説明

光パスクロスコネクト装置

【課題】方路切換機能を有し且つ大幅に低価格な大規模光パスクロスコネクト装置を提供する。
【解決手段】光入力ファイバFi1、・・FiNからの波長分割多重光に含まれる波長群或いは波長を光出力ファイバFo1、・・FoNのいずれかへルーティングするために、光入力ファイバFi1、・・FiN毎に設けられて、光入力ファイバFi1、・・FiN毎の波長に応じてD本の出力ポートのうちの任意の出力ポートへそれぞれ選択的に出力する複数の1×D波長選択スイッチWSSと、そのD本の出力ポート毎に設けられて、その出力ポートからそれぞれ出力された波長群に応じてn本の光出力ファイバのうちの任意の光出力ファイバへそれぞれ選択的に出力する1×n波長群選択スイッチWBSSとから、波長選択スイッチ並びに波長群選択スイッチの2段構成が採用されているので、波長選択スイッチWSSの出力ポート数が1/nと大幅に削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークに設けられ、入力された光信号を所望の出力ポートから出力させるとともに終端処理を行なうことが可能な光パスクロスコネクト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、所定の通信波長帯のたとえば100GHz毎に分割された複数個の波長チャネル(wave channel or light path)にそれぞれ対応する複数の波長毎にGHzからTHzオーダの所定のビットレートの光信号が合波された1群の波長群が複数群たとえばM群含む波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光が、所定のノードから他の複数のノードへ複数本(n本:各ノード間で一定でなくて構わない)ずつの光入力ファイバおよび光出力ファイバを介して並列的に伝送される光ネットワークが知られている。また、このような光ネットワークにおいて波長群単位で方路切換し或いは波長単位で方路切換(ルーティング)を行うノードでは、そのノードが目的地である信号に対して、ルータ等を用いて電気的信号と波長単位の光信号との間の信号変換を行う電気レイヤELに対して、上記n本の光入力ファイバを介して伝送されてきた波長群中にそれぞれ含まれるm個の波長チャンネルから所定波長の光信号を抽出してドロップさせ、或いは、電気信号から所定のルータで変換された光信号を所定の光ファイバ内の波長分割多重光へ加入(アド)するための、比較的大規模な多入力多出力光スイッチ装置である光マトリックススイッチ装置が用いられる。特許文献1には、その一例が記載されている。
【0003】
ところで、上記ノードとして、たとえば図8および図9にそれぞれ示す光パスクロスコネクト装置が提案されている。図8の光パスクロスコネクト装置は、波長選択スイッチベースで構成されており、N本の光入力ファイバFin1〜FinN毎に設けられて、それら光入力ファイバFin1〜FinNからの波長分割多重光を構成する波長群から複数本(N本)の光出力ファイバFout1〜FoutNのうちの任意の光出力ファイバへ向かう波長を選択するN(nD)個の1×nD波長選択スイッチWSSと、複数本(N本)の光出力ファイバFout1〜FoutN毎に設けられ、前記N(nD)個の1×nD波長選択スイッチWSSからそれぞれ出力される波長群を合波して複数本(N本)の光出力ファイバFout1〜FoutNのうちその波長群が指向する所望の光出力ファイバへ出力するnD個のnD×1光合流器WBCとを、備えている。図8に示す光パスクロスコネクト装置は、nD×1光合流器WBCは、上記1×nD波長選択スイッチWSS と同様に構成されて逆方向に用いられたものであり、入出力が反転しても同じ機能を出すことができる対称構造に構成されている。また、図9に示す光パスクロスコネクト装置は、図8に示す光パスクロスコネクト装置と比較して、nD×1光合流器WBCが光カップラにより構成されている点で相違し、他は同様に構成されている。図9に示す光パスクロスコネクト装置は、非対称構造に構成されており、nD×1光合流器WBCがホトカプラの組合せによっても構成されるが光合流器WBCの損失が大きいという特徴がある。図8および図9に示す光パスクロスコネクト装置では、電気レイヤELのルータから所定波長で送信されるアド信号をN本の出力ファイバFout1〜FoutNのうち、そのアド信号が指向する所望の光出力ファイバ内の波長分割多重光へ加えるためのアド用1×nD波長選択スイッチWSSが設けられている。また、光入力ファイバFin1〜FinNからの波長分割多重光に含まれる所定波長のドロップ信号を電気レイヤELの所望のルータへドロップさせるためのドロップ用nD×1光合流器WBCが設けられている。
【0004】
ところで、光ネットワーク内の複数個(D個)のノード#1〜#Dから、n本毎の光入力ファイバをそれぞれ介して上記の光パスクロスコネクト装置へ入力され、この光パスクロスコネクト装置において、他のn本毎の光出力ファイバをそれぞれ介して上記複数個(D個)のノード#1〜#Dへ、波長群単位で方路切換し或いは波長単位で方路切換が行われるとすると、図8および図9に示される光パスクロスコネクト装置では、それに用いられている波長選択スイッチは、N(=n・D)個の1×nD波長選択スイッチWSSから構成され、仮に、n=10、D=10であるとして、光ファイバの本数N(=nD)が100本であるとすると、100個の1×100波長選択スイッチが必要となる。しかし、波長選択スイッチは、現状では、図10に示す三次元MEMS光スイッチで構成されるか、或いは、図11に示す、N本の光入力ファイバ毎に設けられてそれぞれ入力される波長分割多重光を波長毎に分波するN個の分波器と、N個の分波器で分波された波長毎に方路切り換えを行うN×m個(mはファイバ当たりの波長数)の1×N光スイッチと、それらの1×N光スイッチからの出力波長をそれぞれ受けて合波し、N本の光出力ファイバへ出力するN×N個のN×1合波器とで構成される。このため、上記N個の1×N波長選択スイッチを図10に示す三次元MEMS光スイッチで構成しようとすると、各波長選択スイッチ毎にN本の入光出力ファイバの他に、分光用グレーティングおよび集光レンズの他、1光入力ファイバ当たりの波長数m個のマイクロミラーおよびそれを駆動するアクチュエータを必要とするため、装置が複雑且つ大規模となり、価格的にも極めて高価であるという問題があった。また、図11に示す、N個の分波器で分波された波長毎に方路切り換えを行なうN×m個(mはファイバ当たりの波長数)の1×N光スイッチと、それらの1×N光スイッチからの出力波長をそれぞれ受けるN×m個のN×1合波器とで構成する場合には、ファイバ毎に対応する部品、即ち、1個の分波器、m個の1×N光スイッチ、N個のN×1合波器をプレーナー光導波回路(PLC)技術を用いて単一の基板上に集積化できるという可能性があるが、1×N光スイッチが多数の光スイッチから構成されるため、規模が大きく、これも実用が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−252664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに対して、図12に示す光パスクロスコネクト装置を考えることができる。この光パスクロスコネクト装置では、複数個(D個)のノード#1〜#Dから、n本毎の光入力ファイバをそれぞれ介して所定の光パスクロスコネクト装置へ入力され、他のn本毎の光出力ファイバをそれぞれ介して上記複数個(D個)のノード#1〜#Dへ、波長群単位で方路切換し或いは波長単位で方路切換が行われるとともに、伝送されてきた波長群中に含まれる所定の波長チャンネルから所定波長の光信号が抽出されてドロップされ、或いは、逆に、電気信号から所定のルータで変換された光信号が所定の光ファイバ内へ加入(アド)される。このような光パスクロスコネクト装置は、たとえば、N(=n・D)本の光入力ファイバ毎に設けられて、その光入力ファイバで伝送されてきた1群の波長群を構成する波長から任意の波長を選択して任意の出力ファイバへそれを供給する2段構成のnD個の1×D第1波長選択スイッチ(1×D WSS)およびnD個の1×n第2波長選択スイッチ(1×n WSS)と、N(=n・D)本の出力ファイバ毎に設けられ、上記1×n第2波長選択スイッチからそれぞれ出力される波長を合波して光出力ファイバへ出力するnD個のnD×1光合流器WBCとを、備えている。
【0007】
一般に、波長選択スイッチは、今現在では1×9程度が最大規模であり、その価格は1個で100万円程度である。このため、上記において、仮に、n=10、D=10であるとして、光ファイバの本数N(=nD)が100本であるとすると、nD個の1×D第1波長選択スイッチとnD個の1×n第2波長選択スイッチとで、1100個となり、未だ、価格的に実用性に乏しいという問題があった。
【0008】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、方路切換機能を有し且つ大幅に低価格な光パスクロスコネクト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、複数の光入力ファイバからの波長分割多重光を波長に応じて複数の光出力ファイバへルーティングする光パスクロスコネクト装置であって、(a)複数個の出力ポートを有し、前記複数の光入力ファイバからの各波長分割多重光を、該複数の光入力ファイバ毎の波長に応じて前記複数個の出力ポートのうちの任意の出力ポートへそれぞれ選択的に出力する複数の波長選択スイッチと、(b)該複数の波長選択スイッチによりそれぞれ選択されて該波長選択スイッチの複数個の出力ポートからそれぞれ出力された光信号を、該複数個の出力ポート毎に、該複数個の出力ポートからの波長群に応じて前記複数本の光出力ファイバのうちの各々の隣接ノードに接続されるn本の任意の光出力ファイバへそれぞれ選択的に出力する波長群選択スイッチと、(c)該波長群選択スイッチから前記n本の光出力ファイバのいずれかへ向かってそれぞれ出力される波長群を該n本の光出力ファイバ毎に合流して、該n本の光出力ファイバへそれぞれ入力させる光合流器とを、含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の光パスクロスコネクト装置によれば、複数の光入力ファイバからの波長分割多重光を波長に応じて複数の光出力ファイバへルーティングするために、前記複数の光入力ファイバからの各波長分割多重光を、その複数の光入力ファイバ毎の波長に応じてD本の出力ポートのうちの任意の出力ポートへそれぞれ選択的に出力する複数の波長選択スイッチと、その複数の波長選択スイッチによりそれぞれ選択されて該波長選択スイッチの複数の出力ポートからそれぞれ出力された光信号を、その出力ポート毎に、その出力ポートから波長群に応じて前記複数の光出力ファイバのうちの任意の光出力ファイバへそれぞれ選択的に出力する波長群選択スイッチとから、2段構成の波長選択スイッチが採用されているので、1段構成の波長選択スイッチに比較して、波長選択スイッチの出力ポート数が1/nと大幅に削減される。また、2段構成の波長選択スイッチを採用して、1×D波長選択スイッチがN(=n・D)個、1×n波長選択スイッチがND(=n・D)個を用いる場合に比較して、1×D波長選択スイッチがN(=n・D)個、1×n波長群選択スイッチがND(=n・D)個となり、波長選択スイッチの個数は1/(1+D)と大幅に削減される。この波長群選択スイッチは、プレーナ技術により1基板の上に光集積導波回路として構成されることができるので、光パスクロスコネクト装置が小型に且つ経済的に実現できる。波長群選択スイッチは、その構成上、波長選択スイッチに比較して、装置規模や価格の制約は極めて小さい。
【0011】
ここで、好適には、前記波長選択スイッチは、前記複数の光入力ファイバ毎に設けられ、該光入力ファイバからの波長分割多重光を構成する波長群から前記複数の光出力ファイバのうちの任意の出力ファイバへ向かう波長を波長毎に選択するものであり、前記波長群選択スイッチは、前記複数の波長選択スイッチの出力ポート毎に設けられ、その波長選択スイッチから出力された複数の波長から成る波長群を、波長群毎に前記複数の光出力ファイバのうちの任意の出力ファイバへ出力するものであり、前記光合流器は、前記複数の出力ファイバ毎に設けられ、該波長群選択スイッチからそれぞれ出力される波長群を合波して該複数の出力ファイバのうち該波長群が指向する出力ファイバへ出力するものである。
【0012】
また、好適には、前記波長選択スイッチは、前記複数の光入力ファイバによりそれぞれ伝送されてくる波長分割多重光に含まれるドロップ波長を選択して電気レイヤの所定のルータへ出力するドロップ用出力ポートをさらに備え、前記波長選択スイッチの出力ポート数をD(2以上の整数)とすると、その波長選択スイッチは1×(D+1)で構成されているものである。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置は入力ファイバ毎にドロップ機能を備えることができる。
【0013】
また、好適には、前記光合流器は、前記電気レイヤの所定のルータから出力されたアド波長を受け入れるアド用入力ポートをさらに備え、(D+1)×1で構成されているものである。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置は出力ファイバ毎にアド機能を備えることができる。
【0014】
また、好適には、前記波長選択スイッチの出力ポート数Dの値は、前記光パスクロスコネクト装置に隣接するノードの数、或いは光ネットワーク内の各々のノードに隣接するノード数の最大値以上である。このようにすれば、どのノードへ行くか或いはどの光出力ファイバを選択するかに関して、設計の自由度が高められる。
【0015】
また、好適には、前記光パスクロスコネクト装置からそれに隣接する各ノードiへそれぞれ出力する各光出力ファイバの本数をAiとすると、波長群選択スイッチの各光出力ファイバの本数Aiは、隣接する各ノードへの出力ファイバの本数Aiの最大値以上の本数である。このようにすれば、隣接する各ノードとの間の信号伝送に関して、設計の自由度が高められる。
【0016】
また、好適には、前記波長分割多重光は、波長が順次異なる連続的波長の波長チャンネルから構成される。このようにすれば、連続的波長の波長チャンネルが用いられるので、設計が容易となる利点がある。
【0017】
また、好適には、前記波長分割多重光は、波長が不連続な波長チャンネルから構成される。このようにすれば、設計の自由度が高められる利点がある。
【0018】
また、好適には、前記波長分割多重光は、信号のビットレードが相互に異なる波長チャンネルを含んで構成される。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置の汎用性が高められる。
【0019】
また、好適には、前記波長分割多重光は、波長間隔が相違する波長の波長チャンネルを含んで構成される。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置の汎用性が高められる。
【0020】
また、好適には、前記光合流器は、逆向きに用いる波長群選択スイッチから構成されている。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置を構成する要素の種類が少なくなり、製造が容易となるとともに、プレーナ光導波路技術を用いて共通の基板上に集積化し、モノリシック化できる利点がある。
【0021】
また、好適には、前記光パスクロスコネクト装置の光入力ファイバが光出力ファイバとして用いられ、その光パスクロスコネクト装置の光出力ファイバが光入力ファイバとして用いられて、逆方向の光パスクロスコネクト装置として機能させられるものである。このようにすれば、ノード設計の自由度が高められる。
【0022】
また、好適には、前記ドロップ用出力ポートを備える波長選択スイッチは、アド入力ポートを備える光合流器として機能し、前記アド入力ポートを備える光合流器はドロップ用出力ポートを備える光分岐素子として機能するものである。このようにすれば、ノード設計の自由度が高められる。
【0023】
また、好適には、前記光パスクロスコネクト装置は、プレーナー光導波回路(PLC)技術を用いて、前記複数の波長選択スイッチ、波長群選択スイッチ、光合流器を共通基板上に形成して集積し、モノリシック構造とされる。このようにすれば、光パスクロスコネクト装置が、小型となるだけでなく、生産性が向上して一層低価格となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例の光パスクロスコネクト装置を含む光ネットワークを説明するための概念図である。
【図2】図1の光ネットワークにおいてノードを構成する光パスクロスコネクト装置の機能を説明する図である。
【図3】図1の光ネットワークにおいて伝送される波長分割多重光であって、連続配置型波長群から構成される場合を説明する図である。
【図4】図1の光ネットワークにおいて伝送される波長分割多重光であって、不連続配置型波長群から構成される場合を説明する図である。
【図5】図1および図2の光パスクロスコネクト装置の要部構成を説明する概略図である。
【図6】図5の光パスクロスコネクト装置に用いられている波長群選択スイッチの構成を説明する図である。
【図7】図6の波長群選択スイッチに含まれるサイクリックAWGの機能を説明する図である。
【図8】1段式波長選択スイッチを有する従来の光パスクロスコネクト装置の構成を説明する概略図である。
【図9】1段式波長選択スイッチを有する他の従来の光パスクロスコネクト装置の構成を説明する概略図である。
【図10】図8或いは図9の光パスクロスコネクト装置の波長選択スイッチが三次元MEMS光スイッチで構成された例を説明する図である。
【図11】図8或いは図9の光パスクロスコネクト装置の波長選択スイッチが、集積化可能な分波器、光スイッチ、合波器から構成された例を説明する図である。
【図12】2段式波長選択スイッチを有する光パスクロスコネクト装置の構成例を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、複数個のノード#0〜#Dと、それらの間を接続する光ファイバFとからなる光ネットワークNWの一部を例示している。Dは、ノード#0を除いた隣接するノードの個数を示す正の整数である。図2は、ノード#0を構成する光パスクロスコネクト装置OXCの入出力を示している。図2に示すように、光パスクロスコネクト装置OXCには、ノード#0に隣接する各ノード#1〜#Dからの合計N本の光入力ファイバFi1〜FiNが接続され、各ノード#1〜#Dへの合計N本の光出力ファイバFo1〜FoNが接続されている。光入力ファイバFi1〜FiNおよび光出力ファイバFo1〜FoNがそれぞれn本ずつの束であるとすると、上記Nは、n×Dにより表わされる。
【0027】
本実施例では、所定の通信波長帯のたとえば100GHz毎に分割された複数の波長チャネル(wave channel or light path)にそれぞれ対応するL個の複数波長の光が合波されることにより1つの波長群WBが構成され、その波長群WBがM個( M組)合波されて1つの波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光が構成され、その波長分割多重光が1本の光ファイバ毎に伝送される。すなわち、WB11〜WB1M、WB21〜WB2M、・・・WBK1〜WBNMが、入力側光ファイバFi1、Fi2、・・・FiNをそれぞれ介して並列に入力され、ルーティングされた新たな波長群WB11〜WB1M、WB21〜WB2M、・・・WBK1〜WBNMが、出力側光ファイバFo1、Fo2、・・・FoNをそれぞれ介して並列に出力される。上記L、M、Nは整数であり、たとえば、L=4〜8、M=8〜10、N=10〜12などに設定される。1本の光ファイバ毎の波長数mは、L×Mにより表わされる。
【0028】
ここで、たとえば波長群WB11に含まれる波長チャネルの波長はλ111 〜λ11L 、波長群WB12に含まれる波長チャネルの波長はλ121 〜λ12L 、波長群WB1Mに含まれる波長チャネルの波長はλ1M1 〜λ1ML 、波長群WBKMに含まれる波長チャネルの波長はλKM1 〜λKML となるが、それらの波長、たとえばλ121 〜λ121L は、相互に順次連続的に増加するものであってもよいし、分散的なものであってもよい。
【0029】
図3および図4は、各波長群を構成する波長λの構成例を示している。図3は連続配置型波長群の例を示しており、連続する波長のうちから選択された互いに連続する16波長毎に1群を構成するように順次選択された複数の波長群が設定されている。図4は、分散配置型波長群の例を示しており、連続する8波長の組の各々から分散的に選択された波長から1つの波長群が設定されることで、波長群を構成する。波長が該波長群内および該波長群間で不連続的に相違する波長により構成されるように1群が構成されている。
【0030】
上記図3及び図4において、波長分割多重信号を構成する波長チャンネルは、相互に同じビットレートの光信号であってもよいし、一部または全部が相互に異なるビットレードの光信号であってもよい。また、図4に示すように、波長チャンネルは必ずしも等間隔でなくてもよく、一部または全部が不等間隔の波長チャンネルであってもよい。
【0031】
図5に示すように、光パスクロスコネクト装置OXCは、N本の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNを介してそれぞれ入力された波長分割多重光に含まれる所定の波長群或いは波長を抽出して方路切り換えを行い、所望の他の波長分割多重光に組み入れてN本の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうちの所望の光出力ファイバを介して伝送する。このパスクロスコネクト装置OXCは、N本の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiN毎に設けられたN個(=n・D個)の1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDと、それら1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDのD個の出力ポート毎にそれぞれ設けられたn・D個の1×n波長群選択スイッチWBSSと、N本の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoN毎に設けられ、1×n波長群選択スイッチWBSSから所望の光出力ファイバへ向かってそれぞれ出力される波長群を合波してN本の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNへそれぞれ出力するnD個のnD×1合流器WBCとを備えている。
【0032】
1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、1入力に対して基本的には複数個の出力ポートすなわちノード#0に隣接するノード#1〜#Dの数と同じD個の出力ポートを有している。1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、たとえば図10に示す三次元MEMS光スイッチ、又は図11に示す平面式波長選択スイッチから構成される。図10に示す三次元MEMS光スイッチは、1本の光入力ファイバFi1および4本の光出力ファイバFo1〜Fo4を用いて説明されている。この三次元MEMS光スイッチは、分光用グレーティングG、集光レンズLの他に、波長数m個(図10では4個)のマイクロミラーMMおよびそれを駆動する図示しないアクチュエータを備え、光入力ファイバFi1から入力された波長が分光用グレーティングGで波長単位に分光された後に集光レンズLにより波長毎にマイクロミラーMM上に集光され、マイクロミラーMMからの反射光が出力ファイバFo1〜Fo4のうちの所望のファイバに入射するように駆動されることで、波長選択スイッチ機能が得られるようになっている。本実施例では、Dの値が9前後であるため、実用技術で構成される。
【0033】
図11に示される平面式波長選択スイッチは、プレーナー光導波回路(PLC)技術により共通の半導体或は石英などの基板上に導波路および素子が集積化されることにより構成される。この平面式波長選択スイッチは、たとえば、N本の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiN毎に設けられてそれぞれ入力される波長分割多重光を波長毎に分波するN個の1×m(mはファイバ当たりの波長数)分波器WSと、N個の1×m分波器WSでそれぞれ分波された波長毎に方路切り換えを行なうN×m個の1×N光スイッチPWCと、それらの1×N光スイッチPWCからの出力波長をそれぞれ受けて合波し、N本の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNへ出力するN×N個のN×1合波器WCとで構成される。図5の1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDとしてこの平面式選択スイッチが採用されると、図5の光パスクロスコネクト装置OXCは、その全体が共通の半導体或は石英などの基板上に集積化されることも可能である。
【0034】
図5の1×n波長群選択スイッチWBSSは、1入力に対して複数個の出力ポートすなわちノード#0に隣接するノード#1〜#Dのいずれか1に向かう光出力ファイバの本数と同じn個の出力ポートを備え、その複数個の出力ポートのうちの1つからは、ノード#0に隣接するノード#1〜#Dのいずれか1に向かう波長群を合波する1群(n個)のnD×1光合流器WBCへ、選択した波長群をそれぞれ出力する。この1×n波長群選択スイッチWBSSは、仮にn=5としたときを示す図6に示すように構成される。図6において、1×n波長群選択スイッチWBSSは、第1周回性アレイ導波路回折格子AWG1と、5個の1×5光スイッチPSWと、5個の5×1第2周回性アレイ導波路回折格子AWG2とから構成されている。上記の第1周回性アレイ導波路回折格子AWG1および第2周回性アレイ導波路回折格子AWG2は、出力ポート数と波長間隔との積をFSR(Free Spectral Range)に一致させることで出力に周回特性を持たせた周回性アレイ導波路回折格子AWGにより構成される。上記第1周回性アレイ導波路回折格子AWG1は、その周回特性によって、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDのD個の出力ポートのうちの1つから入力された波長分割多重光を、図7に示すように5つの波長群に分波する。図7では、λ1〜λ40の40波の波長群が1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDから入力されたときに5つ群の波長群WB1〜WB5を出力する場合の例を示している。上記1×5光スイッチPSWは、公知の光スイッチから構成され得るが、たとえば、マッハツェンダ−干渉計を利用したMZIスイッチが、PLCを利用した光集積回路を採用する上で好都合である。上記5×1第2周回性アレイ導波路回折格子AWG2は、周回性アレイ導波路回折格子AWGから構成されているが、逆向きに利用されることで、1×5光スイッチPSWから出力された波長群を合波して方路切換え先の光出力ファイバへ向かって出力させる合波器として機能している。
【0035】
図5に戻って、nD×1合流器WBCは、nD個の1×D波長選択スイッチWSS毎に設けられたD個の1×n波長群選択スイッチWBSSのうちの1つの1×n波長群選択スイッチWBSSからそれぞれ出力された波長群がそれぞれ入力されるnD個の入力ポートとノード#0に隣接する各ノード#1〜#Dへのn本ずつ光出力ファイバのうちの1つへ出力する1つの出力ポートとを備え、その各1×n波長群選択スイッチWBSSから複数の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうちの所定の光出力ファイバへ向かって出力された波長群を合波し、その所定の光出力ファイバへ出力する。このnD×1合流器WBCは、光カップラにより構成され得るが、本実施例のnD×1合流器WBCは、上記1×n波長群選択スイッチWBSSと同様の1×nD波長群選択スイッチWBSSと同様の構成を有して逆向きに用いられるもので構成することができる。
【0036】
本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCは、N本の入力側光ファイバFi1、Fi2、・・・FiNを介してそれぞれ入力された波長分割多重光すなわちファイバ毎にM群の波長群WB11〜WB1M、WB21〜WB2M、・・・WBN1〜WBNMから所定(任意)のドロップ波長を選択して、ルータ等が設けられて電気的信号と波長単位の光信号との間の信号変換を行うための電気レイヤEL内の複数の受信器(ルータ)PDのうちの所定(任意)の受信器へドロップさせるドロップ機能と、電気レイヤEL内の複数の送信器(ルータ)PIのうちの所定(任意)の送信器から加入(アド)された光信号すなわちアド波長を所定の波長分割多重信号に加入してその所定の波長分割多重信号が伝送される光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのいずれかから伝送させるアド機能とを備えている。なお、光ネットワークNWでは、波長衝突を回避するために予めルートが定められて波長が重ならないように設計されている。上記送信器PIは、空いている波長を探してその波長の光信号を出力させる。
【0037】
このため、図5の1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、N本の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNを介してそれぞれ入力された波長分割多重光から所定(任意)のドロップ波長を選択して、電気レイヤEL内の所定の受信器(ルータ)PDへドロップ出力させるドロップ用出力ポートPodを、さらに備えている。それ故、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、1×(D+1) 波長選択スイッチWSSとも称され得る。また、図5のnD×1合流器WBCは、電気レイヤEL内の所定の送信器PIから加入(アド)された所定波長の光信号すなわちアド波長を所定の波長分割多重信号に加入(アド)してその所定の波長分割多重信号が伝送される光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのいずれかから伝送させるアド入力ポートPiaを、さらに備えている。それ故、nD×1合流器WBCは、 (nD+1)×1合流器WBCとも称され得る。
【0038】
以上のように、構成された本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCにおいて、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDの出力ポート数Dは、この光パスクロスコネクト装置OXCに隣接するノードの数、或いは光ネットワーク内の各々のノード#0に隣接するノード#1〜#D数の最大値以上の値となるように設定されている。また、光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうち光パスクロスコネクト装置OXCからそれに隣接する各ノードへそれぞれ出力する光出力ファイバの本数Aiとすると、その光出力ファイバの本数Aiは、各ノード#1〜#Dからノード#0へそれぞれ入力される光入力ファイバの本数Aiの最大値と同じ本数であるか、或いはそれ以上の本数に設定されている。
【0039】
上述のように、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、複数の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNからの波長分割多重光に含まれる波長群或いは波長を、複数の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのいずれかへルーティングするために、複数の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNからの各波長分割多重光を、その複数の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiN毎の波長に応じてD本の出力ポートのうちの任意の出力ポートへそれぞれ選択的に出力する複数の1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDと、その複数の波長選択スイッチWSS1〜WSSnDによりそれぞれ選択されて該波長選択スイッチWSS1〜WSSnDのD本の出力ポートからそれぞれ出力された光信号を、そのD本の出力ポート毎にそのD本の出力ポートから波長群に応じてn本の光出力ファイバのうちの任意の光出力ファイバへそれぞれ選択的に出力する1×n波長群選択スイッチWBSSとから、波長選択スイッチと波長群選択スイッチの2段構成が採用されているので、図8、図9の1段構成の波長選択スイッチWSSに比較して、波長選択スイッチWSSの出力ポート数が1/nと大幅に削減される。また、図12に示すように、波長選択スイッチを2段構成に組み合わせて、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDがN(n・D)個、1×n波長群選択スイッチWBSSがND(=n・D)個を用いる場合に比較しても、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、1×D波長選択スイッチWSSがN(=n・D)個、1×n波長群選択スイッチWBSSがND(=n・D)個となり、波長選択スイッチWSSの個数は1/(1+D)と大幅に削減される。この波長群選択スイッチWBSSは、プレーナ技術により1基板の上に光集積導波回路として構成されることができるので、光パスクロスコネクト装置OXCが小型、且つ経済的に実現できる。波長群選択スイッチWBSSは、その構成上、波長選択スイッチWSSに比較して、装置規模や価格の制約は極めて小さい。
【0040】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、複数の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiN毎に設けられて、その光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNからの波長分割多重光を構成する波長から複数の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうちの任意の出力ファイバへ向かう波長を選択するものであり、1×n波長群選択スイッチWBSSは、複数の1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDの出力ポート毎に設けられて、その波長選択スイッチWSSから出力された複数の波長から成る波長群を、複数の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうち、特定の隣接ノードに接続される任意の光出力ファイバへ出力するものであり、nD×1光合流器WBCは、複数の光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoN毎に設けられ、その波長群選択スイッチWBSSから対応するファイバに向けて出力される波長群を合波して複数の出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうちその波長群が指向する光出力ファイバへ出力するものである。このため、波長選択スイッチWSSの個数は、1/(1+D)と大幅に削減されるだけでなく、波長群選択スイッチWBSSは、プレーナ技術により1基板の上に光集積導波回路として構成されることができるので、光パスクロスコネクト装置OXCが小型、且つ経済的に実現できる。
【0041】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCは、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDは、複数の光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNによりそれぞれ伝送されてくる波長分割多重光に含まれるドロップ波長を選択して電気レイヤELの所定のルータへ出力するドロップ用出力ポートPodをさらに備えているので、ドロップ機能を備えることができる。
【0042】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCは、nD×1光合流器WBCは、電気レイヤELの所定のルータから出力されたアド波長を受け入れるアド用入力ポートPiaをさらに備えているので、アド機能を備えることができる。
【0043】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、1×D波長選択スイッチWSS1〜WSSnDの出力ポート数Dの値は、その光パスクロスコネクト装置OXCに隣接するノードの数、或いは光ネットワーク内の各々のノードに隣接するノード数の最大値と同じかそれ以上の値に設定されているので、波長チャンネルの光信号がどのノードへ行くか、或いは、どの光出力ファイバを選択するかに関して、設計の自由度が高められる。
【0044】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNのうちその光パスクロスコネクト装置OXCからそれに隣接する各ノードへそれぞれ出力する各光出力ファイバの本数nは、その各ノードからそれぞれ入力される各光入力ファイバの本数の最大値またはそれ以上の本数に設定されているので、隣接する各ノードとの間の信号伝送に関して、設計の自由度が高められる。
【0045】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、波長分割多重光は、図2に示すように波長が順次異なる連続的波長の波長チャンネルから構成されるので、設計が容易となる利点がある。
【0046】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、波長分割多重光は、図3に示すように波長が不連続な波長チャンネルを含んで構成されるので、設計の自由度が高められる利点がある。
【0047】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、波長分割多重光は、信号のビットレードが相互に異なる波長チャンネルを含んで構成されるので、光パスクロスコネクト装置OXCの汎用性が高められる。
【0048】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、波長分割多重光は、波長間隔が相違する波長の波長チャンネルを含んで構成されるので、光パスクロスコネクト装置OXCの汎用性が高められる。
【0049】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCによれば、nD×1光合流器WBCは、逆向きに用いる1×nD波長群選択スイッチWBSSと同様に構成されているので、光パスクロスコネクト装置OXCを構成する要素の種類が少なくなり、製造プロセスの行程数が少なくなって容易となる。また、1×D波長選択スイッチWSS、1×n波長群選択スイッチWBSS、nD×1光合流器WBCを、プレーナ光導波路(PLC)技術を用いて共通の基板上に集積化して、モノリシック化できる利点がある。
【0050】
また、本実施例の光パスクロスコネクト装置OXCにおいて、入力と出力、およびアドとドロップとを入れ替える利用形態により、逆向きでも光パスクロスコネクト装置OXCとして機能させることができる。この場合、光入力ファイバFi1、Fi2、・・・FiNを光出力ファイバとして用い、光出力ファイバFo1、Fo2、・・・FoNを光入力ファイバとして用い、ドロップ用出力ポートPodを備える1×D波長選択スイッチWSSおよび1×n波長群選択スイッチWBSSは、アド入力ポートを備えるnD×1光合流器として機能し、アド入力ポートPiaを備えるnD×1光合流器WBCはドロップ用出力ポートを備える1×nD波長選択スイッチとして機能するものである。これにより、たとえば、ノード配置などのノード設計の自由度が高められる。
【0051】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【符号の説明】
【0052】
NW:光ネットワーク
OXC:光パスクロスコネクト装置
WSS:波長選択スイッチ
WBSS:波長群選択スイッチ
WBC:光合波器
Fo1、Fo2、・・・FoN:光出力ファイバ
Fi1、Fi2、・・・FiN:光入力ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光入力ファイバからの波長分割多重光を波長に応じて複数の光出力ファイバへルーティングする光パスクロスコネクト装置であって、
複数個の出力ポートを有し、前記複数の光入力ファイバからの各波長分割多重光を、該複数の光入力ファイバ毎の波長に応じて前記複数個の出力ポートのうちの任意の出力ポートへそれぞれ選択的に出力する複数の波長選択スイッチと、
該複数の波長選択スイッチによりそれぞれ選択されて該波長選択スイッチの複数個の出力ポートからそれぞれ出力された光信号を、該複数個の出力ポート毎に、該複数個の出力ポートからの波長群に応じて前記複数本の光出力ファイバのうちの各々の隣接ノードに接続されるn本の任意の光出力ファイバへそれぞれ選択的に出力する波長群選択スイッチと、
該波長群選択スイッチから前記n本の光出力ファイバのいずれかへ向かってそれぞれ出力される波長群を該n本の光出力ファイバ毎に合流して、該n本の光出力ファイバへそれぞれ入力させる光合流器と
を、含むことを特徴とする光パスクロスコネクト装置。
【請求項2】
前記波長選択スイッチは、前記複数の光入力ファイバによりそれぞれ伝送されてくる波長分割多重光に含まれるドロップ波長を選択して電気レイヤの所定のルータへ出力するドロップ用出力ポートをさらに備え、
前記波長選択スイッチの出力ポート数をD(2以上の整数)とすると、該波長選択スイッチは、1×(D+1)で構成されているものであることを特徴とする請求項1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項3】
前記光合流器は、前記電気レイヤの所定のルータから出力されたアド波長を受け入れるアド用入力ポートをさらに備え、(D+1)×1で構成されているものであることを特徴とする請求項2の光パスクロスコネクト装置。
【請求項4】
前記波長選択スイッチの出力ポート数は、前記光パスクロスコネクト装置に隣接するノードの数、或いは光ネットワーク内の各々のノードに隣接するノード数の最大値以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項5】
前記光パスクロスコネクト装置からそれに隣接する各ノードiへそれぞれ出力する各光出力ファイバの本数をAiとすると、該波長群選択スイッチの各光出力ファイバの本数Aiは、隣接する各ノードへの出力ファイバの本数Aiの最大値以上の本数であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項6】
前記波長分割多重光は、波長が順次異なる連続的波長の波長チャンネルから構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項7】
前記波長分割多重光は、波長が不連続な波長チャンネルから構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項8】
前記波長分割多重光は、信号のビットレートが相互に異なる波長チャンネルを含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項9】
前記波長分割多重光は、波長間隔が相違する波長の波長チャンネルを含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項10】
前記光合流器は、逆向きに用いる波長群乃至波長選択スイッチから構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項11】
前記光パスクロスコネクト装置の光入力ファイバが光出力ファイバとして用いられ、前記光パスクロスコネクト装置の光出力ファイバが光入力ファイバとして用いられて、逆方向の光パスクロスコネクト装置として機能させられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1の光パスクロスコネクト装置。
【請求項12】
前記ドロップ用出力ポートを備える波長選択スイッチは、アド入力ポートを備える光合流器として機能させられ、前記アド入力ポートを備える光合流器はドロップ用出力ポートを備える光分岐素子として機能させられることを特徴とする請求項3の光パスクロスコネクト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−85011(P2013−85011A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221418(P2011−221418)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、独立行政法人情報通信研究機構、高度通信・放送研究開発委託研究/研究開発課題:ダイナミック適応型フォトニックノード構成技術に関する研究、産業技術力強化法第19条の適応を受ける特許出願
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【Fターム(参考)】