説明

光ファイバを通じた精密なクロック同期

【課題】光ファイバを通じた精密なクロック同期を実現する。
【解決手段】物理的に互いに別個の第1の光リンク及び第2の光リンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素にあるクロックを、互いに異なる波長の光タイミング信号を使用して合わせる。同じ光タイミング信号を使用して、第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の伝送遅延を判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、一般には、通信ネットワーク上で動作する時間及び周波数の整合システムに関し、より具体的には、光ファイバを通じた精密な時間転送のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]光通信ネットワークのネットワーク要素を高精度に同期すると高度なサービスの提供が可能になることが認識されている。そのため、従来の光ネットワークで動作する特定種のシステムには時間及び周波数の整合が必須となる。例えば、正確な時間の整合は、セルラーネットワーク、ネットワークを介して実時間で実施されるサービス、並びに多重化、伝送、及び交換にパケット信号形式を使用するネットワーク要素に必要とされる。同様に、周波数整合は、時分割多重化(TDM)や、複数のクライアント間で固定の映像及び音声のサンプルレートを必要とする媒体ストリーミングシステムで必要とされる。
【0003】
[0003]時間と周波数両方の整合を提供する当技術分野で知られる1つの手法は、世界規模のクロック参照と精密に合わせられた、全地球測位システム(GPS)衛星のタイミング信号等の主要な参照クロックから得られるマスタタイミング信号に基づいて、整合された時間信号を計算するものである。各ネットワーク要素でGPS信号又は他のマスタタイミング信号を使用して時間又は周波数の整合を達成することは、一般には非常に高費用であり、各ネットワーク要素がGPS衛星から衛星時間信号を受信できることが必要となる。GPS衛星の可視性が低下、妨害、又は中断される可能性のある状況は多く存在する。GPSはまた、商業的なGPSタイミング受信機で最も一般的なL1専用モード等、様々な動作モードでタイミング精度に制限があることが知られている。したがって、代替の時間整合手法は、所与の通信ネットワーク内で動作可能なプロトコルを介してタイミング整合情報を伝送するものとなる。
【0004】
[0004]従来のTDMネットワークでは、物理層の方法で、指定されたマスタクロックシステムから開始してネットワーク全体の周波数整合を実施する。指定されたマスタクロックシステムは、下流の物理通信リンクに関連するビット単位のタイミング及び/又はシンボル単位のタイミングの情報を介して、周波数及び/又はタイミング情報を配信する。通常の動作時は、マスタクロックシステムに結合された各ネットワーク要素は、隣接するネットワーク要素同士を接続する物理媒体を通じて、隣接する下流のネットワーク要素に2地点間方式でマスタクロックタイミング情報を再生及び配布する。そのようにして、TDMネットワーク内の各ネットワーク要素が周波数及び/又はタイミング情報を受信し、ローカルの周波数及び/又はタイミングを上流のクロック参照と合わせ、それによりTDMネットワーク内のすべてのネットワーク要素が周波数整合を達成することができる。タイミングループを回避するための適切な配慮がなされればそのような構成は確実であることが証明されている。しかし、TDM環境の要素間で転送されるタイミング参照は、時間参照ではなく主として周波数参照である。
【0005】
[0005]高精度時間プロトコル(PTP)やネットワーク時間プロトコル(NTP)等のパケット方式のネットワーク同期方法は、パケットの送出/到着の時間を特定するタイムスタンプを含むパケットを使用して時間及び周波数の参照を転送する。これらのプロトコルを使用して、TDMネットワークが上記のように周波数整合を配布するのと同様の2地点間方式で、ネットワーク全体にタイミング及び周波数整合を配布することができる。便宜上、本明細書の説明ではPTPを検討するが、基本的に同じ内容がNTPの場合及び他のすべてのパケット方式の時間転送方法に当てはまる。
【0006】
[0006]PTPの「グランドマスタ」は自身に結合されたネットワーク要素に時間を転送することができ、そのネットワーク要素で実施された「スレーブ」がその時間を再構築し、次いで同じネットワーク要素内でそのスレーブに接続された「マスタ」が上記の2地点間方式で次のネットワーク要素に時間を転送することができる。PTP及びNTPは、ネットワーク要素内の「スレーブ」クロックがタイミングのために直接「マスタ」クロックシステムと通信することができる方式でも動作することができる。すべての場合で、双方向の時間転送プロトコルの精度は、2つのネットワーク要素を接続する通信ネットワークが生じる非対象性から悪影響を受ける。そのような非対称性には、物理媒体の非対称性、ネットワーク要素内の順方向及び逆方向経路の構築の非対称性、及び他の原因が含まれる。PTP及びNTPでは、マスタクロックとスレーブクロック間の伝送遅延が対称、すなわちマスタクロックからスレーブクロックへの転送パケットの遅延が、スレーブクロックからマスタクロックへの転送パケットの遅延と等しいことを前提としている。しかし、順方向の物理経路と逆方向の物理経路は、互いに結合されたネットワーク要素内でしばしば異なるため、一般には対称でない。
【0007】
[0007]PTPやNTP等の双方向の時間転送レンジング(ranging)プロトコルが用いられるネットワークはしばしば、各方向、すなわちスレーブからマスタ及びマスタからスレーブに信号を搬送するために別個のファイバ線を使用し、通信ネットワークの構築及び配備の方法はしばしば、設置の都合上、ネットワーク要素間の順方向及び逆方向の経路長を未知の量だけ変えるための短い長さのケーブルを含む。そのような経路長の違いから生じる伝送遅延の非対称性は数十ナノ秒以上になる場合があり、一方、光ファイバ通信ネットワークで望ましい時間精度及び時間安定性のレベルは数ナノ秒の桁である場合がある。ばらつき補償要素を導入すると、この誤差が増大し、数十ナノ秒を超える可能性がある。そのため、光ファイバネットワーク内のネットワーク要素間で正確に時間を転送するPTP及びNTPの能力が制限される。非対称性の原因には、これらに限定されないが、光ファイバ内の異なる波長の伝搬速度の違い、順方向及び逆方向の通信に使用される異なる光ファイバ線のファイバ線長の違い、パケットタイムスタンプ点より前のネットワーク要素における物理的な順方向と逆方向の遅延の差が含まれる。具体的には、スレーブクロックとマスタクロック間のタイミングパケットの伝送遅延の非対称性が、時間転送の精度に制限をもたらす。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、光ファイバリンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素にあるクロックを同期する方法を提供し、第1のネットワーク要素から第2のネットワーク要素への信号伝送は、第2のネットワーク要素から第1のネットワーク要素への信号伝送とは異なる光ファイバ線で搬送される。タイムスタンプが付されたパケットフロー(バーストとも呼ばれる)を含むタイミング信号が、PTP等のパケット方式の方法プロトコルに従って2つのネットワーク要素間で交換され、パケットストリームに含まれるタイミング情報を使用して、マスタと見なされる第1のネットワーク要素中のクロックに合わせて、スレーブに指定された第2のネットワーク要素にあるクロックが合わせられる。2つのPTPフローは同時に発生し、第1のフローの光波長は、第2のフローの光波長と異なる。この実施形態では、各タイミング信号(パケットフロー)に、光ファイバリンクの2つの異なる波長チャネル、すなわち、順方向の2つの波長チャネルと逆方向の2つの波長チャネルを用いる。
【0009】
[0009]別の実施形態では、第1のネットワーク要素が光ファイバリンクを通じて第2のネットワーク要素に結合され、第1のネットワーク要素から第2のネットワーク要素への2つの順方向タイミング信号、及び第2のネットワーク要素から第1のネットワーク要素への2つの逆方向タイミング信号が、異なる光ファイバ線で送信される。
【0010】
[0010]本発明の別の実施形態によると、スレーブとマスタ間で送信されるタイミング情報、及び光ファイバリンクの伝送速度の非対称性に基づいて、スレーブとマスタを接続する光ファイバリンクの伝送遅延が判定され、タイミング情報は、マスタ/サーバからスレーブ/クライアントには第1の波長チャネルで送信され、クライアント/スレーブからサーバ/マスタには第2の波長チャネルで送信され、非対称性は、第1の波長チャネルと第2の波長チャネルの光の伝送速度の差に基づいて判定される。
【0011】
[0011]本発明のさらに他の実施形態によると、スレーブとマスタ間を接続する光ファイバリンクの伝送遅延が、スレーブとマスタ間で送信されるタイミング情報、及び光ファイバリンクの伝送速度の非対称性に基づいて判定され、タイミング情報は、マスタ/サーバからスレーブ/クライアントには第1の波長チャネルで送信され、同じ波長チャネルでクライアント/スレーブからサーバ/マスタに送信される。この伝送遅延の推定は異なる複数の時に行われ、それら異なる測定時間における環境要因の差を原因とする媒体中の光の伝送速度の差に基づく非対称性の変動を使用して、環境条件の変化を判定する。この実施形態は、正確な発振器、又は同期イーサネット(登録商標)等、マスタクロックとスレーブクロックを同期するための他の知られる好適な手段を必要とする。
【0012】
[0012]上記の本発明の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本発明のより詳細な説明を実施形態の参照により得ることができ、実施形態の一部は添付図面に図示する。ただし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを図示するものであり、したがって本発明の範囲を制限すると見なすべきでないことに留意されたい。本発明には、等しく有効な他の実施形態が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】各方向に1つの線を使用した光リンクを通じたマスタとスレーブの従来の接続を示す図である。
【図2】パケットがマスタとスレーブ間を転送される際の双方向タイミング信号を構成するパケットの送出時間及び到着時間に関連するタイムスタンプを説明するイベント図である。
【図3】2つの異なる光波長チャネルを使用してマスタとスレーブ間で2つのPTPフローが同時に実行される本発明の一実施形態の特徴を示す図である。
【図4】本発明の各種実施形態におけるマスタ又はスレーブの主要構成要素及び電気構成要素の機能を概略的に示す図である。
【図5】2つの異なる光ファイバを使用してマスタとスレーブ間で2つのPTPフローが同時に実行される本発明の一実施形態の特徴を示す図である。
【図6】2つの異なる波長チャネルを使用してマスタとスレーブ間で2つのPTPフローが同時に実行され、PTPフローの上流方向の波長が下流方向の波長と異なる本発明の一実施形態の特徴を示す図である。
【図7】同期イーサネット(登録商標)を使用して位相転送が実現される場合に、2つのセッション間の回復されたクロックの位相を比較する本発明の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0020]分かりやすいように、該当する箇所では、複数の図で共通の同一の要素を示すために同一の参照符号を使用している。1つの実施形態の特徴は、さらなる説明がなくとも他の実施形態にも採り入れられることが企図される。
【0015】
[0021]図1に、光ファイバチャネルを通じたマスタクロックとスレーブクロック間の従来の接続を示す。図1に明示的に示さないのは、マスタ装置及びスレーブクロック装置自体である。下流方向(マスタからスレーブ方向)では、TXM−A 110として示すマスタ装置からの送信信号は本質的に電気信号である。この信号が電気−光(E−O)変換器116で波長λの光信号122に変換される。大半の現在の光ファイバ伝送機構では、波長分割多重化WDM機能120を適用して複数個の光波長チャネルが同じ光ファイバ線130を共有できるようにする。スレーブ側のWDM機能121は、波長λの信号126を抽出し、その信号が光−電気(O−E)変換器117で電気信号に変換され、受信信号RXS−A 150としてスレーブクロックに伝達される。
【0016】
[0022]上流方向(スレーブからマスタ方向)では、TXS−A 154として示すスレーブ装置からの送信信号は本質的に電気信号である。この信号が波長λの光信号128に変換される。波長分割多重化WDM機能121を適用して複数個の光波長チャネルが同じ光ファイバ線140を共有できるようにする。マスタ側のWDM機能120は、波長λの信号124を抽出し、その信号が電気信号に変換され、受信信号RXM−A 114としてマスタクロックに伝達される。
【0017】
[0023]図を簡潔にするために、図1には他の波長の光信号は示さない。
【0018】
[0024]従来のパケット方式の双方向の時間転送方法は、図2に示すイベント図に従う。ここで使用する用語はPTPの用語であるが、同じ原理がすべての方法及びプロトコルに当てはまる。図2を参照すると、マスタ210とスレーブ220間のイベントの順序とパケット交換に関連する重要な情報項目は以下である。
・イベントA230:パケットがマスタから送信される。送出時間はt
・イベントB232:パケットがスレーブに到着する。スレーブは到着時間をτと測定する。マスタからのスレーブの時間オフセットをεとすると、マスタの時間尺度を基準とした実際の到着時間はt=τ+εになる。
・イベントC234:パケットがスレーブから送信される。送出時間をτと記録する。マスタからのスレーブの時間オフセットをεとすると、マスタの時間尺度を基準とした実際の送出時間はt=τ+εになる。
・イベントD236:パケットがマスタに到着する。到着時間をtと測定する。
【0019】
[0025]このような双方向のパケット交換では、スレーブがマスタと時間を合わせるのに適した情報を提供することができる(両者がタイムスタンプの知識を有することを前提とする)。マスタとスレーブ間で通信することができる4つの測定値、すなわち(t、τ、τ、t)がある。マスタからスレーブ及びその逆の伝送遅延をΔMS及びΔSMとすると、以下の式を立てることができる。
=τ+ε+ΔSM(SからMへのパケット)
=τ+ε+ΔMS(MからSへのパケット) 式(1)
【0020】
[0026]3つの未知数(ε、ΔMS、ΔSM)を含む式が2つあり、よって、2つの装置間の伝送遅延の相互依存性を前提とすることにより未知数の数を2つに減らし、したがってマスタからのスレーブの時間オフセットεを計算するのが一般的であることに留意されたい。この前提は、2方向における伝送遅延の非対称性に関係する本質的な誤差が時間転送にあることを意味する。具体的には、時間転送の誤差は、名目上は、
ε=(ΔMS−ΔSM)/2 式(2)
である誤差を有する。
【0021】
[0027]スレーブとマスタ間のタイミングパケットの伝送遅延の非対称性は、保証できる時間転送の精度に統計的な制限をもたらす。PTPやNTPのようなパケット方式の方法は、2つの方向(SからM及びMからS)に信号を搬送するために別個のファイバ線又はファイバ波長を使用する。構築及び配備方法はしばしば、設置の都合上ピッグテールや短い長さのケーブルを含む。異なる経路の結果生じる非対称性は、数十ナノ秒以上になる可能性がある。そのため、光ファイバネットワーク内で正確に時間を転送するPTP及びNTPに基づく従来の時間転送法の能力が制限される。
【0022】
[0028]この問題に対処するために想定することができる方法がいくつかある。2010年7月13日に出願された米国特許出願第12/835,586号、名称「Precision Time Transfer over Optical Fiber」に記載される発明(同文献の内容は全体を参照により本明細書に組み込まれる)は、意図的且つ特別に同じケーブル線を使用して両方向に信号を搬送する。その結果、ケーブル伝送に関連する非対称性は無視できるほど小さくなる(ピコ秒以下)。米国特許出願第12/835,586号の発明の適用例の1つは、PTP若しくはNTP、又は非対称性を考慮するのに適していない他の方法が使用される場合に、配備前の段階にファイバの伝送遅延を較正し、そしてその較正データを使用して必要な補正を提供するものである。
【0023】
[0029]非対称性の影響を低減する別の手法は、2方向のケーブル長が正確に同じであることを確実にするものである。これは実験所環境のような特殊な用途には許容される可能性があるが、通常の遠隔通信の配備で実施するのは現実的でない。
【0024】
[0030]本明細書に記載の本発明の実施形態は、2つの光ファイバケーブル間に非対称性がありうることを認識するが、それでもマスタからのスレーブの時間オフセットの正しい値を生成する。これは、マスタクロックとスレーブクロック間に2つ以上のPTPセッションを確立することによって実現される。本発明の実施形態によれば、2つのネットワーク要素間の光リンクの伝送遅延の非対称性を補償して、各ネットワーク要素に内蔵されたクロックを精密に同期させる。
【0025】
[0031]図3に、本発明の一実施形態における物理層の接続を模式的に示す。スレーブクロック/マスタクロックは、図4に示す回路構成に基づく。図4に示すように、マスタ(及びスレーブ)クロックは、具体性のために「A」及び「B」と示す2つのPTPフローをサポートすることができる2つの2つの電気ポート440及び441を備える。図4に示す構成は、3つ以上のPTPフローをサポートするように再構成できることを理解されたい。また、PTPマスタクロック装置及びスレーブクロック装置はほぼ同じハードウェアに基づくことができ、時間転送を確実に行う方法を含むPTP動作についての説明は、2011年4月20日に出願された米国特許出願第13/091,097号、名称「Method for Generating a Robust Timing Correction in Timing Transfer Systems」に提供されることも認識されたい。同出願の内容は全体を参照により含める。
【0026】
[0032]図3に示すように、波長λで識別される波長チャネルを使用して、「A」と示す1つのPTPセッションが光ファイバケーブル対上のマスタとスレーブ間に確立される。「B」と示す第2のPTPセッションが波長λを使用して確立される。追加的な波長を使用して追加的なPTPセッションを確立することができるが、図を簡潔にするためにそれらは図3には明示的には示さない。マスタから送信される電気タイミング信号はTXM−A 110及びTXM−B 310であり、これらの信号はそれぞれ電気−光変換器116及び316で光波長λ(122)及びλ(322)に変換される。2つの波長は、システム中の他の波長と共にWDM120で波長分割多重化され、光ファイバ線130でスレーブ側に搬送され、WDM121が2つの波長チャネル126及び326を抽出する。光−電気変換器117及び317は、光波長λ(126)及びλ(326)を電気信号RXS−A 150及びRXS−B 350に変換し、その信号がスレーブでそれぞれPTPセッション「A」及び「B」の受信信号を構成する。スレーブから送信される電気タイミング信号はTXS−A 154及びTXS−B 354であり、それらの信号がそれぞれ電気−光変換器118及び318で光波長λ(128)及びλ(328)に変換される。2つの波長は、システム中の他の波長と共にWDM121で波長分割多重化され、光ファイバ線140でマスタ側に搬送され、WDM120が波長124及び324を抽出する。光−電気変換器119及び319は、光波長λ(124)及びλ(324)を電気信号RXM−A 114及びRXM−B 314に変換し、その信号がマスタでそれぞれPTPセッション「A」及び「B」の受信信号を構成する。
【0027】
[0033]マスタからスレーブ方向の光ファイバの長さをLMSとし、スレーブからマスタ方向のファイバの長さをLSMとする。所与のファイバ材料及び技術について、2つの波長におけるファイバ中の光速度の比は必ずしも1ではなく、必ずしも先験的に既知ではなく、この比をμと表す。2つの波長における速度が異なるため、下流方向又は上流方向におけるファイバ両端の伝送遅延は2つのPTPセッションで異なる。
【0028】
[0034]2つのセッション「A」及び「B」についてのタイムスタンプの2つの参照セットをそれぞれ{t1A,τ2A,τ3A,t4A}及び{t1B,τ2B,τ3B,t4B}とする。以下を示すことができる。
ε=(μ・(τ2A−t1A)−(τ2B−t1B))/(1−μ) 式(3)
ε=(μ・(t4A−τ3A)−(t4B−τ3B))/(μ−1) 式(4)
【0029】
[0035]μが分かれば、式(1)又は式(2)を使用してマスタからのスレーブクロックの時間オフセットεを求めることができる。しかし、一般にはμは既知でないため、式(3)と式(4)の対からμについて次の式を得る。
μ=((t4B−τ3B)+(τ2B−t1B))/((τ2A−t1A)+(t4A−τ3A)) 式(5)
【0030】
[0036]式(5)は、2つのPTPセッション各々の4つのタイムスタンプの既知の値に基づき、するとマスタからのスレーブクロック時間オフセットは式(3)を使用して求められることに留意されたい。
【0031】
[0037]式(3)及び式(4)は、波長の比μのみに依存することに留意されたい。その結果、基礎となる光波長の速度がファイバ長を通じて変動するものの比が一定を保つ場合にも、この式は有効になる。
【0032】
[0038]一部の事例では、ファイバ特性が先験的に既知であり、したがって速度の比μが先験的に既知である。その場合は、光ファイバ長の比を求めることが可能である。具体的には、
(LMS/LSM)=(μ・((τ2A+ε)−t1A))/(t4A−(τ3A+ε)) 式(6)
【0033】
[0039]表記を簡潔にするために、項ε及びμには添え字を付さない。関与するPTPセッションが「A」及び「B」であることを考えると、これらの項は「εAB」「μAB」と表すことができる。波長チャネルλを使用する第3のPTPセッション「C」を考えると、マスタからのスレーブクロックの時間オフセットは、PTPセッション「A」及び「C」を検討することによってεACとして推定することができる。2011年4月20日に出願された米国特許出願第13/091,097号、名称「Method for Generating a Robust Timing Correction in Timing Transfer Systems」に教示されるように、各推定値に品質の尺度で重み付けすることにより、時間オフセットの2つの推定値を有利に組み合わせることができる。現在の状況では、すべての波長で伝送媒体が同じであるため、推定値を等しく重み付けするのが適当である。3つ以上の推定値を重み付けして組み合わせることへの拡張は、米国特許出願第13/091,097号に示される。この非対称性及び時間推定の問題に適用することが可能な、複数個の推定値を最適に組み合わせる他の方法が当技術分野で知られる。
【0034】
[0040]図5に示す別の実施形態では、2つの下流信号が別個のファイバ線130及び530で伝達され、2つの上流信号が別個のファイバ140及び540で伝達される。この場合、下流信号を搬送する2つの線が実質的に同じ長さ及び特性であり、同様に上流信号を搬送する2つの線が実質的に同じ長さ及び特性であることを前提とする。遅延の点では図5に示す構造と図3に示す構造は実質的に同じなので、上記の方法はこの場合に適用できる。
【0035】
[0041]図6に示す別の実施形態では、PTPセッションAの下流信号に使用される波長がλであり、PTPセッションBの下流信号に使用される波長がλである。上流信号については、PTPセッションAに割り当てられた波長がλであり、PTPセッションBの波長がλである。このように上流方向と下流方向で異なる波長の割り当ては、2つの波長のための電気−光変換器及び光−電気変換器における些少な差を補正する働きをする。
【0036】
[0042]非対称性の補正と、ファイバ長の比又は2つの波長における速度の比を推定するのに加えて、この方法には他の適用例がある。
【0037】
[0043]そのような適用例の1つでは、オフセットの非対称性、屈折率の比、及び経路長の比を上記のように推定することができる。このアルゴリズムはパケット交換のたびに実行することができ、また温度及び経路長の変化はパケット交換のレートと比べてはるかに遅い可能性が高いため、複数回の推定を組み合わせてオフセットの非対称性の最適な推定を生成することができる。オフセットの非対称性が得られると、PTP、NTP、又は他の双方向タイミングプロトコルを使用して、正しい時間をスレーブクロックで推定することができる。
【0038】
[0044]同様の別の適用例では、スレーブクロックに安定した周波数源を提供することにより、妥当な時間間隔、例えば24時間にわたり、マスタからのスレーブ時間オフセットεを一定にすることができる。安定した周波数源は、例えば正確な発振器である。
【0039】
[0045]マスタ/サーバとスレーブ/クライアントの間で同期を維持する別の実施形態は、別個の安定したソースに合わせて、2つの装置それぞれに同期イーサネット(登録商標)(Synchronous Ethernet(登録商標))を実施するものである。この理由は、2つの装置間の直接の同期イーサネット(登録商標)は、時間転送と同程度に温度及び環境要因の影響を受ける可能性が高いためである。マスタとスレーブを同期するということは、スレーブの時間オフセットεが基本的に一定であることを意味する。すると、例えば式5から、2つの波長における速度比の変動を追跡することができる。その場合、異なる時(例えば夜と昼)に2つのタイムスタンプセットが取得される。光ファイバ中の屈折率は温度に依存し、したがって速度比は温度に依存するため、本発明の実施形態は、光ファイバケーブルの環境の有効温度の監視に拡張することができることを理解されたい。
【0040】
[0046]別の実施形態では、1つの波長対で1つのみの時間転送「ループ」が実行されるが、一日のうち光ファイバの温度が異なる別の時に複数回の取得を行う。したがって、それら2つの異なる取得時点間で光信号の速度が異なり、よって速度比μは1ではない。この実施形態では、PTP、及び米国特許出願第13/091,097号に記載されるような方法を使用して、マスタとスレーブの間で同期が維持される。あるいは、両サイドで較正された安定した発振器を使用して、又は可能性としては別個の安定したソースからの同期イーサネット(登録商標)などの物理層のタイミング転送方法を使用して、同期を維持することもできる。同期により、マスタからのスレーブ時間オフセットμは一定、又は一定に近くなる。単一の波長を使用して、しかし異なる時に2つのセッション「A」及び「B」についてのタイムスタンプの2つの参照セットが得られると、同じ式3、4、5を使用して非対称性を推定することができる。この実施形態は図1のアーキテクチャで実現することができるが、1つのみの波長が使用されるため、実際には要素120のWDMは必要でないことに留意されたい。各ファイバ130、140に1つの波長があるため、この方法を使用してメトロイーサネット(登録商標)の屋外リンクにおける非対称性を推定することができる。
【0041】
[0047]温度の変動を使用して異なる速度時間ループを生成する単一波長法では、オフセットの非対称性、屈折率の比、及び経路長の比を推定することができる。このアルゴリズムはパケット交換のたびに実行することができ、また温度及び経路長の変化はパケット交換のレートと比べてはるかに遅い可能性が高いため、複数回の推定を組み合わせてオフセットの非対称性の最適な推定を生成することができる。オフセットの非対称性が得られると、PTP、NTP、又は他の双方向のタイミングプロトコルを使用して、正しい時間をスレーブクロックで推定することができる。
【0042】
[0048]同期イーサネット(登録商標)で位相オフセットの推定を強化すると有利である。図7に示すように、信号TXM−Aは、送信ドライバ710を使用して、同期イーサネット(登録商標)を用いるリンクを通じて伝送される。電気信号は変換器116で光信号に変換される。ユニット710とユニット116を統合して1つの装置にすることも可能である。光信号は、光チャネルA730を通じて受信側装置に接続される。受信機は、イーサネット(登録商標)キャリアから回復されたクロックA721を抽出する。同様に、信号TXM−Bは、送信ドライバ750を使用して、同期イーサネット(登録商標)を用いるリンクで伝送される。光信号は光チャネルB740で搬送される。光チャネル730及び740は、図3のように同じ光ファイバ中の2つの異なる波長としても、図5のように異なるファイバとしてもよい。同期イーサネット(登録商標)受信機は、回復されたクロック信号721及び761を供給し、それらの位相が比較される。位相差ΔΦは何らかの公称値を有する。環境の変化により、「A」及び「B」に使用される2つの波長における有効光速度がそれぞれ異なる量ずつ変化する。これはΔΦの変化として直接現れる。この位相を監視することにより、ファイバ伝送媒体の環境を監視する手段が得られ、それを上記の時間オフセットを監視する方法と併せて使用することができる。位相差を監視すると、2つの光キャリア間の位相差を高分解能に評価する機会も得られる。
【0043】
[0049]複数個の波長チャネルを利用すると、対で検討される光キャリア間の位相差(Δφ)を比較することが可能になる。位相差の複数回の観察から、周囲温度の複数の推定値が得られる。2011年4月20日に出願された米国特許出願第13/091,097号、名称「Method for Generating a Robust Timing Correction in Timing Transfer Systems」に教示されるように、各推定値に品質の尺度で重み付けすることにより、複数の推定値を有利に組み合わせることができる。現在の状況では、すべての波長で伝送媒体が同じであるため、推定値を等しく重み付けするのが適当である。米国特許出願第13/091,097号はタイミングの補正を扱うが、同じ原理は、温度や他の環境条件等の他のパラメータの推定にも適用できる。
【0044】
[0050]図7で、図示する伝送方式は同期イーサネット(登録商標)の方式である。同期イーサネット(登録商標)に代えて、同期したレイヤ1伝送を利用する他の方法を使用することができる。そのような同期したレイヤ1の方法には、SONET(同期光ネットワーク)又はSDH(同期デジタル階層)がある。それらの場合、情報は、パケットをSONET/SDHフレームにカプセル化するための標準化された手順を使用して、送信信号に挿入される。
【0045】
[0051]前述の内容は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができる。例えば、本発明の態様は、ハードウェア若しくはソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施することができる。本発明の一実施形態は、コンピュータシステムで使用するプログラム製品として実施することができる。プログラム製品の(1つ又は複数の)プログラムは、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義し、各種のコンピュータ可読記憶媒体に保持することができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、これらに限定されないが、(i)情報が恒久的に記憶される書き込み不可能記憶媒体(例えばCD−ROMドライブで読み取り可能なCD−ROM、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意種類の固体不揮発性半導体メモリ等のコンピュータ内部の読出し専用メモリ装置)、及び(ii)可変の情報が記憶される書き込み可能記憶媒体(例えばディスケットドライブ内のフレキシブルディスク、又はハードディスクドライブ、又は任意種類の固体ランダムアクセス半導体メモリ)、が含まれる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、本発明の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合、本発明の実施形態となる。
【符号の説明】
【0046】
116:電気−光変換器、117:光−電気変換器、120:WDM機能、121:WDM機能、130:光ファイバ線、140:光ファイバ線、210:マスタ、220:スレーブ、440、441:電気ポート、316:電気−光変換器、317:光−電気変換器、318:電気−光変換器、319:光−電気変換器、530:ファイバ線、540:ファイバ、710:送信ドライバ、730:光チャネル、740:光チャネル、750:送信ドライバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的に互いに別個の第1及び第2の光リンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素を含む光ネットワーク内でクロックを同期する方法であって、
前記第1の光リンクを通じて第1の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の光リンクを通じて、前記第1の波長と異なる第2の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記光タイミング信号に含まれるタイミング情報に基づいて前記クロックを合わせるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記光タイミング信号が、前記第1の波長で前記第1の光リンクを通じて前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に送信され、前記光タイミング信号が、前記第2の波長で前記第1の光リンクを通じて前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に送信される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の波長で前記第2の光リンクを通じて、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の波長で前記第2の光リンクを通じて、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に光タイミング信号を送信するステップと、
をさらに備え、
前記クロックが、前記第1及び第2の波長で前記第1の光リンクを通じて送信される前記光タイミング信号と、前記第1及び第2の波長で前記第2の光リンクを通じて送信される前記光タイミング信号と、に含まれるタイミング情報に基づいて合わせられる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光タイミング信号が、タイムスタンプが付されたパケットフローからなる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
物理的に互いに別個の第1及び第2の光リンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素を含む光ネットワーク内でクロックを同期する方法であって、
第1の時間に、前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に、前記第1の光リンクを通じて所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第1の時間に、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に、前記第2の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
第2の時間に、第1のネットワーク要素から第2のネットワーク要素に、前記第1の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の時間に、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に、前記第2の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記光タイミング信号に含まれるタイミング情報に基づいて前記クロックを合わせるステップと、
を備える方法。
【請求項6】
前記所与の波長における前記光タイミング信号の伝送速度は前記第1の時間と第2の時間とで異なるが、前記第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の位相オフセットは前記第1の時間と第2の時間とで実質的に同じである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
物理的に互いに別個の第1及び第2の光リンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素を含む光ネットワーク内で伝送遅延を判定する方法であって、
前記第1の光リンクを通じて第1の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の光リンクを通じて、前記第1の波長と異なる第2の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記光タイミング信号に含まれるタイミング情報に基づいて前記第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の伝送遅延を判定するステップと、
を備える方法。
【請求項8】
前記伝送遅延が、前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素への第1の伝送遅延と、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素への第2の伝送遅延とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記光タイミング信号が、前記第1の波長で前記第1の光リンクを通じて前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に送信され、前記光タイミング信号が、前記第2の波長で前記第1の光リンクを通じて前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に送信される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の波長で前記第2の光リンクを通じて、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の波長で前記第2の光リンクを通じて、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に光タイミング信号を送信するステップと、
をさらに備え、
前記伝送遅延が、前記第1及び第2の波長で前記第1の光リンクを通じて送信される前記光タイミング信号と、前記第1及び第2の波長で前記第2の光リンクを通じて送信される前記光タイミング信号とに含まれるタイミング情報に基づいて判定される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光タイミング信号は、タイムスタンプが付されたパケットフローからなる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光タイミング信号が同期信号からなり、
前記伝送遅延を判定するステップが、
前記第1の波長で光ファイバを通じて第1の同期信号を受信するサブステップと、
前記第1の同期信号に基づいて第1のキャリア信号を回復するサブステップと、
前記第2の波長で光ファイバを通じて第2の同期信号を受信するサブステップと、
前記第2の同期信号に基づいて第2のキャリア信号を回復するサブステップと、
を含み、
前記第1のキャリア信号と第2のキャリア信号との間の相対位相を使用して前記伝送遅延を判定する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
物理的に互いに別個の第1及び第2の光リンクを通じて第2のネットワーク要素に接続された第1のネットワーク要素を含む光ネットワーク内で伝送遅延を判定する方法であって、
第1の時間に、前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素に、前記第1の光リンクを通じて所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第1の時間に、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に、前記第2の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
第2の時間に、第1のネットワーク要素から第2のネットワーク要素に、前記第1の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記第2の時間に、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素に、前記第2の光リンクを通じて前記所与の波長で光タイミング信号を送信するステップと、
前記光タイミング信号に含まれるタイミング情報に基づいて、第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の伝送遅延を判定するステップと、
を備える方法。
【請求項14】
前記所与の波長における前記光タイミング信号の伝送速度は、前記第1の時間と第2の時間とで異なるが、前記第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間の位相オフセットは、前記第1の時間と第2の時間とで実質的に同じである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記伝送遅延が、前記第1のネットワーク要素から前記第2のネットワーク要素への第1の伝送遅延と、前記第2のネットワーク要素から前記第1のネットワーク要素への第2の伝送遅延と、を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
光ファイバが2つのネットワーク要素を接続する環境内の変化を監視する方法であって、
第1の波長で前記光ファイバを通じて第1の同期信号を受信するステップと、
前記第1の同期信号に基づいて第1のキャリア信号を回復するステップと、
前記第1の波長と異なる第2の波長で前記光ファイバを通じて第2の同期信号を受信するステップと、
前記第2の同期信号に基づいて第2のキャリア信号を回復するステップと、
前記第1のキャリア信号と前記第2のキャリア信号との間の相対位相を監視して前記環境内の変化を検出するステップと、
を備える方法。
【請求項17】
前記第1の同期信号及び第2の同期信号が各々同期イーサネット(登録商標)信号である請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−74628(P2013−74628A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−212784(P2012−212784)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(504215162)シンメトリコム・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】SYMMETRICOM, INC.
【Fターム(参考)】