説明

光導波路の形成方法、光導波路、光回路基板および電子機器

【課題】信頼性および耐久性に優れる光導波路を容易かつ安価に形成し得る光導波路の形成方法、かかる光導波路の形成方法により形成された光導波路、この光導波路を備える光回路基板および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の光導波路の形成方法は、基板2上に、第1のクラッド層11を形成する第1の工程と、第1のクラッド層11上に、第1のクラッド層11より屈折率が大きいコア層12を形成する第2の工程と、コア層12を被覆するように、コア層12より屈折率が小さい第2のクラッド層13を形成する第3の工程とを有し、第1の工程、第2の工程および第3の工程において、第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13を、それぞれ、気化したシリコーンオイルをプラズマ重合させることにより形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路の形成方法、光導波路、光回路基板および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年急速に関心の高まりつつある光通信において重要な光部品としては、光分岐結合器(光カプラ)、光合分波器、光アイソレータ、光ファイバーアンプ、等があるが、最近では導波路型素子が有望視されている。
現在のところ、最も高性能で信頼性の高い受動型光導波路素子は、ガラス導波路であるが、製造工程に1000℃以上の高温のプロセスを含む等、加工性に問題がある。
そこで、レーザー光の集光照射により、屈折率が変化した部分をガラスの内部に連続して形成した光導波路が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところが、この光導波路は、ガラスで構成されるため、可撓性に乏しい、割れやすい等の問題がある。
かかる問題点を解決すべく、ポリマー材料を用いて光導波路を作製することが検討されている。
中でも、近赤外領域での光損失が小さい点、また、高耐熱性、低吸湿性等の優れた性質を備えている点で、含フッ素ポリイミド樹脂が光導波路用材料として脚光を浴びており、含フッ素ポリイミド樹脂を用いた製造方法が種々提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、いずれも、導波路パターンのレリーフ構造を作製するのに、例えば、ポリイミド樹脂層の上に感光性樹脂でパターンを形成し、リアクティブイオンエッチング等でエッチングし、余分な感光性樹脂を剥離するという複雑な手法を用いている。このため、光導波路を作製するプロセスのステップ数が多くなり、製造コストや歩留まりに悪影響を及ぼすという問題点を有している。
また、レーザー光の照射により、高分子材料に光導波路を形成する方法として、フォトポリマーを使用した光導波路作製方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
しかし、この方法は、レーザー光の照射により重合度が上昇して、屈折率が変化するフォトポリマーを使用しているため、ポリマーに汎用性がなく、また、使用されるレーザー光は、重合度を上昇させる程度のものが使用されるので、高分子材料に照射して屈折率を変化させることは困難である。
また、レーザー光の集光照射により、屈折率が変化した部分を高分子材料の内部に連続して形成する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、この方法では、屈折率を変化させるのに要する時間がレーザー光の走査速度に依存するため、複雑なパターンや全長が長い光導波路を作製するには生産性が劣るという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平9−311237号公報
【特許文献2】特開平2−281037号公報
【特許文献3】特開平9−318831号公報
【特許文献4】特開2003−131058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、信頼性および耐久性に優れる光導波路を容易かつ安価に形成し得る光導波路の形成方法、かかる光導波路の形成方法により形成された光導波路、この光導波路を備える光回路基板および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光導波路の形成方法は、第1のクラッド層を形成する第1の工程と、
該第1のクラッド層上に、前記第1のクラッド層より屈折率が大きいコア層を形成する第2の工程と、
該コア層を被覆するように、前記コア層より屈折率が小さい第2のクラッド層を形成する第3の工程とを有し、
前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程において、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層を、それぞれ、気化したシリコーンオイルをプラズマ重合させることにより形成することを特徴とする。
これにより、信頼性および耐久性に優れる光導波路を容易かつ安価に形成することができる。
【0009】
本発明の光導波路の形成方法では、前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程で用いる前記シリコーンオイルは、それぞれ、その重量平均分子量が100〜500であることが好ましい。
これにより、シリコーンオイルを容易に気化させることができる。また、そのような重量平均分子量のシリコーンオイルは、適度な流動性を有するものであるため、シリコーンオイルの取り扱いが容易である。
【0010】
本発明の光導波路の形成方法では、前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程は、それぞれ、減圧状態で行われることが好ましい。
これにより、プラズマ重合反応を容易に進行させることができる。
本発明の光導波路の形成方法では、前記減圧状態における真空度は、0.1〜500Paであることが好ましい。
これにより、プラズマ重合反応を容易に進行させることができるとともに、より安価にこれらの層を形成することができる。
【0011】
本発明の光導波路の形成方法では、前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程において、前記シリコーンオイルの組成および/または前記プラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層の各屈折率をそれぞれ調整することが好ましい。
これにより、得られるクラッド層およびコア層の各屈折率を、所望の値に調整することができる。
【0012】
本発明の光導波路の形成方法では、前記所定の条件は、雰囲気圧力、雰囲気温度、高周波出力、気化オイル流量および気化オイル濃度のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
これにより、得られるクラッド層およびコア層の各屈折率を、より容易かつ確実に、所望の値に調整することができる。
【0013】
本発明の光導波路は、本発明の光導波路の形成方法を用いて形成されたことを特徴とする。
これにより、信頼性および耐久性に優れる安価な光導波路が得られる。
本発明の光導波路は、第1のクラッド層と、
該第1のクラッド層上に設けられた前記第1のクラッド層より屈折率が大きいコア層と、
該コア層を被覆するように設けられた前記コア層より屈折率が小さい第2のクラッド層とを備える光導波路であって、
前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、シリコーンオイルをプラズマ重合させることにより形成されたことを特徴とする。
これにより、信頼性および耐久性に優れる安価な光導波路が得られる。
【0014】
本発明の光導波路では、前記第1のクラッド層の屈折率をA、前記コア層の屈折率をBとしたとき、B−Aが0.005〜0.2であることが好ましい。
これにより、光導波路の光の損失を小さくするとともに、小型化、高効率化でき、製造コストを低減することができる。
本発明の光導波路では、前記コア層の屈折率をB、前記第2のクラッド層の屈折率をCとしたとき、B−Cが0.005〜0.2であることが好ましい。
これにより、光導波路の光の損失を小さくするとともに、小型化、高効率化でき、製造コストを低減することができる。
【0015】
本発明の光導波路では、前記第1のクラッド層の屈折率と前記第2のクラッド層の屈折率とは、ほぼ等しいことが好ましい。
これにより、コア層内に入射する光の入射角の違いによる光の損失の変化を、好適に防止することができる。
本発明の光導波路では、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、互いに接触していることが好ましい。
これにより、光導波路のコア層を外部応力による損傷や湿気の混入による劣化等から確実に保護することができ、光導波路の機能を、長期間安定的に維持することができる。
【0016】
本発明の光導波路では、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、緻密質であることが好ましい。
これにより、光導波路の機械的強度をより向上させることができるとともに、クラッド層とコア層との間に生じる剥離等の不都合をより確実に防止することができる。
本発明の光導波路では、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、その空孔率が5%以下であることが好ましい。
これにより、光導波路の機械的強度をさらに向上させることができるとともに、クラッド層とコア層との間に生じる剥離等の不都合をさらに確実に防止することができる。
本発明の光導波路では、前記光導波路は、その平均厚さが5〜500μmであることが好ましい。
これにより、光導波路としての信頼性を維持しつつ、光導波路の小型化(薄型化)を図ることができる。
【0017】
本発明の光回路基板は、本発明の光導波路を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性および耐久性に優れる光回路基板が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の光回路基板を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性および耐久性に優れる電子機器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の光導波路の形成方法、光導波路、光回路基板および電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の光導波路および光回路基板の実施形態を示す縦断面図、図2〜図4は、それぞれ、図1に示す光導波路の形成方法を説明するための図(縦断面図)である。このうち、図2は第1のクラッド層の形成方法を、図3はコア層の形成方法を、図4は第2のクラッド層の形成方法をそれぞれ説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1〜図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0019】
図1に示す光回路基板1は、基板2と、基板2上に設けられた光導波路10とを有している。
基板2は、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の各種半導体材料、各種ガラス材料、各種金属材料、各種樹脂材料等で構成されている。
【0020】
なお、基板2の構成材料として可撓性を有する樹脂材料を用いることにより、光回路基板1全体に可撓性を付与することができる。
また、基板2の平均厚さは、特に限定しないが、20〜2000μm程度であるのが好ましく、30〜1000μm程度であるのがより好ましい。基板2の平均厚さを前記範囲内とすることにより、光回路基板1全体の機械的強度を確保するとともに、光回路基板1全体の厚さが不必要に厚くなるのを防止することができる。
【0021】
光導波路10は、基板2上に設けられた第1のクラッド層11と、第1のクラッド層11上に設けられたコア層12と、コア層12を覆うように設けられた第2のクラッド層13とを有している。
第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13は、それぞれ、シリコーンオイルをプラズマ重合して得られた重合体を主材料として構成されている。
これらの第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13の形成に、それぞれ、本発明の光導波路の形成方法が適用される。
【0022】
ここで、本発明の光導波路の形成方法では、その原料として、シリコーンオイルを用いることに特徴を有する。シリコーンオイルは、安価かつ入手が容易であるため、光導波路10の製造コストの低減、ひいては、光回路基板1の製造コストの低減を図ることができる。なお、本発明の光導波路の形成方法については、後に詳述する。
また、コア層12の屈折率は、第1のクラッド層11の屈折率より大きくなっており、第2のクラッド層13の屈折率は、コア層12の屈折率より小さくなっている。
【0023】
これにより、光導波路10は、コア層12内に入射した光を、コア層12と各クラッド層11、13との境界(界面)で繰り返し反射させることによって、コア層12内を伝搬させる。
このため、コア層12の屈折率と、各クラッド層11、13の屈折率との差をできるだけ大きく設定するのが好ましい。これにより、コア層12から各クラッド層11、13へ逸脱(移行)する光量の増大、すなわち、コア層12内を伝搬する光の損失の増大を防止することができる。
【0024】
コア層12の屈折率と第1のクラッド層11の屈折率との差およびコア層12の屈折率と第2のクラッド層13の屈折率との差は、それぞれ、特に限定されないが、次のように設定するのが好ましい。
すなわち、第1のクラッド層11の屈折率をA、コア層12の屈折率をBとしたとき、B−Aが0.005〜0.2程度であるのが好ましく、0.01〜0.1程度であるのがより好ましい。B−Aが前記下限値より小さいと、第1のクラッド層11とコア層12との屈折率の差が不十分となり、光の損失の増大を十分に防止できないおそれがある。一方、B−Aが前記上限値より大きいことは、機能上問題とならないが、第1のクラッド層11とコア層12とで製造条件を大きく変える必要が生じ、コスト高となるため好ましくない。また、B−Aが前記範囲内であることにより、光導波路10の小型化および高効率化を図ることもできる。
【0025】
また、コア層12の屈折率をB、第2のクラッド層13の屈折率をCとしたとき、B−Cが0.005〜0.2程度であるのが好ましく、0.01〜0.1程度であるのがより好ましい。B−Cが前記下限値より小さいと、コア層12と第2のクラッド層13との屈折率の差が不十分となり、光の損失の増大を十分に防止できないおそれがある。一方、B−Cが前記上限値より大きいことは、機能上問題とならないが、コア層12と第2のクラッド層13とで製造条件を大きく変える必要が生じ、コスト高となるため好ましくない。また、B−Cが前記範囲内であることにより、光導波路10の小型化および高効率化を図ることもできる。
【0026】
また、第1のクラッド層11の屈折率と第2のクラッド層13の屈折率とは、互いに異なっていてもよいが、ほぼ等しいことが好ましい。これにより、コア層12内に入射する光の入射角の違いによる光の損失の変化を、好適に防止することができる。
また、各層11、12、13の屈折率は、それぞれ、1.2〜1.8程度であるのが好ましく、1.4〜1.6程度であるのがより好ましい。後述する本発明の光導波路の形成方法によれば、各層11、12、13の屈折率を前記範囲内に調整することを、容易かつ安価に行うことができる。
【0027】
また、図1に示すように、第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13は、互いに接触(密着)している。これにより、コア層12を外部応力による損傷や湿気の混入による劣化等から確実に保護することができ、光導波路10の機能を、長期間安定的に維持することができる。
また、第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13は、それぞれ、緻密質または多孔質のいずれであってもよいが、緻密質であるのが好ましい。これにより、光導波路10の機械的強度を向上させることができる。したがって、光回路基板1を湾曲させた場合でも、各層11、12、13にクラックが生じたり、各層間に剥離が生じたりする等の不都合をより確実に防止することができる。
【0028】
特に、コア層12が緻密質であることにより、コア層12中に存在する空孔に起因する光の分散・損失を抑制することができる。
この場合、第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13の空孔率は、それぞれ、5%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上させることができる。
【0029】
光導波路10の平均厚さは、5〜500μm程度であるのが好ましく、50〜200μm程度であるのがより好ましい。光導波路10の平均厚さが前記範囲内であることにより、光導波路としての信頼性を維持しつつ、光導波路10の小型化(薄型化)を図ることができる。
また、光導波路10の平均幅は、特に限定されないが、5〜500μm程度であるのが好ましく、50〜400μm程度であるのがより好ましい。これにより、光導波路10は、その機械的強度を維持しつつ、可撓性に優れたものとなる。
また、コア層12の平均幅は、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、10〜70μm程度であるのがより好ましい。特に、コア層12の厚さと幅とをほぼ等しく設定することにより、光導波路10を光学特性により優れたものとすることができる。
【0030】
このような光回路基板1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板2の上面に第1のクラッド層11を形成する(第1の工程)。
[1−1] まず、シリコーンオイルを気化させる。
このシリコーンオイルを気化させる方法としては、例えば、ヒーター加熱、赤外線照射、超音波の付与等の方法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
シリコーンオイルとしては、気化しやすいもの、すなわち、分子量が小さいものを用いるのが好ましい。分子量が小さいものは特別な気化システムを具備させなくても常温で充分気化するため、設備コストの低減を図ることができる。また、気化させたオイルは、そのままでも搬送用ガスで希釈して真空チャンバーに導入してもよい。
具体的には、シリコーンオイルの重量平均分子量は、100〜500程度であるのが好ましい。重量平均分子量が前記範囲内のシリコーンオイルは、沸点が比較的小さいものであり、前述した方法で容易に気化させることができる。また、そのような重量平均分子量のシリコーンオイルは、適度な流動性を有するものであるため、シリコーンオイルの取り扱いが容易である。
【0032】
このようなシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、またはこれらに種々の官能基を導入した変性物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
変性物としては、例えば、エポキシ系変性物、アルキル系変性物、アミノ系変性物、カルボキシル系変性物、アルコール系変性物、フッ素系変性物、アルキル・アラルキルポリエーテル系変性物、エポキシ・ポリエーテル系変性物、ポリエーテル系変性物等が挙げられる。
【0033】
これらの中でも、特に、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルまたはその変性物を主成分とするものを用いるのが好ましい。ジメチルシリコーンオイルまたはその変性物は、プラズマによる重合反応を生じやすいことから好ましく、また特に、安価で入手が容易であることからも好ましい。
なお、用いるシリコーンオイルの組成(例えば、種類、組み合わせ、比率)を適宜設定することにより、第1のクラッド層11の屈折率を所望の値に調整することができる。
【0034】
[1−2] 次に、気化したシリコーンオイルを真空チャンバー内に導入し、プラズマ重合させる。これにより、シリコーンオイルの重合体を得、この重合体を、基板2の上面を覆うように、堆積させ、図2(a)に示すように、重合体層11’を形成する。
この真空チャンバーには、真空チャンバー内の排気をするための真空ポンプおよび気化したシリコーンオイルを導入するための配管がそれぞれ接続されている。また、配管には、必要に応じて、気化したシリコーンオイルの導入量を可変制御するバルブや気化オイルが再度凝縮しないよう加温機構が設けられる。
これらの他に、真空チャンバーには、プラズマを発生させるための電極、基板2を載置するためのステージ、基板2を加熱するためのヒーター、真空チャンバー内の雰囲気温度を制御するチラー、基板2に対して紫外線を照射するための紫外線ランプ等がそれぞれ備えられている。
【0035】
気化したシリコーンオイル、すなわち、シリコーンオイルの分子は、真空チャンバー内において、電圧の印加によりプラズマ化し、プラズマ化したシリコーンオイルの分子同士が衝突し、重合反応を起こす。その結果、基板2上にシリコーンオイルの重合体(ポリオルガノシロキサン)が堆積し、重合体層11’が形成される。
このとき、プラズマ重合の処理条件(成膜条件)を所定の条件に設定すること、または、前述したようなシリコーンオイルの組成とともにプラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、第1のクラッド層11の屈折率を、所望の値に調整することができる。
【0036】
プラズマ重合の処理条件において、設定すべき条件(所定の条件)には、種々のものがあるが、雰囲気圧力、雰囲気温度、高周波出力、気化オイル流量および気化オイル濃度のうちの少なくとも1つであるのが好ましい。これら条件を設定することにより、より容易かつ確実に、第1のクラッド層11の屈折率を調整することができる。
なお、気化オイル流量とは、気化したシリコーンオイルを含有するガスを真空チャンバー内に導入する際の流量のことを言い、気化オイル濃度とは、前記ガス中でシリコーンオイルが気化したガスの濃度(体積比)のことを言う。
【0037】
この所定の条件は、目的とする屈折率に応じて適宜決定されるが、例えば、次のようにすることができる。
プラズマ重合の際の雰囲気圧力は、大気圧であってもよいが、減圧状態(大気圧未満)であるのが好ましい。雰囲気圧力を減圧状態とすることにより、プラズマ重合反応を容易に進行させることができる。
また、この場合の真空度は、0.1〜500Pa程度であるのがより好ましい。前記真空度を前記範囲を超えて高くしても、成膜速度が遅くなり、かつ高価な真空ポンプを必要とするため、製造コストが高くなり好ましくない。一方、前記真空度が前記範囲より低いと、重合反応が充分進行しない恐れがある。
【0038】
プラズマ重合の際の雰囲気温度は、30〜90℃程度であるのが好ましい。前記雰囲気温度が前記範囲内であることにより、シリコーンオイルの分子を効率よくプラズマ化することができ、結果として、重合体層11’を効率よく得ることができる。
プラズマ重合の際の高周波出力は、0.1〜3W/cm程度であるのが好ましい。前記高周波出力が前記下限値より低いと、雰囲気温度等によっては、シリコーンオイルの分子を効率よくプラズマ化できず、重合体層11’の形成に長い時間を要する場合がある。一方、前記高周波出力を前記上限値を超えて高くしても、重合体層11’の成膜速度の向上が期待できない。
【0039】
プラズマ重合の際の気化オイル流量は、真空チャンバーの容積に応じて最適な量を設定するのが好ましい。
プラズマ重合の際の気化オイル濃度は、1〜100vol%の間で最適な濃度に設定するのが好ましい。
なお、このようにして重合体層11’を形成した基板2を、必要に応じて、例えば、純水(超純水)、イオン交換水、蒸留水、RO水等を用いて洗浄する。
【0040】
[1−3] 次に、重合体層11’上に、第1のクラッド層11に対応する形状のレジスト層3を形成する。
まず、図2(b)に示すように、重合体層11’上に、レジスト材料3’を塗布(供給)する。次いで、第1のクラッド層11の形状に対応するフォトマスクを介して露光した後、現像液で現像する。
これにより、図2(c)に示すように、第1のクラッド層11に対応する形状にパターニングされたレジスト層3が得られる。
【0041】
[1−4] 次に、このレジスト層3をマスクとして、図2(d)に示すように、重合体層11’の不要部分をエッチングにより除去する。
このエッチングには、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
このうち、プラズマエッチングを用いるのが好ましい。これにより、短時間で確実に不要部分のエッチングを行うことができる。
また、エッチングガスとしては、各種フルオロカーボン系のガス、アンモニア、または窒素と水素との混合ガスが好ましい。これらのガスを用いることにより、膜の劣化を防止しつつ、高い寸法精度のエッチングを行うことができる。
また、プラズマエッチングは、大気圧下または減圧状態のいずれで行ってもよいが、大気圧下で行うのが好ましい。これにより、チャンバーや減圧手段等を省略することができ、製造コストの低減および製造時間の短縮を図ることができる。
【0043】
[1−5] 次に、レジスト層3を除去する。これにより、図2(e)に示すような第1のクラッド層11が得られる。
このレジスト層3の除去には、好ましくはレジスト剥離液が用いられるが、硫酸過酸化水素水混合液やオゾン溶解水等の酸化性剥離液でもよく、その他、例えば、酸素含有ガスを用いた前述の物理的エッチング法を用いることもできる。
以上のように、フォトリソグラフィー法とエッチングとを組み合わせて用いることにより、寸法精度の高い第1のクラッド層11を、容易かつ確実に形成することができる。
【0044】
[2] 次に、第1のクラッド層11上に、前記工程[1]と同様にして、前記第1のクラッド層11より屈折率が大きいコア層12を形成する(第2の工程)。
以下、工程[2]について説明するが、前記工程[1]との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0045】
[2−1] まず、前記工程[1−1]と同様にして、シリコーンオイルを気化させる。
なお、用いるシリコーンオイルの組成(例えば、種類、組み合わせ、比率)を所定の条件に設定することにより、コア層12の屈折率を第1のクラッド層11の屈折率より大きくなるように調整することができる。
【0046】
[2−2] 次に、前記工程[1−2]と同様にして、図3(a)に示すように、基板2と第1のクラッド層11とを覆うように、シリコーンオイルの重合体を堆積させて重合体層12’を形成する。
このとき、プラズマ重合の処理条件(成膜条件)を所定の条件に設定すること、または、前述したようなシリコーンオイルの組成とともにプラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、コア層12の屈折率を第1のクラッド層11の屈折率より大きくなるように調整することができる。
【0047】
[2−3] 次に、前記工程[1−3]と同様にして、図3(b)に示すように、重合体層12’上に、レジスト材料4’を塗布し、コア層12の形状に対応するフォトマスクを介して露光した後、現像液で現像する。
これにより、図3(c)に示すように、コア層12に対応する形状にパターニングされたレジスト層4が得られる。
【0048】
[2−4] 次に、前記工程[1−4]と同様にして、図3(d)に示すように、重合体層12’の不要部分をエッチングにより除去する。
なお、前記工程[2−4]のエッチングにて、レジスト層4とコア層12で覆われていない領域の第1のクラッド層11は、図3(d)では残っているが、当該領域は、エッチング条件を変えることで除去してしまってもよい。
[2−5] 次に、前記工程[1−5]と同様にして、レジスト層4を除去する。これにより、図3(e)に示すようなコア層12が得られる。
【0049】
[3] 次に、コア層12を被覆するように、前記工程[1]と同様にして、前記コア層より屈折率が小さい第2のクラッド層13を形成する(第3の工程)。
以下、工程[3]について説明するが、前記工程[1]および前記工程[2]との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0050】
[3−1] まず、前記工程[1−1]と同様にして、シリコーンオイルを気化させる。
なお、用いるシリコーンオイルの組成(例えば、種類、組み合わせ、比率)を所定の条件に設定することにより、第2のクラッド層13の屈折率をコア層12の屈折率より小さくなるように調整することができる。
【0051】
[3−2] 次に、前記工程[1−2]と同様にして、図4(a)に示すように、基板2と第1のクラッド層11とを覆うように、シリコーンオイルの重合体を堆積させて重合体層13’を形成する。
このとき、プラズマ重合の処理条件(成膜条件)を所定の条件に設定すること、または、前述したようなシリコーンオイルの組成とともにプラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、第2のクラッド層13の屈折率をコア層12の屈折率より小さくなるように調整することができる。
【0052】
[3−3] 次に、前記工程[1−3]と同様にして、図4(b)に示すように、重合体層13’上に、レジスト材料5’を塗布し、第2のクラッド層13の形状に対応するフォトマスクを介して露光した後、現像液で現像する。
これにより、図4(c)に示すように、第2のクラッド層13に対応する形状にパターニングされたレジスト層5が得られる。
【0053】
[3−4] 次に、前記工程[1−4]と同様にして、図4(d)に示すように、重合体層13’の不要部分をエッチングにより除去する。
[3−5] 次に、前記工程[1−5]と同様にして、レジスト層5を除去する。これにより、図4(e)に示すような第2のクラッド層13が得られる。
以上の工程を経て、光回路基板1が得られる。
【0054】
かかる方法によれば、比較的安価で取り扱いが容易なシリコーンオイルを用いて、第1のクラッド層11、コア層12および第2のクラッド層13を容易かつ安価に形成することができる。このため、各層11、12、13の製造コストの低減、ひいては、光回路基板1および光導波路10全体の製造コストの低減を図ることができる。
また、各層11、12、13は、それぞれ、シリコーンオイルの重合体を主材料として構成されているため、各熱膨張率や各ヤング率等の物性が互いに近似している。このため、各層11、12、13間における密着性が向上し、外部から加わる熱や応力に対しても、より安定な光導波路10を得ることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、各層11、12、13が直接接触している構成について示したが、これらの各層11、12、13間には、任意の目的の中間層を1層または2層以上設けてもよい。例えば、この中間層を、コア層12側から各クラッド層11、13側へと屈折率が連続的に変化する傾斜材料で構成することにより、光導波路10を伝搬する光の経路長の差に起因した分散(モード分散)を低減し、光導波路10の情報伝送容量をより向上させることができる。
【0056】
<電子機器>
前述したような光導波路10は、各種の電子機器に適用することができる。
図5は、本発明の電子機器の一例である光通信装置を示す図である。
図5に示す光通信装置100は、光導波路160aおよび160bが形成された基板150(光回路基板1)と、光伝送路170aおよび170bと、発光素子180と、受光素子182と、制御回路184とを備えている。
【0057】
制御回路184は、発光素子180を制御する電気信号を出力する。制御回路184は、例えば、受光素子182から受け取った電気信号に基づいて、発光素子180を制御する電気信号を出力する。また、制御回路184は、他の回路からの指示に基づき、電気信号を出力してもよい。発光素子180は、半導体レーザー等の光を発する素子であり、制御回路184から受け取った電気信号に基づいて、光信号を生成する。光導波路160aは、発光素子180が生成した光信号を伝送する。光伝送路170aは、光導波路160aから受け取った光信号を、他の光通信装置に伝送する。
【0058】
光伝送路170bは、他の光通信装置において生成された光信号を伝送する。光導波路160bは、光伝送路170bから受け取った光信号を伝送する。受光素子182は、フォトダイオード等の素子であり、光導波路160bから受け取った光に基づいて、電気信号を生成する。そして、制御回路184は、受光素子182から電気信号を受け取り、当該電気信号に基づいて所定の処理を行う。
【0059】
図6は、本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
図6に示すパーソナルコンピュータ1000は、表示パネル1002と、キーボード1004を有する本体部1006とを備えている。
当該パーソナルコンピュータ1000の本体部1006内には、内蔵基板間や本体部1006と表示パネル1002との通信を行う手段として、光回路基板1が設けられている。
以上、本発明の光導波路の形成方法、光導波路、光回路基板および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0060】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.光回路基板の形成
[1] 第1のクラッド層の形成
まず、気化装置を配管で接続した真空チャンバーを用意し、内部のステージにシリコン基板を載置した後、排気ポンプを用いて真空チャンバー内を減圧状態とした。
次に、気化装置にジメチルシリコーンオイルを供給し、ジメチルシリコーンオイルを気化させた。
なお、ジメチルシリコーンオイルとして重量平均分子量が100〜300のものを用いた。
【0061】
次に、気化したジメチルシリコーンオイルを、配管を通じて、真空チャンバー内に導入した。
そして、ジメチルシリコーンオイルをプラズマ重合させることにより、得られた重合体を、平均厚さ500μmのシリコン基板上に堆積させて、シリコーンオイルの重合体層を形成した。また、このシリコン基板を純水に浸漬して、洗浄した。
なお、プラズマ重合における処理条件は、以下に示す通りである。
・真空度 :1〜50Pa
・雰囲気温度 :40℃
・高周波出力 :0.1〜1W/cm
・気化オイル流量:10〜500sccm
・気化オイル濃度:10〜90vol%
【0062】
次に、このシリコーンオイルの重合体層上に、フォトリソグラフィー法により、第1のクラッド層の形状に対応するパターンのレジスト層を形成した。
次に、フルオロカーボン系のガス雰囲気中において、大気圧プラズマを生成し、シリコン基板上の重合体層に対して、また酸素含有ガス雰囲気中において、大気圧プラズマを生成し、レジスト層に対して、それぞれプラズマエッチングを行った。これにより、レジスト層で覆われていない部分の重合体層およびレジスト層を除去して、第1のクラッド層を形成した。
【0063】
[2] コア層の形成
次に、ジメチルシリコーンオイルとして重量平均分子量100〜300のものを用いて、プラズマ重合の処理条件を以下のようにした以外は、前記工程[1]と同様にして、コア層を形成した。
・真空度 :1〜50Pa
・雰囲気温度 :40℃
・高周波出力 :0.2〜2W/cm
・気化オイル流量:10〜500sccm
・気化オイル濃度:10〜90vol%
なお、コア層の寸法は、平均幅30μm×平均厚さ30μmであった。
【0064】
[3] 第2のクラッド層の形成
次に、プラズマ重合の処理条件を前記工程[1]と同様にして、第2のクラッド層を形成した。
以上の工程により、図1に示す光回路基板を製造した。
なお、得られた光導波路の寸法は、平均幅300μm×平均厚さ150μm×全長30mmであった。
【0065】
2.評価
第1のクラッド層、コア層および第2のクラッド層について、それぞれ、屈折率と空孔率を測定した。
なお、屈折率は、プリズムカップリング法を、空孔率は、X線小角散乱法を、それぞれ用いて測定した。
また、光導波路における光の損失を、光ファイバ損失試験方法の1つであるカットバック法(JIS C 6823 7に規定)により測定した。
なお、この測定では、1.3μmの波長の光を用いた。
これらの結果を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
表1に示すように、シリコーンオイルの組成および/またはプラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、第1のクラッド層、コア層および第2のクラッド層の各屈折率を調整し得ることが明らかとなった。また、これらの層は、いずれも、空孔率1%以下の緻密質であった。
また、光導波路における光の損失は、0.3dB/cmであった。この値は、光導波路および光回路基板の実使用に耐え得る程度に小さく、良好なものであった。
また、シリコーンオイルの組成やプラズマ重合の処理条件を、本実施例で示した以外の条件にそれぞれ変更して光導波路を製造したところ、得られた光導波路は、いずれも光導波路として要求される特性を十分に発揮し得ることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の光導波路および光回路基板の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す第1のクラッド層の形成方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図3】図1に示すコア層の形成方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図4】図1に示す第2のクラッド層の形成方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図5】本発明の電子機器の一例である光通信装置を示す図である。
【図6】本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1……光回路基板 10……光導波路 11……第1のクラッド層 12……コア層 13……第2のクラッド層 11’、12’、13’……重合体層 2……基板 3、4、5……レジスト層 3’、4’、5’……レジスト材料 100……光通信装置 150……基板 160a、160b……光導波路 170a、170b……光伝送路 180……発光素子 182……受光素子 184……制御回路 1000……パーソナルコンピュータ 1002……表示パネル 1004……キーボード 1006……本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクラッド層を形成する第1の工程と、
該第1のクラッド層上に、前記第1のクラッド層より屈折率が大きいコア層を形成する第2の工程と、
該コア層を被覆するように、前記コア層より屈折率が小さい第2のクラッド層を形成する第3の工程とを有し、
前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程において、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層を、それぞれ、気化したシリコーンオイルをプラズマ重合させることにより形成することを特徴とする光導波路の形成方法。
【請求項2】
前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程で用いる前記シリコーンオイルは、それぞれ、その重量平均分子量が100〜500である請求項1に記載の光導波路の形成方法。
【請求項3】
前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程は、それぞれ、減圧状態で行われる請求項1または2に記載の光導波路の形成方法。
【請求項4】
前記減圧状態における真空度は、0.1〜500Paである請求項3に記載の光導波路の形成方法。
【請求項5】
前記第1の工程、前記第2の工程および前記第3の工程において、前記シリコーンオイルの組成および/または前記プラズマ重合の処理条件を所定の条件に設定することにより、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層の各屈折率をそれぞれ調整する請求項1ないし4のいずれかに記載の光導波路の形成方法。
【請求項6】
前記所定の条件は、雰囲気圧力、雰囲気温度、高周波出力、気化オイル流量および気化オイル濃度のうちの少なくとも1つである請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路の形成方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の光導波路の形成方法を用いて形成されたことを特徴とする光導波路。
【請求項8】
第1のクラッド層と、
該第1のクラッド層上に設けられた前記第1のクラッド層より屈折率が大きいコア層と、
該コア層を被覆するように設けられた前記コア層より屈折率が小さい第2のクラッド層とを備える光導波路であって、
前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、シリコーンオイルをプラズマ重合させることにより形成されたことを特徴とする光導波路。
【請求項9】
前記第1のクラッド層の屈折率をA、前記コア層の屈折率をBとしたとき、B−Aが0.005〜0.2である請求項7または8に記載の光導波路。
【請求項10】
前記コア層の屈折率をB、前記第2のクラッド層の屈折率をCとしたとき、B−Cが0.005〜0.2である請求項7ないし9のいずれかに記載の光導波路。
【請求項11】
前記第1のクラッド層の屈折率と前記第2のクラッド層の屈折率とは、ほぼ等しい請求項7ないし10のいずれかに記載の光導波路。
【請求項12】
前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、互いに接触している請求項7ないし11のいずれかに記載の光導波路。
【請求項13】
前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、緻密質である請求項7ないし12のいずれかに記載の光導波路。
【請求項14】
前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層は、それぞれ、その空孔率が5%以下である請求項13に記載の光導波路。
【請求項15】
前記光導波路は、その平均厚さが5〜500μmである請求項7ないし14のいずれかに記載の光導波路。
【請求項16】
請求項7ないし15のいずれかに記載の光導波路を備えることを特徴とする光回路基板。
【請求項17】
請求項16に記載の光回路基板を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−194919(P2006−194919A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3414(P2005−3414)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】