光学認識装置

【課題】文字やバーコードなどが印刷された用紙上に透明または半透明なフィルム用紙がある場合でも、文字やバーコードを確実に読み取ることができる光学読取装置を提供する。
【解決手段】光学認識装置1であって、光学認識装置1の本体に回動自在に軸支され、光学認識装置1の中心線を基準とし左右対称に設けられる少なくとも一対のアーム部材(アーム10)と、アーム部材の先端に取り付けられる押付部材(押付ローラ11)と、アーム部材を内側方向に作用させる弾性部材(バネ15)と、アーム部材の回動位置を規制する回動規制手段(ガイド14)を備えている。光学認識装置1によれば、文字やバーコードなどが印刷された用紙上に透明または半透明なフィルム用紙がある場合、押付部材によってフィルム用紙が左右に伸ばされるため、文字やバーコードを確実に読み取ることができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字やコードを光学的に認識する光学認識装置に関し、更に詳しくは、光学認識装置の読み取り性能を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
古くからハンディスキャナやバーコードリーダなどの光学認識装置には、外乱光の影響を低減するために、光学認識装置の読取部の一部分を覆う遮蔽部材が備えられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】実開平2−149462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、外乱光を遮蔽する遮蔽部材を光学認識装置にえさせたとしても、透明フィルムを透過した先にある用紙上に印刷された文字或いはコードを読み取る際には、光が透明フィルムで乱反射し、読み取り精度が落ちてしまうことがある。また、グラシン紙のような半透明な用紙の先にある文字は、グラシン紙と文字の間に隙間があるとぼやけてしまい、紙上の文字或いはコードを読み取ることができなかった。
【0005】
上述した問題を鑑みて、本発明は、窓付き封筒に封入封緘された用紙に印刷された文字やバーコードを読み取るときなど、文字やバーコードなどが印刷された用紙上に透明または半透明なフィルム用紙がある場合でも、文字やバーコードを確実に読み取ることができる光学読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する第1の発明は、用紙に印刷された文字或いはコードを読み取る光学認識装置であって、前記光学認識装置の本体に回動自在に軸支され、前記光学認識装置の中心線を基準とし左右対称に設けられる少なくとも一対のアーム部材と、前記アーム部材の先端に取り付けられる押付部材と、前記アーム部材を内側方向に作用させる弾性部材を備えていることを特徴とする光学認識装置である。
【0007】
文字やバーコードが印刷されている前記用紙に対して上の方から、第1の発明に記載の前記光学認識装置の前記押付部材を押し付けると、前記アーム部材が光学読取装置の外側方向に回動する。前記アーム部材には、前記光学読取装置の内側方向に作用する弾性部材(例えば、バネ15)が取り付けられているため、前記用紙と前記押付部材間にフィルム用紙があった場合、外側方向に働く力と内側方向に働く力によって、前記押付部材と該フィルム用紙には摩擦が発生し、前記押付部材によってフィルム用紙は左右に伸ばされ、フィルム用紙は平坦化される。
【0008】
よって、該フィルム用紙が透明フィルムの場合、透明フィルムは左右に伸ばされるため、透明フィルムにおける光の乱反射を抑制でき、文字やコードを確実に読み取ることができるようになる。
【0009】
また、該フィルム用紙がグラシン紙の場合、グラシン紙が左右に伸ばされることで、該用紙とグラシン紙間に隙間がなくなるため文字やコードを確実に読み取ることができるようになる。
【0010】
更に、第2の発明は、第1の発明に記載の光学認識装置であって、前記押付部材が前記用紙に押圧されていないときは、一対の前記アーム部材のハの字形状に規制し、前記押付部材が前記用紙に押圧されたとき、前記光学認識装置の光学系の焦点が前記用紙の表面に合う位置に、前記アーム部材の回動位置を規制する回動規制手段を備えていることを特徴とする光学認識装置である。
【0011】
上述した第2の発明によれば、前記回動規制手段を前記光学認識装置に備えさせることで、前記押付部材を前記用紙に押し付けると、一対の前記アーム部材のハの字形状が開き、そのまま押し付けると、前記光学認識装置の光学系の焦点と前記用紙の表面に合う位置で止まるため、前記光学認識装置の操作勝手を良くすることができる。
【0012】
更に、第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の光学認識装置であって、前記アーム部材の先端に取り付けられた前記押付部材は、該先端に回動自在に軸支されたローラであることを特徴とする光学認識装置である。
【0013】
上述した第3の発明によれば、前記押付部材をローラとすることで、前記用紙と光学認識装置間に存在するフィルム用紙を前記押付部材が伸ばすときに、該フィルム用紙のこすれ傷やしわの発生を防止できる。
【0014】
更に、第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか一つに記載の光学認識装置であって、前記光学読取装置の正面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材と、前記光学認識装置の側面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材を備えていることを特徴とする光学認識装置である。
【0015】
上述した第4の発明によれば、前記光学読取装置の正面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材と、前記光学認識装置の側面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材を前記光学認識装置が備えることで、前記用紙と光学認識装置間に存在するフィルム用紙は上下左右に伸ばされるため、文字やコードをより確実に読み取ることができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、窓付き封筒に封入封緘された用紙に印刷された文字やバーコードを読み取るときなど、文字やバーコードなどが印刷された用紙上に透明または半透明なフィルム用紙がある場合でも、文字やバーコードを確実に読み取ることができる光学読取装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここから、本実施形態における光学認識装置1について説明する。図1は、本実施形態における光学認識装置1の外観図、図2は、本実施形態における光学認識装置1の内部構造を説明する図、そして、図3は、本実施形態における光学認識装置1の作用を説明する図である。
【0018】
図1に図示したように、本実施形態における光学認識装置1には、一般的なハンディスキャナやバーコードリーダのような光学認識装置1で、光学認識装置1の中心線を基準とし左右対称に、本発明に係わるアーム部材として機能するアーム10が一対備えられ、それぞれのアーム10の先端には、本発明の押付部材として機能する押付ローラ11が軸支されている。
【0019】
図2に図示したように、それぞれのアーム10は、光学認識装置1の本体の開口部近傍に支軸12を中心として回動自在に軸支され、それぞれのアーム10の先端には、支軸13を中心として回動自在に押付ローラ11が取り付けられている。
【0020】
更に、光学認識装置1には、図示していない光源の反射光が受光面17に入射するのに邪魔にならないように、アーム10の回動に合わせて曲率が設計されたカーブ状のガイド14が本発明に係わる回動規制手段として設けられ、押付ローラ11の反対側のアーム10の端には、光学認識装置1の内側方向にアーム10を押し、アーム10の回動に応じて伸縮する弾性部材であるバネ15に加え、ガイド14上をスライドするローラ16が取り付けられている。
【0021】
アーム10が回動したときに、押付ローラ11とは反対側に端に取り付けられたローラ16がガイド14上をスライドすることで、アーム10の回動量はガイド14によって規制され、押付ローラ11が読取対象物に押圧されていない状態では、上述したバネ15の作用によって、アーム10の位置は状態Aに保持され、バネ15の力よりも強い力で押付ローラ11が読取対象物に押圧されると、アーム10の位置が状態Bになるまで、アーム10はガイド14に沿って回動し、アーム10の位置が状態Bになったとき、焦点が読取対象物の表面に合うように光学認識装置1の光学系は設計されている。
【0022】
図3は、読取対象物を窓付き封筒2としたときの図で、図3(a)は押付ローラ11が窓付き封筒の窓部に押圧されていない状態の図で、図3(B)は、バネ15の力よりも強い力で押付ローラ11が窓付き封筒2の窓部に押圧された状態の図である。
【0023】
図3(a)の下面図に図示したように、押付ローラ11が窓付き封筒2の窓部に押圧されていない状態では、光学認識装置1に備えられたバネ15の作用によって、一対のアーム10はハの字形状に保持され、押付ローラ11によって光学系の受光面17の一部が覆われている。
【0024】
図3(b)の下面図に図示したように、窓付き封筒2に封入封緘された用紙21に印刷された文字やコードを光学認識装置1で読み取るときは、バネ15の力よりも強い力で押付ローラ11が窓付き封筒2に押圧されることで、アーム10がガイド14に沿って回動し、押付ローラ11は光学認識装置1の外側に開き、光学系の受光面17の全面が現れる。
【0025】
また、バネ15の力よりも強い力で押付ローラ11が窓付き封筒2に押圧されるとき、押付ローラ11が外側に開く力(F1)と、図3(b)の光学認識装置1のバネ15の作用によって生じ、押付ローラ11が内側に戻る力(F2)とによって、押付ローラ11と窓付き封筒2の窓部に設けられたフィルム用紙20間に摩擦が生じ、押付ローラ11にはフィルム用紙20を左右方向に押拡する作用が生じる。
【0026】
例えば、フィルム用紙20として透明フィルムが窓付き封筒2に貼られている場合、該作用によって、該透明フィルムは押付ローラ11によって左右に伸ばされるため、乱反射せずに光が該透明フィルムを透過し、窓付き封筒2に封入封緘された用紙21に印刷された文字やバーコードを確実に読み取ることができるようになる。
【0027】
また、フィルム用紙20としてグラシン紙が貼られている場合、該作用によって、グラシン紙は押付ローラ11によって左右に伸ばされ、窓付き封筒2に封入封緘された用紙21とグラシン紙間の空間が無くなるため、窓付き封筒2に封入封緘された用紙21に印刷された文字やコードを確実に読み取ることができるようになる。
【0028】
なお、本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、これまで説明した実施形態においては、光学認識装置1は、先端に押付ローラ11が取り付けられたアーム10を一対備えていたが、読取対象物に対して光学認識装置に左右に開くアーム対と上下にアーム対を備えさせることで、透明フィルムや半透明フィルムの先にある用紙に印刷された文字やコードをより読み取り易くすることができる。
【0029】
図4は、2対のアームを備えた光学認識装置100を説明する図で、図4(a)は、押付ローラ11が読取対象物に押圧されていない状態の図で、図4(b)は、押付ローラ11が読取対象物に押圧された状態の図である。
【0030】
図4で図示したように、光学認識装置100には、光学認識装置100の正面から見たとき左右方向に開くアーム110の対と、光学認識装置100の側面から見たとき左右方向に開くアーム110の対の合計2対のアーム110が備えられている。
【0031】
2対のアーム110を光学認識装置100に備えさせるとき、それぞれのアーム110の対を光学認識装置100に取り付ける構造は図2で説明した構造と同じで、アーム110の対が互い干渉しないように、図2で説明した構造に従いそれぞれのアーム10の対が光学認識装置1に取り付けられる。
【0032】
図4(b)に図示したように、一対のアーム10の先端に取り付けられた押付ローラ11は、左右方向に読取対象物を伸ばし、他対のアーム10の先端に取り付けられた押付ローラ11は、該左右方向とは直角の方向に窓付き封筒2の窓部に設けられたフィルム用紙20を伸ばす。
【0033】
よって、フィルム用紙20は上下左右に伸ばされることになり、よりフィルム用紙20は平坦化されるため、透明フィルムやグラシン紙などのフィルム用紙20の先にある用紙21に印刷された文字やコードをより確実に読み取ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】光学認識装置の外観図。
【図2】光学認識装置の内部構造を説明する図。
【図3】光学認識装置の作用を説明する図。
【図4】アーム対を2つ備えた光学認識装置を説明する図。
【符号の説明】
【0035】
1、100 光学認識装置
10、110 アーム
11、111 押付ローラ
14 ガイド
15 バネ
2 窓付き封筒
20 フィルム用紙
21 用紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印刷された文字或いはコードを読み取る光学認識装置であって、前記光学認識装置の本体に回動自在に軸支され、前記光学認識装置の中心線を基準とし左右対称に設けられる少なくとも一対のアーム部材と、前記アーム部材の先端に取り付けられる押付部材と、前記アーム部材を内側方向に作用させる弾性部材を備えていることを特徴とする光学認識装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学認識装置であって、前記押付部材が前記用紙に押圧されていないときは、一対の前記アーム部材のハの字形状に規制し、前記押付部材が前記用紙に押圧されたとき、前記光学認識装置の光学系の焦点が前記用紙の表面に合う位置に、前記アーム部材の回動位置を規制する回動規制手段を備えていることを特徴とする光学認識装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光学認識装置であって、前記アーム部材の先端に取り付けられた前記押付部材は、該先端に回動自在に軸支されたローラであることを特徴とする光学認識装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の光学認識装置であって、前記光学読取装置の正面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材と、前記光学認識装置の側面から見て左右対称に設けられた一対の前記アーム部材を備えていることを特徴とする光学認識装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−79352(P2010−79352A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243786(P2008−243786)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】