説明

光ファイバの収納方法

【課題】容易かつ迅速に光ファイバを再敷設することを可能とする光ファイバの収納方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ30を支持している光ファイバ支持具36に固定具46を嵌合させるステップと、光ファイバ支持具が取り付けられている面28にシート状部材54を対向させ、固定具をシート状部材に固定するステップと、光ファイバ支持具が取り付けられている面から光ファイバ支持具を取り外すステップと、シート状部材を巻き付け部材58に巻き付けるステップとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データセンター等におけるコンピュータルーム等には多数のラックが配置されており、これらのラック内にはコンピュータ機器等が収納されている。
【0003】
コンピュータ機器等から発せられる熱によりラック内の温度が過度に上昇すると、コンピュータ機器等の誤動作を招く虞があるため、空調設備(冷却装置)等を用いて冷却が行われる。
【0004】
冷却に要する電気料金の抑制、省エネルギー化、COの削減等を図るためには、過度に低い温度で冷却するのを避け、適切な温度で冷却することが好ましい。
【0005】
ラック内を適切な温度で冷却するためには、ラック内の各箇所の温度を正確に測定することが好ましい。
【0006】
近時、光ファイバをセンサとして用い、ラマン散乱光の強度観測を行うことにより、各測定箇所の温度を測定する技術が提案されている(特許文献8,9,非特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−14554号公報
【特許文献2】特開2003−57126号公報
【特許文献3】特開昭62−110160号公報
【特許文献4】特開平7−12655号公報
【特許文献5】特開平2−123304号公報
【特許文献6】特開2002−267242号公報
【特許文献7】特開平5−83838号公報
【特許文献8】特開2010−250147号公報
【特許文献9】特開2010−107279号公報
【特許文献10】特開2010−231014号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】株式会社富士通研究所、“データセンター向けリアルタイム多点温度測定技術を開発 〜温度分布の「見える化」で大規模なデータセンターの省エネ化に貢献〜”、[online]、平成20年4月4日、富士通株式会社、[平成23年3月22日検索]、インターネット<URL://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/04/4.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、かかる光ファイバを一時的に取り外す場合がある。この場合、取り外した光ファイバを元通りの位置に戻すのは必ずしも容易ではない。
【0010】
本発明の目的は、容易かつ迅速に光ファイバを再敷設することを可能とする光ファイバの収納方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の一観点によれば、光ファイバを支持している光ファイバ支持具に固定具を嵌合させるステップと、前記光ファイバ支持具が取り付けられている面にシート状部材を対向させ、前記固定具を前記シート状部材に固定するステップと、前記光ファイバ支持具が取り付けられている面から前記光ファイバ支持具を取り外すステップと、前記シート状部材を巻き付け部材に巻き付けるステップとを有することを特徴とする光ファイバの収納方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の光ファイバの収納方法によれば、光ファイバを支持する光ファイバ支持具に嵌合する固定具を用いて、光ファイバ支持具及び光ファイバをシート状部材に移設する。このため、取り外した光ファイバを元通りの箇所に容易かつ迅速に再敷設することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、光ファイバの敷設状態を示す概略図である。
【図2】図2は、板状体の一部を示す平面図である。
【図3】図3は、ラックの扉の内側の一部を示す図である。
【図4】図4は、光ファイバ支持具を示す斜視図及び側面図である。
【図5】図5は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その1)である。
【図6】図6は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その2)である。
【図7】図7は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その3)である。
【図8】図8は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その4)である。
【図9】図9は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その5)である。
【図10】図10は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その6)である。
【図11】図11は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その7)である。
【図12】図12は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その8)である。
【図13】図13は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その9)である。
【図14】図14は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その10)である。
【図15】図15は、第1実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その11)である。
【図16】図16は、第1実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その1)である。
【図17】図17は、第1実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その2)である。
【図18】図18は、第1実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その3)である。
【図19】図19は、第1実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その4)である。
【図20】図20は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その1)である。
【図21】図21は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その2)である。
【図22】図22は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その3)である。
【図23】図23は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その4)である。
【図24】図24は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その5)である。
【図25】図25は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その6)である。
【図26】図26は、第2実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その7)である。
【図27】図27は、第2実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その1)である。
【図28】図28は、第2実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その2)である。
【図29】図29は、第2実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その3)である。
【図30】図30は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その1)である。
【図31】図31は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その2)である。
【図32】図32は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その3)である。
【図33】図33は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その4)である。
【図34】図34は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その5)である。
【図35】図35は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その6)である。
【図36】図36は、第3実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図(その7)である。
【図37】図37は、第3実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その1)である。
【図38】図38は、第3実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その2)である。
【図39】図39は、第3実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その3)である。
【図40】図40は、第3実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図(その4)である。
【図41】図41は、変形実施形態による光ファイバの収納方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
第1実施形態による光ファイバの収納方法を図1乃至図19を用いて説明する。
【0015】
まず、光ファイバの敷設状態について図1を用いて説明する。図1は、光ファイバの敷設状態を示す概略図である。
【0016】
データセンター等におけるコンピュータルーム等の室内には、フリーアクセスフロアが設けられている。フリーアクセスフロアは、本来の床の上に一定の高さの空間を設け、かかる空間の上に別の床を設けて二重化したものである(二重床)。フリーアクセスフロアの床下の空間は、配線ケーブル等を敷設するのに用いることができる。また、フリーアクセスフロアの床下の空間は、空調にも用いることができ、例えば、吸気口や排気口を設け、空気の通り道とすることができる。
【0017】
図1に示すように、コンピュータルーム等の本来の床10の上には、ケーブル12等を敷設するための一定の高さの空間が設けられている。かかる空間の上には、本来の床10とは別の床、即ち、フリーアクセスフロアの床(図示せず)が設けられている。フリーアクセスフロアの床は、複数の板状のパネル(図示せず)により形成されている。かかる板状のパネルは、複数の支柱14によりそれぞれ支持されている。なお、図1では、複数の板状のパネルのうちの1つのパネル16が図示されている。フリーアクセスフロアの床下の空間には、図示しない空調設備(冷却装置)により冷却された空気が吸気口(図示せず)を介して導入されるようになっている。空調設備から送出される冷却された空気は、フリーアクセスフロアの床下の空間を経由し、フリーアクセスフロアの床に配されたパネル16の開口部(排気口)18を介して、ラック10の内部に導入されるようになっている。
【0018】
フリーアクセスフロアの床上には、複数のラック20が配されている。各々のラック20内には、複数のコンピュータ機器(図示せず)等が収容されている。かかるコンピュータ機器は、例えばサーバコンピュータ(サーバマシン)等である。
【0019】
ラック20は、本体22と、扉24とを有している。ラック本体22の高さは、例えば2000mm程度である。また、ラック本体22の幅は、例えば700mm程度である。ラック本体22の奥行きは、例えば1075mm程度である。ラックの扉24の高さは、例えば1900mm程度である。ラックの扉24の幅は、例えば690mm程度である。
【0020】
ラックの扉24は、枠体26と、枠体26に取り付けられた板状体28とを有している。図2は、板状体の一部を示す平面図である。図2に示すように、板状体28として、パンチングメタル(パンチングメタル部)が用いられている。パンチングメタル28は、多数の孔29が打ち抜き加工により形成された金属板である。ラックの扉24の一部にパンチングメタル28を用いるのは、計算機等により加熱されたラック20内の空気を、ラック20外に効果的に流出させ、ラック20内を効率的に冷却するためである。なお、図2以外の図面においては、パンチングメタル28の孔29の図示を適宜省略している。
【0021】
図示しない温度分布測定装置に接続された光ファイバ30は、フリーアクセスフロアの床下を経由し、パネル16の開口部18を介して、フリーアクセスフロアの床上に引き出されている。光ファイバ30、各測定箇所における温度を測定するために用いられるものである。光ファイバ30は、蛇腹管(コルゲートチューブ)32を用いて適宜保護されている。フリーアクセスフロアの床下には、光ファイバ30を巻き取るための巻き取り部34が適宜配されており、光ファイバ30は巻き取り部34により適宜巻き取られている。
【0022】
図3は、ラックの扉の内側の一部を示す図である。開口部18から引き出された光ファイバ30は、図3に示すように、ラックの扉24の内側の面、即ち、板状体28の内側の面にクランプ33を用いて固定されている。
【0023】
なお、図3以外の図面においては、クランプ33の図示、及び、クランプ33により固定されている光ファイバ30の図示を、適宜省略している。
【0024】
光ファイバ30は、光ファイバ支持具(光ファイバ支持部材)36を用いて、ラックの扉24の内側の面の各測定箇所を経由するように板状体28に固定されている。
【0025】
図4は、光ファイバ支持具を示す斜視図及び側面図である。図4に示すように、光ファイバ支持具36は、光ファイバ30をガイドするための光ファイバガイド38と、光ファイバ支持具36をパンチングメタル28に取り付けるためのフック40と、光ファイバガイド36の外周に設けられたガイド部材42とを有している。光ファイバガイド38は、全体としてリング状に形成されている。光ファイバ30は、光ファイバガイド38の外周に沿って巻回される。光ファイバガイド38の外周に沿って巻回された光ファイバ30は、ガイド部材42によりガイドされる。パンチングメタル28の孔29(図2参照)に光ファイバ支持具36のフック40を挿入した状態で、光ファイバ支持具36をスライドすることにより、光ファイバ支持具36をパンチングメタル28に固定することが可能である。
【0026】
ラック20内に収容されたコンピュータ機器等のメンテナンスや入れ替え等を行う際には、ラック本体22から扉24を取り外す場合がある。ラック本体22から取り外された扉24は、ラック本体22から離間した所定の設置箇所に一時的に保管される。この場合、ラックの扉24に敷設されていた光ファイバ30は、ラックの扉24から取り外さざるを得ない。
【0027】
光ファイバ30は、各箇所の温度を測定するために用いられるものであるため、コンピュータ機器のメンテナンスや入れ替え等が完了した後には、元通りの箇所に正確に再敷設することが好ましい。元通りの箇所に再敷設しないと、意図している箇所とは異なる箇所の温度を測定することになってしまうためである。
【0028】
本実施形態による光ファイバの収納方法は、以下のようにして、光ファイバ30を正確かつ迅速に元の箇所に再敷設することを可能とするものである。図5至図15は、本実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図である。
【0029】
まず、ラックの扉24の内側の面のうちの光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所に、マーキング部材(目印)44を用いてマーキングを行う(図5及び図6参照)。図5(a)は、パンチングメタルの孔にマーキング部材を挿入する前の状態を示しており、図5(b)及び図6は、パンチングメタルの孔にマーキング部材を挿入した後の状態を示している。なお、図5(a)及び図5(b)においては、パンチングメタル28に形成されている複数の孔29のうちの1つの孔29を図示している。
【0030】
光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所にマーキングを行うのは、光ファイバ30を再敷設する際に、元通りの箇所に光ファイバ30を再敷設することを可能とするためである。マーキングを行う箇所としては、例えば、光ファイバ支持具36の中心部とする。
【0031】
マーキング部材44としては、例えば、長手方向に沿って径が徐々に大きくなっている部材を用いる。このようなマーキング部材44としては、例えばSC型光ファイバ用コネクタブーツ等が挙げられる。このようなマーキング部材44をパンチングメタル28の孔29に差し込めば、孔29の径とマーキング部材44の径とが一致する箇所において、マーキング部材44の外周と孔29の内周とが当接し、マーキング部材44がパンチングメタル28に固定される。
【0032】
なお、ここでは、光ファイバ支持具36の中心部にマーキングを行う場合を例に説明したが、マーキングを行う箇所は光ファイバ支持具36の中心部に限定されるものではない。例えば、光ファイバ支持具36の一部が位置する箇所等にマーキングを行うようにしてもよい。
【0033】
こうして、光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所の各々にマーキングが行われた状態となる(図6参照)。
【0034】
次に、光ファイバ支持具36を後述するシート状部材54に固定するための固定具(固定部材)46を、光ファイバ支持具36に嵌合させる(図7及び図8参照)。図7(a)は、光ファイバ支持具に固定具を嵌合させる前の状態を示しており、図7(b)及び図8は、光ファイバ支持具に固定具を嵌合させた後の状態を示している。
【0035】
図7(a)に示すように、固定具46は、基材48と、光ファイバ支持具36に嵌合させるための嵌合部50とを有している。嵌合部50は、接着等により基材48に固定されている。基材48の材料としては、例えば難燃性のポリプロピレンが用いられている。嵌合部50の材料としては、例えば難燃性の発泡ゴムが用いられている。基材48には、後述するピン56が嵌合される孔52が形成されている。
【0036】
こうして、各々の光ファイバ支持具36に固定具46が嵌合された状態となる(図8参照)。
【0037】
次に、図9に示すように、固定具46が嵌合された光ファイバ支持具36及び光ファイバ30を覆うように、ラックの扉24の内側の面にシート状部材54を対向させる。かかるシート状部材54は、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30を一時的に移設するためのものである。かかるシート状部材54としては、例えば気泡緩衝シート等を用いることができる。
【0038】
シート状部材54の幅は、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30を確実に収納すべく、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が取り付けられている領域の幅より広いことが好ましい。ここでは、シート状部材54の幅を、例えば500mm程度とする。
【0039】
シート状部材54の長さは、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30を確実に収納すべく、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が取り付けられている領域の長さに対して十分に長いことが好ましい。ここでは、シート状部材54の長さを、例えば2600mm程度とする。
【0040】
次に、固定具46の孔52が位置している箇所において、シート状部材54をピン56により貫通させ、ピン56の先端部57を固定具46の孔52に嵌合される(図10及び図11参照)。図10(a)は、ピンを固定具の孔に嵌合する前の状態を示しており、図10(b)及び図11は、ピンを固定具の孔に嵌合した後の状態を示している。ピン56の先端部57を固定具46の孔52に嵌合することにより、固定具46がシート状部材54に固定され、これにより、固定具46を介して光ファイバ支持具30がシート状部材54に固定される。
【0041】
こうして、光ファイバ支持具36間の相対的な位置関係が維持された状態で、光ファイバ30を支持する光ファイバ支持具36がシート状部材54に固定される(図11参照)。
【0042】
次に、ラックの扉24の内側の面から光ファイバ支持具36を順次取り外しながら、ファイバ支持具36が固定されたシート状部材54を巻き付け部材58に巻き付けていく(図12及び図13参照)。
【0043】
図12は、巻き付け部材を示す平面図及び断面図である。図12(a)は、平面図であり、図12(b)は、図12(a)のA−A′断面図である。
【0044】
巻き付け部材58は、例えば、板状体(図示せず)と、板状体に巻き付けられた気泡緩衝シート(図示せず)とにより形成されている。巻き付け部材58の厚さは、光ファイバ30が損傷するのを防止すべく、光ファイバ30の最小曲げ半径の2倍以上とすることが好ましい。光ファイバ30の最小曲げ半径が20mmである場合には、巻き付け部材58の厚さを40mm以上とすることが好ましい。更には、巻き付け部材58の厚さを、光ファイバ30の最小曲げ半径の2倍に対して十分にマージンを確保した厚さとすることがより好ましい。ここでは、巻き付け部材58の厚さを、例えば70mm程度とする。
【0045】
シート状部材54を巻き付け部材58に巻き付けていく際には、シート状部材58のうちの光ファイバ支持具36が固定されている側が内側となるようにして、シート状部材54を巻き付け部材58に巻き付けていく。
【0046】
こうして、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30がラックの扉24の内側の面から取り外されていき、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30がシート状部材54に移設される。図14は、扉24の内側の面から光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が取り外された状態を示している。図14に示すように、ラックの扉24の内側の面のうちの光ファイバ支持具36が取り付けられていた箇所に、マーキング部材44が残存している。
【0047】
このようにして、光ファイバ30を支持する光ファイバ支持具36が固定されたシート状部材54が巻き付け部材58に巻き付けられていき、光ファイバ30が収納された収納体60が得られる(図15参照)。
【0048】
こうして得られた収納体60は、例えばラック本体22の下部に存在する空きスペース(図示せず)等に収容される。光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が取り外されたラックの扉24は、ラック本体22から取り外され、所定の箇所に一時的に保管される。
【0049】
なお、光ファイバ30が収納された収納体60をラックの扉24から引き離す際には、光ファイバ30をクランプ33から予め外しておく。
【0050】
この後、ラック本体22内に収納されているコンピュータ機器等のメンテナンスや入れ替え等が行われる。
【0051】
ラック本体22内に収納されているコンピュータ機器等のメンテナンスや入れ替え等を行った後には、所定の箇所に保管されていたラックの扉24がラック本体22に取り付けられ、以下のようにして、光ファイバ30の再敷設が行われる。図16乃至図19は、本実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図である。
【0052】
まず、収納体60が収容されているスペースから、収納体60を取り出す。
【0053】
次に、巻き付け部材58に巻き付けられたシート状部材54を巻き付け部材58から徐々に外しながら、マーキング部材44が取り付けられている箇所に光ファイバ支持具36を取り付けていく。シート状部材54が気泡緩衝シートのように比較的柔らかい材料により形成されている場合には、シート状部材54を介して光ファイバ支持具36を容易に把持することができ、光ファイバ支持具36をパンチングメタル28に容易に取り付け得る。
【0054】
こうして、光ファイバ支持具36が取り付けられていた箇所と同じ箇所に、光ファイバ支持具36が再度取り付けられる。これに伴い、光ファイバ30も、ラックの扉24から外される前の位置と同じ位置に配されることとなる(図16参照)。
【0055】
次に、固定具の孔に嵌合されているピン56を取り外す。これにより、ラックの扉24の内側の面からシート状部材54が外された状態となる(図17参照)。
【0056】
次に、光ファイバ支持具36に嵌合している固定具46を、光ファイバ支持具36から外す(図18参照)。
【0057】
次に、ラックの扉24の内側の面に取り付けられているマーキング部材44を、ラックの扉24の内側の面から取り外す(図19参照)。
【0058】
この後、ラックの扉24の内側の面に、クランプ33(図3参照)を用いて、光ファイバ30を固定する。
【0059】
こうして、光ファイバの再敷設が完了する。
【0060】
(評価結果)
本実施形態による光ファイバの収納方法の評価結果について説明する。
【0061】
上述した本実施形態による光ファイバの収納方法により収納を行ったところ、収納に要した時間、即ち、収納時間は、以下の通りであった。また、再敷設に要した時間、即ち、復旧時間は、以下の通りであった。
【0062】
即ち、第1回目の収納時間は、6分2秒であった。第1回目の復旧時間は、4分40秒であった。第2回目の収納時間は、6分10秒であった。第2回目の復旧時間は、4分40秒であった。第3回目の収納時間は、5分40秒であった。第3回目の復旧時間は、5分2秒であった。第4回目の収納時間は、6分28秒であった。第4回目の復旧時間は、4分9秒であった。第5回目の収納時間は、5分37秒であった。第5回目の復旧時間は、4分41秒であった。
【0063】
収納時間の平均値は、5分59秒であった。また、復旧時間の平均値は、4分38秒であった。
【0064】
これらのことから、本実施形態によれば、光ファイバの収納や再敷設を極めて短時間で行い得ることが分かる。
【0065】
また、収納前における温度測定結果と、再敷設後における温度測定結果とを対比したところ、特段の際は生じなかった。
【0066】
このことから、本実施形態によれば、光ファイバ30にダメージ等が加わるのを防止しつつ、光ファイバ30を元通りの位置に再敷設できることが分かる。
【0067】
このように本実施形態によれば、光ファイバ30を支持する光ファイバ支持具36に嵌合する固定部を用いて、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30をシート状部材54に移設する。このため、本実施形態によれば、容易且つ迅速に光ファイバ30の再敷設を行うことが可能となる。
【0068】
[第2実施形態]
第2実施形態による光ファイバの収納方法を図20乃至図29を用いて説明する。図20乃至図26は、本実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図である。図1乃至図19に示す第1実施形態による光ファイバの収納方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0069】
本実施形態による光ファイバの収納方法は、面ファスナを用いて固定具をシート状部材に固定するものである。
【0070】
まず、光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所にマーキング部材44を取り付ける(図20参照)。
【0071】
次に、光ファイバ支持具をシート状部材に固定するための固定具46aを、光ファイバ支持具36に嵌合させる(図21及び図22参照)。図21(a)は、固定具を光ファイバ支持具に嵌合する前の状態を示しており、図21(b)は、固定具を光ファイバ支持具に嵌合した後の状態を示している。
【0072】
図21に示すように、固定具46aの基材48aのうちのシート状部材54aと対向する側の面に、面ファスナ部材62が取り付けられている。本実施形態では、ピン56(図10参照)を用いた固定は行わないため、基材48aに孔は形成されていない。本実施形態では、後述するように、シート状部材54aの材料として面ファスナ部材が用いられている。固定具46aを面ファスナ部材62によりシート状部材54aに取り付けることができるように、固定具46aに取り付ける面ファスナ部材62として、シート状部材54aに対して着脱可能な面ファスナ部材62が用いられている。即ち、シート状部材54aとしてメスの面ファスナ部材が用いられる場合には、オスの面ファスナ部材62が固定部46aに取り付けられる。一方、シート状部材54aとしてオスの面ファスナ部材を用いられる場合には、メスの面ファスナ部材62を固定部46aに取り付けられる。面ファスナ部材62は、例えば接着剤等により基材48aに固定されている。
【0073】
こうして、各々の光ファイバ支持具36に固定具46aが嵌合される。
【0074】
次に、図23に示すように、固定具46aが嵌合された光ファイバ支持具36及び光ファイバ36を覆うように、ラックの扉24の内側の面に、シート状部材54aを対向させる。かかるシート状部材54aとしては、面ファスナ部材が用いられる。シート状部材54aとして用いる面ファスナ部材としては、固定具46aに取り付けられた面ファスナ部材62に対して着脱可能な面ファスナ部材を用いる。シート状部材54aとして用いられる面ファスナ部材は、比較的柔らかい材料であることが好ましい。シート状部材54aとして比較的硬い面ファスナ部材を用いた場合には、光ファイバ支持具36の着脱作業等に支障が生じるためである。このため、シート状部材54aには、メスの面ファスナ部材を用いることが好ましい。
【0075】
次に、固定具46aに取り付けられた面ファスナ部材62にシート状部材54aを押し付ける。これにより、固定具46aに取り付けられた面ファスナ部材62が、シート状部材54aに係着される。
【0076】
こうして、光ファイバ支持具36間の相対的な位置関係が維持された状態で、光ファイバ30を支持する光ファイバ支持具36が、シート状部材54aに固定されることとなる。
【0077】
次に、第1実施形態による光ファイバの収納方法と同様にして、光ファイバ支持具36をラックの扉24の内側の面から順次取り外しながら、ファイバ支持具36が固定されたシート状部材54aを巻き付け部材58に巻き付けていく(図24参照)。図25は、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30がラックの扉24の内側の面から取り外された状態を示している。図25に示すように、ラックの扉24の内側の面のうちの光ファイバ支持具36が取り付けられていた箇所に、マーキング部材44が残存している。
【0078】
このようにして、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が固定されたシート状部材54aが巻き付け部材58に巻き付けられていき、光ファイバ30が収納された収納体60aが得られる(図26参照)。
【0079】
こうして得られた収納体60aは、第1実施形態による光ファイバの収納方法と同様にして、例えばラック本体22の下部に存在する空きスペース等に収容される。
【0080】
本実施形態では、光ファイバの再敷設は、以下のようにして行われる。図27乃至図29は、本実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図である。
【0081】
まず、第1実施形態において上述した再敷設と同様にして、収納体が収容されているスペースから、収納体を取り出す。
【0082】
次に、第1実施形態において上述した再敷設と同様にして、巻き付け部材に巻き付けられたシート状部材54aを巻き付け部材58から徐々に外しながら、マーキング部材44が取り付けられている箇所に光ファイバ支持具36を取り付けていく(図27参照)。
【0083】
次に、光ファイバ支持具36に嵌合している固定具46aを、光ファイバ支持具36から順次取り外す。これにより、シート状部材54aも、ラックの扉24の内側の面から取り外される(図28参照)。
【0084】
次に、ラックの扉24の内側の面に取り付けられていたマーキング部材44を、ラックの扉24の内側の面から取り外す(図29参照)。
【0085】
この後、図3のように、ラックの扉24の内側の面に、クランプ33を用いて、光ファイバ30を固定する。
【0086】
こうして、光ファイバが元通りの位置に再敷設される。
【0087】
この後、固定具46a側の面ファスナ部材62を、シート状部材54aから取り外す。
【0088】
このように、シート状部材54aとして面ファスナ部材を用いてもよい。本実施形態によっても、容易且つ迅速に光ファイバ30を元通りの箇所に再敷設することが可能である。
【0089】
[第3実施形態]
第3実施形態による光ファイバの収納方法を図30乃至図40を用いて説明する。図30乃至図36は、本実施形態による光ファイバの収納方法を示す工程図である。図1乃至図29に示す第1又は第2実施形態による光ファイバの収納方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0090】
本実施形態による光ファイバの収納方法は、シート状部材の位置についてのマーキングを行うものである。
【0091】
まず、光ファイバ支持具36をシート状部材54に固定するための固定具46を、光ファイバ支持具36に嵌合させる(図30参照)。
【0092】
なお、本実施形態では、光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所についてのマーキングは行わなくてよい。
【0093】
次に、固定具46が嵌合された光ファイバ支持具36及び光ファイバ30を覆うように、ラックの扉24の内側の面にシート状部材54bを対向させる(図31及び図32参照)。
【0094】
図32は、本実施形態において用いられるシート状部材を示す平面図及び断面図である。図32(a)は、平面図であり、図32(b)は、図32(a)のB−B′線断面図である。シート状部材54bの材料としては、例えば気泡緩衝シート等が用いられている。シート状部材54bの四隅には、対になっている面ファスナ64がそれぞれ配されている。対になっている面ファスナ64の一方の面ファスナ部材64aと他方の面ファスナ部材64bとは、互いに係着されている。対になっている面ファスナ64のうちの一方の面ファスナ部材64aは、例えば接着等によりシート状部材54bに固定されている。対になっている面ファスナ64のうちの他方の面ファスナ部材64bには、マグネット66が接着されている。かかるマグネット66としては、例えばマグネットシート等を用いることができる。面ファスナ64は、対になっているものであるため、着脱可能である。
【0095】
次に、マグネット66をラックの扉24の内側の面に貼り付けることにより、シート状部材64bがラックの扉24の内側の面に固定される。
【0096】
次に、固定具46の孔52が位置している箇所において、シート状部材54bをピン56により貫通させ、ピン56の先端部57を固定具46の孔52に嵌合される。これにより、光ファイバ支持具36に嵌合された固定具46がシート状部材54bに固定される(図33参照)。
【0097】
次に、光ファイバ支持具36をラックの扉34の内側の面から順次取り外しながら、ファイバ支持具36が固定されたシート状部材54bを巻き付け部材58に巻き付けていく(図34参照)。ラックの扉24の内側の面からシート状部材54bを取り外す際には、対になっている面ファスナ64を剥離していく。対になっている面ファスナ64のうちの一方の面ファスナ部材64bは、マグネット66によりラックの扉24の内側の面に取り付けられた状態で、ラックの扉24の内側の面に残存する(図35参照)。このように、本実施形態では、ラックの扉24の内側の面に面ファスナ部材64bを残存させることにより、シート状部材54bの位置についてのマーキングが行われる。ラックの扉24の内側の面に残存した面ファスナ部材64bは、光ファイバ30の再敷設を行う際に目印として機能する。
【0098】
こうして、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30がラックの扉24の内側の面から外されていき、光ファイバ支持具36及び光ファイバ30がシート状部材54bに移設される。
【0099】
このようにして、光ファイバ30を支持する光ファイバ支持具36が固定されたシート状部材54bが巻き付け部材58に巻き付けられていき、光ファイバ30が収納された収納体60bが得られる(図36参照)。
【0100】
こうして得られた収納体60bは、例えばラック本体22の下部に存在する空きスペース等に収容される。光ファイバ支持具36及び光ファイバ30が取り外されたラックの扉24は、ラック本体22から取り外され、所定の箇所に一時的に保管される。
【0101】
本実施形態では、光ファイバの再敷設は、以下のようにして行われる。図37乃至図40は、本実施形態による光ファイバの収納方法により収納された光ファイバの再敷設方法を示す工程図である。
【0102】
まず、収納体60bが収容されているスペースから、収納体60bを取り出す。
【0103】
次に、シート状部材54bに取り付けられている面ファスナ部材64aとラックの扉24の内側の面に残存している面ファスナ部材64bとを位置合わせし、これらの面ファスナ部材64a、64bを互いに貼り合わせる。これにより、ラックの扉24の内側の面に対してシート状部材54bが位置合わせされることとなる。この後、巻き付け部材58に巻き付けられたシート状部材54bを巻き付け部材58から徐々に外しながら、光ファイバ支持具36をラックの扉24の内側の面に順次取り付けていく(図37参照)。
【0104】
次に、固定具46の孔52に嵌合されているピン56を取り外す(図38参照)。
【0105】
次に、マグネット66をラックの扉24の内側の面から取り外す。これにより、ラックの扉24の内側の面からシート状部材54bが取り外される(図39参照)。
【0106】
次に、光ファイバ支持具36に嵌合している固定具46を、光ファイバ支持具36から外す(図40参照)。
【0107】
この後、図3のように、ラックの扉24の内側の面に、クランプ33を用いて、光ファイバ30を固定する。
【0108】
こうして、光ファイバが元通りの箇所に再敷設される。
【0109】
このように、シート状部材54bの位置についてのマーキングを行ってもよい。本実施形態においても、容易且つ迅速に光ファイバ30を元通りの箇所に再敷設することが可能である。
【0110】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0111】
例えば、第1及び第2実施形態では、マーキング部材44として、長手方向に沿って径が徐々に大きくなるような部材を用いる場合を例に説明したが、マーキング部材44は、このような部材に限定されるものではない。例えば、マーキング部材44として、粘着テープやマグネット等を用いてもよい。
【0112】
また、第3実施形態では、光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所についてのマーキングを行わない場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。念のため、光ファイバ支持具36が取り付けられている箇所についてのマーキングを行うようにしてもよい。
【0113】
また、第3実施形態では、面ファスナ64を用いてマーキングを行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、目印となる部材をラックの扉24の内側の面に貼り付けることによりマーキングを行ってもよい。かかる部材としては、例えば粘着テープやマグネット等を用いることができる。例えば、ラックの扉24の内側の面にシート状部材54bを対向させた際に、シート状部材54bのうちの所定の部位が位置する箇所を示すように、粘着テープやマグネット等をラックの扉24の内側の面に貼り付けてもよい。
【0114】
なお、第1及び第3実施形態では、シート状部材54、54bとして、気泡緩衝シートを用いる場合を例に説明したが、シート状部材54、54bは、気泡緩衝シートに限定されるものではない。例えば、シート状部材54、54bとして、難燃性のシリコーンスポンジシート等を用いることも可能である。
【0115】
また、上記実施形態では、ラックの扉24の内側の面に配された光ファイバを収納する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。あらゆる面に配された光ファイバを収納する際に適用することが可能である。
【0116】
また、上記実施形態では、ピン56や面ファスナ62を用いて光ファイバ支持具36をシート状部材54に固定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、両面粘着テープ等を用いて、光ファイバ支持具36をシート状部材54に固定するようにしてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、巻き付け部材58にシート状部材54を巻き付ける場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、長めのシート状部材54を用意し、シート状部材54の一部を巻き付け部材として用いてもよい。図41は、変形実施形態による光ファイバの収納方法を示す断面図である。図41に示すように、長めのシート状部材54のうちの固定具46及び光ファイバ30が固定されていない部分が中心となるように、シート状部材54が巻かれている。長めのシート状部材54のうちの固定具46及び光ファイバ30が固定されていない部分は、巻き付け部材として機能する。そして、シート状部材54のうちの巻き付け部材として機能する当該部分まわりに、シート状部材54のうちの固定具46及び光ファイバ30が固定された部分が巻き付けられている。このように、長めのシート状部材54を用意し、シート状部材54の一部を巻き付け部材として用いてもよい。換言すれば、シート状部材54の先端部を含む部分を巻き、当該部分を中心として、シート状部材54のうちの固定具46及び光ファイバ30が固定された部分を巻き付けるようにしてもよい。
【0118】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0119】
(付記1)
光ファイバを支持している光ファイバ支持具に固定具を嵌合させるステップと、
前記光ファイバ支持具が取り付けられている面にシート状部材を対向させ、前記固定具を前記シート状部材に固定するステップと、
前記光ファイバ支持具が取り付けられている面から前記光ファイバ支持具を取り外すステップと、
前記シート状部材を巻き付け部材に巻き付けるステップと
を有することを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0120】
(付記2)
付記1記載の光ファイバの収納方法において、
前記巻き付け部材は、前記シート状部材の一部である
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0121】
(付記3)
付記1又は2記載の光ファイバの収納方法において、
前記固定具を前記シート状部材に固定するステップでは、前記シート状部材を貫通させたピンを前記固定具に形成された孔に嵌合させることにより、前記固定具を前記シート状部材に固定する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0122】
(付記4)
付記3記載の光ファイバの収納方法において、
前記シート状部材は、気泡緩衝シートである
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0123】
(付記5)
付記1又は2記載の光ファイバの収納方法において、
前記シート状部材は、面ファスナ部材により形成されており、
前記固定具の前記シート状部材に対向する側の面には、前記シート状部材に着脱可能な他の面ファスナ部材が配されており、
前記固定具を前記シート状部材に固定するステップでは、前記固定具に配された前記他の面ファスナ部材を前記シート状部材に係着させることにより、前記固定具を前記シート状部材に固定する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0124】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の光ファイバの収納方法において、
前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記シート状部材を対向させるステップの前に、前記光ファイバ支持具が取り付けられている箇所をマーキングするステップを更に有する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【0125】
(付記7)
付記1乃至4のいずれかに記載の光ファイバの収納方法において、
前記シート状部材には、対になっている面ファスナが配されており、
前記対になっている面ファスナのうちの一方の面ファスナ部材は、前記シート状部材に固定されており、
前記対になっている面ファスナのうちの他方の面ファスナ部材には、マグネットが取り付けられており、
前記シート状部材を巻き付け部材に巻き付けるステップでは、前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記マグネットを取り付け、前記対になっている面ファスナの前記一方の面ファスナ部材と前記他方の面ファスナ部材とを剥離し、前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記他方の面ファスナ部材を残存させることにより、マーキングを行う
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【符号の説明】
【0126】
10…床
12…ケーブル
14…支柱
16…パネル
18…開口部
20…ラック
22…ラック本体
24…扉
26…枠体
28…板状体、パンチングメタル
29…孔
30…光ファイバ
32…蛇腹管
33…クランプ
34…巻き取り部
36…光ファイバ支持具
38…光ファイバガイド
40…フック
42…ガイド部材
44…マーキング部材
46、46a…固定具
48、48a…基体
50…嵌合部
52…孔
54、54a、54b…シート状部材
56…ピン
57…先端部
58…巻き付け部材
60、60a、60b…収納体
62…面ファスナ部材
64…面ファスナ
64a、64b…面ファスナ部材
66…マグネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを支持している光ファイバ支持具に固定具を嵌合させるステップと、
前記光ファイバ支持具が取り付けられている面にシート状部材を対向させ、前記固定具を前記シート状部材に固定するステップと、
前記光ファイバ支持具が取り付けられている面から前記光ファイバ支持具を取り外すステップと、
前記シート状部材を巻き付け部材に巻き付けるステップと
を有することを特徴とする光ファイバの収納方法。
【請求項2】
請求項1記載の光ファイバの収納方法において、
前記巻き付け部材は、前記シート状部材の一部である
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光ファイバの収納方法において、
前記固定具を前記シート状部材に固定するステップでは、前記シート状部材を貫通させたピンを前記固定具に形成された孔に嵌合させることにより、前記固定具を前記シート状部材に固定する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の光ファイバの収納方法において、
前記シート状部材は、面ファスナ部材により形成されており、
前記固定具の前記シート状部材に対向する側の面には、前記シート状部材に着脱可能な他の面ファスナ部材が配されており、
前記固定具を前記シート状部材に固定するステップでは、前記固定具に配された前記他の面ファスナ部材を前記シート状部材に係着させることにより、前記固定具を前記シート状部材に固定する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ファイバの収納方法において、
前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記シート状部材を対向させるステップの前に、前記光ファイバ支持具が取り付けられている箇所をマーキングするステップを更に有する
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光ファイバの収納方法において、
前記シート状部材には、対になっている面ファスナが配されており、
前記対になっている面ファスナのうちの一方の面ファスナ部材は、前記シート状部材に固定されており、
前記対になっている面ファスナのうちの他方の面ファスナ部材には、マグネットが取り付けられており、
前記シート状部材を巻き付け部材に巻き付けるステップでは、前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記マグネットを取り付け、前記対になっている面ファスナの前記一方の面ファスナ部材と前記他方の面ファスナ部材とを剥離し、前記複数の光ファイバ支持具が取り付けられている前記面に前記他方の面ファスナ部材を残存させることにより、マーキングを行う
ことを特徴とする光ファイバの収納方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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