説明

光ファイバアダプタ及びレーザ装置

【課題】プラグの着脱以外の状態も判別が可能で、より安全性を高めることができる光ファイバアダプタ及びレーザ装置を提供すること。
【解決手段】光ファイバアダプタ1は、光ファイバプラグ20のフェルール22が挿入される挿入孔4と、挿入孔4にフェルール22が挿入された光ファイバプラグ20のロックナット21が装着される装着部8とを有する光ファイバアダプタ本体2と、挿入孔4に設けられ、挿入孔4に挿入されたフェルール22を包囲する光透過性のスリーブ3と、挿入孔4にフェルール22が挿入されたか否かをスリーブの外周側より光学的に検出する第1の検出部5と、装着部8に装着されたロックナット21の位置を検出する第2の検出部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザ医療機器分野に用いられるレーザ装置及びそのレーザ装置に使われる光ファイバアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバの応用が、光出力の小さい通信や計測分野から、大光出力の産業用レーザ加工機やレーザ医療機器分野へと急速に広がっている。光出力が大きく、人体への暴露の可能性が高い後者の応用分野では、これまで以上に安全性が求められている。特に、光ファイバケーブルを接続するコネクタ部は、光ファイバプラグの挿入忘れや不完全な固定によるファイバ抜けを起こしやすく、人体への暴露の危険性が高い。その安全対策性要求の1つとして、光ファイバのコネクタ部における光ファイバプラグの着脱検知機能が求められている。
【0003】
特許文献1には、着脱検知機能としてアダプタ側にプラグの挿入を検出する一対の発光器と受光器とを設けた例が開示されている。特許文献2には、着脱検知機能として光アダプタと光コネクタとの挿入及び光アダプタと光コネクタとの結合完了を検出するスイッチを設けた例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−19351号公報(段落[0014]〜[0027]、図2及び図3参照)
【特許文献2】特許第4095715号公報(段落[0019]〜[0026]、図1〜図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らの知見によれば、例えばレーザ医療機器分野において、プラグの着脱が頻繁に行われるばかりでなく、他の状態例えばアダプタにダストカバーを装着した状態やアダプタの清掃中に作業者の誤操作によって不用意にレーザ放射がされ、カバーや清掃具の過熱による発火やアウトガスの発生が生じる、という新たな課題に直面した。
【0006】
本発明は、このような新規課題を解決するものであり、すなわち本発明の目的は、プラグの着脱以外の状態も判別が可能で、より安全性を高めることができる光ファイバアダプタ及びレーザ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る光ファイバアダプタは、光ファイバアダプタ本体と、光透過性のスリーブと、第1及び第2の検出部とを有する。
【0008】
光ファイバアダプタ本体は、光ファイバプラグのフェルールが挿入される挿入孔と、挿入孔にフェルールが挿入された光ファイバプラグのロックナットが装着される装着部とを有する。
光透過性のスリーブは、例えばジルコニア製であり、挿入孔に設けられ、挿入孔に挿入されたフェルールを包囲する。
第1の検出部は、挿入孔にフェルールが挿入されたか否かをスリーブの外周側より光学的に検出する。
第2の検出部は、装着部に装着されたロックナットの位置を検出する。
【0009】
本発明では、第1の検出部によりフェルールが挿入されていないと検出され、第2の検出部によりロックナットが締め込まれていないことが検出されたときには、プラグが未挿入でアダプタ露出と判別できる。第1の検出部によりフェルールが挿入されていると検出され、第2の検出部によりロックナットが締め込まれていないことが検出されたときには、フェルールの挿入中又はアダプタの清掃中と判別できる。第1の検出部によりフェルールが挿入されていないと検出され、第2の検出部によりロックナットが締め込まれていることが検出されたときには、ダストカバーを装着した状態と判別できる。第1の検出部によりフェルールが挿入されていると検出され、第2の検出部によりロックナットが締め込まれていることが検出されたときには、フェルールが正常に接続されたと判別できる。よって、本発明によれば、プラグの着脱以外の状態も判別が可能で、より安全性を高めることができる。
【0010】
本発明の一形態に係る光ファイバアダプタでは、前記スリーブは、軸方向に切り欠きを有し、前記第1の検出部は、光学的な検出のための光の強さが、前記光の光軸上に前記切り欠きが存在したときに前記挿入孔に前記フェルールが挿入されたことが検出可能で、かつ、前記光の光軸と直交する方向に前記切り欠きが存在したときに前記挿入孔に前記フェルールが挿入されていないことが検出可能な、範囲であってもよい。
【0011】
本発明では、スリーブの軸方向に切り欠きがある場合であっても、光学的な検出のための光の強さが上記範囲にあることで、第1の検出部による検出を確実に行うことができる。
【0012】
本発明の一形態に係る光ファイバアダプタでは、前記スリーブは、軸方向に切り欠きを有し、前記第1の検出部による光学的な検出のための光の光路上に設けられ、前記スリーブと同じ材料からなる部材をさらに有するものであってもよい。
【0013】
本発明では、スリーブの軸方向に切り欠きがある場合であっても、スリーブと同じ材料からなる部材を上記のように設けたことで、第1の検出部による光学的な検出のための透過光量の切り欠きに対する依存性を低減することができる。
【0014】
本発明の一形態に係る光ファイバアダプタでは、前記第2の検出部は、前記装着部に装着されるロックナットによって撓むカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み量を検出するセンサとを有するものであってもよい。
【0015】
本発明では、第2の検出部として、カンチレバーとカンチレバーの撓み量を検出するセンサとを用いることで、第2の検出部による検出感度を向上させることができる。
本発明の一形態に係るレーザ装置では、光ファイバアダプタ本体と、光透過性のスリーブと、出力部と、第1及び第2の検出部とを有する。
【0016】
光ファイバアダプタ本体は、光ファイバプラグのフェルールが挿入される挿入孔と、挿入孔にフェルールが挿入された光ファイバプラグのロックナットが装着される装着部とを有する。
光透過性のスリーブは、例えばジルコニア製であり、挿入孔に設けられ、挿入孔に挿入されたフェルールを包囲する。
出力部は、挿入孔を介して光ファイバプラグの光ファイバにレーザ光を出力する。
第1の検出部は、挿入孔にフェルールが挿入されたか否かをスリーブの外周側より光学的に検出する。
第2の検出部は、装着部に装着されたロックナットの位置を検出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラグの着脱以外の状態も判別が可能で、より安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ファイバアダプタの構成を示す断面図であり、光ファイバプラグが装着されていない状態を示している。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ファイバアダプタの構成を示す断面図であり、光ファイバプラグが装着されている状態を示している。
【図3】図1に示した光ファイバアダプタの正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図4の拡大断面図である。
【図6】スリーブの切り欠きの位置に対するファイバセンサの透過光量を説明するための図である。
【図7】フェルール挿入検知とロックナット締込み検知による状態判別を示す表である。
【図8】スリーブの切り欠きの位置に対するファイバセンサの表示値を示すグラフである。
【図9】4種のFC型光ファイバケーブルに対するロックナット締込み検知結果を示すグラフである。
【図10】本発明に係る変形例を示すである。
【図11】本発明の一実施形態に係る光ファイバアダプタを備えたレーザ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(光ファイバアダプタの構成)
図1〜図5は、本発明の一の実施形態に係るFC型光ファイバアダプタの構成を示している。
【0020】
これらの図に示すように、光ファイバアダプタ1は、コネクタプレート9と、光ファイバアダプタ本体2と、スリーブ3と、第1の検出部としての透過型ファイバセンサ5と、第2の検出部10とを有している。第2の検出部10は、カンチレバー6及びフォトマイクロセンサ7から構成されている。
【0021】
光ファイバアダプタ本体2は、コネクタプレート9上に配置される。光ファイバアダプタ本体2は、光ファイバプラグ20のフェルール22が挿入される挿入孔4と、挿入孔4にフェルール22が挿入されたときにロックナット21が装着される雄ネジ状の装着部8とを有する。
【0022】
スリーブ3は、挿入孔4内に、フェルール22が挿入された際にフェルール22を包囲するように設けられている。スリーブ3は、円筒状を有し、光透過性の部材で形成され、例えばジルコニアなどで形成されている。
【0023】
透過型ファイバセンサ5は、光学近接センサの一種であり、スリーブ3の外側に配置され、挿入孔4にフェルール22が挿入されたか否かをスリーブの外周側より光学的に検出する。透過型ファイバセンサ5は、出射部5aと検出部5bとからなり、出射部5aと検出部5bとは、スリーブ3を挟んで互いに対向するように配置される。本実施形態においては、透過型ファイバセンサ5として、(株)キーエンス製のFU−59(商品名)を使用した。
【0024】
カンチレバー6は、例えばステンレススチールからなり、矩形の本体62の一辺に突起部61が接続された平板形状を有している。本体62には、装着部8(雄ねじ)よりわずかに大きい径の孔63が形成されており、その孔63を貫通するように光ファイバアダプタ1のフェルール挿入部12が配置される。突起部61の先端は、フォトマイクロセンサ7側に曲がっている。カンチレバー6の本体62の突起部61が配置された辺と対向する辺側で、カンチレバー6の一端はコネクタプレート9に固定され、光ファイバプラグ20のロックナット21締付け時に、ロックナット21によってカンチレバー6が角度変位するようになる。また、カンチレバー6には、平板の板バネ11が取り付けられている。
【0025】
カンチレバー6は、光ファイバプラグ20が光ファイバアダプタ1に挿入され、装着部8に装着されるロックナット21によって、フェルール22の挿入方向に撓むようになっている。図5に示すように、光ファイバプラグ20が未挿入の場合、カンチレバー6は、6aの場所(初期位置)に位置する。光ファイバプラグ20が挿入され、ロックナット21の締付中は、カンチレバー6は撓み、6bの場所に位置する。ロックナット21の締付が完了するとカンチレバー6は更に撓んで、6cの場所に位置する。板バネ11は、フェルール22の挿入によるカンチレバー6の移動を、フェルール22未挿入時のカンチレバーの位置6aに押し戻すように機能し、カンチレバー6に弾性を持たせている。
【0026】
フォトマイクロセンサ7は、フェルール22の挿入によるカンチレバー6の撓み量(変位量)を検出するセンサである。光ファイバプラグ20挿入時におけるカンチレバー6の撓みをフォトマイクロセンサ7により検出することにより、装着部8に装着されたロックナット21の位置を検出することができる。本実施形態において、フォトマイクロセンサ7として、オムロン(株)製EE−SX912−R(商品名)を使用した。
【0027】
通常、ロックナットの締込み量は、ねじの噛み合わせから2mm程度であり、変位検出に十分ではないが、本実施形態においては、カンチレバー6を用いることにより締込みによる変位量をほぼ倍増することができ、検出感度が向上し、確実な検出をすることができる。
【0028】
上述のスリーブ3には、その軸方向に沿って切り欠きを有するタイプと切り欠きのないタイプの2種類がある。切り欠きが無いタイプはシングルモードファイバ用の高精度品であり、多くのマルチモードファイバ用のスリーブには切り欠きを有するタイプが用いられている。スリーブ3は、光ファイバアダプタ1内部で自由に回転できるため、スリーブの切り欠き位置は固定されていない。
【0029】
図6は、スリーブ3の切り欠き3aの位置に対する透過型ファイバセンサ5の透過光量(検出光量)を説明するための図である。図6(A)〜(D)はフェルール未挿入時を示し、図6(E)〜(H)はフェルール挿入時の状態を示す。
【0030】
図8は、スリーブ3の切り欠き3aの位置に対する透過型ファイバセンサ5の受光量を示すグラフであり、図6(A)〜(H)の各状態における透過型ファイバセンサ5の検出光量をプロットしたものである。図8のグラフの横軸は、透過型ファイバセンサ5の光軸からみた切り欠きの位置を示す。図6(A)及び(E)における透過型ファイバセンサ5の光軸からみた切り欠きの位置は0deg.である。図6(B)及び(F)における透過型ファイバセンサ5の光軸からみた切り欠きの位置は90deg.である。図6(C)及び(G)における透過型ファイバセンサ5の光軸からみた切り欠きの位置は180deg.である。図6(D)及び(H)における透過型ファイバセンサ5の光軸からみた切り欠きの位置は270deg.である。
【0031】
図6に示すように、切り欠き3aを有するタイプのスリーブ3を用いる場合、透過型ファイバセンサ5の光軸と切り欠き3aとの位置関係は、大きく3つの状態に分けることができる。すなわち、透過型ファイバセンサ5の光出射側に切り欠き3aがある場合(図6(A)及び(E))、透過型ファイバセンサ5の光検出側に切り欠き3aがある場合(図6(C)及び(G))、透過型ファイバセンサ5の光軸と直角の位置に切り欠き3aがある場合(図6(B)、(D)、(F)及び(H))である。
【0032】
ジルコニア製フェルールとジルコニア製スリーブは、通常ジルコニア粉末を焼結、研磨して作成するため、光散乱の性質を強く持つ。そのため、フェルール未挿入時においては、透過型ファイバセンサ5での検出光量は、図8に示すように、透過型ファイバセンサ5の光検出側又は光出射側に切り欠き3aがある場合は大きく、透過型ファイバセンサ5の光軸と直角の位置に切り欠き3aがある場合は小さい。これは、スリーブの厚みを0.35mmとした場合、光が透過する散乱体の厚みが、前者の場合は0.35mm、後者の場合は0.70mmとなり、倍異なることに起因する。これに対し、フェルール挿入時においては、図8に示すように、透過型ファイバセンサ5での検出光量は、フェルール未挿入時と比較して、切り欠き3aの位置による依存性が小さくなっている。これは、フェルール挿入によって、透過型ファイバセンサ5の光検出側又は光出射側に切り欠き3aがある場合と、透過型ファイバセンサ5の光軸と直角の位置に切り欠き3aがある場合のそれぞれの、光が透過する散乱体の厚みの比が1に近づくためである。例えばフェルールの直径を2.50mm、スリーブの厚みを0.35mmとした場合、光が透過する散乱体の厚みは、透過型ファイバセンサ5の光検出側又は光出射側に切り欠き3aがある場合は2.85mmとなる。透過型ファイバセンサ5の光軸と直角の位置に切り欠き3aがある場合は3.20mmとなる。したがって、前者の場合と後者の場合の比は、フェルール未挿入時と比較して1に近づくことになる。
【0033】
図8に示すように、フェルール未挿入時の最小検出光量は、フェルール挿入時の最大検出光量より十分多いため、図上斜線で示す検出光量域を判別しきい値域に設定することにより、切り欠き3a位置によらず、フェルールの挿入の有無の検出を確実に行うことができる。すなわち、透過型ファイバセンサ5の光学的な検出のための光の強さを、その光の光軸上に切り欠き3aが存在したときに挿入孔4にフェルール22が挿入されたことが検出可能で、かつ、光の光軸と直交する方向に切り欠き3aが存在したときに挿入孔4にフェルール22が挿入されていないことが検出可能な範囲とする。これにより、透過型ファイバセンサ5による検出を確実に行うことができる。
【0034】
図9は、第2の検出部10を用いた、4種類のFC光ファイバケーブルに対するロックナット締込み検知結果を示すグラフである。このテストでは、ロックナット21の噛み合わせ状態から、ロックナット21を回転させ、カンチレバー6のバネ11による回転抵抗が発生する位置と、フォトマイクロセンサ7によって締込みが検出された位置、ロックナット21が完全に締めこまれた位置を計測した。
図9に示すように、いずれのFC光ファイバケーブルにおいても、確実に締込みを検出することができた。
【0035】
以上のように、本実施形態において、第1の検出部として透過型ファイバセンサを設けることによりフェルール22の挿入を検出することができる。更に、第2の検出部としてカンチレバー6及びフォトマイクロセンサ7を設けることにより、光ファイブプラグ20のロックナット21の締込みを検出することができる。
【0036】
(検出部による状態判別法)
上述の光ファイバアダプタ1を用いた状態判別法について説明する。
光ファイバアダプタ1は、フェルール挿入検出機構(第1の検出部)とロックナット締込み検出機構(第2の検出部)を併せ持つことにより、図7に示す4状態を区別することができる。
【0037】
図7に示すように、第1の検出部(透過型ファイバセンサ5)によりフェルールが挿入されていないと検出され、第2の検出部によりロックナットが締め込まれていないことが検出されたときには、プラグが未挿入でアダプタ露出と判別できる。
【0038】
第1の検出部によりフェルール22が挿入されていると検出され、第2の検出部10によりロックナット21が締め込まれていないことが検出されたときには、フェルール22の挿入中又は光ファイバアダプタ1の清掃中と判別できる。
【0039】
第1の検出部によりフェルール22が挿入されていないと検出され、第2の検出部によりロックナット21が締め込まれていることが検出されたときには、ダストカバーを装着した状態と判別できる。
【0040】
第1の検出部によりフェルール22が挿入されていると検出され、第2の検出部によりロックナット21が締め込まれていることが検出されたときには、光ファイバプラグ20が正常に接続されたと判別できる。
よって、本実施形態によれば、プラグの着脱以外の状態も判別が可能で、光接続ミスを防止することができ、より安全性を高めることができる。
【0041】
(変形例)
図10は、光ファイバアダプタの変形例である。
図10に示すように、切り欠き3aを有するスリーブ3を用いる場合、透過型ファイバセンサ5の光学的な検出のための光の光路上に、スリーブ3と同じ材料からなる部材30を設けても良い。これにより、スリーブ3の軸方向に切り欠き3aがある場合であっても、スリーブと同じ材料からなる部材30を設けたことで、透過型ファイバセンサ5による光学的な検出のための透過光量の切り欠き3aに対する依存性を低減することができる。
【0042】
(レーザ装置の構成)
図11は、図1に示す光ファイバアダプタを備えたレーザ装置である。
図11に示すように、レーザ装置100は、筐体101と、光ファイバアダプタ1と、制御部102と、出力部103を有する。
出力部103は、レーザ光を発生する。光ファイバアダプタ1には、光ファイバプラグ20が着脱可能となっている。
制御部102では、光ファイバアダプタ1の第1及び第2の検出部からの検出結果が入力され、その検出結果から上述したように状態判別が行われ、出力部103からのレーザ光の出射の有無が制御される。
【0043】
このような2つの検出部を備えた光ファイバアダプタ1が組み込まれたレーザ装置100では、ダストカバー装着状態や清掃状態での不用意なレーザ放射によるダメージ、例えば清掃具やカバーの過熱による発火やアウトガスの発生を防止することができる。また、一方の検出部が故障した場合でも、他方の検出部によってレーザの誤出射を防止することができ、安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 光ファイバアダプタ
2 光ファイバアダプタ本体
3 スリーブ
3a 切り欠き
4 挿入孔
5 透過型ファイバセンサ
6 カンチレバー
7 フォトマイクロセンサ
8 装着部
10 第2の検出部
20 光ファイバプラグ
21 ロックナット
22 フェルール
30 部材
100 レーザ装置
103 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバプラグのフェルールが挿入される挿入孔と、前記挿入孔にフェルールが挿入された光ファイバプラグのロックナットが装着される装着部とを有する光ファイバアダプタ本体と、
前記挿入孔に設けられ、前記挿入孔に挿入されたフェルールを包囲する光透過性のスリーブと、
前記挿入孔に前記フェルールが挿入されたか否かを前記スリーブの外周側より光学的に検出する第1の検出部と、
前記装着部に装着された前記ロックナットの位置を検出する第2の検出部と
を具備する光ファイバアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバアダプタであって、
前記スリーブは、軸方向に切り欠きを有し、
前記第1の検出部は、光学的な検出のための光の強さが、前記光の光軸上に前記切り欠きが存在したときに前記挿入孔に前記フェルールが挿入されたことが検出可能で、かつ、前記光の光軸と直交する方向に前記切り欠きが存在したときに前記挿入孔に前記フェルールが挿入されていないことが検出可能な、範囲である
光ファイバアダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載の光ファイバアダプタであって、
前記スリーブは、軸方向に切り欠きを有し、
前記第1の検出部による光学的な検出のための光の光路上に設けられ、前記スリーブと同じ材料からなる部材
をさらに具備する光ファイバアダプタ。
【請求項4】
請求項1に記載の光ファイバアダプタであって、
前記第2の検出部は、前記装着部に装着されるロックナットによって撓むカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み量を検出するセンサとを有する
光ファイバアダプタ。
【請求項5】
前記光ファイバプラグのフェルールが挿入される挿入孔と、前記挿入孔にフェルールが挿入された光ファイバプラグのロックナットが装着される装着部とを有する光ファイバアダプタ本体と、
前記挿入孔に設けられ、前記挿入孔に挿入されたフェルールを包囲する光透過性のスリーブと、
前記挿入孔を介して前記光ファイバプラグの光ファイバにレーザ光を出力する出力部と、
前記挿入孔に前記光ファイバプラグのフェルールが挿入されたか否かを前記スリーブの外周側より光学的に検出する第1の検出部と、
前記装着部に装着された前記光ファイバプラグのロックナットの位置を検出する第2の検出部と
を具備するレーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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