説明

光モジュールおよび光スイッチ装置

【課題】光部品点数を削減させ装置コストを低減させるとともに、部品点数を削減させることで光損失を低減させる。
【解決手段】半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチ21〜28が複数個並列配置された光ゲートアレイ2と、光ゲートアレイ2をなす光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ接続される複数の第1ポート3−1とともに第1ポート3−1との間で光の分配/合流を行なうための第2ポート3−2をそなえてなる分配/合流部3と、分配/合流部3における第2ポート3−2に接続された光増幅器4と、を一体に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信システムにおいて用いて好適の、光モジュールおよび光スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)は、光スイッチとして高速に動作可能であることから、光通信システムにおいて高速に光方路を切り替える光スイッチング素子として適用されることが有望視されている。単一のSOAは光ゲートスイッチ、即ち1×1光スイッチとして動作させることが可能であるが、これらを複数個(n個)並列させて用いることにより、例えば図19に示すようなn×1(又は1×n)光スイッチ100として構成することができる。
【0003】
ここで、この図19に示す光スイッチ100は、別個の光モジュールとして構成された光ゲートアレイ101,光カプラ102およびSOA103が光ファイバを介して光学的に結合されている。光ゲートアレイ101は、n個(図19の場合においては8個)の光ゲートスイッチとしてのSOA101aが並列に配置されて構成される。そして、光ゲートアレイ101をなす各SOA101aの光入出力端には光アイソレータ104a,104bが介装され、SOA103の光入出力端にも光アイソレータ104c,104dが介装されている。
【0004】
これにより、図19に示す光スイッチ100が8×1光スイッチとして構成される場合には、光ゲートアレイ101における8個のSOA101aでは、それぞれ光アイソレータ104aを通じて入力される8個の入力光のうちで、いずれか一つを光カプラ102側へ導通させ、他の入力光については遮断させる。そして、光カプラ102では光ゲートアレイ101からの光をSOA103に出力し、SOA103においては、光ゲートアレイ101からの光が光カプラ102を導通したときの光の損失分を補償するために適宜増幅される。
【0005】
また、図19に示す光スイッチ100が1×8光スイッチとして構成される場合には、前述の8×1光スイッチとする場合における光の入出力を逆にする。即ち、SOA103において、光アイソレータ104dを通じて入力される光について増幅して、光カプラ102で8分岐する。そして、光ゲートアレイ101における8個のSOA101aにおいて、光カプラ102で8分岐された光をそれぞれ入力され、これら8分岐された光のうちのいずれか一つを出力光として光アイソレータ104a側に導通させ、他の光については遮断させることができる。
【0006】
なお、光アイソレータ104a〜104dは、光ゲートアレイ101からSOA103に向かう方向の光のみを透過させ、反対方向の光は遮断させるためのものであり、これにより、SOA101a,103に反射光が戻らないようにして、レーザ発振を生じさせないようにすることができる。
すなわち、光アイソレータ104a〜104dは、8×1光スイッチ100とする場合においては、光ゲートアレイ101からSOA103に向かう方向の光を透過させ、SOA103から光ゲートアレイ101に向かう方向の光については遮断させるようになっている。一方、1×8光スイッチ100とする場合においては、SOA103から光ゲートアレイ101に向かう方向の光を透過させ、光ゲートアレイ101からSOA103に向かう方向の光については遮断させるようになっている。
【0007】
その他、本願発明に関連する公知技術としては、下記の非特許文献1,2に記載された技術もある。
【非特許文献1】IEEE Photonic Technology Letters Vol.10, No.1 pp162-164(1998) Single-Mode to Multi-mode Combiner
【非特許文献2】Optical Fiber Communication Conference PD4.1-4.4 1998 Title, Lossless Hybrid integrated 8-ch optical wavelength selector module using PLC platform and PLC-PLC direct attachment technique
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の図19に示す技術においては、光ゲートアレイ101をなすSOA101aでのゲートスイッチ機能のための増幅特性やSOA103での増幅特性を良好に保つために、光アイソレータを光伝搬路上に介装する必要があるため、部品点数が増加するために装置コストが増大したり、光挿入損失が増大するために光スイッチ特性の向上に支障が生じたりする場合がある。
【0009】
特に、光通信システムにおいては、このような半導体増幅器が多段に接続されるような光スイッチを適用することが考えられるが、このような光スイッチにおいては、上述のごとき部品点数の増加による装置コストが増大することや、光部品点数の増大による光挿入損失が増大することは重要な課題となってくる。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、光部品点数を削減させ装置コストを低減させるとともに、部品点数を削減させることで光損失を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本発明の光モジュールは、半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置された光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成されたことを特徴としている。
【0011】
また、好ましくは、該光ゲートアレイは、該複数のゲートスイッチにそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかる光ゲートスイッチに対応する第1ポートを通じて該分配/合流部に出力させるとともに、該光増幅器が、該分配/合流部の該第2ポートから入力された前記導通光を増幅して出力することとしてもよい。
さらに、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力することとしてもよい。
【0012】
また、本発明の光スイッチ装置は、m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、各m×1光合流部が、該m個の1×n光分配部からのm個の光のうちのいずれかを出力することにより、各m個の入力ポートからの光のうちのいずれかを、該当出力ポートへ出力させるm×1光スイッチ部として構成され、各m×1光スイッチ部が、半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなる光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光ゲートアレイは、該複数のゲートスイッチにそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかるゲートスイッチに対応する第1ポートを通じて該分配/合流部に出力させるとともに、該光増幅器が、該分配/合流部の該第2ポートから入力された前記導通光を増幅して出力する合流側光モジュールとして構成されたことを特徴としている。
【0013】
この場合においては、各m×1光スイッチ部が、該m個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該m個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるm個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の合流側光モジュールとして構成することとしてもよい。
【0014】
また、各m×1光スイッチ部が、該m個の1×n光分配部からのm個の光について、m>qのq個の方路に一次合流しうる一次合流部と、該一次合流部で合流されたq個の方路について更に1個の方路に合流させる二次合流部をそなえ、該一次合流部が、該複数であるp個の光ゲートスイッチが並列配置されてなる光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該p個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるp個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された合流側光モジュールを、q個並列配置して構成され、各q個の各合流側光モジュールが、該m個の1×n光分配部からのm個の光について前記p個ずつ取り込むとともに、前記q個の合流側光モジュールが協働することにより、前記m個の光のうちで該当出力ポートに出力すべき光を選択することとすることができる。
【0015】
さらに、各1×n光分配部が、複数の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールとして構成することができる。
【0016】
また、この場合においては、各1×n光分配部が、該n個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該n個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるn個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の分配側光モジュールとして構成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該n個の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該n個の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された光のうちのいずれかを導通光として出力することとしてもよい。
【0017】
さらに、各1×n光分配部が、対応する入力ポートからの入力光をs個に一次分配する一次分配部をそなえるとともに、該一次分配部で分配されたs個の光について更にr個にそれぞれ分配しうる二次分配部をそなえ、該二次分配部が、前記r個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該r個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるr個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された分配側光モジュールを、前記s個並列配置して構成されるとともに、各s個の分配側光モジュールが協働することにより、該一次分配部からの光について出力すべき出力ポートを選択することもできる。
【0018】
また、本発明の光スイッチ装置は、m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、各1×n光分配部が、入力ポートからの光について前記n個の出力ポートのいずれかに通じるm×1光合流部に出力させる1×n光スイッチ部として構成され、各1×n光スイッチ部が、半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールを、少なくとも一つそなえたことを特徴としている。
【0019】
この場合においては、各1×n光分配部が、該n個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該n個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるn個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の分配側光モジュールとして構成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該n個の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該n個の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力することができる。
【0020】
さらに、各1×n光分配部が、対応する入力ポートからの入力光をs個に一次分配する一次分配部をそなえるとともに、該一次分配部で分配されたs個の光について更にr個にそれぞれ分配しうる二次分配部をそなえ、該二次分配部が、前記r個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該r個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるr個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された分配側光モジュールを、前記s個並列配置して構成されるとともに、各s個の分配側光モジュールが協働することにより、該一次分配部からの光について出力すべき出力ポートを選択することもできる。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明によれば、半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置された光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された光モジュールにより、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態を説明する。なお、実施の形態は以下に示す実施例の形態に限るものではない。又、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題,その技術的課題を解決する手段及びその作用効果についても、以下の実施の形態による開示によって明らかとなるものである。
〔a〕本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる光モジュールを示す上視図であり、この図1に示す光モジュール1についても前述の図19に示すものと同様にn(nは複数)×1又は1×nの光スイッチとして構成することができるものであるが、前述の図19に示すものとは異なり、光ゲートアレイ2,分配/合流部3およびSOA4が同一の半導体基板5上に一体化して構成されている。
【0023】
そして、この一体化構成によって、前述の図19に示すような光ゲートアレイ101,光カプラ102およびSOA103が別モジュールで構成された光スイッチ100において介装することが必要とされた光アイソレータ104b,104cを不要としている。
ここで、光ゲートアレイ2は、半導体光増幅素子であるSOAを用いた光ゲートスイッチ21〜28が複数個(第1実施形態の場合には8個)並列に配置されたものである。特に、光ゲートアレイ2においては、並列配置される光ゲートスイッチ21〜28が集積化された構成とすることもできる。
【0024】
また、分配/合流部3は、半導体基板5上に形成されたものであって、光ゲートアレイ2をなす8個の光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ接続される8個の第1ポート3−1とともに第1ポート3−1との間で光の分配/合流を行なうための第2ポート3−2をそなえて構成されている。
具体的には、分配/合流部3においては、8個の第1ポート3−1から入力される光については互いに合流されて第2ポート3−2を通じて出力されるとともに、第2ポート3−2から入力される光については8個に分配されて第1ポート3−1を通じて8個の光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ出力される。尚、分配/合流部3としては、例えば図2に示すようなMMIカプラ3Aにより構成することができる。
【0025】
このMMIカプラ3Aは、第1ポート3−1および第2ポート3−2側に単一モード導波路3Aaが設けられるとともに、これら第1,第2ポート3−1,3−2の単一モード導波路3Aa間に多モード導波路3Abが設けられ、例えば第2ポート3−2からの単一モード光が入力されると、多モード導波路3Abにおいて多モード干渉による電界分布を生じさせて、第1ポート3−1側の8本の単一モード導波路3Aaに単一モード光がそれぞれ分配して光結合させるようになっている。
【0026】
さらに、SOA4は、分配/合流部3における第2ポート3−2に接続された半導体光増幅器である。
これにより、光モジュール1が8×1光スイッチとして動作する場合には、光モジュール1における光ゲートアレイ2側端部を入力端としSOA4側端部を出力端とする。即ち、光ゲートアレイ2では、入力端から8個のゲートスイッチ21〜28にそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかる光ゲートスイッチ21〜28に対応する第1ポート3−1を通じて分配/合流部3に出力させるとともに、分配/合流部3では光ゲートアレイ2からの光をSOA4に出力する。そして、SOA4においては、分配/合流部3の第2ポート3−2から入力された導通光を増幅して出力する。
【0027】
一方、光モジュール1が1×8光スイッチとして動作する場合には、光モジュール1におけるSOA4側端部を入力端とし光ゲートアレイ2側端部を出力端とする。即ち、SOA4では入力光を増幅し分配/合流部3の第2ポート3−2に出力し、分配/合流部3では第2ポート3−2から入力された光を8個に分配し8個の第1ポート3−1を通じて光ゲートアレイ1をなす各光ゲートスイッチ21〜28に分配出力する。そして、8個の光ゲートスイッチ21〜28では、分配/合流部3で分配出力された8個の光のうちのいずれかを導通光として出力する。
【0028】
なお、分配/合流部3として上述のMMIカプラ3Aを適用することで、小型でありながら多分岐の分配/合流部3を構成することができ、1×n(n×1)光スイッチとしてのnの値を大きくすることができるようになる。
ここで、上述の入出力端となる光ゲートアレイ2側端部およびSOA4側端部には、それぞれ光ゲートスイッチ21〜28をなすSOAによるレーザ発振およびSOA4によるレーザ発振の発生を防止するために適宜光アイソレータ104a,104dが設けられるが、同一基板上に一体として形成される光ゲートアレイ2および分配/合流部3の間、ならびに分配/合流部3およびSOA4の間には、図19の符号104b,104cに示すような光アイソレータをそなえる必要がなくなる。
【0029】
すなわち、各光ゲートスイッチ21〜28,分配/合流部3およびSOA4をなす光伝搬方路としては、以下に示すように同一基板上に均質な材質で連続的に形成されるので、これらの光ゲートスイッチ21〜28,分配/合流部3およびSOA4における伝搬方路上での光反射の発生要因となる屈折率変化が実質的に無くなるため、反射防止のための光部材、即ち光アイソレータ等の挿入が必要なくなるのである。
【0030】
図3〜図8は第1実施形態にかかる光モジュール1の製造プロセスについて説明するための図であり、図3,図5および図7は前述の図1の場合と同様の上視図であり、図4,図6および図8はそれぞれ図3,図5および図7におけるA1〜A3方向の矢視側面図である。
光モジュール1の製造プロセスとしては、まず、図3,図4に示すように、GaAs、InP、Si等の結晶成長用半導体基板5上に、光ゲートアレイ2をなす光ゲートスイッチのための8つのSOA層20aとともに、半導体増幅器としてのSOA4のためのSOA層4aを形成する。即ち、結晶成長による成膜とともにパターニングを行なうことにより、基板5上の所定位置にSOA層20aおよびSOA層4aを形成する。
【0031】
つぎに、図5,図6に示すように、結晶成長による成膜およびパターニングを行なうことによって、分配/合流部3とともに、光導波路61〜64を形成する。ここで、61は各SOA層20aと入出力端となる基板端面部E1との間を接続する導波路、62は各光ゲートスイッチ21〜28と分配/合流部3の第1ポート3−1との間を接続する導波路、63は分配/合流部3の第2ポート3−2とSOA層4aとの間を接続する導波路、64はSOA層4aと入出力端となる基板端面部E2との間を接続する導波路である。
【0032】
さらに、図7,図8に示すように、両側の基板端面部E1,E2に反射防止膜70を形成するとともに、各SOA層20a上に、それぞれゲートスイッチング制御を行なうための電圧印加用電極20bおよび電気配線パターン20cを形成することで光ゲートスイッチ21〜28としてのSOAを構成する。同様に、SOA層4a上に、光増幅を行なうための電圧印加用電極4bおよび電気配線パターン4cを形成することでSOA4を構成する。このようにして、光モジュール1が完成する。尚、図8中においては、電気配線パターン20cについては、SOA21をなすものに着目して図示しており、SOA22〜27をなす電気配線パターン20cについては図示を省略している。
【0033】
上述のごとく構成された光モジュール1では、図7,図8に示すように、基板端面部E1を入力端として8つの入力ポート♯11〜♯18が設けられ、基板端面部E2を出力端として1つの出力ポート♯21が設けられて、電極20bに対するゲートスイッチング制御用の電圧を印加することで、8×1の光スイッチとして構成することができる。又、基板端面部E2を入力端として1つの入力ポート♯21が設けられ、基板端面部E1を出力端として8個の出力ポート♯11〜♯18が設けられ、電極21b〜28bに対するゲートスイッチング制御用の電圧を印加することで、1×8の光スイッチとして構成することができる。そして、SOA4における光増幅を行なうことによって、光カプラ3での合流又は分配によって生じる光損失を補償することができる。
【0034】
このとき、光ゲートアレイ2,光カプラ3およびSOA4が基板5上に一体に形成されているので、光ゲートスイッチ21〜28およびSOA4におけるSOA層20a,4aにおける光伝搬方路とともに光導波路61〜64において、光反射を生じる要因となる屈折率変化を抑制させることができるので、光ゲートアレイ1,光カプラ3およびSOA4相互の接続箇所において伝搬光が反射する箇所を実質的に無くすことができる。
【0035】
図19に示すような光スイッチ100の構成においては、SOA101a,103としての利得を高利得とする場合には、発振の抑制、利得リップル低減のため、アイソレータをかならずSOA101a,103の入出力それぞれに導入する必要があったが、第1実施形態にかかる構成によれば、光ゲートアレイ2,光カプラ3およびSOA4がすべて半導体デバイスで集積することができるので、半導体デバイスと光ファイバとの接続点が減少し、それに伴い、内部光損失の低減が可能となる。
【0036】
このように、本発明の第1実施形態によれば、光ゲートアレイ2,光カプラ3およびSOA4が基板5上に一体に形成されているので、光ゲートスイッチ21〜28およびSOA4におけるSOA層20a,4aにおける光伝搬方路とともに光導波路61〜64において、光反射を生じる要因となる屈折率変化を抑制させることができ、光アイソレータ等の介装が必要なくなるため、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
【0037】
すなわち、図1の構成により、1×n又はn×1選択型光スイッチ内における光アイソレータ等の光部品の点数、光半導体デバイスと光ファイバとの結合点の数を、図19の構成の場合よりも削減させることが可能となり、図19の構成よりもスイッチ内部での過剰損失を下げ、クロストークを低減させ、光信号特性を改善させることができる。
なお、上述の第1実施形態においては、分配/合流部3をMMIカプラ3Aで構成した場合について説明したが、本発明によればこれに限定されず、例えば図9に示すようなスラブ形の光カプラ3Bとしたり、図10の光カプラ3Cのように、3dBカプラ3C−1〜3C−3が多段接続されたような構成としたり、図11に示すような、1×2(又は2×1)光スイッチ3D−1〜3D−3が多段に接続されたような光スイッチ3Dとしたりすることができる。
【0038】
図9に示す光カプラ3Bは、第1ポート3−1をなす複数本の導波路3Baが形成されるとともに、第2ポート3−2をなす1本の導波路3Bbが形成され、かつ、これらの導波路3Ba,3Bb間に、導波路3Bbから入射される光が自由空間を伝搬して広がり各導波路3Baに結合する平板スラブ導波路3Bcが形成されている。
また、図10に示す光カプラ3Cにおいては、第2ポート3−2をなす1本の導波路3Cbを2分岐する3dBカプラ3C−1と、3dBカプラ3C−1で2分岐された分岐光をそれぞれ更に2分岐する2つの3dBカプラ3C−2と、2つの3dBカプラ3C−2でそれぞれ2分岐した分岐光をそれぞれ更に2分岐4つの3dBカプラ3C−3と、をそなえ、これら4つの3dBカプラ3C−3での分岐導波路を、第1ポート3−1をなす複数本の導波路3Caとして構成する。
【0039】
さらに、図11に示す光スイッチ3Dにおいては、第2ポート3−2をなす1本の導波路3Dbから入力された光を2分岐されたいずれかの方路に選択的に切り替えて出力する1×2光スイッチ3D−1と、1×2スイッチ3D−1における2分岐された方路のそれぞれに更に2分岐されたいずれかを出力方路として選択的に切り替える2つの1×2光スイッチ3D−2と、2つの1×2光スイッチ3D−2でそれぞれ2分岐した分岐光をそれぞれ更に2分岐されたいずれかを出力方路として選択的に切り替える4つの1×2光スイッチ3D−3と、をそなえ、これら4つの1×2光スイッチ3D−3での分岐導波路を、第1ポート3−1をなす複数本の導波路3Daとして構成する。尚、第1ポート3−1から光が入力され第2ポート3−2から光を出力する場合には、各光スイッチ3D−1〜3D−3は2×1光スイッチとして機能することになる。
【0040】
図12に示すように、分配/合流部3を上述の図2のMMIカプラ3Aとした場合にはデバイス規模を小型としながら分岐数を多くした分配/合流部3を実現することができ、図9の光カプラ3Bとした場合には製作が容易となり、図10の光カプラ3Cとした場合には広い3dB即ち広い波長帯域で分配/合流を行なうことができ、図11の光スイッチ3Dとした場合には光の低損失化を図るとともに、クロストークを削減させることができる。
【0041】
光ゲートアレイ2をなすSOA21〜28にそれぞれ対応するポート♯11〜♯18のうちで選択しているポートを例えばポート♯11(図1参照)を選択している場合においては、SOA21に入力される光を導通状態(オン状態)とし他のSOA22〜28に入力される光については遮断状態(オフ状態)となっている。このとき、SOA21〜28から出力される各光パワーをP1〜P8とし、合流/分配部3の第2ポート3−2から出力される各SOA21〜28由来の光パワー成分をp1〜p8とすると、クロストークは式(1)に示すように表すことができる。
【0042】
クロストーク=(p2+p3+…+p8)/p1 …(1)
このとき、合流/分配部3を、図2,図9又は図10に示す光カプラ3A〜3Cとして構成する場合には、第2ポート3−2から出力される光は、各SOA21〜28から出力される光の成分がそのまま足されたものである。従って、第2ポート3−2から出力される各SOA21〜28由来の光パワー成分pi(i=1〜8)は、pi=Piとなるため、クロストークCT1は式(1)′のようになる。
【0043】
CT1=(P2+P3+…+P8)/P1 …(1)′
これに対し、合流/分配部3を図11に示す光スイッチ3Dとして構成する場合には、SOA21からの光は、光スイッチ3D−3でSOA22からの光との間での切り替え、光スイッチ3D−2でSOA23又はSOA24からの光との間での切り替え、光スイッチ3D−1でSOA25〜28のいずれかからの光との間での切り替えが行なわれて、第2ポート3−2から出力されるようになっている。
【0044】
このとき、第2ポート3−2から出力される光のクロストークCT2の値は前述の式(1)の場合よりも削減させることができる。即ち、SOA21,22の出力が接続される2×1光スイッチ3D−3においては、SOA21に接続された光方路からの光が選択的に出力されるので、当該光スイッチ3D−3および後段の光スイッチ3D−2,3D−1を通じて第2ポート3−2から出力される漏れ光p2の成分は、光スイッチ3D−3の消光比ER(Extinction Ratio)分だけ小さくなり、p2=P2/ERとなる。尚、ERは1よりも大きい値となる。
【0045】
また、SOA23,24の出力については、光スイッチ3D−3での切り替えを介して、SOA21からの光との選択が行なわれる光スイッチ3D−2に入力される。そして、光スイッチ3D−2では、SOA21に接続された光方路からの光が選択的に出力されるので、当該光スイッチ3D−2から後段の光スイッチ3D−1に出力される漏れ光P3,P4の成分は、2つの光スイッチ3D−3,3D−2の消光比ER(Extinction Ratio)分だけ小さくなり、(P3+P4)/ER2となる(ER>1)。
【0046】
同様に、光スイッチ3D−1に出力される漏れ光P5〜P8の成分は、3つの光スイッチ3D−3〜3D−1の消光比ER分だけ小さくなるため、(P5+P6+P7+P8)/ER3となる。従って、光スイッチ3Dの第2ポート3−2から出力される光のクロストークCT2の値は、式(2)のようになる。
CT2={(P2/ER)+(P3+P4)/(ER)2+(P5+P6+P7+P8)/(ER)3}/P1 …(2)
したがって、式(2)に示すCT2は、式(1)′に示すCT1よりも分子部分だけ小さくなるため、クロストークを低減させることができるようになり、ひいては信号品質を向上させることができるようになるのである。
【0047】
また、上述の第1実施形態の変形例として、例えば図13に示すように、SOA21〜28と光導波路62との間、伝搬光のモード整合を図るためのモード変換部70を介装することとしてもよい。このようにすれば、SOA21〜28を導通する光と光導波路62を伝搬する光とのモード整合を図ることにより光損失をより低減させることができるようになる。SOA21〜28と光導波路61との間や、SOA4と光導波路63又は64との間においても同様の理由でモード変換部70を介装することが可能である。
【0048】
〔b〕第2実施形態の説明
図14は本発明の第2実施形態にかかる光スイッチ装置200を示す図である。この図14に示す光スイッチ装置200は、前述の第1実施形態にかかる1×8(又は8×1)光スイッチ1を組み込んで構成された8×8光マトリクススイッチである。
図15は入力ポート数をm(♯1−1〜♯1−m)とし出力ポート数をn(♯2−1〜♯2−n)とした場合のm×n光マトリクススイッチ600の構成を示すブロック図である(m,nは複数)。この図15に示す光マトリクススイッチ600は、m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部601〜60mをそなえるとともに、m個の1×n光分配部601〜60mからの各m個の光を合流して、それぞれn個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部611〜61nをそなえている。
【0049】
そして、これらのm個の1×n光分配部601〜60mか、n個のm×1光合流部611〜61nか、もしくはこれらの双方が光スイッチとして構成することにより、光マトリクススイッチ600を構成することができる。
第2実施形態にかかる光スイッチ装置200は、図15に示す光マトリクススイッチ600におけるm,nを8とし、それぞれ8個の1×8光分配部201〜208および8×1光合流部211〜218をそなえるとともに、8×1光合流部211〜218を、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の8×1光スイッチとして構成するようになっている。
【0050】
なお、図14中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。又、8個の1×8光分配部201については、前述の図2,図9又は図10に示したような光カプラを適用することができる。
ここで、各8×1光スイッチとしての8×1光合流部211〜218は、前述の第1実施形態の場合と同様に、半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチ21〜28が8個並列配置されてなる光ゲートアレイ2と、光ゲートアレイ2をなす8個の光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ接続される8個の第1ポート3−1とともに第1ポート3−1との間で光の分配/合流を行なうための第2ポート3−2をそなえてなる分配/合流部3と、分配/合流部3における第2ポート3−2に接続されたSOA4と、が一体に形成され、かつ、光ゲートアレイ2は、8個のゲートスイッチ21〜28にそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかるゲートスイッチに対応する第1ポート3−1を通じて分配/合流部3に出力させるとともに、SOA4が、分配/合流部3の第2ポート3−2から入力された導通光を増幅して出力する合流側光モジュールとして構成される。
【0051】
第2実施形態にかかる光スイッチ装置200は上述のごとく構成されているので、8個の入力ポート♯11〜♯18から入力される光について、8個の出力ポート♯21〜♯28のうちの任意の出力ポート♯21〜♯28から出力することができる。このとき、8×1光合流部211〜218を、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の8×1光スイッチとして構成することができるので、前述の第1実施形態の場合と同様、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
【0052】
そして、前述の第1実施形態の場合と同様の8×1光スイッチ211〜218を出力ポート数に対応して8個搭載することで、8×8光マトリクススイッチを構成することができるので、前述の図19に示すような構成の8×1光スイッチを用いて8×8光マトリクススイッチを構成する場合に比べて製造工数を大幅に削減させることができ、部品点数についても第1実施形態の場合と同様の8×1光スイッチの搭載数に累積して削減させることができる。
【0053】
なお、上述の第2実施形態にかかる光スイッチ装置200では、8×8光マトリクススイッチとしての構成について詳述したが、本発明によればこれに限定されず、「8」以外の他の入出力ポート数m,nで、m×n光マトリクススイッチを構成することも、もちろん可能である。
また、第2実施形態における光スイッチ装置200においては、8×1光合流部211〜218を8×1光スイッチとして構成し、1×8光分配部201〜208を光カプラとして構成しているが、本発明によればこれに限定されず、1×8光分配部201〜208を、前述の第1実施形態の場合と同様の1×8光スイッチとして構成するとともに、8×1光合流部211〜218を光カプラにより構成することとしてもよい。更には、1×8光分配部201〜208を、前述の第1実施形態の場合と同様の1×8光スイッチとして構成するとともに、8×1光合流部211〜218を8×1光スイッチとして構成することも可能である。
【0054】
〔c〕第3実施形態の説明
図16は本発明の第3実施形態を示す図である。第3実施形態における光スイッチ装置300は、図15に示す光マトリクススイッチ600におけるm,nを64とし、それぞれ64個の1×64光分配部30−1〜30−64および64×1光合流部31−1〜31−64をそなえている。そして、各64×1光合流部31−1〜31−64に、64×1光スイッチとしての機能を持たせるとともに、1×64光分配部30−1〜30−64については光カプラで構成することで、64×64の光マトリクススイッチとして動作させることができるようになっている。
【0055】
ここで、各64×1光合流部31−1〜31−64は、64個の出力ポート♯2−1〜♯2−64に対応して設けられているが、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の8×1光スイッチ31a−1〜31a−8を8個そなえるとともに、各光スイッチ31a−1〜31a−8からの出力について合流させて、該当出力ポートに光を出力するパッシブカプラ31bをそなえて構成している。
【0056】
なお、図16中においては、特に64個の出力ポート♯2−1〜♯2−64のうちの出力ポート♯2−1に対して出力光を供給する64×1光合流部31−1の構成に着目して図示している。又、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。又、64個の1×64光分配部30−1〜30−64については、前述の図2,図9又は図10に示したような光カプラを適用することができる。
【0057】
ここで、64個の64×1光合流部31−1〜31−64のうちで、出力ポート♯2−1に対応する64×1光合流部31−1の構成に着目して説明すると、8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8は、入力ポート♯1−1〜♯1−64からの光について8個の入力ポートごとの光を単位として取り込んで、64個の1×64光分配部30−1〜30−64からの64個の光について、q=8個(<m=64)の方路に一次合流させる一次合流部であり、パッシブカプラ32は、8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8で合流された8個の光について更に1個に合流させる二次合流部である。
【0058】
たとえば、8×1光スイッチ31a−1は、入力ポート♯1−1〜♯1−8からの光についてそれぞれ自身の光ゲートスイッチ21〜28に取り込むようになっており、8×1光スイッチ31a−2は、入力ポート♯1−9〜♯1−16からの光についてそれぞれ自身の光ゲートスイッチ21〜28に取り込むようになっている。
このとき、一次合流部である8個の8×1光スイッチ31a−1〜31a−8が協働することで、上述のごとく入力された入力ポート♯1−1〜♯1−64からの光のうちで該当出力ポート♯2−1に導くべき光を選択的に切り替えて導通させる一方、他の光については遮断させることができるようになっている。
【0059】
ここで、一次合流部である8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8は、いずれも前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の光モジュールとして構成される。具体的には、各8×1光スイッチ31a−1〜31a−8は、入力ポート♯1−1〜♯1−64からの光について8個の入力ポートごとの光を単位として取り込んで、これらの光のうちで該当出力ポート(この場合には♯2−1)へ出力すべき光を選択的に導通状態に切り替えることができる。
【0060】
このために、8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8は、p=8個の光ゲートスイッチ21〜28が並列配置されてなる光ゲートアレイ2と、光ゲートアレイ2をなす8個の光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ接続される8個の第1ポート3−1とともに第1ポート3−1との間で光の合分波を行なうための第2ポート3−1をそなえてなる分配/合流部3と、分配/合流部3における第2ポート3−2に接続されたSOA4と、が一体に形成された合流側光モジュールとして構成される。
【0061】
そして、各8個の合流側光モジュールである8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8において、光ゲートアレイ2は、8個のゲートスイッチ21〜28にそれぞれ入力される入力光のうち導通光とすべき光を選択して、当該導通光にかかるゲートスイッチ21〜28に対応する第1ポート3−1を通じて分配/合流部3に出力させるとともに、SOA4が、分配/合流部3の第2ポート3−2から入力された導通光を増幅して出力する。これにより、パッシブカプラ32では、8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8において導通光として選択された光を出力ポート♯2−1へ出力することができる。
【0062】
換言すれば、64個の64×1光合流部31−1〜31−64における各q=8個の各合流側光モジュール31a−1〜31a−8では、64個の1×64光分配部30−1〜30−64からの64個の光についてp=8個ずつ取り込むとともに、各64×1光合流部31−1〜31−64におけるq=8個の合流側光モジュール31a−1〜31a−8が協働することにより、64個の入力ポート♯1−1〜♯1−64からの光のうちで該当出力ポートに出力すべき光を選択することができるのである。
【0063】
なお、上述の各64×1光合流部31−1〜31−64における8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8の搭載数qは、本実施形態においては8個備えられているが、光スイッチ装置300として使用する入出力ポート数に応じて、光ゲートアレイ2における光ゲートスイッチの数p(=8)×qを、使用する入力ポート数mよりも大きくなる数とすることもできる。
【0064】
これにより、光スイッチ装置300としての装置導入時のように、入出力の切り替えチャンネル数が64×64よりも小さい場合には、そのチャンネル数規模に合わせて8×1光スイッチ部を搭載する一方、切り替えチャンネル数の増大に合わせて、8×1光スイッチ部を増設することができるようになるため、装置の実運用規模に合わせた効率的な設備投資を行なうことができるようになる。
【0065】
なお、321は入力ポート♯1−1〜♯1−64にそなえられた光アイソレータであり、322は8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8の出力側に備えられた光アイソレータであるが、前述の第1実施形態の場合と同様に、8×1光スイッチ部31a−1〜31a−8の内部には光アイソレータを集積させる必要はない。
第3実施形態にかかる光スイッチ装置300は上述のごとく構成されているので、64個の入力ポート♯1−1〜♯1−64から入力される光について、64個の出力ポート♯2−1〜♯2−64のうちの任意の出力ポート♯2−1〜♯2−64から出力することができる。
【0066】
このとき、各64×1光合流部31−1〜31−64を、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の8×1光スイッチ31a−1〜31a−8とともに、パッシブカプラ32で構成することができるので、前述の第1実施形態の場合と同様、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
【0067】
〔d〕第4実施形態の説明
図17は本発明の第4実施形態にかかる光スイッチ装置400を示す図である。第4実施形態における光スイッチ装置400においては、図15に示す光マトリクススイッチ600におけるm,nを64とし、それぞれ64個の1×64光分配部40−1〜40−64および64×1光合流部41−1〜41−64をそなえている。そして、各1×64光分配部40−1〜40−64に、1×64光スイッチとしての機能を持たせるとともに、64×1光合流部41−1〜41−64については光カプラにより構成することで、64×64の光マトリクススイッチとして動作させることができるようになっている。
【0068】
ここで、各1×64光分配部40−1〜40−64は64個の入力ポート♯1−1〜♯1−64に対応して設けられているが、それぞれ、該当入力ポートからの光について、64>sであるs=8個に分配させるパッシブカプラ40aをそなえるとともに、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の1×8光スイッチ40b−1〜40b−8をs=8個そなえて構成される。
【0069】
なお、図17中においては、特に入力ポート♯1−1からの光について64分配する1×64光分配部40−1の構成に着目して図示している。又、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。又、64個の64×1光合流部41−1〜41−64については、前述の図2,図9又は図10に示したような光カプラを適用することができる。
ここで、64個の1×64光分配部40−1〜40−64のうちで、入力ポート♯1−1に対応する1×64光分配部40−1の構成に着目して説明すると、パッシブカプラ40aは、入力ポート♯1−1からの光についてn=64>sであるs個の光に一次分配する一次分配部である。又、1×8光スイッチ40b−1〜40b−8は、パッシブカプラ40aで分配された8個の光について更にそれぞれr=8個にそれぞれ分配して、出力ポート♯2−1〜♯2−64に対応して設けられる光カプラ41−1〜41−64に供給しうる二次分配部である。
【0070】
たとえば、1×64光分配部40−1の1×8光スイッチ40b−1は、入力ポート♯1−1からの光についての分配光を、出力ポート♯2−1〜♯2−8に対応して設けられた光カプラ41−1〜41−8にそれぞれ供給し、1×8光スイッチ40b−2は、入力ポート♯1−1からの光についての分配光を、出力ポート♯2−9〜♯2−16に対応して設けられた光カプラ41−9〜41−16にそれぞれ供給することができるようになっている。
【0071】
このとき、二次分配部である8個の1×8光スイッチ40b−1〜40b−8が協働することで、上述のごとく分配された光についての供給先となる光カプラ41−1〜41−64を選択的に切り替えて導通させる一方、他の光については遮断させることができるようになっている。
ここで、二次分配部である1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8は、いずれも前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の光モジュールとして構成される。具体的には、各1×8光スイッチ40b−1〜40b−8は、出力ポート♯2−1〜♯2−64への光について割り当てられた8個の出力ポートごとへの光について選択的に導通状態を切り替えることができる。
【0072】
このために、各1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8は、r=8個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイ2と、光ゲートアレイ2をなすr=8個の光ゲートスイッチ21〜28にそれぞれ接続されるr=8個の第1ポート3−1とともに第1ポート3−1との間で光の合分波を行なうための第2ポート3−2をそなえてなる分配/合流部3と、分配/合流部3における第2ポート3−2に接続されたSOA4と、が一体に形成された分配側光モジュールである。
【0073】
そして、各8個の分配側光モジュールである1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8において、SOA4が、パッシブカプラ40aからの入力光を増幅し分配/合流部3の第2ポート3−2に出力するとともに、分配/合流部3はr=8個の第1ポート3−1を通じてSOA4からの光を各光ゲートスイッチ21〜28に分配出力し、r=8個の光ゲートスイッチは、分配/合流部3で分配出力された光のうちで対応する出力ポート♯2−1〜♯2−64への出力光とすべき光を導通光として選択的に出力する。
【0074】
換言すれば、各s個の各合流側光モジュール40b−1〜40b−8が協働することにより、パッシブカプラ40aからの光について出力すべき出力ポートを選択することができるようになる。
なお、上述の各1×64光分配部40−1〜40−64における1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8の搭載数sは、本実施形態においては8個備えられているが、光ゲートアレイ2における光ゲートスイッチの数r(=8)×sについては、光スイッチ装置400として使用する入出力ポート数に応じ、使用する出力ポート数nよりも多くなるような搭載数sとすることができる。
【0075】
これにより、光スイッチ装置400としての装置導入時のように、(使用する入出力ポート数に対応する)入出力の切り替えチャンネル数が64×64よりも小さい場合には、そのチャンネル数規模に合わせて1×8光スイッチ部を搭載する一方、切り替えチャンネル数の増大に合わせて、1×8光スイッチ部を増設することができるようになるため、装置の実運用規模に合わせた効率的な設備投資を行なうことができるようになる。
【0076】
なお、421は出力ポート♯2−1〜♯2−64にそなえられた光アイソレータであり、422は1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8の入力側に備えられた光アイソレータであるが、前述の第1実施形態の場合と同様に、1×8光スイッチ部40b−1〜40b−8の内部には光アイソレータを集積させる必要はない。
第4実施形態にかかる光スイッチ装置400は上述のごとく構成されているので、64個の入力ポート♯1−1〜♯1−64から入力される光について、64個の出力ポート♯2−1〜♯2−64のうちの任意の出力ポート♯2−1〜♯2−64から出力することができる。
【0077】
このとき、各1×64光分配部40−1〜40−64を、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)と同様の1×8光スイッチ40b−1〜40b−8とともに、パッシブカプラ40aで構成することができるので、前述の第1実施形態の場合と同様、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
【0078】
〔e〕第5実施形態の説明
図18は本発明の第5実施形態にかかる光スイッチ装置500を示す図である。第5実施形態における光スイッチ装置500においては、図15に示す光マトリクススイッチ600におけるm,nを64とし、それぞれ64個の1×64光分配部40−1〜40−64および64×1光合流部31−1〜31−64をそなえている。そして、各1×64光分配部40−1〜40−64に、前述の第4実施形態の場合と同様の構成によって1×64光スイッチとしての機能を持たせるとともに、各64×1光合流部31−1〜31−64に、前述の第3実施形態の場合と同様の構成によって64×1光スイッチとしての機能を持たせることで、64×64の光マトリクススイッチとして動作させることができるようになっている。
【0079】
なお、図18中においては、入力ポート♯1−1に対応して設けられる1×64光分配部40−1とともに、出力ポート♯2−1に対応して設けられる64×1光合流部31−1の構成に着目して図示しているが、他の1×64光分配部40−2〜40−64および64×1光合流部31−2〜31−64の構成についても同様である。ここで、図18中、図1、図16および図17と同一の符号は、それぞれ同様の部分を示している。
【0080】
このように構成された光スイッチ装置500においても、前述の第3,第4実施形態の場合と同様、部品点数を削減させて装置構成のための製造コストを削減させるとともに、装置全体としての光損失を低減させることができる利点がある。
〔f〕その他
なお、上述した実施形態にかかわらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0081】
また、上述した実施形態の開示により、本発明の装置を製造することは可能である。
〔g〕付記
(付記1)
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置された光ゲートアレイと、
該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、
該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成されたことを特徴とする、光モジュール。
【0082】
(付記2)
該光ゲートアレイは、該複数のゲートスイッチにそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかる光ゲートスイッチに対応する第1ポートを通じて該分配/合流部に出力させるとともに、該光増幅器が、該分配/合流部の該第2ポートから入力された前記導通光を増幅して出力することを特徴とする、付記1記載の光モジュール。
【0083】
(付記3)
該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力することを特徴とする、付記1記載の光モジュール。
【0084】
(付記4)
m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、
該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、
各m×1光合流部が、該m個の1×n光分配部からのm個の光のうちのいずれかを出力することにより、各m個の入力ポートからの光のうちのいずれかを、該当出力ポートへ出力させるm×1光スイッチ部として構成され、
各m×1光スイッチ部が、
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなる光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光ゲートアレイは、該複数のゲートスイッチにそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかるゲートスイッチに対応する第1ポートを通じて該分配/合流部に出力させるとともに、該光増幅器が、該分配/合流部の該第2ポートから入力された前記導通光を増幅して出力する合流側光モジュールとして構成されたことを特徴とする、光スイッチ装置。
【0085】
(付記5)
各m×1光スイッチ部が、
該m個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該m個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるm個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の合流側光モジュールとして構成されたことを特徴とする、付記4記載の光スイッチ装置。
【0086】
(付記6)
各m×1光スイッチ部が、
該m個の1×n光分配部からのm個の光について、m>qのq個の方路に一次合流しうる一次合流部と、
該一次合流部で合流されたq個の方路について更に1個の方路に合流させる二次合流部をそなえ、
該一次合流部が、
該複数であるp個の光ゲートスイッチが並列配置されてなる光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該p個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるp個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された合流側光モジュールを、q個並列配置して構成され、
各q個の各合流側光モジュールが、該m個の1×n光分配部からのm個の光について前記p個ずつ取り込むとともに、前記q個の合流側光モジュールが協働することにより、前記m個の光のうちで該当出力ポートに出力すべき光を選択することを特徴とする、付記4記載の光スイッチ装置。
【0087】
(付記7)
各1×n光分配部が、
複数の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールとして構成されたことを特徴とする、付記4記載の光スイッチ装置。
【0088】
(付記8)
各1×n光分配部が、
該n個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該n個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるn個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の分配側光モジュールとして構成され、
かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該n個の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該n個の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された光のうちのいずれかを導通光として出力することを特徴とする、付記7記載の光スイッチ装置。
【0089】
(付記9)
各1×n光分配部が、
対応する入力ポートからの入力光をs個に一次分配する一次分配部をそなえるとともに、
該一次分配部で分配されたs個の光について更にr個にそれぞれ分配しうる二次分配部をそなえ、
該二次分配部が、
前記r個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該r個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるr個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された分配側光モジュールを、前記s個並列配置して構成されるとともに、
各s個の分配側光モジュールが協働することにより、該一次分配部からの光について出力すべき出力ポートを選択することを特徴とする、付記7記載の光スイッチ装置。
【0090】
(付記10)
m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、
該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、
各1×n光分配部が、入力ポートからの光について前記n個の出力ポートのいずれかに通じるm×1光合流部に出力させる1×n光スイッチ部として構成され、
各1×n光スイッチ部が、
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールを、少なくとも一つそなえたことを特徴とする、光スイッチ装置。
【0091】
(付記11)
各1×n光分配部が、
該n個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該n個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるn個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された単一の分配側光モジュールとして構成され、
かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該n個の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該n個の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力することを特徴とする、付記10記載の光スイッチ装置。
【0092】
(付記12)
各1×n光分配部が、
対応する入力ポートからの入力光をs個に一次分配する一次分配部をそなえるとともに、
該一次分配部で分配されたs個の光について更にr個にそれぞれ分配しうる二次分配部をそなえ、
該二次分配部が、
前記r個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該r個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるr個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された分配側光モジュールを、前記s個並列配置して構成されるとともに、
各s個の分配側光モジュールが協働することにより、該一次分配部からの光について出力すべき出力ポートを選択することを特徴とする、付記10記載の光スイッチ装置。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる光モジュールを示す上視図である。
【図2】第1実施形態にかかる光モジュールの要部を示す図である。
【図3】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図4】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図5】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図6】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図7】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図8】第1実施形態にかかる光モジュールの製造プロセスを説明するための図である。
【図9】第1実施形態の変形例を示す図である。
【図10】第1実施形態の変形例を示す図である。
【図11】第1実施形態の変形例を示す図である。
【図12】第1実施形態の変形例の作用効果について説明するための図である。
【図13】第1実施形態の変形例を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態にかかる光スイッチ装置を示す図である。
【図15】光マトリクススイッチの構成を示す図である。
【図16】本発明の第3実施形態にかかる光スイッチ装置を示す図である。
【図17】本発明の第4実施形態にかかる光スイッチ装置を示す図である。
【図18】本発明の第5実施形態にかかる光スイッチ装置を示す図である。
【図19】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 光モジュール
2 光ゲートアレイ
3 分配/合流部
3−1 第1ポート
3−2 第2ポート
3A〜3C 光カプラ
3Aa 単一モード導波路
3Ab 多モード導波路
3Ba,3Bb,3Ca,3Cb,3Da,3Db 導波路
3Bc 平板スラブ導波路
3C−1〜3C−3 3dBカプラ
3D,3D−1〜3D−3 光スイッチ
4 SOA(光増幅器)
4a,21a〜28a SOA層
4b,21b〜28b 電極
5 基板
21〜28 光ゲートスイッチ
30−1〜30−64,40−1〜40−64 1×64光分配部
31−1〜31−64,41−1〜41−64 64×1光合流部
31a−1〜31a−8 8×1光スイッチ部(一次合流部,合流側光モジュール)
31b パッシブカプラ(二次合流部)
40a パッシブカプラ(一次分配部)
40b−1〜40b−8 1×8光スイッチ部(二次分配部,分配側光モジュール)
61〜64 光導波路
70 モード変換部
100 光スイッチ
101 光ゲートアレイ
101a,103 SOA
102 光カプラ
104a〜104d 光アイソレータ
200 光スイッチ装置
201〜208 1×8光分配部
211〜218 8×1光合流部(合流側光モジュール)
300,400,500 光スイッチ装置
321,322,421,422 光アイソレータ
600 光マトリクススイッチ
601〜60m 1×n光分配部
611〜61m n×1光合流部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置された光ゲートアレイと、
該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、
該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成されたことを特徴とする、光モジュール。
【請求項2】
m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、
該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、
各m×1光合流部が、該m個の1×n光分配部からのm個の光のうちのいずれかを出力することにより、各m個の入力ポートからの光のうちのいずれかを、該当出力ポートへ出力させるm×1光スイッチ部として構成され、
各m×1光スイッチ部が、
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなる光ゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光ゲートアレイは、該複数のゲートスイッチにそれぞれ入力される入力光のうちのいずれかを導通光として、当該導通光にかかるゲートスイッチに対応する第1ポートを通じて該分配/合流部に出力させるとともに、該光増幅器が、該分配/合流部の該第2ポートから入力された前記導通光を増幅して出力する合流側光モジュールとして構成されたことを特徴とする、光スイッチ装置。
【請求項3】
各1×n光分配部が、
複数の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールとして構成されたことを特徴とする、請求項2記載の光スイッチ装置。
【請求項4】
m個の入力ポートからの入力光について、それぞれn個の出力ポートに対応して分配する、m個の1×n光分配部をそなえるとともに、
該m個の1×n光分配部からの各m個の光を合流して、それぞれ前記n個の出力ポートに出力する、n個のm×1光合流部をそなえ、
各1×n光分配部が、入力ポートからの光について前記n個の出力ポートのいずれかに通じるm×1光合流部に出力させる1×n光スイッチ部として構成され、
各1×n光スイッチ部が、
半導体光増幅素子を用いた光ゲートスイッチが複数個並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該複数の光ゲートスイッチにそれぞれ接続される複数の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の分配/合流を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成され、かつ、該光増幅器が、入力光を増幅し該分配/合流部の該第2ポートに出力するとともに、該分配/合流部は該複数の第1ポートを通じて該光増幅器からの光を各光ゲートスイッチに分配出力し、該複数の光ゲートスイッチは、該分配/合流部で分配出力された複数の光のうちのいずれかを導通光として出力する分配側光モジュールを、少なくとも一つそなえたことを特徴とする、光スイッチ装置。
【請求項5】
各1×n光分配部が、
対応する入力ポートからの入力光をs個に一次分配する一次分配部をそなえるとともに、
該一次分配部で分配されたs個の光について更にr個にそれぞれ分配しうる二次分配部をそなえ、
該二次分配部が、
前記r個の光ゲートスイッチが並列配置されてなるゲートアレイと、該光ゲートアレイをなす該r個の光ゲートスイッチにそれぞれ接続されるr個の第1ポートとともに該第1ポートとの間で光の合分波を行なうための第2ポートをそなえてなる分配/合流部と、該分配/合流部における該第2ポートに接続された光増幅器と、が一体に形成された分配側光モジュールを、前記s個並列配置して構成されるとともに、
各s個の分配側光モジュールが協働することにより、該一次分配部からの光について出力すべき出力ポートを選択することを特徴とする、請求項4記載の光スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−232991(P2007−232991A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53930(P2006−53930)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人情報通信研究機構、「高機能フォトニックノード技術の研究開発」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】