説明

光学読取装置撮像モジュール

【課題】良好な性能の撮像モジュール。
【解決手段】 ある実施例の撮像モジュール(10)は、プリント回路基板(14A)と、該プリント回路基板に電気的に接続された画像センサと、少なくとも1つの光学素子を支持するための支持アセンブリ(80)と、対象上に照射パターンを生成するための照射システムとを具備している。前記照射システムは、照射光源と、前記照射光源からの光を拡散させるための拡散器とを備えることができる。前記モジュールは、照準光源と、前記照準光源からの光を絞るための開口と、対象領域に照準パターンを投影するための光学素子とを有する照準システムをさらに具備することができる。照射システムと照準システムの一方または両方が、鏡やプリズムなどの光変向素子を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
このPCB出願は、以下の8つの非仮出願および仮出願:(1)“屈折型拡散器を備えた光学読取装置用の撮像モジュール”というタイトルで2001年3月8日に出願された米国非仮出願第09/802,579号、(2)“データ収集小型撮像モジュールおよび照準装置”というタイトルで2001年6月26日に出願された米国仮出願第60/301,036号、(3)“多色光学読取装置の照射”というタイトルで2001年10月5日に出願された米国仮出願第60/327,249号、(4)“データ収集小型撮像モジュールおよび照準装置”というタイトルで2001年9月11日に出願された米国仮出願第60/322,776号、(5)“導電性支柱を備えた光学読取装置”というタイトルで2001年10月12日に出願された米国仮出願第60/328,855号、(6)“位置合せ素子を備えた光学読取装置モジュール”というタイトルで2001年11月9日に出願された米国仮出願第60/345,523号、(7)“光学読取装置撮像モジュール”というタイトルで2002年3月7日に出願された米国非仮出願第(出願番号未定、事件番号283-309.11)号、(8)“多色照射を備えた光学読取装置”というタイトルで2002年3月7日に出願された米国非仮出願第(出願番号未定、事件番号283-309.12)号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的には光学読取装置に関し、さらに詳細には光学読取装置用の撮像モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
大部分の画像信号生成データ収集装置は、対象領域を照射するための内蔵照射素子が必要である。内蔵照射素子およびこれらの素子を支持する構造部材は、かなりのスペースを消費する。レーザスキャナベースの撮像モジュールは、ますます小さなサイズで入手可能となってきている。シンボルSE900撮像モジュールは、小型のレーザベース画像撮像モジュールの一例である。SE900の外観プロファイルは、約0.81インチ幅(“x”)×0.45インチ高(“y”)である。
【0004】
しかしながら、レーザベースの撮像モジュールでは幾つかの問題点が指摘されてきた。第1に、レーザベースの撮像モジュールは、2次元画像を取込むのに好適ではなく、従って2次元マトリックスバーコードやOCR文字などのような、あるタイプの2次元証印を復号するシステムでは使用することができない。既存のレーザベースの撮像モジュールはPDF417などのスタック型2次元シンボルを読取るが、一般には2次元画像の取り込みには適していない。レーザスキャナベースの画像エンジンを2次元画像取込みに適合させようという試みは、不調に終わっている。レーザスキャン2次元画像エンジンは、低解像度の画像信号を生成するが、費用がかかりスペースを消費するものであると考えられてきた。レーザベースのバーコードに関して指摘される別の大きな問題は、耐久性の欠如である。レーザスキャンエンジンモジュールは、精緻に搭載される可動ミラーを要する。ミラー搭載構造は、モジュールを内蔵しているハウジングの突然の衝撃によって簡単にずれたり壊れたりする。レーザスキャナベースの撮像モジュールの機械的な複雑さは、該モジュールが2次元画像信号を生成しなければならない場合に著しく増加する。
【0005】
2次元証印を読取ることができず、かつ壊れやすいというレーザスキャナ撮像モジュールに関する重大な問題にも関わらず、データ形式読取機器のユーザの中には、これらのモジュールの示す幾つかの利点に関心を持ち続けている者もいる。まず、上述したように、レーザスキャベースの撮像モジュールは、その限られた機能性のために、サイズおよび重量の小さいパッケージに簡単に作ることができる。第2に、ユーザの中には、レーザスキャナベースの撮像モジュールによって対象上に投影されるすっきりと鮮やかな照準および照射パターンに肯定的に反応する者がいる。レーザスキャナベースの撮像モジュールは、対象の上に平行化された狭い光線を投影する。この光線は、照準線を定義するために走査される。前記の線が良好に定義されているので、ユーザは対象領域内における読取すべき証印上にスキャンラインを簡単に配置することができる。撮像モジュール照準パターンの位置決めは、対象証印に“照準を定める”と言われることもある。
【特許文献1】米国特許第5850078号明細書
【特許文献2】米国特許第5763864号明細書
【特許文献3】欧州特許第1079466号明細書
【特許文献4】独国特許発明第1240149号明細書
【特許文献5】独国特許発明第1233038号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その主要な側面に従って大まかに述べると、プリント回路基板と、前記プリント回路基板に電気的に接続された画像センサと、少なくとも1つの光学素子を支持するための支持アセンブリと、対象上に照射パターンを生成するための照射システムと、を備える撮像モジュールである。前記照射システムは、照射光源と、該照射光源からの光を拡散するための拡散器とを備えることができる。このモジュールは、照準光源と、前記照準光源からの光を絞るための開口と、照準パターンを対象領域に投影するための光学素子とを有する照準システムをさらに備えることができる。モジュールのサイズを小さくするために、照射システムと照準システムの一方または両方が、ミラーまたはプリズムなどの光変向素子を備えることができる。
【0007】
別の側面によれば、撮像モジュールは、撮像モジュールの様々な構成要素を支持するための支柱を備えることができる。このモジュールは、画像センサを担持する第1の回路基板と、少なくとも1つの光源を担持する第2の回路基板と、第1の回路基板と第2の回路基板の間に挿置される支持アセンブリと、幾つかの支柱を収容するための、前記第1の回路基板、第2の回路基板、及び支持アセンブリのそれぞれにおいて位置合せされた柱穴とを備え、これらの支柱は、柱穴に収容されると2つの回路基板の間に挿置された支持アセンブリを含む構造を支持するものである。前記支柱は、第1の回路基板と第2の回路基板の間に付加的な電気的コネクタを提供する必要がなくなるように、導電性とすることができる。
【0008】
別の側面において、撮像モジュールは、光源と、開口と、前記開口よりも光学的に前方に位置する光学素子とを備えた照準システムを組み込むことができ、該照準システムは広範囲の距離にわたって対象上に切れのよい鮮明な照準パターンを投影する。ある実施例では、レンズ開口効果により、照準パターンが光学的にフォーカスされるとはいえない距離を含む、様々な範囲の距離にわたって切れのよい鮮明な照準パターンを得るように照準システムが構成される。別の実施例では、照準システムは、切れのよい鮮明な照準パターンが幅広い範囲の距離にわたって定められるような態様で、狭い開口から出る光が結像されるように構成される。ある実施例における照準パターンは、対象証印に照準を定めるのに有効な、鮮明に定義された横方向の縁を有している。
【0009】
さらに別の側面において、本発明のモジュールは、光源から放射される全体の色を制御・変更できるようにそれぞれ単独で駆動可能な複数の異なる色のLEDダイからなる少なくとも1つの多色発光源を備えることができる。多色発光源は、光源から放射される色が、モジュールの現在の適応環境における撮像および読取に合わせて最適化されるように制御することができる。さらにこのモジュールは、多色発光源の制御が、モジュールの視野の色、モジュールから対象までの距離、及び/又は所定の基準が満たされていてフィードバックがユーザに供給されるているなど、検知された状態に応じて自動的に変化するよう構成することができる。モジュールは、さらなる側面において、異なる波長の発光帯域の光を投影する照射光源および照準光源を備えることができる。
【0010】
本発明の構成によって可能となる実質的なサイズの縮小に伴って、レンズアセンブリと画像センサとの位置決めが、モジュールの性能に対して大いに影響を与える可能性がでてくる。従って、本発明による撮像モジュールは、レンズアセンブリの位置を画像センサの位置に対して細密調整できるようになされることができる。本発明による保持器・レンズアセンブリは、レンズアセンブリが保持器内において摺動自在に受け入れられるように相補形に構成されている。保持器は、その側壁に2つの開口が画定されている。第1の開口は、保持器内のレンズアセンブリの位置を細密調整する際に用いられる固定ピンを収容する。第2の開口は、レンズアセンブリを保持器に対して接着剤で接合するための接着性物質を受け入れる。接着性物質はさらに、第1の開口に添加してもよい。
【0011】
本発明のさらなる側面において、本発明によるモジュールは、改良された構成を有する照準および照射光源を備えることができる。モジュールに組み込まれた光源は、光源の一部がプリント回路基板によって定義される表面実装LEDを備えることができる。モジュールにおいて表面実装LEDを使用することにより、少なくとも1つの面においてモジュールの寸法を実質的に低減するよう適切に構成する。モジュールは、付加的な位置合せ部材または位置合せ支援アセンブリステップなしで、プリント回路基板に対してしっかりとベンチングされてLEDの厳密な位置合せを実現する、側面リード型表面実装LEDを組込むこともできる。
【0012】
本発明のさらに別の側面において、本発明によるモジュールは、モジュールの温度を下げるための1つ以上の放熱構造を備えることができる。別の側面では、モジュールの支柱は、モジュールの部材を構造的に支持し電気的に接続すること以外の目的で使用される。支柱は、取り付けられるとモジュールの一部とみなされる付加的な構造部材(例えばPCB、光学板、放熱構造)を取付けるために利用することができる。支柱は、ハウジング内部部材に、またはモジュールを取り付け可能な別の部材上にモジュールを搭載、支持、または安定化する際に使用することもできる。モジュールは、少なくとも1つの従来の構成要素を無くすよう製造されてモジュールのさらなるサイズ低減を実現させる“非パッケージ”画像センサをさらに具備することができる。モジュールのさらに別の側面では、フレキシブル回路基板を備えることができ、これによってモジュールの形状を変更して、モジュールを様々なキャビティ形状に適合可能とすることができる。モジュールはまた、光源からの光を対象領域に向けるための光管も備えることができる。
【0013】
本発明によるモジュール構成で達成可能な大幅な小型化により、モジュールは、小型の機器または装置ハウジングに容易に取り付け可能とされて、その中にモジュールが実装された光学読取装置となる。本発明によるモジュールは、例えば、ピストル型読取装置ハウジング、携帯情報端末(PDA)、ポータブル・データ・ターミナル(PDT)、携帯電話、計算機、腕時計、指装着型“リングスキャナ”、ペンなどの筆記具、及び数々の他の装置に取り付けることができる。
【0014】
本発明のこれら及び他の側面については、以下に列挙した図面、及び本発明の詳細な説明を参照して本明細書中でさらに詳しく説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の説明は、以下の8つの標題、すなわち(A)一般的な撮像モジュール構成および組立、(B)照射システム、(C)照準システム、(D)照射装置構造、(E)照射/照準発色の制御および調整、(F)受光光学部品、(G)素子の実装、(H)適用例、動作環境、及び制御回路の機能性、に分けられる。上記の標題は本明細書中で議論される様々な論題を大まかに分けることのみを意図したもので、本発明の幾つかの特徴に関する記述は、場合によっては1つ以上の標題に含まれるということは理解されるであろう。
【0016】
A.一般的な撮像モジュール構成および組立
本発明による撮像モジュールの第1の実施例が、図1aないし図1gに示されている。撮像モジュール10(10−1)は、通常は画像センサチップによって提供される画像センサ32及び照準光源18を担持している第1の回路基板14aと、照射光源16を担持している第2の回路基板14bとを具備している。第1および第2の回路基板14aおよび14bは、支持アセンブリ80によって支持されている。モジュール10−1の支持アセンブリ80は、画像センサ32を格納するための格納部81と、レンズアセンブリ40を保持するための一体型保持部82とを具備している。モジュール10−1の支持アセンブリ80は第1の回路基板14aと第2の回路基板14bと共に、支柱84を受けるための柱穴83を有している。モジュール10−1はさらに4本の支柱84を具備し、その各々が第1の回路基板14a、支持アセンブリ80、および第2の回路基板14bを貫通して、モジュールの様々な構成要素を結合するのを助けている。撮像モジュール10−1は、様々な発光光学素子を担持する光学板26をさらに具備している。モジュール10−1の光学板26は、画像センサ32の視野に対応する対象領域の上にほぼ均一な照明パターンを展開するのを助けるための照射光学部品27、28(図1n参照)と、対象領域に照準パターンを投影するを助けるための照準光学部品25を具備している。第2の回路基板14bと光学板はいずれも、それらが支持アセンブリ80の方に移動された場合に保持部82を収容するための中央開口836、837を具備している。上述した構成により、撮像モジュールの実質的な小型化が得られる。モジュール10−1は、約0.810インチの幅寸法、約0.450インチの高さ寸法、および約0.560インチの奥行寸法を有することができる。モジュール10−1の照準および照射光源16、18は、側部に延在するリード線を有する、すなわち“ガルウイング型の”表面実装・背面ベンチLEDによって提供される。
【0017】
撮像モジュール10−1のさらなる側面について、図1hないし図1nを参照して説明する。図1hには、組立て前の状態のモジュール10−1の構成要素を図示する組立図が示されている。図1hから、第1の回路基板14aが画像センサチップによって提供される画像センサ32と、LEDによって提供される一対の照準光源18とを担持していることが分かる。モジュール10−1の支持アセンブリ80は格納部81を備えており、これは図1kの内面図に最もよく示されているように、画像センサ32を格納するための格納部を提供して画像センサの損傷を防ぎ、漂遊光線が画像センサ32に届かないようにしている。支持アセンブリ80はさらに、レンズアセンブリ40を保持するための一体型保持部82を具備しており、これについては明細書中でさらに詳細に説明する。支持アセンブリ80のさらなる側面について言及すると、モジュール10−1の支持アセンブリ80は、先に述べた柱穴83がその中に形成されている一体型ストラット80stと、照準パターンの形成を助けるための開口43とを備えており、これについては明細書中でさらに詳細に説明される。さらに、図1iに示されるように、支持アセンブリ80は、携帯型光学読取装置ハウジング、PDA、PDT、あるいは携帯電話などの内部に配置された部材など、モジュール10−1の外部部材に撮像モジュール10−1を取り付けるのを助けるための一体型取付ウイング80wを具備することができる。第2の回路基板14bと光学板26はそれぞれ、保持器82を収容するための中央開口836、837を備えている。取付ウイング80wは、取付ねじを受け入れるためのねじ穴810を備えている。ねじ穴810は、図1hに表示されているように支持アセンブリ本体に設けることもできる。図1iの実施例における支持アセンブリ80は、収容部81、保持部82、ストラット80st、照準開口43、および取付ウイング80wからなる一体型ユニットである。
【0018】
図1h、1j、1k、1Lをともに参照すると、プリント回路基板14a、支持アセンブリ80、プリント回路基板14b、および光学板26のそれぞれが、隣接する1つまたは複数の構成部品の相補形キー構造と噛合する複数のキー構造を有していることが分かる。特に、第1の回路基板14aは、支持アセンブリ80のくさびピン814を受ける一対のキー開口812を具備している。支持アセンブリ80の前方端部816もまた、くさびピン820を具備しており、該ピンは第2の回路基板14bのキー開口822によって噛合するよう受け入れられる。第2の回路基板14bは、光学板26のくさび側方ピン830を受けるための側方キー開口826と、光学板26のくさび中央ピン840を受けるための中央キーホール834とをさらに具備している。図1jおよび図1iに最もよく示されているくさび中央ピン840は、プリント回路基板14bのキーホール834をまっすぐ貫通し、支持アセンブリ80のキーホール842によって受けられる。ここで説明された様々なキー構造は、モジュール10−1の様々な構成部品を適切に位置合せするのを助け、これらの構成部品を組立てた後の、モジュール10−1の構成部品間のXY面におけるずれ量を大幅に減少させる。モジュール10−1は、モジュール10−1の構成部品間において適切なZ方向離間を得られるようにする素子をさらに具備している。図1hに見られるように、支持アセンブリ80は、支持アセンブリ80を第2のプリント回路基板14bと適切に離間するのを助けるための一対の上部および底部一体型スペーサリッジ846を具備している。支持部80の開口画定部材848は、アセンブリ80と基板14bの間を適切に離間するのを助けるように、隆起されて平らにされている。光学板26もまた、様々な離間支援部材を備えている。詳細に述べると、光学板26はスペーサリング852とスペーサリッジ854を具備している。スペーサリング852とスペーサリッジ854は、光学板26をプリント回路基板14bの方に押した場合に板26と基板14bの間に適切な離間が得られるようなサイズおよび構成とされている。モジュールの構成要素間の適切なZ方向離間は、支柱リングスペーサの使用、および/または後に述べるステップの助けにより実行することができる。モジュール10−1のさらなる側面について言及すると、板28は、LED16を受ける空洞部857を備えている。LED16を受けることによって、空洞部857はモジュール10−1の奥行寸法をさらに減少させる。ここで述べた撮像モジュールは大抵の場合、二次元画像センサを支持するものとして示されるが、本明細書に記載される撮像モジュールの構成は1D画像センサを支持するためのにも有効であることは理解されるであろう。
【0019】
本発明による撮像モジュール10−1の変形例が図2aに示されている。モジュール10−1と同様に、図2aないし図2cの実施例におけるモジュール10−2は、支持アセンブリ80、第1の回路基板14a、第2の回路基板14b、および上記の構成要素を構造的に支持するための支柱84を具備している。しかしながらモジュール10−2は、モジュール10−1のようにレンズプレート26を備えるものではない。さらに、モジュール10−1とは異なり、モジュール10−2は表面実装LEDを備えており、LEDのダイはプリント回路基板に直接付着されている。図2a〜図2dに示されるモジュール10−2の照準LED18および照明LED16は、表面実装LEDによって提供される。図2aの実施例における支持アセンブリ80は、バレル型保持部82と、格納部81とを具備している。保持部82は、レンズバレルに組み込まれる単一素子または多素子結像レンズを具備することのできるレンズアセンブリ40を保持している。格納部81は画像センサ32を格納しており、これについては本明細書中でさらに詳細に説明する。支持アセンブリ80は、プリント回路基板14aおよび回路基板14bをベンチングできるストラット80stをさらに具備している。アセンブリ80のストラット80stはモジュール10−1と同様に、アセンブリ80の残りの構成要素と一体に形成されることができる、あるいはストラット80stはモジュール10−2に示すようにアセンブリ構成要素、例えば81および82とは別個に形成してもよい。モジュール10−2は、本明細書に記載されるように光学板26が無いものとして図示されている。光学板26によって提供される機能は、モジュール10−2に組み込まれていない部材(読取装置ハウジング111の部材など)によってその全部または一部を提供されることができる、あるいは光学板26の機能は、明細書中で後に説明するようにその全部または一部をモジュールの光源16、18に直接的に組み込んでもよい。
【0020】
モジュール10のさらなる変形例が図2eおよび図2fに示されている。図2eの実施例では、撮像モジュール10−3は、図1a(モジュール10−1)や図2a(モジュール10−2)に示す第1および第2PCBの代わりに、単一のPCB14aを具備している。表面実装される照準LED18および照射LED16はPCB14の前方面14a−fに取り付けられ、処理回路、例えば制御回路140、またはその一部はPCB14aの後方面14a−rに取り付けられている。図2eの実施例における格納部81およびレンズバレル40を保持するための保持部82を備えた支持アセンブリ80は、図2fに示したのと同様の全体構成アセンブリ80を有することができる。
【0021】
本発明による撮像モジュールの別の変形例が図2fに示されている。図2fに示すモジュール10−4(10)の実施例において、支柱84は、モジュール10の構成部品を固定するためにPCBと支持アセンブリ80のねじ穴83tにねじ込まれる、ねじ山付きねじ84tによって置き換えられている。表面実装照射および照準LED16、18を有するPCB14bは、一対のPCB14b1及び14bを背面実装されたPCBとすることができる平面部材14pの図示される組合せによって置き換えることができ、PCB14b1と14b2はそれぞれ本明細書中に記載されるような表面実装照射LED16と表面実装照準LED18を具備していることがさらに分かる。もちろん、明細書中で図示し説明した表面実装LEDのいずれかを、例えば、明細書中に記載されるような従来のリード型LED、表面実装LED、側面リード型表面実装LEDに置き換えてもよい。
【0022】
図2gの実施例において、モジュール10−5は、モジュール10−1と同様に、回路基板14bの前方に搭載され、支柱84で支持された光学板26を具備している。図2gのモジュール10−5に具備されるようなタイプの光学板26について、図5d、5e、及び5fを参照して明細書中でさらに詳細に説明する。図2gに示すような光学板26は、複数の概ね円柱のマイクロレンズ及び相互接続部を具備することができ、これについては図5dないし図5fを参照してさらに詳細に説明される。図2gに示す光学板26は、円柱レンズ25cによって提供される照準光学部品25をその内部に組み込むこともできる。後でさらに詳細に説明するように、例えば図1h、1g、1m、6m、及び6qに示すような開口43を照準LED18の前方に設けることができ、例えばレンズ25は、照準線または他の照準パターンが対象領域T上に投影されるように、開口を通る光が対象領域T上で結像するように構成されることができる。図2gの実施例の光学板26は、図1aのモジュール10−1に示すように、各照射LED用の個別の拡散器27を有する光学板と置き換えることができる。明細書の他(例えば図1n、2o、及び図5gないし図5k)で説明するように、光学板26は、対象領域Tの角に光を向けるための、光入射面または出射面上に形成されたウェッジ28を有することができる。
【0023】
撮像モジュールの別の変形例が図2hに示されており、図2hのモジュール10−6(10)によって示されるように柱84をさらに延長することによって、支柱穴83を組み込んだ付加的な部材を撮像モジュール10に実装することができる。例えば、モジュール10−1またはモジュール10−6の光学板26に組み込まれる光学部品は、1つ以上の部材にわたって分散されることができる。モジュール10−6に示されるように、第1の光学板26、860は拡散器27などの照射光学部品を担持することができ、第2の光学板26、862は円柱レンズ25などの照準光学部品を担持することができる。後にさらに詳細に説明するように、拡散器27は、例えば屈折型光学素子マイクロレンズ、回折型レンズ、または負レンズのような任意の適切なタイプとすることができる。モジュール10−6は、モジュール10上に積み重ねられた付加的な前方部材862に加え、付加的な後方部材14pを具備している。付加的な後方部材14pは、例えば、モジュール10−6の温度を下げるために用いられる放熱板として用いられる、熱は通すが電気的に絶縁された部材などとすることができる、あるいは部材14pは、例えば付加的な回路構成要素を担持するためのプリント回路基板とすることができる。
【0024】
モジュール10−6のさらなる側面を参照すると、モジュール10−6の支柱84は、リングスペーサ84rを具備している。リングスペーサ84rは支柱84に一体化されることができる、あるいはリングスペーサ84rは、支柱84に嵌合可能なプラスチックスリーブからなるものでもよいし、あるいはシングスペーサ84rは、支柱84pに機械加工されたスロットにスナップ嵌合される部材からなるものであってもよい。リングスペーサ84rは、モジュール10の積層される部材を適切に離間させるのを助ける。例えばモジュール10−1、10−2、10−5、および10−6の支柱84に主に関連する本発明の特徴について、ここで詳細に説明する。モジュール10−1を参照して説明された各ストラット80stには、支柱84を収容するための支柱穴83が形成されている。上記の柱格納モジュールのいずれにおいても、各支柱84は、対応する柱穴83に摩擦嵌めされるが実質的に摺動可能とすることができる。代替例では、各支柱84は、対応する穴83の内部にしっかりと取り付けることもできる。支持アセンブリ80は、支柱84pをアセンブリ80に対してしっかりと固定するために、支柱84pにオーバーモールドすることもできる。回路基板14a及び14bもまた、支柱84pを収容するための柱穴83を有している。回路基板14a及び14bの穴14hは、明細書中でさらに詳細に説明されるように、支柱84hに対して、穴14hがモジュール10a−1の様々な構成要素を適切に位置合せするのに役立つように形成される。ストラット80stは非常に有効であることが分かっているが、モジュール10のサイズを小さくするためにストラット80stを取り除くこともできることが分かる。図1vの実施例では、一体化された長型ストラット80stを有する支持部80が示されている。長型支柱80stは、例えばストラット80stが柱84にオーバーモールドされ、ストラット80st内の固定位置に支柱をしっかりと固定することが望ましい場合に有益であろう。
【0025】
モジュール10を組み立てるための一方法によれば、支柱84は、アセンブリ80から外方向に延在するように支持アセンブリ80の様々な穴に挿入される。それから、プリント回路基板14a及び14bは、回路基板14a及び14bの柱穴83が支柱84を収容するように、支柱84pの露出した部分の上に置かれる。本発明のある実施例では、画像センサを担持する回路基板14aの支柱穴83は、支柱84の直径よりかなり大きくすることができる。回路基板14bの穴83を支柱84よりかなり大きくすれば、回路基板14aをアセンブリ80のある位置に固定する前に、回路基板14aの位置をX、Y、およびZ方向において支持アセンブリ80に対して細かく調整することができるようになる。穴83が支柱84よりもかなり大きくされている場合、回路基板14aは、アセンブリ80に対して回路基板14bを固定する前に、アセンブリ80に対するある位置に動かしながら傾斜させたり回転移動させたりできる。モジュール、例えば10−1、10−2、10−5、及び10−6を組み立てる人は、ビデオモニタを利用して位置合せ処理に役立てることができる。モジュール10は、ビデオモニタ、例えば“証印制御画像解析モードを有する撮像装置”というタイトルで2001年9月17日に出願され、参照によって本明細書に引用される出願第09/954,081にさらに詳しく説明されているようなホストコンピュータシステム(例えばパーソナルコンピュータ)ビデオモニタに表示可能な画像を取り込むように作動されることができる。モジュール10は、高精密印刷証印を備える対象物(例えばドル紙幣)の画像を取り込むようになされてもよく、ユーザは、モニタに表示された表示画像が良好なものとなるまで、組立て中のモジュールの構成要素を調整することができる。アセンブリ80に対する回路基板14aの固定は、はんだを用いて行うことができる。回路基板14aの支柱穴83が、幾つかの限られら側面においては支柱84と同様に作動する支持構造よりもかなり大きく作られている実施例に関する更なる説明は、“光学および画像センササブアセンブリの位置合せおよび取付方法”というタイトルで1999年5月17日に出願され、参照によって本明細書に引用される同時係属中の出願第09/312,479号で述べられている。画像センサ32の位置をレンズアセンブリ40に対して細かく調整する必要がない場合は、回路基板14aの柱穴83は、支柱84に対して摩擦嵌めされるのに都合のよいサイズとされる。
【0026】
本明細書中に記載される支柱84を具備するモジュールの更なる側面について言及すると、支柱84は導電性にされて、支柱84が第1の回路基板14aと第2の回路基板14bの電気回路間に電気通信を確立するようにモジュール10内に配置されるのが好ましい。回路基板14bは照射LED16と、ある場合には照準LED18を具備し、動作するためにはいずれも電力が必要である。回路基板14aは、後に明細書中で説明するように、画像センサ32と、ある場合には照準LED18と、画像センサ32に関連した何らかの電気回路とを担持している。画像センサ32に関連する処理回路は、回路基板14aの前面14a−f及び/または背面14a−r上に取り付けることができる。支柱84が構造的な支持と、第1および第2の回路基板14a及び14bの回路構成要素間における電気通信の両方を提供するようにモジュール10を構成することによって、空間節約という重要な利点が得られ、さらに構造的な支持と電気通信を得るために別々の構造部材(例えば、基板14aと基板14bとの間を接続するためのフレックス接続などを含む)をモジュール10に配置する場合に予想されるよりも、モジュール10を小さくすることができる。
【0027】
柱格納モジュール、例えば10−1、10−7と共に使用しうるタイプの支柱のさらなる側面について、図1rに示す支柱84の分解組立図を参照して説明する。図1rの実施例における支柱84は、突刺部890と、段s1、s2、及びs3によって画定される段状パターンと、別の支柱84の段s3が開放端894に摩擦嵌めまたは滑り嵌めできるようなサイズにされた開放端894を有する先端部892とからなる。
【0028】
支柱84の突刺部890は、接着性物質やはんだなど何らかの外部固定剤を用いることなく、モジュール、例えば10−1の組立ての際に光学板26のある位置に支柱84を摩擦保持できるようにする。
【0029】
段s1、s2、及びs3によって規定される支柱84の段状パターンによって、モジュール、例えば10−1の何らかの構成要素にスペーサ要素を設ける必要がなくなる。もちろん、段、例えばs1、s2、及びs3は、スペーサ、例えば878と組み合わせて使用することもできる。図1oを参照すると、開口板610は、第1および第2の段s1とs2の間のリッジr12に対してベンチングできることが分かる。さらに、図2iないし図2kを参照すると、付加的なPCB14cまたは他の構造を、支柱84pの第2および第3の段s2及びs3の間に画定された支柱84のリッジr23に対してベンチングできることが分かるであろう。
【0030】
読取装置110において必要な回路構成要素の全て、または本質的に全て、あるいはほぼ全てが単一のPCB、例えばPCB14bに担持されるように、PCB14bが高度に集積された回路構成要素を具備しているのが好ましいことを本明細書において後で説明する。しかしながら、付加的なスペースが利用可能な適用では、回路構成要素の全体的なコストを下げるために、読取装置110に大きな回路構成要素を低集積度で実装し、回路基板を担持する1つ以上の大きな回路構成要素上に回路構成要素を分散させるのが望ましいかもしれない。支柱84は、特に図1rに示すように構成された場合、回路の構成要素が幾つかの基板にわたって分散され、モジュールがそれでもコンパクトで概ね立方の構造を保持できるようなモジュール構成を容易にすることができる。先に示したように、付加的な回路基板14cをリッジr23に対してベンチングすることができる。さらに、付加的な支柱84aの開放端894は支柱84に嵌合させることができ、さらに別の回路基板、例えばPCB14d、または複数の基板を前記付加的な支柱に嵌合させることができる。支柱84は導電性にすることができるので、モジュール10aの複数の回路基板間における電気的通信を支柱84によって得ることができる。従って支柱84は、回路基板間に必要な導電性経路の数が支柱84の数以下である場合に、空間を消費する電気コネクタ、例えばフレックス帯状レセプタクルなどをモジュール10の1つ以上の回路基板、例えば14a、14b、及び14cに実装する必要をなくすものである。
【0031】
本発明の主にモジュール10aの組立てに関連するさらなる側面について、図1oないし図1uを参照して説明する。図1oは、図1aないし図1gに関連して議論されたモジュール10−1と同様のモジュール10−7に対応する組立図を示している。モジュール10−7では、支持アセンブリ80にではなく、非一体型開口板610に開口43が画定されている。モジュール10−7を組み立てるための一方法によれば、導電性支柱84がまず光学板26に取り付けられ、それからプレート610が取り付けられている一体型PCB14bを有するアセンブリ870が支柱84に取り付けられる。次に、支持アセンブリ80と、LED18(通常のリード型LEDとして示されている)が取り付けられたPCB14aとを具備するアセンブリ872が支柱84上に取り付けられ、支柱84がPCB14aにはんだ付けされる。図1uに最もよく示されているように、インタフェース885では、後でさらに詳細に説明するが、モジュールの構成要素を一体型ユニットとして一緒に固定するために、支柱84と基板14bの間のインタフェース884にはんだを加えて、モジュール10−7の構成要素をさらに固定し、支柱84と基板14b間の電気的接続が必要であれば、そのような接続を設けることができる。最後に、レンズバレルによって提供されるレンズアセンブリ40がアセンブリ80の保持部82に挿入され、細密調整され、以下でさらに詳しく説明するような方法で保持部82に固定される。モジュール10−1を組み立てるための組立て処理は、プレート26と支柱84を一体にしたものを、PCB14bと開口板610を具備するアセンブリではなくPCB14bに取付けることができることを除いては、ほぼ同じであることが分かるであろう。
【0032】
モジュール10−7のさらなる側面について言及すると、モジュール10−7はモジュール10−1と同様に、図2gの実施例のモジュール10−5によって示されるような単一の拡散パターンではなく、光学板26上に複数の個別の拡散パターン27を具備する。さらに、モジュール10−7では、モジュール10−5およびモジュール10−1と同様に、光学板26の最前面が照準光学部品25の放射面によって定義される面よりも前方に位置することが分かる。拡散器27によって定義される面が光学部品25によって定義される面よりも前になるように光学板26上における光学部品25の位置決めをすることによって、モジュール10の使用中、または読取装置のハウジングへの取付けの際にモジュール10−1、10−7が様々な物体と偶発的または不注意により接触することによって起こりうる損傷から光学部品25を守ることができる。モジュール10の照準システムが光学部品25の欠陥の影響を受けるよりも、モジュール10の照射システムが光学部品27の欠陥の影響を受ける方が少ないので、光学部品25ではなく光学部品27が接触する可能性が高くなるように光学板26−1を設計することが有効である。
【0033】
任意のモジュール、例えばモジュール10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6、及び10−7に組み込むことができる別のモジュール構成要素について、図1p及び図1qを参照して説明する。図1pの部分的に組み立てられたモジュールでは、支持アセンブリ80がLED保持部876を具備している。LED保持部876は、PCB14aを支柱84に取り付ける前にLED18をPCB14aにはんだ付けする必要がなくなるよう、組立て処理の間にLED18を所定の位置に保持する。すなわち、LED18をPCB14aにはんだ付けしなくても、組立工は、支持アセンブリ80、LED18、PCB14aを組合せたものを組立工程の間に手で一緒に保持し、これらの部品の組合せを支柱84の上に配置し、一回のはんだ付けステップでLED18を支柱84とPCB14aの両方にはんだ付けしてモジュールの構成要素を互いに固定することができる。図1p及び図1qに示す支持アセンブリ80のさらなる側面として、保持アセンブリ80はスペーサ878及び880を具備している。アセンブリ80のスペーサ878は、支持部80とPCB14bの間に間隔をあける。スペーサ880(1つのみ図示)は、PCB14bの嵌合的に係合するキーホール882に対する一体型くさびピンを具備している。支持アセンブリ80とPCB14bの間に間隔をあけるために、支柱格納ストラット80stではなくスペーサ878、880、及び846、848(モジュール10−1)を使用することにより、図1uに最もよく示されるように、支柱84とPCB14bの背面14b−rの間に露出した界面884が定義されることになる。モジュール、例えば10−1、10−7の組立ての際に、モジュール、例えば10−1、10−7の構成要素を結合する機械的保持力を補強し、かつPCB14bと支柱84の間の電気的接触を強めるために、これらの界面884にはんだ付けすることができる。図1oの実施例では、照準LED18は従来のリード型LEDによって提供されているが、照射LED16は以下でさらに十分に説明するように側面リード型表面実装・背面ベンチングLEDによって提供されている。
【0034】
図1qは、開口板610の別の実施例を示している。図1qに示す開口板610は、プレート部612と開口インサート部614からなる2部材アセンブリである。プレート部612は、所望の照準パターンがモジュール10によって投影されるようにモジュール10内の所望の位置に開口部614を位置合せして受けるようになされた形状のリセス616を具備している。開口部614は、リセス616内に受け入れられ、接着剤および/または摩擦力によって所定の位置に固定される。開口インサート部614は、金属からなることが好ましい。開口部614を形成する際に使用する材料として金属を選択することにより、開口43a、43b、及び43cをかなり小さなサイズに、かつ厳密に管理されたサイズおよび形状に製作することができるようになる。図1p及び図1qの両方の開口板610は、PCB14bのキー構造882に係合するためのキー構造886を具備している。
【0035】
ここで図2Lに示すモジュール10−8を参照する。モジュール10−8の照準LED18は、モジュール10−9のLED18(リード型LED)よりもかなり低い高さ寸法を有する。従って、開口43を照準光源18に対して物理的に可能限り近くに配置することが通常好まれるので、図2Lの実施例における開口43は、モジュール10−7の開口43よりもPCB14aの近くに配置されるであろう。PCBaの表面近くに照準開口を位置決めするために、図2Lのモジュール10−8及びモジュール10−1(図1h)によって示される保持アセンブリ80の実施例に示すように、開口43は支持アセンブリ80上に設けることができる。図2Lの実施例では、シュラウド80shが開口43から前方に延在している。シュラウド80shは、スペーサ80spによって提供される間隔開け機能を補強するためにスペーサ80spの高さに合ったサイズにすることができる。
【0036】
本発明による撮像モジュールの別の実施例が図2mないし図2pに示されている。モジュール10−1と同様に、撮像モジュール10−9は特に、バーコード読取装置、光学式文字認識(OCR)読取装置、バーコードとOCRの両方の読取能力を有する読取装置、携帯情報端末、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、または医療用目視検査機器などの撮像装置において使用するために設計されている。
【0037】
例えばモジュール10の構成要素を支持するための支柱84を具備するモジュール10−1とは異なり、モジュール10−9は、撮像システムの電気的構成要素および光学的構成要素の両方を収容するようになされた搭載枠12を具備している。搭載枠12は、格納部81と保持部82をさらに有するモジュール10−9の一体集積型支持アセンブリ80の一部である。搭載枠12は、プリント回路基板(PCB)14aなどの回路基板、照射LED16、照準LED18、開口板610、及び光学板26を収容する。
【0038】
さらに詳細に説明すると、支持アセンブリの枠体12は、背面板30と、上方側壁31および側方側壁31’からなる側壁を具備している。背面板30は、ソリッドステートの画像センサチップ32を受けるための凹んだ格納部81と、リード型LED16および18によって提供される照射および/または照準光源のリード線38を受けるための複数のピンホール36とを具備している。支持アセンブリ80は、背面板30と一体に形成された、受光光学レンズアセンブリ40、例えばレンズバレルを受けるための保持部82をさらに備え、このレンズアセンブリは、以下でさらに詳細に説明されるように組立工程における任意のステップの前または後に、保持部82に取りつけることができる。
【0039】
モジュール10−9を組み立てる際には、まずねじ56を用いてPCB14aを背面板30に取付け、開口13が露出されるように枠体12を配向する。PCB14aが背面板30に取り付けられると、PCB14aに担持される画像センサ32は、図示するように画像センサ32の形状と相補形状をした中央リセス格納部81によって受けられる。PCB14aを枠体12に取り付けた後、取付け工は照射LED16と照準LED18をPCB14aに取りつける。
【0040】
LED16及び18をPCB14aに取付けるためには、LED16及び18のリード線38を、背面板30とPCB14aの位置合せされたピンホール36および54を貫通するように押し込んだ後に、LED16及び18をPCB14aにはんだ付けする。LED16及び18のすべてを、はんだ付けする前にそれぞれ対応するピンホールに位置決めすることが好ましい。LED16及び18をはんだ付けする際には、PCB14aの背面14a−rは、組立工が簡単に触ることができるような向きにされなければならない。はんだ付けの間、LED16及び18がPCB14aに対してほぼ垂直な所望の向きのままでいるために、LED16及び18を受けるような形状にされた標準的に公知の取付具(図示せず)を、はんだ付け工程の間、LED16及び18に対して一時的に用いることができる。
【0041】
撮像モジュール10−9の重要な特徴は、LED16が完全に設置された時にLED16の背面の一部が画像センサ32の前面32fの一部に対向するように、照射LED16のリード線38が画像センサ32の側面32sに対してほとんど当接する関係で設置されるということである。この構成により、撮像モジュール12のサイズが縮小され、小サイズの光学読取装置に取り付け可能となる。
【0042】
LED16及び18が上述したような方法でPCB14に取り付けられた後、照準LED18に嵌まるようなドーム42を有する開口板610が枠体12に取り付けられる。このドームは、スリット開口43を通ってドームを出る光以外は、照準LED18から発せられる全ての光を実質的にブロックするよう不透過であることが好ましい。スリット開口43は、所望の形状をした照準パターンの照射が対象Tに投影されるように形成されるべきである。ある実施例では、開口スリット43は、水平線パターンが対象上に投影されるように矩形形状にされる。
【0043】
開口板610は、開口板が照射LED16の上に嵌まるようにするために隙間を提供する複数の切開部46を備えている。ドーム42と切開部46は、これらがLED16と接触しないように形成することができる。図示される実施例では、各LEDは、はんだ付けされる際に所望の方向に保持されるので、組立工程の間に背面板30の平坦な表面に対してLED基部17の平坦な面が圧迫される。さらなる側面において、開口板610は、LED16及び18によって伝送される光がモジュールの受光光学システムと干渉するのを防ぐためのシュラウド58を具備しており、このシュラウド58は背面板30と光学板26の間に適切な間隔を開けることを意図して構成してもよいことが分かる。
【0044】
開口板610がLED16及び18の上に配置され背面板30の方に移動された後に、光学板26が枠体12の開口13にスナップ嵌めされる。光学板26は、照射LEDから放出される光を拡散するための拡散器27を具備している。その前面に拡散器27が形成されていることに加え、光学板26は、その内側面にさらにウェッジ28が形成されている。ウェッジ28は、LED16からの光を対象Tの角の方に向けて対象の照射の一様性を向上させている。さらに詳細に説明されるように、拡散器27は様々な形態をとることができ、光学板26の光入射面上に形成されることができる。さらに、ウェッジ28を光学板26の光出射面上に形成してもよい。
【0045】
フック状端部49を有する弾性フィンガ部48が枠体12の上方または側方側壁31に形成されて、光学板26を枠体12にスナップ嵌めできるようにしている。図示される実施例では、弾性フィンガ部48を引っ張り、光学板を背面板30の方に押し、それからフィンガ部48を放して光学板26をモジュール10内の所定の位置にロックすることによって、光学板26を枠体12にスナップ嵌めすることができる。光学板とフィンガ部は、光学板26が背面板30の方に押されると、フィンガ部が光学板26によって広げられ開放されるように形成することができる。完全に組み立てられると、モジュール10−9は、約19mm(0.75インチ)の高さ寸法、約39mm(1.5インチ)の幅寸法、及び約27mm(1.06インチ)の奥行寸法を有することができる。
【0046】
光学読取装置の必要な電気回路のほぼ全体を単一のプリント回路基板に実装できるようにするために、枠体の背面板30の裏面は、PCB14aの前面14a−fから前方向に延びる電気構成要素を収容するように構成してもよい。従って、背面板30の裏面は、ソリッドステートの画像センサ32を位置合せし受容するための中央リセス34と、PCB14aの前面から突出しうる構成要素および/または導線などの電気回路802を収容するための周辺リセス35とを具備することが分かる。開口板610は、光学板26が枠体12にスナップ嵌めされると開口板24を背面板30の方に圧迫するように作用するスペーサ52を具備している。モジュール10−9のスペーサ52はさらに、フィンガ部48によって光学板26に付与された力を開口板610に移して、接着剤や、ねじまたはピンなどの外部の機械的固定手段を使用することなく、開口板610と光学板26の両方を枠体12内において固定する。図2nの実施例では、光学板26は、各照射LED16に対する個別の拡散器27を具備している。図5dの別の実施例では、単一の拡散器27が、光学板26の表面のほぼ全体にわたって形成されている。
【0047】
図3aないし図3dの実施例におけるモジュール10の更なる変形例について言及すると、撮像モジュール10−10は、その上に画像センサ32と照射LED16の両方が取り付けられたプリント回路基板14aを具備している。一対のLEDが画像センサ32の両側に取り付けられて、ほぼ直線的に並べられた4つのLEDからなるLEDパターンを形成している。水平向きの直線パターンでLEDを取付けることによって、モジュール10−9やモジュール10−1と比べてモジュール10−10の高さ寸法要件が減少する。LEDを水平向きの直線パターンで取付けることにより、モジュール10−2の高さを画像センサ32の高さに近い高さまで減少させることができる。モジュール10−10のさらなる側面について言及すると、モジュール10−10はPCB14に取り付けられた、またはPCB14から延在する支持アセンブリ80を具備している。図3aないし図4d及び図4kないし図4nに示される各実施例の支持アセンブリ80は、収容部81と保持部82とを具備している。収容部81は画像センサ32を収容し、保持部82はレンズアセンブリ40を保持する。保持部82はまた、LED16から直接放射される光線をはじめとして対象における画像に対応しない光線が、画像センサ32に到達するのを防ぐ。
【0048】
本発明による撮像モジュールのさらなる変形例について言及すると、図3eないし図3hの実施例において、撮像モジュール10−11は、その上に画像センサチップ32と、照射LED16と、照準LED18とが搭載されたプリント回路基板14aを具備する。3つのLEDがモジュール10−11の両側に搭載されていて、6つのLEDからなる水平向きのほぼ直線パターンのLEDを形成している。内側のLED18は照準LEDで、外側のLED16は照射LEDである。照射LED16は、対象領域の中央が付加的な照射光学部品がなくても、より均一に照射されるよう、図3hに最もよく示されるように傾斜される(ある角度で取り付けられる)ことができる。
【0049】
撮像モジュールのさらなる変形例が図3iないし図3mに示されている。図3iのモジュール10−12では、支持アセンブリ80の形状が変更されており、アセンブリ80はボックス型で、ほぼ等しい高さ、幅、及び奥行とされている。ボックス型の収容および保持アセンブリ80は、特に回路基板14とほぼ等しい高さとなるようなサイズにされた場合、ある実装上の利点が得られる。例えばアセンブリ80が機器のハウジングの平坦な表面に当接するようにモジュール10−12を機器ハウジング内に取り付けた場合、ボックス型アセンブリ80は、モジュール10−12の安定化に役立つ。図3jに示すモジュール10−13は、図示されるようにリード型LEDが表面実装LED16及び18と置き換えられていることを除いては、モジュール10−12とほぼ同様な構造を備えている。ここに述べるリード型LEDは、図3jに示すような表面実装LED、側面リード型表面実装LED、または表面組込み型LEDと通常は置き換え可能であることを理解すべきである。
【0050】
モジュール10−10、10−11、10−12、及び10−13は、機器ハウジング111の個別の部材に取付けられた照射光学部品と組み合せて用いることができる。あるいは、照射光学部品を、図3k、図3L、図3mのモジュール10−14、10−15、及び10−16によって図示されるようなモジュールに組み込んでもよい。図3kのモジュール10−14は、照射LED16に摩擦嵌めされるようになされた形状適合拡散器504、27を具備している。図3Lおよび図3mに示す実施例では、モジュール10−15、10−16は、アセンブリ80から外方向に延在する光学フランジ803を具備している。各フランジ803は、照準LED18からの光を形成するためのスリット開口43と、照射LED16からの光を拡散させるための拡散器27とを具備することができる。拡散器27は、プレートインサート560の一部としてフランジ803内に成型してもよい。フランジ803は、一体型収納・保持・フランジアセンブリを製造するのに適したモールドを用いて支持アセンブリ80と一体形成してもよい。フランジ84は、PCB14aまたはモジュールが設置される機器ハウジングの部材に取付けることもできる。図3mに示すモジュール10−16は、リード型LEDが図示されるような表面実装LED16及び18と置き換えられることを除いては、モジュール10−15と同様である。さらに、モジュール10−16のフランジ803は、PCB14aに対してモジュール10−15のフランジ803よりも短い距離だけ離して配置されている。
【0051】
モジュール10−15の拡散器27は、拡散器27を具備する光学部材の光放射面上に形成された、水平向きのほぼ円筒形マイクロレンズを含むタイプのものとして図示されている。明細書中でさらに詳細に説明するが、ほぼ円筒形のマイクロレンズは、マイクロレンズの向きに対して好ましくは横方向に光を拡散するように作用する。こうして、直線的に並べられた照射LED16を有するモジュール10−15の拡散器27の水平向きマイクロレンズは、直線的に並べられた光源のセットを用いて生成される照射パターン全体の高さ寸法を大きくするように作用することになる。
【0052】
別の撮像モジュールが図4aないし図4dに示されている。モジュール10−17において、フレキシブルプリント回路基板14aは、画像センサチップ32と、光源の位置312から、該光源位置から離れた光管遠位端314に光を伝達するための光管310とを担持している。モジュール10−17の光管310は、光ファイバケーブルによって提供されるものとして図示されている。しかしながら、光管は、成型された光管であってもよい。光ファイバケーブルは、ミネソタ州WayzataのSchott Corp.やカリフォルニア州IrvineのBivaropto Inc.など幾つかの製造業者から入手可能である。光管310は任意の長さとすることができ、モジュール10−17のフレキシブル回路基板14aの実質的に任意の位置に取付けることができる。このモジュール10−17の構造によれば、モジュール10−17を多種多様な機器ハウジングおよび装備に設置することができるようになることが分かるであろう。モジュール10−17のミネソタ州MinneapolisのMincro Inc.から入手できるタイプのフレキシブル回路基板14aは、事実上、無限の形に曲げられて多様な形状およびサイズの機器ハウジングにモジュールの10−17を取付け可能とするものである。さらに、光管310は、遠位端314が対象に向けられると、空間消費型LEDを撮像軸の周りに何らかの配置で取付けることを必要とせずに対象領域Tを照射する。光管310を撮像モジュール10−17に組み込むことの重要な利点は、個々の光管の遠位端314によって消費されるスペースを増やすことなく、個々の光管によって放射される照射のラジアンスを増すことができるということである。光管の遠位端314にて放射される光のラジアンスは、1つ以上の光源からの光を光管の光源端312に向けることによって増加することができる。光管の光源端は、図4eによって示されるように2つ以上の光入射部312a及び312bに分割することができ、その各々はLEDなどの光源の近傍に配置される。さらに光管は、図4f、4i、及び4jに示すように1つ以上の光源からの光を受光できるような、より大きな光源端および直径を持つようになされることができる。
【0053】
ここで図4gないし図4jを参照して、成型された光管311を有する撮像モジュール10−18について説明する。モジュール10−18では、PCB14aは撮像軸a1に対して平行に配置され、画像センサチップ32はPCB14a上に垂直に取付けられている。画像センサ32は、剛性のフレックスPCBを用いることによってPCB14a上に垂直に取付けることができる。モジュール10−18のさらなる側面について言及すると、表面実装型LEDによって提供されるLED16および18がPCB14aに取付けられ、LED16及び18からの光が、光管の遠位端314を通って対象Tに向かうよう撮像軸a1に対してほぼ平行な方向に向けられるように、成型された光管がLED16s及び18sに関連して配置される。成型光管311は、カリフォルニア州IrvinのBivaropto Inc.やニュージャージー州ManasquanのDialight Corp.などの製造業者から入手可能である。拡散器は、図4gに示す拡散器27によって示されるように、照射光管311、311iの遠位端に鋳込まれることができる。拡散器は、例えば回折型光学部品、屈折型光学部品(例えばマイクロレンズ)、または負レンズ拡散器などとすることができる。拡散器は、モジュール10−17の管310の遠位端314に形成することもできる。光ファイバケーブル光管の場合のように、任意の一つの成型光管311によって放出される照射のラジアンスは、図4gの光管311iによって示されるように、管311の光源端312を広くして1つ以上の光源からの光を集めるように光源端311を配置することによって、増加させることができる。図4jに示すモジュール10−18の照射光管311iは、3つの表面実装LED16からの光を集光するが、照準光管311aは単一の表面実装LED18からの光を集光する。
【0054】
PCB14aを撮像軸a1に対して平行に配置し、PCB14aに対して平行な方向に光を向けるよう成型光管311をPCB14a上に取付けることによって、モジュール10の高さ寸法が減少し、高さ寸法の低い“薄い”機器ハウジング内へのモジュールの設置が容易になる。図4kないし図4nに示すモジュール10−19によって図示されるように、画像センサチップ32をPCB14aにバックマウントすることによって、光管照射を有する撮像モジュール10の高さ寸法をさらに減少させることができる。図4kないし図4nの実施例では、画像センサチップ32が、撮像軸a1をほぼ90度曲げるのに十分な折曲げ光学部品を備えた格納・保持アセンブリ80と共に、PCB14a上にバックマウントされている。折曲げ光学部品は、例えば破線で示された鏡404によって示されるように、壁402上にめっきされた反射性材料を形成したり、壁402に鏡を貼り付けたりすることによって設けられる。モジュール10−19は画像センサ32の幅よりも小さい高さ寸法を有するように設計できるので、モジュール10−19は、“薄い”読取装置ハウジングに実装するのにとりわけ好適である。例えば、モジュール10−14は、図9iに示すような携帯電話や図9jに示すようなハンディタイプのコンピュータなどの携帯情報端末“PDA”のハウジング内に実装するのに好適である。
【0055】
B.照射
本発明による照射システムの特徴について、主に図5aないし図5fを参照してここで説明する。画像センサ32の視野に対応する全パターン520内の対象領域Tをほぼ均一に照射するために(コーナー部は、対象領域の最大明度の少なくとも約50%の明度に照射される)、2列に並べられた4LED照射システム(例えばモジュール10−1またはモジュール10−9のようなシステム)の各LEDから放射される光は、図5aに示すように線522によって実質的に定義される境界19を有する、ほぼ矩形の照射パターンを提供するように拡散されるべきである。
【0056】
図5bには、例えばモジュール10−9(図2n)の多拡散器光学板26を製造する際に用いられるモールド526の表面が示されており、モールド526は別々に作られた回折型モールド素子528をその中に実装することができる。モールド526に実装されるモールド素子528は、カリフォルニア州TorranceのPhysical Optics Corp.やニューヨーク州RochesterのFresnel Opticsから入手できるようなホログラフィ技術を用いて製造されるタイプのものとしてもよい。拡散光学素子の他の製造業者としては、ノースカロライナ州CharlotteのDOC、アラバマ州HuntsvilleのMEMSや、ニューヨーク州RochesterのRPCなどがある。
【0057】
図5cには、例えば図2gのモジュール10−5に組み込まれたり、図5dの光学板26によって示されるような、単一拡散器光学板26を製造する際に用いられるモールド527の表面が示されている。モールド527は、その上にテクスチャが直接形成されている。このテクスチャは、酸レジスト処理により塗布することができる。オハイオ州PainsvilleのMold Tech Inc.などのモールドテクスチャリング会社は、図5eに示すようなテクスチャを有する表面を持つ部分を作るために用いられるモールド527のように、酸レジスト処理によりテクスチャをモールドに塗布することを専門にしている。本明細書中に記載される任意の実施例において光学板26を製造する際に用いるのに適した材料は、ポリカーボネイトである。
【0058】
図2pのテクスチャード面モールド527は、図5bの回折型拡散器モールド素子インサートを設けたモールドよりも、一般に安価でかつ耐久性がある。回折モールド素子528は、製造するの費用がかかる上、頻繁な交換が必要である。図5cに示すようなテクスチャードモールドは、一般に、指紋が付きにくい面を製造するなどの用途に用いられる。知られている限り、図5cに示すようなインサートレス・テクスチャード面モールドを用いて作られる光透過板は、主に光源の視野を覆い隠すために光源を有する製品に組み込まれてきたが、画像取り込みシステムの制御された対象領域照射を生むためには用いられてこなかった。
【0059】
幾つかのLEDからの光を拡散するための単一拡散器27を有する図5dの光学板26の拡散面を示す分解組立図が、図5e及び図5fに示されている。光学板26は、概ね隣接し概ね円筒形のマイクロレンズ550を複数備えている。マイクロレンズ550のさらなる側面について言及すると、これらのマイクロレンズ550は、光学板26上にランダムなパターンで形成されることが好ましく、同一サイズのマイクロレンズを特に要求することもなく、レンズ間の厳密な平行相対配向なしに、マイクロレンズ550が少なくとも2つの異なるサイズを持つことを特徴とするものである。パターンをランダム化することによって、対象領域Tにおける“ホットスポット”、すなわち一定の高ラジアンス照明が集中する領域の形成が減少する。光学板26の別の側面によれば、図5dに示すような光学板26は、様々な円柱マイクロレンズ550を区切る谷部分554に定められたクロスコネクション552を所々に備えることが好ましい。クロスコネクション552は、マイクロレンズ550によって得られる光の拡散方向に対してほぼ横方向の光の拡散を提供するもので、マイクロレンズ550は、典型的なモジュール/対象間読取距離(例えば通常の規則では、約1インチないし15インチ)において光線が互いに発散する関係となるように、光源16からの光線をレンズ550の前方に近接して位置する集束点に集束させることによって作動すると考えられる。
【0060】
図2qを参照すると、図5dに示される単一拡散器光学板26によって拡散されるような、単一光源によって生成される拡散光パターンは、実質的に境界520によって区分される全照射パターンの境界線522によって実質的に定められるパターンとして示されている。垂直方向に向けられた円柱マイクロレンズ550は水平方向に光を拡散する傾向があるが、クロスコネクション552によって提供されるレンズ化は光源からの光を垂直方向に拡散する傾向がある。拡散パターンは、マイクロレンズ550を適切な形状にすることによって調整できることは分かるであろう。クロスコネクション552の出現率を減少させれば、垂直方向への光の拡散が減少することになる。クロスコネクションの出現率を減少させることにより、破線521によって実質的に画定される単一光源に対応する照射パターンを生成させることができる。クロスコネクション552の発生率を上げれば、垂直方向への光の拡散が増えることになる。クロスコネクション552の出現率を上げることによって、破線523によって実質的に画定される単一光源の照射パターンを生成することができる。一連の球面屈折型光学マイクロレンズを備える拡散器は、ほぼ均一な円形照射パターンを生成すると予想され、これはモジュールの所期の適用および全体的な設計によっては極めて望ましいであろう。照射パターンの高さを増加させるために光を垂直方向に拡散することは、対象照射拡散器が一列の水平向き光源を有し、2次元画像センサを組み込んだ撮像モジュールに組み込まれる場合に特に有効である。図3Lを再び参照すると、モジュール10−15は、水平向きの円柱マイクロレンズ550を具備する拡散器27を備えたプレートインサート560を備えている。モジュール10−15のマイクロレンズ550は、モジュール10−15の水平軸hに対して垂直方向に光を拡散することにより、モジュール10−15によって投影される照射パターンの垂直方向(高さ)寸法を増している。光学板26またはプレートインサート560のマイクロレンズ550は、ランダムなパターンでは形成することができず、クロスコネクション552を備えることもできない。しかしながら、図5eを参照して説明される光学板26の円柱マイクロレンズ550は、マイクロレンズ550に対してほぼ垂直な方向に光を拡散するように作用する。モジュール10−15のプレートインサート550は、ランダムなパターンのマイクロレンズを有し、垂直方向ではなく水平方向に配向された円柱マイクロレンズを具備するように変更された図5dの光学板26と同様のプレートに置き換えることができる。ほぼ均一にテクスチャードされたモールド527を用いて形成された光学板26、例えば図のプレート26は、実質的に屈折型光学部品により光を拡散する。これに対し、モールド、例えばホログラフィ技術で形成されたインサートを有するモールド526を用いて作られたモジュール10−9に示される光学板26は、実質的に回折型光学部品により光を拡散する。実質的に回折型光学部品を用いるのに対して、実質的に屈折型光学部品により光を拡散するよう光学板26を構成することは、少なくとも、屈折型光学拡散器を作るために用いられるモールドは、回折型光学拡散器を作るために用いられるモールドよりも製作しやすく安価であるが実質的に耐久性があるという理由で有益である。当業者にとって公知なように、光を放射している光学素子が、放射されている光の波長に近いサイズの範囲にある場合は回折型光学特性が顕著である。本明細書中に記載される幾つかの撮像モジュールは、約0.4ないし約1.0ミクロンの波長域の光を放射する光源を備えている。この波長域の光を屈折拡散するためには、拡散器の光学素子は、この範囲の上限よりも実質的に大きい寸法、すなわち少なくとも約10ミクロンの寸法を有するものでなければならない。例えば、図5fの断面図に最もよく示されているように、図5d、5e、及び例えばモジュール10−5及び10−9の光学板26の円柱マイクロレンズ550は、約0.018インチないし約0.028インチの範囲の頂点隔離距離を有することができる。
【0061】
光学板26のさらなる側面について言及すると、光学板26は、モールド57のようにインサートがマイクロレンズ形成テクスチャを具備する、インサート528と同様の拡散部モールドインサートを有するモールドを用いて製造することができることが理解されるであろう。回折型拡散モールドインサート528の代わりにマイクロレンズ形成モールドインサートを有することを除いては、モールド526と同様のモールドを設けることによって、モールド527を利用するコスト面での利点および他の利点が得やすくなる。磨耗したモールドインサートを交換するため、または例えば特別な顧客の要求を満足させるために、新しいモールドインサートをモールド内に入れ替えることができる。モールドインサートは、図5cに関連して説明したテクスチャリング処理に従って製造することができる、あるいはモールドインサートは、標準的な金属機械切削処理を用いて金属部材から機械切削することもできる。先に述べたように、モールドから作られたマイクロレンズは円柱または球面とすることができ、クロスコネクション552を備えてもよいし、あるいは実質的に省いてもよいし、さらに頂点間距離は均一でも非均一でもよい。モジュール10−1、10−7、10−8は、複数のマイクロレンズ形成インサートを具備したモールドを用いて製造された光学板26を備えるモジュールの例である。
【0062】
少なくとも1つの拡散器27を有することに加え、本明細書中に記載されるような、モジュール、例えばモジュール10−1及びモジュール10−9と共に使用される光学板26は、図1n(モジュール10−1に関連する)及び図2o(モジュール10−9に関連する)によって示されるように、その光入射面にウェッジ28が形成されている。ウェッジ28は、照射光源16からの光を、対象領域、例えば図5aに示すような対象領域520のコーナーに向けるよう作動する。
【0063】
様々な撮像モジュールに示されるような拡散器27は、様々な種類で提供されることができる。様々なタイプの拡散器を有する光学板26の例について、照射LED16の列に沿って見た様々な実施例における光学板26の上面図を示した図5gないし図5kを参照して説明する。図5gの実施例において、光学板26は、例えばモジュール10−9によって示されるような回折型光学拡散器27、27aを具備している。図5hの実施例において、光学板26は、例えばモジュール10−1によって示されるような屈折型光学マイクロレンズ拡散器27、27bを備えている。図5iの実施例において、光学板26は、負レンズ拡散器27、27cを備えている。負レンズ拡散器は、光学板26に負レンズの(一般的にくぼんだ)レンズ面を形成することによって提供される。拡散作用を提供するために負レンズを用いることにより、光源16によって発生された光線は、光学板26の光放射面566から放射されると互いに発散する関係になる。負レンズ拡散器27cは図5i、図5j、及び図5kの上面図から分かるように、球面負レンズまたは垂直方向に向けられた円柱レンズとすることができる。負レンズ拡散器27cが垂直方向に向けられた円柱レンズである場合、拡散器27は光を水平方向に拡散する傾向がある。負レンズ27cが球面である場合、垂直方向と水平方向の両方に光を拡散する傾向がある。本明細書中に記載されるモジュール10の一つに、光を垂直方向に拡散する、水平に配置された円柱負レンズ拡散器27cを具備することもまた望ましいであろう。図5Lは、LEDの前方位置に光学板インサート560を保持する、一列のLEDおよびフランジ803を備えたモジュール10−15(図3L)の変形例を示す機能部分側面図を示すものである。図5Lに示すモジュール10−15の変形例では、モジュール10−15の屈折型光学マイクロレンズ拡散器27が、光を垂直方向に拡散するための水平配向された円柱負レンズ拡散器27cを具備できることが分かる。負レンズ面27cはプレート560の光入射面および光出射面の両方に設けられるものとして図示されているが、負レンズ面は、図5Lに示す光入射面と光出射面の一方のみに設けることもできるであろうことは理解すべきである。
【0064】
図5gないし図5kに示す光学板26の変形例を再び参照すると、図5iは、拡散器27を光学板26の光出射面上に形成する必要がないことを示している。図5iの光学板26はさらに、光学板26の表面に光学素子の組合せを備えられることも明示している。図5iの光学板26では、面567はウェッジ28の光入射面上に重畳された負レンズ拡散面27cを具備している。図5iに示す光学板26の面568は、ウェッジ28上に重畳されたマイクロレンズ拡散面27bを具備している。図5iの光学板26は、光学板の光出射面上に形成されたウェッジ28をさらに具備している。図5kの光学板26を参照すると、図5kの実施例は、光学板26の光入射面と光出射面の両方に拡散器27を形成しうることを明示している。図5kの光学板26は、光学板26の光出射面566と光入射面565の両方に形成された負レンズ拡散面27cを具備している。図5kに示す負レンズ27cは、円柱または球面負レンズとすることができる。ある実施例では、図5kの全ての負レンズ27cは球体である。別の実施例では、これらのレンズは円筒形である。さらに別の実施例では、光学板26の光出射面566の負レンズ27cは垂直向きの円柱負レンズであり、光学板26の光入射面565のレンズ27cは球面負レンズである。別の実施例では、球面負レンズが光学板26の光出射面566上に配置され、円形負レンズ27cが光入射面565上に配置される。図5gないし図5kを参照して説明される光学板26のいずれも、本明細書中に記載される、光学板26を備えたモジュール10のいずれかに組み込むことができる。さらに、例えばモジュール10−14、10−19の拡散器27は、上述した様々なもののうちのどれでもよい。
【0065】
C.照準システム
照準開口から放射される光線を結像させるよう照準開口43の前方に照準光学素子25が配置されている照準パターン生成システムについて本明細書において説明する。本発明による照準パターン生成システムの幾つかの変形例について、ここで説明する。
【0066】
はっきりとした鮮明な照準パターンを提供するために、光学部品25と照準開口43の間に相当な距離を設けることが通常好まれる。例えば照準光学部品25が結像光学部品を備えている場合、光学部品25の後方焦点の後ろにスリット43を設けなければならない。モジュール10、10−20(図6a)及びモジュール10−1(図1a)では、回路基板14bではなく回路基板14aに照準LED18を搭載することによって、開口43と光学部品25との間の相当な距離が得られる。従来のリード型LEDによって提供されるものとして示されているモジュール10−20の照準LED18は、回路基板14a上の、支持部80の保持部82に対して水平方向横方向に位置するような位置に搭載されるのが好都合である。
【0067】
さらに、モジュール10−20を参照すると、照準開口43は、開口43a、43b、及び43cによってクラスタ構成にて配置されているので、照準LED、開口43a、43b、及び43cからなる開口クラスタ、及び光学部品25の組合せによって2次元画像が対象T上に投影される。光学部品25を参照すると、モジュール10−20の照準光学部品25は、円柱レンズではなく球面レンズ25sを具備していることが分かる。モジュール10−20の開口43は、例えばモジュール10−1、10−7、10−8、10−9、10−15、10−16、及び10−22の開口43と同様に、光源18に対して当接しているか、またはほぼ当接した関係で形成される。従って開口43a、43b、及び43cは、光学部品25によって対象T上に水平および垂直方向に結像される。開口43a、43b、及び43cからなる開口クラスタは、モジュール10−20が対象Tの近くに移動されるにつれてレンズ25sによって結像されるパターンが対象Tの中心に向かって横方向内側に移動するように、レンズ25sを基準として横方向に偏位されることができる。モジュールの両側に左右対称の照準パターン生成サブシステムを設け、開口クラスタ43a、43b、及び43cとレンズ25sの間に横方向の偏位があることにより、一対の照射システムによって投影される一対のパターンが、あるモジュール/対象間距離において集束することになる。照準パターン生成システムは、一対の照準パターンがモジュール10の最良焦点位置にて集束するように設計されることができる。モジュール10−20のさらなる側面について言及すると、モジュール10−20は、モジュール107と同様に開口板610を具備している。開口板610はPCB14b上に配置されている。開口板610は、先に説明したように、照射LED16のリード線を収容するためのリードホール620と、開口43とを具備している。開口板610は、少なくとも開口43a、43b、及び43cの領域において不透過とすべきである。図6dに示す開口板610の変形例において、開口板610は、小サイズの開口を厳密に画定するための金属開口インサート614を備えている。モジュール10−20は、図5eと関連して先に説明したようにほぼ円柱状のマイクロレンズを備えた屈折型光学拡散プレート26をさらに具備する。モジュール10−20は、PCB14a、PCB14b、開口板610、光学板26など複数の板状部材を具備するモジュール10の積層構成を収容するために支柱84が有益であることをさらに明示している。ここで、モジュール10−20の側面を参照すると、球面レンズ照準光学部品25sは、円柱レンズ25c、または対象領域T上に開口43を結像するための他の光学素子に置き換えることができるであろう。
【0068】
本明細書中に記載されるモジュール10の照射システムによって投影されうる他の代表的な照射・照準パターンを表したものが、図6hないし図6jに図示されている。図6hでは、境界520によって画定される領域は、照射LED16によって照射される対象領域Tに対する範囲を表しており、領域630は照準LED18及びそれに関連する光学部品によって強調表示された対象領域の範囲を表している。図6hの実施例では、照準LED18とそれに関連した光学部品(43、25)は、対象領域T上に単一の水平照準線630を投影している。
【0069】
図6hのある実施例による直線照準パターンは、図2nのモジュール10−9に示すように、水平配向された円柱レンズ25、25cが光学板26の外面に形成されるように光学板26を形成することによって生成することができる。水平配向された円柱レンズ25、25cは、モジュールの視野によって画定される対象T上に光スリット開口43を結像するために、光学板26がLED18上に当てられた際にレンズ25が同じ長さでかつスリット開口43よりも前方に位置合せされるよう構成されている。円柱レンズ25は、約3mmの厚さと、凸型の約4.5mmの湾曲部半径を有することができる。レンズ25は開口43を通り抜けた光線を集束して結像させるタイプのものであるのが好ましいが、開口43を通り抜けた光線を実質的に平行にする、あるいは本明細書中で後に説明されるようなメリハリのある鮮明なパターンを画定するように動作する他の素子を具備する光学部品を用いることによって許容可能な照準パターンを投影することもできる。図6hの線630によって示される直線照準パターンは、モジュール10−1に示されるような球面レンズ25s及びスリット開口43により生成することもできる。長い読取距離にわたってメリハリのある良好に画定された照準線を投影するための方法について、ここで説明する。
【0070】
10−1、10−9などのモジュールにおいて、また“バーコードスキャナのための光学アセンブリ”というタイトルで2000年9月11日に出願され参照によって本明細書に引用される、同時係属中の米国特許出願第09/658,811号に記載される照射システム(モジュール10−22)において、照準LED18は対象領域に折れ曲がらない光線を投影し、モジュール10−1の光入射le位置においてモジュール10−1の撮像軸a1にほぼ平行な方向に向けられている(モジュール、例えば10−1、10−9、及び10−22の撮像軸a1は、一方向性である)。モジュール10−22では、レンズ25はバーコード空間にスリット開口43を投影し、1つの開口43ごとに2つのLED18が設けられている。
【0071】
しかしながら、モジュール10−17、10−18、及び10−19によって示すように、照準LED18及び照射LED16の光線は折り曲げることができる(図4nのモジュール10−19の撮像軸a1は折り曲げられ、モジュール10−19の光入射le位置と光出射lr位置では異なる方向を有している)。図6n、6o、及び6pは、LED18などの照準LEDによって生成された光が折り曲げられる撮像モジュールに組み込みうる別のタイプの照準パターン生成システムを図示している。図6nの実施例では、レンズ25によって対象T上に結像されうる開口43は、光路において光反射素子640よりも前方に配置されている。この実施例は、照準照明光線の発散を防ぐために光管が照準LEDと組み合せて使用される場合に有効である。図6oの実施例では、レンズ25によって対象T上に結像されうる開口43は、光路においてLED18よりも前方で、かつ光反射素子640よりも光学的に後方に配置されている。図6pの実施例は、光源18と光反射素子43rの間に配置される開口43と、開口43からの光を結像し、反射素子643から反射される照準照明光の向きを変向するためのプリズムを具備した光学素子25pとを備えている。光学素子25pは、その光入射面上に定められたプリズムと、光出射面上の結像レンズ面(球面または円柱形)とを具備している。光変向プリズム25pを具備する図6pの実施例は、本システムが設置される撮像装置の高さ要件を軽減するために利用することができることが分かるであろう。折り曲げられた光学開口照準システムは、図6qに示すような照準光学光管に容易に組み込むことができる。図6qにおいて、光管311は、照準光源からの光を伝達している。光管311には、開口43を画定する開口絞り641が組み込まれている。光管311の遠位端314には、対象空間に開口43を結像するための照準光学部品25が配置されている。
【0072】
本発明のモジュールによって投影されうる他の照準パターンを参照すると、分割線照準パターンが図6i及び図6jに図示されている。図6iに示す分割水平線照準パターンは、図6sに示すように、照準パターン円柱レンズ25に対向して、光学板26の光入射面に照準パターンウェッジ29を設けることによって形成することができる。照準パターンウェッジ29は、モジュールが許容可能な品質の画像データを取り込むことができるような対象からの距離の範囲内(モジュールの最適焦点距離はこの範囲内にある)にある場合、モジュールの視界の中央に2つの水平線部分648間のすき間650が定義されるように、開口スリット43からの光を対象領域Tの側部に向かって外方向へ向けるように作用する。線分648からなる分割線照準パターンにより、使用者は、モジュールの視野の中心を、対象となる領域の中心と簡単に位置合せできるようになる。
【0073】
線分648が、読取装置の視野によって画定される読取装置の対象領域Tを実質的に超えて延在しないように、線分648からなる分割水平線照準パターン647の幅を限定することが望ましいかもしれない。線分648からなる分割水平線照準パターンの幅を限定するために、図2jに示されるように垂直に配向された円柱レンズが照準パターンウェッジ29上に重畳されて、ウェッジと垂直配向された円柱レンズ素子29’を組合せたものが形成される。ウェッジとレンズ素子29’の組合せをスリット開口43と位置合せすることにより、図6jに示す特徴を有する照準パターンが得られ、線分648からなる分割水平ライン照準パターンは、読取装置の視野によって画定される対象領域Tの実質的に内部に包含される。
【0074】
モジュール10−9の特定の実施例に示されるように開口43に対して配置した場合、開口板26の円柱レンズ25は、開口スリット43からの光を集束させて結像するように作用する。照準光学部品25を有するとして図示された上記のモジュールでは、対象までのモジュール10の距離が変化しても、照準パターン630の鮮明さは実質的には変わらないことが好ましい。光学部品25は、光を徐々に集束(その後発散)させるようになされることができる。光学部品25は光線を徐々に集束させるようになされることができるので、光学部品25は光を実質的に平行にする機能を提供するものと言うこともできるであろう。さらに照準システムが鮮明な照準パターンが対象T上に投影されることになるという特徴を備えている場合、光学部品25は、光学部品25から出る光線を実際に平行にしたり、あるいは発散させることさえできる。光学部品25は多くの特徴を備えることができ、これにより様々なモジュール/対象間距離にわたって鮮明に現れるパターン、例えば630が得られる。
【0075】
本発明のある変形例では、照準線、例えば線648の鮮明さがモジュール/対象間距離に応じて変化するように、照準照明光学部品が設けられている。さらに詳細に説明すると、照準線、例えば648がモジュール10の最良焦点位置において実質的に最も鮮明であり、モジュール10を備えた読取装置が該最良焦点位置から離されると鮮明でなくなるように照準照明光学部品を設けてもよい。
【0076】
本発明のさらなる側面について言及すると、本明細書中に記載されるモジュールのいずれにおいても、照準光源18はレーザダイオードアセンブリによって提供しうることは理解されるであろう。照準光源18が、内蔵視準レンズを実装しているタイプのレーザダイオードアセンブリによって提供される場合、このようなレーザダイオードアセンブリは、本来、幅広い範囲のモジュール(読取装置)/対象間距離にわたって鮮明な照準パターンを生成するので、開口43や光学部品25などの素子を具備する必要がないと考えられるであろう。レーザダイオードアセンブリの照準光源18によって生成される照準パターンは、対象領域Tにおいて光点となるかもしれない。図6kのモジュール10−21は、表面実装LEDによって提供される照射光源16と、レーザダイオードアセンブリによって提供される照準光源18とを備えている。撮像モジュール10−21は、図6Lに示すような照準パターンを投影することができる。レーザダイオードアセンブリ照準器18は、対象T上に2つの点637、638を投影することができる。ダイオードアセンブリ18が傾斜した場合、撮像モジュール10−21は、点637、638が最適焦点距離にて集束するように適合させることができる。
【0077】
本発明の別の有効な実施例では、光学素子25、開口43、及び光源18からなる発光光学部品は、最良焦点発光光学部品のモジュール/対象間距離(開口43の光学的に合焦された画像が対象上に投影される距離)が、受光光学部品のモジュール/対象間距離(対象となる指標、例えばバーコードの光学的に合焦された画像が画像センサ32に入射する距離)よりも長くなるように、受光光学部品40に対して調整される。このような実施例は、モジュール10−22によって示されるような、照準パターンが照射パターンとして働くことのできる1次元実施例において大変有効である。受光最適焦点距離よりも長い発光最適焦点距離を有するようにモジュール10−22を構成することは、モジュール10−22の視野の奥行を増すものと認められている。最良受光焦点距離近くの読取装置距離において、モジュール10−22は高画質であるため、光学的に合焦されたとは言えない照準パターンが対象T上に投影されている状態でバーコードを読取るためにうまく用いることができる。最良発光焦点距離に近い、より長い距離では、光学的に合焦された照射パターンは高いS/N比を発生させ、モジュール10−22は、より長い距離にある指標を良好に復号することができる。モジュール10−22の一例では、モジュール10−22は、約7インチよりも長い最良発光焦点距離(開口43が対象上に光学的に合焦される距離)と、約5インチよりも短い最良焦点受光焦点距離(指標がセンサ32上に光学的に合焦される距離)を有するように設定される。
【0078】
図6uの実施例では、光学板26はその光入射面上に、照準パターン線分648の幅を限定するための結像光学部品29’を備えている。照準光を均質化するために、照準光源18によって発光される光の光路において光学板26上に拡散器27を設けることも望ましいかもしれない。例えば、同一水平面上にある照準光源18から発光される光を均一化することが望ましいかもしれない。図6v、6w、及び6xは、一列の照準光源18に沿って見た、様々な光学板26の切開上面図を示している。図6v、6w、及び6zに示す光学板26は、例えばモジュール10−1、モジュール10−9、またはモジュール10−22の光学板を表しているであろう。図6vの例では、光学板26は、照準パターン光を均一化するための回折型光学拡散器27aを同一水平面に具備している。図6wの例では、光学板26は、照準光を均一化するための屈折型光学垂直配向円柱マイクロレンズ拡散器27bを同一水平面に具備している。図6xの例では、光学板26は、光を均一化するための垂直配向円柱負レンズ27cを同一水平面に具備している。
【0079】
ここで照準光学部品25は光学板26の光出射面上に配置されるものとして説明され、照準拡散器27は光学板26の光入射面上に形成されるものとして説明されたが、照準光学部品25は光入射面に形成してもよいし、照準拡散器27a、27b、及び27cのいずれかを光学板26の光出射面に形成してもよい。さらに、1つ以上の照準システム光学素子を単一面上に形成することもできるであろう。垂直方向に向けられた円柱マイクロレンズ拡散器27bは、例えば、光学板の光出射面の円柱レンズ25cに組み込むこともできるであろう。
【0080】
ある実施例において、照準光源18、開口43、及び光学部品25(例えば円柱または球面レンズ)を備えた照準パターン生成システムがどのように鮮明で切れのよい照準線を広範囲にわたるモジュール/対象間距離(モジュール10が読取装置に実装されている場合は、読取装置から対象までの距離)において生成できるかについて、図6yを参照して説明する。図6yの撮像モジュール側面図では、焦点668を有する結像レンズ25は、開口43の光学的に合焦された画像を画像面669に投影している。光線670、671、672、及び673は、画像面669の位置、及び画像面669における開口画像のサイズを示すために描かれている。光線674、675、676、及び677は、レンズ25によって提供される開口絞り機能によって定められる図6yのシステムの限界光線である。読取距離678において、開口43の光学的に合焦された画像、従って鮮明で切れのある照準パターン、例えば照準パターン630が対象T上に投影されることが分かる。これよりも近い読取距離、例えば距離679では、開口43の光学的に合焦されたとは言えない画像が対象T上に結像される。しかしながら、実質的に開口43から発光されるいかなる光も限界光線674及び675によって定められた境界を越える位置には届かないので、投影される画像は鮮明かつ切れよく定義される。さらに遠い読取距離、例えば距離680でもまた、開口43の光学的に合焦されたとは言えない画像が対象T上に結像される。しかしながら、実質的に開口43から発光されるいかなる光も限界光線676および677によって定められる境界外の場所には到達しないので、開口43の遠視野に投影された画像は、鮮明かつ切れよく定められる。照準パターン、例えば630の高さ寸法は、レンズ25の高さ寸法を制御することによって制御できることは、観察から分かるであろう。薄い照準線は、レンズ25の高さ寸法を減少させることによって生成することができる。さらに、照準パターン、例えば照準パターン630の切れの良さおよび鮮明さは、鮮明に定義された不透過な開口絞り部材をレンズ25の境界付近に1つまたは複数個設けることによって向上させることができる。図2n(モジュール10−9)、図6m(モジュール10−22)、及び図1m(モジュール10−1)に示されるような不透過な開口絞り部材681は、レンズに取付、接着、または他の方法で固定された鋭利に縁取りされた機械部材によって得られるか、またはレンズ25の表面に溶射、焼付け、または他の方法で蒸着された物質からなることができる。
【0081】
切れのよい鮮明に定められた照準パターンが広範囲のモジュール/対象間距離にわたって投影される別の照準システムについて、例1を参照して説明する。例1では、1.0mm未満の非常に小さい開口高を有する開口照準システムが提供されている。開口43のサイズは、別々の照射光源を有する2次元撮像モジュールの実施例において、画像取込み性能を損なうことなく容易に減少させることができ、多くの1次元撮像モジュールのように画像データの生成において照準照明を用いる必要がない。例1で述べる照準システムは、例えば図1aに示すモジュール10−1への実装に大変適している。
【0082】
例1
図1hに実質的に示されるような、一対の照準LED18、一対の開口43、及び一対の球面レンズ25sを備えた照準パターン生成システム685は、照準パターン生成システムの半分がそれぞれ表1に示すような特性を有するように設計されている。
【0083】
【表1】

【0084】
照準システム685は、実質的に図6zのシステム685のコンピュータでモデリングされた側面図に示されるような照準パターン光線を生成する。小サイズの開口43は、光線が垂直面におけるレンズ25sの境界686に達するのを実質的に阻止することが分かる(照準光線は、水平面上の境界686には達することができるので、図6yを参照して説明されたレンズ開口作用が水平面においては当てはまる)。その代わりに、開口43から放射される光束は、これらの光束がレンズ面25sを具備するレンズ部材上において、垂直面におけるレンズ部材の中心(軸)に向かって入射するように、おおむね集束される。上記システムの結像面(開口の画像が対象T上に光学的に合焦される面)はレンズ25sから実質的にほぼ数ミリメートルに定められるように実験によって決定されたが、光学焦点距離からかなり離れた距離(7インチ超など)における対象T上に投影される照準パターンは、それにもかかわらず鮮明で切れがよく、短い読取距離の場合よりは実質的に厚いが、かなり狭いものになることが観察された。レンズ25sから出る光線は、実験により推定された結像面688を超える距離で、垂直面において緩やかに発散する(約2度ほど)ことが確認された。従って、レンズ25sから出る光線の発散が緩やかであることから、対象上に投影されるパターンの高さ寸法(厚さ)は、光学焦点距離から離れた長いモジュール/対象間距離において実質的に狭く、画像センサ32の視野内に保たれており、長い距離(7インチ超)において開口43の形状に対応してはっきりと定義されていることが認められた。光線の緩やかな発散は、光入射光線が実質的にレンズ25を含むレンズ部材の中心(軸)に向かって集束されていること、さらにおそらくは開口43の高さ寸法が小さいことに起因する回折光学特性の結果であると考えられた。
【0085】
表2には、様々なモジュール/対象間距離においてシステム685によって生成される照準パターンの特性の概要が示されている。
【0086】
【表2】

【0087】
表2に記載された様々な距離における投影照準パターンは、図7aないし図7dに示すように図示される。照準パターンの形状は、鮮明に定められた矩形であることが認められた。様々な距離における投影照準パターンは、図7aないし図7dに実質的に表されるような鮮明さを示した。システム685によって投影される照準パターン631が、鮮明に定められた側方縁632を示すことが重要である。さらに、パターン631の鮮明に定められた側方縁632は、上記システムでは様々な距離において、Tによって定められ表2に示される画像センサ32の視野内に常に投影されると考えられる。鮮明に投影された縁632が対象領域Tに相当する画像センサの視野の内側(図示)、視野の上、あるいは視野のちょうど外側に投影されるように、照準パターン631が投影されることが好ましい。視野の横方向境界近くに鮮明な側方縁632を有する照準パターン631を投影するようシステム685を構成することにより、モジュール10の視野を対象証印上で横方向中央揃えするのを助けるのに有効な照準パターンが得られる。水平面および垂直面の両方に光線を投影するように作用する球面レンズ25sを選択することによって、照準パターン631の鮮明な側方縁632が定められることになる。照準システム685は、約1インチ未満から約15インチ超までの読取範囲における通常タイプの復号可能データ形式を読取るように構成された撮像モジュールに組み込まれた、約7インチの最良受光焦点距離を有する受光光学システムと組合わせて使用することもできる。
【0088】
D.照射装置構造
図2aに示すモジュール10−2を再び参照すると、モジュール10−2は、表面実装照射LED16と、表面実装照準LED18とを備えている。表面実装LEDは、プリント回路基板上に直接配置されたダイを有するタイプのLEDである。モジュール102の実施例では、プリント回路基板14bは、4つの照射LED16と、一対の照準LED18とを担持している。図8aないし図8bを参照すると、照準光学部品16pと組合わされて動作する照射LEDダイ16dは、対象領域を実質的に均一な照明で照らす。照準LEDダイ18dは照準光学部品43及び18pとともに、対象領域Tに照準パターンを投影する。“屈折型拡散器を備えた光学読取装置用の撮像モジュール”というタイトルで2001年3月8日に出願され参照によって本明細書に引用される、同時係属中の出願第09/802,579号に説明されるように、照準LEDおよびこれに関連する光学部品によって投影される照準パターンは、例えば、直線、分割線、または幾何学形状を有することができる。
【0089】
表面実装LEDのさらなる詳細について、図8aの断面図および図8bの分解上面図を参照して説明する。図8aの断面図を参照すると、表面実装LED16及び18は、プリント回路基板母材14s、エポキシ層14e、及びエポキシ層14e上にLEDダイ16d及び18dに対してそれぞれ対向する位置関係で配置されたレンズ16p及び18pからなるプリント回路基板アセンブリに集積されている。表面実装LEDのエポキシ層14eは半透明であることが知られている。表面実装LED回路基板14sは、モジュール10−2の第2の回路基板14b、及びモジュール10−3の第1の回路基板14aである。ダイ16d及び18dはこれらに関連したワイヤ結合16w及び18wを有しており、電流をダイ16d及び18dに循環可能としている。従って、図示した実施例では、照射LED16は、1LEDあたり単一または複数のLEDダイ16dを有し、照準LED18は、1LEDあたり単一のLEDダイ18dを有している。LEDダイ16d及び18dは、PCB母材14sの表面に形成された反射器カップ14r内に配置されている。反射器カップ14rは、PCB14aからカップ部14rを機械切削することによって作ることができる。各反射器カップ14rの表面14cは、金、銀、アルミニウム等の反射材料でコーティングされている。
【0090】
LEDダイが反射器カップ14r内に被着された後、エポキシ層14eがPCB基板14s上に積層される。レンズ16p及び18pは、カップ14rに対して対向する位置関係でエポキシ層14e上に同時形成される。図示した実施例で、照射LEDレンズ16pは、照射LEDダイ16dからの光線を、対象スペースに実質的に均一なパターンで発散させるための発散光学部品を具備していることが好ましい(従って、素子27とも表示されている)。レンズ18pは、LEDダイ18dから放射される光からの光線を集束させるための集束光学部品を具備していることが好ましく、従って素子25とも表示されている。レンズ16p及び18pの縁16e及び18eが図1fに示されている。ある実施例では、破線43で示されるスリット開口は、レンズ18pが開口43を画像センサ32の視野によって定義される対象上に投影するように、LEDダイ18d及びレンズ18pと関連して配置されることができる。スリット開口43は、図1eの破線で示した開口スリット43に示されるようにエポキシ層14eに埋め込んでもよいし、あるいはスリット開口43は、エポキシ層14eの上または下に形成してもよい。反射器カップ4rは、その内部に位置合わせエポキシを配置することもできる。このエポキシは、拡散を助けるために、拡散物質としてチタン酸化物が付加されてもよい。
【0091】
モジュール10−1では、図1hに最もよく示されているように、照準LED18および照準LED16は、図7eに示す分解側面図によって図示されているような側面リード型表面実装背面ベンチLEDによって提供される。この側面リード型表面実装LEDは、従来のリード型LEDと同様に、そこからリード線18Lが延びているが、従来のリード型LEDとは異なって、リード線18LはLED16、18の側面から延びている。側面から延びるリード線18Lは、“ガルウイング”と呼ばれることもある。側面リード型表面実装LEDはさらに、図7eに示されるように実質的に平坦な裏面18pbを有している。裏面18pbには従来のリード付きLEDのように底面から延びるリード線がないので、裏面18pbは実質的に平坦となるよう製造することができる。リード線のない平坦な裏面18pbは、PCB14bまたは他の平坦な部材に対して容易に背面ベンチングされることができ、LED18を正確な向き(モジュール10−1では直角方向)に容易に取付けできるようになる。さらに、従来のリード型LEDのようにプリント回路基板の、ベンチングされる面に対向する面上にLEDをはんだ付けする必要がなくなるので、側面リード型LEDの取付けが複雑でなくなる。側面リード型表面実装LEDの側面リード線18Lは、従来の表面実装LEDのはんだタブとは異なり、回路基板上におけるLEDの背面ベンチングによって制御されるようなLEDの厳密な正しい角向きを変更させることなく、プリント回路基板に対して容易にはんだ付けすることができることが重要である。図1hに示すように、側面リード型照射LED16は、LED18LがX軸およびY軸に対してある角度となるように搭載される。LED16をある角度で搭載することによって、LED16Lと、通常は導電性である支柱84との間に十分な空間が設けられる。
【0092】
図1hに示すZ軸に対するLEDの厳密な角向きは、ここに記載される多数の実施例において非常に重要であることは分かるであろう。Z軸に対するLED16、18の正確な角向きは、回路基板14a及び14bに対する側面リード型表面実装LEDの背面ベンチングによって得られる。LEDの密着した背面実装は、LED16、18によって消費されるZ方向スペースをも減少させる。さらに、側面リード型表面実装LEDの使用により、外部の位置合せ部材または組立処理における外部のLED位置合わせステップが必要なくなる。
【0093】
本発明において使用できる側面リード型表面実装LEDの一例は、カリフォルニア州Palo AltoのAgilent Technologies, Inc.によって製造されるHLMX“サブミニアチュア高性能AlInGaP”シリーズのLEDである。上面の平らなHLMX-PXXX Agilentランプは広幅の放射パターンを有しているので、幾つかの適用において照射LED16として用いられる場合にはさらに有効である。ドーム型HLMX-QXXX Agilientランプは狭い放射パターンを有しているので、ある適用においては照準LED18として用いられる際にさらに有効である。ある適用においては、照準及び照射LED16、18の両方がドーム型HLMX QXXXランプによって提供される。
【0094】
図4aないし図4nを参照して説明された成型光管・LEDアセンブリの変形例について、図8c、8d、及び8eを参照してここでさらに詳細に説明する。図8cの実施例では、光管・光源アセンブリ370は、PCB14(例えば14a及び14b)に取付けられた単一の表面実装LEDパッケージ92−1を備えている。LED92−1は、単一のLEDダイを備えている。さらに図8cの実施例を参照すると、光管311は、光管311の主要な光屈折面376がPCB14に対して一定のほぼ45度の角度を成すように製造され取付けられる。
【0095】
図8dの実施例では、光管・光源アセンブリ371は、多リードフレーム表面実装パッケージ92−2を備えている。LED92−2は、内部に搭載された3つのLEDダイLD、及び単一のブラッグ反射器Rを有している。単一のブラッグ反射器Rを有するLEDパッケージに多数のLEDダイLDを配列することにより、表面実装LEDパッケージのサイズが小さくなる。さらに図8dの実施例を参照すると、光管311の光入射面は3つの部分se1、se2、及びse3に分けられ、それぞれがLEDダイLDの1つに対応している。各光入射面se1、se2、及びse3は、LEDダイLDのそれぞれに対する光管による光伝達の効率を最適化するようにPCB14と異なる角度を成す。拡散器27は、光管311の遠位端上に成型することができる。拡散器27は、光管311からの光を拡散し、さらにフレネル損失を減少させる。
【0096】
図8eの実施例では、光管・光源アセンブリ372は、3つのLEDダイLDを有し、各LEDは発光ダイをPCB14上に直接搭載し、PCBに搭載されたダイのアセンブリ上にエポキシeを堆積することによって形成される。LEDダイLDをPCB14上へ直接搭載することにより、LEDパッケージ92−3のサイズが小さくなる。さらに図8eの実施例を参照すると、アセンブリ372の主要光屈折面srは3つの部分sr1、sr2、及びsr3に分けられており、それぞれLEDダイLDの1つに対応している。光屈折湾曲面srの各部sr1、sr2、及びsr3は、光管86−2による各LEDダイLDへの光伝達の効率を最適化するようにPCB14と異なる角度を形成している。システム372のフレネル損失を減少させるために、エポキシeの屈折率Neは、成型された光管311の屈折率Npにほぼ合致するように選択されることができる。
【0097】
図8eのアセンブリ372及び図8dのアセンブリ371は、多数のダイを有する光管・光源アセンブリにおいて光管による光伝達の効率を最適化するための2つの異なるシステムを図示している。LED92−2及びLED92−3は、多数のダイを備えた単一光源である。これらのシステムのいずれも、多数の光源を有し、該多数の光源が1つのダイあたり1つのブラッグ反射器を有する標準的な表面実装LED、または標準的な単一ダイリード型LEDを備えている光管・光源アセンブリにおいて使用できることは分かるであろう。図8c、8d、及び8eに描かれた光線LRは、理想的な光源LDから放射されているものとして示されている。実際の光源は、入射光線の起点及び角度が実質的にかなり多様であることを理解すべきである。さらに、ここに記載されたLED、例えばLED16及びLED18はいずれも、多数のLEDダイがそこに組み込まれたLEDパッケージによって提供されうることが理解できるであろう。ドイツのミュンヘンのInfineon Corp.は、多数のLEDダイを備えたLEDの設計製造を専門にしている。
【0098】
LED16及び18の効率を上げるための装置について、図8f及び図8gを参照して説明する。図8fを参照して説明されるシステムでは、購入された部分表面実装LED18、18sがPCB14(例えばPCB14a、14b)に実装され、透明なエポキシレンズ18Lが表面実装LED18、18s上に成型される。レンズ18Lによって得られるレンズ効果により、LEDから放射される光の発散量が減少する。図8gを参照して説明されるシステムでは、リード型LED18がPCB14(例えば14a及び14b)に実装され、概ねボックス型のレンズキャップ18cがLED18上に実装される。レンズキャップ18cは、レンズ18Lと同様に、LED18から放射される光が発散する量を減少させる。LEDから放射される光線の発散を減少させることは、LEDが開口に向けられるよう構成された照準LEDである場合に特に有効である。しかしながら、設計者の中には、完全な開口を“満たす”ことを重視する人がいるかもしれない。LED18s及びレンズ18Lからなるシステムは、一括してLED18と見なすことができる。同様に、図7mのLED18及びレンズ18Lからなるシステムを一括してLED18と見なすこともできる。
【0099】
E.照射/照準発色の制御および調整
図8bの実施例の照射光源16は、複数のLEDダイ16dを具備していることが分かる。図8hに示されるように、読取装置を定義するために読取装置ハウジング111のいずれかに取り付けることのできるモジュール10−23の照射光源16は、多数のLEDダイ16dを有し、それぞれ独立して駆動可能でかつ他のLEDダイとは異なる発光波長帯域を有する多色発光光源とすることができる。図8h及び図1zに示す照射光源16、16MCは、3つのLEDダイ16d−1、16d−2、及び16d−3を有する多色発光光源である。多色LED16mc、18mcは、ここに記載するモジュール10−1ないし10−22のいずれにも実装することができる。第1のLEDダイ16d−1は青色光波長帯域の光を発光するように独立して駆動可能で、第2のLEDダイ16d−2は緑色光波長帯域の光を発光するように独立して駆動可能で、LEDダイ16d−3は、黄色光波長帯域の光を発光するように独立して駆動可能である。制御回路140によってLED16MCに提供される一組の信号は、一組のLEDダイ駆動信号と呼ぶことができる。制御回路140は、読取装置110の現在の適用に基づいてLED16MCに対する電流を変えるように制御することができる。多色発光光源16及び16MCは、例えば、米国カリフォルニア州San JoseのInfineon Technologies Corporationから入手できるタイプの模範的LATBカラー光源とすることができる。
【0100】
異なる面は、その形状、色、及び材料の種類に応じて、異なるタイプの照射に対して様々に反応することが多い。制御回路140は、第1の組のLEDダイ駆動信号を用いたバーコードの復号が成功しなかった場合、自動的に第2の組のLEDダイ駆動信号をLED16及び16MCに供給し、復号が再度失敗した場合は第3の組のLEDダイ駆動信号をLED16及び16MCに供給するなどを、復号が上手く行われるまで行うように構成されることができる。制御回路140は、良好な復号が得られた前記一組のLED駆動信号を取っておき、復号化を始動させるように次にトリガ13tが引かれた場合に該駆動信号の組を利用するように制御回路140を構成することもできる。
【0101】
本発明の別の実施例によれば、読取装置110は、LEDダイ16d−1、16d−2、及び16d−3が組合わされて発光された色を、読取装置が現在使用されている適用に最適化させるように、制御装置140によってLED16MCに供給される一組のLEDダイ駆動信号をオペレータによって選択可能するよう構成されている。例えば、読取装置110が、ある金属表面に形成されたバーコードを復号するために用いられる場合、オペレータは、制御回路140がLED16MCに対して、該金属面上に形成された画像を取り込む際に用いるのに好適であると先に判断された1組のLED駆動信号を供給するように読取装置110を構成することができる。オペレータはさらに、LEDによって放射される色を、証印を備えた対象領域内にある色に応じて変更したいと思うかもしれない。例えば、対象領域が白い背景上に形成された赤い証印を備えている場合、オペレータは、制御回路140が白色光を発光するLEDを得るように作用する1組のLEDダイ駆動信号を供給するよう、例えばメニューオプションの選択によって制御回路140を構成することができ、これにより白地に形成された赤い証印を備える場合において画像データの取り込まれたフレーム内のコントラストが最適化される。
【0102】
読取装置110は、ディスプレイ14d上のある証印の表示に応じてキーボード13k上の1つ以上の特定の制御ボタンを選択することにより、ある1組のLEDダイ駆動信号が制御回路140によって多色発光LED16及び16MCに対して供給されるよう、構成されることができる。読取装置110は、後でさらに詳細に説明するように、あるタイプの“メニューシンボル”を読取ることによって、ある1組のLEDダイ駆動信号が多色発光LED16に対して供給されるように、構成することもできる。
【0103】
読取装置110は、LED16MCに供給される1組のLED駆動信号が、読取装置110によって検知された、例えば周囲光、対象内にある証印の色、対象の材料状態、読取装置から対象までの距離、画像の焦点レベル、対象の形状または表面特徴などの検知状態に応じて自動的に変わるよう構成されることもできる。読取装置110は、読取装置によって駆動される照明がなくても、画像データの取込みフレームの分析によって、周囲光状態を自動的に検知することができる。読取装置110は、公知の照射条件の下で取り込まれた画像データの取込みフレームの分析により、対象の反射率状態を判定することができる。様々な自動範囲判定・焦点レベル決定方法が、当業者にとって公知である。よく知られているように、読取装置の読取装置/対象間距離は、対象上の光点を読取装置のハウジングから斜めに向け、取込んだ画像の光点の位置に基づいて読取装置/対象間距離を推定することによって判定することができる。画像のフォーカス度は、1998年6月30日に交付され、参照により本明細書に引用される同一出願による米国特許第5,773,810号に記載される方法など幾つかの方法によって判定することができる。読取装置110は、照射LED16MC及び/または照準LED18MCによって発光される色が、読取装と対象との距離や画像のフォーカス度に応じて変わるように構成されることができる。例えば、読取装置と対象との距離が所望の最小読取装置/対象間距離よりも短い場合には自動的に赤色光(“熱すぎ”の状態を示す)を発光するようにLED16MC(および/または18MC)を制御することができ、読取装置と対象との距離が許容可能な距離の範囲内にある場合は自動的に白色光を発光するようにLED16MC(および/または18MC)を制御することができ、さらに読取装置と対象との距離が所望の最大読取装置/対象間距離よりも長い場合には自動的に青色光(“冷たすぎ”の状態を示す)を発光するようにLED16MC(および/または18MC)を制御することができるように、制御回路140を構成可能である。同様に制御回路140は、最も最近に取込んだ画像が許容可能でないフォーカス度を示している場合は自動的に例えば青色光を発光するようにLED16MC(及び/または18MC)を制御し、最も最近に取込んだ画像が許容可能なフォーカス度を示している場合には自動的に例えば白色光を発光するようにLED16MC(及び/または18MC)を制御できるように、構成することができる。
【0104】
読取装置10において画像センサを用い、検出された色と相関性のある適切なカラーフィルタを作動させ、カラー画像センサによって生成された画像信号を分析することによって、対象領域に何らかの色があるかないかを容易に検出することができる。読取装置110においてカラー画像センサを用いることの利益および利点は、“カラー撮像器を有する光学読取装置”というタイトルで2001年7月13日に出願され、その全体を参照することによって本明細書に引用される出願第09/904,694号においてさらに十分に議論されている。
【0105】
本明細書中に記載される可変発光特徴は、多色光源ではなく、異なる色の単色光源を複数設けることによって得られる。例えば照射システムは、単色赤色LED群と、単色青色LED群とを具備することができる。制御回路140は、赤色LED群を停止させ青色LED群を起動させることによって、照射対象の照射の色を赤から青に変更できる。
【0106】
多色発光LEDダイは、図1rに示す照準LED18MCによって示されるように照準照明LEDとして用いることもできる。制御回路140は、読取装置110の動作モードに応じて、異なる多色照準LED照明源18MCに対して異なるLED駆動信号の組を供給することができる。例えば、読取装置110が復号化試行モードで作動している場合、制御回路140は、多色照準LED18MCに対して、照準LED18MCに緑色光を発光させるような1組のLED駆動信号を供給することができる。読取装置110がバーコードを良好に復号した場合、制御回路140は、多色照準LED18MCに赤色光を発光させるような1組のLED駆動信号を多色LED18MCに供給することができる。つまり制御回路140は、バーコードまたは文字の良好な復号がなされた場合には照準照明LED18MCから発光される照明の色を第1の色から第2の色に変更することによって良好な読取指標を生成することができ、制御回路140は、バーコードまたは文字が良好に復号された場合に照射LED16MCに対して供給される1組のLED駆動信号を変更することによって、良好な読取または作動状態における他の変化を示すこともできる。
【0107】
照準照明パターン630と背景照射パターン520の間のコントラストは、照準光源が照射光源16とは異なる色の光を放射するように照射光源18を選択することによって向上させることができる。
【0108】
本発明の一実施例では、例えばモジュール10−1の照射LED16は赤色光LEDからなり、照準LEDは緑色LEDまたは青色光LEDからなる。照準LEDを、照射LEDとは異なる色の光を投影するように選択することによって、照準パターン74が背景パターン74とは異なる色で対象T上に投影されることとなり、オペレータが照射パターンに対して照準パターンを認識する能力が高まる。照準光源18と照射光源18が異なる色の光を発光するように選択された場合、対象から反射される受信光は、異なる色のうち一つだけが画像センサによって受光されるようにフィルタにかけることができる。図6mは、1次元画像モジュール10−22に組込まれたカラーフィルタ450を示している。図3gは、2次元画像モジュール10−11に組込まれたカラーフィルタ450を示している。カラーフィルタは、必要な色の光を通す帯域通過フィルタ、または必要でない色の光を遮断する遮断フィルタとすることができる。フィルタ450を用いれば、ある適用において、照準光源18からの光をフィルタにかけることができる(照準光源16とは発光が異なる場合)ので、バックアウトパターン630の照準光源18を電子的に“チカチカさせる”必要はなくなる。
【0109】
照準パターンおよび照射パターンを形成する色の特定の組合せは、照射および照準照明光源が組込まれる光学読取装置で予想される特定の用途に基づいて選択することができる。読取装置が白地に黒のプリントされた証印に使われることが想定される標準的なバーコード読取適用において、例えば、照準LED18は赤色光を発光するように選択され、照準照明LEDは青色光を発光するように選択されて図85に示すようなコントラストの強い照射パターンを形成するようにすることができる。光学読取装置が蛍光オレンジのポストネットコードを読取ると想定される適用では、照射LED16は緑または青色光を放射するように選択でき、照準LED18は赤色光を放射するように選択できる。光学読取装置10が白地に赤でプリントされた証印を読取ために用いられると想定される適用においては、照射LED16は白色光を放射するように選択でき、照準LED18は赤、緑、または黄色光を放射するように選択できる。光学読取装置10が写真処理暗室で使用される適用では、照射LED16は赤外スペクトルの光を放射するように選択でき、照準LED18は赤、緑、青、または黄色光を放射するように選択できる。
【0110】
表3は、上述した照射光源・照準光源と適用との相関関係をまとめたものである。
【0111】
【表3】

【0112】
白色照射LEDの利用により様々な利点が得られる。白色光は、赤色光と比べて気を散らさない色である。赤色光照射パターンは、目を疲れさせ頭痛を引き起こすと認められている。さらに赤という色は、多くのタイプの産業上適用では危険を示すものである。従って、白色光の使用により、赤色照射光が危険な状況を示すと読取装置10の近くで働いている人々によって誤解されるという問題を避けることができる。さらに、白色光照射光源を使用することによって、赤色インクのサイン、赤色バーコード、及びアジアで使用されているような赤い“印鑑”など赤で印字された証印を撮像可能になる。さらに、白色光照射光源を使用すれば、照準照明LEDが狭い(白でない)帯域の光を放射するように選択されている場合、照射パターンと照準パターンの間に良好なコントラストが提供される。
【0113】
多色発光光源LED16MC及び/又は照準LED18MCを使用すれば、単に異なる組のLEDダイ駆動信号を照準LED18MC及び照射LED16MCに供給することによって、LEDを物理的に除去したり置き換えたりすることなく、さらに異なるLEDがモジュール10に付加される場合には必要とされたようにモジュール10のサイズを大きくすることもなく、コントラストの強い照射および照準パターンの様々な組合せが得られる。多色発光光源照射および照準LED16MC及び18MCを有する読取装置110は、使用者が制御入力を作動させて背景パターン72と照準パターン74によって定義される特定の色の組合せを変更できるように構成されることができる。照射パターンと照準パターン間の色コントラストの組合せは、読取装置110の動作モードに応じて選択的に起動されうる異なる色の単色照射光源および/または照準照明光源の個別の群を読取装置110に設けることによっても変更可能とすることができる。しかし、そのような解決法はモジュール10のサイズを大幅に大きくしてしまうであろう。
【0114】
図8kの読取装置110に示されるように、制御回路140は、ディスプレイ14d上に、1組のユーザ選択可能な適用設定を表示するようにプログラムされることもでき、この設定は“多モード画像取り込み・復号光学読取装置”というタイトルで2001年5月15日に出願され参照によって本明細書に引用される、同一出願人による米国出願第09/858,163号に説明されるような公知のメニュードライバ選択方法の1つによって選択可能である。図8kに示す実施例では、ディスプレイ14dは、ユーザに対して様々な適用設定、すなわち“標準バーコード”、“オレンジポストネット”、“赤色証印”、及び“暗号化バーコード”を表示している。適用メニューオプションの1つが選択されると、制御回路140は表1に列挙される適用とパターンの対応関係に従ってメニュー選択に対応するLED16MCおよび18MCに対して1組のLEDダイ駆動信号を供給する。すなわち、標準バーコードオプションが選択された場合、制御回路140は、照射LED16MCが赤色光を放射し照準LEDが青または緑色光を放射するようにLED16MC及び18MCに対して1組のLEDダイ駆動信号を供給することができる。“赤色証印”オプション14d−rが選択された場合、制御回路140は、照射LEDが白色光を放射し、撮像LEDが赤色光を放射するなどのようにLED16MC及び18MCに対して1組のLEDダイ駆動信号を供給することができる。
【0115】
読取装置110は、照準LED18MCと照射LED16MCによって投影される色の特定の組合せが、検知された状態に応じて自動的に変わるように構成することもできる。
【0116】
例えば、読取装置110は、読取装置110が先に述べたような方法で対象領域に赤色証印があることを検知した場合、照射LED16MCが白色光を放射し照準LED18MCが青色光を放射するように、すなわち赤色証印を備えた対象を撮像するのに好適な照準パターンの色組合せとなるように、制御回路40がLED16MC及び18MCに対して1組のLED駆動信号を供給できるよう構成されることができる。
【0117】
F.受光光学部品
モジュール10のサイズを小さくすると、モジュール10の感度が、画像センサ32に対するレンズアセンブリ40の距離に応じて変化する。従って、レンズバレル40として図示されているレンズアセンブリ40とレンズ保持器82との配置を、レンズバレル40がレンズ保持器82内にで細密調整できるようなものにすることが有益である。レンズアセンブリ40に組込まれた結像レンズは、例えば単一素子レンズ、2素子レンズ(レンズダブレット)、3素子レンズ(レンズトリプレット)とすることができ、1つまたは複数のレンズアセンブリ40は、様々な材料、例えばガラス、プラスチックなどから作ることができる。
【0118】
従来技術では、レンズバレルは通常、図11に示すように保持器82のねじ山82tに受け入れられるねじ山40tをその外側面に備えていた。ねじ山付きレンズバレルシステム内でのレンズと画像センサとの距離は、所望のレンズ/画像センサ間距離が得られるまで単にバレルレンズアセンブリ40を保持器82にねじ込むことによって調節される。
【0119】
ねじ付きレンズバレルの距離を調節する精度は、バレル40と保持器82のねじ山の数を変えることによって向上させることができる。しかしながら、システムのねじ山数を増やすと、バレルレンズアセンブリ40と保持器82の製造コストは大幅に増加する。
【0120】
低コストで細密調整可能なバレル・レンズ保持器システムについて、主に図8Lないし図8rを参照して説明するが、本発明によるレンズアセンブリ調整特徴を示す別の図および/または実施例が図1h、1i、1o、1p、1s、及び2Lに図示されている。図8Lの実施例では、レンズ保持器82の内側面とバレル40の外側面410の両方にねじ山がなく、ほぼ滑らかであることが分かる。バレル40は、保持器82に摺動自在に受けられる。バレル40は保持器82の内側壁412上を摺動するものでもよいし、あるいはバレル40はレール435上を摺動してもよい。バレル40と保持器82は、バレル40が保持器82内で実質的に軸方向に動かないように、厳重な、あるいは極めて厳重な公差で製造されることが好ましい。図8Lのバレル・保持器システムのさらなる側面によれば、保持器82は、接着剤受入開口414と、保持器82の軸と同延の細長い調整ピン開口416とを具備している。開口414および開口416の変形例が幾つかの図面にわたって示されている。バレル40の更なる側面について言及すると、レンズバレル40は、図1oの実施例ではバレル40の円周に沿って形成されているノッチ420を具備している。レンズ保持器82は、バレル40がレンズ保持器82において所望の半径方向にて受けられるように、バレル40の相補形に形成されたくさび426と係合するくさび424をさらに具備している。
【0121】
バレル82bを保持器82と調整し固定するために、内部にバレル82bを非固定的に取付けたモジュール10は固定具93内に配置されるが、この固定具は図8p及び8qに示すようなタイプのものとすることができる。固定具93は、1つの定置部材93sと、定置部材93sに対して小刻みに動くことのできる1つの可動部材93mと、固定具93内にモジュールを締着するために作動可能なクランプ装置93cとを具備することができる。モジュール10が固定具93内に配置されると、固定具93のピン93pは細長ピン受入開口416を貫通してバレル82bのノッチと係合する。それから、固定された部材93sの位置に対して固定具93の可動部材93mの位置を調整することによって、レンズと画像センサとの距離が細密調整される。図8p及び8qの固定具では、部材93sに対する部材93mの位置を細密調整するために、マイクロメータ調整ノブ93kが作動される。レンズとバレルとの距離の調整を助けるために、レンズバレル調整組立てステップの間、モジュール10は電源投入され、テスト対象Tを撮像するよう位置決めされ、ディスプレイ168d(図10e)と通信するようになされることができる。組立工は、ディスプレイ168d上に表示されたテスト対象の画像を見ながら固定具93を用いてレンズ/画像センサ間距離を調整することができ、ディスプレイ168dに表示された画像の質に基づいて所望の距離が得られるかどうかを判断することができる。所望のレンズ/画像センサ間距離が得られると、オペレータは、接着剤がレンズバレル40を保持器82に固定された取付け位置で接着させるように、接着剤を接着剤受入開口414に配置する。接着剤は、例えばLOCTITE401、LOCTITE UV4304、LOCTITE406、LOCTITE4471などのシアノクリレートを基剤としたエポキシ接着剤とすることができ、これらは全てコネチカット州Rocky HillのLOCTITE Corporationから入手可能である。レンズバレル調整工程の際にモジュールによって撮像されるテストパターンは様々な形態をとることができるが、表示された画像の観察によってフォーカスの質が容易に判断できるように、複数の細密印字証印からなることが好ましい。例えば、1ドル札をテスト対象として利用することができる。フォーカス度は、図10aないし図10eと関連して説明されたプロセッサ140によって取込まれる画像の画像分析によって判定することもできる。例えば、許容可能なフォーカス度が得られたか否かの判定は、参照によって本明細書に引用される同一出願人による米国特許第5,773,810号に記載されるようにフォーカス度信号の値に基づいて行うこともできる。
【0122】
ねじ山なしバレルレンズアセンブリ調整システムのさらなる側面について言及すると、図8mのバレル40上に形成されたピン収容ノッチ420は、図示されるように切頭されており、バレル40の円周に沿って延在するものではない。さらに例えば図8Lの実施例における接着剤受容開口414は、保持器82の平らにされた平坦な内側面424によって定められる位置に形成されている。保持器82の平坦化された平らな内面424はくさびとして働き、バレル40の相補形に形成された平坦な平面426と係合してバレル40を保持器82内の所望の半径方向に位置合せする。キー面426は図8yに示すよう凹面とすることもでき、表面426による接着剤の保持が改良されて保持器82とバレル40の間に大きな隙間が定められるようになる。キー係合機能を設けることに加え、バレル40と保持器82の相補形係合面424および426は、バレル40が保持器82内の所定の位置に保持される確実性を高めるように働く。平面424および426によって定められる界面は、液体接着剤が流れて保持器82内を自由に飛散してしまうようにするのでなく、硬化処理の間に液体接着剤を隔離された位置に保持するように作用する。表面426が凹面であれば保持機能は向上する。バレル420の接着剤境界面426と切頭されたノッチ420は、図8L〜図8mの実施例では間隔をあけて配置されているので、接着性物質を付加した後に保持器82内におけるバレルのさらなる調整が必要とされる場合に、接着性物質がノッチ420に入り込んで調整処理を複雑にする恐れはないであろう。バレル40は、図8p及び8qに関連して先に説明したように固定具およびテスト画像表示ディスプレイ168dを使用して、保持器82内において調整され取付けることができる。細密調整可能なねじ山なしレンズアセンブリバレルシステムの別の側面では、接着性物質を開口414だけでなくピン開口416内にも配置して、バレル40が保持器82内に保持される保持力を高めることもできる。そのような実施例では、保持器82は一対の接着剤受入開口414、416を具備していることが有効である。図8L及び8oに示すように、保持器82は、レール435を含む複数のレールを具備することができる。バレルは、レール435に乗るようになされることができる。レール435は、バレルの軸と平行に位置合せされることができるが、保持器82の内側壁412は、支持アセンブリ80をモールドからさらに簡単に取り外せるようにわずかな角度(例えば0.5度)だけ傾けることができる。本発明による支持アセンブリ80は、黒色ポリカーボネイトからなることができる。保持器が幾つか(例えば4つ)有しているレール435は、支持部80の製造工程を簡単にし、バレル40と保持器82の間の接着剤収容隙間を定めるのに役立つ。
【0123】
細密調整可能なバレル・保持器システムの別の実施例では、レンズバレル40bと保持器82の両方が、図8rの実施例によって概ね図示されているようにねじ山を具備している。しかしながら低コストの細密調整可能なねじ山付きレンズ調整システムでは、レンズバレル82bと保持器82のねじ山は、バレル40がひとたび保持器82内に収容されるとZ方向に数ミクロン移動可能となるように、実質的に粗い緩やかな公差のねじ山となるように選択される。本発明による細密調整バレル・保持器システムにおいて有効なタイプの粗いねじ山の例は、アメリカ規格協会(ANSI)によって設計されるようなクラス1粗ねじ山である。実質的に粗いねじ山が細密調整可能なねじ山付きレンズアセンブリシステムで用いられる場合、粗調整ステップでは、バレル40は保持器82にねじ込まれる。細密調整ステップでは、バレル40は、実質的に粗いねじ山の公差の利点を利用して、レンズ保持器82内においてねじ込まずにZ方向に沿って動かされる。実質的に粗いねじ山付きレンズバレルは、例えば図8Lに示すような接着剤受入開口を有することができる。細密調整可能な粗いねじ山付きレンズバレルシステムは、図8L及び図2Lに関連して説明したような細長ピン収容開口416を備えることもでき、この開口は接着剤受入開口としても働くことができる。さらに細密調整可能な粗いねじ山付きシステムのバレル82bは、ピン93pと係合するために図8rに示すようなノッチ410を備えたねじ山なし部を有するものでもよい。ピン93pは、バレル82bのねじ山と係合することもできる。所望のレンズ/画像センサ間距離が得られると、開口414、開口416、またはバレル82bと保持器82との間の別の露出界面に接着剤を付加して、バレル82nを保持器82上の固定位置に取付けることができる。ねじ山付きバレルは、図8p及び8qと関連して先に説明されたように固定具およびテスト画像表示ディスプレイ168dを使用して、保持器82内に調整され取り付けられることができる。
【0124】
図8rを参照して説明される細密調整可能なバレル・保持器システムの別の実施例では、バレル40と保持器82の両方がねじ付き部460、462、及びねじ山なし部464、466を備えている。ねじ山なし部464、466は、保持器82内におけるバレル82bの軸方向移動(軸aに対するバレルの移動)を本質的に防止するために極めて厳密な公差で製造されることが好ましい。ねじ山付き部460、462は、例えばANSIクラス1のねじ山など緩やかな公差の粗いねじ山、またはANSIクラス3のねじ山など厳しい公差の精密なねじ山を備えることができる。ねじ付き部460、462が粗いねじ山を具備している場合、保持器82は細密調整を可能にするために接着剤受入開口414およびピン収容開口416を備えることができる。ねじ付き部464、466が十分に微細なねじ山を備えている場合、バレル40はピン93pや開口416を使用しなくても保持器82内において細密調整されることができる。調整システムがねじ山を具備していてもいなくても、接着剤開口414を設けることが有効であることは分かるであろう。さらに、ねじ山の数に関わらず、またバレル40と保持器82上のねじ山部460、462のスパンに関わらず、ねじ山付きシステムにおける保持器82の任意の位置に開口414を設けることが有効である。
【0125】
G.素子の実装
ここでモジュール10、例えばモジュール10−1のさらなる側面について言及すると、“パッケージされていない”画像センサ32の一部または全体を第1の回路基板14aに搭載することによって、モジュール10のサイズをさらに小さくすることができる。従来の画像センサチップ、またはここで参照される“画像センサ”が、図8zに示されている。画像センサ32は、セラミックまたはプラスチック基板32s、一体型リードフレーム32L、及び保護カバー32cを備えている。一体型表面実装またはリード型フレーム32Lは、画像センサ32の本体から不動に延在しており、プリント回路基板14aにはんだ付けまたはソケット接続されるようになされている。
【0126】
従来の画像センサは耐久性があり取付が簡単であるが、かなりのスペースを消費するものでもあった。スペースを節約する手段として、モジュール10の画像センサ32はおそらく、以下の要素、すなわち(a)セラミック基板、(b)保護カバー、(c)リード線、のうち少なくとも1つが画像センサチップに集積されていない画像センサとされるであろう。上記の構成要素のうち1つ以上を含まない画像センサ32をプリント回路基板14bに搭載することによって、画像センサ32が消費するスペースが減る。
【0127】
撮像モジュール10(例えばモジュール10−1)は、図1aによって定義されるようにX、Y、及びZ方向寸法において空間を消費する。一体型基板32s及び/または保護カバー32cを内蔵していない画像センサ32を搭載すれば、画像センサ32の、従ってモジュール32のZ方向の空間消費要件が大幅に低減される。剛性のリードフレーム32Lを内蔵しない画像センサ32を搭載すれば、画像センサ32の、従ってモジュール10−1のX及びY方向の寸法要件が大幅に低減する。
【0128】
発明者は、モジュールの撮像システムの耐久性および性能に実質的な影響を与えることなく、上記の画像センサ構成部の1つ以上をモジュール10に組込まれた画像センサチップから除去することができることを発見した。画像センサ集積基板32sは、チップ32の画像ダイ32dをプリント回路基板14aに直接搭載することができるので、該画像センサ集積基板32sを画像センサチップから除去することができる。画像センサ32の保護カバー32cは、一体型カバー32cが無くても支持アセンブリ80によって画像センサ32を適切に保護することができるので、除去することができる。さらに、剛性のリードフレーム32Lは、画像センサダイ32dを直接プリント回路基板14aにワイヤ結合できる、またはプリント回路基板14aにはんだ付けできるので、画像センサ32から除去することができる。
【0129】
一体型基板32sを備えない“基板なし”画像センサをプリント回路基板14aに取付けるための方法について、図8s及び8tを参照して説明する。図8sを参照して述べられる実施例では、画像センサダイ32dは、プリント回路基板14a上に直接配置され、プリント回路基板14aにワイヤ結合される。ワイヤボンド32wは、例えばアルミニウム(AL)や金(AU)からなることができる。図8tを参照して示される実施例では、画像センサダイ32dは、ダイ32dとプリント回路基板14bの間に挿入されたソルダー・バンプ32bによりプリント基板14aに構造的および電気的に接続されている。オンタリオ州MontrealのTask Microelectronics, Inc.などの電子パッケージング会社は、リードフレームのない基板なしシリコンベースチップをプリント回路基板に直接搭載することを専門に行っている。
【0130】
プリント回路基板14aの前方の領域においてモジュール10のZ方向空間消費を減らすための別の方法について、図8uを参照して説明する。図8uに見られるように、画像センサ32は、画像センサ窓14wがプリント回路基板14aに形成される場合、面32f、すなわち画像センサ32の上面の周囲が回路基板14aの裏面14a−r上にベンチングされるようにプリント回路基板に表面実装することができる。図8uの実施例における画像センサ32は、一体型基板、保護カバー、及びリードフレームを有する図8sに図示するような典型的な“パッケージ”画像センサとしてもよいし、あるいは画像センサ32は、一体型基板、保護カバー、またはリードフレームからなるグループから選択した1つ以上の要素を備えないタイプのものとしてもよい。ソルダー・バンプは、画像センサ32をPCB14aに対して電気的かつ構造的に固定することができる。
【0131】
本明細書中に記載されるような小型の撮像モジュールは、コードレスのバーコード読取装置、PDA、及び携帯電話などのバッテリで作動される装置において使用されることが増えるであろう。従って、モジュール10に電力供給するようになされるバッテリの寿命を延ばすよう、モジュールを可能な限りエネルギー効率良くしたいと思う動機づけが増加してきている。
【0132】
図8rに示す実施例では、モジュール10−24の照射回路基板14bは、LED16及び18がさらに効率よく作動するようLED16及び18から熱を吸収する放熱器を備えるよう適応させられている。照射回路基板の断面が図8tに示されている。図8rに示すようなモジュール10−24の典型的な照射回路基板は、一般に銅からなる導電層の間に挿入された3層の断熱ガラスファイバ層14f1、14f2、及び14f3を含む、7つの層を具備することができる。図8xから分かるように、照射回路基板14bは、そこから延びる1つ以上の放熱器タブ14T1及び14T2を具備することができる。放熱器タブ14T1の形成において、1つ以上の銅の層を、銅層14c2で示すように回路基板の縁eから外方向に延長してもよい。延長された層14c2に当接するガラスファイバ層は、延長された銅層を支持するために縁eから延長することもできる。タブT1を定義する延長された銅層14c2は、プリント回路基板14bの接地トレースに電気的に接続されてもよい。タブT1の導電性銅表面を空気にさらすことにより、回路基板14aから熱が除去されて、LED16及び18の動作において効率が上がり、寿命が延びる。さらに、モジュール10−24の1つ以上のタブ14T1及び14T2は、図8wに示すように、放熱器構造15に取付けることができる。モジュール10−24が取付けられる撮像装置のハウジング内に配置されるようになされた放熱器構造15は、銅またはアルミニウムなどの導電性材料からなるものである。放熱器構造15は、タブ14T1と構造15の組合せによって形成される表面領域を増加させるので、回路基板14bから除去される熱量が増加する。別の放熱装置では、放熱器構造は、図2hに関連して示されるような1本または複数の柱84に接続されている。柱84に取付けられた部材14pは、熱は通すが電気的に絶縁されたオハイオ州ClevelandのAdvanced Ceramics Corp.から入手できるBoralloy Pyrolytic Born Nitrideなどの材料からなる放熱器構造とすることができる。
【0133】
モジュール10−9によって具体化される本発明の重要な特徴は、モジュール10−9を組み込む読取装置の実質的に全ての照射要素を、PCBaによって提供されるとして示されている単一の回路基板上に具備できることである。これは、照射要素および画像センサ要素が幾つかの回路基板上に広がっている、図11に示すような従来の読取装置の設計とは対照的である。図11に示す従来の装置では、照準照明光源53は第1の回路基板54に実装され、照射LED55は第2の回路基板56に実装されているが、画像センサ32は第1の回路基板54に実装されている。図11の装置は、信号処理および復号電気ハードウエア要素を担持する第3の回路基板60をさらに具備している。このような従来技術の設計によるモジュールの組立ては難しく、回路基板54及び56、及びコネクタ57a及び57bなど回路基板間の電気的コネクタなど、本発明の設計では必要とされない重要な構成要素を要するものである。画像センサ、照射LED、及び照準LEDを担持する単一の回路基板を設けることにより、組立てがかなり簡略化され、材料消費を減少し、それによりモジュールを製造する全体的なコストが減る。ある実施例においてモジュール10−9によって具体化される本発明の別の重要な側面は、画像センサ32から生成される信号を処理するための回路、画像データをメモリ装置に取り込むための回路、取り込んだ画像データにおいて表されている証印を復号および/または認識するための回路など、モジュール10が必要とするデータ処理動作をサポートする実質的に全ての電気回路が単一の全機能PCB14a上に配置されていることである。周辺装置へのデータのシリアル転送をサポートするための回路も、PCB14a上に担持されることができる。
【0134】
本発明の一体型PCB構造は、画像センサからの信号を処理するための回路、画像データを取込み復号するための回路、外部装置とのシリアルインタフェースをサポートするための回路が1つ以上の回路基板に広がっている従来技術の伝統的な設計とは対照的なものである。
【0135】
図11に示す従来の読取装置の設計では、第1の垂直向きの回路基板56は画像センサ32によって生成された信号を処理するための回路を担持するために設けられ、“マザーボード”として知られる第2の水平向きの回路基板60は画像データを格納したりシンボルを復号するための回路を担持するために設けられている。本発明による単一PCB設計は、従来技術の2PCB設計よりも多くの利点を有している。従来の多回路基板構造は、第1の回路基板58を、それが組込まれる読取装置の第1の内側構造に実装し、第2の回路基板を読取装置の第2の内側構造に実装してから、前記2つの回路基板を電気的に接続するという複雑な組立て手順が必要である。2つの回路基板58及び60を別々に水平方向および垂直方向に配向することは空間消費の観点から見て非効率的であり、読取装置の光学および電気的要素を組込むことができるハウジングの構成に制約を課す。本発明による単一の全機能PCB設計は、このような欠点を示すものではない。
【0136】
例えばモジュール10−1ないしモジュール10−21を参照して説明される本発明の一実施例の特徴によれば、図10aを参照して説明される電気信号処理要素の実質的に全てを、単一の回路基板、すなわち図10aないし図10eの破線境界14aによって示されるような回路基板14aによって担持することができる。図10aの電気信号処理要素の実質的に全てを単一のPCB14a上に組込むには、幾つかの電気要素を統合して電気要素の数を減少させることが通常は必要である。例えば公知の集積回路製造技術を用いれば、要素142、144、146及び147と、界面137、137’及び137”をサイズの縮小された単一の集積回路チップに組込むことができる。さらに、IEEE Computer Society(IEEE Micro)、1998年5月・6月、No.3、Vol.18のEric R.Fossum氏による“チップ上のデジタルカメラシステム(Digital Camera System on a Chip)”というタイトルの記事に説明されているように、画像センサ132、信号処理部135、136、及び構成要素142、144、146、147、137、137’、及び137”は、サイズの縮小された単一の集積回路に組込むことができる。
【0137】
H.適用例、動作環境、及び制御回路の機能性
図9aないし図9kは、本発明のモジュールを組込むことのできるタイプのハウジングの例を示している。図9a及び図9bは1次元光学読取装置110−1を図示しており、図9cないし図9hは2次元光学読取装置110−2、110−3、及び110−4を図示している。読取装置110−2、110−2、110−3はピストル型読取装置のフォームファクタを備え、読取装置110−4はポータブル・データ・ターミナル(PDT)としばしば呼ばれるフォームファクタを備えるものである。さらなる読取装置を参照すると、図9iの読取装置110−5は携帯電話のフォームファクタを備え、図9jの読取装置110−6は携帯情報端末(PDA)のフォームを備え、図9kの読取装置は“リングスキャナ”と呼ばれることもある指装着型読取装置のフォームファクタを具備している。各光学読取装置110−1ないし110−7のハウジング111は、人の手によって握ることができるように(または指に装着されるように)なされており、画像取込み・復号、および/または画像取込み・文字認識動作を始動するための少なくとも1つの引き金式スイッチ113tをその内部に組込んでいる。読取装置110−1、110−2、及び110−3は、他のデータ収集装置またはホストプロセッサなどの外部装置と通信するためのハードワイヤード通信リング178を具備しており、読取装置110−4ないし110−7は、別のデータ収集装置またはホストプロセッサなどの外部装置とワイヤレス通信するためのアンテナ180(図9h及び9iのみに見られる)を具備している。
【0138】
特にモジュール10−1ないし10−8は、それらの著しく小さい典型寸法(0.810×0.450×0.560)または実質的にこれより小さい寸法のために、図9aないし図9Lで説明されるハウジングのいずれかだけでなく、事実上、任意の小さな機器ハウジング、例えば計算機、ペン、医療機器、時計に実装できることが分かるであろう。
【0139】
別の携帯電話ハウジングに実装されているものとして示されたモジュール10−1の実施例が、図9mに図示されている。図9nでは、モジュール10−1は、ペンによって提供される筆記具の一体型ハウジングに組込まれている。図9nのペン読取装置110−9は、その内部にモジュール10−1と、図10aに関連して説明された、ハウジング111の外部からアクセス可能なように配置された二重トリガ113tの起動に応答する制御回路140を具備するプロセッサアセンブリ130と、インク筒(図示せず)と、インク筒から紙の上にインクを供給するためのペン先690を備えた先端部(例えば、ボールペンインクディスペンサ)とを組込んだハウジング111を備えている。ハウジング頭部111hは、ハウジング111が2部分ハウジングとなるようハウジング111の残りの部分に着脱可能に取付けられることもできるし、あるいは頭部111hは、ハウジング111が一体型ハウジングとなるようにハウジング111の残りの部分に組込むこともできる。データ形式読取機能および書込機能を持たせるよう回路140によって設定される撮像モジュール10−1を共通のハウジング111内に結合させることは、データ形式読取装置および筆記具がいずれもデータ収集適用において広範囲にわたって用いられる装置であるので大変有効である。本発明によるモジュール10は、例えば薬物投与器具、あらゆる形態の患者モニタ、アクセス管理機器、特徴認識(顔、手、または網膜など)を付加するための一体型認識機器にも組込むことができる。同様に、このようなモジュールは、印によって利用者に有益な機能が提供されるミシンや電子レンジなどの家電製品にも応用することができる。
【0140】
モジュール、例えば10−1は、ハウジング111の内部部材または別の剛性部材に、ハウジング部材および図1h及び1iに関連して説明したモジュール10−1の貫通ねじ穴810に止めねじをねじ込むことによって取付けることができる。さらに、真鍮ねじ山付きインサートをねじ穴810内に配置して、該ねじ穴が機械ねじを受けるようにすることができる。さらにモジュール10−1は、読取装置110の回路、例えば図11の従来の読取装置にあるような“マザーボード”60と電気通信するために、フレックスコネクタを受けるためのコネクタ930を具備している。さらに、支柱84を用いて読取ハウジング内にモジュール10−1を取り付け、安定化させ、支持することができる。先に述べたように、支柱84を有するモジュールは、回路基板14aより大幅に突出する支柱端84eを有することができる。これらの支柱端84eは、読取装置ハウジング111内部の部材のうちで剛性な部材、あるいはハウジング外部の別の剛性部材上に形成されたソケット901にプラグ接続されて、モジュール、例えば10−1を取付け、安定化、または支持することができる。図2kに示すような付加的な柱84aをソケット910と支柱84との間に配置することもできる。図9oの実施例に示されるように、ソケットを含有する剛性部材916をハウジング壁によって設けることができる。
【0141】
上記の要素に加え、読取装置110−3、110−4、110−5、及び110−6はそれぞれユーザに対して情報を表示するディスプレ182と、ユーザがコマンドやデータを読取装置に入力できるようにするキーボード184とを備えている。
【0142】
図9aないし図9kを参照して説明された読取装置の任意の1つを、走査台190にドッキングされた一般的な光学読取装置110を示す図9Lに図示されるように固定位置に取付けることができる。走査台190は、携帯用光学読取装置110をプレゼンテーションモードの走査に適合させる。プレゼンテーションモードでは、読取装置110は、固定位置に保持され、証印を保持している物品が読取装置110の視野を横切るように動かされる。もちろん、本明細書中に記載したモジュール10のみを走査台190に置いてもよいし、あるいは別の方法で固定位置に(取替可能に、または固定式に)取付けることもできる。
【0143】
モジュール10に全体または一部を組込みうる、またはモジュール10の回路と組合せて使用しうる電気回路制御構成のブロック図について、ここで説明する。
【0144】
図10aのブロック図を参照すると、撮像装置プロセッサアセンブリ130は、1次元または2次元バーコードシンボルまたはテスト文字列を保持している基板などの対象領域Tを照射するための照射アセンブリ121と、対象Tの画像を受け光学的に符号化されているデータを示す電気出力信号を生成するための撮像アセンブリ133とを備えている。照射アセンブリ121は、例えば、照射源アセンブリ16及び18などに加え、光源16、18からの光を対象物Tの方向に向けるための、1つ以上のレンズ25、拡散器27、ウェッジ28、反射器640、またはこれらの要素の組合せなどの照射光学部品アセンブリ124とを備えることができる。照射アセンブリ121は、例えば、レーザ、または白色LEDや赤色LEDなどの発光ダイオード(LED)からなることができる。照射アセンブリ121は、照準パターン、例えば630、631、647を対象T上に投影するための対象照明光学部品を具備することができる。周囲光が対象物Tの高品質画像を撮るのに十分な程度である場合には、照射アセンブリ121をなくしてもよい。照射アセンブリ121は、撮像装置ハウジング111から離れた、鏡面反射を無くすあるいは減少させるような位置に設けることもできる。撮像アセンブリ133は、カラーまたは単色1次元または2次元CCD、CMOS、NMOS、PMOS、CID、またはCMDソリッドステート画像センサなどの画像センサ32に加え、対象物Tの画像を受けて画像センサ32上に集束させる画像光学素子アセンブリ40を備えることができる。撮像装置にカラー画像センサを実装することに関する特徴および利点、及び制御回路140に組込みうる他の制御特徴については、2001年7月13日に“カラー撮像器を有する光学読取装置”というタイトルで出願され、参照により本明細書に引用される米国出願第09/904,697号にさらに詳細に説明されている。図10aに示すアレイベースの撮像アセンブリは、1つ以上のレーザ光源、走査機構、発光および受光光学素子、少なくとも1つの光検出器、及び付随する信号処理回路からなるレーザアレイベースの撮像アセンブリと置き換えてもよい。
【0145】
図10aの実施例による撮像装置プロセッサアセンブリ140は、好ましくは一体型回路マイクロプロセッサ142と、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA144)とからなるプログラム可能な制御回路140を具備している。FPGA144の機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)によっても提供されることができ、これは図10aないし図10eの参照記号144によって示されると考えられる。ICマイクロプロセッサ142は、例えばモトローラ社のPower PC、インテル社のStrong Arm SA1110などの82E ICマイクロプロセッサとすることができる。FPGA144は、例えばXilinx、SPARTAN、XCSXXXX FPGA ICとすることができる。
【0146】
プロセッサ142とFPGA144はいずれも、揮発性または不揮発性読取・書込ランダムアクセスメモリ、すなわちRAM146、146−1、および消去可能読出専用メモリ、すなわちEROM147、147−1などのメモリ素子からなることができるメモリ装置145に格納された格納プログラムに従って、データを受信、出力、及び処理することの可能なプログラマブル制御装置である。メモリ145は、1つ以上の長期不揮発性メモリ記憶装置(148、145)を具備することもできる。例えば記憶装置148、145は、データを読み書きできるハードディスクドライブ、またはフレキシブルディスクなどを具備することができる。記憶装置148、145は、ハウジング111にしっかりと固定して取り付けられるタイプのもの(例えばハードディスクドライブ)としてもよいし、ハウジング111から取り外して移送できるタイプのもの(例えばフレキシブルディスク)としてもよい。メモリ145は、“フラッシュ”メモリ装置と呼ばれるものを備えることができる。“Multimedia”(MMC)、“Smart Media(登録商標)”、“Compact Flash”、“Memory Stick”などを含むそのようなフラッシュメモリ素子では幾つかの規格フォーマットが利用可能である。プロセッサ140とフラッシュメモリ素子間のデータ転送は、標準的に公知の不揮発性RAM装置と同様に“数バイト”のデータではなく、通常は“数ブロック”のデータを伴うが、“フラッシュ”メモリ装置の動作は、標準的に公知の不揮発性RAMメモリ装置と同様である。従ってフラッシュメモリ素子は、図10aないし図10eの1つ以上のRAMブロック146によって表されるものと考えることができる。公知なように、フラッシュメモリ素子は一般に、これらを第1の装置から取り外して第2の装置、例えば装置110と装置168の間に移送可能とするような形態で入手可能である。フラッシュメモリ素子は、画像データを記憶しアーカイブするのに特に好適である。
【0147】
プロセッサ142とFPGA144はいずれも共通のバス149−1に接続されており、これを介してアドレスデータを含むプログラムデータおよび作動データを、同じくこのバスに接続された任意の回路の方向に受信および送信することができる。しかしながらプロセッサ142とFPGA144は、それらの製造方法および使用方法が互いに異なるものである。
【0148】
さらに詳細に説明すると、プロセッサ142は汎用の既製VLSI集積回路マイクロプロセッサであることが好ましく、これは図8aの回路の全体的な制御を行うが、EROM147、147−1に記憶されたプログラムデータに従ってRAM146、146−1に記憶された符号表示またはテキスト文字などの復号可能な画像データを復号することにそのほとんどの時間を充てている。一方、FPGA144は、プログラマブル論理またはゲートアレイなどの特定用途向けVLSI集積回路であることが好ましく、画像データの復号以外の機能に専念して、これらの機能を行う負担からプロセッサ142を解放するようにプログラミングされている。
【0149】
プロセッサ142とFPGA144との間での実際の仕事分配は、利用可能な既製マイクロプロセッサのタイプ、使用される画像センサのタイプ、撮像アセンブリ133から画像データが出力される速度などに当然左右されるであろう。しかしながら原則として、プロセッサ142と144との間で何らかの特定の仕事分配がなされたり、あるいはそのような分配が本当に行われることを要求するものは何もない。
【0150】
図10aに示すタイプのプロセッサ構造では、プロセッサ142とFPGA144との間の典型的な仕事分配は、以下のようになる。プロセッサ412は、トリガ113tが起動されるのに応じて画像データを復号化する、ひとたびそのようなデータがRAM146、146−1に記憶されるとユーザ認識可能なデータの聴覚出力114A、良好読取表示器114g、及びディスプレイ114dによる出力を制御する、トリガ113tの起動に応じて光学式文字認識(OCR)方式に基づいて記憶画像データに表されている文字を認識する、などのタスクに主に専念していることが好ましい。
【0151】
FPGA114は、DMAチャネルを介してメモリ146−1及び147−1にアクセスする能力などといった、画像取得処理、A/D変換処理、及び画像データの記憶を制御することに主に専念していることが好ましい。FPGA144は、多くのタイミングおよび通信動作も行うことができる。FPGA144は、例えば、LED16、18の照射、画像センサ132及びアナログ/デジタル(A/D)変換器136−1のタイミング合わせ、RS−232、イーサネット(登録商標)などのネットワーク、USBなどのシリアルバス、インタフェース137−2によって示されるような無線通信リンク(または他の)互換の入出力インタフェースによるアセンブリ130の外部にある処理システムに対するデータの送受信を制御することができる。FPGA144はさらに、聴覚出力装置114a、良好読取LED114g、および/又はディスプレイ114dなどの液晶ディスプレイによって提供されるディスプレイモニタなどの出力装置によるユーザ認識可能データの出力を制御することもできる。出力、表示、及び/又は入出力機能の制御は、バスドライバ入出力インタフェース137−3によって示唆されるようにプロセッサ142と144とで共有することもできるし、あるいはマイクロプロセッサシリアル入出力インタフェース137−1及びインタフェース137−2によって示唆されるように二重にされることもできる。先に説明したように、この仕事の分配の詳細は、本発明にとって何ら重要性を持つものではない。図10aを参照して説明された撮像装置は、ディスプレイ、例えば手持ち式のハウジング111の外部にあるが制御回路140と通信しているディスプレイ168dを設けることによって、本発明とともに使用されるように適応させることができる。
【0152】
図10bは、ユーザ入力の制御命令を容易に受信して、撮像装置のオペレーティング・プログラムを変更させるようになされている光学撮像装置のブロック図の例を示している。図10aの単一状態撮像装置の要素を有することに加え、撮像装置10bは、指示データを含むデータを入力するためのキーボード113kと、テキスト及び/又は図情報をオペレータに表示するためのディスプレイ114dとを備えている。キーボード113kは、バス148−1、FPGA144、または図2bに示すようにプロセッサ142に接続されることができる。ディスプレイ114dは、FPGA144、プロセッサ142、または図10bの特定の実施例に示すようにシステムバス148−1に接続されることができる。
【0153】
オペレータが操作する光学撮像装置110bは、様々な異なる方法で撮像装置110bを再プログラムすることができる。撮像装置110bを再プログラムするためのある方法では、オペレータは、撮像装置110bの再プログラムをするよう予め設定されているキーボード113kの操作ボタンを起動する。撮像装置110bを再プログラムするための別の方法では、オペレータは、撮像装置10bと一体型でないプロセッサシステムの制御を起動させて、撮像装置110bを再プログラムするための指令を送信する。撮像装置110bを再プログラムするための別の方法によれば、オペレータは、“メニューシンボル”が画像センサ32の視野の中に入るように撮像装置110bを移動させて、このメニューシンボルの画像表示を取り込むように撮像装置110bのトリガ113tを起動させる。メニューシンボルは、適切に構成された光学撮像装置が読み取った場合には撮像装置がプログラムされる、特別に設計されたバーコードシンボルである。メニューシンボルを用いた光学撮像装置の再プログラムは、参照によって本明細書中に引用される同一出願人による米国特許第5,965,863号に詳細に説明されている。上記のうち第2と第3の手法は、キーボード113kの撮像装置制御ボタンの起動を要しないがそれにもかかわらず撮像装置が再プログラムされるので、撮像装置110はキーボードなしでも再プログラム可能としうることが分かる。上記のうち第2と第3の手法は、以下に記載される操作モードの選択にも適応できることが分かるであろう。
【0154】
図10bに示すような光学撮像装置によって通常実行されるアプリケーション操作プログラムのための典型的なソフトウエア構成が図10fに示されており、この図はプログラムメモリ147−1に記憶されたプログラムのメモリマップを示している。アプリケーション操作プログラム160は、撮像装置を特定用途に適合させるものである。画像取込み能力を有する光学撮像装置の撮像装置の3つの主な適用または機能は、(1)総合的復号、(2)データ転送、(3)画像取込み、例えばサイン取込みである。総合的復号適用では、撮像装置110は、バーコードシンボルまたはOCR復号可能テキスト文字に対応するメッセージを事前に分析してから復号することができる。データ転送適用では、撮像装置110は、撮像装置ハウジング111の外部に位置するプロセッサシステムに対して文字テキストファイルや画像ファイルを送信する。サイン取込み適用では、撮像装置110は、サインを有する背景に対応する画像を取込み、その画像データからサインに対応する画像データを解析し、取込んだサインデータを別の処理システムに転送することができる。このような適用のうち第3の適用は、復号機能を備えた光学撮像装置デコーダではない光学撮像装置によって実行可能であることは分かるであろう。もちろん、特化された1次元復号適用、特化された2次元バーコード復号アルゴリズム、バーコードシンボルではなくOCR復号可能テキスト文字を復号するように動作する特化されたOCR復号適用を始めとした数々の他のアプリケーションオペレーティング・プログラムが可能である。
【0155】
ここでオペレーティング・プログラム160のソフトウエア構成の具体的な側面について言及すると、プログラム160は、命令部162とパラメータ部164とを備えている。さらに命令部162は、選択可能なルーチン部162sを備えることができる。命令部162の命令は、撮像装置110の動作の全体的な流れを制御する。命令部162の幾つかの命令は、パラメータ部164のパラメータテーブルからパラメータを参照する。命令部62の命令は、例えば“[パラメータ列xの値]によって定められるレベルに照射を設定する”よう擬似コードで指定することができる。そのような命令部162の命令を実行する際、制御回路140は、パラメータ列164xの値を読み取ることができる。命令部162の命令は、パラメータ部164のパラメータ値の状態に応じて選択される選択可能ルーチンを実行させることもできる。例えばアプリケーションプログラムがバーコード復号アルゴリズムである場合、命令部162の命令は、例えば“パラメータ列164yのマキシコードパラメータが“オン”に設定されている場合はマキシコード復号を起動する”よう擬似コードで指定する。そのような命令を実行する際、制御回路140は、パラメータ部164の列164yの内容を探査して、命令が要求しているルーチンを実行すべきか否かを判断する。選択可能ルーチンが起動されていることをパラメータ値が示している場合、制御回路140は、ルーチン命令部162sの適切な命令を実行して命令ルーチンを実行する。
【0156】
従って、上述したソフトウエア構成によって、撮像装置110の簡素化された再プログラミングが容易になることが分かる。撮像装置110は、サブルーチン命令部162sを変更することなく、単にプログラム160のパラメータ部164のパラメータを変更することによって、または単にパラメータ部164のパラメータを変更することによって命令部162の他のコードを変更することによって再プログラムすることができる。パラメータ部162のパラメータ値のパラメータは、キーボード113kを介して入力される適切なユーザ制御によって、パラメータ部164を変更するように構成されたメニュー記号を読取ることによって、または図10a及び図10bに示すようなシステム140とは異なるプロセッサシステムにより新しいパラメータ値またはテーブルをダウンロードすることによって変更することができる。撮像装置110の再プログラムは、もちろん図10a及び図10bに示すようなシステムとは異なる処理システムから部分162及び164を含む全オペレーティングプログラムをダウンロードすることによって実現することもできる。
【0157】
本発明に基づいて構成されうる光学撮像装置に特有の別の構造が図10cに図示されている。撮像装置110cは、プロセッサシステム140s1を有する制御回路140と、ホストプロセッサ140hp及び関連するメモリ145−2を有する一体型ホストプロセッサシステム140s2とを備えている。ここで“ホストプロセッサシステム”とは、撮像装置の撮像システム133の動作を制御するプロセッサシステムへ伝達するために撮像装置アプリケーションオペレーティングプログラムを格納したり、撮像装置の撮像システム133の動作を制御するプロセッサシステムに対して監視制御を行ったり、またはユーザのコマンドの受信によりその関連メモリに即座に実行可能な1つ以上のアプリケーションオペレーティングプログラムを記憶する任意のプロセッサシステムであるとする。プロセッサ142及びプロセッサ140hpのような2つのプロセッサを有する撮像装置では、プロセッサ142は通常、復号可能な証印を復号するために画像データを処理することに専念し、プロセッサ140hpは、復号操作、トリガ113tやキーボード113kからの入力の受信、ディスプレイや出力装置114d、114g、及び114aによる他のタイプの出力の調整、及び様々なプロセッサシステム間のデータ伝送の制御を実行するようにプロセッサ142に指示することに専念する。
【0158】
専用復号プロセッサシステム140s1及び高性能の監視ホストプロセッサシステム140s2を有する図10cに示す構成では、ホストプロセッサシステム140s2は通常、DOS WINDOWまたはWINDOWS(登録商標)などのオペレーティングシステム、またはマイクロソフト社から入手可能なWINDOWS(登録商標) CEなどの携帯装置用に特別に作られたオペレーティングシステムを格納している。ホストプロセッサシステム140s2が、DOSやWINDOWS(登録商標) CEなどのオペレーティングシステムを具備している場合、ホストプロセッサシステム140s2の動作を制御するオペレーティングプログラムの命令部およびパラメータ部は通常、高レベルのプログラミング言語でプログラムされ、メモリ147−1に記憶される前に組立工によってアセンブルされるので、従って図10fに示すプログラム160によって示唆されるような連続アドレス位置に常駐することはできない。しかしながら、オペレーティングシステムが一体化されているホストプロセッサシステム140s2は、オペレーティングシステムを格納していない外部のプロセッサシステムにインストールするための形態に、オペレーティングプログラムを容易にアセンブルすることができる。
【0159】
撮像装置110a、110b、及び110cのさらなる側面について言及すると、少なくとも1つの入出力インタフェース、例えばインタフェース137−1、137−2、及び137−3により、RS−232、イーサネット(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス(USB)等のシリアルバスなどのローカル“ワイヤード”デジタル通信、または“ブルートゥース”通信技術等のローカルワイヤレス通信技術が容易になる。一方、少なくとも1つの入出力インタフェース、例えばインタフェース137−3によって、ダイアルアップ、ISDN、DSL、セルラー式RFまたは他のRF、ケーブルなどの利用可能な遠隔通信技術の1つによる、リモートプロセッサアセンブリ188−1とのデジタル通信が容易になる。リモートプロセッサアセンブリ188−1は、アセンブリ188−2、188−3、及び188−4のリンク188L、及びハブ188H、例えばネットワークに接続されたパーソナルコンピュータまたはメインフレームコンピュータによって示唆されるようなプロセッサシステムのネットワーク188Nの一部、または撮像装置10cのみと通信していてネットワークの一部ではないコンピュータとすることができる。アセンブリ188−1が属しているネットワーク188Nは、インターネットの一部とすることができる。さらにアセンブリ188−1は、ネットワークのサーバとしてもよく、ネットワークの残りのプロセッサアセンブリによって閲覧されるウェブページを組込むことができる。撮像装置110cと通信していることに加え、アセンブリ188−1は、複数の付加的な撮像装置110’及び110”と通信した状態とすることができる。撮像装置110cは、ローカルエリアネットワーク(LAN)の一部としてもよい。撮像装置110は、システム188−1と関連する入出力インタフェース、またはブリッジまたはルータなどのネットワーク188Nの入出力インタフェース188Iを介してシステム188−1と通信することができる。さらに、プロセッサシステム170sなど、プロセッサシステムの外部のプロセッサシステムを撮像装置110とアセンブリ188−1の間の通信リンクに設けることができる。撮像装置110a、110b、及び110cの構成要素は、図10aないし図10cでは別個の素子として表されているが、集積技術によって多数の回路要素を単一の集積回路チップ上に形成可能となることを理解すべきである。例えば、現在の製造技術では、要素142、140、146−1、147−1、137−2、及び137−1を1枚のシリコン上に形成することは一般的である。
【0160】
さらに撮像装置110のプロセッサの数は、通常、本発明にとって基本的に重要ではない。実際のところ、プロセッサ142が十分に高速かつ十分に高性能であれば、特定用途FPGAプロセッサ144を無くすことができる。同様に、撮像装置110cを参照すると、単一の高速かつ高性能なプロセッサを設けて、図10eの撮像装置110eの構成に示されるようにプロセッサ140hp、142、及び144によって意図される機能の全てを実行することができる。さらに、撮像装置110が多数のプロセッサを備えている場合は、これらのプロセッサが、シリアルバス149−1及び149−2によって示されるシリアル通信プロトコルではなくパラレルデータ転送により通信できることが分かる。さらに、プロセッサとメモリ間に1対1の対応関係は必要でない。図10cに示すプロセッサ412及び140hpは、同一のメモリ、例えばメモリ145−1を共用することができるであろう。単一のメモリ、例えばメモリ145−1は、多数のプロセッサ、例えばプロセッサ142及びプロセッサ140hpの要求に応じることができる。
【0161】
図10dの実施例を参照すると、光学撮像装置110の電気的要素の全てを携帯装置のハウジング111に実装する必要がないことが分かる。撮像装置110dの電気的要素は、別個の装置ハウジング111及び171に実装されている1つ以上の回路基板上に広がっている。回路は付加的なハウジングに分散できるであろうことを理解すべきである。図10dの実施例の制御回路140は、携帯装置ハウジング111と非一体型のハウジング171に全体を組込まれている。ハウジング171は、パーソナルコンピュータハウジングによって提供されるとして図示されているが、キャッシュレジスタハウジング、トランザクションターミナルハウジングなど別のタイプのハウジングや、ハウジング111など別の携帯装置のハウジングによって提供されることもできるであろう。撮像アセンブリ133を制御し、撮像アセンブリ133から生成される画像信号を処理するための少なくとも1つのオペレーティングプログラムが、PCハウジング171内に配置されているEROM147−1に格納されている。撮像アセンブリ133から生成された信号の、携帯ハウジング111に一体化されていないプロセッサシステムによる処理を簡素化するために、撮像アセンブリ133とプロセッサシステム140の間に高速データ通信リンクを設ける必要がある。図10dの実施例では、出入力インタフェース137−4及び137−5は、USBデータ通信プロトコルに従って動作するように構成することができる。図10dに示す構成によれば、撮像装置110−4では携帯ハウジング111内に収容されている撮像装置110dの携帯要素のコスト、重量、及びサイズに関する要件が軽減される。図10dの構成では損傷を受けやすい撮像装置110dの携帯部111に組み込まれる構成要素の数が減るので、この構成ではハウジング111によって画定される撮像装置110−4の携帯部の耐久性を上げることができる。
【0162】
図10dの実施例に示されるような制御回路140は、撮像装置ハウジングと図10dの破線で示したハウジング境界111内の回路によって示される撮像装置回路からなる1つ以上の“シェル”プロセッサなし撮像装置と通信するようにすることができる。図10dに示すような制御回路が多数の“シェル”撮像装置またはプロセッサ付き撮像装置の要求に応じる場合、入出力ポート137−5は、幾つかの撮像装置および/又はシェル撮像装置と、単一のプロセッサシステムとの間の必要なデータ通信に応じるように多重化機能を備えるべきである。
【0163】
図10eの撮像装置通信システムは、撮像装置110dと同様の物理的レイアウトを有しているが、異なる動作に合うよう最適化されている。システム167は、撮像装置プロセッサシステム140が、PCハウジング171、プロセッサシステム170s、記憶装置175(例えばハードディスクドライブ)、キーボード168k、マウス168m、及びディスプレイ168dを有するパーソナルコンピュータ168によって提供される非一体型ローカルホストプロセッサアセンブリ168と通信する通信システムである。リンク167Lが高速通信リンクであれば、非一体型ローカルホストプロセッサシステム170sは撮像装置110dのプロセッサシステム140sと同様の機能を提供するようにプログラムされることができるであろう。しかしながら撮像装置110eは一体型プロセッサシステム140を具備しているので、そのようなプログラミングは通常必要ないが、参照によって本明細書中に引用される同時係属中の出願第09/385,597号に述べられているようにプロセッサシステム140をホストプロセッサシステム、例えば170sと通信するように構成して、トリガ113tなど撮像装置のある要素が、ある実施例において非一体型であるホストプロセッサシステム170sによって遠隔制御できるようにされることが有効である。従って、図10eに示すような撮像装置/ホスト通信システムでは、非一体型ホストプロセッサアセンブリ168は通常、図10aないし図10dに関連して説明された撮像装置プロセッサシステムとは別の機能を提供するようにプログラムされる。
【0164】
参照によって本明細書に引用される米国特許第5,965,863号に述べられているように、通常は非一体型ローカルホストプロセッサシステム70sによって提供される機能は、撮像装置110にダウンロードするためのオペレーティングプログラムを作成することである。プロセッサシステム170sは、その内部にWINDOWS(登録商標)などのオペレーティングシステムを実装しており、これによりオペレータはポインタコントローラ168mを使用して操作しうるグラフィカルユーザインタフェースを用いてオペレーティングプログラムを作成できるようになる。非一体型ローカルプロセッサシステム170sは、1つ以上の撮像装置からのメッセージ及び/又は画像データを、おそらくは参照によって本明細書に引用される米国特許第6,161,760号に述べられているようなキーボードウェッジ構成にて受信するように構築することもできる。データ処理のためにプロセッサシステム170を用いるのもも便利である。例えば、撮像装置110eからのデータメッセージを分析するのに有効なスプレッドシートプログラムをシステム170sに組込むことができる。撮像装置110eから受信した電子画像を編集、記憶、または閲覧するのに有効な画像処理アプリケーションを、システム170sにロードすることができる。アセンブリ188−1などのリモートプロセッサアセンブリとのデータ通信を調整するように撮像装置110eを構成することもまた便利である。従って、プロセッサアセンブリ168は通常、リモートプロセッサアセンブリ、例えば図10cに示すアセンブリ188−1との遠隔通信を容易にする入出力インタフェース174−2を具備している。
【0165】
本発明は、その最良の形態を示すために幾つかの特定の実施例を参照して説明されたが、本発明の精神および範囲は上記の請求の範囲に定められるものであることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1a】本発明による撮像モジュールの前面斜視図を示す。
【図1b】本発明による撮像モジュールの背面斜視図を示す。
【図1c】本発明による撮像モジュールの上面図を示す。
【図1d】本発明による撮像モジュールの底面図を示す。
【図1e】本発明による撮像モジュールの前面図を示す。
【図1f】本発明による撮像モジュールの背面図を示す。
【図1g】本発明による撮像モジュールの側面図を示す。
【図1h】図1aに示す撮像モジュールの斜視組立図である。
【図1i】図1aに示す撮像モジュールの様々な部品の斜視図である。
【図1j】図1aに示す撮像モジュールの様々な部品の斜視図である。
【図1k】図1aに示す撮像モジュールの様々な部品の斜視図である。
【図1L】図1aに示す撮像モジュールの様々な部品の斜視図である。
【図1n】図1mの線bによって示される方向に見た図1mに示す光学板の断面図である。
【図1o】本発明の別法にて設計された撮像モジュールの斜視組立図である。
【図1p】本発明の撮像モジュールの代替設計された構成部分を示す部分組立図である。
【図1q】本発明の撮像モジュールの代替設計された構成部分を示す部分組立図である。
【図1r】本発明による支柱の分解組立図である。
【図1s】本発明の支持アセンブリの一実施例を示す斜視図である。
【図1t】本発明の一実施例による開口板を示す斜視図である。
【図1u】図1oの組立状態図に示すように組み立てられた撮像モジュールの斜視図である。
【図1v】本発明による、長い支柱を備えた支持アセンブリの斜視図である。
【図2a】本発明による、表面実装LEDを含む撮像モジュールの斜視図である。
【図2b】図2aに示すモジュールの上面図である。
【図2c】図2aに示すモジュールの前面図である。
【図2d】図2aに示すモジュールの側面図である。
【図2e】本発明による別の撮像モジュールの斜視図を示す。
【図2f】本発明による別の撮像モジュールの斜視図を示す
【図2g】本発明による別の撮像モジュールの斜視図を示す
【図2h】本発明による別の撮像モジュールの斜視図を示す
【図2i】撮像モジュールの斜視図を示し、撮像モジュールの支柱の機能を図示するものである。
【図2j】撮像モジュールの斜視図を示し、撮像モジュールの支柱の機能を図示するものである。
【図2k】撮像モジュールの斜視図を示し、撮像モジュールの支柱の機能を図示するものである。
【図2L】本発明による別の撮像モジュールの組立斜視図である。
【図2m】本発明による枠体を有する支持アセンブリを備えた撮像モジュールの組立状態図である。
【図2n】図2mおよび図2oに示す組立てられたモジュールの前面斜視図である。
【図2o】本発明による枠体を有する支持アセンブリを備えた撮像モジュールの組立状態図である。
【図2p】図2mおよび図2oに示す組立てられたモジュールの背面斜視図である。
【図3a】本発明の別の撮像モジュールを示す斜視図である。
【図3b】図3aに示すモジュールの切開斜視図である。
【図3c】図3aのモジュールの側面図である。
【図3d】図3aのモジュールの背面斜視図である。
【図3e】本発明による単一の水平列LEDとプリント回路基板によって全体を支持されている支持枠体とを備えた別の撮像モジュールを示す斜視図である。
【図3f】図3eのモジュールの切開斜視図である。
【図3g】図3eのモジュールの切開側面図である。
【図3h】図3eのモジュールの上面図である。
【図3i】本発明による別の撮像モジュールの斜視図である。
【図3j】本発明による別の撮像モジュールの斜視図である。
【図3k】本発明による別の撮像モジュールの斜視図である。
【図3L】本発明による別の撮像モジュールの斜視図である。
【図4a】フレキシブル回路基板と、光を対象領域の方に向けるための光管とを備えた本発明による撮像モジュールの斜視図である。
【図4b】フレキシブル回路基板と、光を対象領域の方に向けるための光管とを備えた本発明による撮像モジュールの斜視図である。
【図4c】図4aに示すモジュールの側面図である。
【図4d】フレキシブル回路基板と、光を対象領域の方に向けるための光管とを備えた本発明による撮像モジュールの斜視図である。
【図4e】湾曲可能な光管照明を備えた撮像モジュールの部分側面図である。
【図4f】湾曲可能な光管照明を備えた撮像モジュールの部分側面図である。
【図4g】本発明による成型された光管を備えた撮像モジュールの斜視図である。
【図4h】本発明による成型された光管を備えた撮像モジュールの前面図である。
【図4i】本発明による成型された光管を備えた撮像モジュールの側面切開図である。
【図4j】図4gのモジュールの斜視図であって、破線は視界から隠れている構造を示している。
【図4k】折り曲げられた受光光学素子および光管対象照射を備えた本発明によるモジュールの前面斜視図である。
【図4L】折り曲げられた受光光学素子および光管対象照射を備えた本発明によるモジュールの背面斜視図である。
【図4m】折り曲げられた受光光学素子および光管対象照射を備えた本発明によるモジュールの前面図である。
【図4n】折り曲げられた受光光学素子および光管対象照射を備えた本発明によるモジュールの切開側面図である。
【図5a】本発明に基づいて照射パターンを生成するための外観および方法を示す図である。
【図5b】本発明による光学板の製造において使用しうるモールドを図示する。
【図5c】本発明による光学板の製造において使用しうるモールドを図示する。
【図5d】円柱マイクロレンズを備える本発明の光学板の分解斜視図である。
【図5e】図5dに示す光学板の表面を図示する分解部分図である。
【図5f】図5dの光学板の断面分解上面図である。
【図5g】本発明による様々な光学板を照射光源の列に沿って切った上面切開図を示す。
【図5h】本発明による様々な光学板を照射光源の列に沿って切った上面切開図を示す。
【図5i】本発明による様々な光学板を照射光源の列に沿って切った上面切開図を示す。
【図5j】本発明による様々な光学板を照射光源の列に沿って切った上面切開図を示す。
【図5k】本発明による様々な光学板を照射光源の列に沿って切った上面切開図を示す。
【図5L】単一水平列の光源を備えた本発明の撮像モジュールを示す部分切開側面図である。
【図6a】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6b】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6c】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6d】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6e】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6f】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6g】画像センサを担持する回路基板に搭載された照準光源を有する本発明の撮像モジュールの斜視図、側面部、部分組立図を含む様々な図面を示す。
【図6h】本発明のモジュールによって対象上に投影しうる様々な照準および照射パターンを示した図である。
【図6i】本発明のモジュールによって対象上に投影できる様々な照準および照射パターンを示した図である。
【図6j】本発明のモジュールによって対象上に投影できる様々な照準および照射パターンを示した図である。
【図6k】本発明による、レーザダイオードによって提供される照準光源を組み込んだ撮像モジュールの斜視図である。
【図6L】図6kのモジュールによって投影しうる照射パターンおよび照準パターンを示す図である。
【図6m】1次元画像センサを担持するのに好適な、本発明による撮像モジュールの斜視図である。
【図6n】本発明に組み込みうる様々な折曲げ光学素子照準システムを示した側面機能図である。
【図6o】本発明に組み込みうる様々な折曲げ光学素子照準システムを示した側面機能図である。
【図6p】本発明に組み込みうる様々な折曲げ光学素子照準システムを示した側面機能図である。
【図6q】開口照準システムを組み込んだ成型光管を有する本発明のモジュールの切開側面図である。
【図6r】分割線照準パターンを生成するようになされた本発明による光学板の背面斜視図である。
【図6s】図6rの矢印Aの方向に見た図6rの光学板を示す上面切開図である。
【図6t】分割線照準パターンを生成するようになされた本発明による別の光学板を示す背面斜視図である。
【図6u】図6tの矢印Aの方向に見た、図6tの光学板を示す上面切開図である。
【図6v】本発明による様々な光学板を照準光源のラインに沿って見た上面切開図である。
【図6w】本発明による様々な光学板を照準光源のラインに沿って見た上面切開図である。
【図6x】本発明による様々な光学板を照準光源のラインに沿って見た上面切開図である。
【図6y】本発明の一実施例による照準光学素子の開口の効果を図示する側面光線図である。
【図6z】薄い開口を有する本発明の照準システムに対応する側面光線図である。
【図7a】図6zに関連して説明された照準システムによって様々なモジュール対象間距離において投影される照準パターンを示す。
【図7b】図6zに関連して説明された照準システムによって様々なモジュール・対象間距離において投影される照準パターンを示す。
【図7c】図6zに関連して説明された照準システムによって様々なモジュール・対象間距離において投影される照準パターンを示す。
【図7d】図6zに関連して説明された照準システムによって様々なモジュール・対象間距離において投影される照準パターンを示す。
【図7e】本発明によるモジュールに組み込みうる、側面リード表面実装LEDの側面図を示す。
【図8a】表面実装LEDが一体化された、本発明による回路基板の側面図である。
【図8b】表面実装LEDが一体化された、本発明による回路基板の上面図である。
【図8c】本発明のモジュールに組み込みうる様々な光管照準・照明構造の側面概略使用を示す。
【図8d】本発明のモジュールに組み込みうる様々な光管照準・照明構造の側面概略使用を示す。
【図8e】本発明のモジュールに組み込みうる様々な光管照準・照明構造の側面概略使用を示す。
【図8f】本発明の撮像モジュールに組み込みうる、改良された光源を示す概略図である。
【図8g】本発明の撮像モジュールに組み込むことのできる改良された光源の概略図である。
【図8h】多色発光源を組み込んだ本発明の撮像モジュールの斜視図である。
【図8i】本発明による多色発光源の分解斜視図である。
【図8j】異なる波長帯域の照準光源および照射光源を有する本発明のモジュールによって投影しうる代表的な照準および照射パターンを示す図である。
【図8k】ユーザがモジュールのある光源から出力される色出力を変更可能とするユーザインタラクティブメニュースクリーンを生成するようプログラムされている光学読取装置である。
【図8L】ねじ山なしレンズバレルを受けるようになされたレンズアセンブリ保持器を備えた支持アセンブリの斜視図である。
【図8m】ピンを受けるノッチを示す、レンズアセンブリのレンズバレルの上面斜視図である。
【図8n】図8mに示すバレルの底面斜視図であり、バレルの接着剤受け面を示している。
【図8o】本発明の撮像モジュールの切開上面図であり、レンズ保持器およびバレルの詳細を示している。
【図8p】本発明によるレンズ保持器内へのレンズアセンブリの精密搭載において使用しうる固定具の図を示している。
【図8q】本発明によるレンズ保持器内へのレンズアセンブリの精密搭載において使用しうる固定具の図を示している。
【図8r】本発明によるねじ山を備えたレンズ保持器・レンズシステムを示す側面図である。
【図8s】プリント回路基板に搭載された、本発明による非一体型画像センサを示す側面図である。
【図8t】プリント回路基板に搭載された、本発明による非一体型画像センサを示す側面図である。
【図8u】本発明による画像センサウインドウを有するプリント回路基板を示す側面図である。
【図8z】伝統的な従来技術による画像センサチップの斜視図である。
【図8y】凹面接着剤受け面を有する別のバレルの斜視図である。
【図9a】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9b】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9c】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9d】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9e】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9f】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9g】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9h】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9i】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9j】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9k】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9L】本発明による撮像モジュールがその内部に組込まれた様々な装置の斜視図を示す。
【図9m】本発明の柱内蔵撮像モジュールをどのように搭載しうるかを図示するための側面搭載詳細図である。
【図10a】本発明に関連した電気回路図であり、本発明による撮像モジュールのプリント回路基板上に少なくとも部分的に組み込むことのできる電気回路を示している。
【図10b】本発明に関連した電気回路図であり、本発明による撮像モジュールのプリント回路基板上に少なくとも部分的に組み込むことのできる電気回路を示している。
【図10c】本発明に関連した電気回路図であり、本発明による撮像モジュールのプリント回路基板上に少なくとも部分的に組み込むことのできる電気回路を示している。
【図10d】本発明に関連した電気回路図であり、本発明による撮像モジュールのプリント回路基板上に少なくとも部分的に組み込むことのできる電気回路を示している。
【図10e】本発明に関連した電気回路図であり、本発明による撮像モジュールのプリント回路基板上に少なくとも部分的に組み込むことのできる電気回路を示している。
【図11】従来の撮像モジュールの内部側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサと、前記画像センサ上に光を集束させるレンズアセンブリと、対象領域上に不可視照射パターンを投影するための赤外照射源とからなる撮像モジュールであって、
第1の可視色波長発光帯域の光を前記対象領域上に放射するように選択された照準光源と、
前記モジュールの受光路に配置され、前記第1の可視色波長帯域の光を遮断するようになされたカラーフィルタとにより特徴づけられる撮像モジュール。
【請求項2】
前記画像センサは2次元画像センサである請求項1記載の光学読取装置撮像モジュール。
【請求項3】
前記画像センサは1次元画像センサである請求項1記載の光学読取装置撮像モジュール。
【請求項4】
光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
画像センサと画像レンズアセンブリからなる撮像システムを有し、前記画像レンズアセンブリは前記画像センサに光を撮像させるために前記撮像システムの受光路内に配置され、
少なくとも1つの照射光源を備え、対象領域上に照射パターンを投影する照射パターン生成システムを有し、
少なくとも1つの照準光源を備え、前記対象領域上に照準パターンを投影する照準パターン生成システムを有し、
前記撮像システムの前記受光路は、その中に、波長感受フィルタを配置してなり、該フィルタは、赤外線波長帯域内の光線が、前記画像センサに到達することを妨げる、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
前記照射パターン生成システムは、挟波長帯域内の光を、投影するものであり、
前記波長感受フィルタは、前記挟波長帯域内にない光を遮断するバンドパスフィルタである、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項6】
請求項4記載の光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
前記画像センサは、2次元画像センサである、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項7】
請求項4記載の光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
前記画像センサは、2次元カラー画像センサである、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項8】
請求項4記載の光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
前記少なくとも1つの照準光源は、レーザーダイオードアセンブリである、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項9】
請求項4記載の光学読み取り装置撮像モジュールにおいて、
前記画像センサは、2次元カラー画像センサであり、前記少なくとも1つの照準光源は、レーザーダイオードアセンブリである、
ことを特徴とする光学読み取り装置撮像モジュール。
【請求項10】
第1の回路基板と、
第2の回路基板と、
前記回路基板の一方に搭載された画像センサと、
前記回路基板の一方に搭載された光源と、
前記第1の回路基板と第2の回路基板の間に挿置された支持アセンブリと、
前記第1の回路基板、第2の回路基板、及び前記支持アセンブリのそれぞれに定義され、互いにほぼ位置合わせされた柱穴と、
前記第1および第2の回路基板、および前記支持アセンブリを支持するために、前記位置合わせされた柱穴のそれぞれを少なくとも部分的に貫通して延びる支柱と、からなる撮像モジュール。
【請求項11】
請求項10記載の撮像モジュールにおいて、
上記支柱は上記第1および第2の回路基板にはんだ付けされている、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項12】
請求項10記載の撮像モジュールにおいて、
上記支柱は導電性であり、前記第1の回路基板と第2の回路基板との間の電気的通信を提供するように配置される、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項13】
請求項10記載の撮像モジュールにおいて、
複数の支柱を上記モジュールに収容するために、上記第1の回路基板、第2の回路基板、および支持アセンブリのそれぞれにおいて複数の柱穴が形成されている、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項14】
請求項10記載の撮像モジュールにおいて、
上記複数の柱穴は導電性であり、前記第1の回路基板と第2の回路基板との間の電気的通信を提供するように配置される、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項15】
画像センサを備えた撮像システムと、照準光源と、前記照準光源と開口からの光を対象領域上に結像させるための結像光学部品を備えたレンズ部材との光学的な中間に配置された開口を備えた開口画定部材と、からなる撮像モジュールであって、
前記結像光学部品は球面レンズを具備することを特徴とする撮像モジュール。
【請求項16】
前記レンズ部材は屈折型光学マイクロレンズをさらに具備する請求項15記載のモジュール。
【請求項17】
その表面にキャビティが定義されたプリント回路基板と、前記キャビティに配置された発光ダイオードダイとをさらに備え、前記照準光源が前記キャビティ配置ダイからなる請求項15記載のモジュール。
【請求項18】
前記モジュールは、前記撮像システムの最適焦点距離が、前記開口が対象上に最適に合焦される距離よりも短くなるようになされた請求項15記載のモジュール。
【請求項19】
前記レンズ部材が、前記開口からの光を前記撮像モジュールに対して横方向に向けるためのウェッジ光学部品を具備する請求項15記載のモジュール。
【請求項20】
前記画像センサを格納する格納部と、前記開口画定部材とを少なくとも備えた一体型支持アセンブリによってさらに特徴づけられる請求項1記載のモジュール。
【請求項21】
前記結像光学部品の境界に沿って配置された開口部材によってさらに特徴づけられる請求項15記載のモジュール。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図1h】
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【図1i】
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【図1j】
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【図1k】
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【図1L】
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【図1m】
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【図1n】
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【図1o】
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【図1p】
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【図1q】
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【図1r】
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【図1s】
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【図1t】
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【図1u】
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【図1v】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図2j】
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【図2k】
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【図2L】
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【図2m】
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【図2n】
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【図2o】
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【図2p】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3h】
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【図3i】
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【図3j】
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【図3k】
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【図3L】
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【図3m】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図4i】
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【図4j】
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【図4k】
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【図4L】
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【図4m】
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【図4n】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図5i】
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【図5L】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【図6g】
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【図6h】
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【図6i】
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【図6j】
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【図6k】
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【図6L】
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【図6m】
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【図6n】
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【図6o】
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【図6p】
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【図6q】
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【図6r】
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【図6s】
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【図6t】
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【図6u】
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【図6v】
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【図6w】
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【図6x】
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【図6y】
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【図6z】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図8j】
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【図8k】
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【図8L】
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【図8m】
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【図8n】
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【図8o】
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【図8u】
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【図8v】
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【図8w】
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【図8x】
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【図8y】
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【図8z】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図9f】
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【図9L】
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【図9m】
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【図9n】
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【図9o】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−188516(P2007−188516A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42849(P2007−42849)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【分割の表示】特願2002−571699(P2002−571699)の分割
【原出願日】平成14年3月8日(2002.3.8)
【出願人】(503326812)ハンド ヘルド プロダクツ インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】