説明

光トランシーバ、宅側装置および光トランシーバ制御方法

【課題】光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることが可能な光トランシーバ、宅側装置および光トランシーバ制御方法を提供する。
【解決手段】光トランシーバ21は、光信号を送受信し、光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態がある送受信部31,32と、各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受けるための端子12と、端子12が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別するための判別部13とを備える。送受信部31,32は、各状態のうち、判別部13によって判別された状態で動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバ、宅側装置および光トランシーバ制御方法に関し、特に、省電力動作が可能な光トランシーバ、宅側装置および光トランシーバ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが広く普及しており、利用者は世界各地で運営されているサイトの様々な情報にアクセスし、その情報を入手することが可能である。これに伴って、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)およびFTTH(Fiber To The Home)等のブロードバンドアクセスが可能な装置も急速に普及してきている。
【0003】
IEEE Std 802.3ah(登録商標)−2004(非特許文献1)には、複数の宅側装置(ONU:Optical Network Unit)が光通信回線を共有して局側装置(OLT:Optical Line Terminal)とのデータ伝送を行なう媒体共有形通信である受動的光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)の1つの方式が開示されている。すなわち、PONを通過するユーザ情報およびPONを管理運用するための制御情報を含め、すべての情報がイーサネット(登録商標)フレームの形式で通信されるEPON(Ethernet(登録商標) PON)と、EPONのアクセス制御プロトコル(MPCP(Multi-Point Control Protocol))およびOAM(Operations Administration and Maintenance)プロトコルとが規定されている。局側装置と宅側装置との間でMPCPフレームをやりとりすることによって、宅側装置の加入、離脱、および上りアクセス多重制御などが行なわれる。また、非特許文献1では、MPCPメッセージによる、新規宅側装置の登録方法、帯域割り当て要求を示すレポート、および送信指示を示すゲートについて記載されている。
【0004】
なお、1ギガビット/秒の通信速度を実現するEPONであるGE−PON(Giga Bit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)の次世代の技術として、IEEE802.3av(登録商標)−2009として標準化が行なわれた10G−EPONすなわち通信速度が10ギガビット/秒相当のEPONにおいても、アクセス制御プロトコルはMPCPが前提となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IEEE Std 802.3ah(登録商標)-2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ONUの省電力化が要求されており、ONUに搭載される、光信号を送受信するための光トランシーバも省電力化を図る必要がある。このため、ONUの省電力動作において、光トランシーバを適切に制御することが要求される。たとえば、光トランシーバの動作状態すなわち光トランシーバにおける各回路への電力供給の有無を制御するために、ONUの本体側から複数の制御信号を光トランシーバに与える構成が考えられる。
【0007】
また、ONUの小型化も要求されており、光トランシーバの小型化も図る必要がある。光トランシーバの小型化を実現するためには、サイズのみならず、特に光トランシーバに取り付けられるコネクタの端子数を削減する必要がある。
【0008】
しかしながら、光トランシーバを省電力動作させるために複数の制御信号を光トランシーバに与えようとすると、光トランシーバの端子数が増大してしまい、小型化に反する結果となる。
【0009】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることが可能な光トランシーバ、宅側装置および光トランシーバ制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる光トランシーバは、光信号を送受信し、上記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態がある送受信部と、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受けるための端子と、上記端子が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、上記動作命令情報の示す状態を判別するための判別部とを備え、上記送受信部は、上記各状態のうち、上記判別部によって判別された状態で動作する。
【0011】
このような構成により、たとえば3つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の2つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。また、たとえば4つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の3つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つまたは2つにまとめることができる。したがって、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバの応答速度の低下を防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、上記送受信部において、上記光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0013】
このような構成により、光トランシーバの送信部における3つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0014】
より好ましくは、上記送受信部は、発光素子を含む発光回路と、上記発光素子に変調電流を供給するための変調回路と、上記発光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第1の電源と、上記変調回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第2の電源とを含み、上記送信オフ状態において、上記第1の電源は上記発光回路への電力供給を停止し、上記第2の電源は上記変調回路への電力供給を停止し、上記送信オン状態において、上記第1の電源は上記発光回路に電力を供給し、上記第2の電源は上記変調回路に電力を供給し、上記スタンバイ状態において、上記第1の電源は上記発光回路への電力供給を停止し、上記第2の電源は上記変調回路に電力を供給する。
【0015】
このような構成により、光トランシーバの端子数の削減を図るとともに、光トランシーバの送信部における各回路の省電力制御を適切に行なうことができる。
【0016】
より好ましくは、上記送信オフ状態、上記スタンバイ状態および上記送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、上記スタンバイ状態を示す上記動作命令情報として上記端子が受ける電圧が、上記送信オン状態および上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記端子がそれぞれ受ける電圧の中間電圧であるか、または上記スタンバイ状態を示す上記動作命令情報として上記端子が受ける電流が、上記送信オン状態および上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記端子がそれぞれ受ける電流の中間電流である。
【0017】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバが受ける電圧または電流の、光トランシーバの状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバの応答速度を向上させることができる。
【0018】
好ましくは、上記送受信部において、上記光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、上記光信号の送信動作を停止し、かつ上記光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、上記光信号の送信準備を行ない、かつ上記光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および上記光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0019】
このような構成により、光トランシーバの送信部および受信部における4つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0020】
より好ましくは、上記送受信部は、発光素子を含む発光回路と、上記発光素子に変調電流を供給するための変調回路と、受光素子を含む受光回路と、上記発光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第1の電源と、上記変調回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第2の電源と、上記受光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第3の電源とを含み、上記送受信オフ状態において、上記第1の電源は上記発光回路への電力供給を停止し、上記第2の電源は上記変調回路への電力供給を停止し、上記第3の電源は上記受光回路への電力供給を停止し、上記送信オフ状態において、上記第1の電源は上記発光回路への電力供給を停止し、上記第2の電源は上記変調回路への電力供給を停止し、上記第3の電源は上記受光回路に電力を供給し、上記送信スタンバイ状態において、上記第1の電源は上記発光回路への電力供給を停止し、上記第2の電源は上記変調回路に電力を供給し、上記第3の電源は上記受光回路に電力を供給し、上記送受信オン状態において、上記第1の電源は上記発光回路に電力を供給し、上記第2の電源は上記変調回路に電力を供給し、上記第3の電源は上記受光回路に電力を供給する。
【0021】
このような構成により、光トランシーバの端子数の削減を図るとともに、光トランシーバの送信部および受信部における各回路の省電力制御を適切に行なうことができる。
【0022】
より好ましくは、上記送受信オフ状態、上記送信オフ状態、上記送信スタンバイ状態、および上記送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記端子が受ける電圧が、上記送受信オフ状態、および、上記送信スタンバイ状態または上記送受信オン状態を示す上記動作命令情報として上記端子がそれぞれ受ける電圧の中間電圧であるか、または上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記端子が受ける電流が、上記送受信オフ状態、および、上記送信スタンバイ状態または上記送受信オン状態を示す上記動作命令情報として上記端子がそれぞれ受ける電流の中間電流である。
【0023】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバが受ける電圧または電流の、光トランシーバの状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバの応答速度を向上させることができる。
【0024】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる宅側装置は、局側装置と光信号を送受信するための宅側装置であって、上記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態があり、上記直鎖状の遷移が電圧または電流の増加または減少となるように、上記各状態が電圧または電流の大きさで対応づけられた動作命令情報があり、上記光信号の送受信を行う光トランシーバをいずれの状態で動作させるかを定めるための制御部と、上記制御部によって定められた上記状態を上記動作命令情報に変換して上記光トランシーバへ与えるための命令部とを備える。
【0025】
このような構成により、たとえば3つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の2つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。また、たとえば4つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の3つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つまたは2つにまとめることができる。したがって、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバの応答速度の低下を防ぐことができる。
【0026】
好ましくは、上記光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0027】
このような構成により、光トランシーバの送信部における3つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0028】
より好ましくは、上記送信オフ状態、上記スタンバイ状態および上記送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、上記命令部は、上記スタンバイ状態を示す上記動作命令情報として、上記送信オン状態および上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記光トランシーバへそれぞれ出力する電圧の中間電圧を上記光トランシーバへ出力するか、または上記スタンバイ状態を示す上記動作命令情報として、上記送信オン状態および上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として上記光トランシーバへそれぞれ出力する電流の中間電流を上記光トランシーバへ出力する。
【0029】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバが受ける電圧または電流の、光トランシーバの状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバの応答速度を向上させることができる。
【0030】
好ましくは、上記光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、上記光信号の送信動作を停止し、かつ上記光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、上記光信号の送信準備を行ない、かつ上記光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および上記光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0031】
このような構成により、光トランシーバの送信部および受信部における4つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0032】
より好ましくは、上記送受信オフ状態、上記送信オフ状態、上記送信スタンバイ状態、および上記送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、上記命令部は、上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として、上記送受信オフ状態、および、上記送信スタンバイ状態または上記送受信オン状態を示す上記動作命令情報として上記光トランシーバへそれぞれ出力する電圧の中間電圧を上記光トランシーバへ出力するか、または上記送信オフ状態を示す上記動作命令情報として、上記送受信オフ状態、および、上記送信スタンバイ状態または上記送受信オン状態を示す上記動作命令情報として上記光トランシーバへそれぞれ出力する電流の中間電流を上記光トランシーバへ出力する。
【0033】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバが受ける電圧または電流の、光トランシーバの状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバの応答速度を向上させることができる。
【0034】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる光トランシーバ制御方法は、局側装置と光信号を送受信し、上記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態があり、上記直鎖状の遷移が電圧または電流の増加または減少となるように、上記各状態が電圧または電流の大きさで対応づけられた動作命令情報がある宅側装置における光トランシーバ制御方法であって、上記光信号の送受信を行う光トランシーバをいずれの状態で動作させるかを定めるステップと、定めた上記状態を上記動作命令情報に変換して上記光トランシーバへ与えるステップと、上記光トランシーバが、上記動作命令情報として受けた電圧または電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、上記動作命令情報の示す状態を判別するステップと、上記光トランシーバが、上記各状態のうち、判別した状態で動作するステップとを含む。
【0035】
このような構成により、たとえば3つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の2つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。また、たとえば4つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の3つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つまたは2つにまとめることができる。したがって、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバの応答速度の低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムにおける宅側装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図8】図7に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバにおける光出力、およびバースト送信部用の各制御信号の切り替えタイミングの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図19】本発明第2の実施の形態に係るPONシステムにおける局側装置および宅側装置間のデータの流れ、ならびに宅側装置の動作モードを示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係るPONシステムにおける宅側装置が省電力処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図25】図24に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。
【図27】図26に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【図28】本発明の第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る宅側装置が光トランシーバを制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0039】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
【0040】
図1を参照して、PONシステム301は、たとえば10G−EPONであり、宅側装置202A,202B,202C,202Dと、局側装置201と、スプリッタSP1,SP2とを備える。宅側装置202A,202B,202Cと局側装置201とは、スプリッタSP1およびSP2ならびに光ファイバOPTFを介して接続され、互いに光信号を送受信する。宅側装置202Dと局側装置201とは、スプリッタSP2および光ファイバOPTFを介して接続され、互いに光信号を送受信する。PONシステム301では、宅側装置202A,202B,202C,202Dから局側装置201への光信号が時分割多重される。
【0041】
ここで、ONUから上位ネットワークへの方向を上り方向と称し、上位ネットワークからONUへの方向を下り方向と称する。
【0042】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムにおける宅側装置の構成を示す図である。
【0043】
図2を参照して、宅側装置202は、光トランシーバ21と、PON受信処理部22と、バッファメモリ23と、UN送信処理部24と、UNI(User Network Interface)ポート25と、UN受信処理部26と、バッファメモリ27と、PON送信処理部28と、制御部29とを備える。
【0044】
光トランシーバ21は、宅側装置202に対して脱着可能である。光トランシーバ21は、宅側装置202に装着された状態において、たとえば宅側装置202から供給される電源電圧によって動作する。光トランシーバ21は、局側装置201から送信される下り光信号を受信し、電気信号に変換して出力する。
【0045】
PON受信処理部22は、光トランシーバ21から受けた電気信号からフレームを再構成するとともに、フレームの種別に応じて制御部29またはUN送信処理部24にフレームを振り分ける。具体的には、PON受信処理部22は、データフレームをバッファメモリ23経由でUN送信処理部24へ出力し、制御フレームを制御部29へ出力する。
【0046】
制御部29は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、UN送信処理部24へ出力する。
【0047】
UN送信処理部24は、PON受信処理部22から受けたデータフレームおよび制御部29から受けた制御フレームをUNIポート25経由で図示しないパーソナルコンピュータ等のユーザ端末へ送信する。
【0048】
UN受信処理部26は、UNIポート25経由でユーザ端末から受信したデータフレームをバッファメモリ27経由でPON送信処理部28へ出力し、UNIポート25経由でユーザ端末から受信した制御フレームを制御部29へ出力する。
【0049】
制御部29は、MPCPおよびOAM等、局側装置201および宅側装置202間のPON回線の制御および管理に関する宅側処理を行なう。すなわち、PON回線に接続されている局側装置201とMPCPメッセージおよびOAMメッセージをやりとりすることによって、アクセス制御等の各種制御を行なう。制御部29は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、PON送信処理部28へ出力する。また、制御部29は、宅側装置202における各ユニットの各種設定処理を行なう。
【0050】
PON送信処理部28は、UN受信処理部26から受けたデータフレームおよび制御部29から受けた制御フレームを光トランシーバ21へ出力する。
【0051】
光トランシーバ21は、PON送信処理部28から受けたデータフレームおよび制御フレームを光信号に変換し、局側装置201へ送信する。
【0052】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバの構成を示す図である。
【0053】
図3を参照して、光トランシーバ21は、バースト送信部31と、バースト受信部32と、マスタI/F(インタフェース)69と、CPU(Central Processing Unit)70と、スレイブI/F71と、制御レジスタ72とを含む。バースト送信部31は、光信号を送信するための電気回路として、送信変調回路74と、発光回路75とを含む。また、バースト送信部31は、電源64〜66と、バイアス回路68とを含む。CPU70は、たとえばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である記憶部73を含む。送信変調回路74は、プリバッファ回路61と、イコライザ回路62と、出力バッファ回路63と、キャパシタC1,C2とを含む。プリバッファ回路61は、抵抗Rを含む。発光回路75は、発光素子LDと、インダクタL1,L2とを含む。
【0054】
また、バースト受信部32は、光信号を受信するための電気回路である受光回路として、受光素子PDと、TIA(トランスインピーダンスアンプ)81と、LIA(制限アンプ)82と、CDR(Clock and Data Recovery)83と、イコライザ回路84と、出力バッファ85と、キャパシタC3〜C6とを含む。また、バースト受信部32は、電源86〜90を含む。
【0055】
バースト送信部31において、プリバッファ回路61は、UN受信処理部26からのデータフレームおよび制御部29からの制御フレームである送信データをキャパシタC1およびC2を介して受け、当該送信データを増幅して出力する。たとえば、プリバッファ回路61は、当該送信データを、信号線INP,INNからバランス信号として受ける。
【0056】
イコライザ回路62は、プリバッファ回路61から受けた送信データの波形整形たとえば位相歪みの補正を行なって出力する。
【0057】
出力バッファ回路63は、イコライザ回路62から受けた送信データに基づいて、発光回路75に変調電流を供給する。
【0058】
発光回路75は、上り光信号を局側装置201へ送信する。発光回路75において、発光素子LDは、電源電圧Vdd1の供給される電源ノードにインダクタL1を介して接続され、また、バイアス回路68にインダクタL2を介して接続されている。発光素子LDは、バイアス回路68から供給されたバイアス電流、および出力バッファ回路63から供給された変調電流に基づいて発光し、かつ発光強度を変更する。
【0059】
電源64〜66は、プリバッファ回路61、イコライザ回路62および出力バッファ回路63にそれぞれ電力としてたとえば電流を供給し、電力供給の開始および停止を制御することが可能である。より詳細には、電源64〜66は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号に基づいて、プリバッファ回路61、イコライザ回路62および出力バッファ回路63に電流を供給するか否かをそれぞれ切り替える。
【0060】
バイアス回路68は、発光回路75に電力としてたとえばバイアス電流を供給する。また、バイアス回路68は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号およびバーストイネーブル信号に基づいて、発光回路75にバイアス電流を供給するか否かを切り替える。
【0061】
具体的には、電源64〜66は、送信ディスエーブル信号が非活性化されている場合にプリバッファ回路61、イコライザ回路62および出力バッファ回路63への電力供給をそれぞれ行ない、送信ディスエーブル信号が活性化されている場合に当該電力供給を停止する。
【0062】
また、バイアス回路68は、送信ディスエーブル信号が非活性化され、かつバーストイネーブル信号が活性化されている場合に発光回路75への電力供給を行ない、それ以外の場合には発光回路75への電力供給を停止する。
【0063】
CPU70は、たとえば、信号線SCLおよび信号線SDAからなるI2Cバス経由で制御部29との間で各種データをやりとりする。
【0064】
マスタI/F69は、CPU70およびI2Cバス間のインタフェース機能を提供する。
【0065】
スレイブI/F71は、CPU70および制御レジスタ72間のインタフェース機能を提供する。
【0066】
CPU70は、スレイブI/F71を介して種々の制御データを制御レジスタ72に書き込む。
【0067】
また、CPU70における記憶部73は、プリバッファ回路61、イコライザ回路62、出力バッファ回路63および発光回路75の、電力供給の開始および停止に対する応答時間をそれぞれ記憶する。たとえば、この応答時間は、プリバッファ回路61、イコライザ回路62、出力バッファ回路63および発光回路75が、対応の電源またはバイアス回路からの電力供給を受けてから動作を開始するまでの立ち上がり時間、および電力供給が停止されてから動作を停止するまでの立ち下がり時間の和である。
【0068】
バースト送信部31では、プリバッファ回路61、イコライザ回路62、出力バッファ回路63および発光回路75のうち、プリバッファ回路61の応答が最も遅く、プリバッファ回路61の立ち上がり時間は、ACカップリング用のキャパシタC1,C2および終端抵抗Rによる時定数τとなる。
【0069】
電源66は、制御レジスタ72に書き込まれた制御データAPC1に基づいて、出力バッファ回路63への供給電流量を変更する。
【0070】
バイアス回路68は、制御レジスタ72に書き込まれた制御データAPC2に基づいて、発光回路75への供給電流量を変更する。
【0071】
バースト受信部32において、受光素子PDは、局側装置201から受信した光信号を電流に変換して出力する。
【0072】
TIA81は、受光素子PDから受けた電流を電圧に変換し、キャパシタC3およびC4経由でLIA82へ出力する。
【0073】
LIA82は、TIA81から受けた電圧のレベルを2値化し、受信データとして出力する。
【0074】
CDR83は、LIA82から受けた受信データのリシェーピングを行なうとともに、当該受信データからタイミングを抽出し、抽出したタイミングに基づいて受信データのリタイミングを行なうことにより、局側装置201との同期を確立する。
【0075】
イコライザ回路84は、CDR83から受けた受信データの波形整形たとえば位相歪みの補正を行なって出力する。
【0076】
出力バッファ85は、イコライザ回路84から受けた受信データを増幅し、キャパシタC5およびC6を介してPON受信処理部22へ出力する。たとえば、出力バッファ85は、当該受信データを、バランス信号として信号線OUTP,OUTNから出力する。
【0077】
電源86〜90は、TIA81、LIA82、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85にそれぞれ電力としてたとえば電流を供給する。また、電源88〜90は、電力供給の開始および停止を制御することが可能である。より詳細には、電源88〜90は、制御部29から受けた受信ディスエーブル信号に基づいて、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85に電流を供給するか否かをそれぞれ切り替える。
【0078】
具体的には、電源88〜90は、受信ディスエーブル信号が非活性化されている場合にCDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85への電力供給をそれぞれ行ない、受信ディスエーブル信号が活性化されている場合に当該電力供給を停止する。
【0079】
以下、電源64,65,66、バイアス回路68および電源88,89,90の各々を単に「電源」と称する場合がある。
【0080】
また、CPU70における記憶部73は、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85の、電力供給の開始および停止に対する応答時間をそれぞれ記憶する。たとえば、この応答時間は、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85が、対応の電源からの電力供給を受けてから動作を開始するまでの立ち上がり時間、および電力供給が停止されてから動作を停止するまでの立ち下がり時間の和である。
【0081】
バースト受信部32では、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85のうち、CDR83の応答が最も遅く、CDR83の立ち上がり時間は、CDR83におけるPLL(Phase Locked Loop)回路のロック時間となる。
【0082】
また、光トランシーバ21では、CDR83におけるPLL回路のロック時間を早めるために、電源86および87からそれぞれTIA81およびLIA82への電力供給停止制御は行なわれていない。しかしながら、たとえば光トランシーバ21においてCDR83を設けない場合には、電源86および87へ受信ディスエーブル信号を出力することにより、それぞれTIA81およびLIA82への電力供給の開始および停止を制御することも可能である。
【0083】
光トランシーバ21は、制御部29からの複数の制御信号により、光信号の送信または受信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的すなわち直列的に遷移する。たとえば、光トランシーバ21におけるバースト送信部31は、光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態で動作可能であり、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0084】
制御部29は、上記各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する制御信号、たとえば光トランシーバ21における光信号の送信部への電力供給の有無を制御する複数の制御信号を生成する。
【0085】
具体的には、送信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止する。
【0086】
送信オン状態において、バイアス回路68は発光回路75に電力を供給し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給する。
【0087】
スタンバイ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給する。
【0088】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【0089】
図4を参照して、宅側装置202は、さらに、命令部11を備える。命令部11は、NチャネルMOSトランジスタ41,42と、インバータ43と、抵抗44,45とを含む。光トランシーバ21は、さらに、制御端子12と、判別部13とを含む。判別部13は、オペアンプ51,52と、インバータ53と、定電圧源54,55とを含む。
【0090】
命令部11は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子12へ出力する。すなわち、制御端子12は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧を受ける。
【0091】
判別部13は、制御端子12が受けた電圧の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。光トランシーバ21におけるバースト送信部31は、上記各状態のうち、判別部13によって判別された状態で動作する。
【0092】
より詳細には、命令部11において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。抵抗45は、抵抗44の第2端に接続された第1端と、第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ41は、制御部29からのバーストイネーブル信号を受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ42は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ43経由で受けるゲートと、抵抗45の第2端に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。インバータ43は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、抵抗44および45の抵抗値をRとする。また、電源電圧Vccは、たとえば電源電圧Vdd1およびVdd2と比べて電圧レベルの絶対値が小さい。
【0093】
判別部13において、オペアンプ51は、制御端子12に接続された非反転入力端子と、定電圧源54からVcc/4の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。オペアンプ52は、制御端子12に接続された非反転入力端子と、定電圧源55から(Vcc×3/4)の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。
【0094】
オペアンプ51は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を出力する。
【0095】
インバータ53は、オペアンプ51から受けた信号の論理レベルを反転し、バーストイネーブル信号として出力する。
【0096】
オペアンプ52は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力する。
【0097】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0098】
図5を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41および42がオフする。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0099】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0100】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオフし、NチャネルMOSトランジスタ42がオンする。これにより、制御端子12における電圧はVcc/2となる。
【0101】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0102】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオンし、NチャネルMOSトランジスタ42がオンする。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0103】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オン状態となる。
【0104】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子12における電圧は、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のゼロとなるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。
【0105】
すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置では、このような状態を対象外として扱うことにより、端子数の削減を図っている。
【0106】
このように、命令部11は、スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する接地電圧および送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧Vccの中間電圧であるVcc/2を光トランシーバ21へ出力する。
【0107】
すなわち、スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧は、送信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧および送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧の中間電圧である。
【0108】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図4に示す構成と同様である。
【0109】
図6を参照して、宅側装置202は、命令部11の代わりに命令部14を備える。命令部14は、NチャネルMOSトランジスタ41,42と、インバータ43と、抵抗45とを含む。光トランシーバ21は、判別部13の代わりに判別部15を含む。判別部15は、抵抗44と、オペアンプ51,52と、インバータ53と、定電圧源54,55とを含む。
【0110】
命令部14において、抵抗45は、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第1端と、NチャネルMOSトランジスタ42のドレインに接続された第2端とを有する。
【0111】
判別部15において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。
【0112】
この変形例では、命令部14は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、光トランシーバ21の各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電流を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子12へ出力する。すなわち、制御端子12は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電流を受ける。
【0113】
判別部15は、制御端子12が受けた電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。
【0114】
光トランシーバ21におけるバースト送信部31は、上記各状態のうち、判別部15によって判別された状態で動作する。
【0115】
なお、この変形例における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係は図5と同様になる。
【0116】
すなわち、命令部14は、スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流および送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0117】
言い換えれば、スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流は、送信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流および送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流の中間電流である。
【0118】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図4に示す構成と同様である。
【0119】
図7を参照して、宅側装置202は、命令部11の代わりに命令部16を備える。命令部16は、NチャネルMOSトランジスタ41,42と、インバータ43と、抵抗44と、定電流源46,47とを含む。
【0120】
命令部16において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ41は、制御部29からのバーストイネーブル信号を受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、定電流源46の第1端に接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ42は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ43経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、定電流源47の第1端に接続されたソースとを有する。定電流源46および47の第2端は、接地電圧の供給される接地ノードに接続されている。インバータ43は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、定電流源46,47は、Vcc/(2×R)の電流を出力するものとする。
【0121】
図8は、図7に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0122】
図8を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41および42がオフする。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0123】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0124】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオフし、NチャネルMOSトランジスタ42がオンして定電流源47が電流を出力する。これにより、制御端子12における電圧はVcc/2となる。
【0125】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0126】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオンして定電流源46が電流を出力し、NチャネルMOSトランジスタ42がオンして定電流源47が電流を出力する。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0127】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オン状態となる。
【0128】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子12における電圧は、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のVcc/2となるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。
【0129】
なお、図7に示す構成においても、図6に示す構成と同様に、抵抗44を光トランシーバ21側に設けることが可能である。
【0130】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図4に示す構成と同様である。
【0131】
図9を参照して、宅側装置202は、命令部11の代わりに命令部96を備える。命令部96は、バッファ91,92と、抵抗93,94と、インバータ95とを含む。
【0132】
抵抗93は、バッファ91の出力端子に接続された第1端と、制御端子12に接続された第2端とを有する。抵抗94は、バッファ92の出力端子に接続された第1端と、制御端子12に接続された第2端とを有する。
【0133】
バッファ91,92は、たとえばプッシュプルCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッファである。ここでは、抵抗93および94の抵抗値をRとする。
【0134】
インバータ95は、制御部29から受けたバーストイネーブル信号の論理レベルを反転してバッファ91へ出力する。バッファ92は、制御部29から送信ディスエーブル信号を受ける。
【0135】
図10は、図9に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0136】
図10を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ92の出力は論理ハイレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0137】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0138】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ92の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はVcc/2となる。
【0139】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0140】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ローレベルとなり、バッファ92の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0141】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オン状態となる。
【0142】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子12における電圧は、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のVcc/2となるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。
【0143】
このように、プッシュプルCMOSバッファを用いる構成により、図4等に示すようなNチャネルMOSトランジスタを用いる構成と比べて、たとえばターンオフ時の応答性を高めることが可能となる。
【0144】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置の省電力動作について図面を用いて説明する。
【0145】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバにおける光出力、およびバースト送信部用の各制御信号の切り替えタイミングの一例を示す図である。
【0146】
図11を参照して、バーストデータの送信終了タイミングに従い、バーストイネーブル信号が非活性化される(タイミングt1)。そうすると、バーストイネーブル信号の伝達遅延時間td経過後においてバイアス電流が減少し始め(タイミングt2)、時間Toff_ben経過後にバイアス電流がゼロになる(タイミングt3)。これにより、発光回路75への電流供給が停止される。
【0147】
次に、バイアス電流がゼロになるタイミングt3から時間Ton_dis経過後に、送信ディスエーブル信号が活性化される(タイミングt4)。これにより、送信変調回路74への電流供給が停止される。
【0148】
次に、送信ディスエーブル信号が非活性化され、変調電流の供給が開始される(タイミングt5)。
【0149】
そして、時間Toff_dis経過後に、バーストイネーブル信号が活性化される(タイミングt6)。この時間Toff_disにより、送信変調回路74の立ち上がり時間が確保される。
【0150】
そうすると、タイミングt6からバーストイネーブル信号の伝達遅延時間td経過後においてバイアス電流が流れ始め、無効データが送信され始める(タイミングt7)。
【0151】
次に、バーストデータの送信開始タイミングであるタイミングt8より少し前にバイアス電流が安定する。そして、タイミングt8において、有効なデータの送信が開始される。
【0152】
この例では、タイミングt1からタイミングt4までの期間がスタンバイ状態に該当し、タイミングt4からタイミングt5までの期間が送信オフ状態に該当し、タイミングt5からタイミングt6までの期間がスタンバイ状態に該当し、タイミングt6からタイミングt8を過ぎて次のバーストデータの送信終了タイミングまでの期間が送信オン状態に該当する。
【0153】
このように、光トランシーバ21では、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。すなわち、送信オフ状態および送信オン状態間がスタンバイ状態経由で遷移する。図4、図6および図7に示す例において、動作命令情報が送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態をそれぞれ示す場合に制御端子12が受ける電圧または電流の大きさは、この順番で段階的に変化する。
【0154】
また、図11では、タイミングt1からタイミングt3までの時間BENoffが発光回路75の立ち下がり時間に相当し、タイミングt6からタイミングt8までの時間BENonが発光回路75の立ち上がり時間に相当し、(時間BENoff+時間BENon)が発光回路75の応答時間T1に相当する。
【0155】
また、タイミングt3からタイミングt4までの時間Ton_disが送信変調回路74の立ち下がり時間に相当し、タイミングt5からタイミングt6までの時間Toff_disが送信変調回路74の立ち上がり時間に相当し、(時間Ton_dis+時間Toff_dis)が送信変調回路74の応答時間T2に相当する。
【0156】
ところで、光トランシーバをたとえば省電力動作させるために、複数の制御信号を光トランシーバに与えようとすると、光トランシーバの端子数が増大してしまい、小型化に反する結果となる。
【0157】
また、複数の制御信号の代わりにシリアルデータを光トランシーバ21へ出力すれば、光トランシーバ21の端子数を削減することが可能である。しかしながら、このような構成では、シリアルデータのデコードに時間を要してしまい、光トランシーバ21の応答速度が低下してしまう。
【0158】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバでは、バースト送信部31は、光信号の送信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的に遷移する。制御端子12は、各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受ける。判別部13は、制御端子12が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。そして、バースト送信部31は、各状態のうち、判別部13によって判別された状態で動作する。
【0159】
また、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置では、制御部29は、上記各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する複数の制御信号を生成する。命令部11は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、上記各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する。
【0160】
すなわち、たとえば2値の複数の制御信号を3値の1つの制御信号にエンコードした後、制御対象すなわち光トランシーバへ出力する。そして、エンコードされた制御信号を光トランシーバ21において2値の複数の制御信号にデコードする。
【0161】
このような構成により、たとえば3つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の2つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。すなわち、複数の制御信号を用いて光トランシーバを制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0162】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバでは、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバ21の応答速度の低下を防ぐことができる。
【0163】
また、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置では、光トランシーバ21は、光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態で動作可能であり、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0164】
このような構成により、光トランシーバ21の送信部における3つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置202の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置202の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0165】
また、本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバでは、送信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止する。送信オン状態において、バイアス回路68は発光回路75に電力を供給し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給する。スタンバイ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給する。
【0166】
このような構成により、光トランシーバの端子数の削減を図るとともに、光トランシーバ21のバースト送信部31における各回路の省電力制御を適切に行なうことができる。
【0167】
また、本発明の第1の実施の形態に係る宅側装置では、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。命令部11は、スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オン状態および送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧の中間電圧を光トランシーバ21へそれぞれ出力する。あるいは、命令部11は、スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オン状態および送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0168】
また、本発明の第1の実施の形態に係る光トランシーバでは、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧が、送信オン状態および送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電圧の中間電圧である。あるいは、スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流が、送信オン状態および送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電流の中間電流である。
【0169】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバ21が受ける電圧または電流の、光トランシーバ21の状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバ21の応答速度を向上させることができる。
【0170】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0171】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るPONシステムと比べて宅側装置が光トランシーバの送信および受信の両方に関する状態を制御するPONシステムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るPONシステムと同様である。
【0172】
[構成および基本動作]
光トランシーバ21は、制御部29からの複数の制御信号により、光信号の送信または受信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的すなわち直列的に遷移する。たとえば、光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、光信号の送信動作を停止し、かつ光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、光信号の送信準備を行ない、かつ光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態で動作可能である。これらの送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、直鎖的すなわち直列的に遷移する。
【0173】
制御部29は、上記各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する制御信号、たとえば光トランシーバ21における光信号の送信部または受信部への電力供給の有無を制御する複数の制御信号を生成する。
【0174】
具体的には、送受信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路であるCDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85への電力供給を停止する。
【0175】
送信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。
【0176】
送信スタンバイ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。
【0177】
送受信オン状態において、バイアス回路68は発光回路75に電力を供給し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。
【0178】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【0179】
図12を参照して、宅側装置202は、さらに、命令部17を備える。命令部17は、NチャネルMOSトランジスタ41,42,48と、インバータ43,49と、抵抗44,45,50とを含む。光トランシーバ21は、さらに、制御端子12と、判別部18とを含む。判別部18は、オペアンプ51,52,56と、インバータ53と、定電圧源54,55,57とを含む。
【0180】
命令部11は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子12へ出力する。すなわち、制御端子12は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧を受ける。
【0181】
判別部13は、制御端子12が受けた電圧の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。
【0182】
光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部13によって判別された状態で動作する。
【0183】
より詳細には、命令部17において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。抵抗45は、抵抗44の第2端に接続された第1端と、第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ41は、制御部29からのバーストイネーブル信号を受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ42は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ43経由で受けるゲートと、抵抗45の第2端に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。抵抗50は、抵抗44の第2端に接続された第1端と、第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ48は、制御部29からの受信ディスエーブル信号をインバータ49経由で受けるゲートと、抵抗50の第2端に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。インバータ43は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。インバータ49は、制御部29から受けた受信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、抵抗44の抵抗値はRであり、抵抗45の抵抗値はR×2/3であり、抵抗50の抵抗値は2×Rとする。
【0184】
判別部18において、オペアンプ51は、制御端子12に接続された非反転入力端子と、定電圧源54からVcc/6の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。オペアンプ52は、制御端子12に接続された非反転入力端子と、定電圧源55からVcc/2の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。オペアンプ56は、制御端子12に接続された非反転入力端子と、定電圧源57から(Vcc×5/6)の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。
【0185】
オペアンプ51は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を出力する。
【0186】
インバータ53は、オペアンプ51から受けた信号の論理レベルを反転し、バーストイネーブル信号として出力する。
【0187】
オペアンプ52は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力する。
【0188】
オペアンプ56は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を受信ディスエーブル信号として出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を受信ディスエーブル信号として出力する。
【0189】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0190】
図13を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41〜43がオフする。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0191】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0192】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41および42がオフし、NチャネルMOSトランジスタ48がオンする。これにより、制御端子12における電圧はVcc×2/3となる。
【0193】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0194】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオフし、NチャネルMOSトランジスタ42および48がオンする。これにより、制御端子12における電圧はVcc/3となる。
【0195】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0196】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41〜43がオンする。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0197】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。
【0198】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子12における電圧は、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のVcc×2/3となるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。
【0199】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルとなる状態のうち、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。すなわち、宅側装置202は、局側装置201からゲートフレーム等の下りフレームを受信しないと、局側装置201への上りフレーム送信を行なえない。このため、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルのとき、宅側装置201の下りフレーム受信動作は停止しないはずである。これを考慮して、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであれば、受信ディスエーブル信号の論理レベルに関わらず、制御端子12の電圧をゼロにしている。
【0200】
すなわち、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置では、上記のような各状態を対象外として扱うことにより、端子数の削減を図っている。
【0201】
このように、命令部17は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧Vccおよび送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧Vcc/3の中間電圧であるVcc×2/3を光トランシーバ21へ出力する。また、命令部17は、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧Vcc×2/3および送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する接地電圧の中間電圧であるVcc/3を光トランシーバ21へ出力する。
【0202】
すなわち、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧は、送受信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧の中間電圧である。また、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧は、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧および送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧の中間電圧である。
【0203】
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図12に示す構成と同様である。
【0204】
図14を参照して、宅側装置202は、命令部17の代わりに命令部19を備える。命令部19は、NチャネルMOSトランジスタ41,42,48と、インバータ43,49と、抵抗45,50とを含む。光トランシーバ21は、判別部18の代わりに判別部20を含む。判別部20は、抵抗44と、オペアンプ51,52,56と、インバータ53と、定電圧源54,55,57とを含む。
【0205】
命令部19において、抵抗45は、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第1端と、NチャネルMOSトランジスタ42のドレインに接続された第2端とを有する。抵抗50は、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第1端と、NチャネルMOSトランジスタ48のドレインに接続された第2端とを有する。
【0206】
判別部20において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。
【0207】
この変形例では、命令部19は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、光トランシーバ21の各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電流を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子12へ出力する。すなわち、制御端子12は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電流を受ける。
【0208】
判別部15は、制御端子12が受けた電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。
【0209】
光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部15によって判別された状態で動作する。
【0210】
なお、この変形例における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係は図13と同様になる。
【0211】
すなわち、命令部19は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。また、命令部19は、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流および送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0212】
言い換えれば、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流は、送受信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流の中間電流である。また、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流は、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流および送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流の中間電流である。
【0213】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図12に示す構成と同様である。
【0214】
図15を参照して、宅側装置202は、命令部19の代わりに命令部10を備える。命令部10は、NチャネルMOSトランジスタ41,42,48と、インバータ43,49と、抵抗44と、定電流源40,46,47とを含む。
【0215】
命令部10において、抵抗44は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子12に接続された第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ41は、制御部29からのバーストイネーブル信号を受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、定電流源46の第1端に接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ42は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ43経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、定電流源47の第1端に接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ48は、制御部29からの受信ディスエーブル信号をインバータ49経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子12に接続されたドレインと、定電流源40の第1端に接続されたソースとを有する。定電流源46,47,40の第2端は、接地電圧の供給される接地ノードに接続されている。インバータ43は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。インバータ49は、制御部29から受けた受信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、抵抗44の抵抗値はRであり、定電流源46,47,40は、Vcc/(3×R)の電流を出力するものとする。
【0216】
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0217】
図16を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41〜43がオフする。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0218】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0219】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41および42がオフし、NチャネルMOSトランジスタ48がオンして定電流源40が電流を出力する。これにより、制御端子12における電圧はVcc×2/3となる。
【0220】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0221】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41がオフし、NチャネルMOSトランジスタ42および48がオンして定電流源47および40が電流を出力する。これにより、制御端子12における電圧はVcc/3となる。
【0222】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0223】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ41〜43がオンして定電流源46,47,40が電流を出力する。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0224】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。
【0225】
なお、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。また、図15に示す構成においても、図14に示す構成と同様に、抵抗44を光トランシーバ21側に設けることが可能である。
【0226】
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図12に示す構成と同様である。
【0227】
図17を参照して、宅側装置202は、命令部19の代わりに命令部99を備える。命令部99は、バッファ91,92,97と、抵抗93,94,98と、インバータ95とを含む。
【0228】
抵抗93は、バッファ91の出力端子に接続された第1端と、制御端子12に接続された第2端とを有する。抵抗94は、バッファ92の出力端子に接続された第1端と、制御端子12に接続された第2端とを有する。抵抗98は、バッファ97の出力端子に接続された第1端と、制御端子12に接続された第2端とを有する。
【0229】
バッファ91,92,97は、たとえばプッシュプルCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッファである。ここでは、抵抗93の抵抗値をRとする。そして、抵抗94の抵抗値をR1とし、抵抗98の抵抗値をR2とすると、R1およびR2については、以下の関係が成り立つ。
R1//R2=R/2
R//R1=R2/2
したがって、R1=R2=Rである。
【0230】
インバータ95は、制御部29から受けたバーストイネーブル信号の論理レベルを反転してバッファ91へ出力する。バッファ92は、制御部29から送信ディスエーブル信号を受ける。バッファ97は、制御部29から受信ディスエーブル信号を受ける。
【0231】
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0232】
図18を参照して、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ92の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ97の出力は論理ハイレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はVccとなる。
【0233】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0234】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ92の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ97の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はVcc×2/3となる。
【0235】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0236】
また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ92の出力は論理ローレベルとなり、バッファ97の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はVcc/3となる。
【0237】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ローレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0238】
また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルであり、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ91の出力は論理ローレベルとなり、バッファ92の出力は論理ローレベルとなり、バッファ97の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子12における電圧はゼロとなる。
【0239】
このとき、判別部13において、インバータ53から論理ハイレベルのバーストイネーブル信号が出力され、オペアンプ52から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ56から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。
【0240】
なお、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。
【0241】
このように、プッシュプルCMOSバッファを用いる構成により、図12等に示すようなNチャネルMOSトランジスタを用いる構成と比べて、たとえばターンオフ時の応答性を高めることが可能となる。
【0242】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置の省電力動作について図面を用いて説明する。
【0243】
図19は、本発明第2の実施の形態に係るPONシステムにおける局側装置および宅側装置間のデータの流れ、ならびに宅側装置の動作モードを示す図である。図19では、局側装置と1つの宅側装置との間の処理について説明するが、局側装置に複数の宅側装置が接続される場合も同様である。
【0244】
図19を参照して、まず、宅側装置202が通常モードで動作している状態において、局側装置201は、ゲートフレームを宅側装置202へ送信し(ステップS1)、また、省電力モード設定フレームを宅側装置202へ送信する。この省電力モード設定フレームには、たとえば、パワーセーブ期間TSおよびその開始タイミングtaが含まれる(ステップS2)。
【0245】
次に、宅側装置202は、パワーセーブ期間TSの開始タイミングtaにおいて、省電力モードへ遷移する(ステップS3)。
【0246】
また、宅側装置202は、省電力モード設定フレームに対する省電力ACKフレームを局側装置201へ送信する(ステップS4)。
【0247】
なお、宅側装置202は、パワーセーブ期間TSの長さと光トランシーバ21における各電気回路の応答時間との関係から、省電力モードへ遷移できないと判断した場合には、引き続き通常モードで動作し(ステップS3)、要求エラーフレームを局側装置201へ送信する(ステップS4)。
【0248】
次に、宅側装置202は、パワーセーブ期間TSの終了タイミングtbにおいて、省電力モードから通常モードへ遷移する(ステップS5)。
【0249】
また、局側装置201は、宅側装置202が通常モードで動作中であるか省電力モードで動作中であるかに関わらず、ゲートフレームを宅側装置202へ送信する(ステップS6)。
【0250】
次に、宅側装置202における省電力処理について詳細に説明する。
【0251】
制御部29は、宅側装置202が省電力動作を行なうべき省電力期間(パワーセーブ期間)の通知を局側装置201から受ける。
【0252】
制御部29は、対応の電源の電力供給の開始および停止に対する光トランシーバ21における各電気回路の応答時間、および局側装置201から通知された省電力期間に基づいて、各電源の電力供給の開始および停止のシーケンスを計画する。
【0253】
たとえば、制御部29は、各電気回路の応答時間と、省電力期間とを比較し、比較結果に基づいて省電力期間に伴う各電気回路への電力供給の停止の有無を決定する。
【0254】
また、制御部29は、パワーセーブ期間TSの終了に際し、宅側装置202が光信号の送信を再開すべきタイミングを基準として、当該タイミングまでに各電気回路が動作できるようなシーケンスを計画する。
【0255】
すなわち、光トランシーバ21における各電気回路への電力供給を停止するタイミングは、パワーセーブ期間TSの終了タイミングまでに各電気回路が動作を再開できるようなタイミングに設定される。このため、パワーセーブ期間TSが短い場合には、応答時間の長い電気回路への電力供給停止は行なわない。
【0256】
そして、光トランシーバ21における各電源は、制御部29によって計画されたシーケンスに基づいて対応の電気回路への電力供給を行なう。
【0257】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係るPONシステムにおける宅側装置が省電力処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0258】
図20において、時間T1は、発光回路75の応答時間である。時間T2は、送信変調回路74の応答時間である。時間T2は、プリバッファ回路61、イコライザ回路62および出力バッファ回路63の各応答時間のうち、最大の応答時間となる。時間T3は、CDR83、イコライザ回路84および出力バッファ85の各応答時間のうち、最大の応答時間である。
【0259】
ここでは、たとえば、時間T1<時間T2<時間T3であると仮定する。また、時間T1〜T3は、前述のように光トランシーバ21における記憶部73に保存されており、制御部29は、I2Cバス経由で記憶部73から時間T1〜T3を読み出すことが可能である。
【0260】
図20を参照して、まず、通常モードにおいて、制御部29は、局側装置201からのゲートフレームおよび省電力モード設定フレームを受信する。そして、制御部29は、省電力モード設定フレームに含まれるパワーセーブ期間TSを取得する(ステップS11)。
【0261】
次に、制御部29は、パワーセーブ期間TSが時間T3以上である場合には(ステップS12でNO)、省電力モードで動作可能であると判断し、省電力ACKフレームを局側装置201へ送信する(ステップS13)。
【0262】
次に、制御部29は、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送受信オン状態から送信スタンバイ状態へ遷移させ、送信オフ状態へ遷移させ、そして送受信オフ状態へ遷移させる(ステップS14)。
【0263】
そして、制御部29は、パワーセーブ期間TSの終了タイミングになると(ステップS15でYES)、省電力モードから通常モードへ復帰する。
【0264】
すなわち、制御部29は、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送受信オフ状態から送信オフ状態へ遷移させ、送信スタンバイ状態へ遷移させ、そして送受信オン状態へ遷移させる(ステップS16)。
【0265】
また、制御部29は、パワーセーブ期間TSが時間T3未満であって(ステップS12でYES)、時間T2以上である場合には(ステップS17でNO)、光トランシーバ21の送受信オフ状態への遷移無しの省電力モードで動作可能であると判断し、省電力ACKフレームを局側装置201へ送信する(ステップS18)。
【0266】
次に、制御部29は、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送受信オン状態から送信スタンバイ状態へ遷移させ、そして送信オフ状態へ遷移させる(ステップS19)。
【0267】
そして、制御部29は、パワーセーブ期間TSの終了タイミングになると(ステップS20でYES)、省電力モードから通常モードへ復帰する。
【0268】
すなわち、制御部29は、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送信オフ状態から送信スタンバイ状態へ遷移させ、そして送受信オン状態へ遷移させる(ステップS21)。
【0269】
また、制御部29は、パワーセーブ期間TSが時間T2未満であって(ステップS17でYES)、時間T1以上である場合には(ステップS22でNO)、省電力モードで動作不可であると判断し、要求エラーフレームを局側装置201へ送信する(ステップS23)。
【0270】
次に、制御部29は、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送受信オン状態から送信スタンバイ状態へ遷移させる(ステップS24)。
【0271】
そして、制御部29は、パワーセーブ期間TSの終了タイミングになると(ステップS25でYES)、前述のように各制御信号の論理レベルを設定することにより、光トランシーバ21を送信スタンバイ状態から送受信オン状態へ遷移させる(ステップS26)。すなわち、制御部29は、省電力モードで動作せず、光トランシーバ21において、発光回路75への電力供給のみを停止する通常のバースト送信制御を行なう。
【0272】
また、制御部29は、パワーセーブ期間TSが時間T1未満である場合には(ステップS22でYES)、要求エラーフレームを局側装置201へ送信する。すなわち、制御部29は、省電力モードへ遷移しない。また、制御部29は、通常のバースト送信制御も行なえず、光トランシーバ21における発光回路75への電力供給停止制御を行なわない(ステップS27)。
【0273】
なお、前述の図11では、パワーセーブ期間TSは、タイミングt1からタイミングt6までの期間となり、タイミングt4からタイミングt5までの期間の長さが、パワーセーブ期間TSの長さに応じて設定される。図11は、パワーセーブ期間TSが(時間T1+時間T2)以上である場合を示している。
【0274】
このように、光トランシーバ21では、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。
【0275】
すなわち、図12、図14および図15に示す例において、動作命令情報が送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態および送受信オン状態をそれぞれ示す場合に制御端子12が受ける電圧または電流の大きさは、この順番で段階的に変化する。
【0276】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るPONシステムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0277】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る光トランシーバでは、バースト送信部31およびバースト受信部32は、光信号の送信または受信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的に遷移する。制御端子12は、各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受ける。判別部13は、制御端子12が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。そして、バースト送信部31およびバースト受信部32は、各状態のうち、判別部13によって判別された状態で動作する。
【0278】
また、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置では、制御部29は、上記各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する複数の制御信号を生成する。命令部11は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、上記各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する。
【0279】
すなわち、たとえば2値の複数の制御信号を4値の1つの制御信号にエンコードした後、制御対象すなわち光トランシーバへ出力する。そして、エンコードされた制御信号を光トランシーバ21において2値の複数の制御信号にデコードする。
【0280】
このような構成により、たとえば4つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の3つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号を光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。すなわち、複数の制御信号を用いて光トランシーバを制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0281】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る光トランシーバでは、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバ21の応答速度の低下を防ぐことができる。
【0282】
また、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置では、光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、光信号の送信動作を停止し、かつ光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、光信号の送信準備を行ない、かつ光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態で動作可能であり、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0283】
このような構成により、光トランシーバ21の送信部および受信部における4つの状態の遷移を制御することができるため、各宅側装置202の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置202の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0284】
また、本発明の第2の実施の形態に係る光トランシーバでは、送受信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路への電力供給を停止する。送信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。送信スタンバイ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。送受信オン状態において、バイアス回路68は発光回路75に電力を供給し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。
【0285】
このような構成により、光トランシーバの端子数の削減を図るとともに、光トランシーバ21のバースト送信部31およびバースト受信部32における各回路の省電力制御を適切に行なうことができる。
【0286】
また、本発明の第2の実施の形態に係る宅側装置では、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。命令部11は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電圧の中間電圧を光トランシーバ21へ出力する。また、命令部11は、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オフ状態および送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電圧の中間電圧を光トランシーバ21へ出力する。あるいは、命令部11は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。また、命令部11は、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として、送信オフ状態および送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0287】
また、本発明の第2の実施の形態に係る光トランシーバでは、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧が、送受信オフ状態および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電圧の中間電圧である。また、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電圧が、送信オフ状態および送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電圧の中間電圧である。あるいは、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流が、送受信オフ状態および送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電流の中間電流である。また、送信スタンバイ状態を示す動作命令情報として制御端子12が受ける電流が、送信オフ状態および送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子12がそれぞれ受ける電流の中間電流である。
【0288】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバ21が受ける電圧または電流の、光トランシーバ21の状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバ21の応答速度を向上させることができる。
【0289】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0290】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係るPONシステムと比べて変換対象の制御信号を変更したPONシステムに関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係るPONシステムと同様である。
【0291】
図21は、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成を示す図である。
【0292】
図21を参照して、宅側装置202は、さらに、命令部101を備える。命令部101は、NチャネルMOSトランジスタ141,142と、インバータ143,148と、抵抗144,145とを含む。光トランシーバ21は、さらに、制御端子131,132と、判別部111とを含む。判別部111は、オペアンプ151,152と、定電圧源154,155とを含む。
【0293】
命令部101は、制御部29によって生成された複数の制御信号すなわち送信ディスエーブル信号および受信ディスエーブル信号の制御内容を、送受信オフ状態、送信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子131へ出力する。すなわち、制御端子131は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧を受ける。
【0294】
判別部111は、制御端子131が受けた電圧の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。
【0295】
また、光トランシーバ21は、バーストイネーブル信号を制御端子132経由で制御部29から受ける。
【0296】
光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部111によって判別された状態で動作する。より詳細には、バースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部111による判別結果および制御端子132経由で受けたバーストイネーブル信号に基づく状態で動作する。
【0297】
より詳細には、命令部101において、抵抗144は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子131に接続された第2端とを有する。抵抗145は、抵抗144の第2端に接続された第1端と、第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ141は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ148経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子131に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ142は、制御部29からの受信ディスエーブル信号をインバータ143経由で受けるゲートと、抵抗145の第2端に接続されたドレインと、接地電圧の供給される接地ノードに接続されたソースとを有する。インバータ148は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。インバータ143は、制御部29から受けた受信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、抵抗144および145の抵抗値をRとする。また、電源電圧Vccは、たとえば電源電圧Vdd1およびVdd2と比べて電圧レベルの絶対値が小さい。
【0298】
判別部111において、オペアンプ151は、制御端子131に接続された非反転入力端子と、定電圧源154からVcc/4の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。オペアンプ152は、制御端子131に接続された非反転入力端子と、定電圧源155から(Vcc×3/4)の電圧を受ける反転入力端子と、出力端子とを有する。
【0299】
オペアンプ151は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を送信ディスエーブル信号として出力する。
【0300】
オペアンプ152は、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が大きい場合には論理ハイレベルの信号を受信ディスエーブル信号として出力し、反転入力端子における電圧よりも非反転入力端子における電圧の方が小さい場合には論理ローレベルの信号を受信ディスエーブル信号として出力する。
【0301】
図22は、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0302】
図22を参照して、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141および142がオフする。これにより、制御端子131における電圧はVccとなる。
【0303】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0304】
また、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141がオフし、NチャネルMOSトランジスタ142がオンする。これにより、制御端子131における電圧はVcc/2となる。
【0305】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0306】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141がオンし、NチャネルMOSトランジスタ142がオンする。これにより、制御端子131における電圧はゼロとなる。
【0307】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態または送信スタンバイ状態となる。そして、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0308】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子131における電圧は、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のゼロとなるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルとなる状態のうち、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。
【0309】
すなわち、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置では、これらの状態を対象外として扱うことにより、端子数の削減を図っている。
【0310】
このように、命令部101は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する接地電圧および送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電圧Vccの中間電圧であるVcc/2を光トランシーバ21へ出力する。
【0311】
すなわち、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電圧は、送受信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電圧および送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電圧の中間電圧である。
【0312】
図23は、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図21に示す構成と同様である。
【0313】
図23を参照して、宅側装置202は、命令部101の代わりに命令部102を備える。命令部102は、NチャネルMOSトランジスタ141,142と、インバータ143,148と、抵抗145とを含む。光トランシーバ21は、判別部111の代わりに判別部112を含む。判別部112は、抵抗144と、オペアンプ151,152と、定電圧源154,155とを含む。
【0314】
命令部102において、抵抗145は、光トランシーバ21の制御端子131に接続された第1端と、NチャネルMOSトランジスタ142のドレインに接続された第2端とを有する。
【0315】
判別部112において、抵抗144は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子131に接続された第2端とを有する。
【0316】
この変形例では、命令部102は、制御部29によって生成された複数の制御信号すなわち送信ディスエーブル信号および受信ディスエーブル信号の制御内容を、送受信オフ状態、送信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電流を動作命令情報として光トランシーバ21における制御端子131へ出力する。すなわち、制御端子131は、上記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電流を受ける。
【0317】
判別部112は、制御端子131が受けた電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。
【0318】
また、光トランシーバ21は、バーストイネーブル信号を制御端子132経由で制御部29から受ける。
【0319】
光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部112によって判別された状態で動作する。より詳細には、バースト送信部31およびバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別部112による判別結果および制御端子132経由で受けたバーストイネーブル信号に基づく状態で動作する。
【0320】
なお、この変形例における光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係は図22と同様になる。
【0321】
すなわち、命令部102は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流および送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0322】
言い換えれば、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電流は、送受信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電流および送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電流の中間電流である。
【0323】
図24は、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図21に示す構成と同様である。
【0324】
図24を参照して、宅側装置202は、命令部101の代わりに命令部103を備える。命令部103は、NチャネルMOSトランジスタ141,142と、インバータ143,148と、抵抗144と、定電流源146,147とを含む。
【0325】
命令部103において、抵抗144は、電源電圧Vccの供給されるノードに接続された第1端と、光トランシーバ21の制御端子131に接続された第2端とを有する。NチャネルMOSトランジスタ141は、制御部29からの送信ディスエーブル信号をインバータ148経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子131に接続されたドレインと、定電流源146の第1端に接続されたソースとを有する。NチャネルMOSトランジスタ142は、制御部29からの受信ディスエーブル信号をインバータ143経由で受けるゲートと、光トランシーバ21の制御端子131に接続されたドレインと、定電流源147の第1端に接続されたソースとを有する。定電流源146および147の第2端は、接地電圧の供給される接地ノードに接続されている。インバータ148は、制御部29から受けた送信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。インバータ143は、制御部29から受けた受信ディスエーブル信号の論理レベルを反転して出力する。ここでは、定電流源146,147は、Vcc/(2×R)の電流を出力するものとする。
【0326】
図25は、図24に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0327】
図25を参照して、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141および142がオフする。これにより、制御端子131における電圧はVccとなる。
【0328】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0329】
また、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141がオフし、NチャネルMOSトランジスタ142がオンして定電流源147が電流を出力する。これにより、制御端子131における電圧はVcc/2となる。
【0330】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0331】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、NチャネルMOSトランジスタ141がオンして定電流源146が電流を出力し、NチャネルMOSトランジスタ142がオンして定電流源147が電流を出力する。これにより、制御端子131における電圧はゼロとなる。
【0332】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態または送信スタンバイ状態となる。そして、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0333】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子131における電圧は、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のVcc/2となるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルとなる状態のうち、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。
【0334】
なお、図24に示す構成においても、図23に示す構成と同様に、抵抗144を光トランシーバ21側に設けることが可能である。
【0335】
図26は、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置における光トランシーバへの制御信号の伝達構成の変形例を示す図である。以下で説明する内容以外は図21に示す構成と同様である。
【0336】
図26を参照して、宅側装置202は、命令部101の代わりに命令部104を備える。命令部104は、バッファ191,192と、抵抗193,194とを含む。
【0337】
抵抗193は、バッファ191の出力端子に接続された第1端と、制御端子131に接続された第2端とを有する。抵抗194は、バッファ192の出力端子に接続された第1端と、制御端子131に接続された第2端とを有する。
【0338】
バッファ191,192は、たとえばプッシュプルCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッファである。ここでは、抵抗193および194の抵抗値をRとする。
【0339】
バッファ191は、制御部29から送信ディスエーブル信号を受ける。バッファ192は、制御部29から受信ディスエーブル信号を受ける。
【0340】
図27は、図26に示す変形例における、光トランシーバへの制御信号の論理レベル、制御端子の電圧、および光トランシーバの動作状態の関係を示す図である。
【0341】
図27を参照して、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、バッファ191の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ192の出力は論理ハイレベルとなる。これにより、制御端子131における電圧はVccとなる。
【0342】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ハイレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オフ状態となる。
【0343】
また、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ191の出力は論理ハイレベルとなり、バッファ192の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子131における電圧はVcc/2となる。
【0344】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ハイレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。そして、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信オフ状態となる。
【0345】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合には、バッファ191の出力は論理ローレベルとなり、バッファ192の出力は論理ローレベルとなる。これにより、制御端子131における電圧はゼロとなる。
【0346】
このとき、判別部111において、オペアンプ151から論理ローレベルの送信ディスエーブル信号が出力され、オペアンプ152から論理ローレベルの受信ディスエーブル信号が出力される。これにより、光トランシーバ21は送受信オン状態または送信スタンバイ状態となる。そして、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルである場合、光トランシーバ21は送受信オン状態となる。また、バーストイネーブル信号が論理ローレベルである場合、光トランシーバ21は送信スタンバイ状態となる。
【0347】
また、送信ディスエーブル信号が論理ローレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ハイレベルである場合には、制御端子131における電圧は、送信ディスエーブル信号が論理ハイレベルであり、受信ディスエーブル信号が論理ローレベルである場合と同様のVcc/2となるが、PONシステム301では、各制御信号がこのような状態となることはなく、対象外の動作となる。また、バーストイネーブル信号が論理ハイレベルとなる状態のうち、上記以外の状態は、PONシステム301において、対象外の動作となる。
【0348】
このように、プッシュプルCMOSバッファを用いる構成により、図21等に示すようなNチャネルMOSトランジスタを用いる構成と比べて、たとえばターンオフ時の応答性を高めることが可能となる。
【0349】
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係るPONシステムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0350】
図28は、本発明の第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る宅側装置が光トランシーバを制御する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0351】
図28を参照して、まず、制御部29は、光トランシーバ21の各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する複数の制御信号を生成する(ステップS31)。
【0352】
次に、宅側装置202の本体側における命令部は、生成した複数の制御信号の制御内容を、上記各状態のうちのいずれかの状態に変換する(ステップS32)。
【0353】
次に、宅側装置202の本体側における命令部は、変換した状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する(ステップS33)。
【0354】
次に、光トランシーバ21における判別部は、動作命令情報として受けた電圧または電流の大きさに基づいて、上記各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する(ステップS34)。
【0355】
次に、光トランシーバ21におけるバースト送信部31またはバースト受信部32は、上記各状態のうち、判別した状態で動作する(ステップS35)。
【0356】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る光トランシーバでは、バースト送信部31およびバースト受信部32は、光信号の送信または受信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的に遷移する。制御端子131は、各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受ける。判別部111は、制御端子131が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、各状態のうち、動作命令情報の示す状態を判別する。そして、バースト送信部31およびバースト受信部32は、各状態のうち、判別部111によって判別された状態で動作する。
【0357】
また、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置では、制御部29は、上記各状態のうち、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを制御する複数の制御信号を生成する。命令部101は、制御部29によって生成された複数の制御信号の制御内容を、上記各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する。
【0358】
すなわち、たとえば2値の複数の制御信号を3値の1つの制御信号にエンコードした後、制御対象すなわち光トランシーバへ出力する。そして、エンコードされた制御信号を光トランシーバ21において2値の複数の制御信号にデコードする。
【0359】
このような構成により、たとえば4つの状態で動作可能な光トランシーバの動作状態を、2値の3つの制御信号によって制御する場合に、これらの制御信号のうちの2つを光トランシーバへ与えるための端子を1つにまとめることができる。すなわち、複数の制御信号を用いて光トランシーバを制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、上記3つの制御信号のうち、残りの1つの制御信号を他の端子経由で光トランシーバへ与える構成により、高速に動作させる必要のある制御信号を、エンコードおよびデコードすることなく光トランシーバへ与えることが可能となる。
【0360】
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る光トランシーバでは、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバ21の応答速度の低下を防ぐことができる。
【0361】
また、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置では、光トランシーバ21におけるバースト送信部31およびバースト受信部32は、光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、光信号の送信動作を停止し、かつ光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、光信号の送信準備を行ない、かつ光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態で動作可能であり、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態が直鎖的に遷移する。
【0362】
このような構成により、光トランシーバ21の送信部および受信部における4つの状態の遷移を制御することができる。より詳細には、命令部101および判別部111によって送受信オフ状態、送信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態の動作命令を1つの端子経由で伝達する。そして、他の制御信号すなわちバーストイネーブル信号を他の端子経由で伝達し、送信スタンバイ状態および送受信オン状態を切り替える。これにより、各宅側装置202の上りフレームの送信間隔をより短く設定することができ、各宅側装置202の省電力動作を細かく設定することができる。したがって、複数の制御信号を用いて光トランシーバの省電力化を図るとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。
【0363】
また、本発明の第3の実施の形態に係る光トランシーバでは、送受信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路への電力供給を停止する。送信オフ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74への電力供給を停止し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。送信スタンバイ状態において、バイアス回路68は発光回路75への電力供給を停止し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。送受信オン状態において、バイアス回路68は発光回路75に電力を供給し、電源64〜66は送信変調回路74に電力を供給し、電源88〜90は受光回路に電力を供給する。
【0364】
このような構成により、光トランシーバの端子数の削減を図るとともに、光トランシーバ21のバースト送信部31およびバースト受信部32における各回路の省電力制御を適切に行なうことができる。
【0365】
また、本発明の第3の実施の形態に係る宅側装置では、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。命令部101は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電圧の中間電圧を光トランシーバ21へ出力する。あるいは、命令部101は、送信オフ状態を示す動作命令情報として、送受信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として光トランシーバ21へそれぞれ出力する電流の中間電流を光トランシーバ21へ出力する。
【0366】
また、本発明の第3の実施の形態に係る光トランシーバでは、送受信オフ状態、送信オフ状態、送信スタンバイ状態、および送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移する。送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電圧が、送受信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子131がそれぞれ受ける電圧の中間電圧である。あるいは、送信オフ状態を示す動作命令情報として制御端子131が受ける電流が、送受信オフ状態、および、送信スタンバイ状態または送受信オン状態を示す動作命令情報として制御端子131がそれぞれ受ける電流の中間電流である。
【0367】
このような構成により、動作命令情報として光トランシーバ21が受ける電圧または電流の、光トランシーバ21の状態遷移に伴う変化量を少なくすることができるため、光トランシーバ21の応答速度を向上させることができる。
【0368】
なお、本発明の第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る宅側装置では、制御部が制御信号を生成し、命令部が当該制御信号の制御内容を、光トランシーバ21の各状態のうちのいずれかの状態に変換し、変換した状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御信号を生成して変換する構成に限らず、光トランシーバ21の各状態に対応する大きさの電圧または電流を動作命令情報として光トランシーバ21へ出力する構成であればよい。
【0369】
また、本発明の第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る宅側装置では、光トランシーバ21は、光信号の送信または受信に関し3つ以上の状態で動作可能であり、かつ各状態が直鎖的に遷移する構成であるとしたが、これに限定するものではない。光トランシーバ21は、上記各状態に加えて、直鎖的に遷移しない動作状態を有する構成であってもよい。
【0370】
すなわち、宅側装置202において、光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態があり、また、この直鎖状の遷移が電圧または電流の増加または減少となるように、上記各状態が電圧または電流の大きさで対応づけられた動作命令情報がある。制御部は、光トランシーバ21をいずれの状態で動作させるかを定める。そして、命令部は、制御部によって定められた状態を動作命令情報に変換して光トランシーバ21へ与える。
【0371】
このような構成であっても、光トランシーバの動作状態を制御するとともに、光トランシーバの端子数の削減を図ることができる。また、制御信号のデコードに時間を要しないことから、光トランシーバの応答速度の低下を防ぐことができる。
【0372】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0373】
11,14,16,17,19,96,101,102,103,104 命令部
12,131,132 制御端子
13,15,18,20,111,112,113 判別部
21 光トランシーバ
22 PON受信処理部
23 バッファメモリ
24 UN送信処理部
25 UNIポート
26 UN受信処理部
27 バッファメモリ
28 PON送信処理部
29 制御部
31 バースト送信部
32 バースト受信部
41,42,48,141,142 NチャネルMOSトランジスタ
43,49,53,95,143,148 インバータ
44,45,50,93,94,144,145,193,194 抵抗
51,52,56,151,152 オペアンプ
40,54,55,57,154,155 定電圧源
46,47,146,147 定電流源
61 プリバッファ回路
62 イコライザ回路
63 出力バッファ回路
64〜66 電源
68 バイアス回路
69 マスタI/F
70 CPU
71 スレイブI/F
72 制御レジスタ
73 記憶部
74 送信変調回路
75 発光回路
91,92,191,192 バッファ
201 局側装置
202A,202B,202C,202D 宅側装置
301 PONシステム
C1,C2 キャパシタ
SP1,SP2 スプリッタ
OPTF 光ファイバ
L1,L2 インダクタ
LD 発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を送受信し、前記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態がある送受信部と、
前記各状態のうちのいずれの状態で動作すべきかを示す動作命令情報として電圧または電流を受けるための端子と、
前記端子が受けた電圧または電流の大きさに基づいて、前記各状態のうち、前記動作命令情報の示す状態を判別するための判別部とを備え、
前記送受信部は、前記各状態のうち、前記判別部によって判別された状態で動作する、光トランシーバ。
【請求項2】
前記送受信部において、前記光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する、請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記送受信部は、
発光素子を含む発光回路と、
前記発光素子に変調電流を供給するための変調回路と、
前記発光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第1の電源と、
前記変調回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第2の電源とを含み、
前記送信オフ状態において、前記第1の電源は前記発光回路への電力供給を停止し、前記第2の電源は前記変調回路への電力供給を停止し、
前記送信オン状態において、前記第1の電源は前記発光回路に電力を供給し、前記第2の電源は前記変調回路に電力を供給し、
前記スタンバイ状態において、前記第1の電源は前記発光回路への電力供給を停止し、前記第2の電源は前記変調回路に電力を供給する、請求項2に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記送信オフ状態、前記スタンバイ状態および前記送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、
前記スタンバイ状態を示す前記動作命令情報として前記端子が受ける電圧が、前記送信オン状態および前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記端子がそれぞれ受ける電圧の中間電圧であるか、または
前記スタンバイ状態を示す前記動作命令情報として前記端子が受ける電流が、前記送信オン状態および前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記端子がそれぞれ受ける電流の中間電流である、請求項2または請求項3に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記送受信部において、前記光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、前記光信号の送信動作を停止し、かつ前記光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、前記光信号の送信準備を行ない、かつ前記光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および前記光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態が直鎖的に遷移する、請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項6】
前記送受信部は、
発光素子を含む発光回路と、
前記発光素子に変調電流を供給するための変調回路と、
受光素子を含む受光回路と、
前記発光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第1の電源と、
前記変調回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第2の電源と、
前記受光回路に電力を供給し、電力供給の開始および停止を制御可能な第3の電源とを含み、
前記送受信オフ状態において、前記第1の電源は前記発光回路への電力供給を停止し、前記第2の電源は前記変調回路への電力供給を停止し、前記第3の電源は前記受光回路への電力供給を停止し、
前記送信オフ状態において、前記第1の電源は前記発光回路への電力供給を停止し、前記第2の電源は前記変調回路への電力供給を停止し、前記第3の電源は前記受光回路に電力を供給し、
前記送信スタンバイ状態において、前記第1の電源は前記発光回路への電力供給を停止し、前記第2の電源は前記変調回路に電力を供給し、前記第3の電源は前記受光回路に電力を供給し、
前記送受信オン状態において、前記第1の電源は前記発光回路に電力を供給し、前記第2の電源は前記変調回路に電力を供給し、前記第3の電源は前記受光回路に電力を供給する、請求項5に記載の光トランシーバ。
【請求項7】
前記送受信オフ状態、前記送信オフ状態、前記送信スタンバイ状態、および前記送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、
前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記端子が受ける電圧が、前記送受信オフ状態、および、前記送信スタンバイ状態または前記送受信オン状態を示す前記動作命令情報として前記端子がそれぞれ受ける電圧の中間電圧であるか、または
前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記端子が受ける電流が、前記送受信オフ状態、および、前記送信スタンバイ状態または前記送受信オン状態を示す前記動作命令情報として前記端子がそれぞれ受ける電流の中間電流である、請求項5または請求項6に記載の光トランシーバ。
【請求項8】
局側装置と光信号を送受信するための宅側装置であって、
前記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態があり、
前記直鎖状の遷移が電圧または電流の増加または減少となるように、前記各状態が電圧または電流の大きさで対応づけられた動作命令情報があり、
前記光信号の送受信を行う光トランシーバをいずれの状態で動作させるかを定めるための制御部と、
前記制御部によって定められた前記状態を前記動作命令情報に変換して前記光トランシーバへ与えるための命令部とを備える、宅側装置。
【請求項9】
前記光信号の送信に関し、送信オフ状態、スタンバイ状態および送信オン状態が直鎖的に遷移する、請求項8に記載の宅側装置。
【請求項10】
前記送信オフ状態、前記スタンバイ状態および前記送信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、
前記命令部は、前記スタンバイ状態を示す前記動作命令情報として、前記送信オン状態および前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記光トランシーバへそれぞれ出力する電圧の中間電圧を前記光トランシーバへ出力するか、または
前記スタンバイ状態を示す前記動作命令情報として、前記送信オン状態および前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として前記光トランシーバへそれぞれ出力する電流の中間電流を前記光トランシーバへ出力する、請求項9に記載の宅側装置。
【請求項11】
前記光信号の送信動作および受信動作を停止する送受信オフ状態、前記光信号の送信動作を停止し、かつ前記光信号の受信動作を行なう送信オフ状態、前記光信号の送信準備を行ない、かつ前記光信号の受信動作を行なう送信スタンバイ状態、および前記光信号の送信動作および受信動作を行なう送受信オン状態が直鎖的に遷移する、請求項8に記載の宅側装置。
【請求項12】
前記送受信オフ状態、前記送信オフ状態、前記送信スタンバイ状態、および前記送受信オン状態は、この順番で両方向に直鎖的に遷移し、
前記命令部は、前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として、前記送受信オフ状態、および、前記送信スタンバイ状態または前記送受信オン状態を示す前記動作命令情報として前記光トランシーバへそれぞれ出力する電圧の中間電圧を前記光トランシーバへ出力するか、または
前記送信オフ状態を示す前記動作命令情報として、前記送受信オフ状態、および、前記送信スタンバイ状態または前記送受信オン状態を示す前記動作命令情報として前記光トランシーバへそれぞれ出力する電流の中間電流を前記光トランシーバへ出力する、請求項11に記載の宅側装置。
【請求項13】
局側装置と光信号を送受信し、前記光信号の送信または受信に関して直鎖状に遷移する3つ以上の状態があり、前記直鎖状の遷移が電圧または電流の増加または減少となるように、前記各状態が電圧または電流の大きさで対応づけられた動作命令情報がある宅側装置における光トランシーバ制御方法であって、
前記光信号の送受信を行う光トランシーバをいずれの状態で動作させるかを定めるステップと、
定めた前記状態を前記動作命令情報に変換して前記光トランシーバへ与えるステップと、
前記光トランシーバが、前記動作命令情報として受けた電圧または電流の大きさに基づいて、前記各状態のうち、前記動作命令情報の示す状態を判別するステップと、
前記光トランシーバが、前記各状態のうち、判別した状態で動作するステップとを含む、光トランシーバ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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