説明

光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法

【課題】 本発明の課題は、簡便な方法によって、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、高いE値で、少ない酵素量で、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルとを得る、工業的に好適な光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法を提供することである。
【解決手段】 本発明の課題は、加水分解酵素の存在下、ラセミ体混合物の3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルから、一方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解反応させて、光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸を生成させるとともに、逆の立体絶対配置を有する未反応の光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルを得ることを特徴とする、光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルを得る方法に関する。これら3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及びそのエステルは、医薬品等の生理活性物質の原料又は合成中間体として有用である。
【背景技術】
【0002】
従来、加水分解酵素を用いて、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルを得る方法としては、Burkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼの存在下、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)を水中で片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解させて、光学活性(S)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性(R)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステルを得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。又、Pseudomonas Fluorescensを起源とするリパーゼの存在下、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)を水中で片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解させて、光学活性(S)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性(R)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステルを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、これらの方法では、酵素によるエナンチオマー間の選択性の指標であるE値が低く、使用する酵素量も多く、更に反応系のpHを常に一定値に維持しなければならないという反応操作面における問題があった。なお、E値は、速度論的光学分割の選択性の指標として幅広く利用されている(例えば、非特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平5−500754号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J.Braz.Chem.Soc.,12(6),742(2001)
【非特許文献2】Tetrahedron Lett.,42,6477(2001)
【非特許文献3】J.Am.Chem.Soc.,104,7294(1982)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、高いE値で、少ない酵素量で、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルとを得る、工業的に好適な光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、当研究者らは、光学分割すべき3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)のエステル部位に注目して鋭意検討したところ、エステル基がn−プロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基である基質のみが、本加水分解反応において、特異的に高いE値を示すことを見出した。
【0007】
即ち、本発明の課題は、加水分解酵素の存在下、一般式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基を示す。Rは、n−プロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基を示す。)
で示される3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステル(ラセミ体混合物)の片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解反応させて、一般式(II):
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、Arは、前記と同義である。)
で示される光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸を生成させるとともに、一般式(III):
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示される未反応の光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステル(なお、一般式(II)の化合物とは逆の立体絶対配置を有する。)を得ることを特徴とする、光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステルの製造方法によって解決される。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、簡便な方法によって、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、高いE値で、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルとを得る、工業的に好適な光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の加水分解反応では、例えば、下記の一般式(IV):
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示されるように、加水分解酵素の存在下、前記の一般式(I)で示される3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステルのラセミ体混合物(以下、化合物(I)と称することもある。)の片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解させて、一般式(II)で示される光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸(以下、化合物(II)と称することもある。)を生成させるとともに、一般式(III)で示される未反応の光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(以下、化合物(III)と称することもある。)を得ることが出来る。
なお、化合物(II)と化合物(III)は逆の立体絶対配置を有する。
【0018】
化合物(I)のArは、置換基を有していても良いアリール基を示す。
【0019】
前記の「置換基を有していても良いアリール基」におけるアリール基とは、置換されているフェニル基又はナフチル基である。又、置換基を有していても良いアリール基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;エトキシ基等の炭素原子数2〜4のアルコキシ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);メチレンジオキシ基等の炭素原子数1〜4のアルキレンジオキシ基;ニトロ基等が挙げられる。
【0020】
このような「置換基を有していても良いアリール基」としては、具体的には、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4−キシリル基、3,4−キシル基、メシチル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられるが、好ましくはフェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、3,4−キシリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル基、3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、更に好ましくはフェニル基、4−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、特に好ましくはフェニル基、4−トリル基である。
【0021】
又、Rは、n−プロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基である。
【0022】
本発明の反応において使用される化合物(I)は、硫酸の存在下、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸とn−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール又はイソブチルアルコールとを反応させることにより容易に製造することが出来る(後の参考例に記載)。
【0023】
前記のAr及びRを有する化合物(I)の具体例としては、例えば、
3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,3−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(1−フェノキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−フリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−キノリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
等が挙げられるが、好ましくは、
3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
更に好ましくは、
3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
特に好ましくは、
3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
である。
【0024】
本発明の加水分解で使用する加水分解酵素としては、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等が挙げられるが、好ましくは酵母又は細菌から単離可能な微生物のリパーゼ、更に好ましくはBurkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼ(例えば、Amano PS(アマノエンザイム社製)等)が使用される。なお、これらの加水分解酵素は、天然の形又は固定化酵素として市販品をそのまま使用することが出来、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。又、市販品に含有している酵素固定化剤を予め除去して使用することも出来る。
【0025】
前記加水分解酵素の使用量は、化合物(I)1gに対して、好ましくは0.1〜1000mg、更に好ましくは1〜200mgである。
【0026】
本発明の加水分解反応は、好ましくは水溶媒中、緩衝液溶媒中、無機塩基水溶液溶媒中、又は無機塩基を含んだ緩衝液溶媒中、水と有機溶媒との二相系溶媒中、緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒中、無機塩基水溶液と有機溶媒との二相系溶媒中、又は無機塩基を含んだ緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒中で行われる。
【0027】
前記水としては、好ましくはイオン交換水、蒸留水等の精製された水が使用される。
【0028】
前記無機塩基としては、例えば、好ましくは弱塩基の無機塩基、更に好ましくはアルカリ金属炭酸水素塩、特に好ましくは炭酸水素カリウムや炭酸水素ナトリウムが使用される。
【0029】
前記無機塩基の使用量は、化合物(I)1molに対して、好ましくは0.5〜1.0molである。
【0030】
前記緩衝液としては、例えば、リン酸ナトリウム水溶液、リン酸カリウム水溶液等の無機酸塩の水溶液;酢酸ナトリウム水溶液、クエン酸ナトリウム水溶液等の有機酸塩の水溶液;酢酸アンモニウムが挙げられるが、好ましくは無機酸塩の水溶液、更に好ましくはリン酸ナトリウム水溶液、リン酸カリウム水溶液が使用される。これらの緩衝液は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0031】
該緩衝液の濃度は、好ましくは0.01〜2mol/L、更に好ましくは0.05〜0.5mol/Lであり、緩衝液のpHは、好ましくは4〜9、更に好ましくは6〜8である。
【0032】
本発明の加水分解反応における溶媒(水溶媒、緩衝液溶媒、無機塩基水溶液溶媒、無機塩基を含んだ緩衝液溶媒、水と有機溶媒との二相系溶媒、緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒、無機塩基水溶液と有機溶媒との二相系溶媒、又は無機塩基を含んだ緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒)の使用量は、化合物(I)1gに対して、好ましくは2〜200mL、更に好ましくは5〜80mLである。
【0033】
本発明の加水分解反応は、例えば、化合物(I)、加水分解酵素及び溶媒(水溶媒、緩衝液溶媒、無機塩基水溶液溶媒、無機塩基を含んだ緩衝液溶媒、水と有機溶媒との二相系溶媒中、緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒、無機塩基水溶液と有機溶媒との二相系溶媒、又は無機塩基を含んだ緩衝液と有機溶媒との二相系溶媒)を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10〜50℃であり、反応圧力は特に制限されない。なお、反応を行うにあたって、反応の進行とともに生成する化合物(II)を中和するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基(その水溶液でも良い)を、適宜添加しても良い。
【0034】
本発明の加水分解によって得られた化合物(II)は、例えば、反応終了後、反応液に適当な有機溶媒(例えば、t−ブチルメチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)を加えて化合物(III)を有機層へ抽出した後に、濾過することによって取得することが出来る。又、得られた濾液(化合物(III)を含む)に酸を加えて酸性
化した後に、有機層を分液して濃縮する等の方法によって取得することが出来る。なお、これらは、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって、更に精製することも出来る。
【0035】
本発明の加水分解反応によって得られる化合物(II)の具体例としては、例えば、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−ジクロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(1−フェノキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ナフチル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−フリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−キノリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
等が挙げられるが、好ましくは、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸、
更に好ましくは、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸、
特に好ましくは、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸、
光学活性(S又はR)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸
である。
【0036】
本発明の加水分解反応で反応しなかった未反応の化合物(III)(化合物(II)とは逆の立体絶対配置を有する。)の具体例としては、例えば、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(1−フェノキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−フリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−キノリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
等が挙げられるが、好ましくは、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,3−キシリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−エトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−シアノフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(1−ナフチル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
更に好ましくは、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ピリジル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
特に好ましくは、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−トリル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル、
光学活性(R又はS)−3−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸n−プロピルエステル
である。
【実施例】
【0037】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0038】
参考例1(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
テトラヒドロフラン30mLを−78℃に保ちながら、1.8mmol/Lリチウムジイソプロピルアミドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン混合溶液26.0ml(46.8mmol)を加えた後、同温度で酢酸エチル4.15g(47.1mmol)を滴下して、同温度で30分間攪拌させた。次いで、得られた混合物にベンズアルデヒド5.00g(47.1mmol)を滴下し、攪拌しながら同温度で2時間反応させた。反応終了後、同温度で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、室温下、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=8/1/1(容量比))で精製し、(±)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル6.40gを得た(酢酸エチル基準の単離収率=69.9%)を得た。
なお、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
【0039】
H−NMR(δ(ppm)、CDCl):1.26(t、3H、J=7.1Hz)、2.68−2.79(m、2H)、3.26(d、1H、J=3.42Hz)、4.18(q、2H、J=7.1Hz)、5.11−5.15(m、1H)、7.26−7.40(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl):14.1、43.4、60.9、70.3、125.7、127.8、128.5、142.6、172.4
MS(EI)m/z:194(M
【0040】
参考例2(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
テトラヒドロフラン30mLを−78℃に保ちながら、1.8mol/Lリチウムジイソプロピルアミドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン混合溶液26.0mL(46.8mmol)を加え、同温度で酢酸n−プロピルエステル1.15g(47.1mmol)を滴下して、同温度で30分撹拌させた。次いで、得られた混合物にベンズアルデヒド5.00g(47.1mmol)を滴下し、攪拌しながら同温度で2時間反応させた。反応終了後、同温度で塩化メチレン及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、室温下、分液した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=8/1/1(容量比))で精製し、(±)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル6.04gを得た(酢酸n−プロピル基準の単離収率=61.6%)を得た。
なお、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
【0041】
H−NMR(δ(ppm)、CDCD):0.93(d、3H、J=7.3Hz)、1.61−1.70(m、2H)、2.69−2.80(m、2H)、3.30(d、1H、J=3.9Hz)、4.08(t、2H、J=6.6Hz)、5.11−5.15(m、1H)、7.26−7.39(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCD):10.3、21.9、43.4、52.7、66.4、70.3、125.7、127.8、128.5、142.7、172.4
MS(EI)m/z:208(M
【0042】
参考例3(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
テトラヒドロフラン30mLを−78℃に保ちながら、1.8mol/Lリチウムジイソプロピルアミドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン混合溶液26.0mL(46.8mmol)を加えた後、同温度で酢酸n−ブチルエステル5.47g(47.1mmol)を滴下して、同温度で30分撹拌させた。次いで、得られた混合物にベンズアルデヒド5.00g(47.1mmol)を滴下し、攪拌しながら同温度で3.5時間反応させた。反応終了後、同温度で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温下、酢酸エチルで生成物を抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=8/1/1(容量比))で精製し、(±)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル5.64gを得た(酢酸n−ブチル基準の単離収率=53.9%)を得た。
なお、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
【0043】
H−NMR(δ(ppm)、CDCD):0.93(d、3H、J=7.3Hz)、1.61−1.70(m、2H)、2.69−2.80(m、2H)、3.30(d、1H、J=3.9Hz)、4.08(t、2H、J=6.6Hz)、5.11−5.15(m、1H)、7.26−7.39(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCD):13.7、19.1、30.6、43.4、64.8、70.3、125.7、127.8、128.5、142.6、172.5
MS(EI)m/z:222(M
【0044】
参考例4(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
テトラヒドロフラン30mLを−78℃に保ちながら、1.8mol/Lリチウムジイソプロピルアミドのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン混合溶液26.0mL(46.8mmol)を加えた後、同温度で酢酸イソブチルエステル5.47g(47.1mmol)を滴下して、同温度で30分間撹拌させた。次いで、得られた混合物にベンズアルデヒド5.00g(47.1mmol)を滴下し、攪拌しながら同温度で2.5時間反応させた。反応終了後、同温度で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温下、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel C−200(商品名)、n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=8/1/1(容量比))で精製し、(±)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル5.60gを得た(酢酸エチル基準の単離収率=53.5%)を得た。
なお、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
【0045】
H−NMR(δ(ppm)、CDCD):0.92(d、6H、J=6.8Hz)、1.61−1.70(tq、1H、J=6.4、6.9Hz)、2.71−2.82(m、2H)、3.25(d、1H、J=3.4Hz)、4.08(d、2H、J=6.4Hz)、5.12−5.16(m、1H)、7.26−7.40(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCD):19.0、27.7、43.3、70.3、71.0、125.7、127.8、128.5、142.6、172.5
MS(EI)m/z:222(M
【0046】
実施例1((S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルの合成)
pH8.2の50mmol/Lリン酸カリウム水溶液1.0mL及びシクロヘキサン1.0mLの混合液に、参考例2で合成した3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル(ラセミ体混合物)200mg(0.96mmol)を加え30℃に保った。得られた混合物に同温度で炭酸水素ナトリウム75.6mg(0.9mmol)及びBurkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ製)6mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。6時間後、反応混合物にシクロヘキサン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を加え分液した。水層をシクロヘキサンで洗浄した後に、酢酸エチルを加え2mol/L塩酸でpHを1−2に調製した。有機層を乾燥後、減圧下で濃縮して、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸64mg(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.0%)を得た。
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸を常法によりn−ブチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ97.6%eeであった。
(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルを常法により(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ90.7%eeであった。
なお、本反応におけるE値は259であった。
【0047】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル
カラム:Chiralcel OB−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
【0048】
(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
【0049】
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(δ(ppm)、CDCN):2.66(d、2H、J=6.4Hz)、5.05(t、1H、J=6.4Hz)、7.05−7.39(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCN):44.3、71.0、126.9、128.6、129.4、144.8、173.6
MS(EI)m/z:165(M
MS(CI、i−C10)m/z:166(MH
【0050】
なお、光学活性3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の絶対立体配置の決定は以下のようにして行った。即ち、実施例1で得られた光学活性3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の比旋光度([α]25 −17°(C 2.0,エタノール))とTetrahedron Letters,35(34),6351(1994)に記載されている(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の比旋光度の符号(文献値[α] −17°(C 0.4,エタノール))とを比較し絶対立体配置を決定した。
【0051】
実施例2((S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステルの合成)
pH8.2の50mmol/Lリン酸カリウム水溶液1.0mL及びシクロヘキサン1.0mLの混合液に、参考例3で合成した3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル(ラセミ体混合物)200mg(0.96mmol)を加え30℃に保った。得られた混合物に同温度で炭酸水素ナトリウム75.6mg(0.9mmol)、Burkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ製)10mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。9時間後、反応混合物にシクロヘキサン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を加え分液した。水層をシクロヘキサンで洗浄した後に、酢酸エチルを加え2mol/L塩酸でpHを1−2に調製した。有機層を乾燥後、減圧下で濃縮して、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸61mg(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=41.0%)を得た。
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸を常法によりn−ブチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ97.4%eeであった。
(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステルを光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ98.0%eeであった。
なお、本反応におけるE値は431であった。
【0052】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル
カラム:Chiralcel OB−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
【0053】
又、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は実施例1で示したものと同様であった。
【0054】
実施例3((S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステルの合成)
pH8.2の50mmol/Lリン酸カリウム水溶液1.0mL及びシクロヘキサン1.0mLの混合液に、参考例4で合成した3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル(ラセミ体混合物)200mg(0.96mmol)を加え30℃に保った。得られた混合物に同温度で炭酸水素ナトリウム75.6mg(0.9mmol)、Burkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ製)10mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。5時間後、反応混合物にシクロヘキサン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を加え分液した。水層をシクロヘキサンで洗浄した後に、酢酸エチルを加え2mol/L塩酸でpHを1−2に調製した。有機層を乾燥後、減圧下で濃縮して、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸63mg(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=42.0%)を得た。
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸を常法によりn−ブチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ97.6%eeであった。
(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステルを常法により(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステルに誘導して光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ93.8%eeであった。
なお、本反応におけるE値は298であった。
【0055】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル、
カラム:Chiralcel OB−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
【0056】
(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸イソブチルエステル、
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は実施例1で示したものと同様であった。
【0057】
比較例1((S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの合成)
pH8.2の50mmol/Lリン酸カリウム水溶液1.0mL及びシクロヘキサン1.0mLの混合液に、参考例1で合成した3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)200mg(0.96mmol)を加え30℃に保った。得られた混合物に同温度で炭酸水素ナトリウム75.6mg(0.9mmol)、Burkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ製)10mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。6時間後、反応混合物にシクロヘキサン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水を加え分液した。水層をシクロヘキサンで洗浄した後に、酢酸エチルを加え2mol/L塩酸でpHを1−2に調製した。有機層を乾燥後、減圧下で濃縮して、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸74mg(3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=43.0%)を得た。
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸を常法によりn−ブチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ87.8%eeであった。
(R)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ96.3%eeであった。
なお、本反応におけるE値は61であった。
【0058】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸n−ブチルエステル、
カラム:Chiralcel OB−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
【0059】
(R)−3−ベンゾイルオキシ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル、
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール(=98/2(容量比))
流速 :0.5ml/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は実施例1で示したものと同様であった。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸n−アルキルエステル(ラセミ体混合物)から、同時に光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸と光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルを得る方法に関する。これら3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及びそのエステルは、医薬品等の生理活性物質の原料又は合成中間体として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加水分解酵素の存在下、一般式(I):
【化5】


(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基を示す。Rは、n−プロピル基、n−ブチル基又はイソブチル基を示す。)
で示される3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(ラセミ体混合物)の片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解反応させて、一般式(II):
【化6】


(式中、Arは、前記と同義である。)
で示される光学活性(S又はR)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸を生成させるとともに、一般式(III):
【化7】


(式中、Ar及びRは、前記と同義である。)
で示される未反応の光学活性(R又はS)−3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル(なお、一般式(II)の化合物とは逆の立体絶対配置を有する。)を得ることを特徴とする、光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸及び光学活性3−アリール−3−ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステルの製造方法。

【公開番号】特開2010−207249(P2010−207249A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148652(P2010−148652)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【分割の表示】特願2004−183891(P2004−183891)の分割
【原出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】