャリアに記憶されたデータビットと同期されるサンプルのストリームにリサンプリング(re-sampling)することを狙いとしている。リサンプリングは、たとえばPLL(Phase Locked Loop)により到来するビット非同期ストリーム自身から導出される内部クロックから実行される。このため、SRC−PLLは、図11に示される処理ステップのセットを有している。到来するビット非同期ストリームISのサンプリングレートは、離散時間の発振ステップ(DTO)により生成される内部クロックICからリサンプリングステップSRCにより変換される。レート変換の後、信号は、読出しチャネル応答を成形し、雑音成分を成形する観点で到来する雑音がフィルタリングされたデータ信号をフィルタリングするために設計されたノイズフィルタ及びイコライザEQを通して連続的に供給され、このノイズフィルタ及びイコライザの両者は、出力のリサンプリングされた信号OSを生成するため、ビット検出器DETの要件に対して良好に整合される。
【0033】
PLLは、出力のリサンプリングされた信号OSを検出する位相検出ステップ、ループの安定性を保証するループフィルタリングステップ、及びかかる離散時間の発振ステップ(DTO)を直列に有している。
【0034】
それぞれの方法は、たとえば2レベル信号のケースでは閾値に従って0又は1に到来するストリームを強制するか、又はビタビタイプのビット検出器が使用される場合に最大尤度の系列の検出を使用する、ビット判定を生成するビット検出ステップ(DET)を使用している。DETステップは、名目上の伝送チャネル、すなわちタンジェンシャルチャネルの作用が補償されるデータチャネルを整合するために設計される。
【0035】
それぞれの方法は、接線方向のディスクの傾き、検索及び読出されるべき主要なデータ信号が記憶されるディスクの傾きの推定される測定値を生成するためのタンジェンシャルチルトの推定ステップ(TTE)を使用する。
【0036】
それぞれの方法は、TTEステップにより生成されたタンジェンシャルチルトの測定値からタンジェンシャルチルトの影響を適応的に補償するタンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)を使用する。
【0037】
TTCフィルタリングステップは、FIR(有限インパルス応答)型又はIIR(無限インパルス応答)型のいずれか、若しくはFIR及びIIR型の組み合わせから導出するフィルタを使用する。フィルタ係数は、異なる値のディスクチルトについて予め計算され、チルト推定回路の出力に基づいて駆動動作の間に更新される。
【0038】
受信機のトポロジーが、光ディスクに記憶されるデータのビットクロックに近いクロックでTTCが常に実行されている場合、フィルタ係数は、タンジェンシャルチルトαの関数としてパラメータで表示される。シンプルなルックアップテーブルは、補間技術と組み合わされ、この目的のために使用される場合がある。タンジェンシャルチルトの全ての値について、フィルタ係数は、実際に歪んだチャネルとフィルタの組み合わせができるだけ良好に名目上のチャネルに近づくように選択されるべきである。
【0039】
適応型の線形位相FIRフィルタのカーネルは、以下のように定義される場合がある。
【0040】
【数1】
このフィルタは、振幅歪みに関連されるタンジェンシャルチルトαを抑圧することができ、ゼロの数は、光スポット解像度、及びビット周波数とFIRフィルタが実行する周波数の間の割合に依存する。フィルタの係数k(α)は、αとk(α)との間のリンクを確立するルックアップテーブルから導出され、ルックアップテーブルは、たとえば光ディスクから検索されるべき公知の主要なデータ信号を使用した実験に基づいて構成されている。
【0041】
読出しデータ信号における位相歪の補償について、少数のゼロ/極をもつ全域通過IIRフィルタを使用することができる。たとえば、3つの二次のセクションをもつチルトに依存した全域通過IIRフィルタは、DVD+RW(Digital Versatile Disc + ReWritable)について、1.5°までの範囲でタンジェンシャルチルトの作用を補償するのに十分である。別のオプションは、位相歪みの補償のためのチルトに依存する(調節可能な)FIRフィルタを使用することであり、このフィルタは、振幅歪みの補償のための先に記載されたFIRフィルタと組み合わされる。
【0042】
如何なるタンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)が使用される場合がある。しかし、信号処理に基づいたソリューションが好ましい。
【0043】
かかるタンジェントチルト推定TTEは、タンジェントチルトが存在するとき、読出しチャネルの時間領域のチャネル応答の一方の側にサイドローブが現れるという事実に基づいており、かかる読出しチャネルは、信号RDS,SRCDS又はTCDSのうちから採用される。チルトの値が大きくなると、サイドローブが更に顕著になる。
【0044】
読出しチャネルの時間領域のチャネル応答の偏導関数g[k](kはデータサンプルのランクを示す整数)で目に見ることができるので、かかる偏導関数g[k]のサイドローブは、係数のセットにより定義されるフィルタc[k]によりモデル化される。
【0045】
したがって、タンジェンシャルチルトの値αは、以下の等価な関係から導出される場合がある。
【0046】
【数2】
convは畳み込み演算を示し、corrは相関演算を示し、DDS[k]は主要なデータ信号に対応するデシジョンデータ(decision data)信号を示している。
【0047】
先に2つの関係は、畳み込み及び相関演算の順序がそれらの線形性のために逆にすることができるので等価である。
【0048】
TTEステップの好適なバージョンでは、ライトチャネルにおける非対称性の作用を考慮して、タンジェンシャルチルト推定の方法は、主要なデータ信号に対応するデシジョンデータ信号DDS[k]を使用する。デシジョンデータ信号DDSは、図4〜図10において破線で示されている。
【0049】
デシジョンデータ信号DDS[k]は、アルファベットa[k]={−1,+1}からのバイナリビット判定を示す場合がある。デシジョンデータ信号a[k]は、たとえば、読出し光システムの出力に通常位置されるリードチャネルのビット検出器により生成される。
【0050】
代替的に、DDS[k]は、アルファベットb[k]={1,B,+1}からの3進のビット判定を示す場合があり、ここでBは、a[k]から導出される係数であって、ディスクの非対称性の推定に関する。
【0051】
タンジェンシャルチルト角に関するチャネル応答の偏導関数g[k]のサイドローブに関連する部分は、たとえば、2つのサイドローブを含み、以下の係数のセットにより形成される非対称なFIRフィルタc[k]によりモデル化される。
c[k]=[−A−B000...000+B+A]
A及びBは非ゼロフィルタ係数であり、kは係数のランクである。
【0052】
複数のゼロは、SRC−PLLと通常呼ばれ、読出しデータ信号をリサンプリングするための光データリーダで使用されるタイミングリカバリサブシステムによりクロストークを除去するため、読出しチャネル応答の時間微分に関する直交性を達成するためにc[k]の中心部分に含まれる。したがって、フィルタc[k]の係数は、読出しチャネル応答の時間微分に対して直交するフィルタカーネルを定義するように選択される。
【0053】
タンジェンシャルチルト推定は、読出しチャネル応答における成分c[k]の存在(すなわち振幅)を見ることで実行されるので、セクション[−A−B]及び[+B+A]は、読出しチャネル応答に現れるサイドローブの位置でフィルタc[k]に位置することができ、同じ符号となるように係数A及びBを選択する。最も簡単な係数A及びBの実際の選択は、A=1及びB=1である。
【0054】
DVD+RWシステムのケースでは、フィルタc[k]におけるセクション[−A−B]及び「+B+A」は、ビット同期クロックでシステムが機能することを仮定して、すなわち読出しデータ信号への到来するビット非同期読出しデータが光データキャリアに記憶されている主要なデータビットと同期されるのを仮定して、11のゼロにより有利にも分離されるべきである。
【0055】
また、チルト推定は、異なるクロック領域で適用することができる。このため、フィルタc[k]は、これに応じて、オーバサンプリング/アンダーサンプリングレートの関数として調整されるべきである。最も簡単なソリューションは、c[k]の中央でゼロの数のみを調整することであり、これは、クロック測度における差が比較的小さい場合に良好に作動する。
【0056】
表記を簡単にするため、フィルタc[k]は、2つの部分c1[k]及びc2[k]に分解される場合がある。
【0057】
【数3】
フィルタc1[k]及びc2[k]は、重ね合わせフィルタc[k]={c1[k]conv c2[k]}の係数がタンジェンシャルチルトによりチャネル応答で生じる多数の非対称のローブをモデル化し、重ね合わせフィルタc[k]={c1[k]conv c2[k]}のフィルタカーネルがチャネル応答の時間微分に直交するように選択される。
【0058】
次いで、畳み込み及び相関演算の線形性を考慮して、2つの式2及び式3の代わりに、以下の一般的な式を使用することができる。
【0059】
【数4】
ここで式2ではc1=[1]及びc2[k]=c[k]
ここで式3ではc1[k]=c[k]及びc2=[1]。
【0060】
このように、タンジェンシャルチルトを推定する方法は、読出し信号z[k]から導出されたm[k]=c1[−k]conv z[k]により定義される第一のデータ信号m[k]を、データデシジョン信号DDS[k]から導出されたw[k]=c2[k]conv DDS[k]により定義される第二のデータ信号w[k]と相関を取るための相互相関ステップを有している。
【0061】
第一のデータ信号m[k]は、たとえば以下から導出される。
a)フィルタリングステップ:そのケースでは、m[k]=c1[−k]conv z[k]、ここで式2が適用される場合にc1[k]=1である。
b)別の信号q[k]のフィルタリングステップ及び加算ステップ。そのケースでは、m[k]={c1[−k]conv z[k]}+q[k]、ここでq[k]は、以下に定義される信号w[k]について、q[k]corr w[k]=0を証明する信号である。特に、q[k]=0である。
c)クリッピングステップのような非線形演算。そのケースでは、m[k]=sign({c1[−k]conv DDS[k]}+q[k])
第二のデータ信号は、たとえば以下から導出される。
d)フィルタリングステップ:そのケースでは、w[k]=c2[k]conv DDS[k]、ここで式3が適用される場合にc2[k]=1。
e)別の信号p[k]のフィルタリングステップ及び加算ステップ。そのケースでは、w[k]={c2[k]conv DDS[k]}+p[k]、ここでp[k]は、先に定義された信号m[k]について、p[k]corr m[k]=0を証明する信号である。特に、p[k]=0である。
f)クリッピングステップのような非線形演算。そのケースでは、w[k]=sign({c2[k]conv DDS[k]}+p[k])。
【0062】
図4〜図7には、主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第一のファミリの方法が示されている。この第一のファミリのそれぞれの実施の形態は、以下を有している。
【0063】
適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップ(TTC)は、かかる主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0064】
図4に示される第一の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号SRCDSから実行される。
SRC−PLLステップは、タンジェンシャルチルトの作用が補償される到来するデータ信号TCDSからの利益を得るように、TTCステップの後に配置される。
【0065】
TTEステップは、タンジェンシャルチルトの正確に推定された測定値MTTにつながる、ビット同期領域で有利にも実行される。
TTCステップは、タイミングリカバリステップSRC−PLLがその入力でチルトが補償された信号TCDSの良好な品質からの利益を受けるので、ビット非同期クロック領域で、すなわち読出しデータ信号のリサンプリングの前に有利にも実行される。
【0066】
図5に示される第二の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかるチルトが補償されたデータ信号TCDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0067】
図6に示される第三の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかる読出しデータ信号RDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0068】
図7に示される第四の実施の形態では、本方法は、かかる読出しデータ信号RDSのサンプリングレートを変換し、更なるサンプリングレートが変換されたデータ信号ASRCDSを生成する更なるサンプリングレート変換ステップSRCを更に有している。SRCステップは、読出しデータ信号RDSを補間して、そのサンプリング周波数及び位相をSRCDS信号のそれらと整合する役割を果たす。SRCステップのサンプリングモーメントは、SRC−PLLループで導出されたサンプリングモーメントから計算される(又は取って代わる)。タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかる更なるサンプリングレートが変換されたデータ信号ASRCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0069】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第二のファミリの方法は、図8〜図10に示されている。この第二のファミリのそれぞれの方法は、以下を有している。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成する。適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップ(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0070】
図8に示される第五の実施の形態では、タンジェンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかるチルトが補償されたデータ信号TCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット同期領域で実行される。
【0071】
図9に示される第六の実施の形態では、タンジェンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかる読出しデータ信号RDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット同期領域で実行される。
【0072】
図10に示される第七の実施の形態では、タンジャンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号SRCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0073】
図4及び図5に示されるようなタイミングリカバリ回路PLLの前にTTCステップが配置される場合、(周波数領域における)TTCフィルタ特性の位相の導関数は、ある定数のまで定義される場合があり、かかる定数は、有利にもチルトに依存している。確かに、かかる位相遅延は、SRC−PLLステップのPLLにより処理される。
【0074】
図8に示されるようなPLLの後にTTCステップが配置される場合、TTCフィルタ特性の位相の導関数は、PLLの出力に整合するべきであって、ビット検出ステップDETの入力での要件に整合するべきである。
【0075】
光データレシーバの中には、SRC−PLLステップの前に、準同期領域におけるウォブル駆動(wobble-driven)クロックを利用可能なものがある。非同期データは、利用可能な準同期クロックでサンプリングされるか、読出しデータ信号RDSが準同期的にサンプリングされるのを保証するため、別のサンプリングレート変換ステップが実行される場合がある。このケースでは、TTCステップは、おおよそ知られたクロックで実行し、その係数は、ビットクロックとTTCクロックとの間の周波数のミスマッチの関数として表にされ/調整される必要がない。
【0076】
しかし、他の光データレシーバのなかには、準同期クロックが利用可能でないものがあり、TTCステップは、ビットクロックとは異なるクロック周波数で作用することができるべきである(すなわち、光データキャリアに記憶されるデータのクロック)。このケースでは、クロック領域間の割合は、タイミングリカバリサブシステムSRC−PLLから容易に検索することができ、これに応じてTTC回路を調節するために使用することができる。このケースにおける状況は、非同期TTCにおける調節可能なフィルタがクロックレシオ及びタンジェンシャルチルトの関数としてパラメータ表示されるべきである。
【0077】
図4〜図10に示される方法は、タンジェンシャルチルトの補償に制限されず,他の
歪の圧縮にも適用される場合がある。特に、TTEステップは、光チャネルにおけるデフォーカス又は球面収差を推定するための処理ステップにより置き換えられる場合がある。
【0078】
本発明にかかる各種の方法は、個々の処理ステップを実現するためのコード命令を含むコンピュータプログラムにより実現される場合がある。
【0079】
光データキャリアのリーダ及び/又はライタでは、かかる方法は、プライマリデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償するため、(たとえば、電子モジュール又は集積回路として)光ディスクドライブで実現される場合がある。かかるデバイスは、本発明に係る方法のステップを実現するためにメモリに記憶されるコンピュータプログラムのコード命令を実行する、シグナルプロセッサのような処理手段を含んでいる。
【0080】
本発明に係る第一の光ディスクドライブは、以下を有している。適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段(TTC)は、かかるプライマリデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)を受けるために設計され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換手段(SRC−PLL)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。ビット検出手段(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルトの推定手段(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0081】
本発明に係る第二の光ディスクドライブは、以下を有している。サンプリングレート変換手段(SRC−PLL)は、かかるプライマリデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデジタル信号(SRCDS)を生成する。適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を受信するために設計され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TDCS)を生成する。ビット検出手段(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を受信するために設計され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルトの推定手段(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0082】
動詞「有する“comprise”」は、請求項に列挙された以外のエレメントの存在を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】光データキャリアにおけるラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトを例示する図である。
【図2】光データキャリアの光スポットのコマ収差を例示する図である。
【図3】公知の方法であるタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図4】本発明に係る第一の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図5】本発明に係る第二の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図6】本発明に係る第三の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図7】本発明に係る第四の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図8】本発明に係る第五の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図9】本発明に係る第六の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図10】本発明に係る第七の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図11】PLLを有するサンプリングレートレートデータコンバータで実行される異なる処理ステップを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法に関する。
本発明は、光ディスクシステム又は光磁気ディスクシステムの分野で適用される。
【背景技術】
【0002】
ディスクドライブシステムは、ディスク状の記憶媒体に情報を記憶するか、又はかかるディスク状の記憶媒体から情報を読出すことを意味する。かかるシステムでは、ディスクが回転され、書込み/読取りヘッドが回転するディスクに関して半径方向に移動される。
【0003】
光ストレージディスクは、連続する螺旋の形式であるか、又は複数の同心円の形式のいずれかで、少なくとも1つのトラックを含んでいる。光ディスクは、リードオンリタイプからなる場合があり、製造中に情報が記録され、そのデータのみをユーザにより読取ることができる。光ストレージディスクは、書換え型からなる場合もあり、ユーザにより情報が記憶される場合がある。
【0004】
光ストレージディスクの記憶スペースに情報を書き込むため、又はディスクから情報を読取るため、光ディスクドライブは、一方で光ディスクを受けて回転する回転手段を有し、他方で典型的にはレーザビームである光ビームを生成して、ストレージトラックを前記レーザビームで走査するための光手段を有している。光ディスクの技術は一般的であって、光ディスクに情報が記憶される方式、及び光ディスクから光データを読出す方式は、一般に知られており、この技術を更に詳細に記載する必要はない。
【0005】
光ディスクを回転するため、光ディスクドライブは、典型的にモータを有しており、このモータは、光ディスクの中心部分に係合するハブを駆動する。通常、モータは、スピンドルモータとして実現され、モータにより駆動されるハブは、モータのスピンドルの車軸に直接配置される場合がある。
【0006】
回転するディスクを光学的に走査するため、光ディスクドライブは、光ビームジェネレータデバイス(典型的にレーザダイオード)、ディスクの焦点スポットに光ビームを焦点合わせするための対物レンズ、及びディスクから反射された反射光を受け、電気的な検出器出力信号を生成するための光検出器を含んでいる。
【0007】
動作の間、光ビームは、ディスクに焦点合わせされたままであるべきである。このため、対物レンズは、軸方向に置き換え可能であるように配置され、光ディスクドライブは、対物レンズの軸方向の位置を制御するためのフォーカルアクチュエータ手段を含んでいる。さらに、フォーカルスポットは、トラックと配列されたままであるべきか、又は新たなトラックに関して位置合わせ可能であるべきである。このため、少なくとも対物レンズは、半径方向に置き換え可能であるように設けられ、光ディスクドライブは、対物レンズの半径方向の位置を制御するための半径方向のアクチュエータ手段を含んでいる。
【0008】
より詳細には、光ディスクドライブは、ディスクドライブフレームに関して置換可能にガイドされるスレッジを含んでおり、このフレームは、また、ディスクを回転するためのスピンドルモータを搬送する。スレッジの移動コースは、ディスクに関して実質的に半径方向に位置され、スレッジは、内部トラックの半径から外部トラックの半径への範囲に実質的に対応するレンジにわたり変位することができる。かかる半径方向のアクチュエータ手段は、たとえばリニアモータ、ステッパモータ又はウォームギアモータを含む、制御可能なスレッジドライブを含んでいる。
【0009】
スレッジの変位は、光レンズを粗く位置合わせすることが意図される。光レンズの位置をファインチューニングするため、光ディスクドライブは、対物レンズを搬送し、かかるスレッジに関して置換可能に設けられるレンズプラットフォームを含んでいる。スレッジに関するプラットフォームの変位レンジは、比較的小さいが、スレッジに関するプラットフォームの位置合わせ精度は、フレームに関してスレッジの位置合わせ精度よりも大きい。
【0010】
多くのディスクドライブでは、対物レンズの指向性が固定されており、すなわちその軸は、ディスクの回転軸に平行に向けられている。幾つかのディスクドライブでは、対物レンズは、その軸がディスクの回転軸とある角度を囲むように回転可能に設けられる。通常、これは、プラットフォームをスレッジに関して回転可能にすることで実現される。
【0011】
記録媒体の記憶容量を増加することが一般に望まれている。この望みを達成する1つの方法は、記憶密度を高めることである。このため、光スキャニングシステムが開発されており、対物レンズは、比較的高い開口数(NA)を有する。かかる光システムに含まれる1つの問題点は、光ディスクのチルトに対する感度が増加することである。光ディスクのチルトは、焦点の位置での光ディスクのストレージレイヤが光軸に対して正確に垂直ではない状況として定義される場合がある。チルトは、全体として傾斜された光ディスクにより引き起こされるが、ワープされる光ディスクにより通常引き起こされる場合があり、結果としてチルトの量は、ディスクの位置に依存する。
【0012】
図1に示されるように、チルトは、半径方向の成分及び接線方向の成分を有する場合がある。半径方向成分(ラジアルチルト)は、読取られるトラックに対して横に指向される(すなわち半径方向Rに沿って)平面での偏差の成分βであり、接線方向成分(タンジェンシャルチルト)は、読出されるべきトラックに平行に指向され(すなわち接線方向Tに沿って)、データキャリアに対して横に指向される平面での偏差の成分αとして定義される。
【0013】
図2は、傾きのない光ディスクへのレーザビーム照射、並びに、ラジアルチルトとタンジェンシャルチルトをもつ光ディスクへのレーザビーム照射を例示している。ディスクが傾いていない場合、光ビーム206は、トラック201に焦点合わせされたままである。ディスクがコマ収差につながるラジアルチルト又はタンジェンシャルチルトを有する場合、光ビームはもはやトラック202及び203に焦点合わせされないが、テイル204及び204をそれぞれ有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
結果として、結果的に得られるコマ収差が読出し及び書込み精度を低下させ、チルトマージンがより狭くなるので、短波長レーザダイオード及び高い開口数の対物レンズを使用する光ディスクシステムにおいて、ディスクの傾きを検出して補正することが必要である。
【0015】
光ディスクのタンジェンシャルチルトは、チルトセンサにより伝送されるタンジェンシャルチルト信号から、タンジェンシャルチルト補償のための3次元アクチュエータを使用した方法のような、公知の光学的/機械的なソリューションにより補償することができる。チルト補償の品質は、チルト信号の精度に直接的にリンクされる。
【0016】
光データキャリアのタンジェンシャルチルトを正確に推定すると共に、効率的に補償することが必要とされる。
特許出願US6,525,332は、光データキャリアのタンジェンシャルチルトを推定する方法を開示している。
この公知の方法は、特定の機械的及び光学的エレメントが必要とされるので制限をもたらす。したがって、対応するドライブは、かなりのサイズであって、容易にダメージを受け、かつ高価である。
【0017】
図3には、タンジェンシャルチルト補償のための信号処理に基づいたソリューションが示されている。この方法は、光ディスクに記憶されたデータ信号から導出された読出し信号302に印加されたフィルタ301を使用するフィルタリングステップを含んでいる。読出し信号のビット同期データのサンプルは、フィルタ301によりイコライズされ、光ディスクのタンジェンシャルチルトの作用が減衰される出力データ信号303を生成可能である。フィルタリングステップで使用されるフィルタの係数304は、平均二乗誤差(LMS)アルゴリズムに基づいた適合ステップ305により決定される。係数は、直交誤差信号306を最小にするように決定され、かかる誤差信号は、最適な出力データ信号307と出力データ信号303との間の減算から導出される。
【0018】
LMSアルゴリズムは、その簡単さのために、多くの適応領域で広く使用されるが、幾つかの問題点を有している。
【0019】
はじめに、かかるアルゴリズムは、システムが最適に適合されていないときに参照信号307が低品質であるので、スタートアップの問題を有している。次いで、適応システムは、全体的に誤ったソリューションで停止される場合がある。
【0020】
第二に、かかるアルゴリズムは、フィルタが多数の係数を有する場合に特にその最適な値にフィルタ係数を集束するのに全く遅い場合がある。チルトの作用は、出力データ信号で完全に補償されない。
【0021】
最後に、フィルタ係数は、定義されていない傾向にあり、それらの集束の特性は、システムが厳密に必要とされるよりも多くの係数を有する場合、特に、読出しデータ信号がスペクトル的にリッチでない場合、すなわち読出し信号が全体の周波数スペクトルにおいて周波数成分を有さない場合に低下する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的は、光ストレージシステムのタンジェンシャルチルト補償のための新たなクラスのスキームを提案することにある。
【0023】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第一のファミリの方法は、以下を有している。適応型のタンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)は、かかる主要なデータ信号から導出される読出しデータ信号(RDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかるチルト補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデジタル信号(SRCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトのかかる測定値(MTT)を生成する。
【0024】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第二のファミリの方法は、サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかる主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。適応型タンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトのかかる測定値(MTT)を生成する。
【0025】
提案される方法は、タンジェンシャルチルトにより生じた読出しチャネル歪みを推定及び補償するための信号処理に基づいたソリューションである。光データキャリアのタンジェンシャルチルトは、ビット同期又はビット非同期のいずれかのTTEステップにより推定される場合がある。
【0026】
これらの方法は、LMSタイプのアダプティブイコライザに基づいた汎用の信号処理スキームよりもロバストであり、良好な結果につながる。
【0027】
これらの方法により、ビット検出回路が低品質のビット判定を生じる場合でさえも、たとえばスタートアップの間に生じる場合がある大きな初期のディスクチルトのために、チルトの関連する歪みを推定して補償することができる。また、提案される方法は、必要とされる場合、LMSタイプのイコライザと結合される場合もある。
【0028】
信号処理TTC及びTTE回路は、ビット同期又はビット非同期のクロックドメインのいずれかで実現される場合がある。
また、本発明は、本発明に係る方法のステップを実現するためのコード命令を有するコンピュータプログラムに関する。
また、本発明は、本発明に係る方法のステップを実現するための処理手段を有する光ディスクドライブに関する。
本発明の詳細な説明及び他の態様は、以下に与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の特定の態様は、以下に記載され、添付図面と共に考慮される実施の形態を参照して説明される。添付図面では、同じ構成要素又はサブステップは、同じやり方で示されている。
【0030】
本発明では、タンジェンシャルチルト推定及び補償のための(図4〜図10に示される)多数の異なるスキームが考慮され、チルト推定及びチルト補償タスクは、互いに明らかに分離されている。
【0031】
かかるスキームは、第一及び第二のファミリの方法に小区分され、かかる方法は、異なる処理ステップのアセンブリにより相違する。
【0032】
それぞれの方法は、タイミングリカバリステップとも呼ばれる、サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)を使用し、読出しサンプルからなる到来するビット非同期ストリームを光データキャリアに記憶されたデータビットと同期されるサンプルのストリームにリサンプリング(re-sampling)することを狙いとしている。リサンプリングは、たとえばPLL(Phase Locked Loop)により到来するビット非同期ストリーム自身から導出される内部クロックから実行される。このため、SRC−PLLは、図11に示される処理ステップのセットを有している。到来するビット非同期ストリームISのサンプリングレートは、離散時間の発振ステップ(DTO)により生成される内部クロックICからリサンプリングステップSRCにより変換される。レート変換の後、信号は、読出しチャネル応答を成形し、雑音成分を成形する観点で到来する雑音がフィルタリングされたデータ信号をフィルタリングするために設計されたノイズフィルタ及びイコライザEQを通して連続的に供給され、このノイズフィルタ及びイコライザの両者は、出力のリサンプリングされた信号OSを生成するため、ビット検出器DETの要件に対して良好に整合される。
【0033】
PLLは、出力のリサンプリングされた信号OSを検出する位相検出ステップ、ループの安定性を保証するループフィルタリングステップ、及びかかる離散時間の発振ステップ(DTO)を直列に有している。
【0034】
それぞれの方法は、たとえば2レベル信号のケースでは閾値に従って0又は1に到来するストリームを強制するか、又はビタビタイプのビット検出器が使用される場合に最大尤度の系列の検出を使用する、ビット判定を生成するビット検出ステップ(DET)を使用している。DETステップは、名目上の伝送チャネル、すなわちタンジェンシャルチャネルの作用が補償されるデータチャネルを整合するために設計される。
【0035】
それぞれの方法は、接線方向のディスクの傾き、検索及び読出されるべき主要なデータ信号が記憶されるディスクの傾きの推定される測定値を生成するためのタンジェンシャルチルトの推定ステップ(TTE)を使用する。
【0036】
それぞれの方法は、TTEステップにより生成されたタンジェンシャルチルトの測定値からタンジェンシャルチルトの影響を適応的に補償するタンジェンシャルチルト補償ステップ(TTC)を使用する。
【0037】
TTCフィルタリングステップは、FIR(有限インパルス応答)型又はIIR(無限インパルス応答)型のいずれか、若しくはFIR及びIIR型の組み合わせから導出するフィルタを使用する。フィルタ係数は、異なる値のディスクチルトについて予め計算され、チルト推定回路の出力に基づいて駆動動作の間に更新される。
【0038】
受信機のトポロジーが、光ディスクに記憶されるデータのビットクロックに近いクロックでTTCが常に実行されている場合、フィルタ係数は、タンジェンシャルチルトαの関数としてパラメータで表示される。シンプルなルックアップテーブルは、補間技術と組み合わされ、この目的のために使用される場合がある。タンジェンシャルチルトの全ての値について、フィルタ係数は、実際に歪んだチャネルとフィルタの組み合わせができるだけ良好に名目上のチャネルに近づくように選択されるべきである。
【0039】
適応型の線形位相FIRフィルタのカーネルは、以下のように定義される場合がある。
【0040】
【数1】
このフィルタは、振幅歪みに関連されるタンジェンシャルチルトαを抑圧することができ、ゼロの数は、光スポット解像度、及びビット周波数とFIRフィルタが実行する周波数の間の割合に依存する。フィルタの係数k(α)は、αとk(α)との間のリンクを確立するルックアップテーブルから導出され、ルックアップテーブルは、たとえば光ディスクから検索されるべき公知の主要なデータ信号を使用した実験に基づいて構成されている。
【0041】
読出しデータ信号における位相歪の補償について、少数のゼロ/極をもつ全域通過IIRフィルタを使用することができる。たとえば、3つの二次のセクションをもつチルトに依存した全域通過IIRフィルタは、DVD+RW(Digital Versatile Disc + ReWritable)について、1.5°までの範囲でタンジェンシャルチルトの作用を補償するのに十分である。別のオプションは、位相歪みの補償のためのチルトに依存する(調節可能な)FIRフィルタを使用することであり、このフィルタは、振幅歪みの補償のための先に記載されたFIRフィルタと組み合わされる。
【0042】
如何なるタンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)が使用される場合がある。しかし、信号処理に基づいたソリューションが好ましい。
【0043】
かかるタンジェントチルト推定TTEは、タンジェントチルトが存在するとき、読出しチャネルの時間領域のチャネル応答の一方の側にサイドローブが現れるという事実に基づいており、かかる読出しチャネルは、信号RDS,SRCDS又はTCDSのうちから採用される。チルトの値が大きくなると、サイドローブが更に顕著になる。
【0044】
読出しチャネルの時間領域のチャネル応答の偏導関数g[k](kはデータサンプルのランクを示す整数)で目に見ることができるので、かかる偏導関数g[k]のサイドローブは、係数のセットにより定義されるフィルタc[k]によりモデル化される。
【0045】
したがって、タンジェンシャルチルトの値αは、以下の等価な関係から導出される場合がある。
【0046】
【数2】
convは畳み込み演算を示し、corrは相関演算を示し、DDS[k]は主要なデータ信号に対応するデシジョンデータ(decision data)信号を示している。
【0047】
先に2つの関係は、畳み込み及び相関演算の順序がそれらの線形性のために逆にすることができるので等価である。
【0048】
TTEステップの好適なバージョンでは、ライトチャネルにおける非対称性の作用を考慮して、タンジェンシャルチルト推定の方法は、主要なデータ信号に対応するデシジョンデータ信号DDS[k]を使用する。デシジョンデータ信号DDSは、図4〜図10において破線で示されている。
【0049】
デシジョンデータ信号DDS[k]は、アルファベットa[k]={−1,+1}からのバイナリビット判定を示す場合がある。デシジョンデータ信号a[k]は、たとえば、読出し光システムの出力に通常位置されるリードチャネルのビット検出器により生成される。
【0050】
代替的に、DDS[k]は、アルファベットb[k]={1,B,+1}からの3進のビット判定を示す場合があり、ここでBは、a[k]から導出される係数であって、ディスクの非対称性の推定に関する。
【0051】
タンジェンシャルチルト角に関するチャネル応答の偏導関数g[k]のサイドローブに関連する部分は、たとえば、2つのサイドローブを含み、以下の係数のセットにより形成される非対称なFIRフィルタc[k]によりモデル化される。
c[k]=[−A−B000...000+B+A]
A及びBは非ゼロフィルタ係数であり、kは係数のランクである。
【0052】
複数のゼロは、SRC−PLLと通常呼ばれ、読出しデータ信号をリサンプリングするための光データリーダで使用されるタイミングリカバリサブシステムによりクロストークを除去するため、読出しチャネル応答の時間微分に関する直交性を達成するためにc[k]の中心部分に含まれる。したがって、フィルタc[k]の係数は、読出しチャネル応答の時間微分に対して直交するフィルタカーネルを定義するように選択される。
【0053】
タンジェンシャルチルト推定は、読出しチャネル応答における成分c[k]の存在(すなわち振幅)を見ることで実行されるので、セクション[−A−B]及び[+B+A]は、読出しチャネル応答に現れるサイドローブの位置でフィルタc[k]に位置することができ、同じ符号となるように係数A及びBを選択する。最も簡単な係数A及びBの実際の選択は、A=1及びB=1である。
【0054】
DVD+RWシステムのケースでは、フィルタc[k]におけるセクション[−A−B]及び「+B+A」は、ビット同期クロックでシステムが機能することを仮定して、すなわち読出しデータ信号への到来するビット非同期読出しデータが光データキャリアに記憶されている主要なデータビットと同期されるのを仮定して、11のゼロにより有利にも分離されるべきである。
【0055】
また、チルト推定は、異なるクロック領域で適用することができる。このため、フィルタc[k]は、これに応じて、オーバサンプリング/アンダーサンプリングレートの関数として調整されるべきである。最も簡単なソリューションは、c[k]の中央でゼロの数のみを調整することであり、これは、クロック測度における差が比較的小さい場合に良好に作動する。
【0056】
表記を簡単にするため、フィルタc[k]は、2つの部分c1[k]及びc2[k]に分解される場合がある。
【0057】
【数3】
フィルタc1[k]及びc2[k]は、重ね合わせフィルタc[k]={c1[k]conv c2[k]}の係数がタンジェンシャルチルトによりチャネル応答で生じる多数の非対称のローブをモデル化し、重ね合わせフィルタc[k]={c1[k]conv c2[k]}のフィルタカーネルがチャネル応答の時間微分に直交するように選択される。
【0058】
次いで、畳み込み及び相関演算の線形性を考慮して、2つの式2及び式3の代わりに、以下の一般的な式を使用することができる。
【0059】
【数4】
ここで式2ではc1=[1]及びc2[k]=c[k]
ここで式3ではc1[k]=c[k]及びc2=[1]。
【0060】
このように、タンジェンシャルチルトを推定する方法は、読出し信号z[k]から導出されたm[k]=c1[−k]conv z[k]により定義される第一のデータ信号m[k]を、データデシジョン信号DDS[k]から導出されたw[k]=c2[k]conv DDS[k]により定義される第二のデータ信号w[k]と相関を取るための相互相関ステップを有している。
【0061】
第一のデータ信号m[k]は、たとえば以下から導出される。
a)フィルタリングステップ:そのケースでは、m[k]=c1[−k]conv z[k]、ここで式2が適用される場合にc1[k]=1である。
b)別の信号q[k]のフィルタリングステップ及び加算ステップ。そのケースでは、m[k]={c1[−k]conv z[k]}+q[k]、ここでq[k]は、以下に定義される信号w[k]について、q[k]corr w[k]=0を証明する信号である。特に、q[k]=0である。
c)クリッピングステップのような非線形演算。そのケースでは、m[k]=sign({c1[−k]conv DDS[k]}+q[k])
第二のデータ信号は、たとえば以下から導出される。
d)フィルタリングステップ:そのケースでは、w[k]=c2[k]conv DDS[k]、ここで式3が適用される場合にc2[k]=1。
e)別の信号p[k]のフィルタリングステップ及び加算ステップ。そのケースでは、w[k]={c2[k]conv DDS[k]}+p[k]、ここでp[k]は、先に定義された信号m[k]について、p[k]corr m[k]=0を証明する信号である。特に、p[k]=0である。
f)クリッピングステップのような非線形演算。そのケースでは、w[k]=sign({c2[k]conv DDS[k]}+p[k])。
【0062】
図4〜図7には、主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第一のファミリの方法が示されている。この第一のファミリのそれぞれの実施の形態は、以下を有している。
【0063】
適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップ(TTC)は、かかる主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0064】
図4に示される第一の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号SRCDSから実行される。
SRC−PLLステップは、タンジェンシャルチルトの作用が補償される到来するデータ信号TCDSからの利益を得るように、TTCステップの後に配置される。
【0065】
TTEステップは、タンジェンシャルチルトの正確に推定された測定値MTTにつながる、ビット同期領域で有利にも実行される。
TTCステップは、タイミングリカバリステップSRC−PLLがその入力でチルトが補償された信号TCDSの良好な品質からの利益を受けるので、ビット非同期クロック領域で、すなわち読出しデータ信号のリサンプリングの前に有利にも実行される。
【0066】
図5に示される第二の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかるチルトが補償されたデータ信号TCDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0067】
図6に示される第三の実施の形態では、タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかる読出しデータ信号RDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0068】
図7に示される第四の実施の形態では、本方法は、かかる読出しデータ信号RDSのサンプリングレートを変換し、更なるサンプリングレートが変換されたデータ信号ASRCDSを生成する更なるサンプリングレート変換ステップSRCを更に有している。SRCステップは、読出しデータ信号RDSを補間して、そのサンプリング周波数及び位相をSRCDS信号のそれらと整合する役割を果たす。SRCステップのサンプリングモーメントは、SRC−PLLループで導出されたサンプリングモーメントから計算される(又は取って代わる)。タンジェンシャルチルト推定ステップTTEは、かかる更なるサンプリングレートが変換されたデータ信号ASRCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0069】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する、本発明に係る第二のファミリの方法は、図8〜図10に示されている。この第二のファミリのそれぞれの方法は、以下を有している。サンプリングレート変換ステップ(SRC−PLL)は、主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成する。適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップ(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。ビット検出ステップ(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルト推定ステップ(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0070】
図8に示される第五の実施の形態では、タンジェンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかるチルトが補償されたデータ信号TCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット同期領域で実行される。
【0071】
図9に示される第六の実施の形態では、タンジェンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかる読出しデータ信号RDSから実行される。TTEステップは、ビット非同期領域で実行される。TTCステップは、ビット同期領域で実行される。
【0072】
図10に示される第七の実施の形態では、タンジャンシャルチルトの推定ステップTTEは、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号SRCDSから実行される。TTEステップは、ビット同期領域で実行される。TTCステップは、ビット非同期領域で実行される。
【0073】
図4及び図5に示されるようなタイミングリカバリ回路PLLの前にTTCステップが配置される場合、(周波数領域における)TTCフィルタ特性の位相の導関数は、ある定数のまで定義される場合があり、かかる定数は、有利にもチルトに依存している。確かに、かかる位相遅延は、SRC−PLLステップのPLLにより処理される。
【0074】
図8に示されるようなPLLの後にTTCステップが配置される場合、TTCフィルタ特性の位相の導関数は、PLLの出力に整合するべきであって、ビット検出ステップDETの入力での要件に整合するべきである。
【0075】
光データレシーバの中には、SRC−PLLステップの前に、準同期領域におけるウォブル駆動(wobble-driven)クロックを利用可能なものがある。非同期データは、利用可能な準同期クロックでサンプリングされるか、読出しデータ信号RDSが準同期的にサンプリングされるのを保証するため、別のサンプリングレート変換ステップが実行される場合がある。このケースでは、TTCステップは、おおよそ知られたクロックで実行し、その係数は、ビットクロックとTTCクロックとの間の周波数のミスマッチの関数として表にされ/調整される必要がない。
【0076】
しかし、他の光データレシーバのなかには、準同期クロックが利用可能でないものがあり、TTCステップは、ビットクロックとは異なるクロック周波数で作用することができるべきである(すなわち、光データキャリアに記憶されるデータのクロック)。このケースでは、クロック領域間の割合は、タイミングリカバリサブシステムSRC−PLLから容易に検索することができ、これに応じてTTC回路を調節するために使用することができる。このケースにおける状況は、非同期TTCにおける調節可能なフィルタがクロックレシオ及びタンジェンシャルチルトの関数としてパラメータ表示されるべきである。
【0077】
図4〜図10に示される方法は、タンジェンシャルチルトの補償に制限されず,他の
歪の圧縮にも適用される場合がある。特に、TTEステップは、光チャネルにおけるデフォーカス又は球面収差を推定するための処理ステップにより置き換えられる場合がある。
【0078】
本発明にかかる各種の方法は、個々の処理ステップを実現するためのコード命令を含むコンピュータプログラムにより実現される場合がある。
【0079】
光データキャリアのリーダ及び/又はライタでは、かかる方法は、プライマリデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償するため、(たとえば、電子モジュール又は集積回路として)光ディスクドライブで実現される場合がある。かかるデバイスは、本発明に係る方法のステップを実現するためにメモリに記憶されるコンピュータプログラムのコード命令を実行する、シグナルプロセッサのような処理手段を含んでいる。
【0080】
本発明に係る第一の光ディスクドライブは、以下を有している。適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段(TTC)は、かかるプライマリデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)を受けるために設計され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を生成する。サンプリングレート変換手段(SRC−PLL)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を生成する。ビット検出手段(DET)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)に適用され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルトの推定手段(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0081】
本発明に係る第二の光ディスクドライブは、以下を有している。サンプリングレート変換手段(SRC−PLL)は、かかるプライマリデータ信号から導出された読出しデータ信号(RDS)のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデジタル信号(SRCDS)を生成する。適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段(TTC)は、かかるサンプリングレートが変換されたデータ信号(SRCDS)を受信するために設計され、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)からチルトが補償されたデータ信号(TDCS)を生成する。ビット検出手段(DET)は、かかるチルトが補償されたデータ信号(TCDS)を受信するために設計され、出力データ信号(ODS)を生成する。タンジェンシャルチルトの推定手段(TTE)は、かかるタンジェンシャルチルトの測定値(MTT)を生成する。
【0082】
動詞「有する“comprise”」は、請求項に列挙された以外のエレメントの存在を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】光データキャリアにおけるラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトを例示する図である。
【図2】光データキャリアの光スポットのコマ収差を例示する図である。
【図3】公知の方法であるタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図4】本発明に係る第一の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図5】本発明に係る第二の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図6】本発明に係る第三の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図7】本発明に係る第四の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図8】本発明に係る第五の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図9】本発明に係る第六の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図10】本発明に係る第七の方法のタンジェンシャルチルト補償を示す図である。
【図11】PLLを有するサンプリングレートレートデータコンバータで実行される異なる処理ステップを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法であって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号に適用され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップと、
前記チルトが補償されたデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換するステップと、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出ステップと、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するためのタンジェンシャルチルトを推定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記サンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記チルトが補償されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記読出しデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、更にサンプリングレートが変換されたデータ信号(ASRCDS)を生成するための更なるサンプリングレートを変換するステップを更に有し、前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記更にサンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記ビット検出ステップにより生成されたデータデシジョン信号から実行される、
請求項2乃至5のいずれか記載の方法。
【請求項7】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法であって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換するステップと、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップと、
前記チルトが補償されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出ステップと、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記チルトが補償されたデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記読出しデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記サンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記タンジェンシャルチルトを推定するステップは、前記ビット検出ステップにより生成されたデータデシジョン信号から実行される、
請求項8乃至9のいずれか記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか記載の方法のステップを実現するためのコード命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項13】
主要なデータ信号を記録することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する光ディスクドライブであって、
前記主要なデータ信号から導出される読出しデータ信号を受けるために設計され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段と、
前記チルトが補償されたデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換する手段と、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出手段と、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定する手段と、
を有することを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項14】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償するための光ディスクドライブであって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレート変換手段と、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号を受けるために設計され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段と、
前記チルトが補償されたデータ信号を受けるために設計され、出力データ信号を生成するビット検出手段と、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定する手段と、
を有することを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項1】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法であって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号に適用され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップと、
前記チルトが補償されたデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換するステップと、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出ステップと、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するためのタンジェンシャルチルトを推定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記サンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記チルトが補償されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記読出しデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、更にサンプリングレートが変換されたデータ信号(ASRCDS)を生成するための更なるサンプリングレートを変換するステップを更に有し、前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記更にサンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記ビット検出ステップにより生成されたデータデシジョン信号から実行される、
請求項2乃至5のいずれか記載の方法。
【請求項7】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する方法であって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換するステップと、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償するステップと、
前記チルトが補償されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出ステップと、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記チルトが補償されたデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記読出しデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記タンジェンシャルチルト推定ステップは、前記サンプリングレートが変換されたデータ信号から実行される、
請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記タンジェンシャルチルトを推定するステップは、前記ビット検出ステップにより生成されたデータデシジョン信号から実行される、
請求項8乃至9のいずれか記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか記載の方法のステップを実現するためのコード命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項13】
主要なデータ信号を記録することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償する光ディスクドライブであって、
前記主要なデータ信号から導出される読出しデータ信号を受けるために設計され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段と、
前記チルトが補償されたデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレートを変換する手段と、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号に適用され、出力データ信号を生成するビット検出手段と、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定する手段と、
を有することを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項14】
主要なデータ信号を記憶することが意図される光データキャリアのタンジェンシャルチルトを補償するための光ディスクドライブであって、
前記主要なデータ信号から導出された読出しデータ信号のサンプリングレートを変換し、サンプリングレートが変換されたデータ信号を生成するサンプリングレート変換手段と、
前記サンプリングレートが変換されたデータ信号を受けるために設計され、前記タンジェンシャルチルトの測定値からチルトが補償されたデータ信号を生成する適応的にタンジェンシャルチルトを補償する手段と、
前記チルトが補償されたデータ信号を受けるために設計され、出力データ信号を生成するビット検出手段と、
前記タンジェンシャルチルトの測定値を生成するタンジェンシャルチルトを推定する手段と、
を有することを特徴とする光ディスクドライブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−503672(P2007−503672A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530663(P2006−530663)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001609
【国際公開番号】WO2004/105028
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001609
【国際公開番号】WO2004/105028
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
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