説明

光学シートおよびそれを用いた表示装置

【課題】
明室コントラスト性能に優れたコントラスト向上シートを提供する。
【解決手段】
表示装置の表示面に配置されて用いられる本発明のコントラスト向上シートは、所定方向の断面が略台形状の複数の光透過部と、断面が略楔形状の光吸収部とを備え、前記表示装置からの映像光が入射する側において、前記光透過部の略台形状部の上辺と、前記光吸収体の略楔形状の底辺が互いに隣接しており、前記光透過部の略台形状の上辺部に拡散手段を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素がマトリクス状(2次元状)に配置された所謂平面型表示パネル〔例えば、LCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel),FED(Field Emission Display)等の表示パネル〕を用いた表示装置におけるコントラスト性能の改善とモアレを低減するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
平面型表示パネルを用いた表示装置が、テレビジョン表示装置(TV)の用途として用いられている。TVは、明るい環境下で視聴される場合が多いので、外部環境光(例えば、室内照明)の表示パネルへの映り込みによるコントラストの低下を抑制する(すなわち明室コントラスト性能の向上を図る)必要がある。
【0003】
外部環境光の映り込みを低減することで明室コントラスト性能を改善する技術が、例えば、特許文献1などに知られている。特許文献1は、表示パネルの表示面の横方向に延伸する光透過部、及び外部環境光を吸収するための楔形状のブラックストライプを、表示パネルの画面縦方向に交互に配列した光学シートを開示している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−189867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような構成の光学シートは、光透過部とブラックストライプ(光吸収部)が交互に配列された周期的配列パターン(以下、「原パターン」という)を持つため、この光学シートを透過して表示パネルの表示面上に照射される外部環境光も上記原パターンに類似するパターンを持つ。従って、表示パネルの表示面で反射される外部環境光のパターン(以下、「反射パターン」という)も原パターンに類似することとなる。
【0006】
この反射パターンを有する外部環境光が、上記表示パネルで反射し再び光学シートに入射して透過する過程で、光透過部と光吸収部で規定される原パターンと干渉し、モアレ(干渉縞)が発生する。これが光学的に表示画像に重畳されてノイズとして視認される場合がある。
【0007】
特許文献1では、微細な凹凸構造を有するアンチグレア処理された表面を有する拡散フィルムを新たに設け、これにより光透過部を透過して表示パネルに向かう外部環境光を散乱させて反射パターンを乱し、モアレを低減するようにしている。
【0008】
しかし、このような拡散フィルムは、光学シートのコストアップを招き、結果として、光学シートを備える表示装置のコストアップを招く。
【0009】
本発明は、上記した課題に鑑みて成されたもので、その目的は、簡便な構成でモアレを抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では、光学シートに光吸収部とともに形成された複数の光透過部に、光拡散要素を形成したことを特徴とする。この複数の光透過部のそれぞれは、第1方向の断面形状が略台形状であり、該台形の上辺が前記表示面側を向き、かつ該台形の下辺が前記映像観察側を向いており、複数の光透過部のそれぞれは、前記第1方向の断面形状が略楔形状であってもよい。
【0011】
上記光拡散要素は、前記台形状の上辺に形成された凹レンズ、前記台形状の下辺に形成された凹レンズ、前記台形状の上辺に形成された凸レンズ、または前記台形状の上辺に形成された微細な凹凸パターンでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡便な構成でモアレを低減することが可能である。従って、本発明は、例えば、従来技術のようにモアレ低減のために拡散フィルムを使用する必要が無いので、コストアップを抑制しつつモアレを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、共通な機能を有する要素には同一は符号を付して示し、一度述べたものについては、その重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
まず、図1,図2と図3を用いて、本発明による第1の実施例について説明する。
【0015】
図1は、本実施例による光学シートを備えた表示装置の主要部の斜視図である。尚、本実施例に係る光学シートは主としてコントラストを向上するために設けられるので、以下では、かかる光学シートをコントラスト向上シートと称することとする。図2は、本実施例によるコントラスト向上シートを示す断面模式図である。図3は本実施例によるコントラスト向上シートの要部の拡大図である。
【0016】
本実施例によるコントラスト向上シートを備える表示装置としては、映像を表示する画素が2次元状に配置された表示パネル(所謂平面型表示パネル)を用いた表示装置、例えばPDP表示装置,LCD表示装置やFED(Field Emission Display)表示装置などが挙げられる。ここでは、便宜上、表示装置の一つとしてPDP表示装置を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0017】
図1では、PDPの構成を説明し易くするために、上部パネルと下部パネルとを分離した状態で示す。また、図2では、表示装置の画面縦方向に沿って切断したコントラスト向上シートの断面を示している。なお、以下では、画面の長手方向を横(左右,水平ともいう)方向といい、短手方向を縦(上下,垂直ともいう)方向というものとする。
【0018】
図1に示すように、表示装置(ここではPDP表示装置)は、映像光源としてのプラズマディスプレイパネル(PDP)200と、その画面の前面に配置されたコントラスト向上シート100と、表示部であるPDPを駆動する回路基板(図示せず)などを含んでなる。映像観察側に位置する観察者は、コントラスト向上シート100によって明室コントラストが高められたPDP200からの映像光を視聴する。なお、コントラスト向上シート100はPDP200の表示面に直接装着されてもよく、或いは、該表示面から所定の距離を隔てて配置されてもよい。以下では、コントラスト向上シート100は、PDP200の表示面から所定の距離を隔てて配置されているものとして説明する。
【0019】
まず、PDPの構成から説明する。PDP200は、対向して配置された上部パネル210と下部パネル220とを備える。
【0020】
最初に、上部パネル210の構成について述べる。上部パネル210では、表示面側の基板となる上部ガラス基板211上に、画面の横方向に延びたストライプ状の表示電極212が設けられている。表示電極212は、互いに相対して対をなす平行な電極群であるX表示電極(共通電極ともいう)212xとY表示電極(走査電極ともいう)212yとからなり、各表示電極は透明電極212aと抵抗値を低くする金属補助電極212bとからなる。なお、ここでは、図示の簡略化のために一対の表示電極212(212x,212y)のみを図示している。そして、表示電極212の上には誘電体層213が表示電極212を覆うように形成され、さらに、誘電体層213を覆うように薄いMgOの保護膜214が形成されている。
【0021】
次に、下部パネル220の構成について述べる。下部パネル220では、背面側の基板となる下部ガラス基板221上に、表示電極212に直交する画面縦方向に延びた平行なストライプ状のアドレス電極222が横方向に所定の間隔をおいて形成されている。アドレス電極222の上には、アドレス電極222を覆うように誘電体層223が形成され、さらに、誘電体層223上には、アドレス電極222と平行にアドレス電極222を挟むように、隔壁225が互いに所定の間隔をおいて形成されている。そして、隔壁225で区画された誘電体層223の上には、1画素をなす3つの隣接するアドレス電極222に対応して、赤(R),緑(G),青(B)色の蛍光体224が塗布されている。
【0022】
上記のように構成された上部パネル210と下部パネル220とは、表示電極212とアドレス電極222とが直交するように対向して配置され、図示しないフリットガラスなどで封着される。これによって、上部パネルの複数の表示電極と下部パネルの複数のアドレス電極とが直交する位置にそれぞれ複数の放電セル(放電空間)230が構成される。各放電セル230内には、ネオン(Ne),キセノン(Xe)などの混合ガスが放電ガスとして所定の圧力で充填されている。
【0023】
上記構成のPDP200に対し、駆動回路(図示せず)により先ずアドレス電極222とY表示電極212yに印加(これをアドレス駆動と称す)して壁電荷を形成し、次にX表示電極212xとY表示電極212yとに交互に逆極性の電圧(サスティン電圧)を印加(これを主放電駆動と称す)して放電を維持する。このような電極への印加による放電セル230での放電により紫外線が発生し、この紫外線が蛍光体224を励起して赤,緑,青色の可視光を発生させ、透明な表示電極側の上部ガラス基板211を通って光(映像光)が出射する。
【0024】
次に、図1と図2を用いて本実施例に係るコントラスト向上シート100について説明する。
【0025】
コントラスト向上シート100は、PDPからより漏洩される電磁波,赤外線を遮蔽し、PDPの発光色を補正(調整)するとともに、外部環境光を減衰させる機能を有する所謂光学フィルタ(図示せず)の一部をなすものである。すなわち、光学フィルタは、コントラスト向上シート100と、それ以外のシート(便宜上、「フィルタシート」という)とを含んでいる。ここでは、説明を容易とするため、コントラスト向上シート100のみを図示している。なお、コントラスト向上シート100は、光学フィルタと一体的に構成されてもよく、或いは分離して構成されていてもよい。
【0026】
コントラスト向上シート100は、外部環境光を減衰させて明室コントラストを向上させるもので、PDP200側から映像観察側にかけて順に、コントラスト向上層10、出射側ベース層4で構成されている。勿論、この上(映像観察側)に、図示しないフィルタシートが設けられている。なお、コントラスト向上に係る効果がえられれば、コントラスト向上シートは光学フィルタ内のどの位置に設けられても構わない。
【0027】
コントラスト向上層10は、光透過部1と光吸収部2とを含んでなり、画面横方向に伸びた光透過部1と光吸収部2とが、画面縦方向に交互に所定のピッチPで周期的に配列されている。
【0028】
コントラスト向上層10の光透過部1は、屈折率N1を有する透光性部材で構成され、入射した映像光を効率よく観察者側に導光する、画面縦方向において光吸収部2で区画された単位導光路体である。ここでは、複数の単位導光路体としての光透過部1が、PDP200の第1方向、例えば画面縦方向に(つまり、アドレス電極222に平行な方向に)所定間隔で周期的に配列されている。また、各光透過部1は、第1方向と直交する第2方向、例えば画面横方向に沿ってストライプ状に(つまり、表示電極212に平行に)延伸している。
【0029】
そして、PDPの画面縦方向に沿った光透過部1の断面形状は、映像光源のPDP200側に上辺を向けた略台形状である。すなわち、かかる台形の上辺はPDP200側を向いており、下辺は映像観察側を向いている。この略台形状の上辺(つまり、光吸収部2で区画された光透過部1のPDP側端部の開口部断面形状)は、図2から明らかなように、PDPに対して所定の曲率を有する凹レンズ形状とされている。すなわち、本実施例では、光透過部1の映像光の入射側に、PDP200側に凹を向けた凹レンズが形成されている。以下、略台形状の上辺の該凹レンズ形状部分を「凹レンズ形状部1a」と称するものとする。該凹レンズ形状部1aは、PDP200とコントラスト向上シート100間には図示しない空気(屈折率がほぼ1)が介在しているので、拡散レンズ作用を現すことになる。つまり、凹レンズ形状部1aは、拡散レンズ作用部として機能し、透過する光線を外側に屈折させ拡散させる。すなわち、凹レンズ形状部1aは、光拡散要素を構成するといえる。なお、凹レンズ形状部1aの拡散作用については、図3で後述する。
【0030】
光吸収部2は、入射した外部環境光を吸収して遮蔽する外光遮蔽層であり、光透過部1の屈折率N1より小さい屈折率N2の部材で構成され、カーボン等の顔料又は所定の染料にて所定濃度に着色されている。光吸収部2は、隣接する光透過部1の間の溝を埋めるように形成されおり、PDP200の画面縦方向に沿った断面形状が映像光源のPDP側に底辺をむけた略楔形状である。つまり、光透過部1と光吸収部2は、隣接し、PDP200の画面縦方向に所定のピッチPで交互に周期的に配列された構成となっている。すなわち、一つの単位導光路体である光透過部1は、隣接する光透過部と光吸収部2を介して区画されている。なお、以下では、画面縦方向に沿った断面を単に「断面」と称することとする。
【0031】
ところで、光透過部1と光吸収部2とがピッチPで周期的に配列されているため、この周期的パターン(原パターン)とPDPの画素配列パターンとの間で干渉が起る懸念がある。そこで、干渉を低減するために、光吸収部2を介して区画されている光透過部1が、PDPの1つの放電セルの範囲に、複数配置されている。一般的には、光透過部1は1つの放電セル当たり例えば5個以上が配置される。また、ピッチPは、特許文献1に記載されているように、通常、70〜110μmとしてもよい。
【0032】
出射側ベース層4は、コントラスト向上層10を支持する光支持体であり、また、コントラスト向上シート100が光学フィルタに一体的に構成される場合、結合層となるものである。出射側ベース層4は、光透過部1と同じ透光性部材で構成され、屈折率N1を有する。
【0033】
本実施例では、光透過部1の屈折率N1(N1>N2)と光吸収部2の屈折率N2とは、外部環境光を光吸収部2で吸収するように、かつ、PDPから入射した映像光を効率よく観察者側に光透過部1を通して導光できるように、例えば特許文献1と同様に所定の屈折率比の範囲(或は所定の屈折率差の範囲)に設定されている。すなわち、光透過部1と光吸収部2との境界で全反射が生じる臨界角が大きくなるように、屈折率N1とN2が所定の値に設定されている。
【0034】
室内照明(例えば蛍光灯)などの外部環境光(符号OLで図示)は、コントラスト向上シート100に対して斜め上方向から入射するので、いずれかの光吸収部2に入射する(光線OL19で図示)。このときの入射角(光吸収部2の斜面の法線とのなす角度)が小さいので、光吸収部2の内部にいり、吸収されることになる。
【0035】
一方、PDP200から出射した映像光の光線L1は、コントラスト向上層10の光透過部1に入射し、凹レンズ形状部1aで後述する拡散を受けて直進して、或は図示してないが光吸収部2との境界で反射されて出射する(詳細は後述)。
【0036】
以上述べたように、コントラスト向上シート100が構成されているので、画面横方向の視野角特性を良好に確保しながら、画面縦方向の視野角特性を所定特性として、外部環境光を吸収して明室コントラストを高めることが可能となる。
【0037】
ところで、外部環境光は、コントラスト向上シート100に対して斜め上方向から入射する光成分のみで構成されてはいない。例えば、天井に設置されている蛍光灯の明かりが室内の壁面で反射されてコントラスト向上シート100の法線に対してほぼ平行に入射する光成分(図2の光線OL1で示す)もある。このような外部環境光は光透過部1内に入り、光透過部1を直進して(或は図示してないが光吸収部2で全反射されながら)PDPに向かうことになる。PDP200(例えば蛍光体224)で反射された外部環境光(図示せず)は、コントラスト向上層10の縦方向周期的パターン(原パターン)に類似する反射パターンを有する。従って、PDP200で反射された外部環境光が再び光透過部1に入射すると、コントラスト向上層10の原パターンと干渉を起し、モアレが生じる。かかるモアレを低減するために、本実施例では、光透過部1のPDP側端部の開口部(略台形状の上辺)に光拡散要素としての凹レンズ形状部1aを備えている。
【0038】
上記したコントラスト向上シート100の形成方法の一例は、以下の通りである。まず、支持体としての出射側ベース層4の一面に光透過部1となる紫外線硬化樹脂で構成される基材を塗布する。次に、断面形状が略楔形状および凹レンズ形状と反対形状となる形状を表面に形成した略楔形状成形用ロール(図示せず)の間に、この塗布された出射側ベース層4を通過させる。これにより、出射側ベース層4上に略楔形状の溝(溝と溝の間の面形状は凹レンズ形状)が転写される。この溝に紫外線を照射して硬化させ、凹レンズ形状部1aを備える光透過部1とする。そして、この溝に例えばカーボンなどで所定濃度に着色された紫外線硬化樹脂を満たし、紫外線を照射することにより、略楔状の光吸収体2を形成できる。このように、本実施例では、光拡散要素(ここでは拡散レンズ作用部)としての凹レンズ形状部1aを光透過部形成時に一体的に造ることができ、安価なコストで、モアレを低減することができる。
【0039】
次に、図3を用いて、本実施例による凹レンズ形状部の拡散作用について説明する。図3は、図2の断面図からコントラスト向上層の要部構成を抜き出して拡大し、その拡大図に、本実施例による凹レンズ形状部の拡散作用を示す光線を示したものである。図3では、図示を分かり易くするため寸法を無視して模式的に表現してある。なお、図示を簡単とするため、出射側ベース層4の図示を省略している。
【0040】
先ず、PDP200からコントラスト向上シート100に入射した映像光の光線について説明し、その後、コントラスト向上シート100に入射した外部環境光の光線について説明する。なお、混乱を避けるために、映像光に関する光線を符号Lが付された数字で示し、外部環境光に関する光線を符号OLが付された数字で示すものとする。
【0041】
図3に示すように、本実施例では、隣接する2つの光吸収部2間の光透過部1は、縦方向断面において対称である。その対称軸(以下、「光軸」という)を符号101で示すものとする。
【0042】
PDP200から出射する光は、平行光ではなく、その光量分布(発光パターン)がほぼ一様なランベルト分布となっている。すなわち、図3に示すように、PDP200からは放射状に光が出射する。コントラスト向上シート100に入射した映像光の内、光透過部1の光軸101上の光線L10は、凹レンズ形状部1aで屈折されず、そのまま直進してコントラスト向上シート100から出射する。光軸101に傾斜するように入射した光線の内、光軸101に対する傾斜角度が小さい光線L11,L12は、光透過部1の凹レンズ形状部1aで発散する(広がる)ように屈折され、すなわち光軸101から離れるように拡散され出射する。光軸101に対する傾斜角度の大きい光線L13は、凹レンズ形状部1aで屈折され、光吸収部2との境界で全反射され、光軸101に平行或は光軸に傾斜して出射する。
【0043】
このように、コントラスト向上層10の光透過部1は、凹レンズ形状部1aで入射した映像光を屈折させて拡散させた後直進させ、或は光吸収部2との境界で反射させて、観察者側へ出射させるので、入射映像光を効率よく観察者側へ導光することができる。また、光透過部1からは、画面縦方向において、光軸101に対して様々な出射角度を有する光線が出射するので、画面縦方向の視野角特性を所定とすることも可能である。
【0044】
次に、凹レンズ形状部1aによる外部環境光の拡散について述べる。
【0045】
コントラスト向上シート100に対して斜め上方向から入射する室内照明(例えば蛍光灯)などの外部環境光の光線OL19は、光吸収部2に対して小さな入射角(光吸収部2の斜面の法線とのなす角度)で入射する。光吸収部2の屈折率N2は、光透過部1の屈折率N1より小さく、かつ、その屈折率差N1−N2が小さい値となるように、或は屈折率比N2/N1が1に近い値となるように、設定されている。すなわち、光透過部1と光吸収部2との境界で全反射が生じる臨界角が大きくなるように、屈折率N1とN2が所定の値に設定されている。従って、外部環境光の光線OL19は全反射されず、光吸収部2の内部にいり、吸収される。映像光は効率よく透過し外部環境光を吸収することにより、明室コントラストを向上させることができる。
【0046】
しかし、室内照明が例えば室内の壁面などで反射された外部環境光の内には、コントラスト向上シート100に対してほぼ垂直に入射する、つまり光軸101にほぼ平行或は小さな傾斜角度で入射する光線がある。このような外部環境光がコントラスト向上層10に入射すると、光軸101上の光線OL10を除き、光軸101にほぼ平行な光軸外の光線OL11,12,13は凹レンズ形状部1aで光軸101から遠ざかるように(発散するように)屈折を受け、拡散される。光軸101に対する傾斜角度の小さい外部環境光の光線OL14,15も同様に凹レンズ形状部1aで拡散される。
【0047】
このように、コントラスト向上層10の光軸にほぼ平行に或は小さな傾斜角度で入射した外部環境光は、光吸収部1の端部に設けられた凹レンズ形状部1aで拡散される。コントラスト向上シート100を透過した外部環境光は、PDP200で反射される。そして、凹レンズ形状部1aで拡散されなければ、この反射により、コントラスト向上層10の光透過部1と光吸収部2の周期的配列パターン(原パターン)の2次光源像(図示せず)が形成される。この2次光源像は、原パターンに類似した同サイズの反射パターンを有しており、再び、コントラスト向上シート100を透過する際、原パターンと干渉を引き起こして干渉縞(モアレ)を生じさせる。
【0048】
しかし、本実施例では、光拡散要素としての凹レンズ形状部1aで外部環境光が拡散される。この拡散により、PDPの反射面(例えば蛍光体)に形成される前記原パターンの2次光源像は、原パターンに対して大きく拡大され、隣のパターンと重なり2次光源像はほぼ平坦な面となる。このため、再び、反射光がコントラスト向上層10を通過しても、反射パターンと原パターとの干渉が起こり難くなり、モアレが大きく低減され、視覚上皆無とすることも可能となる。
【0049】
以上述べたように、本実施例によれば、従来技術のようにモアレ低減専用の拡散フィルムを設ける必要が無く、大きなコストアップを招くことなく、光透過部1に一体的に形成された光拡散要素(本実施例では拡散レンズ作用部)としての凹レンズ形状部1aにより、モアレを低減することができる。
【0050】
勿論、コントラスト向上層10のPDP200側の表面に保護を目的とするなどの理由で入射側ベース層を追加する場合は、コントラスト向上層と接する部材の屈折率を光透過部1の屈折率N1より小さな所定の値に設定する必要がある。
【0051】
なお、上記では、光吸収部の断面形状をほぼ三角形の楔形としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、特開2005−338270号公報の図8(c)に示されているように、断面傾斜が異なる2つの楔形部或は複数の楔形部からなる光吸収部としてもよく、また、同公報の図8(b)に示されているように、断面傾斜を滑らかな曲線とした光吸収部を用いてもよい。勿論、特開2004−12918号公報の図16に記載されているコントラスト向上シート(本特許文献ではルーバーシートという)のように、光吸収部の断面形状は、楔形の斜面を平行とした形状の四角形状であってもよいことはいうまでもない。この場合、光透過部の断面形状は略台形状ではなく、四角形状となる。
【0052】
また、上記では、コントラスト向上シートをPDPから所定距離隔てて配置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。コントラスト向上シートのPDP側にPDPに接合するための粘着層を設け、該粘着層を介してPDPに貼着するようにしてもよい。この場合、光透過部1のPDP側端部(開口部)の凹レンズ形状部1aに光拡散要素としての拡散レンズ作用を持たせるために、粘着層の屈折率を光透過部1の屈折率N1より小さな所定の値に設定することはいうまでもない事である。
【0053】
また、上記では、光拡散要素として拡散レンズ作用部を光透過部1のPDP側端部開口部に設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、コントラスト向上層10′の光透過部1′の映像観察側の開口部、すなわち光透過部1′の映像光の出射側に映像観察側に凹を向けた凹レンズ形状部1bを設けるようにしてもよい。但し、凹レンズ形状部1bに拡散手段としての拡散レンズ作用を持たせるため、出射側ベース層4′の屈折率N4は、光透過部1′の屈折率N1に対して小さな所定の値に設定される。
【0054】
なお、光透過部1′とこれに界面を有する出射側ベース層4′との間の境界面形状によって、拡散レンズ作用を持たせるには、上記とは異なる別の方法もある。例えば、境界面形状を観察者側に対して凸レンズ形状とし、出射側ベース層4′の屈折率N4を光透過部1′の屈折率N1より大きな所定の値としても、拡散レンズ作用を実現することができる。
【0055】
ところで、本実施例では、本発明を適用するコントラスト向上シートの一例として、断面形状が略台形状である単位導光路体としての光透過部の上辺が表示パネル(上記ではPDP)側に向いた例えば特許文献1に記載のコントラスト向上シートを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、断面形状が略台形状である光透過部の上辺が映像観察側に向いた例えば特開2003−50307号公報に記載のコントラスト向上シートにも適用可能である。この場合でも、単位導光路体としての光透過部の映像光源側端部の開口部断面形状を例えば凹レンズ形状とし、拡散レンズ作用部として機能させることにより、コントラスト向上シートを透過する外部環境光を拡散させて、モアレを低減することができる。この実施例は、例えば、図4において、映像観察側を映像光源側とし、映像光源側を映像観察側とした場合に該当する。
【実施例2】
【0056】
実施例1では、光透過部1のPDP側端部の断面形状をPDPに対して凹レンズ形状とし、空気層との界面で拡散レンズ作用を持たせ、光拡散要素(拡散レンズ作用部)として機能させるようにした。
【0057】
これに対し実施例2は、光拡散要素として、光透過部1のPDP側端部の断面形状を、PDPに対して凸を向けた凸レンズ形状としたものである。そして、この凸レンズによって、空気層との界面において集光レンズ作用を持たせることで光を拡散させるように構成したものである。
【0058】
図5は、本実施例によるコントラスト向上シートを示す断面模式図である。図6は、本実施例によるコントラスト向上シートの要部の拡大図である。
【0059】
図5に示すように、本実施例によるコントラスト向上シート100Aは、実施例1と同様に、PDP200側から順に、コントラスト向上層10A、出射側ベース層4で構成されている。
【0060】
コントラスト向上層10Aは、実施例1と同様、屈折率N1を有する透光性部材からなる光透過部1Aと、入射した外部環境光を吸収して遮蔽する光吸収部2とを含んでなり、画面横方向に伸びた光透過部1Aと光吸収部2とが、画面縦方向に交互に所定のピッチPで周期的に配列されている。実施例1と異なるのは、コントラスト向上層10において、PDP側端部の断面形状、すなわち光透過部1Aの映像光の入射側形状を凹レンズ形状に代えて凸レンズ形状にしたものである。従って、光透過部1AのPDP側端部の開口部には、凸レンズ形状部1Aaが形成されている。該凸レンズ形状部1Aaは、図示しない空気層に面しているため、集光レンズ作用部として機能する。
【0061】
次に、図6を用いて、本実施例による凸レンズ形状部1Aaの拡散作用について説明する。図6は、図5の断面図からコントラスト向上層の要部構成を抜き出して拡大し、その拡大図に、本実施例による凸レンズ形状部の拡散作用を示す光線を示したものである。図6では、図示を分かり易くするため実際の寸法を無視して模式的に表現してある。なお、図示を簡単とするため、出射側ベース層4の図示を省略している。
【0062】
先ず、PDP200からコントラスト向上シート100Aに入射した映像光の光線について説明し、その後、コントラスト向上シート100Aに入射した外部環境光の光線について説明する。
【0063】
図6に示すように、PDP200からコントラスト向上シート100Aに入射した映像光の内、光透過部1Aの光軸101上の光線L10Aは、凸レンズ形状部1Aaで屈折されず、そのまま直進してコントラスト向上シート100Aから出射する。光軸101に傾斜するように入射した光線L11A,L12A,L13Aは、光透過部1Aの凸レンズ形状部1Aaで屈折され、光軸101に対する傾斜角度が小さくなるように集光を受けて出射する。このように、コントラスト向上層10の光透過部1Aは、入射した映像光を幾分集光して映像観察側に出射させ、効率よく導光することができる。なお、本実施例では、実施例1に比べ集光されるので、画面縦方向の視野角特性が幾分低下する。しかしながら、画面縦方向の視野角特性は、画面横方向の視野角特性に比べ、使用上必要とされる値が小さいため、十分実用可能である。
【0064】
次に、コントラスト向上シート100Aに対してほぼ垂直に入射(すなわち、コントラスト向上層10の光軸にほぼ平行に或は小さな傾斜角度で入射)する外部環境光に対する凸レンズ形状部1Aaによる拡散について述べる。
【0065】
PDP200と光透過部1Aとの間には図示しない空気層がある。従って、凸レンズ形状部1Aaは、光透過部1Aを透過してきた外部環境光OLに対して凸レンズとして作用し、集光させる。このとき、光透過部1Aの屈折率N1と、凸レンズ形状(例えば曲率)を所定の値とすることにより、凸レンズ形状部1Aaの近傍で集光(集光点をFとする)させれば、PDP200には広がった(拡散された)外部環境光が入射することになる。そして、例えば、凸レンズ形状部1Aaと集光点Fとの間の距離Q1と、集光点FからPDP200での反射面までの距離Q2との比を例えば1:2以上とすることにより、モアレを低減することができる。このように、本実施例に係る凸レンズ形状部1Aaは、映像観察側から入射された外部環境光をPDP200の表示面と凸レンズ形状部1Aaとの間に集光するように構成される。
【0066】
上記のように構成された凸レンズ形状部1Aaに、光軸101にほぼ平行な外部環境光が至ると、光軸101上の光線OL10Aを除き、光軸外の光線OL11,12,13は凸レンズ形状部1Aaによりその近傍に集光され、その後拡散されてPDPに入射する。光軸101に対して傾斜した図示しない外部環境光も同様に集光され、拡散される。
【0067】
このように、コントラスト向上層10の光軸にほぼ平行に或は小さな傾斜角度で入射した外部環境光は、光吸収部1Aの端部に設けられた凸レンズ形状部1Aaで集光され、その後拡散される。コントラスト向上シート100Aを透過した外部環境光は、PDP200で反射される。このとき、反射面には、光透過部1Aと光吸収部2との繰り返し配列パターン(原パターン)が拡大された2次光源像(図示せず)が形成される。この2次光源像は、原パターンに比べて大きく拡大されており、再び、反射光がコントラスト向上層10Aを通過しても、原パターンと干渉が起こり難く、モアレが大きく低減され、視覚上皆無とすることも可能となる。
【0068】
なお、上記では、コントラスト向上シートをPDPから所定距離隔てて配置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。コントラスト向上シートのPDP側にPDPに接合するための粘着層を設け、該粘着層を介してPDPに貼着してもよい。この場合、光透過部1AのPDP側端部の凸レンズ形状部1Aaに集光レンズ作用を持たせるために、粘着層の屈折率を光透過部1Aの屈折率N1より小さな所定の値に設定することはいうまでもない事である。
【0069】
ところで、上記粘着層の屈折率を光透過部1Aの屈折率N1より大きくすれば、光透過部1AのPDP側端部の凸レンズ形状部1Aaは、凹レンズの作用を示すことになる。すなわち、実施例2において、粘着層の屈折率を光透過部1Aの屈折率N1より大きくすれば、凸レンズ形状部1Aaは、実施例1における拡散レンズ作用部として機能することになる。
【0070】
逆に、実施例1において、コントラスト向上シートをPDPに接合するための粘着層の屈折率を光透過部1の屈折率N1より大きくすれば、実施例1の凹レンズ形状部1aは、実施例2における集光レンズ作用部として機能するともいえる。
【実施例3】
【0071】
光拡散要素として、光透光部のPDP側端部に設けられた実施例1による凹レンズ形状部,実施例2による凸レンズ形状部に代えて、光散乱パターンである散乱部1Baを形成した実施例3について、図7を用いて説明する。
【0072】
図7は、本実施例によるコントラスト向上シートの要部の拡大図である。なお、同図において、図示を簡単とするために、出射側ベース層4は省略されている。
【0073】
図7から明らかなように、本実施例によるコントラスト向上シート100Bは、実施例1,2と同様に、PDP200側から順に、コントラスト向上層10B、出射側ベース層4で構成されている。そして、コントラスト向上層10Bは、屈折率N1を有する透光性部材からなる光透過部1Bと、入射した外部環境光を吸収して遮蔽する光吸収部2とを含んでいる。実施例1,2とは、光透過部のPDP側端部の開口部に、凹レンズ形状部,凸レンズ形状部に代えて、散乱部1Baを設けた点で異なっている。
【0074】
散乱部1Baは、光透過部1BのPDP側端部の開口部に、光透過部1Bを透過してきた外部環境光を散乱させるために、例えば微細な凹凸が不規則なパターンに形成(つまり、ランダムに配列)されたものである。この散乱部1Baは、例えば、楔形状成形用ロールを用いて形成される。この楔形状成形用ロールは、コントラスト向上シート100Bに楔形の光吸収部2形成するための、この楔形と対応する断面形状を持ち、かつ楔形状間の平坦部に微細な凹凸形状がその表面に形成されている。これにより、上記散乱部1Baを、略台形状の光透過部が形成される際に一体的に形成することができる。
【0075】
なお、本実施例による散乱部は、微細な凹凸が不規則なパターンに形成されたものに限定されるものではない。例えば、微細な四角錐や円錐などが特定パターンに従って配列されたものであってもよい。つまり、透過する光を散乱させる形状であればよい。
【0076】
PDP200から映像光の光線L1Bが光透過部1Bに入射すると、図7から明らかなように、微細な凹凸を有する散乱部1Baで散乱され、光軸101に対して様々な傾斜角度を有する光線とされて、コントラスト向上シート100Bから観察者側へ出射する。従って、映像光は、画面縦方向で良好な視野角特性を有することができる。
【0077】
一方、映像光が散乱されると、画像がボケる懸念がある。しかし、実施例1で述べたように、PDPの1つの放電セルの範囲に、光吸収部2によって区画されている光透過部1が複数配置されている。そのため、散乱された映像光が隣接する放電セルに対応した範囲に漏れ込む量が少なく、実用上問題ないレベルとすることができる。また、PDP200とコントラスト向上シート100Bの間の距離を所定とすることにより、映像光の散乱を適度に抑制することができ、画像のボケを抑えることができる。
【0078】
また散乱部1Baの形状を好適に設計すれば、画像のボケを抑えることが出来るのは言うまでもない。
【0079】
次に、コントラスト向上シート100Bに対してほぼ垂直に入射(すなわち、コントラスト向上層10Bの光軸にほぼ平行に或は小さな傾斜角度で入射)する外部環境OLに対する散乱部1Baによる拡散について述べる。
【0080】
光軸101にほぼ平行な外部環境光OL1Bが散乱部1Baに至ると、図7に示すように、外部環境光OL1Bは散乱部1Baにより散乱される。この散乱光は、PDPの反射面で反射され、光透過部1Bと光吸収部2との繰り返し配列パターン(原パターン)の2次光源像を形成する。しかし、既に散乱部1Baにより散乱されているため、この2次光源像がボケる。これにより、再び、反射光がコントラスト向上層10Bを通過しても、原パターンと干渉が起こり難く、モアレが大きく低減され、視覚上皆無とすることも可能となる。
【0081】
以上述べたように、本実施例においても、光透過部の端部の開口部に形成された散乱部により、モアレを低減することができる。散乱部は、光透過部の端部の開口部に一体的に形成することが可能であり、従来技術のようにモアレ低減専用の散乱フィルムを用いないので、大きなコストアップを招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1によるコントラスト向上シートを備えた表示装置の主要部の斜視図。
【図2】実施例1によるコントラスト向上シートを示す断面模式図。
【図3】実施例1によるコントラスト向上シートの要部の拡大図。
【図4】実施例1の別の実施例によるコントラスト向上シートを示す断面模式図。
【図5】実施例2によるコントラスト向上シートを示す断面模式図。
【図6】実施例2によるコントラスト向上シートの要部の拡大図。
【図7】実施例3によるコントラスト向上シートの要部の拡大図。
【符号の説明】
【0083】
1…光透過部、1a,1b…凹レンズ形状部、1Aa…凸レンズ形状部、1Ba…散乱部、2…光吸収部、4…出射側ベース層、10…コントラスト向上層、100…コントラスト向上シート、101…光軸、200…PDP、210…上部パネル、211…上部ガラス基板、212…表示電極、213…誘電体層、214…保護膜、220…下部パネル、222…アドレス電極、223…誘電体層、224…蛍光体、225…隔壁、230…放電セル、L…映像光の光線、OL…外部環境光、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示面上に配置される光学シートにおいて、
第1方向に所定間隔で配列された、前記表示装置からの映像光を映像観察側に導光する複数の光透過部と、前記複数の光透過部の相互間に配置された複数の光吸収部と、を備え、
前記光透過部に、光拡散要素を形成したことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記光拡散要素は、前記光透過部の前記映像光の入射側に設けられた、前記表示面側に凹を向けた凹レンズであることを特徴とする光学シート。
【請求項3】
請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記光拡散要素は、前記光透過部の前記映像光の出射側に設けられた、前記映像観察側に凹を向けた凹レンズであることを特徴とする光学シート。
【請求項4】
請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記光拡散要素は、前記光透過部の前記映像光の出射側に設けられた、前記映像観察側に凸を向けた凸レンズであることを特徴とする光学シート。
【請求項5】
請求項4に記載の光学シートにおいて、
前記凸レンズは、前記映像観察側から入射された外光を前記表示面と前記凸レンズとの間に集光するように構成されることを特徴とする光学シート。
【請求項6】
請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記光拡散要素は、前記光透過部の前記映像光の入射側に設けられた、光散乱パターンであることを特徴とする光学シート。
【請求項7】
請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記複数の光透過部のそれぞれは、前記第1方向の断面形状が略台形状であり、該台形の上辺が前記表示面側を向き、かつ該台形の下辺が前記映像観察側を向いており、
前記複数の光透過部のそれぞれは、前記第1方向の断面形状が略楔形状であり、
前記映像光の入射側において、前記光透過部の前記台形の上辺と、前記光吸収部の略楔形状の底辺が、前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに隣接していることを特徴とする光学シート。
【請求項8】
請求項7に記載の光学シートにおいて、
前記光透過部における前記台形状の上辺の形状が凹レンズ形状とされ、該凹レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする光学シート。
【請求項9】
請求項7に記載の光学シートにおいて、
前記光透過部における前記台形状の下辺の形状が凹レンズ形状とされ、該凹レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする光学シート。
【請求項10】
請求項7に記載の光学シートにおいて、
前記光透過部における前記台形状の上辺の形状が凸レンズ形状とされ、該凸レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする光学シート。
【請求項11】
請求項7に記載の光学シートにおいて、
前記光透過部の前記台形状の上辺に散乱パターンが形成され、該散乱部により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする光学シート。
【請求項12】
請求項11に記載の光学シートにおいて、
前記散乱パターンは、微細な凹凸形状のパターンであることを特徴と光学シート。
【請求項13】
請求項7に記載の光学シートにおいて、
前記光透過部及び前記光吸収部は、前記第2方向に伸びて形成されることを特徴とする光学シート。
【請求項14】
請求項13に記載の光学シートにおいて、
前記第1方向が前記表示面の垂直方向であり、前記第2方向が前記表示面の水平方向であることを特徴とする光学シート。
【請求項15】
表示装置において、
表示パネルと、該表示パネルの表示面上に配置される光学シートとを備え、
前記光学シートは、第1方向に所定間隔で配列された、前記表示装置からの映像光を映像観察側に導光する複数の光透過部と、前記複数の光透過部の相互間に配置された複数の光吸収部とを含み、
前記光透過部に、光拡散要素を形成したことを特徴とする光学シート。
【請求項16】
請求項14に記載の表示装置において、
前記複数の光透過部のそれぞれは、前記第1方向の断面形状が略台形状であり、該台形の上辺が前記表示面側を向き、かつ該台形の下辺が前記映像観察側を向いており、
前記複数の光透過部のそれぞれは、前記第1方向の断面形状が略楔形状であり、
前記映像光の入射側において、前記光透過部の前記台形の上辺と、前記光吸収部の略楔形状の底辺が、前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに隣接していることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
請求項16に記載の表示装置において、
前記光透過部における前記台形状の上辺の形状が凹レンズ形状とされ、該凹レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項18】
請求項16に記載の表示装置において、
前記光透過部における前記台形状の下辺の形状が凹レンズ形状とされ、該凹レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
請求項16に記載の表示装置において、
前記光透過部における前記台形状の上辺の形状が凸レンズ形状とされ、該凸レンズ形状により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項20】
請求項16に記載の表示装置において、
前記光透過部の前記台形状の上辺に散乱パターンが形成され、該散乱部により前記光拡散要素が構成されていることを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−299225(P2008−299225A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147616(P2007−147616)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】