説明

光受信装置および多値/二値変換回路

【課題】多値に変調された光信号を高速に復調する。
【解決手段】信号線501および502には、4つの二値のデータ列に基づいて生成された16値の振幅を有する正相および逆相の電気信号が供給される。ビートキャンセラ550は、信号線501および502からの16値の電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成する。振幅値変換部560は、その基準信号を基準として、信号線513および514からの16値の電気信号を8値の電気信号に変換する。振幅値変換部560は、この変換された新たな電気信号を信号線505および506に供給する。また、ビートキャンセラ550は、信号線501および502を用いて16値の電気信号の揺らぎ成分を除去する。二値データ生成部444は、その揺らぎ成分が除去された16値の電気信号に基づいて4つのうち1つの二値のデータ列を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光受信装置に関し、特に多値に変調された光信号を復調する光受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光信号により情報を伝送する光伝送システムには、二値の光信号を高速に伝送するシステムがある。最近では、高解像度の映像が伝送されるようになってきており、多値の光信号を伝送する装置が求められている。この多値の信号を伝送する光伝送システムの受光装置として、多値の信号における信号の間隔の比に基づいて元のデータを復調する受光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この受光装置では、多値の信号における信号の間隔の比から多値信号をデータに変換するための識別レベルを設定し、この識別レベルに基づいて多値信号をデータに変換している。
【特許文献1】特開2008−113386号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の従来技術では、多値の信号における信号の間隔の比に基づいて多値の信号から二値のデータを取得することができる。しかしながら、このような受光装置においては、多値の信号振幅に基づいてピークホールド値を検出し、間隔の比に基づいて当該ピークホールド値を分割し、そこから二値復調の基準信号を生成するなどの処理があるため、処理速度が遅い。このため、信号の伝送揺らぎや符号依存性などへの追従が不十分となるため、高速に多値の光信号を復調することは困難であると考えられる。
【0004】
そこで、本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、多値に変調された光信号を高速に復調することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、多値の光信号に基づいて多値振幅信号の電気信号を生成する光電変換部と、上記電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成する基準信号生成部と、上記電気信号が上記基準信号より高い場合には、上記電気信号を上記電気信号の最小値と上記基準信号との間の振幅値に変換することによって新たな電気信号を生成する振幅値変換部と、上記電気信号に基づいて第1の二値のデータ列を生成する第1の二値データ生成部と、上記新たな電気信号に基づいて第2の二値のデータ列を生成する第2の二値データ生成部とを具備する光受信装置および多値/二値変換回路である。これにより、多値の電気信号から複数の二値のデータ列を生成させるという作用をもたらす。
【0006】
また、この第1の側面において、上記振幅値変換部は、上記基準信号生成部における上記基準信号に基づいて上記電気信号を整流する整流回路を備えるようにしてもよい。これにより、電気信号における最小値と最大値との中間値を基準とする整流回路を用いて電気信号の振幅値を変換させるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、上記基準信号生成部は、上記電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成するためのローパスフィルタを備えるようにしてもよい。これにより、ローパスフィルタを用いて電気信号における最小値と最大値との中間値から基準信号を生成させるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記光電変換部は、上記光信号から正相の上記電気信号および逆相の上記電気信号を生成し、上記基準信号生成部は、上記逆相の電気信号から高周波成分を除去するローパスフィルタによって生成される上記基準信号に基づいて上記正相の電気信号を整形するようにしてもよい。これにより、逆相の電気信号における基準信号に基づいて正相の電気信号を整形させるという作用をもたらす。この場合において、上記基準信号生成部は、上記正相の電気信号における揺らぎを除去することによって上記正相の電気信号を整形するビートキャンセラを備えるようにしてもよい。これにより、逆相の電気信号の基準信号と正相の電気信号とに基づいて揺らぎを除去することによって正相の電圧信号を整形させるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記第1の二値のデータ列に基づいてデータを同期させるクロックを生成するクロック生成部と、上記クロックに従って上記二値のデータ列を保持する第1、第2および第3のデータ保持部とをさらに具備し、上記第1のデータ保持部は、上記第1の二値データ生成部により生成された第1の二値のデータ列を保持し、上記第2のデータ保持部は、上記第2の二値データ生成部により生成された第2の二値のデータ列を保持し、上記第3のデータ保持部は、上記第1のデータ保持部に保持された上記第1の二値のデータ列を保持するようにしてもよい。これにより、データを同期させるクロックに基づいて複数の二値のデータ列を同期させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多値に変調された光信号を高速に復調することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.光伝送システム(多値信号伝送システム:16値振幅信号を伝送する例)
2.光送信装置(多値信号送信制御:16値振幅信号を送信する例)
3.光信号変調方式(多値信号生成方式:16値振幅信号を生成する例)
4.光受信装置(多値信号整形復調制御:16値振幅信号から二値のデータ列を復調する例)
【0012】
<光伝送システム>
[構成例]
図1は、本発明の実施の形態における光伝送システム100の一構成例を示すブロック図である。光伝送システム100は、光送信装置110から出力された多値の光信号を、伝送路102を介して伝送し、光受信装置120において受信するシステムである。
【0013】
光送信装置110は、信号線101を介して供給される複数の二値のデータ列の信号を多値の光信号として送信するものである。この多値の光信号は、多値の光信号として伝送路102に出力される。光送信装置110は、二値/多値変調駆動部200およびレーザーダイオード(LD:Laser Diode)発光部260を備える。
【0014】
二値/多値変調駆動部200は、信号線101を介して供給された複数の二値のデータ列の信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を発光させるものである。この二値/多値変調駆動部200は、例えば、信号線101を介して4つの二値のデータ列を伝送する場合には、4つの二値のデータ列に対応する16値の電流がレーザーダイオード(LD)発光部260に流れるように制御する。
【0015】
レーザーダイオード(LD)発光部260は、二値/多値変調駆動部200による制御に従って生成される多値の光信号を伝送路102に出力するものである。レーザーダイオード(LD)発光部260は、例えば、16値に振幅変調された光信号を伝送路102に出力する。
【0016】
光受信装置120は、光送信装置110から送信された光信号を受信するものである。この光受信装置120は、その受信された光信号を復調することによって、信号線103を介して複数の二値のデータ列の信号を出力する。この光受信装置120は、光電変換部130および多値/二値変換部400を備える。
【0017】
光電変換部130は、光送信装置110からの多値の光信号を受光して、その受光された光信号に基づいて多値振幅信号である電気信号を生成するものである。この光電変換部130は、フォトダイオード(PD:Photo Diode)受光部131およびアナログアンプ部132を備える。なお、光電変換部130は、特許請求の範囲に記載の光電変換部の一例である。
【0018】
フォトダイオード(PD)受光部131は、光送信装置110から伝送された多値の光信号に基づいて多値の電流信号を生成するものである。このフォトダイオード(PD)受光部131は、例えば、16値の光信号を受光すると、16値の電流信号を生成する。このフォトダイオード(PD)受光部131は、その生成した16値の電流信号をアナログアンプ部132に供給する。
【0019】
アナログアンプ部132は、フォトダイオード(PD)受光部131から供給された多値の電流信号を多値の電圧信号に変換するものである。このアナログアンプ部132は、例えば、16値の電流信号に基づいて16値の電圧信号を生成する。また、このアナログアンプ部132は、生成された16値の電圧信号を増幅して、その増幅された16値の電圧信号を多値/二値変換部400に供給する。
【0020】
多値/二値変換部400は、アナログアンプ部132から供給された電圧信号に基づいて複数の二値のデータ列の信号を復調するものである。この多値/二値変換部400は、例えば、16値の振幅信号である電圧信号に基づいて4つの二値のデータ列を生成する。このフォトダイオード(PD)受光部131は、その生成された二値のデータ列を、信号線103を介して出力する。なお、多値/二値変換部400は、特許請求の範囲に記載の多値/二値変換回路の一例である。
【0021】
次に、本発明の実施の形態における光送信装置110の一構成例について図面を参照して説明する。
【0022】
<光送信装置>
[第1の構成例]
図2は、本発明の実施の形態における光送信装置110の第1の構成例を示す回路図である。ここでは、4つの二値のデータ列(Data(0)乃至(3))に基づいて16値の光信号を生成することを想定している。
【0023】
二値/多値変調駆動部200は、バッファ211乃至215と、データ保持部(CDR:Clock Data Recovery)221乃至224と、レーザーダイオードドライバ(LDD:Laser Diode driver)231乃至234とを備える。
【0024】
バッファ215は、時間情報であるクロック(Clock)を基準にして、データ保持部(CDR)221乃至224に保持されるデータ信号間の同期を取るためのクロック信号を生成するものである。このバッファ215は、その生成したクロック信号をデータ保持部(CDR)221乃至224に供給する。
【0025】
バッファ211は、二値のデータ列(Data(0))に対応するデータ信号を生成するものである。このバッファ211は、その生成されたデータ信号をデータ保持部(CDR)221に供給する。
【0026】
データ保持部(CDR)221は、バッファ211により生成されたデータ信号を保持するものである。このデータ保持部(CDR)221は、バッファ215により供給されたクロック信号に基づいて、レーザーダイオードドライバ(LDD)231にデータ信号を供給する。
【0027】
レーザーダイオードドライバ(LDD)231は、レーザーダイオード(LD)発光部260から送信される光信号の振幅を制御するものである。このレーザーダイオードドライバ(LDD)231は、データ保持部(CDR)221から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させる駆動電流の量を変化させる。このレーザーダイオードドライバ(LDD)231は、例えば、データ信号が「0」である場合には、駆動電流の量を変化させず、データ信号が「1」である場合には、駆動電流の量を変化させる。
【0028】
バッファ211と同じ機能であるバッファ212乃至214は、3つの二値のデータ列(Data(1)乃至(3))に対応するデータ信号を生成するものである。このバッファ212乃至214は、それぞれのデータ信号をデータ保持部(CDR)222乃至224に供給する。
【0029】
データ保持部(CDR)221と同じ機能であるデータ保持部(CDR)222乃至224は、バッファ212乃至214により生成されたデータ信号を保持するものである。このデータ保持部(CDR)222乃至224は、バッファ215により供給されたクロック信号に基づいて、同期の取れたデータ信号をレーザーダイオードドライバ(LDD)232乃至234に供給する。
【0030】
レーザーダイオードドライバ(LDD)232乃至234は、データ保持部(CDR)222乃至224から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させる駆動電流の量をそれぞれ変化させるものである。このレーザーダイオードドライバ(LDD)232乃至234は、データ保持部(CDR)222乃至224から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させる駆動電流の量を変化させるものである。このレーザーダイオードドライバ(LDD)232乃至234は、例えば、データ信号が「0」である場合には駆動電流量を変化させず、データ信号が「1」である場合には駆動電流を変化させる。
【0031】
レーザーダイオード(LD)発光部260は、インダクタ261と、レーザーダイオード(LD)262と、インダクタ263と、バイアス電流生成部264とを備える。
【0032】
インダクタ261およびインダクタ263は、レーザーダイオード(LD)262を駆動させる電流におけるノイズ成分を低減するものである。このレーザーダイオード(LD)262を駆動させる電流におけるノイズ成分を低減させることにより、レーザーダイオード(LD)262における16値の光信号の生成を安定化させることができる。
【0033】
レーザーダイオード(LD)262は、レーザーダイオード(LD)262自身に流れる電流量に応じて16値の光信号を出力するものである。
【0034】
バイアス電流生成部264は、レーザーダイオード(LD)262に一定のバイアス電流を供給するものである。このバイアス電流は、例えば、レーザーダイオード(LD)262が発光するために最低限必要な電流である。
【0035】
このように、レーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234により、駆動電流の量を16段階に変化させることによって、レーザーダイオード(LD)発光部260の発光を制御する。これにより、光送信装置110において、16値の光信号が生成される。
【0036】
[第2の構成例]
図3は、本発明の実施の形態における光送信装置110の第2の構成例を示す回路図である。ここでは、抵抗251およびコンデンサ265以外の構成は、図2と同様のものであるため、図2と同符号を付してここでの説明を省略する。
【0037】
図3における二値/多値変調駆動部200は、図2に示した二値/多値変調駆動部200の構成に加えて、抵抗251およびコンデンサ265を備えている。
【0038】
抵抗251は、レーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234により生成された電流の量の変化を電圧に変換するためのものである。この抵抗251には、LDD231乃至234により供給される16値の電流が流れる。
【0039】
コンデンサ265は、抵抗251に流れる電流によって生じた16値の電圧の変化を二値/多値変調駆動部200からレーザーダイオード(LD)発光部260に供給するものである。
【0040】
このように、抵抗251およびコンデンサ265を設けることによって、図2に示した光送信装置110よりも波形の歪みが低減され、高速に多値の光信号を伝送することができる。
【0041】
[第3の構成例]
図4は、本発明の実施の形態における光送信装置110の第3の構成例を示す回路図である。ここでは、LDD241乃至244、抵抗252、および、コンデンサ266以外の構成は、図3と同様のものであるため、図3と同符号を付してここでの説明を省略する。
【0042】
図4における光送信装置110は、図3に示した光送信装置110のレーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234に代えて、レーザーダイオードドライバ(LDD)241乃至244、抵抗252およびコンデンサ266を備えている。
【0043】
レーザーダイオードドライバ(LDD)241は、データ保持部(CDR)221から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させる正相および逆相の電流を生成するものである。このレーザーダイオードドライバ(LDD)241は、データ保持部(CDR)221から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させるために電流の量を変化させる。
【0044】
レーザーダイオードドライバ(LDD)242乃至244は、データ保持部(CDR)222乃至224から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させる正相および逆相の電流を生成するものである。このレーザーダイオードドライバ(LDD)242乃至244は、データ保持部(CDR)222乃至224から供給されたデータ信号に基づいて、レーザーダイオード(LD)発光部260を駆動させるために電流の量を変化させる。
【0045】
レーザーダイオードドライバ(LDD)241乃至244は、正相の信号線に抵抗251が接続され、逆相の信号線に抵抗252が接続される。抵抗252は、レーザーダイオードドライバ(LDD)241乃至244が生成した逆相の電流の量の変化を電圧の変化に変換するためのものである。
【0046】
コンデンサ265は、抵抗252に流れる電流によって生じた16値の電圧の変化を二値/多値変調駆動部200からレーザーダイオード(LD)発光部260に供給するものである。このコンデンサ265は、抵抗251により発生した逆相の電圧の変化を二値/多値変調駆動部200からレーザーダイオード(LD)262のアノード端子に供給するものである。
【0047】
このように、光送信装置110は、レーザーダイオードドライバ(LDD)241乃至244、抵抗252およびコンデンサ266を設けることによって、図3に示した光送信装置110に比べて波形の歪みを低減されることができる。
【0048】
[第4の構成例]
図5は、本発明の実施の形態における光送信装置110の第4の構成例を示す回路図である。ここでは、マッハツェンダ(MZI)267以外の構成は、図3と同様のものであるため、図3と同符号を付してここでの説明を省略する。
【0049】
図5における光送信装置110は、図4に示した光送信装置110の構成に加えて、マッハツェンダ干渉計(MZI)267を備えている。
【0050】
マッハツェンダ干渉計(MZI)267は、コンデンサ265およびコンデンサ266から供給される電圧に基づいて、レーザーダイオード(LD)262から出力される光を変調するものである。このマッハツェンダ干渉計(MZI)267は、レーザーダイオード(LD)262から供給される光を変調することによって、16値の光信号を生成する。
【0051】
このように、マッハツェンダ干渉計(MZI)267を設けることによって、図5に示した光送信装置110に比べて波形の歪みが低減されるため、高速に多値の光信号を伝送することができる。
【0052】
次に、レーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234またはレーザーダイオードドライバ(LDD)241乃至244により生成される16値振幅信号の一例について図面を参照して説明する。
【0053】
<光信号変調方式>
[光送信装置における多値振幅信号の生成例]
図6は、本発明の実施の形態において光送信装置110により生成される多値振幅信号の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、横軸を時間軸として、16ビット311のデータ列(D0乃至D15)における信号レベルの変化が示されている。
【0054】
図6(a)は、レーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234において生成される電流信号312乃至315を示すタイミングチャートである。ここでは、16値の振幅レベルを生成するため、電流信号312、313、314、315の順番にそれぞれの振幅を小さく設定することを想定する。
【0055】
電流信号312は、レーザーダイオードドライバ(LDD)231により生成される電流信号である。この電流信号312は、D0乃至D7のビットにおいてL(Low)レベルを示し、D8乃至D15においてH(High)レベルを示す。
【0056】
電流信号313は、レーザーダイオードドライバ(LDD)232により生成される電流信号である。この電流信号312は、D0乃至D3およびD8乃至D11のビットにおいてLレベルを示し、番号D4乃至D7および番号D12乃至D15においてHレベルを示す。
【0057】
電流信号314は、レーザーダイオードドライバ(LDD)233により生成される電流信号である。この電流信号312は、D0、D1、D4、D5、D8、D9、D12およびD13のビットにおいてLレベルを示し、D2、D3、D6、D7、D10、D11、D14およびD15のビットにおいてHレベルを示す。
【0058】
電流信号315は、レーザーダイオードドライバ(LDD)234により生成される電流信号である。この電流信号312は、D0、D2、D4、D6、D8、D10、D12およびD14のビットにおいてLレベルを示し、D1、D3、D5、D7、D9、D11、D13およびD15のビットにおいてHレベルを示す。
【0059】
図6(b)は、図6(a)における電流信号312乃至315によって生成される16値の振幅信号321を示すタイミングチャートである。
【0060】
16値の振幅信号321は、4つのビット列を表現する16値(2の4乗)の振幅値を有する信号である。例えば、D0において電流信号312乃至315が全てLレベルである場合には、16値の振幅信号321は、16の振幅レベルのうち最小値のレベルとなる。また、D7において、電流信号312がLレベルであり、かつ、電流信号313乃至315が全てHレベルである場合には、16値の振幅信号321は、16の振幅レベルのうち7番目に高いレベルとなる。
【0061】
このように、レーザーダイオードドライバ(LDD)231乃至234により生成された振幅が異なる電流信号312乃至315を組み合わせることによって、16値の振幅を有する電流信号が生成され、16値の光信号が生成される。
【0062】
次に、本発明の実施の形態における光受信装置について図面を参照して説明する。
【0063】
<光受信装置>
[構成例]
図7は、本発明の実施の形態における光受信装置120の一構成例を示す回路図である。ここでは、16値の光信号を受信して4つの二値のデータ列を生成する例について説明する。
【0064】
光受信装置120は、光電変換部130および多値/二値変換部400を備える。光電変換部130は、フォトダイオード(PD)受光部131およびアナログアンプ部132を備える。
【0065】
フォトダイオード(PD)受光部131は、インダクタ411およびフォトダイオード412を備える。この構成において、インダクタ411は、その一端がフォトダイオード412のカソード端子に接続され、他端が電源端子に接続される。フォトダイオード412は、そのアノード端子にアナログアンプ部132の入力端子が接続される。
【0066】
インダクタ411は、フォトダイオード(PD)412に供給される電流のノイズを除去するものである。
【0067】
フォトダイオード(PD)412は、光送信装置110から伝送された16値の光信号に基づいて16値の電流信号を生成するものである。このフォトダイオード(PD)412は、その生成した16値の電流信号をアナログアンプ部132に供給する。ここでは、フォトダイオード(PD)412により生成される16値の電流信号には揺らぎ成分が含まれていることを想定している。ここにいう電流信号の揺らぎ成分とは、伝送路102の伝送特性やフォトダイオード(PD)の温度特性等により生じるものであり、低い周波数成分からなる。
【0068】
アナログアンプ部132は、抵抗413と、トランスインピーダンス・アンプ414と、差動増幅部415と、コンデンサ416と、コンデンサ417とを備える。この構成において、抵抗413は、その一端がトランスインピーダンス・アンプ414の反転入力端子およびフォトダイオード412のアノード端子に接続される。さらに、抵抗413は、その他端がトランスインピーダンス・アンプ414の出力端子および差動増幅部415の入力端子に接続される。トランスインピーダンス・アンプ414は、その非反転入力端子が接地される。差動増幅部415は、その反転出力端子および非反転出力端子にコンデンサ416および417の一方の電極がそれぞれ接続される。コンデンサ416および417は、他方の電極が多値/二値変換部400の入力端子にそれぞれ接続される。
【0069】
抵抗413は、トランスインピーダンス・アンプ414の出力レベルを調整するためのものである。トランスインピーダンス・アンプ414は、フォトダイオード(PD)412から供給された16値の電流信号を16値の電圧信号に変換するものである。このトランスインピーダンス・アンプ414は、その生成した16値の電圧信号を差動増幅部415に供給する。なお、このトランスインピーダンス・アンプ414は、抵抗413を設けることによって帰還回路を構成する。
【0070】
差動増幅部415は、トランスインピーダンス・アンプ414から供給された電圧信号に基づいて、差動伝送をするための正相および逆相の電圧信号を生成するものである。この差動増幅部415は、その生成した16値の電圧信号を増幅して、増幅された16値の電圧信号を多値/二値変換部400に供給する。なお、ここでは一例として、光電変換部130は、差動伝送方式により多値の電圧信号を多値/二値変換部400に供給しているが、シングルエンド伝送方式により多値の電圧信号を多値/二値変換部400に供給するようにしてもよい。
【0071】
多値/二値変換部400は、クロック生成部451と、データ保持部452乃至461と、クロック出力部462と、二値データ復調部500乃至520と、ビートキャンセラ(BCC:Beat CanCeller)530と、二値データ生成部540とを備える。
【0072】
二値データ復調部500は、光電変換部130から供給された16値の電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(0))と、二値のデータ列(Data(0))のデータ成分を取り除いた8値の電圧信号とを生成するものである。この二値データ復調部500は、例えば、光電変換部130から供給された16値の電圧信号における揺らぎ成分を除去し、この揺らぎ成分を除去した電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(0))を生成する。また、この二値データ復調部500は、その生成された二値のデータ列(Data(0))をデータ保持部452に供給する。また、二値データ復調部500は、生成された8値の電圧信号を二値データ復調部510に供給する。
【0073】
この二値データ復調部500は、その入力端子に差動増幅部415からの出力が入力される。さらに、二値データ復調部500は、二値のデータ列(Data(0))を出力する出力端子にデータ保持部452の入力端子が接続され、8値の電圧信号を出力する出力端子に二値データ復調部510の入力端子が接続される。
【0074】
二値データ復調部510は、二値データ復調部500から供給された8値の電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(1))と、二値のデータ列(Data(1))のデータ成分を取り除いた4値の電圧信号とを生成するものである。この二値データ復調部510は、その生成された二値のデータ列(Data(1))をデータ保持部454に供給する。また、二値データ復調部510は、生成された4値の電圧信号を二値データ復調部520に供給する。
【0075】
この二値データ復調部510は、その入力端子に二値データ復調部500における8値の電圧信号の出力端子が接続される。さらに、二値データ復調部510は、二値のデータ列(Data(1))を出力する出力端子にデータ保持部454が接続され、4値の電圧信号を出力する出力端子に二値データ復調部520が接続される。
【0076】
二値データ復調部520は、二値データ復調部510から供給された4値の電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(2))と、二値のデータ列(Data(2))のデータ成分を取り除いた2値の電圧信号とを生成するものである。この二値データ復調部520は、その生成された二値のデータ列(Data(2))をデータ保持部457に供給する。また、二値データ復調部520は、生成された2値の電圧信号をビートキャンセラ(BCC)530に供給する。
【0077】
この二値データ復調部520は、その入力端子に二値データ復調部510における4値の電圧信号の出力端子が接続される。さらに、二値データ復調部520は、二値のデータ列(Data(2))を出力する出力端子にデータ保持部457が接続され、2値の電圧信号を出力する出力端子にビートキャンセラ(BCC)530が接続される。
【0078】
ビートキャンセラ(BCC)530は、二値データ復調部520から供給された電圧信号における揺らぎを除去することによって、その電圧信号を整形するものである。ビートキャンセラ(BCC)530は、揺らぎが除去された2値の電圧信号を二値データ生成部540に供給する。このビートキャンセラ(BCC)530は、その入力端子に二値データ復調部520における2値の電圧信号の出力端子が接続され、出力端子に二値データ生成部540の入力端子が接続される。
【0079】
二値データ生成部540は、ビートキャンセラ(BCC)530から供給された電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(3))を生成するものである。この二値データ生成部540は、その入力端子にビートキャンセラ(BCC)530の出力端子が接続され、出力端子にデータ保持部(CDR)461の入力端子が接続される。なお、二値データ生成部540は、特許請求の範囲に記載の第2の二値データ生成部の一例である。
【0080】
クロック生成部451は、二値データ復調部500から供給される二値のデータ列(Data(0))の信号に基づいて、データ保持部452乃至461に保持されるデータを同期させるためのクロック信号を生成するものである。このクロック生成部451は、その入力端子に二値データ復調部500の出力端子が接続され、出力端子にデータ保持部452乃至461およびクロック出力部462が接続される。なお、クロック生成部451は、特許請求の範囲に記載のクロック生成部の一例である。
【0081】
データ保持部452は、二値データ復調部500により供給された二値のデータ列(Data(0))の信号を保持するものである。このデータ保持部452は、クロック生成部451により供給されたクロック信号に基づいて、同期の取れた二値のデータ列をデータ保持部453に供給する。このデータ保持部452は、その出力端子にデータ保持部453の入力端子が接続される。
【0082】
データ保持部454は、二値データ復調部510により供給された二値のデータ列(Data(1))を保持するものである。このデータ保持部454は、クロック生成部451により供給されたクロック信号に基づいて、データ保持部453に保持された二値のデータ列(Data(0))と同期の取れた二値のデータ列(Data(1))をデータ保持部456に供給する。このデータ保持部454は、その出力端子にデータ保持部456の二値データ入力端子が接続される。この後、この同期の取れた二値のデータ列は、データ保持部456からデータ保持部459へ同期の取れた二値のデータ列として供給される。
【0083】
データ保持部457は、二値データ復調部520により供給された二値のデータ列(Data(2))を保持するものである。このデータ保持部457は、クロック生成部451からのクロック信号に基づいて、データ保持部455および456に保持された二値のデータ列(Data(0)および(1))と同期の取れた二値のデータ列(Data(2))をデータ保持部460に供給する。このデータ保持部457は、その出力端子にデータ保持部460の入力端子が接続される。
【0084】
データ保持部461は、二値データ生成部540から供給された二値のデータ列(Data(3))を保持するものである。このデータ保持部461は、クロック生成部451からのクロック信号に基づいて、データ保持部458乃至460に保持された二値のデータ列(Data(0)乃至(2))と同期の取れた二値のデータ列(Data(3))を出力する。このとき、データ保持部458に保持された二値のデータ列(Data(0))、データ保持部459に保持された二値のデータ列(Data(1))、データ保持部460に保持された二値のデータ列(Data(2))が出力される。
【0085】
なお、データ保持部452は、特許請求の範囲に記載の第1のデータ保持部の一例である。なお、データ保持部453、455および458は、特許請求の範囲に記載の第3のデータ保持部の一例である。なお、データ保持部454、456、457、459、460および461は、特許請求の範囲に記載の第2のデータ保持部の一例である。
【0086】
クロック出力部462は、クロック生成部451より供給されたクロック信号を出力するものである。
【0087】
このように、多値/二値変換部400は、16値の電圧信号から二値のデータ列を順次取り出すことによって多値の光信号を高速に復調することができる。次に、二値データ復調部500乃至520について図面を参照に説明する。
【0088】
[多値/二値変換部の構成例]
図8は、本発明の実施の形態における二値データ復調部500乃至520の一構成例を示す回路図である。ここでは、二値データ復調部500乃至520は同じ構成のものであるため、二値データ復調部500についてのみ説明する。
【0089】
二値データ復調部500は、二値データ生成部444と、ビートキャンセラ(BCC)550と、振幅値変換部560とを備える。
【0090】
ビートキャンセラ(BCC)550は、信号線501および信号線502から供給される正相および逆相の16値の電圧信号に基づいて電圧信号における揺らぎを検出し、その検出した揺らぎ成分を用いて電圧信号を整形するものである。ここにいう電気信号における揺らぎ成分とは、伝送路102の伝送特性やフォトダイオード(PD)の温度特性等により生じるものであり、低い周波数成分からなる。このビートキャンセラ(BCC)550は、抵抗421乃至422と、コンデンサ423乃至424と、抵抗425乃至426と、DCキャンセラ(DCC:DC Canceller)443とを備える。なお、ビートキャンセラ(BCC)550は、特許請求の範囲に記載のビートキャンセラの一例である。
【0091】
この構成において、抵抗421の一端には、信号線502およびDCキャンセラ443の逆相の電圧信号の入力端子が接続される。さらに、抵抗421の他端には、コンデンサ424の一方の電極、抵抗426の一端および信号線511が接続される。コンデンサ424の他方の電極は接地される。抵抗426の他端には、DCキャンセラ443の正相の電圧信号の出力端子および信号線514が接続される。
【0092】
抵抗422の一端には、信号線501およびDCキャンセラ443の正相の電圧信号の入力端子が接続される。さらに、抵抗422の他端には、コンデンサ423の一方の電極、抵抗425の一端および信号線512が接続される。コンデンサ423の他方の電極は接地される。抵抗426の他端には、DCキャンセラ443の逆相の電圧信号の出力端子および信号線512が接続される。
【0093】
抵抗422およびコンデンサ423は、信号線501から供給される正相の電圧信号における高周波成分を除去するローパスフィルタとしての役割を果たすものである。この抵抗422およびコンデンサ423は、信号線501の電圧信号における最大値と最小値との中間値である電圧信号を正相の基準信号として生成する。例えば、信号線501の電圧信号における最大値が8.50V、最小値が1.00Vの場合、中間値は4.75Vになる。この抵抗422およびコンデンサ423は、信号線512を介して生成した正相の基準信号を振幅値変換部560に供給する。なお、抵抗422およびコンデンサ423から構成されるローパスフィルタは、特許請求の範囲に記載の基準信号生成部の一例である。
【0094】
さらに、DCキャンセラ443、抵抗422、抵抗425およびコンデンサ423は、信号線501から供給される正相の電圧信号に含まれる揺らぎの信号成分を除去するものである。これらの構成において、信号線501からの正相の揺らぎの信号成分を含む電気信号と、抵抗425およびコンデンサ423により生成される逆相の揺らぎの信号成分とが抵抗422を介して足し合わされる。これにより、揺らぎ成分が除去された正相の電圧信号が二値データ生成部444の正相の入力端子に供給される。
【0095】
一方、抵抗421およびコンデンサ424は、信号線502から供給される逆相の電圧信号における高周波成分を除去するローパスフィルタとしての役割を果たすものである。この抵抗421およびコンデンサ424は、信号線502の電圧信号における最大値と最小値との中間値の電圧信号を逆相の基準信号として生成する。この抵抗421およびコンデンサ424は、信号線511を介して生成した逆相の基準信号を振幅値変換部560に供給する。なお、抵抗421およびコンデンサ424から構成されるローパスフィルタは、特許請求の範囲に記載の基準信号生成部の一例である。
【0096】
さらに、DCキャンセラ443、抵抗421、抵抗426およびコンデンサ424は、信号線502から供給される逆相の電圧信号に含まれる揺らぎの信号成分を除去するものである。これらの構成において、信号線502からの逆相の揺らぎの信号成分を含む電気信号と、抵抗426およびコンデンサ424により生成される正相の揺らぎの信号成分とが抵抗421を介して足し合わされる。これにより、揺らぎ成分が除去された逆相の電圧信号が二値データ生成部444の逆相の入力端子に供給される。
【0097】
振幅値変換部560は、ビートキャンセラ(BCC)550からの16値の電圧信号(信号線513および514)を、その16値の電圧信号における基準信号(信号線511および512)に基づいて、8値の電圧信号に変換するものである。この振幅値変換部560は、例えば、基準信号に基づいて電気信号を整流する整流回路により実現される。この振幅値変換部560は、16値の電圧信号のうち基準信号より高い8値の電圧信号を、16値の電圧信号の最小値と中間値との間の電圧信号に変換する。すなわち、振幅値変換部560は、16値の電圧信号の振幅値を半分の電圧信号に変換する。なお、振幅値変換部560は、特許請求の範囲に記載の振幅値変換部および整流回路の一例である。
【0098】
振幅値変換部560は、ダイオード431と、抵抗432と、コンデンサ433と、ダイオード434と、抵抗435と、コンデンサ436とを備える。さらに、振幅値変換部560は、ダイオード437と、抵抗438と、コンデンサ439と、ダイオード440と、抵抗441と、コンデンサ442とを備える。
【0099】
この振幅値変換部560の構成において、ダイオード431は、そのアノード端子に信号線514およびダイオード434のカソード端子が接続され、カソード端子に抵抗432の一端およびコンデンサ433の一方の電極が接続される。ダイオード434は、そのアノード端子に抵抗435の一端およびコンデンサ436の一方の電極が接続される。抵抗432は、その他端に信号線512および抵抗435の他端が接続される。コンデンサ433は、その他方の電極に信号線505およびコンデンサ436の他方の電極が接続される。
【0100】
ダイオード437は、そのアノード端子に信号線513およびダイオード440のカソード端子が接続され、カソード端子に抵抗438の一端およびコンデンサ439の一方の電極が接続される。ダイオード440は、そのアノード端子に抵抗441の一端およびコンデンサ442の一方の電極が接続される。抵抗438は、その他端に信号線511および抵抗441の他端が接続される。コンデンサ439は、その他方の電極に信号線506およびコンデンサ442の他方の電極が接続される。
【0101】
この振幅値変換部560の構成において、信号線514により供給される16値の電圧信号が信号線512からの基準信号より大きい場合には、ダイオード431がオンとなり、ダイオード434がオフとなって、抵抗432に電流が流れる。これにより、信号線514からの電圧信号と信号線512からの基準信号との電位差がコンデンサ433および436を介して信号線505に供給される。また、信号線514から供給される16値の電圧信号が信号線512からの基準信号より小さい場合には、ダイオード431がオフとなり、ダイオード434がオンとなって、抵抗435に電流が流れる。これにより、信号線514からの電圧信号と信号線512からの基準信号との電位差がコンデンサ433および436を介して信号線505に供給される。このコンデンサ433および436は、抵抗432および抵抗435に流れる電流により生成される電圧変化のみを信号線505に出力する。
【0102】
この構成において、例えば、図6(b)で示したような16値の電圧信号が信号線514により供給されることを想定する。このとき、16値の振幅信号の値D0は1.00V、D1は1.50V、D2は2.00V、D3は2.50V、D4は3.00V、D5は3.50V、D6は、4.00V、D7は4.50Vとする。さらに、D8は5.00V、D9は5.50V、D10は6.00V、D11は6.50V、D12は7.00V、D13は7.50V、D14は8.00V、D15は8.50Vとする。この場合においては、信号線512の基準信号は4.75Vとなる。
【0103】
この例において、ダイオード431は、信号線514から供給される電圧信号のうち5.00乃至8.50Vの電圧信号を抵抗432に供給する。これにより、信号線514からの5.00乃至8.50Vの電圧信号と信号線512からの4.75Vの基準信号との電位差である0.25乃至3.75Vがコンデンサ433および436に供給される。そして、コンデンサ433および436は、供給される0.25乃至3.75Vの電位差のうち0.25VをDC(Direct Current)成分としてカットし、0.00乃至3.50Vの電位差を信号線505に供給する。これに対し、ダイオード434は、信号線514から供給される電圧信号のうち1.00乃至4.50Vの電圧信号を抵抗435に供給する。これにより、信号線514からの1.00乃至4.50Vの電圧信号と信号線512からの4.75Vの基準信号との電位差である0.25乃至3.75Vがコンデンサ433および436に供給される。そして、コンデンサ433および436は、供給される0.25乃至3.75Vの電位差のうち0.25VをDC成分としてカットし、0.00乃至3.50Vの電位差を信号線505に供給する。これにより、信号線505における振幅の幅が3.50Vp−pの新たな電圧信号が生成される。
【0104】
一方、信号線513により供給される16値の電圧信号が信号線511からの基準信号より大きい場合には、ダイオード437がオンとなり、ダイオード440がオフとなって、抵抗438に電流が流れる。これにより、信号線513からの電圧信号と信号線511からの基準信号との電位差がコンデンサ439および442を介して信号線506に供給される。また、信号線513から供給される16値の電圧信号が信号線511からの基準信号より小さい場合には、ダイオード437がオフとなり、ダイオード440がオンとなって、抵抗441に電流が流れる。これにより、信号線513からの電圧信号と信号線511からの基準信号との電圧差がコンデンサ439および442を介して信号線506に供給される。このコンデンサ439および442は、抵抗438および抵抗441に流れる電流により生成される電圧変化のみを信号線506に出力する。
【0105】
この構成において、例えば、図6(b)で示したような16値の電圧信号が信号線513により供給されることを想定する。このとき、16値の振幅信号の値D0は1.00V、D1は1.50V、D2は2.00V、D3は2.50V、D4は3.00V、D5は3.50V、D6は、4.00V、D7は4.50Vとする。さらに、D8は5.00V、D9は5.50V、D10は6.00V、D11は6.50V、D12は7.00V、D13は7.50V、D14は8.00V、D15は8.50Vとする。この場合においては、信号線511の基準信号は4.75Vとなる。
【0106】
この例において、ダイオード437は、信号線513から供給される電圧信号のうち5.00乃至8.50Vの電圧信号を抵抗438に供給する。これにより、信号線513からの5.00乃至8.50Vの電圧信号と信号線511からの4.75Vの基準信号との電位差である0.25V乃至3.75Vがコンデンサ439および442に供給される。そして、コンデンサ439および442は、供給される0.25乃至3.75Vの電位差のうち0.25VをDC成分としてカットし、0.00乃至3.50Vの電位差を信号線506に供給する。これに対し、ダイオード440は、信号線513から供給される電圧信号のうち1.00乃至4.50Vの電圧信号を抵抗441に供給する。これにより、信号線513からの1.00乃至4.50Vの電圧信号と信号線511からの4.75Vの基準信号との電位差である0.25乃至3.75Vがコンデンサ439および442に供給される。そして、コンデンサ439および442は、供給される0.25乃至3.75Vの電位差のうち0.25VをDC成分としてカットし、0.00乃至3.50Vの電位差を信号線506に供給する。これにより、信号線506における振幅の幅が3.50Vp−pの新たな電圧信号が生成される。
【0107】
二値データ生成部444は、DCキャンセラ(DCC)443から供給された電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(0))を生成するものである。この二値データ生成部444は、その生成した二値のデータ列を信号線503および504を介して供給する。
【0108】
このように、二値データ復調部500は、振幅値変換部560により16値の振幅値を半分の8値の振幅値に変換することによって、二値のデータ列(Data(0))のデータ成分が取り除かれた新たな8値の電圧信号を生成することができる。また、二値データ復調部500は、二値データ生成部444において16値の電気信号に基づいて、二値のデータ列(Data(0))を生成することができる。
【0109】
なお、二値データ復調部500における二値データ生成部444は、特許請求の範囲に記載の第1の二値データ生成部の一例である。
【0110】
なお、二値データ復調部510および520における二値データ生成部444は、特許請求の範囲に記載の第2の二値データ生成部の一例である。
【0111】
ここでは、二値データ復調部500により、16値の電気信号に基づいて、8値の電気信号および1つの二値データ列(Data(0))を生成する例について示したが、二値データ復調部510および520においても同様の信号処理を行う。二値データ復調部510は、二値データ復調部500からの8値の電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(1))と、二値のデータ列(Data(1))のデータ成分が取り除かれた4値の電圧信号とを生成する。さらに、二値データ復調部520は、二値データ復調部510からの4値の電圧信号に基づいて、二値のデータ列(Data(2))と、二値のデータ列(Data(2))のデータ成分が取り除かれた2値の電気信号とを生成する。
【0112】
[16値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例]
図9は、本発明の実施の形態における光受信装置120において16値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(0))を生成する例を示す図である。ここでは、横軸を時間軸として、16ビットのデータ列(D0乃至D15)における信号レベルが示されている。ここでは、光送信装置110において図6(b)の振幅信号321に基づいて生成された光信号を受信した場合について説明する。
【0113】
図9(a)は、光電変換部130により生成された揺らぎを含む16値の電圧信号を示す図である。電圧信号611は、光電変換部130により生成された16値の電圧信号であり、揺らぎ成分を含んだ信号である。なお、この電圧信号611は、二値データ復調部500におけるDCキャンセラ(DCC)443の入力端子と、二値データ復調部500における振幅値変換部560の入力端子とに供給される。
【0114】
図9(b)は、二値データ復調部500におけるビートキャンセラ(BCC)550において揺らぎが除去された16値の電圧信号を示す図である。電圧信号621は、ビートキャンセラ(BCC)550によって電圧信号611における揺らぎが除去された16値の電圧信号である。判断基準電圧622は、二値データ生成部444により二値のデータ列を生成するための判断基準を概念的に示したものである。この判断基準電圧622は、電圧信号621における最大値と最小値との中間値に相当する。なお、この電圧信号621は、二値データ復調部500における二値データ生成部444に供給される。
【0115】
図9(c)は、二値データ復調部500における二値データ生成部444において生成される二値のデータ列を示す図である。電圧信号631は、二値データ復調部500における二値データ生成部444において、図9(b)における判断基準電圧622を基準として電圧信号621に基づいて生成される二値のデータ列(Data[0])である。例えば、電圧信号621が判断基準電圧622より低い場合には、「0」を示す二値のデータが生成され、電圧信号621が判断基準電圧622より高い場合には、「1」を示す二値のデータが生成される。なお、この生成された二値のデータ列(Data[0])は、データ保持部452に供給される。
【0116】
このように、二値データ生成部444により判断基準電圧622を基準として16値の電圧信号611に基づいてビットの「0」および「1」を判断することによって、二値のデータ列(Data[0])を検出することができる。また、ビートキャンセラ(BCC)550により電圧信号611における揺らぎを除去することによって、二値データ生成部444による誤検出を低減することができる。次に、8値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例について図面を参照して説明する。
【0117】
[8値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例]
図10は、本発明の実施の形態における光受信装置120において8値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data[1])を生成する例を示す図である。ここでは、横軸を時間軸として、16ビットのデータ列(D0乃至D15)における信号レベルが示されている。
【0118】
図10(a)は、二値データ復調部500における振幅値変換部560において電圧信号611の振幅値が16値から8値に変換された電圧信号を示す図である。
【0119】
電圧信号641は、二値データ復調部500における振幅値変換部560により、揺らぎを含む16値の電圧信号611に基づいて生成された8値の電圧信号である。D0乃至D7における電圧信号641は、信号線512からの電圧信号611における基準信号と、D0乃至D7における電圧信号611とに基づいて生成される。また、D8乃至D15における電圧信号641は、信号線512からの電圧信号611における基準信号と、D8乃至D15における電圧信号611とに基づいて生成される。なお、この電圧信号641は、二値データ復調部510におけるDCキャンセラ(DCC)443の入力端子と、二値データ復調部510における振幅値変換部560の多値信号入力端子とに供給される。
【0120】
図10(b)は、二値データ復調部510において揺らぎが除去された8値の電圧信号を示す図である。電圧信号651は、ビートキャンセラ(BCC)550により電圧信号641における揺らぎが除去された信号である。判断基準電圧652は、二値データ生成部444により二値データを生成するための判断基準を概念的に示したものである。なお、この電圧信号651は、二値データ復調部510における二値データ生成部444に供給される。
【0121】
図10(c)は、二値データ復調部510における二値データ生成部444において生成される二値のデータ列(Data(1))を示す図である。電圧信号661は、二値データ復調部510における二値データ生成部444において、判断基準電圧652を基準として電圧信号651に基づいて生成される二値のデータ列(Data(1))である。例えば、電圧信号651が判断基準電圧652より低い場合には、「0」を示す二値のデータが生成され、電圧信号651が判断基準電圧652より高い場合には、「1」を示す二値のデータが生成される。この生成された二値のデータ列(Data(1))は、データ保持部454に供給される。
【0122】
このように、二値データ生成部444により判断基準電圧652を基準として8値の電圧信号651に基づいてビットの値を判断することによって、二値のデータ列(Data(1))を検出することができる。また、ビートキャンセラ(BCC)550により電圧信号641における揺らぎを除去することによって、二値データ生成部444による誤検出を低減することができる。次に、4値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例について図面を参照して説明する。
【0123】
[4値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例]
図11は、本発明の実施の形態における光受信装置120において4値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(2))を生成する例を示す図である。ここでは、横軸を時間軸として、16ビットのデータ列(D0乃至D15)における信号レベルが示されている。
【0124】
図11(a)は、二値データ復調部510における振幅値変換部560において電圧信号671の振幅値が8値から4値に変換された電圧信号を示す図である。
【0125】
電圧信号671は、二値データ復調部510における振幅値変換部560により、揺らぎを含む8値の電圧信号641に基づいて生成された4値の電圧信号である。D0乃至D3およびD8乃至D11における電圧信号671は、電圧信号641における基準信号と、D0乃至D3およびD8乃至D11における電圧信号641とに基づいて生成される。また、D4乃至D7およびD12乃至D15における電圧信号671は、電圧信号641における基準信号と、D3およびD8乃至D11における電圧信号641とに基づいて生成される。なお、この電圧信号671は、二値データ復調部520におけるDCキャンセラ(DCC)443の入力端子と、二値データ復調部520における振幅値変換部560の多値信号入力端子とに供給される。
【0126】
図11(b)は、二値データ復調部520において揺らぎが除去された4値の電圧信号を示す図である。電圧信号681は、ビートキャンセラ(BCC)550により電圧信号671における揺らぎが除去された信号である。判断基準電圧682は、二値データ生成部444により二値データを生成するための判断基準を概念的に示したものである。なお、この電圧信号681は、二値データ復調部520における二値データ生成部444に供給される。
【0127】
図11(c)は、二値データ復調部520における二値データ生成部444において生成される二値のデータ列(Data(2))を示す図である。電圧信号691は、二値データ復調部520における二値データ生成部444において、判断基準電圧682を基準として電圧信号681に基づいて生成される二値のデータ列(Data(2))である。例えば、電圧信号681が判断基準電圧682より低い場合には、「0」を示す二値のデータが生成され、電圧信号681が判断基準電圧682より高い場合には、「1」を示す二値のデータが生成される。この生成された二値のデータ列(Data(2))は、データ保持部457に供給される。
【0128】
このように、二値データ生成部444により判断基準電圧682を基準として4値の電圧信号681に基づいてビットの値を判断することによって、二値のデータ列(Data(2))を検出することができる。また、ビートキャンセラ(BCC)550により電圧信号671における揺らぎを除去することによって、二値データ生成部444による誤検出を低減することができる。次に、2値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例について図面を参照して説明する。
【0129】
[2値の電圧信号から二値のデータ列を生成する例]
図12は、本発明の実施の形態における光受信装置120において2値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(3))を生成する例を示す図である。ここでは、横軸を時間軸として、16ビットのデータ列(D0乃至D15)における信号レベルが示されている。
【0130】
図12(a)は、二値データ復調部520における振幅値変換部560において電圧信号671の振幅値が4値から2値に変換された電圧信号を示す図である。電圧信号701は、二値データ復調部520における振幅値変換部560により、揺らぎを含む4値の電圧信号671に基づいて生成された2値の電圧信号である。D0、D1、D4、D5、D8、D9、D12およびD13における電圧信号701は、電圧信号671における基準信号と、D0、D1、D4、D5、D8、D9、D12およびD13における電圧信号641とに基づいて生成される。また、D2、D3、D6、D7、D10、D11、D14およびD15における電圧信号701は、電圧信号671における基準信号と、D2、D3、D6、D7、D10、D11、D14およびD15における電圧信号671とに基づいて生成される。なお、この電圧信号701は、ビートキャンセラ(BCC)530の入力端子に供給される。
【0131】
図12(b)は、ビートキャンセラ(BCC)530において揺らぎが除去された2値の電圧信号を示す図である。電圧信号711は、ビートキャンセラ(BCC)530により電圧信号701における揺らぎが除去された信号である。判断基準電圧712は、二値データ生成部540により二値データを生成するための判断基準を概念的に示したものである。なお、この電圧信号711は、二値データ生成部540に供給される。
【0132】
図12(c)は、二値データ生成部540において生成される二値のデータ列(Data(3))を示す図である。電圧信号721は、二値データ生成部540において、判断基準電圧712を基準として電圧信号711に基づいて生成される二値のデータ列(Data(3))である。例えば、電圧信号711が判断基準電圧712より低い場合には、「0」を示す二値のデータが生成され、電圧信号711が判断基準電圧712より高い場合には、「1」を示す二値のデータが生成される。なお、この生成された二値のデータ列(Data(3))は、データ保持部461に供給される。
【0133】
このように、二値データ生成部540により判断基準電圧712を基準として2値の電圧信号711に基づいて判断することによって、二値のデータ列(Data(3))を検出することができる。また、ビートキャンセラ(BCC)530により電圧信号701における揺らぎを除去することによって、二値データ生成部540による誤検出を低減することができる。
【0134】
このように、本発明の実施の形態における光受信装置120によれば、16値の光信号における4つの二値のデータ列を高速に復調することができる。
【0135】
なお、本願発明の実施の形態では、16値の電圧信号から4つの二値のデータ列を生成する例を説明したが、多値の電圧信号の振幅数に応じて二値データ復調部500乃至520の数を増減させることによって、16値以外の電圧信号にも適用することができる。
【0136】
なお、本発明の実施の形態は、カムコーダやビデオレコーダ等の撮像装置や画像記憶装置において、装置間で高速に情報を伝送する光伝送装置として適用することができる。
【0137】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、上述のように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0138】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施の形態における光伝送システム100の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における光送信装置110の第1の構成例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態における光送信装置110の第2の構成例を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態における光送信装置110の第3の構成例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態における光送信装置110の第4の構成例を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態において光送信装置110により生成される多値振幅信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における光受信装置120の一構成例を示す回路図である。
【図8】本発明の実施の形態における二値データ復調部500乃至502の一構成例を示す回路図である。
【図9】本発明の実施の形態における光受信装置120において16値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(0))を生成する例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における光受信装置120において8値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data[1])を生成する例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における光受信装置120において4値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(2))を生成する例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における光受信装置120において2値の電圧信号に基づいて二値のデータ列(Data(3))を生成する例を示す図である。
【符号の説明】
【0140】
100 光伝送システム
101、103、501乃至506、511乃至514 信号線
102 伝送路
110 光送信装置
120 光受信装置
130 光電変換部
131 フォトダイオード受光部
132 アナログアンプ部
200 二値/多値変調駆動部
260 レーザーダイオード発光部
400 多値/二値変換部
411 インダクタ
412 フォトダイオード
413、421、422、425、426、432、435、438、441 抵抗
414 トランスインピーダンス・アンプ
415 差動増幅部
416、417、423、424、433、436、439、442 コンデンサ
431、434、437、440 ダイオード
443 DCキャンセラ
444 二値データ生成部
451 クロック生成部
452乃至461 データ保持部
462 クロック出力部
500、510、520 二値データ復調部
530、550 ビートキャンセラ
540 二値データ生成部
560 振幅値変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多値の光信号に基づいて多値振幅信号の電気信号を生成する光電変換部と、
前記電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成する基準信号生成部と、
前記電気信号が前記基準信号より高い場合には、前記電気信号を前記電気信号の最小値と前記基準信号との間の振幅値に変換することによって新たな電気信号を生成する振幅値変換部と、
前記電気信号に基づいて第1の二値のデータ列を生成する第1の二値データ生成部と、
前記新たな電気信号に基づいて第2の二値のデータ列を生成する第2の二値データ生成部と
を具備する光受信装置。
【請求項2】
前記振幅値変換部は、前記基準信号生成部における前記基準信号に基づいて前記電気信号を整流する整流回路を備える請求項1記載の光受信装置。
【請求項3】
前記基準信号生成部は、前記電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成するためのローパスフィルタを備える請求項1記載の光受信装置。
【請求項4】
前記光電変換部は、前記光信号から正相の前記電気信号および逆相の前記電気信号を生成し、
前記基準信号生成部は、前記逆相の電気信号から高周波成分を除去するローパスフィルタによって生成される前記基準信号に基づいて前記正相の電気信号を整形する
請求項1記載の光受信装置。
【請求項5】
前記基準信号生成部は、前記正相の電気信号における揺らぎを除去することによって前記正相の電気信号を整形するビートキャンセラを備える請求項4記載の光受信装置。
【請求項6】
前記第1の二値のデータ列に基づいてデータを同期させるクロックを生成するクロック生成部と、前記クロックに従って前記二値のデータ列を保持する第1、第2および第3のデータ保持部とをさらに具備し、
前記第1のデータ保持部は、前記第1の二値データ生成部により生成された第1の二値のデータ列を保持し、
前記第2のデータ保持部は、前記第2の二値データ生成部により生成された第2の二値のデータ列を保持し、
前記第3のデータ保持部は、前記第1のデータ保持部に保持された前記第1の二値のデータ列を保持する
請求項1記載の光受信装置。
【請求項7】
多値振幅信号である電気信号における最小値と最大値との中間値を基準信号として生成する基準信号生成部と、
前記電気信号が前記基準信号より高い場合には、前記電気信号を前記電気信号の最小値と前記基準信号との間の振幅値に変換することによって新たな電気信号を生成する振幅値変換部と、
前記電気信号に基づいて第1の二値のデータ列を生成する第1の二値データ生成部と、
前記新たな電気信号に基づいて第2の二値のデータ列を生成する第2の二値データ生成部と
を具備する多値/二値変換回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−141373(P2010−141373A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312803(P2008−312803)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】