説明

光信号再生方法およびネットワーク装置

【課題】大容量の光信号を伝送する光ネットワークを柔軟に構築またはアップグレードする。
【解決手段】光信号再生方法は、ネットワーク装置において光信号を受信し、光信号のパフォーマンス特性を測定し、光信号について測定したパフォーマンス特性に基づいて光信号の再生が必要であるか判定し、光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて光信号を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号再生方法および光信号を再生するネットワーク装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
遠隔通信システム、ケーブルTVシステム、データ通信ネットワークは、大容量の情報を高速で伝送するために、光ネットワークを使用する。光ネットワークにおいては、情報(トラヒック)は、光ファイバを介して光信号の形で伝送される。光信号は、トラヒックが変調された所定波長の光ビームにより構成される。情報を運ぶ波長は、「光チャネル」または単に「チャネル」と呼ばれることがある。各チャネルは、光ネットワークを介して所定のデータレートで情報を運ぶように構成されている。
【0003】
光ネットワークの伝送容量を増加させるために、複数のチャネルの複数の信号が1つの光信号に多重化されることがある。1つの光信号で複数のチャネルの情報を通信するための処理は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)と呼ばれることがある。高密度WDM(DWDM:Dense WDM)は、多数の(例えば、40以上)波長を高い密度で光ファイバ中に多重化する。WDM、DWDM、または他の多波長伝送技術は、光ファイバ毎の総帯域を広くするために、光ネットワークにおいて使用される。また、各チャネルにより伝送されるトラヒック量を増加させるために、様々な変調技術が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光信号により伝送されるトラヒック量を増やすための技術は、上述のネットワークを実装するうえで新たな困難を発生させる。たとえば、大容量(例えば、400Gbps)の光信号は、より厳しいパフォーマンス(例えば、高い光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio))が要求される。ところが、現在の技術では、大容量光信号についての厳しいパフォーマンス要求を満たそうとすると、コストが高くなり、効率が悪くなる。
【0005】
本発明の目的は、大容量光信号の伝送に係わる上述の欠点または問題を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様の光信号再生方法は、ネットワーク装置において光信号を受信し、前記光信号のパフォーマンス特性を測定し、前記光信号について測定したパフォーマンス特性に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定し、前記光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて前記光信号を再生する。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様によれば、大容量光信号の伝送に係わる欠点または問題が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】光ネットワークの一例を示す図である。
【図2】光信号を再生する光ネットワークの一例を示す図である。
【図3】光信号を再生する光ネットワークにおいて使用されるネットワーク装置の一例を示す図である。
【図4】光信号を再生する光ネットワークにおいて使用されるネットワーク装置の他の例を示す図である。
【図5】光信号再生方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る光ネットワーク100の一例を示す。後で詳しく説明するが、光ネットワーク100のネットワーク装置(例えば、光アド・ドロップマルチプレクサ(OADM)110)は、光信号を受信すると、自動的に光信号を再生することができる。この実施形態または他の実施形態において、ネットワーク装置は、光ネットワーク100を介して伝搬する光信号のパフォーマンスをモニタする。光信号のパフォーマンスがその光信号に対して設定されている閾値を満足していないときは、ネットワーク装置は、光信号が光ネットワーク100を介してさらに伝搬を続けて宛先に到着できるようにするために、光信号を再生する。従来技術と異なり、本実施形態の信号再生処理は、光信号を再生する必要があるか否かを、測定された光パフォーマンスに基づいて動的に決定することができる。なお、従来の信号再生技術は、特定のネットワークの構成(例えば、ファイバ種別、スパン長など)に基づいており、信号再生処理は、予め設定された、静的な方法で設計する必要がある。本実施形態に係る動的な実装は、例えば、光ネットワークのコスト効率の最適化、及び/又は、改善を実現する。
【0010】
光ネットワーク100は、光ネットワーク100のネットワーク装置により通信される1または複数の光信号を伝送する1または複数の光ファイバ106を含む。ネットワーク装置は、光信号が光ネットワーク100を介して伝搬するときに通過する、任意の数の要素を意味する。光ネットワーク100のネットワーク装置は、1または複数の光ファイバ106で互いに接続されていてもよいし、1または複数の送信器102、1または複数のマルチプレクサ(MUX)104、1または複数の増幅器108、1または複数のOADM110、1または複数の受信器112を含んでいてもよい。
【0011】
光ネットワーク100は、例えば、端末ノード間のポイント・ツー・ポイント光ネットワーク、リング光ネットワーク、メッシュ光ネットワーク、または他の好適な光ネットワーク、或いは、そのような光ネットワークの組合せである。光ファイバ106は、非常に小さい損失で光信号を長距離伝送可能な細い線状のガラスで形成される。また、光ファイバ106として、シングルモードファイバ(SMF)、E−LEAF(Enhanced Large Effective Area Fiber)、またはTrue Wave(登録商標)Reduced Slope(TW−RS)ファイバ等の、任意の好適な光ファイバを使用することができる。
【0012】
光ネットワーク100は、光ファイバ106を介して光信号を伝送する装置を含んでもよい。情報は、1または複数の光波長の変調において情報を符号化して波長の載せることにより、光ネットワーク100を介して送信および受信される。光ネットワークにおいては、光の波長は、チャネルと呼ばれることがある。各チャネルは、任意のデータレートで光ネットワーク100を介して任意の量の情報を運ぶことができる。
【0013】
チャネルのデータレートは、各チャネルにおいて使用される変調方式に関係する。例えば、10GbpsのEthernet(登録商標)システムにおいて、2つの変調レベルを用いて情報を運ぶオン・オフキーイングを使用してもよい。40GbpsのEthernetシステムにおいて、オン・オフキーイング等の2値変調方式よりも多くの情報を運ぶことができる、4つの変調レベルを用いて情報を運ぶQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying)を使用してもよい。さらに、400GbpsのEthernetシステムを実装するために、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、ナイキストWDM、狭チャネル間隔WDM等を、偏波多重16QAMまたは偏波多重16PSK等に適用してもよい。このように、チャネルのスペクトル効率を高め、これにより光ネットワーク100の情報伝送容量を大きくするために、様々な変調方式および形式が使用され得る。
【0014】
光ネットワーク100の情報伝送容量をさらに大きくするために、複数のチャネルにより伝送される複数の信号を1つの光信号に多重化してもよい。1つの光信号で複数のチャネルの情報を通信するための処理は、WDMと呼ばれることがある。高密度WDM(DWDM)は、多数(例えば、40以上)の波長を高い密度で光ファイバ中に多重化する。WDM、DWDM、または他の多波長伝送技術は、光ファイバ毎の総帯域を広くするために、光ネットワークにおいて使用される。WDMまたはDWDM無しでは、光ネットワークの帯域は、1つのチャネルのデータレートに制限されてしまう。帯域を広くすれば、光ネットワークは、より多くの情報量を伝送できる。光ネットワーク100は、WDM、DWDM、または他のマルチチャネル多重化方式を使用して複数のチャネルを伝送することができ、また、マルチチャネル信号を増幅することができる。
【0015】
光ネットワーク100の伝送帯域は、光ネットワーク100が動作する波長領域を含む光スペクトルの一部に相当する。例えば、北アメリカの伝送帯域は、Cバンドであって、概ね波長帯1525〜1565nmを含んでいる。よって、Cバンド中を伝送する光信号は、概ね1525〜1565nm内の波長を含む。
【0016】
チャネルパワーは、光ネットワーク100の光信号対雑音比(OSNR)に関係する。OSNRは、信号を劣化させる雑音に対する信号のパワーの比率を表す。各チャネルの信号のパワーは、雑音の影響を克服し、信号により運ばれるトラヒックがその信号から抽出されるように、十分に高くなくてはならない。
【0017】
OSNRは、信号伝搬距離の関数である。光信号が伝搬されると、信号に影響を与える雑音量は、光信号の伝送距離、および/または、光信号が通過するネットワーク装置の数に応じて増加する。例えば、光信号があるネットワーク装置から光ファイバ106を介して他のネットワーク装置へ伝搬するとき、信号のパワーは、光ファイバ106を介しての伝搬においてスパン損失を受ける。また、後述する増幅器108において、光信号の増幅に際して雑音が発生する。さらに、光信号が他の様々なネットワーク装置を通過するときに、そのネットワーク装置においても雑音が発生する。したがって、十分に高いOSNRを得るためには、短い距離を伝送される、及び/又は、少ないネットワーク装置を通過する光信号のパワーと比較して、長い距離を伝送される、及び/又は、多くのネットワーク装置を通過する光信号のパワーは、高くなくてならない。
【0018】
また、変調方式によって雑音に対する感度が異なるので、変調方式ごとに満足すべきOSNRの要件が異なる。したがって、信号再生が必要となるまでに光信号が伝送できる距離は、各光信号に対して使用される変調方式に依存する。以下の記載において、信号再生なしで光信号が伝送可能な距離を、光信号の「光到達距離(optical reach)」または単に「到達距離」と呼ぶことがある。ここで、上述したように、異なるデータ伝送容量を実現するために異なる変調方式が使用されるので、光信号の容量が異なると、その到達距離も変わることになる。たとえば、10Gbps信号または100Gbps信号の到達距離と比較して、400Gbps信号の到達距離は短い。即ち、伝送距離が同じ場合は、使用される変調方式が異なることに起因して、10Gbps信号または100Gbps信号と比較して、400Gbps信号は、より頻繁に信号再生が必要である。
【0019】
信号のルーティングは、予め設定された宛先および伝送距離に応じて設計される。従来技術において、光−電気−光変換を含む信号再生(以下、「光−電気−光再生」と呼ぶことがある)を行うために、光信号の到達距離に基づいて、光信号の生成点と宛先との間に追加的にネットワーク装置が予め設定される。ところが、光信号のタイプが異なるとその到達距離も異なるので、他のタイプの光信号を伝送するようにネットワーク装置がアップグレードされるときは(例えば、ネットワーク装置が400Gbps信号を伝送できるようにするために、400Gbpsカードが挿入される)、新たなタイプの光信号のために必要となる信号再生点の位置は、先のタイプの光信号のための再生点の位置と異なってしまう。例えば、100Gbps信号と比較して、400Gbps信号の到達距離は短い。このため、100Gbps信号と比較して、400Gbps信号に対しては、より多くの再生点が必要になる。
【0020】
本発明の実施形態に係るネットワーク装置(例えば、OADM110)は、後で詳しく説明するが、あるタイプの光信号(例えば、400Gbps信号)を受信すると、他のタイプの光信号(例えば、100Gbps信号)に対応づけられて予め設定されている再生点とは無関係に、その光信号を再生するか否かを決定する。このような構成は、光ネットワーク100のアップグレードを簡単にする。
【0021】
例えば、ネットワーク装置は、100Gbps信号および400Gbps信号を受信するものとする。また、光ネットワーク100は、100Gbps信号に対応づけられて予め設定された再生点に基づいて設計されているものとする。ここで、ネットワーク装置がそのような再生点の1つでないときは、ネットワーク装置は、受信信号が100Gbps信号であると認識すると、信号再生を行うことなく、その100Gbps信号を他のネットワーク装置へ導く。また、ネットワーク装置が予め設定された再生点の1つであるときは、ネットワーク装置は、受信信号が100Gbps信号であると認識すると、予め設定された方式に基づいて、自動的にその100Gbpsを再生(例えば、光−電気−光変換を含む信号再生)する。
【0022】
一方、400Gbps信号を受信したときは、ネットワーク装置は、受信信号が400Gbps信号であると認識し、その400Gbps信号の光信号パフォーマンス特性を測定する。この測定に基づいて、ネットワーク装置は、この400Gbps信号を次のネットワーク装置へ導く前に、信号再生を実行するか否かを決定する。したがって、このようなネットワーク装置を有する光ネットワーク100においては、100Gbps信号と400Gbps信号との間の到達距離の差に起因して必要とされる、400Gbps信号のための再生点を決定して実装することなく、100Gbps対応構成から400Gbps対応構成へのアップグレードが可能である。言い換えると、100Gbps信号のために設定された再生点は、400Gbps信号のためにも使用することができ、また、動的な信号再生は、100Gbps信号と比較して短い400Gbps信号の到達距離を補うことができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、400Gbps信号の再生は、光−電気−光変換を行うことなく、光領域で行われる。光−電気−光再生の数を少なくすると、ネットワーク装置のコストが削減される。なお、本発明は、400Gbpsのための機能が100Gbpsネットワークに導入される構成に限定されるものではない。
【0024】
新しい光ネットワークを設計して実装する際に、すべてのネットワーク装置が上述の自動信号再生を行うように構成すれば、予め決められた再生点を生成する代わりに、ネットワークの設計を簡単にすることができる。したがって、光ネットワークの動的な信号再生によれば、光ネットワーク100を新たな光ネットワークとして実装する場合、および既存の光ネットワークにおいて新たなタイプの光信号を伝送する場合(例えば、既存の光ネットワークに400Gbps信号を導入する)、従来の方法よりも、柔軟に対応することができる。
【0025】
光ネットワーク100は、指定された波長またはチャネルで光ネットワーク100を介して伝送される光信号を送信する、1または複数の光送信器(Tx)102を有する。光送信器102は、電気信号を光信号に変換してその光信号を送信する、任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。例えば、各光送信器102は、レーザ光源および変調器を有しており、電気信号を受信し、レーザ光源により生成される所定の波長の光ビームを電気信号に含まれている情報で変調し、信号を伝送する光ビームをネットワークへ送信する。
【0026】
マルチプレクサ104は、光送信器102に接続され、光送信器102から送信される互いに波長の異なる光信号を結合して1つのWDM信号またはDWDM信号を生成する、任意のシステム、装置、またはデバイスである。
【0027】
増幅器108は、ネットワーク管理システムによって決められている、各チャネル毎のパワーレベルに従って、光ネットワーク100において多チャネル光信号を増幅する。増幅器108は、ある長さの光ファイバ106の前段および/または後段に配置される。増幅器108は、光信号を増幅する任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。例えば、増幅器108は、光信号を増幅する光中継器を有していてもよい。増幅器108は、光−電気変換または電気−光変換を行うことなく、光信号増幅する。増幅器108は、例えば、希土類エレメントが添加された光ファイバである。この場合、外部からのエネルギーにより希土類エレメントが添加された領域の原子が励起され、光信号が光ファイバを通過するときに、その光信号の強度が増加する。一例としては、増幅器108は、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)である。ただし、増幅器108は、半導体光増幅器(SOA)などの、他の任意の増幅器であってもよい。
【0028】
OADM110は、光ファイバ106により光ネットワーク100に接続される。OADM110は、分岐/挿入装置を有する。分岐/挿入装置は、光ファイバ106から光信号を分岐する、及び/又は、光ファイバ106に光信号を挿入する、任意のシステム、装置、デバイスを含む。OADM110は、たとえば、再構成可能なOADM(ROADM:Reconfigurable OADM)であってもよい。OADM100を通過した後、光信号は、特に図示しないが、光ファイバ106を介して直接的に宛先へ伝送されるか、或いは、宛先へ到着する前に1または複数の他のOADMを通過する。この明細書において、OADM110は、ネットワーク装置の一例であって、後で詳しく説明するように、受信した光信号について自動信号再生を行うことができる。
【0029】
光ネットワーク100は、光ネットワーク100に接続される1または複数の宛先において、デマルチプレクサ105を有する。デマルチプレクサ105は、1つのWDM信号をチャネル毎に分離する逆多重化器として動作する、任意のシステム、装置、デバイスを有する。例えば、デマルチプレクサ105は、マルチプレクサ104と同じ構成であってもよいが、複数のチャネルを結合してWDM信号を生成する代わりに、WDM信号をチャネル毎に分離する。例えば、光ネットワーク100が40チャネルDWDM信号を伝送する場合、デマルチプレクサ105は、この40チャネルDWDM信号を、40個のチャネルに対応する40個の光信号に分離する。
【0030】
光ネットワーク100は、デマルチプレクサ105に接続する複数の光受信器112を有する。各光受信器112は、所定の波長またはチャネルで伝送されてくる光信号を受信し、その光信号に含まれている情報のための信号処理を行う。
【0031】
この明細書の開示内容を逸脱しない範囲で、光ネットワーク100に対して変更、追加、削除を行ってもよい。例えば、光ネットワーク100の各チャネルのデータレート(例えば、10Gbps、40Gbps、100Gbps、400Gbpsなど)は、互いに同じであってもよいし、互いに同じでなくてもよい。光ネットワーク100は、図1に示す要素よりも多くの要素を含む構成であってもよいし、図1に示す要素よりも少ない要素を含む構成であってもよい。光ネットワーク100は、図示されていない要素、例えば分散制御モジュールなどを含んでもよい。また、図1はポイント・ツー・ポイントネットワークを示しているが、光ネットワーク100は、リングネットワークまたはメッシュネットワーク等の任意のネットワークでもよい。
【0032】
図2は、光信号を自動再生するネットワーク装置202を含む、本発明の実施形態に係る光ネットワーク200の一例を示す。ネットワーク装置202は、上述した光ネットワーク100において使用されるネットワーク装置に対応する。例えば、ネットワーク装置202は、図1に示すOADM100を含み、光ネットワーク200において光信号を分岐および/または挿入することができる。
【0033】
なお、ネットワーク装置202は、図2に示すネットワーク装置202a〜202gを含む、光ネットワーク200に設けられるネットワーク装置の総称である。また、光信号204は、図2に示す光信号204a〜204cを含む、光ネットワーク200において伝送される光信号の総称である。
【0034】
この実施例では、ネットワーク装置202aは、光ネットワーク200を介して複数の光信号204を送信する。ネットワーク装置202aは、光信号204aをネットワーク装置202aからネットワーク装置202dへ導く。ネットワーク装置202dは、光信号204aをネットワーク装置202fへ導く。ネットワーク装置202fは、光ネットワーク200から光信号204aをドロップする。また、ネットワーク装置202aは、光信号204bをネットワーク装置202eへ導き、ネットワーク装置202eは、その光信号204bをネットワーク装置202fへ導く。ネットワーク装置202fは、光信号204bをネットワーク装置202gへ導く。ネットワーク装置202gは、光ネットワーク200から光信号204bをドロップする。更に、ネットワーク装置202aは、光信号204cをネットワーク装置202bへ導き、ネットワーク装置202bは、その光信号204cをネットワーク装置202cへ導く。ネットワーク装置202cは、光ネットワーク200から光信号204cをドロップする。
【0035】
幾つかの実施形態では、各ネットワーク装置202は、受信した光信号204について光パフォーマンスをモニタする。そして、ネットワーク装置202は、1または複数のチャネルの光信号204を他のネットワーク装置202へ通信する前に、パフォーマンスのモニタに基づいて、光信号再生を行うか否かを決定する。
【0036】
例えば、ネットワーク装置202aから光信号204bを受信すると、ネットワーク装置202eは、その光信号204bの光パフォーマンスをモニタする。ネットワーク装置202eは、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202fへ光信号204bを通信する前に、光信号204bの光再生を行うことが有効である程度に光信号204bが劣化しているかを判定するために、光信号204bの光パフォーマンスをモニタする。同様に、ネットワーク装置202d、202bは、それぞれ光信号204a、204cをネットワーク装置202f、202cへ通信する前に、それぞれ光信号204a、204cの光パフォーマンスをモニタする。
【0037】
パフォーマンスのモニタにおいては、OSNR、偏波モード分散(PMD)、2次の偏波モード分散(SOPMD)、波長分散、位相雑音、偏波依存損失(PDL)、光信号のアイ開口、光信号のビット誤り率(BER)、その他の光信号204について適用可能な任意のパフォーマンス特性をモニタすることができる。上述の1または複数の任意のパフォーマンス特性を測定するために、任意のシステム、装置、またはデバイスを使用することができる。例えば、PMDのモニタは、部分的なサイドバンドのフィルタリングにより実現され、OSNRのモニタは、干渉計を利用して実現される。monitoring division inc (mdi)によるeyeD 360 monitor 等のデバイスは、上述の1または複数のパフォーマンス特性をモニタするために使用可能である。幾つかの実施形態では、パフォーマンスのモニタは、光信号204の各チャネルのパフォーマンス特性(例えば、OSNR、PMDなど)を解析する光スペクトラムアナライザによって実現される。
【0038】
この実施形態では、ネットワーク装置202d、202bは、それぞれ、パフォーマンスのモニタに基づいて、光信号204a、204cの再生を行わない、と判定するものとする。この場合、ネットワーク装置202d、202bは、それぞれ光信号204a、204cを、再生することなく、ネットワーク装置202f、202cへ導く。これに対して、ネットワーク装置202eは、光信号204bをネットワーク装置202fへ導く前に、光信号204bのパフォーマンスのモニタに基づいて、信号補正部206を用いて光信号204bを再生する必要があると判定する。なお、信号補正部206については、後で、図3および図4に示す信号補正部306および信号補正部406を参照しながら詳しく説明する。そして、ネットワーク装置202eの信号補正部206は、ネットワーク装置202eが光信号204bをネットワーク装置202eへ通信する前に、光信号204bを再生する。なお、上述したように、再生処理は、光信号204について、光−電気−光変換を行うことなく、光領域で行ってもよい。
【0039】
幾つかの実施形態においては、ネットワーク装置202は、パフォーマンス特性の測定値とそのパフォーマンス特性についての閾値との比較に基づいて、光信号204を再生するか否かを決定してもよい。例えば、ネットワーク装置202は、光信号204のOSNRの測定値とOSNRの閾値とを比較する。閾値は、例えば、パフォーマンス特性によって測定される光信号204の品質が、光信号204が十分な品質で当該ネットワーク装置202から宛先(例えば、次のネットワーク装置202)に到着する程度に高いか否かに基づいて決定される。したがって、閾値は、光信号204の到達距離、光信号204を送信するネットワーク装置202からその光信号204を受信するネットワーク装置202までの距離、ネットワーク装置202間の光ファイバの特性、光信号のアイ開口、ビット誤り率、その他の適用可能な特性に依存して変わる。光信号204の到達距離は、光信号204がある1つのネットワーク装置202に到達するためには十分に大きいかも知れないが、他のネットワーク装置202に到達するためには十分に大きくないかも知れないので、閾値は、ネットワーク装置202間の距離に応じて変わる。
【0040】
例えば、ネットワーク装置202dからネットワーク装置202fまでの距離は、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202fまでの距離とは異なっているかも知れない。したがって、ネットワーク装置202dにおいて光信号204aをネットワーク装置202fへ導く前に光信号204aを再生するか否かを決定するための閾値は、ネットワーク装置202eにおいて光信号204bをネットワーク装置202fへ導く前に光信号204bを再生するか否かを決定するための閾値とは、異なっているかも知れない。また、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202cまでの距離は、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202fまでの距離とは異なっているかも知れない。したがって、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202cへ送信される光信号204のための閾値は、ネットワーク装置202eからネットワーク装置202fへ送信される光信号204のための閾値とは、異なっているかも知れない。
【0041】
幾つかの実施形態においては、ネットワーク装置202は、光信号の信号タイプに基づいて、その光信号を再生するか否かを判定する。このような実施形態は、例えば、光ネットワークをアップグレード(たとえば、100Gbps信号を伝送する光ネットワークにおいて、400Gbps信号を伝送できるようにアップグレードする)のために使用される。例えば、光信号202aが100Gbps信号であり、光ネットワーク200は、100Gbps信号に対して予め設定された再生点を有するものとする。また、ネットワーク装置202dは、光信号204aのための再生点ではないものとする。この場合、ネットワーク装置202dは、光信号202aが100Gbps信号であると認識すると、その光信号204aを再生しない。これに対して、光信号202bが400Gbps信号であり、光ネットワーク200は、400Gbps信号に対して予め設定された再生点を有していないものとする。この場合は、ネットワーク装置202aから光信号204bを受信すると、ネットワーク装置202eは、光信号204bのパフォーマンス特性を測定し、その測定したパフォーマンス特性に基づいて、光信号204bを再生するか否かを判定する。なお、上述したように、この判定は、光信号204bのパフォーマンス特性についての閾値に基づいて行われる。
【0042】
幾つかの実施形態では、各ネットワーク装置202は、光信号204を受信し、その光信号204の宛先を特定する。宛先は、例えば、他のネットワーク装置202である。あるいは、光信号204が光ネットワーク200からドロップされるときは、そのドロップされた光信号204から情報を抽出する受信器が、宛先となることもある。ネットワーク装置202は、光信号の宛先に基づいて閾値を決定してもよい。幾つかの実施形態では、あるネットワーク装置202から他のネットワーク装置202へ送信される光信号204に係わる閾値は、各ネットワーク装置202と通信可能に接続される不図示のネットワーク管理システムによって決定されるようにしてもよい。
【0043】
例えば、他のネットワーク装置202が光信号204の宛先である場合、上述したように、閾値は、ネットワーク装置202間の距離、光信号204の到達距離などの様々な要因に基づく。受信器が光信号204の宛先である場合は、閾値は、例えば、光信号204を受信して解析する受信器の能力に基づくようにしてもよい。
【0044】
光信号を再生する処理は、光−電気−光再生で実現してもよいし、光−電気−光変換を行うことなく光領域で行われる光再生により実現してもよい。光再生が使用される場合、再生処理は、光信号204の変調方式に依存する。たとえば、非線形ループミラーまたは可飽和吸収器を使用するASE(Amplified Spontaneous Emission)除去処理は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式の信号を光領域で再生するために実施される。また、位相雑音除去処理は、BPSK変調方式の信号を光領域で再生するために使用される。光再生の他の例は、DOP(Degree of Polarization)最大化、クロック再生(例えば、複数の信号の受信タイミングの調整)、相互位相変調(XPM)を抑制するために特定波長への遅延挿入など利用するPMDおよびPDL補償であり、様々な変調方式に適用可能である。さらに、光信号を再生する処理は、波長分散および/または信号パワー増幅も補償する。
【0045】
光再生処理を実現するために、異なる処理を行う複数の再生ユニットの帯域が互いに異なるように構成してもよい。例えば、光パラメトリック再生処理で使用される信号励起のパワーの増加は、その処理を実施する再生ユニットの帯域を広くし、信号励起のパワーの低下は、その処理を実施する再生ユニットの帯域を狭くする。したがって、光ネットワーク200の送信帯域の光スペクトラムをカバーするように、各再生ユニットの帯域に応じて、複数の異なる再生ユニットを使用してもよい。
【0046】
例えば、再生ユニットは、光ネットワーク200において伝送される光信号のすべての光スペクトラムをカバーする帯域(例えば、全Cバンド)を有する。このような再生ユニットは、全帯域再生を行うことができるように、光ネットワーク200の伝送帯域内のすべてのチャネルに対して光信号再生を行う。例えば、ASE除去を利用して再生処理を行う再生ユニットは、全帯域再生ユニットである。ただし、ASE除去再生ユニットは、後述するように、部分帯域(例えば、チャネル単位)再生ユニットとして実装してもよい。
【0047】
他の再生ユニットは、光ネットワーク200の伝送帯域の光スペクトラムの一部を再生するような帯域を有するように構成される。光スペクトラムの一部は、1または複数のチャネルを含む。このような再生ユニットは、個々の再生ユニットに対応づけられた伝送帯域の一部の中の配置されている波長を有するチャネルに対する部分帯域再生を行う。このような実施形態では、ネットワーク装置202は、光ネットワーク200の光信号の全伝送帯域をカバーするためには、複数の部分帯域再生ユニットを含む。例えば、PMD、PDL、XPM、またはクロック再生を利用する再生ユニットは、部分帯域(例えば、チャネル単位)再生ユニットとして実装してもよい。
【0048】
したがって、ネットワーク装置202は、全帯域再生処理、部分帯域再生処理、またはチャネル単位再生処理を行う1または複数の再生ユニットを利用して、パフォーマンスのモニタ及び/又は光信号の補正を行うことができる。上述したように、再生ユニットの帯域は、光信号204の変調方式に基づく、使用される再生処理およびその実施の形態に依存する。全帯域再生ユニットを有するネットワーク装置の一例を図3に示し、複数の部分帯域再生ユニットを有するネットワーク装置の一例を図4に示す。幾つかの実施形態において、部分帯域再生ユニットは、チャネル単位で光信号を再生する。
【0049】
この明細書の開示内容を逸脱しない範囲で、図2に示す構成に対して変更、追加、削除を行ってもよい。例えば、図2に描かれているネットワーク装置および光信号は、説明のためのものであって、本発明を限定するものではない。また、光ネットワーク200は、メッシュネットワークとして描かれているが、他の任意のまたは好適なネットワークを採用することができる。
【0050】
図3は、WDM信号304の自動信号再生を行う全帯域再生ユニットを有するネットワーク装置302を示す。ネットワーク装置302は、たとえば、ROADMであって、ROADMカード312aを用いてWDM信号304を受信する。ネットワーク装置302は、WDM信号304に対して自動信号再生を行う光信号再生部310を有する。
【0051】
WDM信号304は、複数のチャネル(λi)を含み、各チャネルに対してデータレートおよび変調方式が対応付けられている。図3に示す例では、WDM信号304は、チャネルλ1〜λ4を含む。ただし、WDM信号304は、チャネルλ1〜λ4以外にさらに他のチャネルを有していてもよい。各チャネルλ1〜λ4は、400Gbps信号、100Gbps信号、40Gbps信号、10Gbps信号、または他のタイプの光信号である。なお、この明細書において「チャネル」は、特定のチャネルに対応付けられている波長によって伝送される光信号を意味することがある。
【0052】
信号補正部306は、WDM信号304の1または複数のチャネルの光パフォーマンスをモニタし、測定したパフォーマンスに基づいてWDM信号304の1または複数のチャネル再生を行う、任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。また、信号補正部306は、光パフォーマンスモニタ(OPM)部308、波長選択スイッチ(WSS)314、および光信号再生部310を含む。
【0053】
光パフォーマンスモニタ部308は、光信号のパフォーマンス特性をモニタする、任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。この実施例では、光パフォーマンスモニタ部308は、図2に示す光信号204のモニタについて上述したように、WDM信号304の1または複数のチャネルのPMD、OSNR、または他の適用可能なパフォーマンス特性をモニタする。また、光パフォーマンスモニタ部308は、WDM信号304のすべてのパフォーマンス、WDM信号304のチャネルのサブセットのパフォーマンス、またはWDM信号304の各チャネル(λi)のパフォーマンスをモニタすることができる。
【0054】
信号補正部306は、光パフォーマンスモニタ部308と通信可能に接続されたコントローラ311を含む。コントローラ311は、プログラム命令および/または処理データを解釈および/または実行する、任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。コントローラ311は、特に限定されるものではないが、プログラム命令および/または処理データを解釈および/または実行する、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または他のデジタルまたはアナログ回路で実現される。幾つかの実施形態では、コントローラ311は、コントローラ311と通信可能に接続されたメモリに格納されている、プログラム命令および/または処理データ(例えば、パフォーマンス特性をモニタして解釈する命令)を、解釈および/または実行する。
【0055】
メモリは、プログラム命令またはデータを一定期間動作可能に保持する、任意のシステム、装置、またはデバイス(例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体)を有する。メモリは、信号補正部306への電力が停止された後もデータを保持する、RAM、EEPROM、PCMCIAカード、フラッシュメモリ、磁気格納装置、光磁気格納装置、または他の任意の選択された及び/又は並べられた揮発性または不揮発性メモリを含む。図3においては1だけ描かれているが、ネットワーク装置302は、コントローラ311について記載される1または複数の動作を行う、任意の数のコントローラ311を含む。また、コントローラ311は、ネットワーク装置302内の任意の位置(例えば、光パフォーマンスモニタ部308の中)に配置可能である。
【0056】
コントローラ311は、光パフォーマンスモニタ部308によって測定された、WDM信号304のチャネルのパフォーマンス特性に基づいて、WDM信号304の1または複数のチャネルの光信号を再生するか否かを決定する。例えば、コントローラ311は、図2を参照しながら記載したように、測定されたパフォーマンス特性(例えば、OSNR、PMDなど)を、対応する閾値と比較する。そして、1または複数のチャネルのパフォーマンス特性が閾値を満たしていない(例えば、測定されたOSNRが閾値よりも低い)ときは、コントローラ311は、1または複数の劣化チャネル(例えば、閾値を満足しないチャネル)を光信号再生部310へ導くように、波長選択スイッチ314に対して指示を与える。
【0057】
光パフォーマンスモニタ部308は、WDM信号304のチャネルの信号のタイプ(例えば、100Gbps信号または400Gbps信号)を検出し、コントローラ311は、検出された信号タイプを判定する。信号タイプは、光信号の変調方式に基づくものであり、コントローラ311および光パフォーマンスモニタ部308は、光信号の変調方式を区別することができる。コントローラ311は、チャネルの信号タイプに応じて動作を指示することができる。例えば、幾つかの実施形態では、信号補正部306は、100Gbps信号ではなく400Gbps信号の動的再生を行うように構成される。この例では、チャネルλ1〜λ3により400Gbps信号が伝送され、チャネルλ4により100Gbps信号が伝送されるものとする。この場合、コントローラ311は、チャネルλ1〜λ3が400Gbps信号であると判定し、チャネルλ1〜λ3に対してパフォーマンスのモニタおよび信号の再生に係わる動作を行う。また、コントローラ311は、チャネルλ4が100Gbps信号であると判定すると、チャネルλ4に対してパフォーマンスのモニタおよび信号の再生に係わる動作を行うことなく、波長選択スイッチ314に対してチャネルλ4をROADMカード312bへ通過させるように指示する。
【0058】
他の実施形態では、信号補正部306は、100Gbps信号および400Gbps信号の動的再生を行うように構成される。この実施例でも、チャネルλ1〜λ3によよって400Gbps信号が伝送され、チャネルλ4によって100Gbps信号が伝送されるものとする。この場合、コントローラ311は、チャネルλ1〜λ3が400Gbps信号であると判定すると、チャネルλ1〜λ3に対してパフォーマンスのモニタおよび信号の再生に係わる動作を行う。このとき、パフォーマンス特性が劣化しているチャネルが検出されたときは、コントローラ311は、その劣化しているチャネルを光信号再生部310へ導くように、波長選択スイッチ314に指示を与える。なお、光信号再生部310は、400Gbps信号を再生可能に構成されているものとする。また、コントローラ311は、チャネルλ4が100Gbps信号であると判定し、チャネルλ4に対してパフォーマンスのモニタおよび信号の再生に係わる動作を行う。このとき、もし、チャネルλ4のパフォーマンス特性が劣化していれば、コントローラ311は、チャネルλ4を100Gbps信号用の光信号再生部へ導くように、波長選択スイッチ314に指示を与える。なお、100Gbps信号用の光信号再生部は、特に図示しないが、例えば、400Gbps信号用の光信号再生部とは別に設けられている。
【0059】
光信号再生部310は、波長選択スイッチ314から導かれてくる劣化チャネルについて信号再生処理を行う。この実施例では、光信号再生部310は、WDM信号304の全伝送帯域をカバーする帯域および波長のパラメータを有する。例えば、WDM信号304の帯域が約40nmとなるように、WDM信号304は、約1525〜1565nmの光波長を有するCバンドで伝送される。この場合、光信号再生部310は、少なくとも40nmの帯域を有し、1525〜1565nmの光波長を含むように調整される。幾つかの実施形態では、光信号の再生は、光−電気−光再生で実現されてもよいし、光−電気−光変換を行わない光領域における光再生であってもよい。光再生が使用される場合は、光信号再生部310は、光雑音を吸収する可飽和吸収器または十分に高い励起パワーを使用する光パラメトリック処理によって実現される。
【0060】
光信号再生部310の帯域は、光信号再生部310が受信する光信号の変調方式に対応する再生処理の実装形態に基づく。例えば、400Gbps信号の信号再生を行う光信号再生部310は、400Gbps信号のための再生処理の実装形態に依存する帯域を有する。同様に、100Gbps信号の信号再生を行う光信号再生部310は、100Gbps信号のための再生処理の実装形態に依存する帯域を有する。
【0061】
したがって、光信号再生部310がWDM信号304の全伝送帯域に相当する帯域を有するか否かは、対応する変調方式のための再生処理の実装形態が十分に大きな帯域を有しているか否かに依存する。光信号再生部310の帯域がWDM信号304の全伝送帯域に相当する帯域よりも狭いときは、例えば、図4に示す他の実施形態のネットワーク装置が選択される。
【0062】
この実施形態では、光信号再生部310はWDM信号304の全伝送帯域をカバーする帯域を有するので、光信号処理部310は、WDM信号304の任意のチャネルを受信することができる。たとえば、図3に示すように、WDM信号304のパフォーマンスをモニタすることによって、チャネルλ2が劣化していることが検出されるものとする。この場合、光信号再生部310はWDM信号304の全伝送帯域をカバーする帯域を有するので、コントローラ311は、チャネルλ2の波長にかかわらず、チャネルλ2を光信号処理部310へ導くように、波長選択スイッチ314に対して指示を与える。一方、光信号再生部310の帯域がWDM信号304の全伝送帯域をカバーしていないときは、信号補正部306は、それぞれがWDM信号304の一部の伝送帯域に対応する複数の再生ユニットを有する。この場合、信号補正部306は、チャネルλ2の波長に対応する再生ユニットにチャネルλ2を導く。この構成は、後で説明する図4に記載されている。
【0063】
WDM信号304の1または複数のチャネルについてのパフォーマンスのモニタおよび信号の再生に続いて、信号補正部306は、WDM信号304をROADMカード312bへ導く。ROADMカード312bは、WDM信号304およびそれに関連するチャネルをネットワーク装置302から宛先へ導く。例えば、ROADMカード312bは、WDM信号304の1または複数のチャネルを他のネットワーク装置に導く、および/または、WDM信号304の1または複数のチャネルの分岐または挿入を行う。そして、ネットワーク装置302が受信する各WDM信号304はモニタされ、WDM信号304内の劣化チャネルは、モニタされたパフォーマンス、チャネルの到達距離、WDM信号304の1または複数のチャネルの宛先に基づいて再生される。このように、ネットワーク装置302によるWDM信号304の自動再生は、光ネットワークの実装において、WDM信号304の宛先に基づく固定的な信号再生点の数および光ネットワークの設計パラメータを削減ことができる。
【0064】
この明細書の開示内容を逸脱しない範囲で、光ネットワーク302に対して変更、追加、削除を行ってもよい。例えば、光ネットワーク302は、この明細書に記載していない他の機能を行うコンポーネントおよびデバイスを含んでもよい。また、この明細書に記載の動作を行うために明示的に記載されているコンポーネントよりも多くの又は少ないコンポーネントを使用してもよい。さらに、光ネットワーク上の伝搬中の光信号についての自動信号再生が記載されているが、実施形態に信号再生は、光受信器において受信信号の品質を高めるためにその光受信器の入力側に適用することも可能である。そうすると、光信号により伝送される情報は、光受信器においてより容易に抽出される。さらに、幾つかの実施形態では、信号補正部306は、図4に示すように、それぞれがWDM信号304の伝送帯域の一部に対応する帯域を有する複数の光信号再生部を有するようにしてもよい。さらに、信号補正部306は、1つの信号タイプおよび変調方式(例えば、400Gbps)に対応する1または複数のセットの光信号再生部310、および、他の信号タイプおよび変調方式(例えば、100Gbps)に対応する1または複数のセットの光信号再生部310を含んでもよい。さらに、上述の説明では、ネットワーク装置302がROADMであるものとして説明したが、信号補正部306は、任意の好適なネットワーク装置に実装可能である。
【0065】
図4は、本発明の実施形態に係わる、部分帯域についてパフォーマンスのモニタおよび信号の補正を行う、ネットワーク装置402を示す。ネットワーク装置402は、例えばROADMであって、ROADMカード412aを用いてWDM信号404を受信する。そして、ネットワーク装置402は、ROADMカード412bを介してネットワーク装置402から宛先へWDM信号404を通信する前に、WDM信号404の1または複数のチャネルの光信号を再生するか否かを判定する。WDM信号404は、図3のWDM信号304と実質的に同じである。
【0066】
この実施例では、WDM信号404は、ネットワーク装置402の信号補正部406によってROADMカード412aを介して受信される。信号補正部406は、WDM信号404の光パフォーマンスをモニタし、測定したパフォーマンス特性に基づいて、WDM信号404の各チャネルの光信号を再生するか否か判定する。信号補正部406は、光パフォーマンスモニタ(OPM)部408、波長選択スイッチ(WSS)414、および光信号再生部410を含む。なお、光信号再生部410は、図4に示す光信号再生部410a〜410cの総称である。
【0067】
光パフォーマンスモニタ部408は、WDM信号404のPMD、OSNR、または他の適用可能なパフォーマンス特性をモニタする。幾つかの実施形態では、光パフォーマンスモニタ部408は、WDM信号404のすべてのチャネルのパフォーマンス、WDM信号404のサブセットに属するチャネルのパフォーマンス、またはWDM信号404の任意のチャネル(λi)のパフォーマンスをモニタすることができる。
【0068】
この実施例では、光パフォーマンスモニタ部408は、WDM信号404aをチャネル毎(λi)に分離して、各チャネルの光信号をそれぞれ対応するチャネルパフォーマンスモニタ(CPM)409に導くデマルチプレクサ418を有する。各チャネルパフォーマンスモニタ409は、対応するチャネルの1または複数のパフォーマンス特性をモニタする。幾つかの実施形態では、各チャネルパフォーマンスモニタ409が対応するコントローラを有していてもよいし、1または複数のコントローラが1または複数のチャネルパフォーマンスモニタ409を制御してもよい。なお、チャネルパフォーマンスモニタ409は、図4に示すチャネルパフォーマンスモニタ409a、409b、...、409kの総称である。
【0069】
この実施形態では、各チャネルパフォーマンスモニタ409は、対応するチャネルのパフォーマンス特性(例えば、OSNR、PDMなど)をモニタできる。信号補正部406は、図3に示すコントローラ311と類似するコントローラ411を有し、チャネルパフォーマンスモニタ409により測定された1または複数のパフォーマンス特性と、そのチャネルパフォーマンスモニタ409のチャネルに対応する閾値とを比較する。測定されたパフォーマンス特性が閾値を満足していないときは、コントローラ411は、WDM信号404から劣化チャネルを分離して光信号再生部410へ導くように、波長選択スイッチ414に対して指示を与える。
【0070】
1つの実施例として、チャネルパフォーマンスモニタ409bは、WDM信号404aのチャネルλ2のパフォーマンスをモニタする。そして、チャネルパフォーマンスモニタ409bにより測定されたパフォーマンス特性に基づいて、コントローラ411は、チャネルλ2は信号再生が必要な程度にまで劣化している、と判定するものとする。このケースでは、コントローラ411は、WDM信号404aからチャネルλ2を分離して光信号再生部410へ導くように、波長選択スイッチ414に対して制御信号を与える。
【0071】
光信号再生部410は、波長選択スイッチ414から導かれてくる、劣化チャネルの光信号に対して信号再生処理を行う。この実施例では、各光信号再生部410a〜410cは、WDM信号404の伝送帯域の一部をカバーする帯域を有する。換言すれば、WDM信号404の帯域内のすべてのチャネルの光信号を再生可能とするために、信号補正部406は、それぞれがWDM信号404の伝送帯域のうちの特定の帯域内の光信号を再生する、複数の光信号再生部410a〜410cを有する。
【0072】
例えば、WDM信号404の帯域が約40nmとなるように、WDM信号404は、約1525〜1565nmの光波長を有するCバンドで伝送される。また、各光信号再生部410は、約14nmの帯域を有するものとする。すなわち、信号補正部406は、それぞれ約14nmの帯域を有する光信号再生部410a、410b、410cを有する。光信号再生部410aは、約1524〜1538nmの波長を有する光信号を再生し、光信号再生部410bは、約1538〜1552nmの波長を有する光信号を再生し、光信号再生部410cは、約1552〜1566nmの波長を有する光信号を再生する。したがって、3つの光信号再生部410a、410b、410cを設けることにより、WDM信号404の光スペクトラム全体がカバーされる。また、各光信号再生部410に対応する波長は、1つのチャネルが複数の光信号再生部410に分離されないように設定されている。例えば、光信号再生部410a〜410cの波長は、このことに対処するために、幾つかの実施形態において重なっている。
【0073】
なお、上述の構成は、単なる例示であって、使用される光信号再生部410の個数は、各光信号再生部410の帯域およびWDM信号404の伝送帯域の光スペクトラムに依存する。例えば、信号補正部406は、それぞれがWDM信号404の各チャネルの波長に対応する複数の光信号再生部410を含むようにしてもよい。
【0074】
波長選択スイッチ414から劣化チャネル(例えば、チャネルλ2)を受信すると、信号補正部406は、その劣化チャネルの波長に対応する光信号再生部410へ、その劣化チャネルを導く。たとえば、チャネルλ2の波長が1530nmであり、光信号再生部410aが約1524〜1538nmの波長に対応して構成されているものとする。この場合、信号補正部406は、劣化しているチャネルλ2を光信号再生部410aへ導く。他の実施形態では、信号補正部406は、各チャネルに対応する光信号再生部410を有するものとする。この場合、信号補正部406は、チャネルλ2を、チャネルλ2に対応する光信号再生部410へ導く。図4に示す例では、信号補正部406は、波長選択スイッチ414から劣化チャネルに対応する光信号を受信してその光信号を適切な光信号再生部410に導く、光デマルチプレクサ420を有する。
【0075】
光信号再生部410は、適切な再生処理で劣化光信号を再生する、任意のシステム、装置、またはデバイスを有する。幾つかの実施形態では、光信号再生部410は、光−電気−光変換を利用して光信号を再生する。他の実施形態では、光信号再生部410は、光−電気−光変換を行うことなく、電気領域ではなく光領域で、光信号を再生する。上述したように、光信号の再生処理は、光信号の変調方式に依存する。この実施形態では、劣化した光信号を再生するときに、各光信号再生部410は、再生した光信号を光マルチプレクサ421に導く。光マルチプレクサ421は、光信号再生部410から出力される再生光信号を結合する。光マルチプレクサ421は、結合した光信号を波長選択スイッチ414に戻す。波長選択スイッチ414は、光信号再生部410から受信する再生光信号をWDM信号404に結合する。この例では、信号補正部406から出力WDM信号404bに含まれているチャネルλ2の光信号は、もはや劣化していない。
【0076】
光パフォーマンスモニタ部408または光マルチプレクサ421からWDM信号404のチャネルを受信した後、波長選択スイッチ414は、WDM信号404bをROADMカード412bに導く。ROADMカード412bは、再生された光信号を含むWDM信号404bを、他のネットワーク装置へ導くことができ、及び/又は、WDM信号404bの1または複数のチャネルを分岐または挿入することができる。このように、ネットワーク装置402は、WDM信号404の1または複数のチャネルパフォーマンス特性をモニタし、測定したチャネルパフォーマンス特性に基づいて劣化した光信号を検出したときは、その劣化した光信号を再生することができる。
【0077】
この明細書の開示内容を逸脱しない範囲で、光ネットワーク402に対して変更、追加、削除を行ってもよい。例えば、光ネットワーク402は、この明細書に記載していない他の機能を行うコンポーネントおよびデバイスを含んでもよい。また、この明細書に記載の動作を行うために明示的に記載されているコンポーネントよりも多くの又は少ないコンポーネントを使用してもよい。さらに、光ネットワーク上の伝搬中の光信号についての自動信号再生が記載されているが、実施形態に信号再生は、光受信器において受信信号の品質を高めるためにその光受信器の入力側にも適用可能である。そうすると、光信号によって伝送される情報は、光受信器においてより容易に抽出される。更に、信号補正部406は、1つの信号タイプおよび変調方式(例えば、400Gbps)に対応する1または複数のセットの光信号再生部410、及び、他の信号タイプおよび変調方式(例えば、100Gbps)に対応する1または複数のセットの光信号再生部410を含んでもよい。さらに、上述の説明では、ネットワーク装置402がROADMであるものとして説明したが、信号補正部406は、任意の好適なネットワーク装置に実装可能である。
【0078】
図5は、本発明の幾つかの実施形態に係わる光信号の自動再生を行う方法500の一例を示すフローチャートである。方法500は、光ネットワークに設けられているネットワーク装置の信号補正部(たとえば、図3に示すネットワーク装置302の信号補正部306、図4に示すネットワーク装置402の信号補正部406)により実行される。
【0079】
ステップ502において、ネットワーク装置の信号補正部は、光信号を受信する。ステップ504において、信号補正部は、信号タイプ(例えば、100Gbps信号、400Gbps信号)を判定する。
【0080】
ステップ506において、信号補正部は、判定した信号タイプに対してネットワーク装置が自動再生を行うか否かを決定する。判定した信号タイプに対して信号補正部が自動再生を行うときは、方法500の処理はステップ508へ移行し、そうでないときは、方法500の処理はステップ516へ移行する。例えば、ネットワーク装置は、400Gbps信号に対しては信号再生を行うが、100Gbps信号に対しては信号再生を行わない。この場合、ステップ502で受信した光信号が100Gbps信号であれば、方法500の処理は、ステップ506からステップ516へ移行する。一方、ステップ502で受信した光信号が400Gbps信号であれば、方法500の処理は、ステップ506からステップ508へ移行する。
【0081】
ステップ508において、信号補正部は、光信号のパフォーマンス特性(例えば、OSNR)を測定する。ステップ510において、信号補正部は、測定したパフォーマンス特性とそのパフォーマンス特性に対応する閾値とを比較する。閾値は、上述したように、光信号の到達距離、当該ネットワーク装置から光信号を受信する次のネットワーク装置までの距離、それら2つのネットワーク装置を接続する光ファイバの特性、光信号のアイ開口およびビット誤り率などに基づいて決められる。
【0082】
ステップ512において、信号補正部は、測定したパフォーマンス特性が閾値を満たしているか判定する。パフォーマンス特性が閾値を満たしていないときは、方法500の処理はステップ514へ移行し、パフォーマンス特性が閾値を満たしているときは、方法500の処理はステップ516へ移行する。ステップ514において、信号補正部は、光信号を再生する。幾つかの実施形態では、光信号の再生は、光−電気−光変換を行うことなく、光領域で行われる。ステップ514の信号再生の後、方法500の処理はステップ516へ移行する。
【0083】
ステップ516において、信号補正部を有するネットワーク装置は、このネットワーク装置から宛先へ向けて光信号を通過させる。宛先は、例えば、他のネットワーク装置である。或いは、光信号から情報を抽出する光受信器が宛先となるように、光ネットワークから光信号がドロップされる。ステップ516が実行された後、方法500の処理は終了する。
【0084】
このように、方法500は、従来の静的な、予め設定された再生方法の代わりに、光信号を動的にモニタおよび再生するために使用される。動的なモニタおよび再生によれば、新しい光ネットワークの構築、及び新しい信号タイプを扱うための既存の光ネットワークのアップグレードを、柔軟に且つ容易に行うことが可能となる。
【0085】
この明細書の開示内容を逸脱しない範囲で、方法500に対して変更、追加、削除を行ってもよい。各ステップは、サブステップを含んでもよい。例えば、光信号は、WDM信号のチャネルに対応する場合には、ある光信号に対して再生が行われる前に、WDM信号からその光信号を分離する処理が行われる。また、幾つかのステップを省略してもよい。例えば、光ネットワーク内の各光信号の信号タイプが同じ場合には、信号タイプを判定する処理(すなわち、ステップ504)は省略可能である。さらに、再生が行われる信号タイプに対応する光信号については、パフォーマンス特性を測定する処理、およびそのパフォーマンス特性を閾値と比較して信号再生を行うか否かを決定する処理(すなわち、ステップ508、510、512)を行わずに、再生を行ってもよい。
【0086】
なお、本発明の実施形態およびその効果について記載したが、特許請求の範囲に記載の精神および範囲を逸脱しないで、様々な変更、置き換え、変換を加えた実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0087】
以上記載した各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ネットワーク装置において光信号を受信し、
前記光信号のパフォーマンス特性を測定し、
前記光信号について測定したパフォーマンス特性に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定し、
前記光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて前記光信号を再生する
ことを特徴とする光信号再生方法。
(付記2)
前記光信号は、光ネットワークに対応する伝送帯域のチャネルにより伝送される
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記3)
前記光信号は、WDM信号の複数のチャネルの1つにより伝送される
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記4)
偏波依存損失の補償、波長分散の補償、光信号の信号パワーの増幅、ASEの除去、位相雑音の除去、信号クロックの補正のうちの少なくとも1つを行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記5)
前記光信号の伝送帯域に対して部分伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記6)
前記光信号の伝送帯域に対してチャネル毎の再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記7)
前記光信号の伝送帯域に対して全伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記8)
前記パフォーマンス特性と前記パフォーマンス特性に対応する閾値とを比較し、
前記パフォーマンス特性と前記閾値との比較に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記9)
前記光信号の到達距離および前記光信号の宛先に基づいて前記閾値を決定する
ことを特徴とする付記8に記載の光信号再生方法。
(付記10)
前記パフォーマンス特性として、前記光信号の偏波モード分散、前記光信号の光信号対雑音比、前記光信号の位相雑音、前記光信号のビット誤り率、前記光信号のアイ開口、前記光信号の波長分散の少なくとも1つを測定する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記11)
光領域で前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記12)
前記光信号の変調方式を特定し、
前記特定した変調方式に基づいて前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記1に記載の光信号再生方法。
(付記13)
光信号のパフォーマンス特性を測定する光パフォーマンスモニタと、
前記光信号を再生する光信号再生部と、
前記光信号のパフォーマンス特性に基づいて前記光信号の再生が必要であるか判定し、前記光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて前記光信号を前記光信号再生部へ導くコントローラと、
を有するネットワーク装置。
(付記14)
前記光信号は、光ネットワークに対応する伝送帯域のチャネルにより伝送される
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記15)
前記光信号は、WDM信号の複数のチャネルの1つにより伝送される
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記16)
前記光信号再生部は、偏波依存損失の補償、波長分散の補償、光信号の信号パワーの増幅、ASEの除去、位相雑音の除去、信号クロックの補正のうちの少なくとも1つを行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13記載のネットワーク装置。
(付記17)
前記光信号再生部は、前記光信号の伝送帯域に対して部分伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記18)
前記光信号再生部は、前記光信号の伝送帯域に対してチャネル毎の再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記19)
前記光信号再生部は、前記光信号の伝送帯域に対して全伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記20)
前記コントローラは、
前記パフォーマンス特性と前記パフォーマンス特性に対応する閾値とを比較し、
前記パフォーマンス特性と前記閾値との比較に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記21)
前記閾値は、前記光信号の到達距離および前記光信号の宛先に基づいて決定される
ことを特徴とする付記20に記載のネットワーク装置。
(付記22)
前記光パフォーマンスモニタは、前記パフォーマンス特性として、前記光信号の偏波モード分散、前記光信号の光信号対雑音比、前記光信号の位相雑音、前記光信号のビット誤り率、前記光信号のアイ開口、前記光信号の波長分散の少なくとも1つを測定する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記23)
前記光信号再生部は、光領域で前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。
(付記24)
前記コントローラは、
前記光信号の変調方式を特定し、
前記特定した変調方式に基づいて前記光信号を再生する
ことを特徴とする付記13に記載のネットワーク装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク装置において光信号を受信し、
前記光信号のパフォーマンス特性を測定し、
前記光信号について測定したパフォーマンス特性に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定し、
前記光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて前記光信号を再生する
ことを特徴とする光信号再生方法。
【請求項2】
前記光信号は、光ネットワークに対応する伝送帯域のチャネルにより伝送される
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項3】
前記光信号は、WDM信号の複数のチャネルの1つにより伝送される
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項4】
偏波依存損失の補償、波長分散の補償、光信号の信号パワーの増幅、ASEの除去、位相雑音の除去、信号クロックの補正のうちの少なくとも1つを行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項5】
前記光信号の伝送帯域に対して部分伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項6】
前記光信号の伝送帯域に対してチャネル毎の再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項7】
前記光信号の伝送帯域に対して全伝送帯域再生処理を行うことにより、前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項8】
前記パフォーマンス特性と前記パフォーマンス特性に対応する閾値とを比較し、
前記パフォーマンス特性と前記閾値との比較に基づいて、前記光信号の再生が必要であるか判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項9】
前記光信号の到達距離および前記光信号の宛先に基づいて前記閾値を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の光信号再生方法。
【請求項10】
前記パフォーマンス特性として、前記光信号の偏波モード分散、前記光信号の光信号対雑音比、前記光信号の位相雑音、前記光信号のビット誤り率、前記光信号のアイ開口、前記光信号の波長分散の少なくとも1つを測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項11】
光領域で前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項12】
前記光信号の変調方式を特定し、
前記特定した変調方式に基づいて前記光信号を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号再生方法。
【請求項13】
光信号のパフォーマンス特性を測定する光パフォーマンスモニタと、
前記光信号を再生する光信号再生部と、
前記光信号のパフォーマンス特性に基づいて前記光信号の再生が必要であるか判定し、前記光信号の再生が必要であるとの判定に基づいて前記光信号を前記光信号再生部へ導くコントローラと、
を有するネットワーク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−81168(P2013−81168A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209677(P2012−209677)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】