説明

光ネットワーク装置

【課題】規格に従って高速通信を実現する場合に必要となる機能ブロックを削減し、部品点数の低減、消費電力の低減、コストの低減を可能とすることのできる光ネットワーク装置を提供する。
【解決手段】光ネットワーク装置において、A側の光信号を処理するBlockでは、受信したAlarm情報とA側の設定とから、Alarm Code Informationを生成し、B側に送る。Alarm Code Informationを受信した、B側の光信号を処理するBlockでは、Alarm Code InformationとB側の設定にしたがって、Signal ReplacementとOH処理を行う。これにより、A側、B側それぞれでOHを処理するBlockが不要となり、装置全体としての機能ブロックの数を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、光信号を転送する光ネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光ネットワーク装置の市場においては、光伝送路及び光ネットワーク装置の大容量化が進んでおり、通信容量としては、40Gbpsさらには100Gbps化を目指している。それに伴い、ネットワークのOTN(Optical Transport Network)化による効率的なネットワークの運用要求に対し、ODU (Optical Data Unit)LayerでのCrossconnect Switching機能の必要性が高まってきている。このCrossconnect Switching機能の提供を実現させるために、多種多様なClient Signal (OC3/OC12/1GbE/FCなど)をOTNに収容する為のGMP(Generic Mapping Procedure) Mappingが標準化され、クライアント信号が効率的にOTNに収容されるようになっている。また、それに伴う警報転送/Overhead処理(以後Signal Replacementという)に関してITU-T G798にて標準化されている。
【0003】
OTN NetworkにおけるDWDM (Dense Wavelength Division Multiplexing) Systemにおいては、様々なクライアント信号を効率的に多重化した上で、10G/40G/100GのOTN/ODU Frameに変換し、1波長に割り当てることにより、ネットワークの大容量化を進めている。
【0004】
同時に、WDM (Wavelength Division Multiplexing) Systemに入力される信号もOTN/ODU化が進んでおり、OTNのMuxponder機能、Crossconnect Switching機能の要求が増大している。ここで、Muxponder機能とは、光信号を多重したり分離したりして送受信する機能のことである。Crossconnect Switching機能は、Muxponer機能に加え、信号を切り替え処理する機能を有するものである。
【0005】
前述のとおり、OTN装置においては、ITU-T G709及びG798に定義されているOTN/ODU Layer毎のSignal Replacement機能を実装する必要がある。
その際、OTN Muxponder(OTN-MXP)、または、XC(Crossconnect)機能を持つ装置において、Tandem Connection Monitoring(以下TCM)、ODU FTFL(Fault Type and Fault Location reporting channel)等のODU-OH(Optical Data Unit-OverHead)に関するSignal ReplacementをG709/G798規格どおり提供しようとした場合、図1に示すような以下の機能Blockを必要とする。
【0006】
図1〜図5は、G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図である。
図1は、光ネットワーク装置の全体構成図である。光伝送路と光ネットワーク装置との間で授受される光信号の一部は、HO-OTU/ODU(Higher Oder-Optical Transport Unit/Optical Data Unit)信号である。この光信号に対しては、HO-OTU/ODU Block10において、オーバヘッド処理などが行われ、MUX/DEMUX11において、Lower Orderの信号との間の多重、分離が行なわれる。MUX/DEMUX11において、Lower Order信号に分離された光信号は、LO-ODU (Lower Order - Optical Data Unit) Block12において、Lower Order信号のオーバヘッド処理などが行われる。
【0007】
LO-OTU (Lower Order-Optical Transport Unit) Block13は、光伝送路から送られてくるLower Order信号を受信し、オーバヘッド処理等を行うものである。
LO-OTU Block13あるいは、LO-ODU Block12によってLower Orderの信号処理がされた光信号には、光クロスコネクト装置(XCON BLOCK X)14によって切り替え処理が施される。このように、Lower Order信号に分離されて切り替え処理された信号は、LO-OTU Block13、あるいは、LO-ODU Block12によってオーバヘッド処理され、そのまま送出されるか、MUX/DEMUX11で多重された後、HO-OTU/ODU Block10においてHigher Orderの信号処理がされて送出される。または、光クロスコネクト装置14から出力された信号は、そのままClient Signal Block15で処理されて、クライアント装置に送信される。
【0008】
なお、図1における各Blockは、それぞれ、1チップの半導体で構成することができ、また、各機能をハードウェア回路として実装しても、プロセッサを用いて、ファームフェアで実装してもよい。
【0009】
図2は、HO-OTU/ODU Blockのブロック構成図である。
図2において、Sync[Rx]20は、光信号のフレームを受信する部分であり、フレームの同期を取ってフレーム認識を行う。OTU_IG OH [RX]21は、OTU Layer Overhead Ingress 受信処理(OH(OverHead)の処理及び警報情報の処理)を行う処理部である。OTU_IG OH [TX(INS)]22は、OTU Layer Overhead Ingress 送信(挿入<Replacement>)処理を行う処理部である。ここで、MS INS(Maintenance Signal INSersion)23は、維持管理用信号をフレームに挿入する処理部である。
【0010】
ODU_IG OH/ODUT_IG OH [RX]24は、ODU/TCMx Layer Overhead Ingress 受信処理を行う処理部である。ODU_IG OH/ODUT_IG OH [TX(INS)]25は、ODU/TCMx Layer Overhead Ingress送信(挿入<Replacement>)処理を行う処理部である。ODU_EG OH/ODUT_EG OH [RX]26は、ODU/TCMx Layer Overhead Egress 受信処理を行う処理部である。ODU_EG OH/ODUT_EG OH [TX(INS)]27は、ODU/TCMx Layer Overhead Egress送信(挿入<Replacement>)処理を行う処理部である。
【0011】
OTU_EG OH [RX]28は、OTU Layer Overhead Egress受信処理を行う処理部である。OTU_EG OH [TX(INS)]29は、OTU Layer Overhead Egress送信(挿入<Replacement>)処理を行う処理部である。
【0012】
図3は、LO-OTU Blockのブロック構成図である。
図3のLO-OTU Blockの内部構成は、図2のHO-OTU/ODU Blockとほぼ同じ構成をしているので、同じ構成要素には同じ参照符号を付して詳しい説明は省略する。
【0013】
ただし、図2と図3の差異として、図3の場合には、Egress側にもSync[RX]20aが設けられている点と、各ブロックは、Lower Order信号を処理しているという点が挙げられる。
【0014】
図4は、LO-ODU Blockのブロック構成図である。
図4においても、図2と同じ構成要素には同じ参照符号を付して詳しい説明を省略する。
【0015】
図4においても、受信した信号のフレーム同期をSync[RX]20、20aで取り、ODUのオーバヘッドの処理を行い、維持管理用信号を挿入するという点で図3と同様であるが、図3と違って、OTUレベルでの処理ブロックがなくなっている。
【0016】
図5は、Client Signal Blockのブロック構成図である。
図5においても、図2と同じ構成要素には同じ参照符号を付して詳しい説明を省略する。
【0017】
図5では、クライアント装置に信号を送ったり、クライアント装置から信号を受信したりするために、クライアント信号のオーバヘッドを処理する、Client Signal OH[RX]30とClient Signal OH[TX(ins)]31が設けられている。また、クライアント信号用の維持管理用信号を挿入するためのClient Signal MS INS32も設けられている。
【0018】
図6は、OTN FrameにおけるTCMx OH(x=1,2,3,4,5,6)/FTFL OHを示す図である。
図6(1)において、FASは、Frame Alignment Signal, MFASは、MultiFrame Alignment Signal, SMは、Section Monitoring, GCCは、General Communication Channel, RESは、Reserved for future international standardization, PMは、Path Monitoring, TCMは、Tandem Connection Monitoring, PM&TCMは、Path Monitoring & Tandem Connection Monitoring, ACTは、Activation/deactivation control channel, FTFLは、Fault Type & Fault Location reporting channel, EXPは、Experimental, GCCは、General Communication Channel, APSは、Automatic Protection Switching coordinatino channel, PCCは、Protection Communication Control channelである。
【0019】
なお、TCMは、終端Blockではないところでも自由にセグメンテーションすることができる。また、FTFLは、警報の情報に、障害の発生した場所の位置情報を付加して転送することができる。
【0020】
図6(2)に示すように、FTFLは、0バイト〜127バイトまでの前半部分(FW FTFL)と、128バイト〜255バイトまでの後半部分(BW FTFL)に分けることができる。それぞれは、Fault Indication Field、Operator Idendifier Field, Operator Specific Fieldからなる。
【0021】
図7及び図8は、従来の構成を100GのOTN-SW装置に実装した場合の装置構成例を示す図である。
図7及び図8においては、図1、図4と同じ構成要素には同じ参照符号を付して詳しい説明を省略する。
【0022】
図1〜図5の従来の装置構成において、各機能Blockを100GのOTN-SW装置に実装した場合、Ingress / Egressの各機能Block(HO-OTU/ODU Blockや、LO-ODU Block、LO-OTU Block等)がNetwork側のBlockにおいて100G分つまり、最大ODU0用Blockとして80 Block, ODU4用Blockとして1 Block, OTU4用Blockとして1 Blockが必要になる。また、Client側のBlockに関しては、その数は、装置、システムにおけるXC容量に依存する。また、収容するClient Signalの種類により、接続されるBlock数は拡張され、XC容量の大規模化に伴い、各機能Block数の増大が顕著化する。OTN-SW装置であるOTN-MXPのHO interfaceが2.5G(OTU1) 、10G(OTU2)、40G(OTU3)であっても、同様である。
【0023】
上記のように、最大LO-ODUk Blockが80個必要となるが、各LO-ODUk Blockは、図8に示されるように、MS INS23が4個、Sync[RX]20、20a、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[RX], ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)], ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], ODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]だけの機能ブロックが必要である。したがって、LO-ODUk Blockを80個設けるとなると、膨大な数の機能ブロックが必要となることが理解される。
【0024】
このような膨大な機能Blockを搭載した装置を設計する場合、部品の大容量化、部品点数の増加が発生し、消費電力の増大、価格の増加につながり、実装面、消費電力面、Cost面において、非常に困難な設計になるという問題が発生する。
【0025】
従来技術には、異なる回線インタフェースをクロスコネクトを介して接続しているシステム構成で、アラーム情報転送部を具備し、これを介して警報転送するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2007−318603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
以下の実施形態においては、規格に従って高速通信を実現する場合に必要となる機能ブロックの数を削減し、コストを低減することのできる光ネットワーク装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
以下の実施形態の一側面における光ネットワーク装置は、障害発生の種類とその発生位置を含む警報情報を転送する光ネットワークにおける光ネットワーク装置であって、受信した信号から警報情報を検出し、該警報情報から警報の内容を記述した警報コード情報を生成し、出力する受信側処理部と、該受信側処理部からの信号を切り替えて、転送する転送部と、該転送部から受信した信号に対し、前記警報コード情報と自処理部の設定情報と該受信側処理部の設定情報に基づいて、警報情報について信号の置き換え処理をして、該受信した信号を出力する送信側処理部とを備える。
【発明の効果】
【0029】
以下の実施形態によれば、規格に従って高速通信を実現する場合に必要となる機能ブロックの数を削減し、コストを低減することのできる光ネットワーク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図(その1)である。
【図2】G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図(その2)である。
【図3】G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図(その3)である。
【図4】G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図(その4)である。
【図5】G709/G798の規格に従った光ネットワーク装置のブロック構成図(その5)である。
【図6】OTN FrameにおけるTCMx OH(x=1,2,3,4,5,6)/FTFL OHを示す図である。
【図7】従来の構成を100GのOTN-SW装置に実装した場合の装置構成例を示す図(その1)である。
【図8】従来の構成を100GのOTN-SW装置に実装した場合の装置構成例を示す図(その2)である。
【図9】本実施形態におけるXC装置の機能Blockに着目した図である。
【図10】本実施形態に従ったXC装置の機能ブロックとその動作を説明する図(その1)である。
【図11】本実施形態に従ったXC装置の機能ブロックとその動作を説明する図(その2)である。
【図12】ALM CODE転送部を説明する図(その1)である。
【図13】ALM CODE転送部を説明する図(その2)である。
【図14】Alarm Code Informationの転送方法を説明する図(その1)である。
【図15】Alarm Code Informationの転送方法を説明する図(その2)である。
【図16】Alarm Code Informationの転送方法を説明する図(その3)である。
【図17】ODUk-AISにSignal ReplacementするときのTCM OH値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その1)である。
【図18】ODUk-AISにSignal ReplacementするときのTCM OH値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その2)である。
【図19】FTFL-OHの挿入値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その1)である。
【図20】FTFL-OHの挿入値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その2)である。
【図21】ODUk-OCIにSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その1)である。
【図22】ODUk-OCIにSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その2)である。
【図23】ODUk-LCKにSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その1)である。
【図24】ODUk-LCKにSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図(その2)である。
【図25】本実施形態が適用されることが想定されるOTNネットワークのイメージ図である。
【図26】ODU Crossconnect装置の構成を示す図である。
【図27】本実施形態を適用したODU Crossconnect装置のブロック構成図(その1)である。
【図28】本実施形態を適用したODU Crossconnect装置のブロック構成図(その2)である。
【図29】ODU Repeater装置のブロック構成図を示す図(その1)である。
【図30】ODU Repeater装置のブロック構成図を示す図(その2)である。。
【図31】ODU Muxponder装置のブロック構成図を示す図である。
【図32】Egress側のClient Signal Block処理において、Client Signalの種類に従ったSignal Replacement処理の説明図である。
【図33】Egress側のClient Signal Block処理において、Client Signalの種類に依らず光モジュールの出力停止の処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本実施形態では、OTN Muxponder(OTN-MXP)及びOTNのCrossconnect(XC) Switching機能を有する装置(OTN-SW)において、ITU-T G709, G798にて標準化されているODU Overhead(OH)(以後ODU-OH)に関するSignal Replacement機能を実装する際の、新しい機能Block構成を示す。すなわち、本実施形態では、重複している機能Blockを取り除くことを考える。
【0032】
図9は、本実施形態におけるXC装置の機能Blockに着目した図である。
図9に示すように、XC装置は、入出力側にLO-ODUk Block40を備え、このBlockを通過した信号は、XC処理部(XCON Block X)41によって切り替え処理される。この際、各LO-ODUk Block内部の各機能ブロックのうち、LO-ODUk Block40−1では、Sync[Rx]42、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[RX]43、ODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]44、MS INS45以外のブロックを削除する。また、LO-ODUk Block40−2では、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)]46、Sync[RX]42、ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX]47、MS INS45以外のブロックを削除する。そして、後述するように、削除したブロックの機能を補償するブロック(図9には不図示)を加える。新しいブロックを加えることになるが、後述するように、トータルとしてブロック数を減少することが可能である。
【0033】
図10及び図11は、本実施形態に従ったXC装置の機能ブロックとその動作を説明する図である。
図10に示すように、本実施形態では、重複するRX Block(ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], OTU_EG OH[RX])をIngress側のみとし、重複するTX Block(OTU_IG OH[TX(INS)]、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)])をEgress側のみとすることにより、Ingress側のTX BlockとEgress側のRX Blockを取り除く。
【0034】
Ingress側のTX Blockを取り除くとIngress側にて検出した警報をトリガとして、Ingress側に対して送信される警報情報に基づいて、Ingress側の制御状態に従ったSignal Replacementが出来なくなる。また、Egress側のRX Blockを取り除くことにより、Egress側にて警報を検出できなくなる。これらの問題を解決するため、図10に示すように、下記3つの処理部を搭載する。
【0035】
1)XC接続先のEgress側への転送情報としてAlarm Code Informationを定義し、Alarm Code Informationの処理、転送処理を行うALM CODE転送部50を搭載する。
【0036】
ここで、Alarm Code Informationを図11に示す。Alarm Code Informationは以下の情報で構成される。
(1)Alarm Level Max値 : Alarmに対し、検出したAlarm levelの最大値をAlarm Levelとして転送する。ここでは、2ビットの情報としている。
(2)FW FTFL EN/DIS : Ingress側で本来挿入するForward(FW) FTFLの情報をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(3)TCM1 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(4)TCM2 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(5)TCM3 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(6)TCM4 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(7)TCM5 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(8)TCM6 EN/DIS : Ingress側に設定されたTandem Connection Monitoring値をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
(9)LCK Flag : Ingress側でODUk-LCKを本来挿入する情報をXC接続先のEgress側に転送するか否かを示す情報。
【0037】
なお、TCM1-6 EN/DISは、それぞれITU-Tの上記規格に従った意味を持ち、それぞれ独立してEN/DIS値を保持する。また、(3)−(9)の情報は、制御情報処理Block52から、Egress側に送信して設定してもよい。この場合は、Alarm Code Informationに(3)〜(9)の情報を含める必要は無い。
【0038】
2)Ingress 側に対する制御処理情報及びクロスコネクト情報をまとめてEgress側の制御を行なう制御情報処理Block52を搭載する。
【0039】
3)1)のAlarm Code Informationと2)の制御処理情報及びEgress側に対する制御処理情報によるSignal Replacement、及び、OH動作決定を行なうALM CODE受信部51を搭載する。
【0040】
なお、図10において、XC処理部(XCON Block X)41は、双方向に信号を通すので、図10のように、便宜上、XC処理部41の片側をA側、他方をB側と定義する。Prov-Aは、A側のBlockにおいて使用される設定情報であり、Prov-Bは、B側のBlockにおいて使用される設定情報である。
【0041】
以下に上記1)のALM CODE転送部の具体的な処理を説明する。
図12及び図13は、ALM CODE転送部を説明する図である。
Ingress側にて検出する各Alarmに対して、それぞれAlarm Levelを定義する。図12にAlarm Level及び、FTFL Triggerを示す。
【0042】
図12にあるように、Ingress側で検出するAlarmには、HO Blockで検出する3つのAlarm,Sync Blockで検出する3つのAlarm,OTU_EG OH[RX]で検出する3つのAlarm,ODU_EG OH[RX]で検出する6つのAlarm,ODUT_EG OH[RX]で検出する7つのAlarmがある。それぞれのAlarmについて、Alarm LevelとFTFL Triggerの設定例を示したのが、図12である。
【0043】
Alarm Code転送部50において、Ingress側の RX Blockにて検出したAlarmのAlarm Levelを比較し、発生しているAlarmの中での一番高い(強い)Alarm LevelをAlarm Code Informationにセットして、XC処理部41の接続先のEgress側へ転送する。また、FTFL Trigger設定が成されているAlarmの検出に対し、Alarm Code InformationのFW FTFL EN/DISに、イネーブルをセットする。
【0044】
Signal Replacementを実施しない場合には、Egress側の閾値より小さい値を設定する。例えば、Signal Replacementを行なう判定用の閾値が2で、2以上の場合にSignal Replacementを行なう場合、Alarm Level =0 or 1とする。Ingress側のオーバヘッド処理の有無により、Alarm Level=0とする。FW FTFLを挿入しない場合には、FTFL Trigger=0とする。
【0045】
図13にあるように、A側においては、Prov-Aは、TCM1,2,3,4,5,6を、Enable(Terminate)あるいはDisable(PassThru/Monitor)に設定するものである。B側においては、Prov-AはFTFLを設定するもので、Prov-Bは、TCM1,2,3,4,5,6をEnable(Terminate)あるいはDisable(PassThru/Monitor)に設定するもので、これと共に、FTFLを設定するものである。
【0046】
図14〜図16は、Alarm Code Informationの転送方法を説明する図である。
Alarm Code Informationは、以下のいずれかで、Egress側へ転送してよい。
1つ目は、図14の斜線で示されるように、クロスコネクトされるODU FrameのOHの未使用領域(RES)を用いてAlarm Code InformationをMappingする。
【0047】
2つ目は、図15のように、ODU Frameに独自のOverhead/Headerを付加し、そのOverhead/HeaderにAlarm Code InformationをMappingする。
3つ目は、図16のように、制御情報処理Block52を経由し、クロスコネクト接続先のEgress側BlockにAlarm Code Informationを転送する。
以上により、Alarm Code Informationを使って、Ingress 側にて検出したAlarmをEgress側へ伝達することが可能となる。
【0048】
以下に上記2)の制御情報処理Blockの具体的処理を説明する。
制御情報処理Blockの機能は、Ingress 側に対する制御情報とクロスコネクト情報(クロスコネクトの存否)をまとめてIngress側の状態としてEgress側へ送信することである。制御情報は、
・FTFL-Operator ID及び、FTFL Operator Specific 情報
・クロスコネクト接続情報(どのフレームがどのBlockに出力されるかという情報)
・TCMxのEnable/Disable情報(ここで、以降において、TCMxは、TCM1-6の全てを一括して示すものである。)(但し、Alarm Code Informationに含まない場合)
・LCK INS(但し、Alarm Code Informationに含まない場合)
これらの情報をEgress側へ転送して制御に用いることにより、Egress側にてIngress側の制御状態を把握するこが可能となる。
【0049】
以下に上記3)のALM CODE受信部を説明する。
ALM CODE受信部において、
ALM CODE転送部により伝達されたAlarm Code Informationと、
制御情報処理Blockにより転送されたIngress側とXC処理部の情報、すなわち、
・FTFL-Operator ID及び、FTFL Operator Specific 情報
・クロスコネクト接続情報
・TCMxのEnable/Disable情報(但し、Alarm Code Informationに含まない場合)
・LCK INS(但し、Alarm Code Informationに含まない場合)
及び、Egress側に対する制御情報
・TCMxのEnable/Disable情報
・FTFL-Operator ID及び、FTFL Operator Specific 情報
を用いて、Egress側から出力するODUk OHを決定し出力する。
【0050】
以下の図においてそれぞれのSignal Replacementにおいて各処理部がどのように判断し、どのようなOHを出力制御するかについて具体的に示す。
図17及び図18は、ODUk-AIS(Alarm Indication Signal)にSignal ReplacementするときのTCM OH値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図である。
【0051】
図17は、どのような処理を行うかの判断を行なうためのテーブルである。図17のテーブルにおいて、TCMは、6個の設定値があるが、TCMxのEN(イネーブル)/DIS(ディスエーブル)は、これら6個のTCMの設定値の論理和をとった結果を用いる。したがって、6個のTCMのうち、1つでもENがあれば、TCMxは、ENであると判断される。TCMxのA側のProv-Aのイネーブル(EN)とディスエーブル(DIS)と、TCMxのB側のProv-Bのイネーブル(EN)とディスエーブル(DIS)との組み合わせで、4通りの場合がある。これらの場合について、Alarm Code InformationのAlarm Levelが0又は1の場合と、2の場合と、3の場合とで処理が分かれる。
【0052】
Alarm Levelが0又は1の場合には、ODUk-AISのSignal Replacementを行なわない。Alarm Levelが2又は3のとき、ODUk−AISのSignal Replacementを行なう。
Prov-AがENで、Prov-BがENである場合は、Alarm Levelが何であっても、ODUk-AISには、Prov-B(B側の設定値)を挿入する。Prov-AがDISで、Prov-BがENである場合にも、Alarm Levelが何であっても、ODUk-AISにProv-Bを挿入する。Prov-AがENで、Prov-BがDISの場合には、Alarm Levelが0、1、2の場合には、ODUk-AISを全て0とする挿入を行い、Alarm Levelが3の場合に、全てFとするReplacementを行なう。Prov-AがDISで、Prov-BもDISの場合には、Alarm Levelが0又は1のときは、ODUk-AISはそのまま透過(Pass Thru)し、その他の場合には、ODUk-AISを全てFとするReplacementを行う。
【0053】
ここで、Prov-A,Prov-Bは、A側の設定、B側の設定という意味である。
図18にあるように、A側のALM CODE転送部から、上記の情報が、目的のLO-ODUk BlockのALM CODE受信部に送られる。制御情報処理Blockの転送する情報にはクロスコネクト接続情報が含まれ、A側のあるLO-ODUk Blockから送信された信号が、XC処理部(XCON BLOCK)によって切り替え処理された後の出力先のB側LO-ODUk Blockを特定することができる。制御情報処理Blockは、A側から通知されたAlarm Code Informationやその他の情報より、図17のテーブルに従った判断を行い、B側のLO-ODUk BlockのODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)」において、ODUk-AISの生成を行ない、信号を出力する。
【0054】
図19及び図20は、FTFL-OHの挿入値の制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図である。
図19は、どのような処理を行うかの判断テーブルである。図19のテーブルにおいて、TCMは、6個の設定値があるが、TCMxは、これら6個のTCMの設定値の論理和をとった結果を用いる。したがって、6個のTCMのうち、1つでもENがあれば、TCMxは、ENであると判断される。FW FTFLのEN、DISについても、全てのビットの論理和をとった結果を用いる。TCMxのA側のProv-Aのイネーブル(EN)とディスエーブル(DIS)と、TCMxのB側のProv-Bのイネーブル(EN)とディスエーブル(DIS)との組み合わせで、4通りの場合がある。それぞれの場合について、Alarm Code Information として送られてくるFW FTFLが0(DIS)の場合と、1(EN)の場合とがあり、ENの場合には、FTFLの0-127ビット(FW FTFL)と128-255ビット(BW FTFL)で処理が分かれる。FW FTFLが0の場合には、TCMxのProv-A,Prov-Bがどのような組み合わせでも全てFTFL-OHをそのまま透過(PassThru)させる。また、FW FTFLが1の場合でも、FTFLの128-255ビット(BW FTFL)はそのまま透過させる。FW FTFLが1の場合、FTFLの0-127ビット(FW FTFL)については、TCMxのProv-AがENの場合に、FW FTFLに、Prov-Aを挿入し、その他の場合には、FW FTFLをそのまま透過(PassThru)させる。
ここで、Prov-A,Prov-Bは、A側の設定、B側の設定という意味である。
【0055】
図20にあるように、A側のALM CODE転送部からAlarm Code Information等がB側のALM CODE受信部に送信され、これらの情報がODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]において、FTFL EG OHの生成に使用される。
【0056】
図21及び図22は、ODUk-OCIにSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図である。
ODUk-OCIは、光ネットワーク装置でXC処理部による切り替え処理がなされているか否かを示す情報である。クロスコネクト処理が行なわれていない場合についてのみ、Signal Replacementを行なう。図21(1)のテーブルにおいて、TCMは、6個の設定値があるが、TCMxは、これら6個のTCMの設定値の論理和をとった結果を用いる。したがって、6個のTCMのうち、1つでもENがあれば、TCMxは、ENであると判断される。図21(1)にあるように、例えば、TCMxのProv-Aが何であっても、Prov-BがENの場合には、ODUk-OCIにProv−Bを挿入し、TCMxのProv-BがDISの場合には、ODUk-OCIを全て”66”で埋め尽くす処理を行う。ODUk-OCIを全て”66”で埋め尽くした時のデータの様子を図21(2)に示す。データのペイロードを埋め尽くしている”01100110”は、”66”の2進数表示である。
【0057】
図22にあるように、A側のALM CODE転送部からクロスコネクトの存否情報(ここでは、”否”)がB側のALM CODE受信部に送信され、これらの情報がODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]において、ODUk-OCIの生成に使用される。
【0058】
図23及び図24は、ODUk-LCK(LoCK)にSignal Replacementするときの制御情報処理Blockにおける判断及び処理を説明する図である。
図23(1)において、A側から送られてくるLCK INS(あるいは、Loopback, PRBS制御情報とも呼ばれる)が1の場合に処理が実行される。図23(1)のテーブルにおいて、TCMは、6個の設定値があるが、TCMxは、これら6個のTCMの設定値の論理和をとった結果を用いる。したがって、6個のTCMのうち、1つでもENがあれば、TCMxは、ENであると判断される。例えば、TCMxのProv-Aが何であろうと、TCMxのProv-BがENの場合には、ODUk-LCKにProv-Bを挿入し、TCMxのProv-BがDISの場合には、ODUk-LCKを全て”55”で埋め尽くす処理を行う。図23(2)には、ODUk-LCKの”55”で埋め尽くされたデータの様子が示されている。図23(2)の”01010101”は、”55”の2進数表示である。
【0059】
図24にあるように、LCK INSが1の場合には、例えば、A(B)側に入力された信号は、A(B)側LO-ODUk Blockにおいてループバックされる。このようなとき、A(B)側のALM CODE転送部からLCK INSがB側のALM CODE受信部に送信され、この情報がODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]において、ODUk-LCKの生成に使用される。
【0060】
上記説明のとおり、1)〜3)により、Ingress側のTX Blockを取り除くことにより、Ingress側にて検出した警報をトリガとして、Ingress側に対して送信され、制御された制御状態に従ったSignal Replacementが出来なくなる問題及び、Egress側のRX Blockを取り除くことにより、Egress側にて警報を検出できなくなる問題を解決することが可能となる。
【0061】
前述のとおり、
1)主信号Frame (ODU Frame)のOHに関し、Alarm Code Informationを定義しAlarm Code Informationの処理、転送処理を行う。
2)Ingress 側に対する制御処理情報及びクロスコネクト接続情報をまとめてEgress側の制御のために転送する制御情報処理Blockを搭載する。
3)1)のAlarm Code Informationと2)の制御処理情報及びEgress側に対する制御情報によるOH動作決定を行なう。
【0062】
これにより、Egress側にてIngress側のAlarm状態,設定状態、制御状態を把握すること、及びクロスコネクト機能を搭載する装置においては、クロスコネクトの接続状態を把握することが可能となる。
【0063】
つまり、OTN-MXPや、OTN-SW装置において、Signal Replacement機能をG709/G798規格どおり提供しつつ、Ingress側とEgress側で重複する機能Block(Ingress側のTX BlockとEgress側のRX Block)を取り除くことが可能となり、回路規模の増加による、部品の大容量化、部品点数の増加、消費電力の増大、価格の増加といった問題を解決することが可能となる。特に40G、100GといったOTN-MXPやOTN-SW装置開発において、回路規模を大幅に削減することが可能となる(約50%の削減)。
【0064】
本実施形態はOTN Networkに配置されるODU XC機能の実装有無に依らず、また、LO-ODU FrameをHO-ODU FrameにMultiplex/Demultiplexする機能の有無に依らず、OTN Frameを処理する装置に適用可能である。
【0065】
図25は、本実施形態が適用されることが想定されるOTNネットワークのイメージ図である。
図25の構成では、OTNネットワーク60−1はリング状に構成され、各ノード63が接続されている。各ノード63は、ODU Crossconnect(XC)装置や、ODU Multiplexer装置や、ODU Repeater装置などである。各ノード63には、他のOTNネットワーク60−2〜60−5が接続されたり、Clientネットワーク62−1、62−2が接続される。本実施形態の光ネットワーク装置は、ここで示す、ノード63に対応し、ODU Crossconnect(XC)装置、ODU Multiplexer装置、ODU Repeater装置などである。
【0066】
図26は、ODU Crossconnect装置の構成を示す図である。
図26に示されるように、XCON Block X(XC処理部)75を中心に、HO-OTU/ODU Block73, MUX/DEMUX Block72, LO-OTU Block70, LO-ODU Block71, Client Signal Block74の組合せで構成される。本実施形態は、XCON Block75と接続されるLO-OTU Block70, LO-ODU Block71, Client Signal Block74、HO-OUT/ODU Block73に対して適用可能である。
【0067】
図27及び図28は、本実施形態を適用したODU Crossconnect装置のブロック構成図である。
図27において、LO-OTU Block70は、従来技術の図3と比較すると、ALM CODE転送部及びALM CODE受信部が新たに設けられている代わりに、OTU_IG OH[TX(INS)]、ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], OTU_EG OH[RX]、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)], Sync[RX],及び、3つのMS INSのBlockが削除できている。
【0068】
また、LO-ODU Block71は、従来技術の図4と比較すると、ALM CODE転送部及びALM CODE受信部が新たに設けられている代わりに、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)], ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], Sync[RX],及び、3つのMS INSのBlockが削除できている。
【0069】
さらに、Client Signal Block74は、従来技術の図5と比較すると、ALM CODE受信部が新たに設けられている代わりに、Sync[RX], ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], ODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)], ODU_IG OH/ODUT_IG OH[RX], 及び、2つのMS INSのBlockが削除できている。なお、Client Signal Block74では、クライアントネットワーク等からSONETやイーサネット(登録商標)の信号を受信し、XC処理部75に入力する。この場合、OTNには、SONETやイーサネット(登録商標)の警報信号は送られないので、ALM CODE転送部は設けられていない。
【0070】
また、HO-OTU/ODU Block73では、従来技術の図2と比較すると、ALM CODE転送部が設けられている代わりに、OUT_IG OH[TX(INS)]、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)]、ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX],OTU_EG OH[RX]及び、3つのMS INSのBlockが削除できている。なお、HO-OTU/ODU Block73では、Higher Orderの信号の警報情報は、Lower Orderの信号に含まれて転送されるので、ALM CODE転送部が設けられているが、Lower Orderの信号の警報情報は、Higher Orderの信号に含まれて転送されないので、ALM CODE受信部は設けられていない。
【0071】
なお、制御情報処理Blockは、複数持ってもよい。
図28は、図27の構成において、各Blockを別装置として組み立てた場合の構成図である。
図28において、図27と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、それらの説明を省略する。
【0072】
図28においては、各Blockが四角の線で囲まれている。これは、各Blockがそれぞれ、異なる半導体チップ上、あるいは、異なるシェルフ上に搭載されていることを示している。図28においては、それぞれ異なる半導体チップ上、あるいは、異なるシェルフ上に搭載された各Blockを配線で接続して、全体の光ネットワーク装置を構成している。各半導体チップあるいは異なるシェルフに搭載されるBlockの機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、プロセッサが実行するファームウェア等で実現されても良い。
図27あるいは図28に示されるBlockを組み合わせることで、ODU Repeater装置を構成することも可能である。
【0073】
図29及び図30は、ODU Repeater装置のブロック構成図を示す図である。
図29は、双方向のRepeater装置であり、図30は、片方向のRepeater装置である。
図29において、XC処理部80の両側にLO-OTU Block_A(B)81−1、81−2が設けられ、警報情報の転送を制御する制御情報処理Block82が設けられている。LO-OTU Block_A(B)81−1、81−2では、従来の構成におけるOTU_IG OH[TX(INS)]、ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX], OTU_EG OH[RX]、ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)], Sync[RX],及び、3つのMS INSのBlockが削除され、代わりに、ALM CODE転送部及びALM CODE受信部が設けられている。図29の構成は、双方向に信号を伝送する構成であるので、A側からB側への警報情報の転送と、B側からA側への警報情報の転送は、対称的である。
【0074】
図30の片方向のRepeater装置では、A側からB側への信号の伝送を記載している。LO-OTU Block_A81a−1では、OTU_IG OH[RX]とODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)]、2つのMS INSが削除され、ALM CODE転送部が追加されている。一方、LO−OTU Block_B81a−2では、Sync[RX」、OTU_EG OH・ODUT_EG OH[RX]、OTU_EG OH[RX]及び、1つのMS INSが削除され、代わりに、ALM CODE受信部が追加されている。
図27に示されるBlockを組み合わせることで、ODU Muxponder装置を構成することも可能である。
【0075】
図31は、ODU Muxponder装置のブロック構成図を示す図である。
図31では、HO-OTU/ODU Block73をOTU2/ODU2処理部として1個設け、LO-ODU Block71をODU0処理部として8個設け、Client Signal Block74をODU0/1GbE処理部として8個設けているが、HO-OTU/ODU Block73は、OTU4/ODU4処理部、あるいは、OTU3/OODU3処理部、あるいは、OTU1/ODU1処理部としてもよい。
【0076】
また、LO-ODU Block71は、ODU2処理部、あるいは、ODU1処理部でも構わず、個数も必要な数だけ設けることができる。Client Signal Block74も、GbEに限られず、OTN Frame(ODU2/ODU2/ODUflex)にMapping可能であればどのようなものでも構わず、個数も必要な数だけ設けることができる。ここで、Muxponderは、XC処理部を運用中に設定変更が必ず可能である必要はなく、運用上、切り替え機能が固定である装置、システムも含む。
【0077】
図32は、Egress側のClient Signal Block処理において、Client Signalの種類に従ったSignal Replacement処理の説明図である。
例えば、Maintenance Signalである、1GbEにおけるLFS (/C1/C2/pattern)や/V/codeの挿入、10GbEにおけるLFの挿入、SONETにおけるAIS-Lの挿入等を、ALM CODE受信部からの情報に従って、Client Signal MS INSがClient SignalのOHに行い、このようなOHを有するClient SignalをClient Signal OH[TX(INS)]において生成する。例えば、Client SignalがSONETの場合には、MS INSは、AIS(Alarm Indication Signal)の挿入を行なう。
【0078】
図33は、Egress側のClient Signal Block処理において、Client Signalの種類に依らずに光モジュールの出力を停止させる処理の説明図である。
Client Signal BlockのALM CODE受信部において受信された警報情報から、制御情報処理Blockが障害の発生を検出した場合には、障害の発生した信号を断にすることが考えられる。この場合、制御情報処理Blockは、光モジュール85の光送信器OSに対し、光出力停止制御を行なって、光信号の発振を停止させる。この機能は、Client Signal Blockのみではなく、Egress側のLO-OTU Blockでも同様の処理を実装してもよい。
【0079】
なお、Alarm Code Informationに関し、FTFL処理を実施し、TCM処理を実施しない装置においては、Alarm Level、及び、FW FTFL INSに相当する情報を転送可能であればよく、LCK INSは、制御情報処理Blockが認識可能であれば、Egress側に設定するのみでもよい。
【0080】
また、Alarm Code Informationに関し、FTFL処理を実施せず、TCM処理を実施する装置においては、Alarm Levelに相当する情報を転送可能であればよく、TCM1 EN/ TCM2 EN / TCM3 EN / TCM4 EN / TCM5 EN / TCM6 EN /LCK INSは、制御情報処理Blockが認識可能であれば、Egress側に設定するのみでもよい。
【0081】
Alarm Code Information のAlarm Levelに関し、2ビット(Alarm Level=0/1/2/3)で表現する記載をしているが、2ビットに限定することなく、3ビット以上でも構わない。また、図12において、Maintenance Signalを挿入する閾値設定を2以上と記載しているが、Alarm Levelを2ビット以上に拡張した場合、閾値設定は、その拡張に依存して、システムの設計者が決定する。
【符号の説明】
【0082】
10、73 HO-OUT/ODU Block
11、72 MUX/DEMUX
12、71 LO-ODU Block
13、70、81−1、81−2、81a−1、81a−2 LO-OTU Block
14、41、80 XC装置(XCON Block)
15、74 Client Signal Block
20、20a、42 Sync[RX]
21 OTU_IG OH[RX]
22 OTU_IG OH[TX(INS)]
23、45 MS INS
24、43 ODU_IG OH/ODUT_IG OH[RX]
25、46 ODU_IG OH/ODUT_IG OH[TX(INS)]
26、47 ODU_EG OH/ODUT_EG OH[RX]
27、44 ODU_EG OH/ODUT_EG OH[TX(INS)]
28 OTU_EG OH[RX]
29 OTU_EG OH[TX(INS)]
30 Client Signal OH[RX]
31 Client Signal OH[TX(INS)]
40、40−1、40−2 LO-ODUk Block
50 ALM CODE転送部
51 ALM CODE受信部
52、82 制御情報処理Block
60−1〜60−5 OTN Network
62−1、62−2 Client Network
63 ノード(ODU Crossconnect装置、ODU Multiplexer装置、ODU Repeater装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害発生の種類とその発生位置を含む警報情報を転送する光ネットワークにおける光ネットワーク装置であって、
受信した信号から警報情報を検出し、該警報情報から警報の内容を記述した警報コード情報を生成し、出力する受信側処理部と、
該受信側処理部からの信号を切り替えて、転送する転送部と、
該転送部から受信した信号に対し、前記警報コード情報と自処理部の設定情報と該受信側処理部の設定情報に基づいて、警報情報について信号の置き換え処理をして、該受信した信号を出力する送信側処理部と、
を備えることを特徴とする光ネットワーク装置。
【請求項2】
前記光ネットワークは、Optical Transport Network(OTN)であることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項3】
前記警報情報は、Fault Type and Fault Location reporting channel(FTFL)の情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の光ネットワーク装置。
【請求項4】
前記転送部は、クロスコネクト処理部であることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項5】
前記警報コード情報は、受信した信号のオーバヘッドの未使用領域を使って転送されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項6】
前記警報コード情報は、受信した信号に特別に設けられたヘッダを使って転送されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項7】
前記警報コード情報は、受信した信号とは別経路を使って転送されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項8】
クロスコネクト装置に適用されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項9】
Muxponder装置に適用されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項10】
Repeater装置に適用されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項11】
光モジュールの光出力の停止制御を行なう処理装置に適用されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項12】
前記受信側処理部と、前記送信側処理部とは、それぞれ別個のシェルフに搭載される装置であることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項13】
前記受信側処理部と、前記送信側処理部とは、それぞれ別個の半導体チップに搭載される装置であることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。
【請求項14】
前記受信側処理部と、前記送信側処理部とは、それぞれ別個の半導体チップに搭載され、それらの機能はプロセッサによって実行されるファームウェアで実現されることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図6】
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【図14】
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【図17】
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【図19】
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【図21】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−38578(P2013−38578A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172817(P2011−172817)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】