説明

光ファイバ温度センサ

【課題】鉄鋼用熱間圧延ラインで運用される誘導加熱装置内部の所望する位置の温度を常時監視できる光ファイバ温度センサ。
【解決手段】光ファイバ温度センサは、誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を用いた極薄型シートからなる筐体8,9内に光ファイバケーブル13を収納して形成される。筐体材料と同材料からなる複数の極薄円柱状材14が筐体内の複数の箇所に収納され、複数の極薄円柱状材14の各々に光ファイバケーブル13を固定せずに距離分解能に相当する長さ以上に巻回することにより複数のセンシングリング15を形成し、複数のセンシングリング15により複数の箇所の温度を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼用熱間圧延ラインで運用される誘導加熱装置内部の温度を常時監視する光ファイバ温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼用熱間圧延ラインでは、加熱炉が被加熱材(圧延材) を予め圧延可能な温度に加熱し、粗圧延機が被加熱材を粗バーと呼ばれる状態に成形する。さらに、仕上圧延機は、粗バーを所望の板厚や板幅を有する薄板に成型する。このような鉄鋼用熱間圧延ラインでは、ライン搬送中の粗バー温度の低下に対して粗バーの昇温や均熱及び、圧延機の負荷軽減を目的とする誘導加熱装置が用いられている。
【0003】
この誘導加熱装置は、粗バーの両エッジ部の温度昇温を目的とするエッジヒータや、粗バーの全体昇温を目的とするバーヒータが一般に知られている。このバーヒータは、主に鉄心と加熱コイルと耐熱プレートとで形成され、鉄心と加熱コイルと耐熱プレートとがシールドカバーで覆われている。
【0004】
この熱間圧延ラインで搬送される粗バーからの輻射熱、スケール、デスケ水が、誘導加熱装置の内部に浸入して、加熱コイル及び鉄心の過熱・焼損、絶縁破壊及び寿命低下が発生してしまう。
【0005】
特に誘導加熱装置内部において最も影響が受けやすい加熱コイル部分にスケール、デスケ水などが浸入する状態を確認する方法は、ライン休止時間帯におけるシールドカバーの開放点検に依存していた。
【0006】
さらに、トラブルが発生した後、誘導加熱装置が迅速に復旧されても、限られたライン休止時間では誘導加熱装置の復旧が間に合わず、運転停止が長期間に亘る場合もあった。
【0007】
このため、鉄鋼用熱間圧延ラインにおいて、劣悪環境条件で運用される誘導加熱装置の突発的なトラブルを未然に防ぐための監視方法が必要である。この監視方法としては、光ファイバを用いた温度監視装置があり、この温度監視装置は、例えば、特許文献1に記載され、トンネル防災設備などの多様な分野で運用されている。
【0008】
特許文献1に記載されたトンネル防災設備は、トンネルの長さ方向に設置された1本の光ファイバケーブルの全長を温度センサとして機能させ、光ファイバケーブルの一端から他端まで、全長に亘る温度分布を一括して測定することにより、火災の発生を検知している。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されたトンネル防災設備は、光ファイバケーブルの長手方向に沿った温度分布を計測することができるが、温度測定点が距離分解能によって決定される。このため、トンネル防災設備は、大規模な構成部品、あるいは、トンネルに代表される大規模な線状の構造物に対し運用されており、機器内部の、極めて狭い空間に光ファイバ温度監視装置をそのまま利用することはできなかった。
【0010】
この狭い空間に光ファイバ温度監視装置を適用したものとして特許文献2が知られている。特許文献2に記載された光ファイバ温度センサは、光ファイバケーブルを距離分解能に相当する長さ以上に巻回し、局所温度を測定している。この特許文献2では、センサ部が、熱伝導性の良い充填材と共に接着剤で固着されて被測定体と接触して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8―4499号公報
【特許文献2】特開平7―181086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、光ファイバケーブル自身を熱伝導性の良い充填材と共に接着剤で固着することで、測温精度は低下する。また、光ファイバケーブル自身を固着することにより、例えば熱膨張、収縮の繰り返しや、光ファイバケーブル自身が過大な力を受けた場合には光ファイバケーブル自身が断線し、測温できなくなる恐れもある。
【0013】
本発明の課題は、劣悪環境で且つ熱膨張、収縮の繰り返しや過大な力を受ける場合でも、誘導加熱装置の加熱コイルの所望する位置の温度を常時測定できる光ファイバ温度センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の光ファイバ温度センサは、以下のような手段を有している。請求項1の発明は、鉄鋼用熱間圧延ラインに設置される誘導加熱装置内に設置される光ファイバ温度センサであって、前記誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を用いた極薄型シートからなる筐体内に光ファイバケーブルを収納して形成されている。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の光ファイバ温度センサにおいて、筐体材料と同材料からなる複数の極薄円柱状材が前記筐体内の複数の箇所に収納され、前記複数の極薄円柱状材の各々に前記光ファイバケーブルを固定せずに距離分解能に相当する長さ以上に巻回することにより複数のセンシングリングを形成し、前記複数のセンシングリングにより前記複数の箇所の温度を測定することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の光ファイバ温度センサにおいて、筐体側面部をシリコンシーリングし、前記筐体の表面全体をシリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材により密封することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3記載の光ファイバ温度センサにおいて、前記センシングリングの空隙を埋めるように前記極薄円柱状材と同一構成のスペーサを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を筐体に用いることにより耐熱性、絶縁性に優れ、筐体が極薄型シートであるので、加熱コイルに極めて接近させることができる。このため、劣悪環境で且つ熱膨張、収縮の繰り返しや過大な力を受ける場合でも、誘導加熱装置の加熱コイルの所望する位置の温度を常時測定できる。また、筐体が極薄型シートであるので、光ファイバ温度センサを狭い空間に設置でき、軽量性に優れ、メンテナンス時の交換、脱着が容易となる。
【0019】
請求項2の発明によれば、光ファイバケーブルを複数の極薄円柱状材の各々に固定せずに巻回したセンシングリングにより、熱膨張、収縮の繰り返しや、過大な力などを受けても、光ファイバケーブルが断線することなく温度を測定できる。また、複数のセンシングリングにより、加熱コイル面の所望する位置の温度を測定できる。
【0020】
請求項3の発明によれば、筐体側面部をシリコンシーリングし、筐体の表面全体をシリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材により密封するので、スケール、デスケ水の浸入を防止できる。
【0021】
請求項4の発明によれば、センシングリングの空隙を埋めるように、極薄円柱状材と同一構成のスペーサを配置するので、過大な力を受けても光ファイバ温度センサ自身が破損せず、光ファイバケーブルが断線することなく温度を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサを設置したエッジヒータを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサの内部構造を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサの断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサによる実測データを示す図である。
【図5】本発明の実施例2に係わる光ファイバ温度センサを設置したバーヒータを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2に係わる光ファイバ温度センサの内部構造を示す図である。
【図7】本発明の光ファイバ温度センサを用いた温度分布測定装置を示す構成ブロック図である。
【図8】本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサを設置したエッジヒータの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の光ファイバ温度センサの実施の形態を図面を参照しながら、詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサを設置したエッジヒータを示す斜視図である。図1において、板材からなる粗バー1の下面には、加熱コイル2と耐熱プレート3とが対向して配置され、加熱コイル2と耐熱プレート3との間には、楕円形状のエッジヒータ用の光ファイバ温度センサ4が配置されている。
【0025】
光ファイバ温度センサ4には、図2に示すように、筐体穴部8aが形成され、この筐体穴部8aに図1に示す楕円形状のラジアル鉄心6が挿入されている。加熱コイル2と耐熱プレート3と光ファイバ温度センサ4とは、C型鉄心5の凹部の下部に配置されている。また、C型鉄心5の凹部の上部にも加熱コイル2と耐熱プレート3(図示せず)と光ファイバ温度センサ4(図示せず)とが配置されている。即ち、2つの光ファイバ温度センサ部が配置されている。シールドカバー7は、加熱コイル2と耐熱プレート3と光ファイバ温度センサ4とC型鉄心5とラジアル鉄心6とを覆っている。
【0026】
図1に示すエッジヒータでは、加熱コイル2に電流を流すことにより磁界が発生し、この磁界によりC型鉄心5とラジアル鉄心6とで磁気閉ループが形成され、粗バー1を貫通した磁界によるエネルギーにより粗バー1が加熱されるようになっている。
【0027】
エッジヒータ用光ファイバ温度センサ4の形状としては、楕円であることが最良の形態である。なぜならば、エッジヒータは主に加熱コイル2と耐熱プレート3のほか、C型鉄心5、ラジアル鉄心6、シールドカバー7から形成されるが、楕円形状のラジアル鉄心6を囲うような形状で加熱コイル2が配置され、加熱コイル2と耐熱プレート3との間にエッジヒータ用光ファイバ温度センサ4が配置されるからである。
【0028】
図2はエッジヒータ用光ファイバ温度センサ4の内部構造を示す図である。図3は本発明における光ファイバ温度センサの断面図である。
【0029】
エッジヒータ用光ファイバ温度センサ4は、筐体を有し、この筐体は、誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を用いた楕円形状の極薄型シートからなる。筐体は、筐体上面8、筐体底面9、筐体側面10、筐体穴部80から形成され、内部に光ファイバケーブル13を収納する。筐体としては、ガラスエポキシ樹脂積層板が用いられる。
【0030】
筐体側面10にはシリコンシーリング材によりシリコンシーリング11が施されている。また、筐体の表面全体は、シリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材12により密封されている。
【0031】
筐体内の複数の箇所には、筐体材料と同材料からなる複数の極薄円柱状材14が収納されている。複数の極薄円柱状材14の各々には、光ファイバケーブル13を固定せずに距離分解能に相当する長さ以上に巻回することにより複数のセンシングリング15を形成し、複数のセンシングリング15により加熱コイル2の複数の箇所の温度を測定する。
【0032】
また、センシングリング15の空隙を埋めるように極薄円柱状材14と同一構成及び同一材料の円形スペーサ16が配置されている。
【0033】
加熱コイル2と耐熱プレート3とは非常に近接しており、光ファイバ温度センサ4の厚さはできるだけ薄くすることが好ましい。このため、筐体上面8、筐体底面9の厚さL2,L3は、それぞれ0.5mmの極薄型シートである。センシングリング15と円形スペーサ16の厚さL1は、光ファイバケーブル13を巻回するために必要な最小寸法として1 mmに設定する。従って、光ファイバ温度センサ全体の厚さは2mmとする。光ファイバケーブル13は、極薄円柱状材14に対して若干のクリアランスを持って巻回される。
【0034】
図4は本発明の実施例1に係わる光ファイバ温度センサによる実測データを示す図で、加熱コイル2の所望する位置での時系列の温度変化を示す。使用したエッジヒータ用光ファイバ温度センサ4は、筐体内部に22個のセンシングリング15を有する。図4に示すように、耐熱プレート3と加熱コイル2との間において、時間毎で、22箇所のどの位置でも温度変化を収集することができる。運用として、温度推移を常時監視し、急激な温度変化や徐々に温度上昇し続けるといった温度変化の傾向を把握することにより、経年劣化や突発的なトラブルの発生を予測することができる。
【0035】
このように実施例1の光ファイバ温度センサによれば、誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を筐体に用いることにより耐熱性、絶縁性に優れ、筐体が極薄型シートであるので、加熱コイルに極めて接近させることができる。また、筐体が極薄型シートであるので、光ファイバ温度センサを狭い空間に設置でき、軽量性に優れ、メンテナンス時の交換、脱着が容易となる。
【0036】
また、光ファイバケーブル13を極薄円柱状材14に固定せずに巻回したセンシングリング15により、熱膨張、収縮の繰り返しや、過大な力などを受けても、光ファイバケーブル13が断線することなく温度を測定できる。また、複数のセンシングリング15により、加熱コイル面の所望する位置の温度を測定できる。
【0037】
また、筐体側面部をシリコンシーリングし、筐体の表面全体をシリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材12により密封するので、スケール、デスケ水の浸入を防止できる。
【0038】
さらに、センシングリング15の空隙を埋めるように、極薄円柱状材と同一構成の円形スペーサ16を配置するので、過大な力を受けても光ファイバ温度センサ自身が破損せず、光ファイバケーブル13が断線することなく温度を測定できる。
【実施例2】
【0039】
図5(a)は本発明の実施例2に係わる光ファイバ温度センサを設置したバーヒータを示す斜視図である。図5(b)は本発明の実施例2に係わる光ファイバ温度センサの断面図である。
【0040】
図5に示す実施例2では、箱型の加熱コイル2aの内部下面側には平板状の4つの光ファイバ温度センサ4a〜4dが加熱コイル2aの長手方向に順番に配置されている。光ファイバ温度センサ4a〜4dの上面には、耐熱プレート3aが配置され、この耐熱プレート3aは粗バー1を覆っている。
【0041】
バーヒータ用光ファイバ温度センサ4a〜4dの形状としては平面であることが最良の形態である。なぜならば、バーヒータは巻回された加熱コイル2aから形成されるが、その粗バー1と対向した面は平面形状であり、加熱コイル2aと耐熱プレート3aと面間にバーヒータ用光ファイバ温度センサ4a〜4dが配置されるからである。
【0042】
バーヒータの場合、巻回された加熱コイルの幅は、粗バー1幅より大きなものではなくてはならず、2m程度の幅を持つ。2m幅の加熱コイル2下面の幅に配置させるために複数枚のバーヒータ用光ファイバ温度センサ4を配置するものとして、例えばその幅寸法が500mm幅を持つ4枚の光ファイバ温度センサ4a〜4dが配置される。これにより、交換などのメンテナンス性や扱いが容易となる。
【0043】
図6は本発明の実施例2に係わる光ファイバ温度センサの内部構造を示す図である。図6に示す光ファイバ温度センサの断面は、図3に示すエッジヒータ用光ファイバ温度センサ4と同じである。
【0044】
筐体側面にはシリコンシーリング材によりシリコンシーリング11aが施されている。また、筐体の表面全体は、シリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材12により密封されている。
【0045】
筐体内の複数の箇所には筐体材料と同材料からなる複数の極薄円柱状材14aが収納されている。複数の極薄円柱状材14aの各々には、光ファイバケーブル13aを固定せずに距離分解能に相当する長さ以上に巻回することにより複数のセンシングリング15aを形成し、複数のセンシングリング15aにより複数の箇所の温度を測定する。
【0046】
また、センシングリング15aの空隙を埋めるように極薄円柱状材と同一構成及び同一材料の円形スペーサ16aが配置されている。
【0047】
加熱コイル2aと耐熱プレート3aとは非常に近接しており、光ファイバ温度センサの厚さはできるだけ薄くすることが好ましい。このため、筐体上面8a、筐体底面9aの厚さは、それぞれ0.5mmの極薄型シートである。センシングリング15aと円形スペーサ16aの厚さは、光ファイバケーブル13aを巻回するために必要な最小寸法として1 mmに設定する。従って、光ファイバ温度センサ全体の厚さは2mmとする。光ファイバケーブル13aは、極薄円柱状材14aに対して若干のクリアランスを持って巻回される。
【0048】
図7は本発明の光ファイバ温度センサを用いた温度分布測定装置を示す構成ブロック図である。図7を参照しながら光ファイバ温度センサを用いた温度分布測定処理を説明する。温度分布測定装置は、パルス発生器21、光源22、光分光器23、受光器24、データ処理部25、データ表示部26を有している。
【0049】
パルス発生器21は、パルス信号を発生し、パルス信号を光源22に出力する。光源22は、パルス発生器21からのパルス信号に応じた光信号を光分光器23に出力する。光分光器23は、光源22からの光信号を4つの光ファイバケーブル13a〜13dに出力する。4つの光ファイバケーブル13a〜13dの各々は、図6に示す構成の光ファイバケーブルであり、光ファイバ温度センサ4a〜4dを有している。
【0050】
このため、光分光器23は、光信号を4つの光ファイバケーブル13a〜13dに送り、4つの光ファイバケーブル13a〜13dから送られてくる光信号を受光器24に出力する。データ処理部25は、受光器24からの光信号に基づき光ファイバケーブル13a〜13dに有する光ファイバ温度センサ4a〜4dの温度情報により加熱コイル面の所望する位置の温度分布を計測し、データ表示部26は、加熱コイル面の所望する位置の温度分布を表示する。
【0051】
図8は本発明の実施例1に係わるエッジヒータ用光ファイバ温度センサの使用例を示す構成図である。図8では、鉄鋼用熱間圧延ラインでのエッジヒータ基本配置として、前後左右対向した4台を示している。4つのC型鉄心5a〜5dが配置され、C型鉄心5a,5b、5c,5dには粗バー1aが挿通されている。C型鉄心5aとC型鉄心5cとは凹部が向き合うように配置され、C型鉄心5bとC型鉄心5dとは凹部が向き合うように配置されている。
【0052】
各々のC型鉄心5a〜5dには、粗バー1aを挟んで、下部側加熱コイル2a1〜2d1と下部側耐熱プレート3a1〜3d1との間と、上部側加熱コイル2a2〜2d2と上部側耐熱プレート3a2〜3d2の間に各々エッジヒータ用光ファイバ温度センサを配置することが可能である。即ち、8つの光ファイバ温度センサを配置することが可能である。
【0053】
例えば、C型鉄心5a〜5dの下部側に配置された4つの光ファイバ温度センサを、図7に示す光分光器23の出力側に接続することにより、加熱コイル面の所望する位置の温度分布を計測することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、鉄鋼用熱間圧延ラインで運用される誘導加熱装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 粗バー
2 加熱コイル
3 耐熱プレート
4 エッジヒータ用光ファイバ温度センサ
5 C型鉄心
6 ラジアル鉄心
7 シールドカバー
8 筐体上面
9 筐体底面
10 筐体側面
11 シリコンシーリング
12 密封部材
13 光ファイバケーブル
14 極薄円柱状材
15 センシングリング
16 円形スペーサ
17 実測データ
80 筐体穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼用熱間圧延ラインに設置される誘導加熱装置内に設置される光ファイバ温度センサであって、
前記誘導加熱装置に用いられる絶縁材と同等の材質を用いた極薄型シートからなる筐体内に光ファイバケーブルを収納して形成されていることを特徴とする光ファイバ温度センサ。
【請求項2】
筐体材料と同材料からなる複数の極薄円柱状材が前記筐体内の複数の箇所に収納され、前記複数の極薄円柱状材の各々に前記光ファイバケーブルを固定せずに距離分解能に相当する長さ以上に巻回することにより複数のセンシングリングを形成し、前記複数のセンシングリングにより前記複数の箇所の温度を測定することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ温度センサ。
【請求項3】
筐体側面部をシリコンシーリングし、前記筐体の表面全体をシリコン系の液体絶縁材料からなる密封部材により密封することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバ温度センサ。
【請求項4】
前記センシングリングの空隙を埋めるように前記極薄円柱状材と同一構成のスペーサを配置することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の光ファイバ温度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−163459(P2012−163459A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24531(P2011−24531)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【出願人】(000242127)北芝電機株式会社 (53)
【Fターム(参考)】