説明

光学的分析デバイス

【課題】光路長のばらつきを少なくして吸光度の測定精度を向上させる光学的分析デバイスを提供する。
【解決手段】基材Aと基材Bの間に形成されるキャピラリー状の空間を有する光学的分析デバイスにおいて、マイクロチャネルパターン4は、試薬11を入れる試薬槽と、検査すべき液体試料と試薬11の反応状態を透過光を照射して光学的に分析するための測定槽とを有し、基材に形成されるマイクロチャネルパターン4内の測定槽周辺に、基材に接着剤3を塗布して接合する接合面よりも凸になる凸部を設け、接着剤3を測定槽周辺の凸部12a及び測定槽10のキャピラリー部を除く部分に塗布し、測定槽周辺の凸部を対向する基材に圧接させて、張り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロデバイス上またはマイクロデバイス内に位置する生物学的、化学的、又は生化学的なサンプルの光学検査のための光学分析デバイスに関し、特にマイクロデバイス内の測定部における光路長精度を改善し、光学検査の測定精度向上に寄与する特徴を備えた液体試料光学分析デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体試料の分析方法としては、たとえば液体試料と試薬を反応させたときの反応液を、光学的手法により分析する方法がある。このような手法により液体試料の分析を行う場合には、反応場を提供する分析デバイスが利用されている。分析デバイスとしては、1種類の液体試料を用いて複数の項目を分析できるように、あるいは複数種類の液体試料について同一項目を分析できるように、複数の流路を備えたものがある。
【0003】
従来の分析デバイス(特許文献1)について図6を用いて説明を行う。
【0004】
図6(a)は従来の分析デバイスの構成を示す図である。図6において、従来の分析デバイスは、基板100、カバー101、接着層102および分離膜103で構成されている。
【0005】
カバー101には中央部に液導入口107が設けられ、基板100には複数の流路105が液導入口107に連通するように、かつ液導入口107から導入された試料液を、中央部から周縁部に向けて、毛細管現象を利用して進行させるために設けられている。各流路105は、たとえば中央部から周縁部に向けて直線状に延びるように形成され、放射状に配置されている。
【0006】
液体試料の分析は、まず試料導入口107を介して液体試料を供給し、分離膜103の厚み方向に透過して受液部104に到達させる。このとき、液体試料中の固体成分が除去され、例えば液体試料として血液を使用する場合には、血液中の血球成分が除去される。
【0007】
次に、複数のシール部108に対して同時に開孔を形成することで、流路105内に液体試料を導入し、毛細管現象により流路105の内部を移送させ、測定槽106のごく近傍まで液体試料を到達させる。
【0008】
次に、複数のシール部109に対して同時に開口を形成することで、液体試料を再び毛細管現象により流路105を移送させ、複数の測定槽106に対して一括して液体試料を供給させる。
【0009】
測定槽106では、液体試料により試薬110が溶解させられて液相反応系が構築される。これにより、液体試料と試薬110が反応し、たとえば液相反応系が試料中の被検知成分の量に相関した呈色を示し、あるいは被検知成分の量に応じた反応物が生成する。その結果、測定槽106の液相反応系は、被検知成分の量に応じた透光性(光吸収性)を示すこととなる。測定槽106への試料供給から一定時間経過した場合には、図10(b)に示した光源部111により測定槽106に光を照射し、そのときの透過光量が受光部112において測定される。光源部111による光照射および受光部112での透過光の受光は、分析デバイスを一定角度ずつ回転させつつ、各流路105に設定された全ての測定槽106に対して行われる。分析装置では、受光部112での受光量に基づいて、試薬110と反応させた液体試料の吸光度を算出し、試料の分析、たとえば被検知成分の濃度演算が行われる。
吸光度を求める場合、一般に吸光度Eは、
E=K(吸光係数)×C(モル吸光係数)×L(光路長)
で求められ、吸光度の測定精度は、前記算出式より液体試料と試薬110とを反応させた反応液が充填される測定槽106の厚み、即ち光路長の精度に起因してくることがわかる。
【特許文献1】特開2004−150804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来の構成では、光路長の精度は測定槽106の成型精度および接着層102の厚み精度によって決定されるため、光路長のばらつきが大きく、また接着層が光路上にあるためノイズ成分となって測定誤差要因になる可能性もあり、これらは測定精度を劣化させる原因となっている。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光路長のばらつきを少なくして張り合わせることで吸光度の測定精度を向上させる光学的分析デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来の課題を解決するために、本発明の光学的分析デバイスは、基材A、基材Bのどちらか一方若しくは両方の表面に凹部にてマイクロチャネルパターンを形成し、前記基材Aと前記基材Bとを接着剤を介して張り合わせることで、前記基材Aと前記基材Bの間に形成されるキャピラリー状の空間を有する光学的分析デバイスにおいて、前記マイクロチャネルパターンは、試薬を入れる試薬槽と、検査すべき液体試料と前記試薬の反応状態を透過光を照射して光学的に分析するための測定槽とを有し、前記基材に形成されるマイクロチャネルパターン内の測定槽周辺に、前記基材に接着剤を塗布して接合する接合面よりも凸になる凸部を設け、接着剤を前記測定槽周辺の凸部及び前記測定槽のキャピラリー部を除く部分に塗布し、前記測定槽周辺の凸部を対向する基材に圧接させて、張り合わせることを特徴としたものである。
【0013】
また、本発明の光学的分析デバイスは、基材A、基材Bのどちらか一方若しくは両方の表面に凹部にてマイクロチャネルパターンを形成し、前記基材Aと前記基材Bとを接着剤を介して張り合わせることで、前記基材Aと前記基材Bの間に形成されるキャピラリー状の空間を有する光学的分析デバイスにおいて、前記マイクロチャネルパターンは、試薬を入れる試薬槽と、検査すべき液体試料と前記試薬の反応状態を透過光を照射して光学的に分析するための測定槽とを備え、前記基材に形成されるマイクロチャネルパターン内の測定槽周辺に、前記基材に接着剤を塗布して接合する接合面よりも凸になる第1の凸部と該第1の凸部の周辺に更に第2の凸部を設け前記第1と第2の凸部間に形成される凹部との傾斜部を有し、接着剤を前記測定槽周辺の第1の凸部及び前記測定槽のキャピラリー部を除く部分に塗布し、前記測定槽周辺の第1の凸部を対向する基材に圧接させて、張り合わせることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光学的分析デバイスによれば、張り合わせ時に測定槽周辺を対向する基板に押し当てて、それ以外のところは接着剤にてシールするため、光路長の精度は接着層の厚みばらつきが無くなり、測定槽の成型精度のみで決定されるため、分析時の測定精度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の光学的分析デバイスの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施例における光学的分析デバイスの構成を示す模式図である。また、図2は第1の実施例における光学的分析デバイスのマイクロチャネルパターンを示す平面図である。また、図3は第1の実施例における光学的分析デバイスの測定槽の構造および測定方法を示す模式図である。
【0017】
図1において、本発明の光学的分析デバイスは、マイクロチャネル4を有する基板1と、平坦な基板2と、接着層3で構成されている。
【0018】
基板1に形成されるマイクロチャネル4は、図2に示すようなマイクロチャネルパターンを射出成形により作製しており、分析する液体試料を試料注入口5に注入し、遠心力と毛細管力を利用して流体移動をさせることが可能となっている。
【0019】
図2において、マイクロチャネル4は試料注入口5、分析試料注入槽6、定量槽7a〜7c、試薬槽8a〜8c、試薬槽9a〜9c、測定槽10a〜10cで形成されており、試薬槽8a〜8c、試薬槽9a〜9c、測定槽10a〜10cにはそれぞれ分析に必要な試薬が担持できる構成になっている。
【0020】
本発明では各槽の深さは、200μm〜600μmで形成されており、それ以外の流路部分は50μm〜100μmで形成されているが、マイクロケミカルデバイスの用途に応じて各槽の深さや流路の深さを調整可能である。
【0021】
基板1および基板2の厚みは、1mm〜5mmで形成しているが、特に制限は無く、マイクロチャネル4を形成可能な厚みであればよい。基板1および基板2の形状についても特に限定する必要が無く、用途目的に応じた形状、例えば、シート状、板状、棒状、その他複雑な形状の成形物などの形状が可能である。
【0022】
本発明では基板1および基板2の材料として、易成形性、高生産性、低価格の面からプラスチックを使用しているが、ガラス、シリコンウェハー、金属、セラミックなど接着剤で接合できる材料であれば特に制限はない。
【0023】
また本発明ではマイクロチャネル4を有する基板1および基板2にはマイクロチャネル4内の粘性抵抗を減らし流体移動をしやすくするために親水性処理を行っているが、ガラス等の親水性材料を用いたり、成形時に界面活性剤、親水性ポリマー、シリカゲルの如き親性粉末などの親水化剤を添加させて材料表面に親水性を付与させたりしてもかまわない。親水性処理方法としては、プラズマ、コロナ、オゾン、フッ素等の活性ガスを用いた表面処理方法や界面活性剤による表面処理が挙げられる。ここで、親水性とは水との接触角が90度未満のことをいい、より好ましくは接触角40度未満である。
【0024】
接着層3は、カチオン重合系のエネルギー線遅延硬化型接着剤を用いて形成しており、スクリーン印刷法などパターン印刷が可能な方法で基板2に塗布し、基板1と基板2をアライメントして張り合わせている。接着層3の厚みは、5μm〜20μmが好ましい。5μm以下の厚みでは、液体試料を流した時にシール性が確保できず、漏れる可能性があり、また20μm以上の厚みでは、接着時に接着剤がマイクロチャネル4内に流入し、マイクロチャネル4を閉鎖する可能性がある。
【0025】
マイクロチャネル4内に担持させる試薬としては、塩酸やトリスヒドロキシアミノメタンなどの緩衝剤、コレステロールエステラーゼやジアホラーゼなどの酵素、NADなどの補酵素、水溶性テトラゾリウム塩などの色素を担持させている。試薬は、張り合わせ前に基板1のマイクロチャネル4内に溶液状態で塗布し、乾燥させて担持させているが、あらかじめ試薬を固形状態にしておき、張り合わせ時にマイクロチャネル4内に挿入することも可能である。
【0026】
本発明では、図3に示すように、測定槽10に透過光を照射して、検査すべき液体試料と試薬11の反応状態を光学的に分析する。測定時には、測定槽10内に液体試料と試薬11とを反応させた反応溶液が充填され、反応溶液は液体試料と試薬11の反応の割合で吸光度が変化するため、光源部20から測定槽10に透過光を照射し、受光部21にてその透過光の光量を測定することで、反応溶液を透過した光量の変化を測定することができるため、反応状態を分析することができる。
【0027】
測定槽10に透過光を照射した際に接着層によって透過光量がばらつく恐れがあるため、測定ばらつきを低減するために、測定槽10の照射領域には、接着剤が塗布されないことが好ましい。
【0028】
本発明では、基板1の測定槽10周辺には、凸部12が形成されており、基板2との張り合わせ時に、凸部12が基板2と接着剤を介さずに接触する構成となっている。
【0029】
接着方法としては、基板2に接着剤をスクリーン印刷によって測定槽10周辺に接着層3が形成されないように塗布し、その後、接着層3にエネルギー線、例えば波長:200〜400nmの紫外線を紫外線照射機にて積算光量が400〜600mJ/cm2になるように照射する。接着剤には遅延硬化型の接着剤を使用しているため、紫外線照射後から硬化開始まで1分〜3分程度あり、その間に、基板1の測定槽10が基板2のパターン印刷された接着層3の既定の位置にくるように位置調整を行い、張り合わる。次に、ラミネート装置や真空プレスなどの加圧可能な方法で、張り合わせた光学的分析デバイスに0.5〜5MPaの圧力で加圧し、マイクロチャネル4のシール性を向上させるために接着層3内の気泡を除去する。
【0030】
基板1の測定槽10周辺の形状としては、図4(a)に示すように、測定槽10は凸形状となっており、凸部接触面12aが基板2と接触する。凸部接触面12aには、測定時に液体試料が漏れないように撥水処理がされており、処理方法としては、低分子フッ素化合物、フッ素樹脂、シリコンなどの撥水剤を塗布または化学蒸着している。
【0031】
本発明では、凸部接触面12aと接着面13の段差は、12μm±2μmになるように成型しており、基板2に塗布する接着層3の厚みは、基板1の凸部接触面12aを基板2に接触、且つそれ以外の部分の接着およびシールをする必要があるため、凸部接触面12aと接着面13の段差よりも厚く塗布することが好ましく、16μm±1μmになるように塗布している。
【0032】
本発明では、凸部接触面12aと接着面13の段差には凸部傾斜面12bが形成されており、基板2には測定槽10および凸部接触面12a、凸部12bがマスクされたスクリーンマスクを用いて接着剤をスクリーン印刷法でパターン塗布されているため、基板1と基板2を張り合わせて加圧すると、接着層3の余剰分は押し広げられて、凸部傾斜面12bと基板2との間に形成された空間に浸入し、その空間を充填してシール性を向上させる。
【0033】
傾斜角度は10°〜30°の角度が好ましく、10°以下では凸部傾斜面12bと接着面との境界から凸部接触面12aまでの距離が長くなり、張り合わせて加圧しても、接着剤の粘性抵抗によって十分に浸入できない可能性があり、さらには凸部接触面12aが基板2と接触せず、浮いた状態で張り合わせられる可能性がある。30°以上では凸部傾斜面12bと接着面との境界から凸部接触面12aまでの距離が短くなりすぎて接着剤が浸入しやすくなり、凸部接触面12aまで接着剤が浸入する恐れがある。
【0034】
基板1の凸部傾斜面12bには、図4(b)に示すように、凸部接触面12aの横に溝を形成させてバッファー14を設けることが好ましく、バッファー14を設けることで、張り合わせ時に接着剤の余剰分を受けることができ、凸部接触面12aへの浸入を防ぐことが可能となる。
【0035】
さらに基板1には、図4(c)に示すように、凸部接触面12aの周囲を囲むように、凸部15を設けることが好ましく、凸部15の高さは、凸部12aよりも低く、凸部接触面12aに向かって傾斜面を形成させることで、張り合わせて加圧した際に、接着剤は凸部15によって押し広げられ、その接着剤は凸部傾斜面12b方向に向かって押し寄せてくるため、凸部傾斜面12bと基板2との間に形成される空間を充填させるのに必要な接着剤の量を確保しやすくなる。凸部間の距離は、凸部傾斜面12bと接着面13との境界から凸部15の傾斜面と接着面13との境界までの距離が5μm〜200μmであることが望ましく、5μm以下では、距離が近すぎて凸部傾斜面12bの空間部分を充填させるだけの接着剤の量を確保できない可能性があり、200μm以上離れていると、凸部15が接着剤を押し広げても、凸部傾斜面12bまで接着剤を押し寄せさすことができず、その効果を果たさない可能性がある。
【0036】
図4(a)〜(c)に示した形状の基板1と基板2を張り合わせることで、図5(a)〜(c)に示すように、測定槽10の周辺に形成された凸部12は接着層3を介さずに基板2に接触しており、それ以外の部分は接着剤によって接合されているため、本発明の光学的分析デバイスの測定槽10の厚み、すなわち光路長は接着層3の厚みばらつきが無くなり、測定槽10の成型精度だけに依存するようになるため、光路長のばらつきが低減され、光学分析精度が向上する。
【0037】
また、測定槽10のキャピラリー部に対向する基材部には、接着層が塗布されないため、従来における接着層が光路上にあることに起因するノイズ成分を除去でき、測定精度を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明にかかる光学的分析デバイスは、液体試料と試薬との反応溶液を光学的に精度良く測定・分析できるため、化学、生化学、物理化学用途など、液体試料を分析するための試料分析装置に使用する液体試料分析用デバイスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例1における光学的分析デバイスの構成を示す模式図
【図2】本発明の実施例1における光学的分析デバイスのマイクロチャネルパターンを示す平面図
【図3】本発明の実施例1における光学的分析デバイスの測定槽の構造および測定方法を示す模式図
【図4】本発明の実施例1における光学的分析デバイスの接合前の測定槽周辺形状を示す図
【図5】本発明の実施例1における光学的分析デバイスの接合後の測定槽周辺形状を示す図
【図6】従来例の光学的分析デバイスの構成を示す模式図
【符号の説明】
【0040】
1、2 基板
3 接着層
4 マイクロチャネル
5 試料注入口
6 分析試料注入槽
7a〜7c 定量槽
8a〜8c 試薬槽
9a〜9c 試薬槽
10、10a〜10c 測定槽
11 試薬
12 凸部
12a 凸部接触面
12b 凸部傾斜面
13 接着面
14 バッファー
15 凸部
20 光源部
21 受光部
100 基板
101 カバー
102 接着層
103 分離膜
104 受液部
105 流路
106 測定槽
107 液導入口
108 シール部
109 シール部
110 試薬
111 光源部
112 受光部











【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材A、基材Bのどちらか一方若しくは両方の表面に凹部にてマイクロチャネルパターンを形成し、前記基材Aと前記基材Bとを接着剤を介して張り合わせることで、前記基材Aと前記基材Bとの間に形成されるキャピラリー状の空間を有する光学的分析デバイスにおいて、
前記マイクロチャネルパターンは、試薬を入れる試薬槽と、検査すべき液体試料と前記試薬の反応状態を透過光を照射して光学的に分析するための測定槽とを有し、
前記基材に形成されるマイクロチャネルパターン内の測定槽周辺に、前記基材に接着剤を塗布して接合する接合面よりも凸になる凸部を設け、接着剤を前記測定槽周辺の凸部及び前記測定槽のキャピラリー部を除く部分に塗布し、前記測定槽周辺の凸部を対向する基材に圧接させて、張り合わせることを特徴とする光学的分析デバイス。
【請求項2】
前記測定槽周辺の凸部と前記測定槽周辺の凸部以外の接合面の段差は、基材を張り合わせるための接着剤の塗布層の厚みより薄いことを特徴とする請求項1に記載の光学的分析デバイス。
【請求項3】
前記測定槽周辺の凸部と前記測定槽周辺の凸部以外の接合面の段差は、傾斜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学的分析デバイス。
【請求項4】
前記測定槽周辺の凸部は、対向する基材に接触する面に撥水処理がされていることを特徴とする請求項3に記載の光学的分析デバイス。
【請求項5】
前記測定槽周辺の凸部から前記測定槽周辺の凸部以外の接合面にかけて形成されている傾斜部分には、張り合わせ時に前記接着剤の余剰分を吸収するためのバッファー槽が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光学的分析デバイス。
【請求項6】
基材A、基材Bのどちらか一方若しくは両方の表面に凹部にてマイクロチャネルパターンを形成し、前記基材Aと前記基材Bとを接着剤を介して張り合わせることで、前記基材Aと前記基材Bとの間に形成されるキャピラリー状の空間を有する光学的分析デバイスにおいて、
前記マイクロチャネルパターンは、試薬を入れる試薬槽と、検査すべき液体試料と前記試薬の反応状態を透過光を照射して光学的に分析するための測定槽とを備え、
前記基材に形成されるマイクロチャネルパターン内の測定槽周辺に、前記基材に接着剤を塗布して接合する接合面よりも凸になる第1の凸部と該第1の凸部の周辺に更に第2の凸部を設け前記第1と第2の凸部間に形成される凹部との傾斜部を有し、接着剤を前記測定槽周辺の第1の凸部及び前記測定槽のキャピラリー部を除く部分に塗布し、前記測定槽周辺の第1の凸部を対向する基材に圧接させて、張り合わせることを特徴とする光学的分析デバイス。
【請求項7】
前記第2の凸部の高さは、前記第1の凸部よりも低く形成することを特徴とする請求項6に記載の光学的分析デバイス。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−145450(P2006−145450A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338434(P2004−338434)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】