説明

光ヘッド装置の製造方法およびその製造装置

【課題】 レーザ光源と受光素子との相対位置を調整するのに、大掛かりな設備や多大な手間を必要とせず、かつ、常に信頼性の高い調整を行うことのできる光ヘッド装置の製造方法およびその製造装置を提供すること。
【解決手段】 光ヘッド装置1の製造工程において、第2のレーザ光源12を基準に受光素子25の位置を調整する場合でも、実際の光記録ディスクを用いず、光記録ディスク4に相当する位置にミラーからなる擬似ディスクを配置し、擬似ディスク143からの戻り光の受光素子25での検出結果に基づいて、第2のレーザ光源12と受光素子25との相対位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ヘッド装置の製造方法およびその製造装置に関するものである。さらに詳しくは、光ヘッド装置で用いるレーザ光源と受光素子の相対位置調整技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ヘッド装置は、一般に、レーザ光源と、受光素子と、対物レンズと、レーザ光源からの出射光を対物レンズに導くとともに、対物レンズを経てくる光記録ディスクからの戻り光を受光素子に導く導光系とを有している。ここで、導光系には、コリメートレンズが含まれており、レーザ光源からの出射光は、コリメート光として対物レンズに導かれる。
【0003】
このような構成の光ヘッド装置を製造するにあたっては、レーザ光源と受光素子との相対位置を調整する必要があり、そのための調整工程では、従来、完成品としての光ヘッド装置と同様、レーザ光源からレーザ光を出射して、回転している光記録ディスクの記録面上にスポットを形成するとともに、光記録ディスクからの戻り光を受光素子で検出し、その検出結果に基づいて、レーザ光源と受光素子との相対位置を調整している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のように、光記録ディスクを回転させて光ヘッド装置を実動状態にしてレーザ光源と受光素子との相対位置を調整する方法では、光記録ディスクの駆動装置、光ディスクのチルト(傾き)調整機構、フォーカスサーボ回路、トラックサーボ回路などの機構や回路を光ヘッド装置の機種毎に準備する必要があり、多大な設備投資を必要とする。また、サーボ回路については、光ヘッド装置の機種を変更する度に多大な手間をかけてチューニングする必要がある。しかも、テストに用いる光記録ディスクについては、傷や埃が付着することを常に防止するための管理が必要であり、光記録ディスクが損傷すると、調整の信頼性が低下するという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、レーザ光源と受光素子との相対位置を調整するのに、大掛かりな設備や多大な手間を必要とせず、かつ、常に信頼性の高い調整を行うことのできる光ヘッド装置の製造方法およびその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、レーザ光源と、受光素子と、対物レンズと、前記レーザ光源からの出射光をコリメート光として前記対物レンズに導くコリメートレンズを含み、前記対物レンズを経てくる前記光記録ディスクからの戻り光を前記受光素子に導く導光系とを有する光ヘッド装置の製造方法において、前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整する調整工程では、前記光記録ディスクに相当する位置にミラーからなる擬似ディスクを配置するとともに、当該擬似ディスクと前記導光系との間に結像レンズを配置した状態で前記レーザ光源からレーザ光を出射して前記擬似ディスクにスポットを形成するとともに、前記擬似ディスクからの戻り光の前記受光素子での検出結果に基づいて、前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整することを特徴とする。
【0007】
本発明では、レーザ光源と、受光素子と、対物レンズと、前記レーザ光源からの出射光をコリメート光として前記対物レンズに導くコリメートレンズを含み、前記対物レンズを経てくる前記光記録ディスクからの戻り光を前記受光素子に導く導光系とを有する光ヘッド装置の製造工程のうち、前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整する調整工程で用いられる光ヘッド装置製造装置であって、前記光記録ディスクに相当する位置で前記レーザ光源から出射されたレーザ光のスポットが形成されるミラーからなる擬似ディスクを有し、前記擬似ディスクからの戻り光が前記受光素子で検出されることを特徴とする。
【0008】
本発明では、実際の光記録ディスクを用いず、光記録ディスクに相当する位置にミラーからなる擬似ディスクを配置し、擬似ディスクからの戻り光の受光素子での検出結果に基づいて、レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整するため、かかる調整工程を行う際には、光記録ディスクの駆動装置、光ディスクのチルト調整機構、フォーカスサーボ回路、トラックサーボ回路などの機構や回路が不要である。従って、光ヘッド装置の機種が変更した場合でも、多大な手間をかけてサーボ回路をチューニングする必要もない。しかも、傷や埃が付着しやすい光記録ディスクを調整工程で使用する必要がないので、常に信頼性の高い調整を行うことができる。
【0009】
本発明において、前記調整工程を行う際、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズよりも焦点の長いレンズを前記結像レンズとして配置することが好ましい。
【0010】
本発明において、前記調整工程を行う際、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズを前記結像レンズとして配置することが好ましい。
【0011】
この場合、前記調整工程を行う際、前記光記録ディスクにおいて記録層表面に形成されている透明保護層の厚さに相当する厚さの透光板を前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に配置することが好ましい。
【0012】
ここで、前記光ヘッド装置は、前記レーザ光源として、記録層表面に形成されている透明保護層の厚さが厚い第1の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための長波長のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記第1の光記録ディスクと比較して前記透明保護層の厚さが薄い第2の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための短波長のレーザ光を出射する第2のレーザ光源とを備える場合、前記対物レンズには、前記第1の光記録ディスクおよび前記第2の光記録ディスクの前記透明保護層の厚さに対応する収差が付されている。
【0013】
従って、前記調整工程を行う際、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、厚さの異なる透光板を前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に配置することが好ましい。あるいは、前記調整工程を行う際、複数枚の透光板を準備しておき、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に異なる枚数の前記透光板を配置してもよい。あるいは、前記調整工程を行う際、領域によって厚さの異なる透光板を準備しておき、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に位置する前記透光板の領域を相違させてもよい。
【0014】
本発明において、前記擬似ディスクとして、レーザ光を部分透過するハーフミラーが用いられ、前記擬似ディスクに形成されるスポットを当該擬似ディスクの背面側から観察する擬似ディスク観察装置を有することが好ましい。すなわち、前記擬似ディスクとして、レーザ光を部分透過するハーフミラーを用いるとともに、前記擬似ディスクに形成されるスポットを当該擬似ディスクの背面側から観察する擬似ディスク観察装置を配置し、該擬似ディスク観察装置での観察結果に基づいて、前記擬似ディスクと前記結像レンズとの相対位置を調整することが好ましい。
【0015】
なお、本発明では、収差を考慮して、擬似ディスクをレーザ光の合焦位置からずらした状態で調整工程を行ってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、光記録ディスクに相当する位置にミラーからなる擬似ディスクを配置し、擬似ディスクからの戻り光の受光素子での検出結果に基づいて、レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整するため、かかる調整工程を行う際には、光記録ディスクの駆動装置、光ディスクのチルト(傾き)調整機構、フォーカスサーボ回路、トラックサーボ回路などの機構や回路が不要である。従って、光ヘッド装置の機種が変更した場合でも、多大な手間をかけてサーボ回路をチューニングする必要もない。しかも、傷や埃が付着しやすい光記録ディスクを調整工程で使用する必要がないので、常に信頼性の高い調整を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
[光ヘッド装置の概略構成]
図1は、光ヘッド装置の光学系の要部を示す説明図である。図1において、本形態の光ヘッド装置1は、CD、CD−R、DVDなど、基板厚さや記録密度が異なる複数種類の光記録ディスク4に対して情報の再生、記録を行うものである。そのために、光ヘッド装置1は、CDなどの第1の光記録ディスクの記録再生に用いる中心波長が785nmの第1のレーザL1を出射する第1のレーザ光源11と、DVDなどの第2の光記録ディスクの記録再生に用いる波長が655nmの第2のレーザL2を出射する第2のレーザ光源12とを備えている。各レーザ光L1、L2は共通の導光系Loを介して共通の対物レンズ3に導かれ、対物レンズ3によって、光記録ディスク4に集光すると共に、光記録ディスク4で反射された各レーザ光束の戻り光は、対物レンズ3および導光系Loを経て共通の受光素子25に導かれる。このように構成した光ヘッド装置1において、各光学素子は、共通の装置フレーム(図示せず)に搭載されている。なお、対物レンズ3は、対物レンズ駆動装置(図示せず)を介して装置フレームに搭載されている。
【0019】
導光系Loには、第1のレーザL1を直進させ、第2のレーザL2を反射させて双方の光を共にシステム光軸L(対物レンズの光軸)に一致させる第1のビームスプリッタ21と、システム光軸Lに沿って進むレーザL1、L2を通過させる第2のビームスプリッタ22と、この第2のビームスプリッタ22を通過したレーザ光L1、L2を平行光化するコリメートレンズ23とが含まれている。なお、対物レンズ3の前段にはアパーチャ26が配置されている。
【0020】
このような導光系Loによって、各レーザ光束L1、L2は、対物レンズ3に導かれる。そして、対物レンズ3によって、第1の光記録ディスク4としてのCD41の記録面41aに対して第1のレーザ光L1のビームスポットが形成され、第2の光記録ディスク4としてのDVD42の記録面42aに対して第2のレーザ光L2のビームスポットがDVD42の記録面上に形成される。
【0021】
また、光記録ディスク4(CD41、DVD42)に集光された第1および第2のレーザ光L1、L2はそれぞれ、光記録ディスク4で反射された後、共通の集光光学系Loを戻り光として逆に辿り、第2のビームスプリッタ22において反射されて受光素子25に集光する。そして、受光素子25で検出された信号により光記録ディスク4(CD41、DVD42)の情報再生等が行われる。なお、受光素子25と第2のビームスプリッタ22との間にはセンサーレンズ27が配置されている。また、第1のビームスプリッタ21と第1のレーザ光源11との間にはグレーティング28が配置され、第1のビームスプリッタ21と第2のレーザ光源12との間にはグレーティング29が配置されている。
【0022】
本形態の光ヘッド装置1において、対物レンズ3は、第1のレーザ光源11および第2のレーザ光源12から出射されたレーザ光L1、L2が入射する正のパワーを備えた入射側屈折面と、光記録ディスク4に向けてレーザ光束を出射する出射側屈折面を備えた凸レンズである。対物レンズ3においては、例えば、入射側屈折面は、光軸Lを中心にして同心円状に光軸Lを含む円形の中心側屈折面領域と、この中心側屈折面領域の外周を環状に囲んでいる外周側屈折面領域とに二分割されており、中心側屈折面領域と外周側屈折面領域との境界部分は、NA=0.45〜0.55に相当する位置である。また、中心側屈折面領域の全域に亘っては、同心円状の複数の微細な段差によって中心側回折格子が形成されており、この中心側回折格子は、当該領域を通過する第1のレーザ光L1の回折光束のビームスポットをCD41の記録面上に形成する回折特性を備えているとともに、当該領域を通過する第2のレーザ光L2の回折光束のビームスポットをDVD42の記録面上に形成する回折特性を備えている。これに対して、対物レンズ3の外周側屈折面領域は、第2のレーザ光L2における当該領域を通る光束部分のビームスポットをDVD42の記録面上に形成する屈折力を有している。
【0023】
[光ヘッド装置1の製造方法]
このように構成した光ヘッド装置1を製造するにあたって、本形態では、まず、装置フレーム上に導光系Loを搭載した後、第2のレーザ光源12を搭載し、次に、第1の位置調整工程において、第2のレーザ光源12を基準にセンサーレンズ27および受光素子25の位置調整を行った後、第2の位置調整工程において、第2のレーザ光源12を基準に第1のレーザ光源11の位置調整を行う。そこで、以下に、第1の位置調整工程でのセンサーレンズ27および受光素子26の位置調整方法、およびそれに用いる第1の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)を説明した後、第2の位置調整工程での第2のレーザ光源12の位置調整方法、およびそれに用いる第2の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)を説明する。なお、以下の説明においては、レーザ光の光軸Lに沿う方向をZ方向とし、このZ方向に対して垂直な2方向をXY方向としてある。
【0024】
(第1の位置調整装置および第1の位置調整工程)
図2および図3はそれぞれ、本発明を適用した第1の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)の構成を示す説明図、およびその要部を示す説明図である。図4は、図2に示す第1の位置調整装置で位置調整作業を行う際の製造途中品の様子を示す説明図である。
【0025】
図2において、本形態の第1の位置調整装置100は、装置フレーム上に導光系Loおよび第2のレーザ光源12を搭載した製造途中品1′を設置するための試料台110と、第2のレーザ光源12を駆動するための電源190と、受光素子25からの出力信号を処理するための信号処理回路180と、製造途中品1′に向けて配置された低倍率撮像装置120、高倍率撮像装置130、および擬似ディスク撮像装置140と、これらから得られたデータを画像処理する画像処理装置150とを有している。
【0026】
まず、低倍率撮像装置120は、コリメート光源121およびアパーチャ122を備えたレーザオートコリメータであって、コリメート光源121から出射されたレーザ光を基準に約±2°の光線角度で平行度を計測して試料台110の向きなどを調整するのに用いられる。また、低倍率撮像装置120は、フィルタ123、レンズ124、および撮像素子125を備えており、各光路を構成するミラーやハーフミラーなどの偏向素子126も備えている。なお、低倍率撮像装置120に対しては、コリメート光源121を駆動するための電源128が設けられている。
【0027】
高倍率撮像装置130は、フィルタ131、結像レンズ132、モニタ用受光素子133、および撮像素子134を備えており、略コリメート光の角度や平行度を確認するためのコリメータである。なお、高倍率撮像装置130は、ハーフミラーからなる偏向素子136も備えている。
【0028】
図2および図3に示すように、擬似ディスク撮像装置140(擬似ディスク観察装置)は、ビームスプリッタ141、アパーチャ149を備えた結像レンズ142、擬似ディスク143、顕微鏡対物レンズ144、フィルタ145、顕微鏡結像レンズ146、および撮像素子147を備えている。ここで、擬似ディスク143は、レーザ光を部分透過可能なハーフミラーから構成されている。結像レンズ142としては、後述するように、光ヘッド装置1の対物レンズ3を用いることができるが、本形態では、対物レンズ3より焦点距離の長いレンズが用いられている。
【0029】
このように構成した第1の位置調整装置100において、撮像装置120、130、150での撮像結果は、画像処理装置150に出力されるようになっており、画像処理装置150は、ROMなどに格納された所定のプログラムに基づいてデータ処理などの動作を行うデータ処理装置159と、このデータ処理装置159での処理結果などを表示する表示装置155とを備えている。ここで、表示装置155は、4つの表示領域151、152、153、154を備えており、第1の表示領域151では、高倍率撮像装置130で得られた高倍率画像などが表示され、第2の表示領域152では、低倍率撮像装置120で得られた低倍率画像などが表示され、第3の表示領域153では、信号処理回路180での信号処理結果(PDIC信号)が表示され、第4の表示領域154では、擬似ディスク撮像装置140で得られた画像などが表示される。なお、画像処理装置150は、撮像装置120、130、150に対するカメラ電源161、162、163も備えている。
【0030】
このように構成した第1の位置調整装置100を用いて、第2のレーザ光源12と、センサーレンズ27および受光素子25との相対位置を調整するにあたって、本形態では、まず、図4に示すように、装置フレーム上に導光系Loおよび第2のレーザ光源12を搭載した製造途中品1′を試料台110に設置するとともに、低倍率撮像装置120のコリメート光源121から出射されたコリメート光を基準に試料台110の向きなどを調整する。この時点では、センサーレンズ127および受光素子25を所定の治具に保持されているだけであり、装置フレーム上に固定されていない。
【0031】
次に、第2のレーザ光源12を点灯させると、第2のレーザ光源12から出射された光は、導光系Loを介して擬似ディスク撮像装置140の擬似ディスク143に向けて出射される。この時点では、対物レンズ3が搭載されていないため、製造途中品1′から出射される光は、コリメートレンズ23から出射された略コリメート光であるが、このコリメート光は、結像レンズ142によって擬似ディスク143に収束する。なお、コリメートレンズ23から出射される略コリメート光は、その角度や平行度が高倍率撮像装置130によって観察され、その観察結果に基づいて、第2のレーザ光源12の位置などが調整される。
【0032】
次に、擬似ディスク撮像装置140では、撮像素子147が、擬似ディスク143に形成されたスポットを擬似ディスク143の背面側から撮像し、その撮像結果は、表示装置155の第4の表示領域154に表示される。そこで、本形態では、第4の表示領域154で表示された画像をみながら、結像レンズ142と擬似ディスク143との相対位置を調整し、コリメートレンズ23から出射されたコリメート光を擬似ディスク143上で合焦させる。
【0033】
このようにして、第2のレーザ光源12と擬似ディスク143とを共役状態に配置すると、光記録ディスク4に相当する位置に擬似ディスク143が位置することになり、この状態は、光ヘッド装置1で光記録ディスク4の記録や再生を行う状態と同様である。従って、擬似ディスク143からの戻り光は、受光素子25に収束しながら導かれる。
【0034】
それ故、受光素子25の位置(X方向、Y方向およびZ方向)を調整して受光素子25での検出信号が所定の条件(光軸からのずれを表す信号Px、Py、および光軸方向のずれを表す信号EFのいずれもが0)となるように、センサーレンズ27および受光素子25の位置を調整すると、光軸方向において、第2のレーザ光源12、擬似ディスク143、および受光素子25が共役状態に配置されたことになり、この状態は、光ヘッド装置1が完成した状態と同様である。従って、かかる調整を行った後、センサーレンズ27および受光素子25を装置フレームに接着固定する。
【0035】
以上説明したように、本形態では、第2のレーザ光源12を基準に受光素子25の位置を調整する場合でも、実際の光記録ディスク4を用いず、光記録ディスク4に相当する位置にミラーからなる擬似ディスク143を配置し、擬似ディスク143からの戻り光の受光素子25での検出結果に基づいて、第2のレーザ光源12と受光素子25との相対位置を調整する。このため、かかる調整工程を行う際には、光記録ディスク4の駆動装置、光記録ディスク4のチルト調整機構、フォーカスサーボ回路、トラックサーボ回路などの機構や回路が不要である。それ故、光ヘッド装置1の機種が変更した場合でも、多大な手間をかけてサーボ回路をチューニングする必要もない。しかも、傷や埃が付着しやすい光記録ディスク4を調整工程で使用する必要がないので、常に信頼性の高い調整を行うことができる。
【0036】
また、本形態では、結像レンズ142としては、光ヘッド装置1の対物レンズ3を用いることができるが、本形態では、焦点距離の長いレンズが用いられているため、NAが小さい状態で光束を扱える。それ故、擬似ディスク143や他の光学素子の収差の影響を受けにくい。また、スポットの焦点深度が深いので、焦点の調整精度を落とすことができるので、収差位相差板が不要である。また、第2のレーザ光源12の調整を行う場合も第1のレーザ光源11の調整を行う場合も同様な構成で対応できるという利点がある。
【0037】
(第2の位置調整装置および第2の位置調整工程)
図5は、本発明を適用した第2の位置調整装置の構成を示す説明図である。図6は、図5に示す第2の位置調整装置で位置調整作業を行う際の製造途中品の様子を示す説明図である。
【0038】
図5において、本形態の第2の位置調整装置200は、図2を参照して説明した第1の位置調整装置100に部品を追加して、あるいは全く別体の装置として構成されるが、その基本的な構成は、第1の位置調整装置100と同様である。すなわち、第2の位置調整装置200は、装置フレーム上に導光系Lo、第2のレーザ光源12および第1のレーザ光源11を搭載した製造途中品1″を設置するための試料台210と、第1のレーザ光源11を駆動するための電源291と、第2のレーザ光源12を駆動するための電源292と、受光素子25からの出力信号を処理するための信号処理回路280と、製造途中品1″に向けて配置された低倍率撮像装置220、高倍率撮像装置230、パワー分布撮像装置270および擬似ディスク撮像装置240と、これらから得られたデータを画像処理する画像処理装置250とを有している。なお、試料台210上にはアパーチャ212が配置されている。
【0039】
低倍率撮像装置220は、コリメート光源221およびアパーチャ222を備えたレーザオートコリメータであって、コリメート光源221から出射されたレーザ光を基準に約±2°の光線角度で平行度を計測して試料台210の向きなどを調整するのに用いられる。また、低倍率撮像装置220は、フィルタ223、レンズ224、および撮像素子225を備えており、各光路を構成するミラーやハーフミラーなどの偏向素子226も備えている。なお、低倍率撮像装置220に対しては、コリメート光源221を駆動するための電源228が設けられている。
【0040】
高倍率撮像装置230は、フィルタ231、結像レンズ232、モニタ用受光素子233、および撮像素子234を備えており、略コリメート光の角度や平行度を確認するためのコリメータである。なお、高倍率撮像装置230は、ハーフミラーからなる偏向素子236も備えている。
【0041】
パワー分布撮像装置270は、ビームスプリッタ271、モニタ用受光素子272、フィルタ273、結像レンズ274、エクステンションチューブ275、および撮像素子276を備えている。なお、パワー分布撮像装置270は、ハーフミラーからなる偏向素子277も備えている。
【0042】
擬似ディスク撮像装置240は、ビームスプリッタ241、アパーチャ(図3参照)を備えた結像レンズ242、擬似ディスク243、顕微鏡対物レンズ244、フィルタ245、顕微鏡結像レンズ246、および撮像素子247を備えている。ここで、擬似ディスク243は、レーザ光を部分透過可能なハーフミラーから構成されている。結像レンズ242としては、後述するように、光ヘッド装置1の対物レンズ3を用いることができるが、本形態では、対物レンズ3より焦点距離の長いレンズが用いられている。
【0043】
このように構成した第2の位置調整装置200において、撮像装置220、230、250、270での撮像結果は、画像処理装置250に出力されるようになっており、画像処理装置250は、ROMなどに格納された所定のプログラムに基づいてデータ処理などの動作を行うデータ処理装置259と、このデータ処理装置259での処理結果などを表示する表示装置255とを備えている。ここで、表示装置255は、4つの表示領域251、252、253、254を備えており、第1の表示領域251では、高倍率撮像装置230で得られた高倍率画像などが表示され、第2の表示領域252では、低倍率撮像装置220で得られた低倍率画像などが表示され、第3の表示領域253では、信号処理回路280での信号処理結果(PDIC信号)が表示され、第4の表示領域254では、擬似ディスク撮像装置240で得られた画像などが表示される。なお、画像処理装置150は、撮像装置220、230、250、270に対するカメラ電源261、262、263、264も備えている。
【0044】
このように構成した第2の位置調整装置200を用いて、第1のレーザ光源11と受光素子25との相対位置を調整するにあたって、本形態では、図6に示すように、装置フレーム上に導光系Lo、第1のレーザ光源11、および第2のレーザ光源12を搭載した製造途中品1″を試料台210に設置するとともに、低倍率撮像装置220のコリメート光源221から出射されたコリメート光を基準に試料台210の向きなどを調整する。この時点では、第2のレーザ光源12、センサーレンズ227および受光素子12などは装置フレーム上に固定されているが、第1のレーザ光源11は、治具などに保持されているだけであり、装置フレーム上に固定されていない。
【0045】
次に、第1のレーザ光源11を点灯させると、第1のレーザ光源11から出射された光は、導光系Loを介して擬似ディスク撮像装置240の擬似ディスク243に向けて出射される。この時点では、対物レンズ3が搭載されていないため、製造途中品1″から出射される光は、コリメートレンズ23から出射された略コリメート光であるが、このコリメート光は、結像レンズ242によって擬似ディスク243に収束する。
【0046】
次に、擬似ディスク撮像装置240では、撮像素子247が、擬似ディスク243に形成されたスポットを擬似ディスク243の背面側から撮像し、その撮像結果は、表示装置255の第4の表示領域254に表示される。そこで、本形態では、第4の表示領域254で表示された画像をみながら、結像レンズ242と擬似ディスク243との相対位置を調整し、コリメートレンズ23から出射されたコリメート光を擬似ディスク243上で合焦させる。その際、第1のレーザ光源11については、パワー分布を調整する必要があるので、アパーチャ212を介して出射された光束を高倍率撮像装置230、低倍率撮像装置220およびパワー分布撮像装置270で撮像し、その撮像結果(スポットやパワー分布)を第2の表示領域252および第3の表示領域253に表示しながら、高倍率撮像装置230で撮像した第1の表示領域251の画像内にスポットが出現するようにパワー分布を調整する。
【0047】
このようにして、第1のレーザ光源11と擬似ディスク143とを共役状態に配置すると、光記録ディスク4に相当する位置に擬似ディスク243が位置することになり、この状態は、光ヘッド装置1で光記録ディスク4の記録や再生を行う状態と同様である。従って、擬似ディスク243からの戻り光は、受光素子25に収束しながら導かれる。
【0048】
それ故、受光素子25での検出信号が所定の条件となるように、第1のレーザ光源11の位置(X方向、Y方向、Z方向、X方向における傾き角θxやY方向の傾き角θy)を調整すると、光軸方向において、第1のレーザ光源11、第2のレーザ光源12、擬似ディスク143、および受光素子25が共役状態に配置されたことになり、この状態は、光ヘッド装置1が完成した状態と同様である。従って、かかる調整を行った後、第1のレーザ光源11を装置フレームに接着固定する。
【0049】
以上説明したように、本形態では、受光素子25を基準に第1のレーザ光源11の位置を調整する場合でも、実際の光記録ディスク実際の光記録ディスク4を用いず、光記録ディスク4に相当する位置にミラーからなる擬似ディスク243を配置し、擬似ディスク243からの戻り光の受光素子25での検出結果に基づいて、第1のレーザ光源11と受光素子25との相対位置を調整する。このため、かかる調整工程を行う際には、光記録ディスク4の駆動装置、光記録ディスク4のチルト調整機構、フォーカスサーボ回路、トラックサーボ回路などの機構や回路が不要である。それ故、光ヘッド装置1の機種が変更した場合でも、多大な手間をかけてサーボ回路をチューニングする必要もない。しかも、傷や埃が付着しやすい光記録ディスク4を調整工程で使用する必要がないので、常に信頼性の高い調整を行うことができる。
【0050】
また、本形態では、結像レンズ242としては、光ヘッド装置1の対物レンズ3を用いることができるが、本形態では、焦点距離の長いレンズが用いられているため、NAが小さい状態で光束を扱える。それ故、擬似ディスク143や他の光学素子の収差の影響が受けにくい。また、スポットの焦点深度が深いので、焦点の調整精度を落とすことができるので、収差位相差板が不要である。また、第2のレーザ光源12の調整を行う場合も第1のレーザ光源11の調整を行う場合も同様な構成で対応できるという利点がある。
【0051】
(位置調整装置および位置調整工程の変形例)
上記形態では、調整工程を行う際、擬似ディスク143と製造途中品1′、1″の導光系Loとの間には、対物レンズ3よりも焦点の長いレンズを結像レンズ142、242として配置したが、図7(a)、(b)に示すように、擬似ディスク143、243と製造途中品1′、1″の導光系Loとの間に対物レンズ3を結像レンズとして配置してもよい。このように、擬似ディスク143、243に対する結像レンズ142、242として対物レンズ3を用いると、実動作に近い状況で、第1のレーザ光源11と受光素子25との相対位置、および第2のレーザ光源12と受光素子25との相対位置を調整できる。
【0052】
但し、対物レンズ3は、焦点が短く、かつ、CD41とDVD42との間で共用されているため、光記録ディスク4の透明保護層の厚さに相当する収差が付与されている。従って、対物レンズ3を擬似ディスク143、243に対する結像レンズとして用いる場合には、第2のレーザ光源12と受光素子25との相対位置の調整を行うときには、DVD42の透明保護層に対応する厚さの透光板を収差補正板50として配置することが好ましい。また、第2のレーザ光源42と受光素子25との相対位置の調整を行うときと、第1のレーザ光源41と受光素子25との相対位置の調整を行うときとでは、厚さの異なる透光板(収差補正板50)を対物レンズ3(結像レンズ)と擬似ディスク143、243との間に配置する。
【0053】
また、調整工程を行う際、複数枚の透光板を準備しておき、第1のレーザ光源41と受光素子25との相対位置の調整を行うときと、第2のレーザ光源42と受光素子25との相対位置の調整を行うときとでは、対物レンズ3(結像レンズ)と擬似ディスク143、243との間に異なる枚数の透光板を配置し、それを収差補正板50として配置してもよい。
【0054】
さらには、領域によって厚さの異なる透光板(収差補正板50)を準備しておき、第1のレーザ光源41と受光素子25との相対位置の調整を行うときと、第2のレーザ光源42と受光素子25との相対位置の調整を行うときとでは、対物レンズ3(結像レンズ)と擬似ディスク143との間に位置する透光板(収差補正板50)の領域を相違させてもよい。
【0055】
なお、上記形態では、擬似ディスクをレーザ光の合焦位置に配置したが、収差を考慮して、擬似ディスクをレーザ光の合焦位置からずらした状態で調整工程を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】光ヘッド装置の要部を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した第1の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)の構成を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した第1の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)の要部を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した第1の位置調整装置で位置調整作業を行う際の製造途中品の様子を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した第2の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)の構成を示す説明図である。
【図6】本発明を適用した第2の位置調整装置で位置調整作業を行う際の製造途中品の様子を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した別の位置調整装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 光ヘッド装置
1′、1″ 製造途中品
3 対物レンズ
4 光記録ディスク
11 第1のレーザ光源
12 第2のレーザ光源12
25 受光素子
50 収差補正板
100 第1の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)
120、220 低倍率撮像装置
130、230 高倍率撮像装置
140、240 擬似ディスク撮像装置(擬似ディスク観察装置)
142、242 結像レンズ
143、243 擬似ディスク
200 第2の位置調整装置(光ヘッド装置製造装置)
270 パワー分布撮像装置
Lo 導光系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、受光素子と、対物レンズと、前記レーザ光源からの出射光をコリメート光として前記対物レンズに導くコリメートレンズを含み、前記対物レンズを経てくる前記光記録ディスクからの戻り光を前記受光素子に導く導光系とを有する光ヘッド装置の製造方法において、
前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整する調整工程では、前記光記録ディスクに相当する位置にミラーからなる擬似ディスクを配置するとともに、当該擬似ディスクと前記導光系との間に結像レンズを配置した状態で前記レーザ光源からレーザ光を出射して前記擬似ディスクにスポットを形成するとともに、前記擬似ディスクからの戻り光の前記受光素子での検出結果に基づいて、前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記調整工程を行う際、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズよりも焦点の長いレンズを前記結像レンズとして配置することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、前記調整工程を行う際、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズを前記結像レンズとして配置することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、前記調整工程を行う際、前記光記録ディスクにおいて記録層表面に形成されている透明保護層の厚さに相当する厚さの透光板を前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に配置することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3において、前記光ヘッド装置は、前記レーザ光源として、記録層表面に形成されている透明保護層の厚さが厚い第1の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための長波長のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記第1の光記録ディスクと比較して前記透明保護層の厚さが薄い第2の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための短波長のレーザ光を出射する第2のレーザ光源とを備えるとともに、前記対物レンズには、前記第1の光記録ディスクおよび前記第2の光記録ディスクの前記透明保護層の厚さに対応する収差が付されており、
前記調整工程を行う際、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、厚さの異なる透光板を前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に配置することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項6】
請求項3において、前記光ヘッド装置は、前記レーザ光源として、記録層表面に形成されている透明保護層の厚さが厚い第1の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための長波長のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記第1の光記録ディスクと比較して前記透明保護層の厚さが薄い第2の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための短波長のレーザ光を出射する第2のレーザ光源とを備えるとともに、前記対物レンズには、前記第1の光記録ディスクおよび前記第2の光記録ディスクの前記透明保護層の厚さに対応する収差が付されており、
前記調整工程を行う際、複数枚の透光板を準備しておき、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に異なる枚数の前記透光板を配置することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項7】
請求項3において、前記光ヘッド装置は、前記レーザ光源として、記録層表面に形成されている透明保護層の厚さが厚い第1の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための長波長のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記第1の光記録ディスクと比較して前記透明保護層の厚さが薄い第2の光記録ディスクの記録および/または再生を行うための短波長のレーザ光を出射する第2のレーザ光源とを備えるとともに、前記対物レンズには、前記第1の光記録ディスクおよび前記第2の光記録ディスクの前記透明保護層の厚さに対応する収差が付されており、
前記調整工程を行う際、領域によって厚さの異なる透光板を準備しておき、前記第1のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときと、前記第2のレーザ光源と前記受光素子との相対位置の調整を行うときとでは、前記結像レンズと前記擬似ディスクとの間に位置する前記透光板の領域を相違させることを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記擬似ディスクとして、レーザ光を部分透過するハーフミラーを用いるとともに、前記擬似ディスクに形成されるスポットを当該擬似ディスクの背面側から観察する擬似ディスク観察装置を配置し、
該擬似ディスク観察装置での観察結果に基づいて、前記擬似ディスクと前記結像レンズとの相対位置を調整することを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
【請求項9】
レーザ光源と、受光素子と、対物レンズと、前記レーザ光源からの出射光をコリメート光として前記対物レンズに導くコリメートレンズを含み、前記対物レンズを経てくる前記光記録ディスクからの戻り光を前記受光素子に導く導光系とを有する光ヘッド装置の製造工程のうち、前記レーザ光源と前記受光素子との相対位置を調整する調整工程で用いられる光ヘッド装置製造装置であって、
前記光記録ディスクに相当する位置で前記レーザ光源から出射されたレーザ光のスポットが形成されるミラーからなる擬似ディスクを有し、
前記擬似ディスクからの戻り光が前記受光素子で検出されることを特徴とする光ヘッド装置製造装置。
【請求項10】
請求項9において、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズよりも焦点の長いレンズを前記結像レンズとして配置されることを特徴とする光ヘッド装置製造装置。
【請求項11】
請求項9において、前記擬似ディスクと前記導光系との間には、前記対物レンズが前記結像レンズとして配置されることを特徴とする光ヘッド装置製造装置。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかにおいて、前記擬似ディスクとして、レーザ光を部分透過するハーフミラーが用いられ、前記擬似ディスクに形成されるスポットを当該擬似ディスクの背面側から観察する擬似ディスク観察装置を有することを光ヘッド装置製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−209906(P2006−209906A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23907(P2005−23907)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】