説明

光伝送体及び該光伝送体を使用した照明装置

【課題】柔軟で可撓性に優れることから大口径化した場合にも容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、高温高湿の条件下や温水中、長期間直射日光や風雨に晒される条件における出射光量の低下が殆どなく、優れた出射特性を長期間安定して維持することができる光伝送体と、該光伝送体を使用した照明装置を提供すること。
【解決手段】チューブ状クラッド材と、上記チューブ状クラッド材内に収容されチューブ状クラッド材の内表面よりも屈折率の高い非晶質コア材と、からなる光伝送体において、上記非晶質コア剤はポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体とを少なくとも構成成分として有しているとともに、上記チューブ状クラッド材及び/又は上記非晶質コア材は、耐候性添加剤として光安定剤及び酸化防止剤を含んでいるものであることを特徴とする光伝送体。上記光伝送体を使用した照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用配線・移動体配線・FA機器配線等の光信号伝送、液面レベルセンサー・感圧センサー等の光学センサー、内視鏡等のイメージガイド、光学機器のライトガイト、携帯電話・デジタルカメラ・腕時計・カーオーディオ・カーナビゲーション・パチンコ台・スロット台・自動販売機・車両室内外・犬の首輪・キッチン・交通標識・洗面台・シャワー・浴槽の湯温表示機・OA機器・家庭用電気製品・光学機器・各種建材・階段・手すり・電車のホーム・屋外看板等のイルミネーションや照明、液晶表示部のバックライト等として好適な光伝送体と、この光伝送体を用いた照明装置、及び、上記光伝送体の製造方法に係り、特に、柔軟で可撓性に優れることから容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、高温高湿の条件下、温水中、及び、長期間直射日光や風雨に晒される条件における出射光量の低下が殆どなく、優れた出射特性を長期間安定して維持することができ、且つ、平面等への配設に際して、より容易且つ確実に固定が行えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コア及びクラッドからなり、長さ方向の少なくとも一端から入射された光を他端又は周方向(側面)から出射させる光伝送体、及び、この光伝送体と光源とを組合せた、線状の照明装置が種々提案されている。
【0003】
この種の光伝送体としては、例えば、透明なコア材と、このコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とから構成されたものがある。ここで、コア材としては、メチルメタクリレート(MMA)等の(メタ)アクリル系ポリマー、クラッド材としては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマーが、好ましい材料として挙げられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0004】
又、別の光伝送体としては、例えば、透明な円筒状のコア材と、このコア材よりも屈折率が低い透明なクラッド材とからなり、端面に備えられた光学部材から光を出射する構成のものがある。ここで、コア材としては、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系ポリマー、クラッド材としては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマーが好ましい材料として挙げられている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
【0005】
尚、本願発明に関連する発明として、当該出願人より特許文献6〜特許文献12が出願されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−74943号公報
【特許文献2】特開2002−148451号公報
【特許文献3】特開2000−131529号公報
【特許文献4】特開平11−142653号公報
【特許文献5】特開2000−321444号公報
【特許文献6】国際公開第03/021309号
【特許文献7】特願2002−310639号
【特許文献8】特願2003−9743号
【特許文献9】特願2003−125032号
【特許文献10】特願2003−146813号
【特許文献11】特願2003−162432号
【特許文献12】特願2004−088656号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の構成によると、次のような問題があった。まず、特許文献1〜特許文献3に開示された光伝送体は、可撓性に劣っているため配設作業性が悪く、大口径になるに従い任意の形状に配設することが困難であるとともに、曲げて使用した場合には光量の低下や伝送損失値の増加が著しいことから使用用途が限定されてしまうという欠点があった。更に、この光伝送体は非常に硬いため、端面を切断しただけでは光を導入する際の損失が大きいため出射光量の低下が著しく、少なくとも入射端の研磨加工が必要となりコストが高いものとなってしまうという欠点もあった。
【0008】
次に、特許文献4、特許文献5に開示された光伝送体は、柔軟で可撓性に優れることから、大口径化した場合にも容易に任意の形状に配設することができるとともに、常態では、出射光量の低下が殆どなく優れた出射特性を有している。しかしながら、高温高湿度の条件下や温水中では白濁してしまい、出射光量が著しく低下してしまう欠点があった。
【0009】
これらに対して、当該出願人は、コア材として、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体を少なくとも構成成分とした非晶質コア材を用いた光伝送体により、上記問題を解決できることを発明して、先に特許出願(特許文献6〜特許文献9参照。)している。この出願に引き続き当該出願人は、光伝送体の応用として、平面等への配設に際し、より容易且つ確実に固定が行えるものについて検討しており、特許出願(特許文献10、特許文献11参照)している。当該出願人はこれらの出願を更に発展するべく、長期間直射日光や風雨に晒される用途での使用を考慮して、これまでの光伝送体の耐候特性の向上について検討を重ねており特許文献12を出願したが、特許文献12と異なる視点から耐候特性の向上について検討を重ねていた。
【0010】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、柔軟で可撓性に優れることから大口径化した場合にも容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、高温高湿の条件下、温水中、及び、長期間直射日光や風雨に晒される条件における出射光量の低下が殆どなく、優れた出射特性を長期間安定して維持することができる光伝送体と、該光伝送体を使用した照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1による光伝送体は、チューブ状クラッド材と、上記チューブ状クラッド材内に収容されチューブ状クラッド材の内表面よりも屈折率の高い非晶質コア材と、からなる光伝送体において、上記非晶質コア材はポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体とを少なくとも構成成分として有しているとともに、上記チューブ状クラッド材及び/又は上記非晶質コア材は、耐候性添加剤として光安定剤及び酸化防止剤を含んでいるものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による光伝送体は、請求項1記載の光伝送体において、上記光安定剤はセミカルバゾン系光安定剤であることを特徴とするものである。
又、請求項3による光伝送体は、請求項1記載の光伝送体において、上記酸化防止剤はフェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を含んでいるものであることを特徴とするものである。
又、請求項4による光伝送体は、請求項1〜3記載の光伝送体において、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基を持つ化合物から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による光伝送体は、請求項1〜3記載の光伝送体において、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基から誘導される官能基を有するものから構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による光伝送体は、請求項5記載の光伝送体において、上記イソシアネート基から誘導される官能基を持つものはイソシアヌレート結合を含むことを特徴とするものである。
又、請求項7による光伝送体は、請求項1〜6の何れかに記載の光伝送体において、上記ポリマーポリオールと上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物とからなる重合体を少なくとも構成成分として有している非晶質コア材は少なくとも一部にゲル状物を含むものであることを特徴とするものである。
又、請求項8による光伝送体は、請求項1〜7の何れかに記載の光伝送体において、上記非晶質コア材中に微粒子が分散されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による光伝送体は、請求項8記載の光伝送体において、上記微粒子の粒径が50μm以下であることを特徴とするものである。
又、請求項10による照明装置は、請求項1〜9記載の光伝送体と、この光伝送体の少なくとも一端に配設された光源とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、柔軟で可撓性に優れることから大口径化した場合にも容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、高温高湿の条件下や温水中、長期間直射日光や風雨に晒される条件における出射光量の低下が殆どなく、優れた出射特性を長期間安定して維持することができる光伝送体と、該光伝送体を使用した照明装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における光伝送体は、チューブ状クラッド材と、上記チューブ状クラッド材内に収容されチューブ状クラッド材の内表面よりも屈折率の高い非晶質コア材と、から構成されている。このような光伝送体であれば、クラッド材とコア材の界面において光の全反射が起こりやすくなるとともに、コア材が非晶質であることから透明度をより向上させることができるため、光伝送損失を低減させることが可能となる。
【0014】
クラッド材の構成材料としては、プラスチックやエラストマーなどのように可とう性があり、成形が容易なものであれば何でも良く特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂、天然ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。又、例えば図14に示すように、透明なプラスチックやエラストマーからなるチューブ状の成型品2aの内面に、コア材3よりも低屈折率のコーティング剤2bをコートしたものをクラッド材2として用いることもできる。
【0015】
上記クラッド材は、断面の形状が異形形状となっていても良い。異形形状としては、平面等に配設する際に、容易且つ確実に固定が行える形状であれば良い。例えば、被配設部と光伝送体との接触面積が増加する形状、被配設部に光伝送体を引っ掛けて固定することができる形状などが考えられ、具体的には、三角形、四角形、五角形、六角形などの形状や、図6〜図9に示す形状などが挙げられる(図中において、1は光伝送体、2はクラッド材、3はコア材を示す。)。
【0016】
コア材の構成材料としては柔軟性と高温高湿下での経時特性の点から、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物の重合体が構成成分の一つとして使用される。ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、シリコーン変性ポリエーテルポリオール等の変性ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、アジペート系ポリエステルポリオールなどの縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなどの重合系ポリエステルポリオール、又は、これらの共重合体又は混合物などが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシプロピレンポリオールは、高温高湿度の条件や温水中でも特に優れた出射特性を示すため好ましい。又、ラクトン系ポリエステルポリオールは、長期耐熱特性、耐候特性に優れ、高温に晒される条件でも優れた出射特性を示すことから好ましい。ラクトン系ポリエステルポリオールの中でも、カプロラクトンポリエステルポリオールが特に好ましい。
【0017】
上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、N−カルボニルラクタム基を持つ化合物、ハロゲン化物、イソシアネート基を持つ化合物、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物などが挙げられる。イソシアネート基を持つ化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、芳香族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物としては、例えば、イソシアネートをラクタム等公知の方法でブロックしたブロックイソシアネート、イソシアネート基を公知の方法で多量化したイソシアヌレートを持つ化合物などが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。これらの中でも、イソシアネート基を持つ化合物、又は、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物は、高温高湿の条件下や温水中でも優れた側面出射特性を示すことから好ましい。イソシアネート基を持つ化合物の中でも脂環族ポリイソシアネートは更に好ましい。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物の中でもイソシアヌレート結合を有するものは更に好ましい。
【0018】
上記コア材に微粒子を分散させることにより、光散乱機能を付与し、入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体としても良い。
微粒子としては、まず、無機材料として、石英ガラス、多成分ガラスなどのガラス微粒子、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物粒子、硫酸バリウムなどの硫酸塩粒子、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。次に、有機材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子などやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーの粒子などが挙げられる。これらは、使用するコア材の構成材料や非流動化処理条件、光伝送体の長さ、側面出射光量、使用条件、又は、微粒子の真比重、形状、粒径、濃度、屈折率などを考慮して適宜に選択すれば良い。
【0019】
微粒子の粒径としては、50μm以下のものが、非流動化処理時に微粒子が均一な分散状態を保持することができ、ムラのない側面出射特性が得られることから好ましい。但し、粒径は上記の数値に限定されることはなく、例えば、使用するコア材の構成材料や非流動化処理条件、光伝送体の長さ、側面出射光量、使用条件、又は、微粒子の真比重、形状、濃度、屈折率などを考慮して適宜に選択すれば良い。要は、非流動化処理時に、微粒子が均一な分散状態を保持することができるような条件を吟味して選択すれば良い。
【0020】
上記クラッド材及び/又は上記コア材は、耐候性添加剤を含んでいるものである。具体的な態様としては、コア材中に耐候性添加剤を添加する、クラッド材中に耐候性添加剤を添加する、クラッド材内表面に耐候性添加剤を塗布する、クラッド材外表面に耐候性添加剤を塗布する、といったものなどが考えられる。耐候性添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、などが挙げられ、これらは併用しても構わないが、本発明の耐候性添加剤には、これらの内の光安定剤及び酸化防止剤が含まれることになる。より具体的には、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、セミカルバゾン系光安定剤、フェノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、などが挙げられる。
【0021】
上記耐候性添加剤の中でも、光安定剤としてセミカルバゾン系光安定剤を使用することが好ましい。セミカルバゾン系光安定剤は、耐紫外線性に優れた特性を示すものである。セミカルバゾン系光安定剤としては、例えば、(1、6−ヘキサメチレンビス(N、Nジメチルセミカルバジド))、(1、1、1’、1’−テトラメチル−4、4’(メチレンジ−P−フェニレン)、(ビュレットリ−トリ(ヘキサメチレン−N、N−ジメチルセミカルバシド)などが挙げられる。又、種々の光安定剤の中でも、非芳香族化合物のものであれば、クラッド材若しくはコア材の着色を防止することができるため好ましい。
【0022】
又、上記耐候性添加剤の中でも、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を併用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を併用することで、相乗効果が生み出され、より高度な耐候性を得ることができる。
【0023】
上記クラッド材の外周には、必要に応じて光透過性樹脂被覆を形成しても良い。光透過性樹脂被覆の構成材料としては、透明で、光を透過する材料であれば特に限定されないが、押出成形性が良好であり、透明性及び機械特性に優れたものが好ましく、例えば、硬質塩化ビニル、ABS、ポリスチロール、ポリアロマー、セルロースアセテート、セルロースブチレート、プロピオネート、エチルセルロース、ポリカーボネート、ポリプロピレン、EVA、軟質塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタンなどが挙げられる。又、光透過性樹脂被覆は、上記した耐候性添加剤を含んでいるものであってもよい。具体的な態様としては、光透過性樹脂被覆中に耐候性添加剤を添加する、光透過性樹脂被覆に内表面に耐候性添加剤を塗布する、光透過性樹脂被覆に耐候性添加剤を塗布する、といったものなどが考えられる。
【0024】
上記した光透過性樹脂被覆を構成する材料の中でも、厚さ0.25mmにおける可視光領域の光線透過率が80%以上であるものが好ましい。こうすることにより、クラッド材内部での光の散乱や吸収を抑えることができるため、伝送損失を少なくすることができるとともに、有色光を発光させる際に、設計で意図した色の光を鮮明な色彩で放つことが可能となる。尚、可視光領域の光線透過率はJIS K 7105(1981)に準拠して測定される。又、上記した光透過性樹脂被覆を構成する材料としては、耐熱温度が100℃以上であるものが好ましい。こうすることにより、光伝送体としての耐熱性を向上させることができるとともに、光伝送体を製造する際のコア材を非流動化処理する熱によって、光透過性樹脂被覆が劣化してしまうことを防止できる。
【0025】
上記光透過性樹脂被覆は、断面の形状を異形形状としても良く、異形形状としては、平面等に配設する際に、容易且つ確実に固定が行える形状であれば良い。例えば、被配設部と光伝送体との接触面積が増加する形状、被配設部に光伝送体を引っ掛けて固定することができる形状などが考えられ、具体的には、三角形、四角形、五角形、六角形などの形状や、図10〜図13に示す形状などが挙げられる(図中において、1は光伝送体、2はクラッド材、3はコア材、4は光透過性樹脂被覆を示す。)。尚、光透過性樹脂被覆4は光伝送体の長さ方向全体に渡って形成しても良いし、一部分のみに形成しても良い。
【0026】
本発明における光伝送体は、上記の構成材料を使用して、例えば、以下に示すような方法によって製造する。まず、クラッド材を押出成形等により異形形状のチューブに成形する。次いで、このクラッド材の内部に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物を少なくとも充填する。ここで「少なくとも」とは、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物の重合体を構成成分として有しているものであれば良く、耐候性添加剤などその他の成分を含む場合も当然のことながら想定されるものである。尚、側面出射型光伝送体とする場合は、このときに合わせて微粒子を混合して充填する。更に、ポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物を、例えば、加熱などにより反応させ非流動化処理を施す。ここで、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物(及び、微粒子)の混合物を、クラッド材の内部に充填する前に、ポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物に加熱などの前処理を行い、粘度を高めておくことも考えられる。こうすることにより、非流動化処理の時間を短縮できるとともに、側面出射型光伝送体とする場合は、微粒子の分散状態をより均一なものとすることが可能である。
【0027】
流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物をクラッド材の内部に充填する方法としては、例えば、真空ポンプやチューブポンプを使用する方法や、加圧充填する方法が挙げられる。又、別の方法として、例えば、クラッド材を押出成形法によりチューブ状に成形する際に、同時に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能性化合物と、微粒子の混合物を充填する方法も考えられる。こうすることにより、長尺の光伝送体を連続して製造することが可能である。
【0028】
又、光透過性樹脂被覆を形成する場合は、クラッド材の内部に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物を充填する前に、クラッド材の外周に光透過性樹脂を押出被覆する方法、先にクラッド材内に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物を充填し、非流動化処理をして、その後に、光透過性樹脂被覆を押出被覆により形成する方法、予めチューブ状にした光透過性樹脂被覆をクラッド材の外周に被せる方法などが挙げられる。これらの方法の中でも、クラッド材の内部に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物を充填する前に、クラッド材の外周に光透過性樹脂を押出被覆する方法であれば、製造が容易でクラッド材と光透過性樹脂被覆が確実に密着することになるとともに、コア材が、光透過性樹脂を押出被覆する際の熱に晒されて変質することがなく、光伝送体としたときにその特性を劣化させることがないので好ましい。
【0029】
本発明においては、上記の光伝送体の少なくとも一端に光源を配設し、図2に示すような照明装置10とすることも考えられる。光源5としては、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)などが使用可能である。又、光源5の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組合せたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
【0030】
尚、光伝送体1として、入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体を使用した場合、光源を光伝送体1の片端だけでなく、両端に配設することも考えられる。こうすることにより、より高輝度な発光を得ることが可能となるとともに、夫々の端で異なる発光色の光源5を用いることによって、照明装置10の長さ方向で徐々に変色しながら発光させることもでき、多彩な装飾表現が可能となる。
【0031】
又、光伝送体を屈曲した状態で保持する場合には、図3〜5に例示するように、光伝送体を屈曲した状態で固定保持できるような固定手段6を使用しても良い。この際、図3に示すように、光伝送体1の少なくとも1つの端面が、固定手段6の少なくとも一部の平面と同一平面上に保持されていれば、光伝送体1の端部において、変形や位置のずれが生じることはないことから、以下のような効果が得られるため好ましい。まず、光伝送体1の光源5側の端面を固定した場合、光源5と光伝送体1の端面の距離は再現性の良いものが得られることから、光伝送体1への入射光量は均一なものとなる。そのため、大量生産した際、個々の出射光量のバラツキが減り、品質を安定させることができる。又、光伝送体1の光源5側とは他方の端面を固定した場合、端面から光を出射させる際に出射方向を安定させることができるため、被照射物への光量が均一になるとともに、美しい装飾が可能になる。
【実施例】
【0032】
以下に、図1を参照して本発明の端面出射型光伝送体に関する実施例を比較例と併せて説明する。
【0033】
実施例1
コア材3を構成する材料として、ポリマーポリオールとしてポリオキシプロピレントリオール10gとポリオキシプロピレンジオール10gを使用し、イソシアヌレート結合を有するヒドロキシ基反応性多官能化合物としてコロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)20gを使用し、セミカルバゾン系光安定剤として(1、6−ヘキサメチレンビス(N、Nジメチルセミカルバジド))0.1gを使用し、更に、フェノール系酸化防止剤として(3、9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1、1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)0.1g、りん系酸化防止剤として(2、2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)オクチルホスファイト)0.1gを使用する。又、クラッド材2を構成するチューブとして、FEPからなる外径が3.6mmのチューブを使用する。このチューブ内に上記のコア材3を構成する材料を混合して充填し、100℃で加熱してコア材3に非流動化処理を施し、両端を切断して光伝送体1を得た。
【0034】
比較例1
コア材3を構成する材料として、光安定剤及び酸化防止剤を添加しなかった他は、実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
【0035】
比較例2
コア材3として、PMMA系のプラスチック材料を使用した他は、実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
【0036】
比較例3
コア材3として、市販の2液混合タイプのポリオルガノシロキサンを使用した他は、実施例1と同様にして光伝送体1を得た。
【0037】
ここで、本実施例による端面出射型光伝送体の特性を評価するために、以下に示すような試験を実施した。
【0038】
端面状態の観察:
各試料の両端の切断面を目視にて観察した。結果を表1に示す。
可撓性:
質量50gのおもりを吊り下げた長さ100mmの光伝送体1の一端を水平状態に固定し、水平面に対してたわむ距離を測定した。結果を表1に示す。
光伝送特性:
(A)初期出射特性
各試料1000mmを直線状態に配設して光量保持率の測定を行った。光量保持率は、白色LEDから出射する光量と、測定する光伝送体1の片端から白色LEDを入射したときの他端からの出射光量をそれぞれ照度計で測定し、次式を用いて算出した。〔光量保持率(%)=光伝送体出射光量/LED光量×100〕
結果を表1に示す。
(B)伝送損失値
各試料の伝送損失値は、光源として白色LEDを用い3m−1mカットバック法で測定した。結果を表1に示す。
(C)曲げ特性
各試料を自己径の13.5〜3.5倍の半円に曲げた状態で光量保持率の測定を行い、上記の初期特性試験で得られた光量保持率からの変化率を算出した。結果を図16に示す。
(D)耐温水特性
各試料を60℃の温水中に所定時間放置した後取出し、室温で30分間放置し、その状態で光量保持率の経時変化を測定した。結果を図17に示す。
(E)耐候特性(黄色度)
各試料をキセノンウェザーメーターにて以下の条件に曝した。
(1)63℃、50%RH×156分
(2)20℃純水スプレー、95%RH×24分
この間300〜400nm、180W/m紫外線連続照射
(1)、(2)を1サイクルとして125サイクル
試験後、次式を用いて黄色度を算出した。
〔黄色度=100×(1.28X−1.06Z)/Y〕
X、Y、Zの値は、輝度計測定から得られる三刺激値を利用した。結果を表2に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
これらの試験結果から次のことが判明した。まず、端面状態であるが、本実施例による光伝送体1は、切断面が平滑であり、端面の研磨加工等は不要であった。これに対して、比較例2の光伝送体は、切断面に凹凸が見られため約20秒間研磨加工を施す必要があった。
【0042】
次に、可撓性であるが、本実施例によるものは、比較例2に比べると著しく可撓性に優れていた。
【0043】
次に初期出射特性であるが、本実施例によるものは優れた光量保持率を示していた。
【0044】
次に、伝送損失値であるが、本実施例によるものは約1デシベル毎メートル程度であり、充分な光伝送性能を示していた。
【0045】
次に、曲げ特性であるが、本実施例によるものは、比較例2に比べて優れた光量保持率を示していた。又、本実施例によるものは、曲げ半径を自己径の3倍とした場合にもコア材3とクラッド材2が剥離するようなことはなかった。
【0046】
次に、耐温水特性であるが、本実施例によるものは温水中における光量低下がほとんどなく、優れた光伝送特性を長期間安定して維持していた。これに対して、コア材3としてポリオルガノシロキサンを使用した比較例3は、50時間経過後に、白濁してしまい出射光量の測定が不可能となってしまった。
【0047】
次に、耐候特性(黄色度)であるが、本実施例によるものは、キセノンウェザーメーターによる試験終了後も、黄色度は、75に抑えられており、優れた耐候特性を示していた。これに対して、耐候性添加剤を添加していない比較例1は、黄色度が120以上であり、黄変していることが確認された。
【0048】
続けて、図1を参照して本発明の側面出射型光伝送体に関する実施例を比較例と併せて説明する。
【0049】
実施例2
コア材3を構成する材料として、ポリマーポリオールとしてはポリオキシプロピレントリオール10gとポリオキシプロピレンジオール10gを使用し、イソシアヌレート結合を有するヒドロキシ基反応性多官能化合物としてはコロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)20gを使用し、セミカルバゾン系光安定剤として(1、6−ヘキサメチレンビス(N、Nジメチルセミカルバジド))0.1gを添加し、更に、フェノール系酸化防止剤として(3、9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1、1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)0.1g、りん系酸化防止剤として(2、2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)オクチルホスファイト)0.1gを使用する。又、クラッド材2を構成するチューブとして、FEPからなる外径が3.6mmのチューブを使用する。又、微粒子として、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。上記のチューブ内に上記のコア材3を構成する材料と上記の微粒子を混合して充填し、100℃で加熱してコア材3に非流動化処理を施し、両端を切断して光伝送体1を得た。
【0050】
実施例3
微粒子として平均粒径70μmのガラスビーズ0.01gを使用した他は、実施例2と同様にして光伝送体1を得た。
【0051】
比較例4
コア材3を構成する材料として、光安定剤及び酸化防止剤を添加しなかった他は、実施例2と同様にして光伝送体1を得た。
【0052】
比較例5
コア材3として、PMMA系のプラスチック材料を使用した他は、実施例2と同様にして光伝送体1を得た。
【0053】
比較例6
コア材3として、市販の2液混合タイプのポリオルガノシロキサンを使用した他は、実施例2と同様にして光伝送体1を得た。
【0054】
ここで、本実施例による側面出射型光伝送体の特性を評価するために、以下に示すような試験を実施した。
【0055】
端面状態の観察:
光伝送体1の両端の切断面を目視にて観察した。結果を表3に示す。
可撓性:
質量200gのおもりを吊り下げた長さ200mmの光伝送体1の一端を水平状態に固定し、水平面に対してたわむ距離を測定した。結果を表3に示す。
側面出射特性:
(A)初期特性
各試料約400mmを直線状態に配設して側面出射光量の測定を行った。側面出射光量は、光源としての白色LEDを原点とし、そこから所定の位置での側面出射光量を照度計で測定した。結果を図18に示す。
(B)耐温水特性
各試料約400mmを60℃の温水中に所定時間放置した後取出し、室温で30分間放置する。そして、直線状に配設した状態で側面出射光量の初期値からの出射光量変化率を測定した。出射光量変化率は、光源としての白色LEDを原点とし、そこから200mmの位置における側面出射光量を照度計で測定し、算出した。結果を図19に示す。
(C)均一性
各試料約400mmを直線状に配設して側面出射光量の測定を行った。側面出射光量は、光源としての白色LEDを原点とし、そこから200mmの位置において、同一円周上の任意の点(0°)及びその点に対向する点(180°)について側面出射光量を照度計で測定した。結果を表4に示す。
(D)耐候特性(黄色度)
各試料をキセノンウェザーメーターにて以下の条件に曝し、試験後の黄色度を評価した。
(1)63℃、50%RH×156分
(2)20℃純水スプレー、95%RH×24分
この間300〜400nm、180W/m紫外線連続照射
(1)、(2)を1サイクルとして125サイクル
結果を表4に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
これらの試験結果から次のことが判明した。まず、端面状態であるが、本実施例による光伝送体1は何れも切断面が平滑であり、端面の研磨加工等は不要であった。これに対して、比較例5の光伝送体は、切断面に凹凸が見られため約20秒間研磨加工を施す必要があった。
【0059】
次に、可撓性であるが、本実施例によるものは何れも比較例5に比べて著しく可撓性に優れていた。
【0060】
次に、初期出射特性であるが、本実施例によるものは何れも、光源からの距離に係わらず安定した側面出射光量が得られており、優れた側面出射特性を示していた。
【0061】
次に、耐温水特性であるが、本実施例によるものは何れも温水中における側面出射光量の低下が殆どなく、優れた側面出射特性を長期間安定して維持していた。これに対して、コア材3としてポリオルガノシロキサンを使用した比較例6は、50時間経過後に白濁してしまい、側面出射光量の測定が不可能となってしまった。
【0062】
次に、均一性であるが、実施例2によるものは、同一円周上で均一な側面出射光量が得られていた。これに対して、使用した微粒子の粒径が本発明の好ましい範囲の上限値(50μm)を超える実施例3は、実使用上は問題ないものの、同一円周上で側面出射光量に若干のバラツキが見られた。
【0063】
次に、耐候特性(黄色度)であるが、本実施例によるものは、キセノンウェザーメーターによる試験終了後も、黄色度は、72〜75に抑えられており、優れた耐候特性を示していた。これに対して、耐候性添加剤を添加していない比較例4によるものは、黄色度が120であり、黄変していることが確認された。
【0064】
本願発明は上記の実施例のみに限定されるものではない。例えば、本願発明の実施例2,3では、周方向の全周に渡って発光させる側面出射型光伝送体を例示したが、コア材とクラッド材の間やクラッド材の外周に、光を反射する層や部材を設けたり、光を反射する塗料を塗布したりすることにより、特定部分のみを発光させることが可能な指向性を持った側面出射型光伝送体とすることも考えられる。又、クラッド材表面に文字などをマーキングし、浮き彫りに光らせるといったことも考えられる。
【0065】
又、本発明による光伝送体は、クラッド材及び/又はその外周に形成される光透過性樹脂被覆を異形形状にすることができるため、例えば、図15に示すような形態とすることもできる。このような形態とすれば、筐体等の表面に形成された溝等に光伝送体を容易に嵌合させることができ、配設作業を非常に容易且つ確実とすることができる。又、本発明による光伝送体は、可撓性に優れているので、図15のような異形形状であっても屈曲によりコア材3とクラッド材2が剥離してしまうことはなく、複雑なパターンに配設することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上詳述したように本発明によれば、柔軟で可撓性に優れることから大口径化した場合にも容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、高温高湿の条件下、温水中、及び、長期間直射日光や風雨に晒される条件における出射光量の低下が殆どなく、優れた出射特性を長期間安定して維持することができる光伝送体と、該光伝送体を使用した照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例を表す図で、光伝送体を示す一部切欠斜視図である。
【図2】実施の形態の一例を表す図で、照明装置を示す概略断面図である。
【図3】実施の形態の一例を表す図で、光伝送体と固定手段を嵌合させた状態を示す斜視図である。
【図4】実施の形態の一例を表す図で、固定手段を用いた照明装置を示す概略断面図である。
【図5】実施の形態の一例を表す図で、固定手段を用いた照明装置を示す分解斜視図である。
【図6】実施の形態の一例を表す図で、クラッド材を異形形状とした光伝送体を示す断面図である。
【図7】実施の形態の一例を表す図で、クラッド材を異形形状とした光伝送体を示す断面図である。
【図8】実施の形態の一例を表す図で、クラッド材を異形形状とした光伝送体を示す断面図である。
【図9】実施の形態の一例を表す図で、クラッド材を異形形状とした光伝送体を示す断面図である。
【図10】実施の形態の一例を表す図で、異形形状の光透過性樹脂被覆を形成した光伝送体を示す断面図である。
【図11】実施の形態の一例を表す図で、異形形状の光透過性樹脂被覆を形成した光伝送体を示す断面図である。
【図12】実施の形態の一例を表す図で、異形形状の光透過性樹脂被覆を形成した光伝送体を示す断面図である。
【図13】実施の形態の一例を表す図で、異形形状の光透過性樹脂被覆を形成した光伝送体を示す断面図である。
【図14】他の実施の形態を表す図で、光伝送体を示す一部切欠斜視図である。
【図15】他の実施の形態を表す図で、光伝送体の斜視図である。
【図16】端面出射型光伝送体における曲げ特性試験の結果を示す図である。
【図17】端面出射型光伝送体における耐温水特性試験の結果を示す図である。
【図18】側面出射型光伝送体における初期出射特性試験の結果を示す図である。
【図19】側面出射型光伝送体における耐温水特性試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 光伝送体
2 クラッド材
3 コア材
4 光透過性樹脂被覆
5 光源
6 固定手段
10 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状クラッド材と、上記チューブ状クラッド材内に収容されチューブ状クラッド材の内表面よりも屈折率の高い非晶質コア材と、からなる光伝送体において、上記非晶質コア材はポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体とを少なくとも構成成分として有しているとともに、上記チューブ状クラッド材及び/又は上記非晶質コア材は、耐候性添加剤として光安定剤及び酸化防止剤を含んでいるものであることを特徴とする光伝送体。
【請求項2】
請求項1記載の光伝送体において、
上記光安定剤はセミカルバゾン系光安定剤であることを特徴とする光伝送体。
【請求項3】
請求項1記載の光伝送体において、
上記酸化防止剤はフェノール系酸化防止剤及びりん系酸化防止剤を含んでいるものであることを特徴とする光伝送体。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の光伝送体において、
上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基を持つ化合物から構成されていることを特徴とする光伝送体。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載の光伝送体において、
上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基から誘導される官能基を有するものから構成されていることを特徴とする光伝送体。
【請求項6】
請求項5記載の光伝送体において、
上記イソシアネート基から誘導される官能基を持つものはイソシアヌレート結合を含むことを特徴とする光伝送体。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の光伝送体において、
上記ポリマーポリオールと上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物とからなる重合体を少なくとも構成成分として有している非晶質コア材は少なくとも一部にゲル状物を含むものであることを特徴とする光伝送体。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の光伝送体において、
上記非晶質コア材中に微粒子が分散されていることを特徴とする光伝送体。
【請求項9】
請求項8記載の光伝送体において、
上記微粒子の粒径が50μm以下であることを特徴とする光伝送体。
【請求項10】
請求項1〜9記載の光伝送体と、この光伝送体の少なくとも一端に配設された光源とを備えたことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−86527(P2007−86527A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276528(P2005−276528)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000129529)株式会社クラベ (125)
【Fターム(参考)】