説明

光学部材用メタクリル系樹脂組成物およびそれを用いた光学部材

【課題】加熱着色や異物の発生が少なく、離型性が良好で優れた成形性を有し、優れた光学特性を有する光学部材用メタクリル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】メタクリル系共重合体(a)、一般式(X)で表される化合物(b)を含有する光学部材用メタクリル系樹脂組成物。


(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R5は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基又は水素原子を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材用メタクリル系樹脂組成物およびその成形品に関し、さらに詳しくは光学特性、成形性に優れた光学部材用メタクリル系樹脂組成物およびこれを用いた光学部材に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル系樹脂は、透明性に優れ光学歪も少ないことからレンズなどの光学部材に広く用いられている。光学部材用の材料は、光学製品の高性能化に伴い様々な改良が提案されている。例えば、離型剤に関するもの(特許文献1および特許文献2参照)や材料に含まれる不純物の低減に関するもの(特許文献3参照)などがある。近年、表示装置の大画面化に伴い光学部材の大型化、薄肉化が求められている。それに応えるために、高温成形やサイクル時間の延長が採用されている。このために、樹脂材料は実質無酸素状態の成形機内で高温に長時間さらされることになり、その結果として樹脂製光学部材に着色や焼けなどによる異物が生じ易くなっている。また、光学部材の大型化および薄肉化は、樹脂材料に、高い溶融流動性、高い熱安定性、並びに金型との高い密着性、良好な離型性、低い金型汚染性、低い金型腐食性などの成形性の改良をきびしく要求している。
ところで、特許文献4には、加飾フィルム用のアクリル系樹脂材料が記載されている。この樹脂材料は、住友化学社製の酸化防止剤「スミライザーGM」やチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の紫外線吸収剤「チヌビン1577」をアクリル系グラフト共重合体に配合したものである。しかるに、この樹脂材料では金型汚れや金型腐食が生じ易く成形性に難があり、光学部材用の材料に不向きと考えられている。
以上のように、従来のメタクリル系樹脂材料では、これら要求に未だ十分に応えきれていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−48495号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平8−302145号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平9−31134号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2004−137299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、成形時の実質無酸素状態における加熱によっても着色や異物の発生が極めて少なく、離型性が良好で且つ金型腐食及び金型汚れの発生のない優れた成形性を有し、さらに優れた光学特性を有する光学部材を得ることができるメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した。その結果、メタクリル系樹脂に特定の化合物を少量含有させることにより、成形時の実質無酸素状態における加熱によっても着色や異物の発生が極めて少なく、離型性が良好で且つ金型腐食及び金型汚れの発生のない優れた成形性を有し、さらに優れた光学特性を有する光学部材を得ることができることを見いだした。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明は、
〔1〕メタクリル酸メチル単位50〜99.9質量%およびその他の単量体単位0.1〜50質量%を有するメタクリル系共重合体(a)100質量部、および一般式(X)で表される化合物(b)0.001〜0.1質量部を含有する光学部材用メタクリル系樹脂組成物
【0007】

(式(X)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R5は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基又は水素原子を示す。)、
〔2〕前記〔1〕に記載の光学部材用メタクリル系樹脂組成物を成形してなる光学部材、
〔3〕導光体、拡散体、プリズム体、レンズ体、フィルター体およびこれらのうち少なくとも2種以上の機能を兼ね備えた複合体のいずれかである前記〔2〕に記載の光学部材、並びに
〔4〕液晶表示装置、プラズマ表示装置、発光ダイオード表示装置、フィールドエミッション表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置、プロジェクション表示装置のいずれかに使用される前記〔2〕または〔3〕に記載の光学部材、である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物は、成形時の実質無酸素状態における加熱によっても着色や異物の発生が極めて少なく、金型との密着性および離型性が良好で且つ金型腐食および金型汚れの発生のない優れた成形性を有する。本発明の樹脂組成物を用いることによって、優れた光学特性を有する光学部材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系共重合体(a)と式(X)で表される化合物(b)とを含有するものである。
【0010】
本発明に用いられるメタクリル系共重合体(a)は、メタクリル酸メチル単位を50〜99.9質量%およびその他の単量体単位0.1〜50質量%を有するもの、好ましくはメタクリル酸メチル単位70〜99.9質量%およびその他の単量体単位0.1〜30質量%を有するもの、より好ましくはメタクリル酸メチル単位80〜99.9質量%およびその他の単量体単位0.1〜20質量%を有するものである。メタクリル酸メチル単位が50質量%未満では、メタクリル系樹脂の特長である光学特性および耐光性が損なわれるため好ましくない。
【0011】
メタクリル酸メチル以外の他の単量体単位を構成する単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル単量体;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル単量体;酢酸ビニル;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
これらの中でも、アルキル基の炭素原子数が1〜6個のアクリル酸アルキルエステル、スチレン、およびα−メチルスチレンのいずれか1種またはそれらの任意の組み合わせが好ましく、アルキル基の炭素原子数が1〜6個のアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。アルキル基の炭素原子数が1〜6個のアクリル酸アルキルエステル単位は、耐光性を高め、さらに複屈折を小さくして光学的な均一性を高める作用がある。スチレン単位は、屈折率を大きくし且つ吸湿性を小さくする作用がある。α−メチルスチレン単位は、耐熱性や耐光性を高め且つ屈折率を大きくする作用がある。光学部材にこのような特性が要求される場合には、上記単量体単位を単独でまたは2種以上を組み合わせて適宜選択してメタクリル系共重合体(a)に導入することが好ましい。
【0013】
メタクリル系共重合体(a)は、メタクリル酸メチルおよびこれに共重合可能な他の単量体を共重合することによって製造することができる。重合方法は特に限定されず、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、注型重合法(例えば、セルキャスト重合法)などが挙げられる。回分式もしくは連続式の塊状重合法または溶液重合法で製造すると、成形材料に好適なメタクリル系共重合体(a)が得られる。
【0014】
メタクリル系共重合体(a)は、加熱溶融して成形するための材料として用いる場合には、重量平均分子量が、4万〜40万であるのが好ましく、6万〜30万であるのがより好ましい。メタクリル系共重合体(a)の重量平均分子量が上記範囲にある場合には、樹脂組成物の流動性や成形性が高くなり、得られる光学部材の強度や耐久性が高くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。メタクリル系共重合体(a)の分子量や分子量分布は、重合開始剤および連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。用いることができる連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を挙げることができる。
【0015】
また、セルキャスト重合法にて直接に平板等に成形する場合、GPCで測定したメタクリル系共重合体(a)の重量平均分子量は20万以上であるのが好ましく、30万以上であるのがより好ましい。重量平均分子量が20万以上の場合、セルキャスト重合法によって得られる成形品の特長である、表面性や耐久性などの優位性を保持することができるので好ましい。
【0016】
本発明に用いられる化合物(b)は、一般式(X)で示される構造の化合物である。式(X)中のR1〜R4は、それぞれ独立に、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R5は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基又は水素原子を示す。
化合物(b)の具体例としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学(株)製;商品名スミライザーGS)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチル−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,5−ジ−t−ブチル−6−(3’−5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシメチルベンジル)−フェニルアクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、若しくは2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートが好ましく、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレートがより好ましい。
【0017】
本発明に用いられる化合物(b)の量は、メタクリル系共重合体(a)100質量部に対して0.001〜0.1質量部、好ましくは0.005〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.05質量部である。化合物(b)の量が0.001質量部未満の場合は、化合物(b)の添加効果が無いために成形時の加熱によって着色や異物が生じやすくなる。一方、化合物(b)の量が0.1質量部を超えると、射出成形の際に金型腐食や金型汚れが生じ、歩留まりの低下や金型清掃などによる生産性の低下をもたらすとともに、シルバー発生による欠点増加の原因となり、または押出し成形時に目やにが生じやすくなる。
【0018】
化合物(b)を樹脂組成物に含有させることによって本発明の優れた効果を奏する理由は定かでないが、次のように本発明者は推測している。従来の酸化防止剤は、有酸素状態で生成するラジカルを捕捉する機能によって樹脂の熱劣化を防止している。ところが、本発明に用いられる化合物(b)は、熱劣化を防止する機能が従来の酸化防止剤と異なるようである。すなわち、化合物(b)は、実質無酸素の状態下で生成するラジカルを捕捉する機能によって樹脂の熱劣化を防止している。そのために、本発明のような効果を奏するのであろうと考えられる。
【0019】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物には、紫外線吸収剤を含有させてもよい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、紫外線による樹脂劣化、特に着色による光学特性低下を抑制する機能を有するものである。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリシレート系、シアノアクリレート系、蓚酸アニリド系、マロン酸エステル系、ホルムアミジン系などの紫外線吸収剤が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤のいずれか1種またはその組み合わせが好ましい。
【0020】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は紫外線による樹脂劣化、特に着色による光学特性低下を抑制する効果が高く光学部材用メタクリル系樹脂組成物にこうした特性を付加する場合において好適な紫外線吸収剤である。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN329)、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN326)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名TINUVIN234)などが挙げられる。
これらの中でも、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、若しくは2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールが好ましく、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールがより好ましい。
【0021】
一方、波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤は、得られる光学部材の黄色味を抑えることができるため、こうした特性が要求される用途においては有効な紫外線吸収剤である。
なお、紫外線吸収剤のモル吸光係数の最大値εmaxは、次のようにして測定する。シクロヘキサン1Lに紫外線吸収剤10.00mgを添加し、目視による観察で未溶解物がないように溶解させる。この溶液を1cm×1cm×3cmの石英ガラスセルに注入し、日立製作所社製U−3410型分光光度計を用いて、波長380〜450nmでの吸光度を測定する。紫外線吸収剤の分子量(Mw)と、測定された吸光度の最大値(Amax)とから次式により計算し、モル吸光係数の最大値εmaxを算出する。
εmax=[Amax/(10×10-3)]×Mw
波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン;商品名サンデユボアVSU)などが挙げられる。
【0022】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物に含有させることができる紫外線吸収剤の量は、メタクリル系共重合体(a)100質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.002〜0.5質量部、特に好ましくは0.004〜0.3質量部である。紫外線吸収剤の含有量が0.001質量部未満では樹脂劣化を抑制する機能が十分に発揮されない。紫外線吸収剤の含有量が1質量部を超えると金型汚れによる歩留まりの低下や金型清掃などによる生産性の低下をもたらす傾向があるとともに、シルバー発生による欠点増加の原因となり、または押出し成形時に目やにが生じやすくなる。
【0023】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物には、光安定化剤を含有させてもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン類等が挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、コハク酸ジメチル/1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ))、2−(2,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン/2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。該光安定化剤は紫外線吸収剤との併用が好ましい。光安定化剤の量は、メタクリル系共重合体(a)100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部である。
【0024】
さらに、成形品の離型性を向上させるために、本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物には、離型剤を含有させることができる。
離型剤としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール;ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステルが挙げられる。本発明においては高級アルコールとグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用することがより好ましい。
含有させることができる離型剤の量は、特に制限はないが、離型剤として高級アルコールおよび/またはグリセリン脂肪酸モノエステルを用いる場合、その含有量はメタクリル系共重合体(a)100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、さらに好ましくは0.05質量部以下である。離型剤の含有量が0.2質量部を超えると、射出成形の際に金型汚れによる歩留まりの低下や金型清掃などによる生産性の低下をもたらす傾向があるとともに、シルバー発生による成形品の欠点増加の原因となり、または押出し成形時に目やにが生じやすくなる。
高級アルコールとグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用する場合、その割合は特に制限されないが、高級アルコールがグリセリン脂肪酸モノエステルに対する質量比で、好ましくは2.5/1〜3.5/1、より好ましくは2.8/1〜3.2/1である。
【0025】
本発明では、さらに酸化防止剤を含有させることができる。該酸化防止剤としては、酸素存在下においてそれ単体で樹脂の酸化劣化防止に効果を有するものが好ましい。例えば、リン系、ヒンダードフェノール系、チオエーテル系等の酸化防止剤が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、着色による光学特性の劣化防止効果の点で、リン系酸化防止剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に用いられる。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、その割合は特に制限されないが、リン系酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤に対する質量比で、好ましくは1/5〜2/1、より好ましくは1/2〜1/1である。
【0026】
リン系酸化防止剤としては、例えば、2,2−メチレンビス(4,6−ジt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジt−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸などが挙げられる。これらの中でも、2,2−メチレンビス(4,6−ジt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(ADEKA社製;商品名アデカスタブHP−10)、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名IRUGAFOS168)が好ましい。
【0027】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス〔3―(3―t―ブチル−5−メチル−4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6―ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5―ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n―オクチル)―6−(4―ヒドロキシ−3,5―ジ−t―ブチルアニリノ)―1,3,5―トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
これらの中でも、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名IRGANOX1010)やオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;商品名IRGANOX1076)が好ましい。
【0028】
本発明において酸化防止剤を用いる場合、その含有量の下限は、メタクリル系共重合体(a)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部、より好ましくは0.005質量部、さらに好ましくは0.01質量部であり、その含有量の上限は、メタクリル系共重合体(a)100質量部に対して、好ましくは1質量部、より好ましくは0.5質量部、さらに好ましくは0.3質量部、特に好ましくは0.1質量部である。酸化防止剤の含有量が0.001質量部未満では、成形品の高温での加熱着色を防止する効果が十分に発揮されない傾向がある。一方、酸化防止剤の含有量が1質量部を超えると、射出成形の際に金型汚れによる歩留まりの低下や金型清掃などによる生産性の低下をもたらす傾向があるとともに、シルバー発生による成形品の欠点増加の原因となったり、成形品に焼けが発生して色相が逆に低下したり、成形品に異物が発生したりする傾向がある。
【0029】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物には、必要に応じて、有機色素、染料、顔料、光拡散剤、耐衝撃性改質剤などをさらに含有させることができる。
有機色素としては、樹脂に対しては有害とされている紫外線を可視光線に変換する機能を有するものが好ましく、具体的にはターフェニルなどが挙げられる。
光拡散剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子などが挙げられる。
耐衝撃性改質剤の例としては、アクリル系ゴムもしくはジエン系ゴムをコア層成分として含むコアシェル型改質剤、ゴム粒子を複数包含した改質剤などが挙げられる。
【0030】
本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物はその調製方法によって、特に制限されない。該調製方法として、例えば、(I)前記メタクリル系共重合体(a)に前記化合物(b)および所望に応じて他の樹脂や物性改善剤等を添加混練することによって調製する方法や;(II)メタクリル系共重合体(a)を製造する工程において前記化合物(b)および所望に応じて他の樹脂や物性改善剤等を重合反応液に添加し、メタクリル系共重合体(a)の製造とともに本発明の組成物を直接調製する方法がある。
【0031】
前記(I)の調製方法では、メタクリル系共重合体(a)をビーズ状あるいはペレット状の材料として供給するのが、溶融混練の効率の点で好ましい。メタクリル系共重合体(a)と化合物(b)等とを混練機に直接供給して溶融混練を行うこともできるが、メタクリル系共重合体(a)と化合物(b)等とをタンブラー、ミキサー、ブレンダー等の混合機によって所望の割合で混合し、次いで該混合物をスクリュー押出機等の混練機を用いて溶融混練することが好ましい。混練によって得られた本発明の樹脂組成物は、成形材料として提供するためにペレット状またはビーズ状にすることが好ましい。
【0032】
前記(II)の調製方法では、化合物(b)等の添加順序、混合手段、混合手順などによって特に限定されない。例えば、重合反応の後に、化合物(b)等を重合反応液に一括添加、分割添加、または連続添加することができる。前記(II)の調製方法を所望形状が得られる型の中で行うこと、すなわち注型重合法によって、光学部材を直接に得ることもできる。
【0033】
本発明の光学部材は、本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物を成形してなるものである。該成形方法としては、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法などが挙げられる。板やフィルム/シートの主面に光学的に機能する細かな凹凸を設ける方法としては、例えば、射出成形法や圧縮成形法のように凹凸が設けられた金型に溶融させた樹脂材料を直接接触させて賦形する方法;押出成形などによって溶融樹脂材料を一旦シート状やフィルム状に成形し、その成形品を切削加工して凹凸を設ける方法;溶融樹脂材料を一旦シート状やフィルム状に成形し、その成形品に所望の凹凸を有する型で加熱プレス加工(エンボス加工等)して凹凸を設ける方法;などが挙げられる。これらは光学部材の製造に好適に用いられる。
【0034】
本発明の光学部材としては、例えば、導光体、拡散体、プリズム体、レンズ体、フィルター体およびこれらの少なくとも2種以上の機能を兼ね備えた複合体が挙げられる。これら光学部材は、その使用目的に応じて、フィルム状、シート状もしくは板状およびそれ以外の立体形状などの様々な形をしている。また、光学部材の表面に、無機もしくは有機化合物を用いて、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理、電磁遮蔽処理などを行うことができる。これらの処理は、蒸着、スパッタリング、ディッピング、熱転写等によって行うことができる。
【0035】
本発明における導光体は、光源より発せられた光線を目的とする方向に導く機能を有する光学部材である。導光体には、光線を導く方向によって、光源からの光線を導光体の長さ方向に沿って導くものや、光線を導光体の長さ方向に垂直な方向あるいは目的とする特定角度の方向に導くものなどがあるが、本発明はこれらに限定されない。光線を導光体の長さ方向に垂直な方向あるいは目的とする特定角度の方向に導くものとして、光源に近い側の端から遠い側の端に向かって厚さが徐々に小さくなる断面楔形状の平板(これを一般に「導光板」と呼ぶ。)が代表的なものとして挙げられる。この導光板には、端から入射した光を導き板面全体から法線方向に均等に出射するようにするために、様々な工夫がなされている。例えば、板面に様々な微細パターンを印刷する方法、板面に微細な凹凸パターンを切削もしくは種々の加工法で賦形する方法、成形品そのものを曲げ加工する方法などが挙げられる。
【0036】
本発明における拡散体は、光源より発せられた光線を拡散して発光面積を拡大する機能を有する光学部材である。光拡散機能を付与する方法として、例えば、無機系もしくは有機系の光拡散剤を成形品に含有させる方法;成形品の表面に様々な形状を賦形する方法などが挙げられる。光拡散剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子などが挙げられる。
【0037】
本発明におけるプリズム体は、光源より発せられた光線を波長ごとに屈折率の相違を利用して分光する機能を有する部材である。その形状としては、例えば、多角形断面を有した連続体もしくは多角形体などが挙げられる。
【0038】
本発明におけるレンズ体は、光源より発せられた光線を目的とする位置に集中もしくは拡大する機能を有する光学部材である。例えば、球面、非球面形状を有する立体またはこれらを分割して二次元的に配列させた形状などが挙げられる。
【0039】
本発明におけるフィルター体は、光源より発せられた光線から特定の波長のみを透過または吸収させる機能を有する光学部材である。例えば、染料等の有機または無機の色素を本発明の光学部材用メタクリル系樹脂組成物に含有させて、所望の形状に賦形したもの等が挙げられる。
【0040】
本発明の光学部材は、冷陰極管等を用いたエッジライト方式または直下型方式のバックライトを備えた液晶表示装置、プラズマ発光を用いたプラズマ表示装置、発光ダイオードを用いた発光ダイオード表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置、フィールドエミッション表示装置およびプロジェクション表示装置、さらには高速道路の自動料金システムの受光部材などに好適に使用される。
【実施例】
【0041】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例及び比較例における物性値の測定または評価は、以下の方法により行った。
【0042】
(1)メタクリル系共重合体(a)の重量平均分子量の測定
高速液体クロマトグラフィー装置に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)用カラムとして島津製作所(株)製「GPC−802」、「HSG−30」、「HSG−50」および昭和電工(株)製「Shodex A−806」を直列に繋ぎ、検出器として示差屈折率検出器、溶離液としてテトラヒドロフランをそれぞれ用い、溶離液流量1.5ml/分の条件下で分析した。分子量既知の標準ポリスチレンとの較正からメタクリル系共重合体(a)の重量平均分子量を決定した。なお、試料溶液は、メタクリル系共重合体(a)0.12gを秤量し、これに20mlのテトラヒドロフランを加えて十分に溶解させた後、孔径0.5μmのメンブランフィルターで濾過したものを用いた。
【0043】
(2)光学部材の光透過率およびクロマティクネス指数b*の測定
射出成形機で成形した板状成形品から190mm×50mm×5mmの試験片を切り出し、分光光度計(UV−2550;島津製作所社製)を用い、光路長190mmにおける、波長450nm、550nmおよび650nmにおける光透過率(%)とクロマティクネス指数b*とを測定した。
【0044】
(3)成形時の金型腐食および金型汚れの評価
東芝機械(株)製「IS−60B」射出成形機を用い、平板金型(鋼材:NAK80、成形品寸法:40mm×200mm×2mm)で、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数50rpm、金型温度60℃、背圧0.5MPa、冷却時間15秒間、保圧無し(ショートショット)の条件下で700ショットの射出成形を行った。成形終了後、金型表面の腐食の程度および汚れ具合を調べた。その程度に応じて以下の指標で評価を示した。
(金型腐食の評価指標)
○:腐食無し。
△:僅かに腐食が認められる。
×:かなり腐食が認められる。
(金型汚れの評価指標)
○:金型汚れ無し。
△:僅かに金型汚れが認められる。
×:かなり金型汚れが認められる。
【0045】
(4)熱安定性の評価
東芝機械(株)製「IS−60B」射出成形機を用い、平板金型(鋼材:NAK80、製品寸法:40mm×200mm×2mm)で、スクリュー回転数50rpm、シリンダー温度270℃、滞留時間5分間、金型温度60℃、背圧0.5MPa、冷却時間15秒間、保圧無し(ショートショット)の条件下で10ショットの射出成形を行った。得られた成形品のシルバー発生を目視で確認し、その枚数を調べた。
【0046】
(5)異物発生の評価
東芝機械(株)製「IS−60B」射出成形機を用い、平板金型(鋼材:NAK80、製品寸法:80mm×200mm×5mm)で、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数50rpm、金型温度60℃、背圧0.5MPa、冷却時間175秒間の条件下で300ショットの射出成形を行った。得られた成形品の異物発生を目視で確認し、その枚数を調べた。
【0047】
また、実施例および比較例において用いた化合物を下記に列記した。なお、化合物名の後に記した括弧内はその化合物を表す略号である。
メタクリル系共重合体(a)に使用した単量体: メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル(EA)、スチレン(St)、
化合物(b): 2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(SGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(SGS)、
紫外線吸収剤: 2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(EEOA)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(HMB)、
酸化防止剤: ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(IR1010)、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト(TBPP)、
離型剤: ステアリルアルコール(StOH)、ステアリン酸モノグリセライド(StMG)。
【0048】

【0049】
<実施例1>
MMA97.5質量%およびMA2.5質量%からなる単量体組成物に所定量の重合開始剤および連鎖移動剤を加えた混合物を、連続的に重合反応槽に送り込み、150℃にて平均滞留時間2時間で重合転化率が60%になるまで塊状重合を行った。次いで脱揮押出機で未反応モノマーを除去した。得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は88000であった。次いで、脱揮ゾーン以降に設けた添加剤フィード口より、各種添加成分の溶融混合物をメタクリル系共重合体に添加混合することにより、MMA単位97.5質量%およびMA単位2.5質量%を有するメタクリル系共重合体100質量部とSGS0.05質量部とを含有するペレット状メタクリル系樹脂組成物を得た。該組成物を上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。
【0050】
<実施例2〜5および比較例1〜4>
表1に示した処方に変更した以外は、実施例1と同じ手法によって、光学部材用メタクリル系樹脂組成物を得た。これらについて上記の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
【0051】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明により、成形時の実質無酸素の状態における加熱によっても着色や異物の発生が極めて少なく、離型性が良好で且つ金型の腐食及び金型汚れの発生のない優れた成形性を有し、さらに優れた光学特性を有する光学部材を得ることができるメタクリル系樹脂組成物が提供される。該組成物からなる光学部材は、液晶表示装置、プラズマ表示装置、発光ダイオード表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置、フィールドエミッション表示装置、プロジェクション表示装置、および高速道路の自動料金システムの受光部材などに好適に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクリル酸メチル単位50〜99.9質量%およびその他の単量体単位0.1〜50質量%を有するメタクリル系共重合体(a)100質量部、および一般式(X)で表される化合物(b)0.001〜0.1質量部を含有する光学部材用メタクリル系樹脂組成物。

(式(X)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し、R5は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基又は水素原子を示す。)
【請求項2】
請求項1に記載の光学部材用メタクリル系樹脂組成物を成形してなる光学部材。
【請求項3】
導光体、拡散体、プリズム体、レンズ体、フィルター体およびこれらのうち少なくとも2種以上の機能を兼ね備えた複合体のいずれかである請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
液晶表示装置、プラズマ表示装置、発光ダイオード表示装置、フィールドエミッション表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置、プロジェクション表示装置のいずれかに使用される請求項2または3に記載の光学部材。

【公開番号】特開2011−16916(P2011−16916A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162273(P2009−162273)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】