説明

光制御型アレーアンテナ装置

【課題】システムの大型化、放射レンズアレー数の増加に伴うコスト増大を防止できる光制御型アレーアンテナ装置を得る
【解決手段】多重化された光高周波信号を、光信号と光参照信号とに分配する光放射器21と、分配された光信号を、所望のビーム走査範囲を得るように制御し、フーリエ変換レンズを介してビーム走査情報を有する光信号として出力する光制御走査部30と、分配された光参照信号と、ビーム走査情報を有する光信号とを合成して光電変換し、所望の指向方向に高周波信号を送信する光制御放射部20とを備え、光制御走査部30は、所望のビーム走査範囲を複数の限定ビーム走査範囲に分割し、分割された限定ビーム走査範囲に応じて、フーリエ変換レンズ35へ入力する光信号の入射位置を時分割制御してビーム走査情報を有する光信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御型アレーアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光制御型アレーアンテナ装置は、送信において、複数の電波ビームを形成でき、かつ走査できるものである(例えば、特許文献1参照)。このような従来の光制御型アレーアンテナ装置は、開口分布を形成するフーリエ変換レンズへ入力する光の入射位置を制御することで、実際の電波ビームの指向方向を制御する。
【0003】
フーリエ変換レンズへの光の入射位置は、放射レンズアレーおよび光放射器で制御しており、光放射器から電波ビームの所望の指向方向に対応した放射レンズアレーのある一部のみに光を送り出すことで動作する。
【0004】
【特許文献1】特開平9−139620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
このような従来の構成においては、放射レンズアレーのレンズ間隔でビーム走査の指向角度間隔が決定する。このため、細かなビーム走査の指向角度間隔を必要とするレーダ装置等に対して従来の光制御型アレーアンテナを用いた場合には、例えば、±60度のビーム走査範囲で0.01度の角度刻みが必要な場合には、レンズアレーの数は、(60×2)/0.01=12000個が必要となり、放射レンズの数が膨大となる。
【0006】
すなわち、細かなビーム走査の刻みを要するレーダ装置等に従来の光制御型アレーアンテナを用いた場合には、膨大な放射レンズの数が必要となり、この結果として、アンテナシステムの大型化、放射レンズアレー数によるコストの増大等が問題となる。
【0007】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、細かなビーム走査の刻みを要するレーダ装置等に適用する際に、アンテナシステムの大型化、放射レンズアレー数の増加に伴うコストの増大を防止することのできる光制御型アレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光制御型アレーアンテナ装置は、多重化された光高周波信号を受信し、ビーム走査情報の元となる光信号と、高周波信号情報の元となる光参照信号とに分配する光放射器と、光放射器により分配された光信号を、所望のビーム走査範囲を得るように制御し、フーリエ変換レンズを介してビーム走査情報を有する光信号として出力する光制御走査部と、光放射器により分配された光参照信号と、光制御走査部により出力されたビーム走査情報を有する光信号とを合成して合成光信号を生成し、合成光信号を光電変換して所望の指向方向に高周波信号を送信する光制御放射部とを備えた光制御型アレーアンテナ装置において、光制御走査部は、所望のビーム走査範囲を複数の限定ビーム走査範囲に分割し、分割された限定ビーム走査範囲に応じて、フーリエ変換レンズへ入力する光信号の入射位置を時分割制御してビーム走査情報を有する光信号を出力するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所望のビーム走査範囲のすべてを1回の制御でカバーするのではなく、複数に分割された限定ビーム走査範囲ごとに時分割制御可能な光制御走査部を備えることにより、細かなビーム走査の刻みを要するレーダ装置等に適用する際に、アンテナシステムの大型化、放射レンズアレー数の増加に伴うコストの増大を防止することのできる光制御型アレーアンテナ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の光制御型アレーアンテナ装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における光制御型アレーアンテナ装置の構成図である。この光制御型アレーアンテナ装置は、光制御励振部10、光制御放射部20、および光制御走査部30で構成される。
【0012】
ここで、光制御励振部10は、N個の光高周波発生器11(1)〜11(N)(ただし、Nは、2以上の整数)、および1個の光多重器15で構成される。さらに、nを、1≦n≦Nの整数としたときのそれぞれの光高周波発生器11(n)は、光源12(n)、高周波信号源13(n)、および光変調器14(n)で構成される。
【0013】
また、光制御放射部20は、光放射器21、放射レンズ22、光合成器23、ファイバーアレー24、N個の光電変換器25(1)〜25(N)、N個の増幅器26(1)〜26(N)、およびN個の放射素子アンテナ27(1)〜27(N)で構成される。さらに、光制御走査部30は、ミラー31、放射レンズアレー32、ビーム走査時分割制御部33、焦点位置制御レンズ34、およびフーリエ変換レンズ35で構成される。
【0014】
次に、図1に示した光制御型アレーアンテナ装置の動作について説明する。まず始めに、N個の光高周波発生器11(1)〜11(N)の動作について、n個目の光高周波発生器11(n)を例にして説明する。光高周波発生器11(n)において、光源12(n)で生成された光搬送波信号と、高周波信号源13(n)で生成された高周波信号とが、光変調器14(n)に入力される。
【0015】
光搬送波信号と高周波信号とが入力された光変調器14(n)は、光搬送波信号をキャリア信号として高周波信号を搬送するように変調され、高周波信号の情報を搬送する光高周波信号を生成する。そして、光高周波発生器11(n)の出力信号となる。
【0016】
N個の電波ビームの送受信を実現させる場合には、光制御励振部10は、図1に示すように、電波ビームと同数となるN個の光高周波発生器11(1)〜11(N)を有することになる。
【0017】
そして、光多重器15は、N本の光ファイバを介して、それぞれの光高周波発生器11(1)〜11(N)により発生したN個の光高周波信号を受信して多重化し、1つの多重化光信号として出力する。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1における光多重器15で多重化された多重化光信号40に含まれるN個の光高周波信号41(1)〜41(N)の周波数帯域を示した図である。図2の上段に示したように、n個目の光高周波発生器11(n)で生成された光高周波信号41(n)は、周波数fopt(n)を有し、ビーム走査情報の元となる光信号42(n)と、光信号42(n)から周波数fFRだけ離れた周波数fopt(n)+fFRを有し、高周波信号情報の元となる光参照信号43(n)とが含まれている。
【0019】
そして、N個の光高周波信号41(1)〜41(N)の情報は、図2の下段に示したように、各々が干渉しないような十分離れた周波数帯域で、N個の光高周波発生器11(1)〜11(N)のそれぞれにより生成される。そして、このような光高周波信号41(1)〜41(N)のそれぞれは、光ファイバを介して光多重器15に入力され、最終的に1つの多重化光信号40として波長多重される。
【0020】
なお、このとき、N個の光高周波信号41(1)〜41(N)の情報を搬送する多重化光信号40の高周波信号の周波数は、キャリアとなる光信号の周波数が異なるため、全て同じ周波数でも問題ない。また、本発明の光制御型アレーアンテナ装置は、上述した変調方式には限定されず、任意の変調方式を適用することが可能である。
【0021】
光制御励振部10から出力された、波長多重された高周波信号の情報を搬送する多重化光信号は、光ファイバを介して光放射器21に入力される。光放射器21は、図2における周波数fopt(1)〜fopt(N)を有し、ビーム走査情報の元となる光信号42(1)〜42(N)と、図2における周波数fopt(1)+fRF〜fopt(N)+fRFを有し、高周波信号情報の元となる光参照信号43(1)〜43(N)とに分配する。
【0022】
そして、分配された光信号42(1)〜42(N)は、空間へ出力され、光参照信号43(1)〜43(N)は、光ファイバを介して放射レンズ22へ出力される。なお、図2おける光信号42(1)〜42(N)と光参照信号43(1)〜43(N)との関係は、例えば、光信号42(1)〜42(N)が周波数fopt(1)+fRF〜fopt(N)+fRFを有し、光参照信号43(1)〜43(N)が周波数fopt(1)〜fopt(N)を有するような逆の関係になった場合にも、本実施の形態1については成立する。
【0023】
空間へ出力された光信号42(1)〜42(N)は、光制御走査部30内のミラー31を介して放射レンズアレー32へ入力する。放射レンズアレー32は、ビーム走査時分割制御部33より、ビーム走査範囲と動作レンズを指定する外部指令を受ける。ビーム走査時分割制御部33から出力される外部指令の情報は、同時に、焦点位置制御レンズ34にも送られる。
【0024】
次に、ビーム走査時分割制御部33による放射レンズアレー32および焦点位置制御レンズ34の時分割制御方法について説明する。まず、ビーム走査時分割制御部33からビーム走査範囲と動作レンズを指定する外部指令を受けた放射レンズアレー32は、ビーム走査範囲の空間を限定するため、外部指令の情報に基づいて放射レンズアレー32全面に対して限定されたビーム走査範囲と動作レンズを割当てる。この割り当ての詳細については、図3〜5を用いて後述する。
【0025】
そして、放射レンズアレー32は、ビーム走査時分割制御部33より割り当てられたビーム走査範囲に対応する動作レンズを動作させて、焦点位置制御レンズ34へ光信号を送る。
【0026】
これに対して、焦点位置制御レンズ34は、ビーム走査時分割制御部33より送られてきた外部指令の情報により、放射レンズアレー32に割り付けられた限定ビーム走査範囲における光信号に応じて、フーリエ変換レンズ35に対して所望の焦点距離と位置に変換するレンズが選択される。この結果、放射レンズアレー32から出力される光信号は、所望の焦点距離と位置に変換するレンズを介してフーリエ変換レンズ35へ出力されることとなる。
【0027】
次に、ビーム走査時分割制御部33による限定されたビーム走査範囲と動作レンズの割当てについて、具体例を説明する。図3は、本発明の実施の形態1における光制御走査部30の詳細な動作説明図である。
【0028】
例えば、所望のビーム走査範囲として、最大ビーム走査角が水平方向±60度の1次元ビーム走査のアンテナシステムを考える。このシステムにおいて、放射レンズアレー32のビーム走査範囲として、ある中心に対して±15度を割り当て、水平面方向35度にビーム走査する場合について説明する。
【0029】
図3において、ビーム走査時分割制御部33は、放射レンズアレー32に対して、水平方向35度のビーム走査をするために、一例として、放射レンズアレー32の中心が水平方向30度、ビーム走査範囲として±15度の範囲になるようにビーム走査範囲を指定し、かつ、平面方向35度に対応するレンズを動作レンズとして指定する指令を与える。
【0030】
放射レンズアレー32は、ビーム走査時分割制御部33からの指令を外部指令として受けることにより、放射レンズアレー32の中心が水平方向30度、ビーム走査範囲として±15度の範囲になるように、放射レンズアレー32面にビーム走査空間が割り付けられる。さらに、その割当てされた放射レンズアレー32面において、水平方向35度に対応する放射レンズアレー32の一部のレンズを動作レンズとして動作させて、焦点位置制御レンズ34へ光信号を送る。
【0031】
一方、焦点位置制御レンズ34は、ビーム走査時分割制御部33より送られた外部指令の情報に基づいて、放射レンズアレー32の中心が水平方向30度、ビーム走査範囲として±15度に対応したレンズが選択され、フーリエ変換レンズ35へ所望の光信号が入力されることとなる。
【0032】
図3を用いた上述の説明では、中心が水平方向30度、ビーム走査範囲として±15度の範囲になるように、放射レンズアレー32面のビーム走査空間を割り付け、水平面方向35度にビーム走査する場合について説明した。これを踏まえて、次に、所望のビーム走査範囲を得るために、ビーム走査時分割制御部33が行う時分割制御について説明する。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1における焦点位置制御レンズ34の構成を示した例示図である。所望のビーム走査範囲が水平方向±60度の1次元ビーム走査であり、放射レンズアレー32に限定して割り付けられるビーム走査範囲が±15度である場合には、図4に示すように、中心位置を−45度、−15度、15度、45度とし、各々が走査範囲±15度をカバーできる4つのレンズ群を備えた焦点位置制御レンズ34を用いることが、一例として考えられる。
【0034】
図4のような4枚のレンズ群を備えた焦点位置制御レンズ34を用いる場合には、ビーム走査時分割制御部33は、ビーム走査範囲が±15度の範囲となり、そのときの放射レンズアレー32の中心が水平方向−45度、−15度、15度、45度となるような4つの指令を与える。この結果、ビーム走査時分割制御部33は、4つの指令のそれぞれにより、放射レンズアレー32面にビーム走査空間を時分割で割り当てるとともに、割り付けに対応するレンズを焦点位置制御レンズ34から選択することにより、最終的に、所望のビーム走査範囲のすべてをカバーすることができる。
【0035】
なお、図4では、焦点位置制御レンズ34を構成する4つのレンズの走査範囲のそれぞれが互いにラップしない場合を示しているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。図5は、本発明の実施の形態1における焦点位置制御レンズ34の別の構成を示した例示図であり、レンズの走査範囲の一部が他のレンズの走査範囲とラップするような構成を示している。
【0036】
図5に示すように、中心位置を−45度、−30度、−15度、0度、15度、30度、45度とし、各々が走査範囲±15度をカバーできる7つのレンズ群を備えた焦点位置制御レンズ34を用いることも可能である。このように、互いの走査範囲がラップする場合には、ビーム走査時分割制御部33は、放射レンズアレー32の動作レンズとして、すべてのレンズではなく、特定の部分のレンズを指定することにより、フーリエ変換レンズ35へ入力される光信号の重複を避けつつ、所望のビーム走査範囲のすべてをカバーすることができる。
【0037】
さらに、図5のように、焦点位置制御レンズ34の個々のレンズの走査範囲をラップして構成することにより、1次元ビーム走査ばかりでなく、2次元ビーム走査に対しても、本発明の時分割制御によるビーム走査を拡張して適用することが可能となる。
【0038】
従来の光制御型アレーアンテナでは、最大ビーム走査角である±60度を放射レンズアレー全体に固定して割当てるため、例えば、放射レンズアレーが1000個で形成されていた場合、(60×2)/1000=0.12度の角度刻みのビーム走査となる。
【0039】
これに対して、本実施の形態1のような時分割制御を行う場合には、例えば、図4、図5に示したように、焦点位置が異なる複数のレンズを具備した焦点位置制御レンズ34を組み合わせて動作させることにより、放射レンズアレー全体には±15度を割当てればよいこととなる。この結果、(15×2)/1000=0.03度のビーム走査角度刻みとなり、放射レンズアレーの個数を増やすことなく、細かなビーム走査が可能となる。
【0040】
なお、図4を用いた上述の説明においては、限定されるビーム走査範囲を±15度として割り付け、放射レンズアレー32の中心位置を4回に分けて時分割制御する場合を例示したが、要求される分解能、あるいは要求されるビーム径に応じて、放射レンズアレー32に対して適切な中心位置と限定されるビーム走査範囲とを割り付けることが可能である。
【0041】
この結果、限られたレンズ個数により構成された放射レンズアレー32を用いた場合にも、用途に応じた要求精度を満たすような所望のビーム走査範囲を時分割制御により得ることができる。
【0042】
光合成器23は、フーリエ変換レンズ35を介して出力された光信号と、光ファイバを介して光放射器21より出力された光参照信号とを合成し、ビーム走査情報と高周波信号情報を搬送する光信号となる。そして、ビーム走査情報と高周波信号情報を搬送する光信号は、ファイバーアレー24へ出力される。
【0043】
光合成器23からの光信号は、ファイバーアレー24により、放射素子アンテナ27(1)〜27(N)の数に分配され、光ファイバを介して光電変換器25(1)〜25(N)に出力される。
【0044】
光電変換器25(1)〜25(N)は、光信号から高周波信号への変換を行う。さらに、変換後の高周波信号は、その先にある増幅器26(1)〜26(N)で所望な振幅に増幅される。そして、最終的に、放射素子アンテナ27(1)〜27(N)から所望のビーム走査方向に高周波信号が送信される。
【0045】
以上のように、実施の形態1によれば、ビーム走査範囲と動作レンズを指定する外部指令に応じて放射レンズアレーに限定されたビーム走査範囲を時分割で割り付けるとともに、限定されたビーム走査範囲に応じた適切なレンズを、焦点位置制御レンズを構成する複数のレンズの中から選択することにより、放射レンズアレーの個数を増やすことなく、細かなビーム走査が可能となる。そして、このような構成を有する光制御型アレーアンテナ装置を、細かなビーム走査を必要とするレーダシステム等に適用することにより、システムの大型化、放射レンズアレー数の増加に伴うコストの増大を防止することができる。
【0046】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2における光制御型アレーアンテナ装置の構成図である。本実施の形態2における図6の構成は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、光制御走査部30の構成が異なっている。より具体的には、本実施の形態2における光制御走査部30は、ビーム走査時分割制御部33、フーリエ変換レンズ35、および放射方向が可変できる放射レンズ36で構成される。この放射レンズ36は、特定方向放射レンズに相当する。
【0047】
本実施の形態2において、光制御励振部10で高周波信号を光信号として搬送し、光放射器21で光信号42(1)〜42(N)と光参照信号43(1)〜43(N)を生成するまでは、先の実施の形態1と同じ動作である。
【0048】
光信号42(1)〜42(N)は、光ファイバを介して放射方向が可変できる放射レンズ36に入力される。このとき、放射方向が可変できる放射レンズ36は、ビーム走査時分割制御部33より、ビーム走査方向を指定する外部指令を受け、放射方向が特定される。ビーム走査時分割制御部33からの外部指令に応じて放射方向が可変する放射レンズ36から放射されたビームは、フーリエ変換レンズ35の所望の位置に入力され、その結果、所望のビーム走査範囲すべてのビーム走査が可能となる。
【0049】
以上のように、実施の形態2によれば、ビーム走査方向を指定する指令に対応して放射方向が可変する放射レンズを用いることで、細かなビーム走査が可能となる。さらに、放射レンズアレーを用いることなく、細かなビーム走査が可能となり、システムの大規模化を防止するとともに、システムの低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1における光制御型アレーアンテナ装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における光多重器で多重化された多重化光信号に含まれるN個の光高周波信号の周波数帯域を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態1における光制御走査部の詳細な動作説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1における焦点位置制御レンズの構成を示した例示図である。
【図5】本発明の実施の形態1における焦点位置制御レンズの別の構成を示した例示図である。
【図6】本発明の実施の形態2における光制御型アレーアンテナ装置の構成図である。
【符号の説明】
【0051】
10 光制御励振部、11(1)〜11(N) 光高周波発生器、12(1)〜12(N) 光源、13(1)〜13(N) 高周波信号源、14(1)〜14(N) 光変調器、15 光多重器、20 光制御放射部、21 光放射器、22 放射レンズ、23 光合成器、24 ファイバーアレー、25(1)〜25(N) 光電変換器、26(1)〜26(N) 増幅器、27(1)〜27(N) 放射素子アンテナ、30 光制御走査部、31 ミラー、32 放射レンズアレー、33 ビーム走査時分割制御部、34 焦点位置制御レンズ、35 フーリエ変換レンズ、36 放射方向が可変する放射レンズ(特定方向放射レンズ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重化された光高周波信号を受信し、ビーム走査情報の元となる光信号と、高周波信号情報の元となる光参照信号とに分配する光放射器と、
前記光放射器により分配された前記光信号を、所望のビーム走査範囲を得るように制御し、フーリエ変換レンズを介してビーム走査情報を有する光信号として出力する光制御走査部と、
前記光放射器により分配された前記光参照信号と、前記光制御走査部により出力された前記ビーム走査情報を有する光信号とを合成して合成光信号を生成し、前記合成光信号を光電変換して所望の指向方向に高周波信号を送信する光制御放射部と
を備えた光制御型アレーアンテナ装置において、
前記光制御走査部は、前記所望のビーム走査範囲を複数の限定ビーム走査範囲に分割し、分割された前記限定ビーム走査範囲に応じて、前記フーリエ変換レンズへ入力する光信号の入射位置を時分割制御して前記ビーム走査情報を有する光信号を出力することを特徴とする光制御型アレーアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光制御型アレーアンテナ装置において、
前記光制御走査部は、
ビーム走査範囲と動作レンズを指定する外部指令に応じて前記限定ビーム走査範囲が割り付けられる放射レンズアレーと、
前記放射レンズアレーに割り付けられた前記限定ビーム走査範囲における光信号に応じて、前記フーリエ変換レンズに対して所望の焦点距離および所望の位置となるような光信号に変換する複数のレンズを有する焦点位置制御レンズと、
あらかじめ分割されたビーム走査範囲ごとに、前記放射レンズアレーに対して前記外部指令を出力して限定ビーム走査範囲を設定するとともに、前記焦点位置制御レンズの前記複数のレンズの中から、設定した前記限定ビーム走査範囲に対応したレンズを動作レンズとして選択し、前記光放射器により分配された前記光信号を時分割制御することで前記所望のビーム走査範囲のビーム走査を行うビーム走査時分割制御部と
を備えることを特徴とする光制御型アレーアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光制御型アレーアンテナ装置において、
前記光制御走査部は、
ビーム走査方向を指定する外部指令に応じて前記光放射器により分配された前記光信号を特定の放射方向に放射して前記フーリエ変換レンズへ入力させる特定方向放射レンズと、
あらかじめ分割されたビーム走査方向ごとに、前記特定方向放射レンズに対して前記外部指令を出力し、前記光放射器により分配された前記光信号を時分割制御することで前記所望のビーム走査範囲のビーム走査を行うビーム走査時分割制御部と
を備えることを特徴とする光制御型アレーアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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