説明

光ファイバケーブル

【課題】細線化ができ、容易に中間分岐が可能な光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】 複数の光ファイバ心線10と、複数の光ファイバ心線10を内部に収納するスロット溝15を有する矩形状のスロットコア14と、スロット溝15が形成されたスロットコア14の主面と、主面に接続する両側面のそれぞれの少なくとも一部とを覆うように縦添えされた押え巻きテープ16と、押え巻きテープ16で覆われてない領域の少なくとも一部においてスロットコア14と融着するようにスロットコア14及び押え巻きテープ16を被覆する矩形状の樹脂からなるシース20を備える。シース20は、スロットコア14の両側面のそれぞれの押え巻きテープ16で覆われた領域に対応する位置の外面に互いに対向して設けられた一対のノッチ22を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦系敷設に適した光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや集合住宅等においては、縦系に敷設された光ファイバケーブルから中間分岐を行って横系のフロア内配線が行われる。一般的には、縦系敷設には、光ファイバ心線や光ファイバテープ心線を複数本実装したスロット型光ファイバケーブルが用いられる。また、従来のドロップケーブルやインドアケーブルが縦系敷設に用いられる場合もある。
【0003】
既設住宅等においては、敷設スペースの確保や敷設コストの増加などの問題により、新たに縦系敷設用の配管を設けることは困難であることが多い。そのため、光ファイバケーブルは、電話線等が配線されたCD管等の配管中に追加して敷設される。この場合、スロット型光ファイバケーブルでは、外径が大きいため既設の配管に追敷設することは困難であり、別途、敷設ルートを確保しなければならない。その結果、多大な費用や時間が必要となってしまう。
【0004】
また、従来のドロップケーブルやインドアケーブルは、配管中への通線に適した構造ではない。そこで、縦系配線用として、細径低摩擦型のインドアケーブルが提案されている(非特許文献1参照)。提案されたインドアケーブルでは、細径にするためシース厚さが薄くなる。そのため、インドアケーブルの縦曲げによりケーブル端末において、光ファイバ心線に沿って設けられた抗張力体のケーブル外部への飛び出しやケーブル内部への脱落が発生し、光ファイバ心線が断線しやすくなる問題がある。
【0005】
また、縦系敷設された光ファイバケーブルから中間分岐により光ファイバ心線を取り出してフロア内配線を新たに行なう場合、他のフロアで使用中の活線が含まれることもある。このような状況での中間分岐では、使用中の光ファイバ心線の伝送損失による通信障害が起こらないように任意の光ファイバ心線を取り出す必要がある。伝送損失の増加を防止し、中間分岐の作業性を向上させるスロット型光ファイバケーブルが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、スロット型光ファイバケーブルの中間分岐作業での伝送損失を抑制するためには、特殊な専用工具を使用することが必要となり、作業性が低下する。更に、作業時の取り扱いを容易にする観点から、スロット型光ファイバケーブルには、ある程度の太さや剛性が必要とされる場合が多い。
【0007】
また、従来のドロップケーブルやインドアケーブルでは、中間分岐は可能ではあるが、専用のデタッチャを用いなければならない。デタッチャを用いて中間分岐作業を行なう際に、光ファイバ心線が小さな曲げ半径で曲げられ、1dB以上の大きな損失変動を生じ、通信障害が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−216834号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】高見、他、SEIテクニカルレビュー、2009年7月、第175号、p.124−127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、スロット型光ファイバケーブルでは、外径を小さくできず、既設の配管に追敷設をすることは困難である。一方、ドロップケーブルやインドアケーブルでは、中間分岐作業中に大きな損失変動を生じてしまう。更に、スロット型光ファイバケーブルや、ドロップケーブルやインドアケーブルいずれにおいても、中間分岐作業では、専用工具が必要で簡便性に欠ける。
【0011】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、細線化ができ、容易に中間分岐が可能な光ファイバケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、 複数の光ファイバ心線と、複数の光ファイバ心線を内部に収納するスロット溝を有する矩形状のスロットコアと、スロット溝の開口部を覆い、少なくともスロット溝が形成された主面に接続する両側面に至るようにスロットコアに縦添えされた押え巻きテープと、押え巻きテープを間に挟んでスロットコアを被覆し、押え巻きテープで覆われてないスロットコアの領域の少なくとも一部と融着した矩形状の樹脂からなるシースを備え、シースは、スロットコアの両側面それぞれの押え巻きテープで覆われた領域に対応する位置の外面に互いに対向して設けられた一対のノッチを有する光ファイバケーブルが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、細線化ができ、容易に中間分岐が可能な光ファイバケーブルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの通線性、縦曲げ性及び集合性の評価結果の一例を示す表である。
【図3】図1に示した光ファイバケーブルの中間分岐作業の一例を説明する断面図(その1)である。
【図4】図1に示した光ファイバケーブルの中間分岐作業の一例を説明する断面図(その2)である。
【図5】図1に示した光ファイバケーブルの中間分岐作業の一例を説明する断面図(その3)である。
【図6】図1に示した光ファイバケーブルの中間分岐作業の一例を説明する断面図(その4)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルのハンドピール性及び衝撃特性の評価結果の一例を示す表である。
【図8】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの機械特性の評価結果の一例を示す表である。
【図9】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの中間分岐作業中の損失変動の評価結果の一例を示す表である。
【図10】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルは、図1に示すように、複数の光ファイバ心線10、一対の抗張力体12a、12b、スロットコア14、押え巻きテープ16、固定材18、及びシース20を備える。複数の光ファイバ心線10は、スロットコア14の主面に形成されたU字状のスロット溝15の内部に収納される。抗張力体12a、12bは、光ファイバ心線10に並行し、複数の光ファイバ心線10を挟んで互に対向して配置される。抗張力体12aは、シース20の中に、抗張力体12bは、スロットコア14の中にそれぞれ設けられる。
【0018】
押え巻きテープ16は、スロット溝15の開口部を覆い、スロット溝15が形成された主面に接続する両側面に至るようにスロットコア14に縦添えされる。固定材18は、スロット溝15の中で複数の光ファイバ心線10の少なくとも一つに接触するように、押え巻きテープ16上に設けられる。シース20は、押え巻きテープ16を間に挟んでスロットコア14を被覆する。シース20には、スロットコア14の両側面それぞれの押え巻きテープ16で覆われた領域に対応する位置の外面に、互いに対向する一対のノッチ22が設けられる。また、シース20には、スロット溝15の開口部の下方の外面にマーク24が設けられる。
【0019】
複数の光ファイバ心線10のそれぞれには、図1に示したように、単心型心線が用いられるが、単心型心線に限定されない。例えば、光ファイバ心線10として、2心、4心、あるいは8心等の複数の心線を有するテープ心線を用いてもよく、単心光コード、2心光コード、あるいは光テープコード等を用いてもよい。
【0020】
抗張力体12a、12bとして、鋼線あるいは繊維強化プラスチック(FRP)が用いられる。スロットコア14及びシース20として、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン(PO)やポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂が用いられる。押え巻きテープ16として、スロットコア14及びシース20と熱融着しないポリエステル等の樹脂テープが用いられる。固定材18として、ウレタンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂が用いられる。
【0021】
実施の形態に係る光ファイバケーブルでは、押え巻きテープ16は、スロットコア14及びシース20と融着していない。そのため、ノッチ22からシース20を切り裂いたとき、スロットコア14とシース20との分離が容易となる。一方、スロットコア14とシース20とが接触面で融着していないと、スロットコア14とシース20との曲がりの中立点が異なることになってしまう。そのため、光ファイバケーブルを曲げた際に、光ファイバケーブルの端末において、シース20からスロットコア14の突き出しや引き込みが生じ、光ファイバ心線10に大きな圧縮歪や引張歪を与えて破損させる可能性がある。したがって、スロットコア14とシース20とは、手作業で容易に分離する程度に接触面の一部又は全体が弱く熱融着した状態が望ましい。
【0022】
スロット溝15の形状は、U字状が望ましい。光ファイバケーブル製造時に、複数の光ファイバ心線10をスロット溝15内に集合させる必要がある。また、中間分岐時には、スロット溝15から光ファイバ心線10を取り出す必要がある。スロット溝15をU字状にすることにより、スロット溝15の開口幅を対向する側壁の間隔程度とすることができる。その結果、複数の光ファイバ心線10をスロット溝15内に容易に集合させることができ、且つ光ファイバ心線10をスロット溝15から容易に取り出すことができる。
【0023】
押え巻きテープ16には、スロット溝15の中で複数の光ファイバ心線10の少なくとも一つに接触する固定材18が設けられている。固定材18により複数の光ファイバ心線10がスロット溝15内で固定されるため、スロットコア14からの複数の光ファイバ心線10の引き抜き力を確保することができる。その結果、縦系配線で、スロット溝15内の光ファイバ心線の脱落を防止することができる。なお、固定材18は、光ファイバ心線10の延在する方向に連続して形成してもよく、間歇的に形成してもよい。
【0024】
実施の形態では、図1に示したように、細線化した光ファイバケーブルを平型構造としている。光ファイバ心線10と抗張力体12a、12bを結ぶ方向のシース20の寸法を長径Dlとすることにより、光ファイバケーブルの曲げ方向をシース20の短径Dsの方向に規定することができる。
【0025】
図2には、細線化した光ファイバケーブルの通線性、縦曲げ性、及び集合性を評価した結果を示す。通線性について、直径9mmの30対メタルケーブルが3本敷設された内径22mmのCD管に光ファイバケーブルを押し込みながら通線を行った。CD管の長さは5mで、90度の曲がりが4箇所設けられている。◎は30秒以内に通線、○は1分以内に通線、△は1分以上で通線、×は通線不可を示す。縦曲げ性について、曲げ半径30mm、曲げ角度±180度で、回数100サイクルの縦曲げを与えて、波長が1.55μmのレーザ光を用いて光ファイバ心線10の伝送時の損失変動を光パワーメータを接続して測定した。○は0.1dB以下の損失変動、×は0.1dBより大きい損失変動を示す。集合性については、光ファイバケーブル製造時に複数の光ファイバ心線の集合ユニットをスロット溝内に集合できるか評価した。○はスロット溝内に容易に集合可能、×は集合困難であることを示す。
【0026】
評価に用いた試料1〜7では、光ファイバケーブルの長径を3.7mmとして、短径を2.2mm〜3.7mmの範囲で変化させている。試料1〜7のシースの4角の曲率半径(角R)は、0.25mmである。試料1〜7の短径に応じて、断面積は、8.1mm2〜12.9mm2の範囲、スロット溝の開口幅は1.1mm〜2.5mmの範囲となる。なお、比較例の試料8は、断面が円形状であり、断面積は10.8mm2、開口幅は2.7mmである。
【0027】
図2の表に示すように、通線性については短径及び断面積が小さいほど有利であり、短径が3.5mm、断面積が12.9mm2の試料7では通線不可である。縦曲げ性については、短径が小さいほど有利であり、試料7及び試料8では抗張力体のスロット溝への飛び出しや脱落による損失変動や、光ファイバ心線の断線が発生する。短径と長径の差が小さな試料7や、断面が円形の試料8では、曲げ方向の規定が弱く、縦曲げ時にケーブル自体が捻回して縦曲げを回避することができないためである。集合性については、スロット溝の開口幅が大きいほど有利で、開口幅が1.4mm以下の試料1及び試料2で集合困難となる。短径が小さくなると、相対的にスロット溝の開口幅も小さくなるためである。このように、光ファイバケーブルの細線化においては、例えば、長径を3.7mmとした場合、短径は2.6mm〜3.3mmの範囲が望ましく、2.6mm〜3.1mmの範囲がより望ましい。
【0028】
次に、図1に示した光ファイバケーブルに対する中間分岐の作業性について評価した。使用した光ファイバケーブルは、長径Dlが3.7mm、短径Dsが3mm、スロット溝15の開口幅Wsが2mmである。
【0029】
まず、光ファイバケーブルの中間分岐について、図3〜図6を用いて説明する。図3に示すように、対向するノッチ22から爪を用いてシース20をシース20a、20bに分割する。図4に示すように、スロット溝15の反対側のシース20bをスロットコア14から切り離す。図5に示すように、シース20bをスルットコア14から剥ぎ取り(ハンドピール)、分離する。図6に示すように、スロット溝15側のシース20a及び押え巻き16をそれぞれ順にスロットコア14から分離し、光ファイバ心線10を取り出す。
【0030】
スロット溝15の向きは、シース20に設けたマーク24により、光ファイバケーブルの外から判断できる。したがって、マーク24を目印として、ハンドピールするシース20bを判別できる。一対のノッチ22の下方のスロットコア14の側面は、押え巻き16で覆われている。押え巻き16と、スロットコア14及びシース20とは熱融着しない。また、先に剥ぎ取られるシース20bは、スロットコア14と弱く融着している。そのため、スロットコア14を容易にシース20a、20b及び押え巻き16から容易に分離することができる。
【0031】
図7に、シース20のハンドピール性及びシース20の衝撃特性を評価した結果を示す。ハンドピール性について、○は爪だけでシース20bの剥ぎ取り可能、×は爪だけではシース20bの剥ぎ取り不可を示す。衝撃特性については、図8に示した国際電気標準会議(IEC)60794−1に準拠した衝撃試験(Impact)により評価した。○は衝撃によるシース破損無し、△はノッチ部が白化するが、シース破損なし、×はシース破損ありを示す。評価に用いた試料9〜39において、シース20に用いる樹脂の破断強度を4.5MPa〜15.3MPaの範囲、ノッチ22の下方のシース20の膜厚(ノッチ下膜厚)Tnを0.05mm〜0.3mmの範囲で変化させてある。
【0032】
図7の表に示すように、ハンドピール性については、破断強度が15MPa及びノッチ下膜厚Tnが0.3mmの試料34、並びに、破断強度が15.3MPa及びノッチ下膜厚Tnが0.25、0.3mmの試料38、39が不良である。衝撃特性については、破断強度が4.5MPaの試料9〜12、ノッチ下膜厚Tnが0.05mmの試料13、17、21、25、30、35が不良である。破断強度が5MPaでノッチ下膜厚Tnが0.1mm〜0.3mmの試料14〜16は、ノッチ22の近傍が8白化するが、シース20の破損は見られなかった。このように、シース20の樹脂としては、破断強度が5MPa〜15MPaの範囲が望ましい。また、ノッチ下膜厚Tnとしては、0.1mm〜0.25mmの範囲が望ましい。
【0033】
図8は、作製した光ファイバケーブルの機械特性の試験時に、波長が1.55μmのレーザ光を用いて光ファイバ心線10の損失変動を測定した結果を示す。光ファイバケーブルは、長径Dlが3.7mm、短径Dsが3mm、スロット溝15の開口幅Wsが2mm、シース20破断強度が5MPa〜15MPa、ノッチ下膜厚Tnが0.1mm〜0.25mmである。機械特性試験として、IEC60794−1に準拠した衝撃試験(Impact)、側圧試験(Crush)、及び捻回試験(Torsion)、曲げ試験(Repeated bend)を実施している。図8の表に示すように、いずれの機械特性試験においても、損失変動は0.1dBより小さく、著しい損失変動がないことが確認されている。
【0034】
また、図9には、光ファイバケーブルの中間分岐作業中において、波長が1.55μmのレーザ光を用いて光ファイバ心線10の損失変動を測定した結果を示す。図9の表に示すように、中間分岐作業中の損失変動は、0.05dBより小さく、著しい損失変動がないことが確認されている。また、取り出した光ファイバ心線10には外傷や断線等の異常がないことも確認されている。このように、実施の形態によれば、光ファイバ心線10を傷つけることなく容易に取り出すことができる。
【0035】
なお、上述の説明では、抗張力体12aは、シース20の中に、抗張力体12bは、スロットコア14の中にそれぞれ設けられている。しかし、図10に示すように、スロット溝15の開口部の反対側のスロットコア14の中に抗張力体12c、12dを配置してもよい。
【0036】
また、マーク24は、スロット溝15の開口部の下方のシース20の外面に設けられている。しかし、マーク24を、スロット溝15の開口部の上方のシース20の外面に設けてもよい。
【0037】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0038】
10…光ファイバ心線
12a、12b…抗張力体
14…スロットコア
15…スロット溝
16…押え巻きテープ
18…固定材
20…シース
22…ノッチ
24…マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバ心線と、
前記複数の光ファイバ心線を内部に収納するスロット溝を有する矩形状のスロットコアと、
前記スロット溝の開口部を覆い、少なくとも前記スロット溝が形成された主面に接続する両側面に至るように前記スロットコアに縦添えされた押え巻きテープと、
前記押え巻きテープを間に挟んで前記スロットコアを被覆し、前記押え巻きテープで覆われてない前記スロットコアの領域の少なくとも一部と融着した矩形状の樹脂からなるシースを備え、
前記シースは、前記スロットコアの両側面それぞれの前記押え巻きテープで覆われた領域に対応する位置の外面に互いに対向して設けられた一対のノッチを有することを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記一対のノッチの対向方向における前記一対のノッチのそれぞれの下方の前記シースの膜厚が、0.1mm以上、0.25mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記シースが、5MPa以上、15MPa以下の範囲の破断強度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記スロット溝の中で前記複数の光ファイバ心線の少なくとも一つと接触するように、前記押え巻きテープ上に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる固定材を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記固定材が、前記複数の光ファイバ心線の延在する方向に間歇的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記開口部の上方の前記シースの中に、前記光ファイバ心線に並行して配置された抗張力体を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記スロットコアの中に、前記光ファイバ心線を挟んで前記抗張力体に対向して配置された他の抗張力体を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
前記開口部の反対側の前記スロットコアの中に、前記光ファイバ心線に並行して配置された抗張力体を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記スロットコアの中に、前記抗張力体を挟んで前記光ファイバ心線に対向して配置された他の抗張力体を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバケーブル。
【請求項10】
前記シースが、前記開口部の上方又は下方の外面に設けられたマークを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項11】
前記シースは、前記一対のノッチの対向方向の寸法が前記対向方向に直交する方向の寸法より小さいことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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