光学手段駆動装置
【課題】 トラッキング方向に容易に駆動できる光学手段駆動装置を提供する。
【解決手段】 ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、光学手段を保持するホルダと、ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、光学手段を駆動するためのフォーカシングコイル、トラッキングコイル、チルトコイルと、ホルダを三方向に移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対とを備え、トラッキングコイルの一部が、ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、ディスク状記録媒体から最も遠い一対の線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となることとした。
【解決手段】 ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、光学手段を保持するホルダと、ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、光学手段を駆動するためのフォーカシングコイル、トラッキングコイル、チルトコイルと、ホルダを三方向に移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対とを備え、トラッキングコイルの一部が、ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、ディスク状記録媒体から最も遠い一対の線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となることとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク状記録媒体の記録面にビームスポットを形成し、情報の記録または再生を行う情報記録再生装置に関し、特に、上記ビームスポットを正確な位置に形成するための光学手段駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)といったディスク状記録媒体にビームスポットを形成するための集光レンズを駆動する光学手段駆動装置は、集光レンズをディスク面に対して垂直な方向(フォーカシング方向)、およびディスクの半径方向(トラッキング方向)に駆動することにより、ビームスポットがピット列上に正確に形成されるよう制御を行なっている。さらに、ディスク回転による面ぶれやディスクの撓みにより、ディスク面に対する集光レンズの光軸傾き(以下、チルト)が発生した場合、光学手段駆動装置は、ディスクの接線方向を軸として集光レンズを回動するチルト制御を行なっている。
【0003】
このように、集光レンズをフォーカシング方向、トラッキング方向、およびチルト方向に駆動する光学手段駆動装置の一例は、以下に示す特許文献1に記載されている。図10に、特許文献1に記載された光学手段駆動装置の斜視図を示す。対物レンズ101は、レンズホルダ102に固定されている。また、レンズホルダ102の側面には、6枚の短冊状金属板ばね103a〜103c,103d〜103fが設けられ、別の側面にはプリントコイル104a,104bが固定されている。一方、基台105は、レンズホルダ102を支持するためのサスペンションホルダ106及びレンズホルダ102を制御するための永久磁石107a〜107dを備えている。そして、レンズホルダ102は、短冊状金属板ばね103a〜103c,103d〜103fとサスペンションホルダ106とをサスペンションワイヤ(線状弾性体)108a〜108c,108d〜108fで繋ぐことにより基台105に支持されている。この際、プリントコイル104aは、永久磁石107aと永久磁石107bとの間に、プリントコイル104bは、永久磁石107cと永久磁石107dとの間に配置されている。
【0004】
プリントコイル104a,104bに内蔵されたフォーカシングコイル(図示せず)に同一方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102は光軸方向Fo(以下、フォーカシング方向ともいう)に制御される。また、プリントコイル104a,104bに内蔵されたトラッキングコイル(図示せず)に同一方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102は光学式記録媒体の半径方向であるトラッキング方向Tkに制御される。さらに、フォーカシングコイル(図示せず)に逆方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102はトラッキング方向Tkを軸とする回転モーメントを受け、チルト方向Tiに制御される。図11にレンズホルダがチルト方向Tiに制御されるようすを表す断面図を示す。フォーカシングコイル(図示せず)に逆方向の電磁力が生じると、短冊状金属板ばね103aと短冊状金属板103cとの捻り角及び撓み量は、互いに大きさが同じで方向が逆となる。その結果、短冊状金属板ばね103bの中心がチルト方向Tiの回転中心Oとなり、レンズホルダ102は、θだけ回転してチルト方向に駆動される。上記の制御により、フォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3方向への駆動ができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−297460
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10に示す光学手段駆動装置においては、サスペンションワイヤ108a〜108fのレンズホルダ102側の接点として、6枚の短冊状金属板ばね103a〜103fを用いているため、部品コストが高くなるとともに、組立工数が多くなる問題があった。また、レンズホルダ102の支持機構として6枚の短冊状金属板ばね6a〜6fを用いているため、製品にばらつきが生じ、よってチルト動作にばらつきが生じるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、フォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3方向駆動を安定して行うとともに、製造が容易な光学手段駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光学手段駆動装置は、
ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、
前記光学手段を保持するホルダと、
前記ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、
前記光学手段を前記レーザー光の光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、 前記光学手段を前記ディスク状記録媒体の半径方向に駆動するためのトラッキングコイルと、
前記光学手段を前記光軸方向に直交する軸を中心軸として当該中心軸周りに回動するためのチルトコイルと、
前記ホルダを前記光軸方向、前記半径方向、および前記中心軸周りに移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対と
を備え、
前記各線状弾性体は、一端が前記ホルダに固定され、他端が固定部材に固定されるとともに、
対を成す前記各線状弾性体は、前記光軸方向において互いに略同一となる位置に配置され、
前記トラッキングコイルの一部が、前記ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、前記ディスク状記録媒体から最も遠い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となること
としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る光学手段駆動装置は、上記のような構成としたので、トラッキング方向の力をホルダに効率的に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1はこの発明の一実施形態に係る光学手段駆動装置の斜視図、図2は図1に示す光学手段駆動装置の固定部15、および可動部14の構成を示す分解斜視図である。また、図3は、図1および2に示す光学手段駆動装置の(a)上面部および(b)側面部を示す図である。
図2に示すように、固定部15は、ヨーク7、永久磁石6a,6b、および回路基板8から構成される。永久磁石6a,6bは単極に着磁されており、ヨーク7に固定されている。ヨーク7には、凸部7a,7b、およびレーザー光が通過する貫通孔7hが形成されている。
【0011】
一方、可動部14は、集光レンズ1、ホルダ2、フォーカシング制御コイル3、トラッキング制御コイル4a,4b,4c,4d、およびチルト制御用コイル5a,5bから構成される。集光レンズ1は、ホルダ2の上部に固定されており、貫通孔7hを通過したレーザー光をディスク状記録媒体に集光する。ホルダ2には、フォーカシング制御用コイル3、トラッキング制御用コイル4a〜4d、チルト制御用コイル5a,5bがそれぞれ一体的に設けられている。フォーカシング制御用コイル3は、ホルダ2の周囲に巻回されており、チルト制御用コイル5a,5bは、ホルダ2の下部に設けられた1対の角柱部20a,20bにより保持されている。フォーカシング制御用コイル3、およびチルト制御用コイル5a,5bは、各コイルの中心軸が集光レンズ1の光軸と同方向となるよう配置されている。一方、トラッキング制御用コイル4a,4bはホルダ2の側面部に配置されている。図2に示すように、ホルダ2の側面部には、トラッキング制御用コイル4a,4bを適切な位置に配置するための位置決め部材12a,12bが設けられている。同様に、トラッキング制御用コイル4c,4dは、位置決め部材12c,12d(図示しない)によりホルダ2の反対側の側面に位置決めされる。ホルダ2には、ヨーク7に形成された凸部7a,7bが挿通する挿通孔2a,2bが設けられている。
【0012】
ホルダ2の他の側面には、一対の支持体2c,2dが設けられている。各支持体2c,2dには導電性を有する線状弾性体9a〜9cおよび9d〜9fの一端が接続される固定子29a〜29c,29d〜29fが設けられている。線状弾性体9a〜9fは、固定子29a〜29fにより支持体2c,2dに固定されるとともに、3つの各制御コイルの始端および終端に電気的に接続されている。また、線状弾性体9a〜9fの他端は、ヨーク7の側面部に円弧状に設けられた固定子(図示しない)を介して、回路基板8に電気的に接続されている。こうして線状弾性体9a〜9fは、可動部14をフォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3つの各制御方向に移動可能に支持するとともに、各制御コイルに制御電流を供給する。
【0013】
図4に示すように、支持体2c,2dの各固定子29a〜29c,29d〜29f(および対応するヨーク7の各固定子)は、破線により示す円弧上に配置されている。つまり線状弾性体9a〜9c,9d〜9fは、各々異なる中心を有する円筒面上に配置されてホルダ2を支持している。ここで、各々の円筒面は同一の中心を有しても構わない。
【0014】
以下、図1〜4に示す光学手段駆動装置の動作について説明する。集光レンズ1により、ディスク状記録媒体に形成された集光スポットのフォーカシングずれや所望のトラックに対する集光スポットのトラックずれは非点収差法や位相差法などの公知の方法で検知される。その際、フォーカシングずれ量、およびトラッキングずれ量に応じた信号をフォーカシング用コイル3、およびトラッキング用コイル4a,4bに供給することで、永久磁石6a,6bにより形成される磁界との相互作用により各コイルにフォーカシング方向Fo、およびトラッキング方向Tkの力が発生する。これにより、フォーカシングずれ量、およびトラッキングずれ量に応じて集光レンズを移動するフォーカシング制御、およびトラッキング制御が行われる。
【0015】
同時に、ディスク状記録媒体の撓みや回転による面ぶれによりレーザー光のディスク面に対する光軸の傾き(チルト)が生じると、このチルト量を公知の方法で検知し、チルトずれ量に応じた信号をチルト制御用コイル5a,5bに供給する。このとき、チルト制御用コイル5aを+Fo方向(又は−Fo方向)、チルト制御用コイル5bを反対の−Fo方向(+Fo方向)に駆動する電流を供給することにより、ホルダ2は、フォーカシング方向Foおよびトラッキング方向Tkについて直交する軸(線状弾性体9a〜9fの長手方向に平行な軸)を中心とし、図中Tiにより示すチルト方向に回転させる。このとき、線状弾性体9a〜9c,9d〜9fは各々が円筒面上に配置されているので、略同一の長さを保ちながらチルト方向Tiに捻じれる。これにより、ホルダ2をチルト方向Tiに回転する際、中央に配置された線状弾性体9b,9eに生じる長手方向の屈曲力を低減することができる。つまり、ホルダ2をチルト方向Tiに安定して傾けることが可能となる。つまり、チルト制御時の線状弾性体9a〜9fの変形を曲げ変形のみに限定できるので、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト動作を含めた3方向の制御を安定して行なうことができる。
【0016】
図3(b)および図4から分かるように、本実施の形態による光学手段駆動装置においては、トラッキング制御コイル4a〜4dの高さ方向の幅を線状弾性体9aおよび9c、9dおよび9fの間隔よりも小さくし、ホルダ2の外側に位置する各制御コイルの辺を外側に突出させる構成となっている。これは、トラッキング制御用コイル4a,4bにおいてトラッキング方向Tkの力が作用するのは図4中Aにより示す部分であり、トラッキング制御を効率的に行なうためには、トラッキング制御コイル4a,4bのAにより示す部分に作用する力と反対方向の力が作用するA’の部分を永久磁石6a,6bから遠ざけることが望ましいからである。つまり、トラッキング制御コイル4a,4bの幅を永久磁石6a,6bの幅に対して広げることによりトラッキング方向の力をホルダ2に効率的に伝えることができる。
【0017】
本実施の形態においては図4に示すように、中央の線状弾性体9b,9eを他の線状弾性体9a,9c,9d,9eによりも外側に配するとともに、トラッキング制御コイル4a,4bの高さ方向の幅を線状弾性体9aおよび9c、9dおよび9fの間隔よりも小さくすることで、永久磁石6a,6bに対してトラッキング制御コイル4a,4bの幅を広げている。これにより、トラッキング制御時、A’の部分に作用する反力を減少させ、ホルダ2に効率的にトラッキング方向の駆動力を伝えることができる。
【0018】
図5は、本実施の形態に係る光学手段駆動装置の変形例を示す図である。また、図6は、図5に示す光学手段駆動装置の(a)上面部および(b)側面部を示す図である。図5および6に示す光学手段駆動装置は、ヨーク7に設けた単一の永久磁石6によりホルダ2を駆動するものである。
【0019】
このように単一の永久磁石6を用いてホルダ2を駆動する場合、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点(力点)と、作用点である集光レンズ1とを一致させることができない。フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点は、フォーカシング制御用コイル3、トラッキング制御用コイル4a,4b、チルト制御用コイル5a,5bの永久磁石6との対向部である。各制御を行う際、駆動点と作用点との距離が離れると、作用点に駆動力が間接的に伝わることとなり、制御が不安定となる。こうした問題は、支点の位置、つまり支持体2c,2dの位置を調整することにより解決することができる。すなわち、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点と作用点となる集光レンズ1との間の適切な位置に支持体2c,2dを設ければよい。さらに、ホルダ2に不要な振動が発生しないよう、ホルダ2の重心位置が適切な位置となるようカウンターウェイトを設けてもよい。このように単一の永久磁石6を用いることで、コストを抑えることができる。
【0020】
図7は、可動部14の他の構成を示す図である。図7に示す可動部14において、トラッキングコイル4cは単一のコイルから構成されている。このように、トラッキングコイルを1個にすることでコストを抑えることができる。
【0021】
図8は、光学手段駆動装置の他の変形例を示す斜視図である。図8に示す光学手段駆動装置の永久磁石6cは、図1および5に示す光学手段駆動装置の永久磁石6a,6よりも幅広に構成されている。これに対応して図9に示すように、トラッキング制御コイル4f,4gのA’により示す部分は永久磁石6aからとの距離を確保するため、線状弾性体9b,9eの外側に配されている。このように永久磁石6cの幅を大きくすることにより、フォーカシングコイル3、およびチルトコイル5a,5bに作用する磁束の量が増加するので、フォーカシング制御、およびチルト制御における十分な駆動力を確保することができる。また、トラッキングコイル4f,4gについては、トラッキング制御時、反力が働くA’の部分を線状弾性体9b,9eの外側に配することにより、トラッキング方向Tkの駆動力を効率よくホルダに伝え、安定したトラッキング制御を行なうことができる。
【0022】
以上において述べた本発明に係る光学手段駆動装置によれば、ホルダ2を支持する線状弾性体9a〜9c,9d〜9fをそれぞれ略円弧状に支持体2c,2dに接続したことにより、中央に配置される線状弾性体9b,9eの長手方向に生じる屈曲力を低減し、安定したチルト制御を行なうことができる。
また、線状弾性体9a〜9c,9d〜9fを各々円弧状に配したことにより、図トラッキングコイル4a〜6dの幅を永久磁石6a,6bに対して広げ、トラッキング方向の反対の力が生じるのを防いで安定したトラッキング制御を行なうことができる。
また、図5〜8に示すように、永久磁石を1個とし、またトラッキングコイルを1個とすることにより製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明に係る光学手段駆動装置の分解斜視図である。
【図3】この発明に係る光学手段駆動装置の上面部および側面部を示す図である。
【図4】この発明に係る光学手段駆動装置の可動部の側面図である。
【図5】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】この発明に係る光学手段駆動装置の上面部および側面部を示す図である。
【図7】この発明に係る光学手段駆動装置の斜視図である。
【図8】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】この発明に係る光学手段駆動装置の可動部の側面図である。
【図10】光学手段駆動装置の一例を示す斜視図である。
【図11】光学手段駆動装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光学手段、2 ホルダ、2a,2b 挿通孔、2c,2d 支持体、29a,29b,29c,29d,29e,29f 固定子、12a,12b 位置決め部材、20a,20b 角柱部材、3 フォーカシング制御用コイル、4a,4b,4c,4d,4f,4g トラッキング制御用コイル、5a,5b チルト制御用コイル、6,6a,6c 永久磁石、7 ヨーク、7a,7b 凸部、8 回路基板、9a,9b,9c,9d,9e,9f 線状弾性体、14 可動部、15 固定部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク状記録媒体の記録面にビームスポットを形成し、情報の記録または再生を行う情報記録再生装置に関し、特に、上記ビームスポットを正確な位置に形成するための光学手段駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)といったディスク状記録媒体にビームスポットを形成するための集光レンズを駆動する光学手段駆動装置は、集光レンズをディスク面に対して垂直な方向(フォーカシング方向)、およびディスクの半径方向(トラッキング方向)に駆動することにより、ビームスポットがピット列上に正確に形成されるよう制御を行なっている。さらに、ディスク回転による面ぶれやディスクの撓みにより、ディスク面に対する集光レンズの光軸傾き(以下、チルト)が発生した場合、光学手段駆動装置は、ディスクの接線方向を軸として集光レンズを回動するチルト制御を行なっている。
【0003】
このように、集光レンズをフォーカシング方向、トラッキング方向、およびチルト方向に駆動する光学手段駆動装置の一例は、以下に示す特許文献1に記載されている。図10に、特許文献1に記載された光学手段駆動装置の斜視図を示す。対物レンズ101は、レンズホルダ102に固定されている。また、レンズホルダ102の側面には、6枚の短冊状金属板ばね103a〜103c,103d〜103fが設けられ、別の側面にはプリントコイル104a,104bが固定されている。一方、基台105は、レンズホルダ102を支持するためのサスペンションホルダ106及びレンズホルダ102を制御するための永久磁石107a〜107dを備えている。そして、レンズホルダ102は、短冊状金属板ばね103a〜103c,103d〜103fとサスペンションホルダ106とをサスペンションワイヤ(線状弾性体)108a〜108c,108d〜108fで繋ぐことにより基台105に支持されている。この際、プリントコイル104aは、永久磁石107aと永久磁石107bとの間に、プリントコイル104bは、永久磁石107cと永久磁石107dとの間に配置されている。
【0004】
プリントコイル104a,104bに内蔵されたフォーカシングコイル(図示せず)に同一方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102は光軸方向Fo(以下、フォーカシング方向ともいう)に制御される。また、プリントコイル104a,104bに内蔵されたトラッキングコイル(図示せず)に同一方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102は光学式記録媒体の半径方向であるトラッキング方向Tkに制御される。さらに、フォーカシングコイル(図示せず)に逆方向の電磁力が生じるように電流を供給することにより、レンズホルダ102はトラッキング方向Tkを軸とする回転モーメントを受け、チルト方向Tiに制御される。図11にレンズホルダがチルト方向Tiに制御されるようすを表す断面図を示す。フォーカシングコイル(図示せず)に逆方向の電磁力が生じると、短冊状金属板ばね103aと短冊状金属板103cとの捻り角及び撓み量は、互いに大きさが同じで方向が逆となる。その結果、短冊状金属板ばね103bの中心がチルト方向Tiの回転中心Oとなり、レンズホルダ102は、θだけ回転してチルト方向に駆動される。上記の制御により、フォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3方向への駆動ができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−297460
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10に示す光学手段駆動装置においては、サスペンションワイヤ108a〜108fのレンズホルダ102側の接点として、6枚の短冊状金属板ばね103a〜103fを用いているため、部品コストが高くなるとともに、組立工数が多くなる問題があった。また、レンズホルダ102の支持機構として6枚の短冊状金属板ばね6a〜6fを用いているため、製品にばらつきが生じ、よってチルト動作にばらつきが生じるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、フォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3方向駆動を安定して行うとともに、製造が容易な光学手段駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光学手段駆動装置は、
ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、
前記光学手段を保持するホルダと、
前記ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、
前記光学手段を前記レーザー光の光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、 前記光学手段を前記ディスク状記録媒体の半径方向に駆動するためのトラッキングコイルと、
前記光学手段を前記光軸方向に直交する軸を中心軸として当該中心軸周りに回動するためのチルトコイルと、
前記ホルダを前記光軸方向、前記半径方向、および前記中心軸周りに移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対と
を備え、
前記各線状弾性体は、一端が前記ホルダに固定され、他端が固定部材に固定されるとともに、
対を成す前記各線状弾性体は、前記光軸方向において互いに略同一となる位置に配置され、
前記トラッキングコイルの一部が、前記ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、前記ディスク状記録媒体から最も遠い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となること
としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る光学手段駆動装置は、上記のような構成としたので、トラッキング方向の力をホルダに効率的に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1はこの発明の一実施形態に係る光学手段駆動装置の斜視図、図2は図1に示す光学手段駆動装置の固定部15、および可動部14の構成を示す分解斜視図である。また、図3は、図1および2に示す光学手段駆動装置の(a)上面部および(b)側面部を示す図である。
図2に示すように、固定部15は、ヨーク7、永久磁石6a,6b、および回路基板8から構成される。永久磁石6a,6bは単極に着磁されており、ヨーク7に固定されている。ヨーク7には、凸部7a,7b、およびレーザー光が通過する貫通孔7hが形成されている。
【0011】
一方、可動部14は、集光レンズ1、ホルダ2、フォーカシング制御コイル3、トラッキング制御コイル4a,4b,4c,4d、およびチルト制御用コイル5a,5bから構成される。集光レンズ1は、ホルダ2の上部に固定されており、貫通孔7hを通過したレーザー光をディスク状記録媒体に集光する。ホルダ2には、フォーカシング制御用コイル3、トラッキング制御用コイル4a〜4d、チルト制御用コイル5a,5bがそれぞれ一体的に設けられている。フォーカシング制御用コイル3は、ホルダ2の周囲に巻回されており、チルト制御用コイル5a,5bは、ホルダ2の下部に設けられた1対の角柱部20a,20bにより保持されている。フォーカシング制御用コイル3、およびチルト制御用コイル5a,5bは、各コイルの中心軸が集光レンズ1の光軸と同方向となるよう配置されている。一方、トラッキング制御用コイル4a,4bはホルダ2の側面部に配置されている。図2に示すように、ホルダ2の側面部には、トラッキング制御用コイル4a,4bを適切な位置に配置するための位置決め部材12a,12bが設けられている。同様に、トラッキング制御用コイル4c,4dは、位置決め部材12c,12d(図示しない)によりホルダ2の反対側の側面に位置決めされる。ホルダ2には、ヨーク7に形成された凸部7a,7bが挿通する挿通孔2a,2bが設けられている。
【0012】
ホルダ2の他の側面には、一対の支持体2c,2dが設けられている。各支持体2c,2dには導電性を有する線状弾性体9a〜9cおよび9d〜9fの一端が接続される固定子29a〜29c,29d〜29fが設けられている。線状弾性体9a〜9fは、固定子29a〜29fにより支持体2c,2dに固定されるとともに、3つの各制御コイルの始端および終端に電気的に接続されている。また、線状弾性体9a〜9fの他端は、ヨーク7の側面部に円弧状に設けられた固定子(図示しない)を介して、回路基板8に電気的に接続されている。こうして線状弾性体9a〜9fは、可動部14をフォーカシング方向Fo、トラッキング方向Tk、チルト方向Tiの3つの各制御方向に移動可能に支持するとともに、各制御コイルに制御電流を供給する。
【0013】
図4に示すように、支持体2c,2dの各固定子29a〜29c,29d〜29f(および対応するヨーク7の各固定子)は、破線により示す円弧上に配置されている。つまり線状弾性体9a〜9c,9d〜9fは、各々異なる中心を有する円筒面上に配置されてホルダ2を支持している。ここで、各々の円筒面は同一の中心を有しても構わない。
【0014】
以下、図1〜4に示す光学手段駆動装置の動作について説明する。集光レンズ1により、ディスク状記録媒体に形成された集光スポットのフォーカシングずれや所望のトラックに対する集光スポットのトラックずれは非点収差法や位相差法などの公知の方法で検知される。その際、フォーカシングずれ量、およびトラッキングずれ量に応じた信号をフォーカシング用コイル3、およびトラッキング用コイル4a,4bに供給することで、永久磁石6a,6bにより形成される磁界との相互作用により各コイルにフォーカシング方向Fo、およびトラッキング方向Tkの力が発生する。これにより、フォーカシングずれ量、およびトラッキングずれ量に応じて集光レンズを移動するフォーカシング制御、およびトラッキング制御が行われる。
【0015】
同時に、ディスク状記録媒体の撓みや回転による面ぶれによりレーザー光のディスク面に対する光軸の傾き(チルト)が生じると、このチルト量を公知の方法で検知し、チルトずれ量に応じた信号をチルト制御用コイル5a,5bに供給する。このとき、チルト制御用コイル5aを+Fo方向(又は−Fo方向)、チルト制御用コイル5bを反対の−Fo方向(+Fo方向)に駆動する電流を供給することにより、ホルダ2は、フォーカシング方向Foおよびトラッキング方向Tkについて直交する軸(線状弾性体9a〜9fの長手方向に平行な軸)を中心とし、図中Tiにより示すチルト方向に回転させる。このとき、線状弾性体9a〜9c,9d〜9fは各々が円筒面上に配置されているので、略同一の長さを保ちながらチルト方向Tiに捻じれる。これにより、ホルダ2をチルト方向Tiに回転する際、中央に配置された線状弾性体9b,9eに生じる長手方向の屈曲力を低減することができる。つまり、ホルダ2をチルト方向Tiに安定して傾けることが可能となる。つまり、チルト制御時の線状弾性体9a〜9fの変形を曲げ変形のみに限定できるので、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト動作を含めた3方向の制御を安定して行なうことができる。
【0016】
図3(b)および図4から分かるように、本実施の形態による光学手段駆動装置においては、トラッキング制御コイル4a〜4dの高さ方向の幅を線状弾性体9aおよび9c、9dおよび9fの間隔よりも小さくし、ホルダ2の外側に位置する各制御コイルの辺を外側に突出させる構成となっている。これは、トラッキング制御用コイル4a,4bにおいてトラッキング方向Tkの力が作用するのは図4中Aにより示す部分であり、トラッキング制御を効率的に行なうためには、トラッキング制御コイル4a,4bのAにより示す部分に作用する力と反対方向の力が作用するA’の部分を永久磁石6a,6bから遠ざけることが望ましいからである。つまり、トラッキング制御コイル4a,4bの幅を永久磁石6a,6bの幅に対して広げることによりトラッキング方向の力をホルダ2に効率的に伝えることができる。
【0017】
本実施の形態においては図4に示すように、中央の線状弾性体9b,9eを他の線状弾性体9a,9c,9d,9eによりも外側に配するとともに、トラッキング制御コイル4a,4bの高さ方向の幅を線状弾性体9aおよび9c、9dおよび9fの間隔よりも小さくすることで、永久磁石6a,6bに対してトラッキング制御コイル4a,4bの幅を広げている。これにより、トラッキング制御時、A’の部分に作用する反力を減少させ、ホルダ2に効率的にトラッキング方向の駆動力を伝えることができる。
【0018】
図5は、本実施の形態に係る光学手段駆動装置の変形例を示す図である。また、図6は、図5に示す光学手段駆動装置の(a)上面部および(b)側面部を示す図である。図5および6に示す光学手段駆動装置は、ヨーク7に設けた単一の永久磁石6によりホルダ2を駆動するものである。
【0019】
このように単一の永久磁石6を用いてホルダ2を駆動する場合、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点(力点)と、作用点である集光レンズ1とを一致させることができない。フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点は、フォーカシング制御用コイル3、トラッキング制御用コイル4a,4b、チルト制御用コイル5a,5bの永久磁石6との対向部である。各制御を行う際、駆動点と作用点との距離が離れると、作用点に駆動力が間接的に伝わることとなり、制御が不安定となる。こうした問題は、支点の位置、つまり支持体2c,2dの位置を調整することにより解決することができる。すなわち、フォーカシング制御、トラッキング制御、チルト制御の各駆動点と作用点となる集光レンズ1との間の適切な位置に支持体2c,2dを設ければよい。さらに、ホルダ2に不要な振動が発生しないよう、ホルダ2の重心位置が適切な位置となるようカウンターウェイトを設けてもよい。このように単一の永久磁石6を用いることで、コストを抑えることができる。
【0020】
図7は、可動部14の他の構成を示す図である。図7に示す可動部14において、トラッキングコイル4cは単一のコイルから構成されている。このように、トラッキングコイルを1個にすることでコストを抑えることができる。
【0021】
図8は、光学手段駆動装置の他の変形例を示す斜視図である。図8に示す光学手段駆動装置の永久磁石6cは、図1および5に示す光学手段駆動装置の永久磁石6a,6よりも幅広に構成されている。これに対応して図9に示すように、トラッキング制御コイル4f,4gのA’により示す部分は永久磁石6aからとの距離を確保するため、線状弾性体9b,9eの外側に配されている。このように永久磁石6cの幅を大きくすることにより、フォーカシングコイル3、およびチルトコイル5a,5bに作用する磁束の量が増加するので、フォーカシング制御、およびチルト制御における十分な駆動力を確保することができる。また、トラッキングコイル4f,4gについては、トラッキング制御時、反力が働くA’の部分を線状弾性体9b,9eの外側に配することにより、トラッキング方向Tkの駆動力を効率よくホルダに伝え、安定したトラッキング制御を行なうことができる。
【0022】
以上において述べた本発明に係る光学手段駆動装置によれば、ホルダ2を支持する線状弾性体9a〜9c,9d〜9fをそれぞれ略円弧状に支持体2c,2dに接続したことにより、中央に配置される線状弾性体9b,9eの長手方向に生じる屈曲力を低減し、安定したチルト制御を行なうことができる。
また、線状弾性体9a〜9c,9d〜9fを各々円弧状に配したことにより、図トラッキングコイル4a〜6dの幅を永久磁石6a,6bに対して広げ、トラッキング方向の反対の力が生じるのを防いで安定したトラッキング制御を行なうことができる。
また、図5〜8に示すように、永久磁石を1個とし、またトラッキングコイルを1個とすることにより製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明に係る光学手段駆動装置の分解斜視図である。
【図3】この発明に係る光学手段駆動装置の上面部および側面部を示す図である。
【図4】この発明に係る光学手段駆動装置の可動部の側面図である。
【図5】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】この発明に係る光学手段駆動装置の上面部および側面部を示す図である。
【図7】この発明に係る光学手段駆動装置の斜視図である。
【図8】この発明に係る光学手段駆動装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】この発明に係る光学手段駆動装置の可動部の側面図である。
【図10】光学手段駆動装置の一例を示す斜視図である。
【図11】光学手段駆動装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光学手段、2 ホルダ、2a,2b 挿通孔、2c,2d 支持体、29a,29b,29c,29d,29e,29f 固定子、12a,12b 位置決め部材、20a,20b 角柱部材、3 フォーカシング制御用コイル、4a,4b,4c,4d,4f,4g トラッキング制御用コイル、5a,5b チルト制御用コイル、6,6a,6c 永久磁石、7 ヨーク、7a,7b 凸部、8 回路基板、9a,9b,9c,9d,9e,9f 線状弾性体、14 可動部、15 固定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、
前記光学手段を保持するホルダと、
前記ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、
前記光学手段を前記レーザー光の光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、 前記光学手段を前記ディスク状記録媒体の半径方向に駆動するためのトラッキングコイルと、
前記光学手段を前記光軸方向に直交する軸を中心軸として当該中心軸周りに回動するためのチルトコイルと、
前記ホルダを前記光軸方向、前記半径方向、および前記中心軸周りに移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対と
を備え、
前記各線状弾性体は、一端が前記ホルダに固定され、他端が固定部材に固定されるとともに、
対を成す前記各線状弾性体は、前記光軸方向において互いに略同一となる位置に配置され、
前記トラッキングコイルの一部が、前記ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、前記ディスク状記録媒体から最も遠い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となること
を特徴とする光学手段駆動装置。
【請求項2】
前記ホルダは、対向する2つの側面部の各々に配設された一対の支持体を備え、
前記線状弾性体の一端は、前記各支持体に略円弧状に配置された少なくとも3つの固定子のそれぞれに接続されること
を特徴とする請求項1に記載の光学手段駆動装置。
【請求項3】
前記線状弾性体の各々の長さを同一としたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の光学手段駆動装置。
【請求項4】
前記トラッキングコイルを、前記中心軸に対して垂直な前記ホルダの側面に配設すると共に、前記トラッキングコイルの一辺を、当該トラッキングコイルに対向して設けられる磁石の外側に配すること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学手段駆動装置。
【請求項5】
前記ホルダを駆動するための単一の永久磁石を備え、前記トラッキングコイルを前記永久磁石に対向する前記ホルダの一側面に配置すること
を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学手段駆動装置。
【請求項1】
ディスク状記録媒体にレーザー光を集光する光学手段と、
前記光学手段を保持するホルダと、
前記ホルダと所定間隔を隔てて配置される固定部材と、
前記光学手段を前記レーザー光の光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、 前記光学手段を前記ディスク状記録媒体の半径方向に駆動するためのトラッキングコイルと、
前記光学手段を前記光軸方向に直交する軸を中心軸として当該中心軸周りに回動するためのチルトコイルと、
前記ホルダを前記光軸方向、前記半径方向、および前記中心軸周りに移動可能に支持する、少なくとも3本の線状弾性体から構成される支持手段一対と
を備え、
前記各線状弾性体は、一端が前記ホルダに固定され、他端が固定部材に固定されるとともに、
対を成す前記各線状弾性体は、前記光軸方向において互いに略同一となる位置に配置され、
前記トラッキングコイルの一部が、前記ディスク状記録媒体に最も近い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部と、前記ディスク状記録媒体から最も遠い一対の前記線状弾性体のホルダ側の端部とで形成された四角形の外側となること
を特徴とする光学手段駆動装置。
【請求項2】
前記ホルダは、対向する2つの側面部の各々に配設された一対の支持体を備え、
前記線状弾性体の一端は、前記各支持体に略円弧状に配置された少なくとも3つの固定子のそれぞれに接続されること
を特徴とする請求項1に記載の光学手段駆動装置。
【請求項3】
前記線状弾性体の各々の長さを同一としたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の光学手段駆動装置。
【請求項4】
前記トラッキングコイルを、前記中心軸に対して垂直な前記ホルダの側面に配設すると共に、前記トラッキングコイルの一辺を、当該トラッキングコイルに対向して設けられる磁石の外側に配すること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学手段駆動装置。
【請求項5】
前記ホルダを駆動するための単一の永久磁石を備え、前記トラッキングコイルを前記永久磁石に対向する前記ホルダの一側面に配置すること
を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学手段駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−164519(P2006−164519A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67348(P2006−67348)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2003−52554(P2003−52554)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2003−52554(P2003−52554)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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