説明

光拡散デバイス

光線力学的療法に使用される光拡散デバイスは、発光部を画定しているコアファイバの露出量が先端方向に次第に増加する。このため、基端位置における過剰な光エネルギー放射を阻止し、先端位置における光エネルギーの量を増加させ、前記発光部に沿った均一な光エネルギーの放射を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府のライセンス)
米国政府は、本発明における支払い済のライセンスを有し、米国国立保健研究所:国立アレルギーおよび感染症研究所により与えられた補助金交付番号2R44 A1041866−02A2の条件により与えられた合理的な条件で、他者にライセンスすることを特許所有者に要求する権利を、限定された状況において有する。
【0002】
本発明は、治療部位に光エネルギーを伝達するために光線力学的療法において用いられるような、光の伝達に使用されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
光線力学的療法(PDT)は、特定の波長の光に曝露させると酸素ラジカルを発生させ、癌細胞、細菌、ウイルスまたは菌類を滅失させる感光剤を使用する医学的療法である。PDTシステムは、感光剤と、光源(一般にレーザ)と、光伝達手段(一般に光ファイバを利用した手段)との3つの主要な構成要素から構成される。
【0004】
PDTでは、癌細胞あるいは微生物の感染部位に比較的選択的に集中する感光剤が使用される。感光剤の種類に応じて、感光剤は、静注されるか、経口的に摂取されるか、あるいは局所的に適用されうる。感光剤の適用後、化合物分散の速度論によって決定される所定期間後に、患部組織が吸収した感光剤の量が正常組織中の量よりも多くなるように、患部組織によって感光剤を選択的に保持させる。その後、感光剤を、吸収速度に一致する特定の波長の光に曝露させて活性化させる。この結果、患部組織への血管の閉塞のほか、酸素ラジカル産生などのいくつかの機構により組織が壊死する。近くの正常組織では光増感剤の量が少ないため、患部組織に対して適切な光強度が照射されると、患部組織のみが壊死し、正常組織は温存される。手術、放射線療法および化学療法などの従来の治療法に対するPDTの利点は、正常な組織を温存しつつ患部組織を比較的選択的に破壊する点にある。
【0005】
このため、光伝達デバイスの光分配特性が、光適用の効果、ひいてはPDT療法の有効性に直接影響しうる。光伝達デバイスの課題は、光伝達デバイスの発光部の全長にわたって光の分配が一定であることを保証することにある。レーザエネルギーの伝達に使用されるデバイスから放射される光およびエネルギーを、より均一かつ安全に分配するべく、いくつかのタイプの分配デバイスが開発されてきた。拡散デバイスの1つのタイプは、発散する光ビームを狭い面積の組織領域に伝達可能な光ファイバマイクロレンズを使用する。McCaughen, Jr.に付与された米国特許第4,660,925号明細書に開示されているように、光拡散デバイスは、離間させて設けた光強度が変わる一連の光のリングを使用して、光ファイバの円筒軸に対して出力される光の円筒状の散乱パターンを放射する円筒状のファイバ拡散器からなる。McCaughen, Jr.に付与された米国特許第4,693,556号明細書に開示されている更に別の拡散デバイスは、球面状の散乱光照射野(scattering light field)を生成する球面状の光ファイバ拡散器または「光電球」からなる。これらの分配デバイスのそれぞれは、光ファイバから放出される光の領域にわたって強度が変わる光照射野を生成するため、治療領域にわたり光増感剤の活性化にばらつきが生じてしまう。van den Berghらに付与された米国特許第5,536,265号明細書および米国特許第5,695,583号明細書に開示されている更に別のデバイスでは、プラスチック光ファイバからクラッドが除去されて、クラッドの代わりに粗化または無粗化の散乱媒質が用いられて、発光領域が形成されている。このデバイスは、デバイスの発光領域の先端領域の光強度が、発光領域に近い領域よりも低いという問題がある。より広い表面積にわたって光エネルギーをより均一に伝達することが可能な、改良された光ファイバが確実に求められている。
【0006】
ここに記載し、特許請求の範囲に記載する本発明は多くの他の目的に使用することができ、このため、本発明は他の分野および用途の範囲に含まれ、記載事項に限定されないことが理解される。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、縦寸法、横寸法、基端部を持ち、さらに先端部を画定している光ファイバを備える光拡散デバイスである。コアファイバは、クラッドによって少なくとも部分的に覆われており、クラッドを選択的に除去して露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させることによって発光部が形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となる。前記発光部は、先端部および基端部をさらに持つ。
【0008】
別の態様では、本発明は、長さ、直径、基端部、先端部を持ち、さらにクラッドによって少なくとも部分的に覆われたコアファイバを持つ光ファイバを備える光拡散デバイスである。発光部は、前記発光部を覆っている前記クラッドを除去し、かつコアファイバを選択的に除去して、露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させることによって形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となる。前記発光部は、先端部および基端部をさらに持つ。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、長さ、直径、基端部、先端部を持ち、さらにクラッドによって少なくとも部分的に覆われたコアファイバを持つ光ファイバを備え、クラッドを選択的に除去して、露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させるように少なくとも1つの光放射口を形成することによって発光部が形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となる光拡散デバイスである。前記発光部は、先端部および基端部をさらに持つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】先端方向に次第に接近する、クラッドを貫通する同様の大きさの複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図1A】図1に示した光拡散デバイスの平面図。
【図1B】図1に示した線1B−1Bにおける横断面図。
【図2】先端方向に次第に大きくなる、クラッドを貫通する複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図2A】図2に示した光拡散デバイスの平面図。
【図2B】図2に示した線2B−2Bにおける横断面図。
【図3】クラッドを貫通し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる、同様の大きさの複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図3A】図3に示した光拡散デバイスの平面図。
【図3B】図3に示した線3B−3Bにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的浅い深さを有する開口を示す図。
【図3C】図3に示した線3C−3Cにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の深さを有する開口を示す図。
【図3D】図3に示した線3D−3Dにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的深い深さを有する開口を示す図。
【図4A】クラッドを貫通し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する開口を有する本発明の光拡散デバイスの先端部の上面図。
【図4B】図4Aに示した光拡散デバイスの先端部の側面図であり、想像線を使用して、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する開口を示す図。
【図4C】図4に示した光拡散デバイスの平面図。
【図4D】図4A〜4Bに示した線4D−4Dにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的浅い深さを有する開口を示す図。
【図4E】図4A〜4Bに示した線4E−4Eにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の深さを有する開口を示す図。
【図4F】図4A〜4Bに示した線4F−4Fにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的深い深さを有する開口を示す図。
【図5】クラッドを貫通し、先端方向に幅が広くなる連続する開口を有する本発明の光拡散デバイスの先端部を示す図。
【図5A】図5に示した光拡散デバイスの平面図。
【図5B】図5に示した線5B−5Bにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的狭い幅を有する開口を示す図。
【図5C】図5に示した線5C−5Cにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の幅を有する開口を示す図。
【図5D】図5に示した線5C−5Cにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的広い幅を有する開口を示す図。
【図6】露出されているコアファイバを先端部に有し、先端方向に次第に密になる複数の同様の大きさの除去コアファイバ部を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図6A】図6に示した光拡散デバイスの平面図。
【図6B】図2に示した線6B−6Bにおける横断面図。
【図7】露出されているコアファイバを先端部に有し、先端方向に次第に大きくなる複数の除去コアファイバ部を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図7A】図7に示した光拡散デバイスの平面図。
【図7B】図7に示した線7B−7Bにおける横断面図。
【図8】露出されているコアファイバを先端部に有し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる複数の同様の大きさの除去コアファイバ部を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図8A】図8に示した光拡散デバイスの平面図。
【図8B】図8に示した線8B−8Bにおける横断面図であり、コアファイバに比較的浅い深さを有する除去コアファイバ部を示す図。
【図8C】図8に示した線8C−8Cにおける横断面図であり、コアファイバに比較的中程度の深さで延びる除去コアファイバ部を示す図。
【図8D】図8に示した線8D−8Dにおける横断面図であり、コアファイバに比較的深い深さを有する除去コアファイバ部を示す図。
【図9A】露出されているコアファイバを先端部に有し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する除去コアファイバ部を有する本発明の光拡散デバイスの先端部の上面図。
【図9B】図9Aに示した光拡散デバイスの先端部の側面図であり、想像線を使用して、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する開口を示す図。
【図9C】図9に示した光拡散デバイスの平面図。
【図9D】図9に示した線9D−9Dにおける横断面図であり、コアファイバに比較的浅い深さに延びる除去コアファイバ部を示す。
【図9E】図9に示した線9E−9Eにおける横断面図であり、コアファイバに比較的中程度の深さに延びる除去コアファイバ部を示す。
【図9F】図9に示した線9F−9Fにおける横断面図であり、コアファイバに比較的深い深さに延びる除去コアファイバ部を示す。
【図10】露出されているコアファイバを先端部に有し、先端方向に次第にコアファイバに広く延びる連続する除去コアファイバ部を有する本発明の光拡散デバイスの先端部の上面図。
【図10A】図10に示した光拡散デバイスの平面図。
【図10B】図10に示した線10B−10Bにおける横断面図であり、コアファイバに比較的狭い幅に延びる除去コアファイバ部を示す。
【図10C】図10に示した線10C−10Cにおける横断面図であり、コアファイバに比較的中程度の幅に延びる除去コアファイバ部を示す。
【図10D】図10に示した線10D−10Dにおける横断面図であり、コアファイバに比較的広い幅に延びる除去コアファイバ部を示す。
【図11】露出されているコアファイバを先端部に有し、露出されているコアファイバが先端方向に次第に粗くなる本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図11A】図11に示した光拡散デバイスの平面図。
【図12】先端方向に次第に接近する、クラッドを貫通する同様の大きさの複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示し、デバイスの先端部に穿通先端が取り付けられている図。
【図12A】図12に示した光拡散デバイスの平面図。
【図12B】図12に示した線12B−12Bにおける横断面図。
【図13A】クラッドを貫通し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する開口を有する本発明の光拡散デバイスの先端部の上面図であり、デバイスの先端部に穿通先端が取り付けられ、シースに蛍光物質が埋め込まれている。
【図13B】図13Aに示した光拡散デバイスの先端部の側面図であり、想像線を使用して、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる連続する開口を示す。
【図13C】図13A〜13Bに示した光拡散デバイスの平面図。
【図13D】図13A〜13Bに示した線13D−13Dにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的浅い深さを有する開口を示す。
【図13E】図13A〜13Bに示した線13E−13Eにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の深さを有する開口を示す。
【図13F】図13A〜13Bに示した線13F−13Fにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的深い深さを有する開口を示す。
【図14】クラッドを貫通し、先端方向に幅が広くなる連続する開口を有する本発明の光拡散デバイスの先端部を示し、デバイスがシース(さや)で覆われており、デバイスの先端部に穿通先端が取り付けられている図。
【図14A】図14に示した光拡散デバイスの平面図。
【図14B】図14に示した線14B−14Bにおける横断面図であり、シースおよびクラッドを貫通し、コアファイバに比較的狭い幅を有する開口を示す。
【図14C】図14に示した線14C−14Cにおける横断面図であり、シースおよびクラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の幅を有する開口を示す。
【図14D】図14に示した線14D−14Dにおける横断面図であり、シースおよびクラッドを貫通し、コアファイバに比較的広い幅を有する開口を示す。
【図15】先端方向に次第に大きくなる、クラッドを貫通する複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示し、デバイスがシースで覆われており、デバイスの先端部に穿通先端が取り付けられ、シースに蛍光物質が埋め込まれている図。
【図15A】図15に示した光拡散デバイスの平面図。
【図15B】図15に示した線15B−15Bにおける横断面図。
【図16】クラッドを貫通し、先端方向に次第にコアファイバに深く延びる、同様の大きさの複数の開口領域を有する本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示し、デバイスがシースで覆われており、シースは先端部が組織を穿通可能なように構成され、シースに蛍光物質が埋め込まれている図。
【図16A】図16に示した光拡散デバイスの平面図。
【図16B】図16に示した線16B−16Bにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的浅い深さを有する開口を示す。
【図16C】図16に示した線16C−16Cにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的中程度の深さを有する開口を示す。
【図16D】図16に示した線16D−16Dにおける横断面図であり、クラッドを貫通し、コアファイバに比較的深い深さを有する開口を示す。
【図17】光拡散部を覆うクラッドを有し、露出されたクラッドが先端方向に次第に粗くなる本発明の光拡散デバイスの実施形態の先端部を示す図。
【図17A】図17に示した光拡散デバイスの平面図。
【図17B】図17に示した線17B−17Bにおける横断面図であり、クラッドコアファイバを貫通する開口を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここに示す詳細な内容は例であり、本発明の例示的な説明のみを目的としており、このため、本発明の原理および概念的な態様の、最も有用でありかつ最も容易に理解できる説明であると考えられている態様の提供のために提示される。この点に関して、本発明の基本の理解に必要なよりも詳しく本発明の構造的な詳細を示すことはなく、当業者であれば、図面と併せて本説明を読めば、本発明のいくつかの形態の実際の実施方法が明らかとなろう。
【0012】
(定義)
「先端」とは、デバイスの操作者(例えば、医師や技師)によって制御される点から遠いことを指す。「不透過」とは、特定の周波数範囲の光エネルギーを吸収することを指す。「先端」とは、デバイスの操作者(例えば、医師や技師)によって制御される点に近いことを指す。
【0013】
(構成)
図1は、本発明の光拡散デバイス100の実施形態の発光部102を示す。図1Aは、基端部105に取り付けられ、光拡散デバイス100を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ112を有する光拡散デバイス100の全体を示す。図1Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス100は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ110と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド108とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ110とクラッド108とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ112で光拡散デバイス100に入射した光が、光拡散デバイス100の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス100は、先端部106を画定しており、ここには、不透過性の末端部材114が取り付けられており、これを取り付けなければ裸のコアファイバ110の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材114は、ステンレス鋼から形成することができる。光ファイバ10の先端部106を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材114を先端部106に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材114を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス100を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0014】
発光部102は、クラッド108を貫通し、コアファイバ110を露出させている複数の光放射口104によって画定されており、これにより、伝搬した光エネルギーが光拡散デバイス100から放射されるようになる。図1に最も明確に図示されているように、発光部102は、光放射口104が、同様の表面積を有し、先端部102aに近づくにつれて分布が次第に密になる(数が増える)という特徴を有する。図1Bに示すように、光放射口104は円形であり、その間隔は0.022インチ〜0.040インチで変わりうる。繰り返すと、先端部102aにより密に分布させた、同様の大きさの光放射口104により、発光部102の基端部102bではコアファイバ110の露出表面積が小さくなるが、発光部102の先端部102aではコアファイバ110の露出表面積が大きくなり、発光部102の先端部102aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口104の分布が均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口104から出る光が多くなり、先端側の光放射口104から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口104を均一に分布させる(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図1〜1Bに示した光拡散デバイス100の実施形態は、発光部102の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0015】
図2は、本発明の光拡散デバイス200の実施形態の発光部202を示す。図2Aは、基端部205に取り付けられ、光拡散デバイス200を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ212を有する光拡散デバイス200の全体を示す。図2Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス200は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ210と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド208とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ210とクラッド208とは屈折率が異なり、これにより、基端の位置で光拡散デバイス200に入射した光が、光拡散デバイス200の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス200は、不透過性の末端部材214を有する先端部206を画定しており、コアファイバ210から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材214は、ステンレス鋼から形成される。この実施形態では、蛍光物質部分216が、末端部材214と光ファイバ10の先端部206との間に配されている。蛍光物質216はクロミウム結晶から作製することができるが、アレキサンドライト、サファイヤなどの他の材料も使用できるため、限定するものではない。光ファイバ10の先端部206を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法でなどの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、蛍光物質216を先端部206に取り付ける。光ファイバ10に蛍光物質216を取り付けたあとに、適切な医療用接着剤を使用して、不透過性の末端部材214を蛍光物質216の先端部(符号なし)に取り付ける。末端部材214は、光エネルギーが先端部206を通って漏出するのを阻止する。蛍光物質216は、少なくとも励起波長あるいはこれ以上の光エネルギーの照射を受けると信号を発するため、蛍光フィードバック指標として機能する。この構成では、レーザー光源(図示なし)が作動されると、蛍光が先端部206で発生して光源のコンソール(図示なし)で検出され、光拡散デバイス200が適正であり、正常に機能していることが確認される。別の実施形態(図示なし)では、末端部材214を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス200を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0016】
発光部202は、クラッド208を貫通し、コアファイバ210を露出させている複数の光放射口204によって画定されており、これにより、伝搬した光エネルギーが光拡散デバイス200から放射されるようになる。図2に最も明確に図示されているように、発光部202は、光放射口204が、先端部206に近づくにつれて次第に表面積が大きくなるという特徴を有する。光放射口204は円錐形であり、その間隔は直径0.003インチ〜0.006インチで変わりうる。繰り返すと、先端部202aに向かって次第に大きくなる光放射口204により、発光部202の基端部202bではコアファイバ210の露出表面積が小さくなるが、発光部202の先端部202aではコアファイバ210の露出表面積が大きくなり、発光部202の先端部206での光量が高くなる。この理由は、光放射口204の表面積が均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口204から出る光が多くなり、先端側の光放射口204から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口204の大きさを等しくする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図2〜2Bに示した光拡散デバイス200の実施形態は、発光部202の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0017】
図3は、本発明の光拡散デバイス300の実施形態の発光部302を示す。図3Aは、基端部305に取り付けられ、光拡散デバイス300を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ312を有する光拡散デバイス300の全体を示す。図3B,3C,3Dに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス300は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ310と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド308とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ310とクラッド308とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ312で光拡散デバイス300に入射した光が、光拡散デバイス300の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス300は、先端部306を画定しており、ここには、不透過性の末端部材314が取り付けられており、裸のコアファイバ310の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。末端部材314は、ステンレス鋼から形成されうる。光ファイバ10の先端部306を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材314を、光拡散デバイス300の先端部306に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材314を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス300を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0018】
発光部302は、クラッド308を貫通し、コアファイバ300に延びている複数の光放射口304によって画定されており、これにより、伝搬された光が光拡散デバイス300から放射されるようになる。図3B,3C,3Dに最も明確に図示されているように、発光部302は、光放射口304が、同様の表面積を有し、先端部302aに近づくにつれて次第にコアファイバ310に深く延びるという特徴を有する。光放射口304は円錐形であり、その深さは0.004インチ〜0.008インチで変わりうる。繰り返すと、先端部302aに向かって次第に深くなる、同様の大きさの光放射口304により、発光部302の基端部302bではコアファイバ310の露出表面積が小さくなるが、発光部302の先端部302aではコアファイバ310の露出表面積が大きくなり、発光部302の先端部302aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口304の大きさおよび深さが均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口304から出る光が多くなり、先端側の光放射口304から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口304の大きさおよび深さを均一にする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図3に示した光拡散デバイス300の実施形態は、発光部302の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0019】
図4Aは、本発明の光拡散デバイス400の実施形態の発光部402の上面図を示す。図4Bに側面図が示されており、想像線は光放射口404の位置および深さを示している。図4Cは、基端部405に取り付けられ、光拡散デバイス400を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ412を有する光拡散デバイス400の全体を示す。図4D,4E,4Fに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス400は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ410と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド408とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ410とクラッド408とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ412で光拡散デバイス400に入射した光が、光拡散デバイス400の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス400は、不透過性の末端部材414を有する先端部406を画定しており、これを取り付けなければ裸のコアファイバ410の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材414は、ステンレス鋼から形成される。光ファイバ10の先端部406を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材414を先端部406に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材414を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス400を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0020】
発光部402は、クラッド408を貫通し、コアファイバ400に切り込みを入れた長い光放射口404によって画定されており、これにより、伝搬した光が光拡散デバイス400から放射されるようになる。図4〜4Fには1つの長い光放射口404が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い光放射口404(図示なし)を有してもよい。図4D,4E,4Fに最も明確に図示されているように、発光部402は、光放射口404が、先端部402aに近づくにつれて次第にコアファイバ410に深く延びるという特徴を有する。繰り返すと、先端部402aに向かって次第に深くなる光放射口404により、発光部402の基端部402bではコアファイバ410の露出表面積が小さくなるが、発光部402の先端部402aではコアファイバ410の露出表面積が大きくなり、発光部402の先端部(符号なし)での光量が高くなる。この理由は、光放射口404の深さが均一である(図示なし)とすると、光放射口404の基端部から出る光が多くなり、光放射口404の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口404の深さを均一にする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図4に示した光拡散デバイス400の実施形態は、発光部402の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0021】
図5は、本発明の光拡散デバイス500の実施形態の発光部502を示す。図5Aは、基端部505に取り付けられ、光拡散デバイス500を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ512を有する光拡散デバイス500の全体を示す。図5B,5C,5Dに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス500は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ510と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド508とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ510とクラッド508とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ512で光拡散デバイス500に入射した光が、光拡散デバイス500の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス500は、先端部506を画定しており、ここには、不透過性の末端部材514が取り付けられており、裸のコアファイバ510の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材514は、ステンレス鋼から形成される。光ファイバ10の先端部506を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材514を先端部506に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材514を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス500を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0022】
発光部502は、クラッド508を貫通し、コアファイバ500を露出させている長い光放射口504によって画定されており、これにより、伝搬した光が光拡散デバイス500から放射されるようになる。図5〜5Dには1つの長い光放射口504が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い光放射口504(図示なし)を有してもよい。図5B,5C,5Dに最も明確に図示されているように、発光部502は、光放射口504が、先端部に近づくにつれてクラッド508を貫通して次第に広がるという特徴を有する。繰り返すと、先端部に向かって次第に広くなる光放射口504により、発光部502の基端部502bではコアファイバ510の露出表面積が小さくなるが、発光部502の先端部502aではコアファイバ510の露出表面積が大きくなり、発光部502の先端部502aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口504の広さが均一である(図示なし)とすると、光放射口504の基端部502bから出る光が多くなり、光放射口504の先端部502aから出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口504の広さを均一にする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図5に示した光拡散デバイス500の実施形態は、発光部502の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0023】
図6は、本発明の光拡散デバイス600の実施形態の発光部602を示す。図6Aは、基端部605に取り付けられ、光拡散デバイス600を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ612を有する光拡散デバイス600の全体を示す。図6Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス600は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ610と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド608とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ610とクラッド608とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ612で光拡散デバイス600に入射した光が、光拡散デバイス600の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス600は、先端部606を画定しており、ここには、不透過性の末端部材614が取り付けられ、コアファイバ610の裸の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出しないように防いでいる。一実施形態では、末端部材614は、ステンレス鋼から形成される。光ファイバ10の先端部606を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材614を先端部606に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材614を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス600を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0024】
この実施形態では、光拡散デバイス600は、コアファイバ610の露出された部分を有し、これが発光部602を画定している。発光部602は、コアファイバ610に延びる複数の除去コアファイバ部604によって更に画定されており、コアファイバ604の露出した表面積がより広くなる結果、光拡散デバイス600から更に多くの伝搬光エネルギーが放射されるようになる。図6に最も明確に図示されているように、発光部602は、除去コアファイバ部604が、同様の表面積を有し、先端部602aに近づくにつれて分布が次第に密になる(数が増える)という特徴を有する。図6Bに示すように、除去コアファイバ部604は円錐形であり、その間隔は0.022インチ〜0.040インチで変わりうる。繰り返すと、先端部602aにより密に分布させた、同様の大きさの除去コアファイバ部604により、発光部602の基端部602bではコアファイバ610の露出表面積が小さくなるが、発光部602の先端部602aではコアファイバ610の露出表面積が大きくなり、発光部602の先端部602aでの光量が高くなる。この理由は、除去コアファイバ部604の分布が均一である(図示なし)とすると、基端側の除去コアファイバ部604から出る光が多くなり、先端側の除去コアファイバ部604から出る光が残り少なくなってしまうからである。除去コアファイバ部604を均一に分布させる(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図6〜6Bに示した光拡散デバイス600の実施形態は、発光部602の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0025】
図7は、本発明の光拡散デバイス700の実施形態の発光部702を示す。図7Aは、基端部705に取り付けられ、光拡散デバイス700を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ712を有する光拡散デバイス700の全体を示す。図7Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス700は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ710と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド708とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ710とクラッド708とは屈折率が異なり、これにより、基端の位置で光拡散デバイス700に入射した光が、光拡散デバイス700の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス700は、先端部706を画定しており、ここには、穿通先端714が取り付けられており、裸のコアファイバ710の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。また、穿通先端714は、デバイス700が組織を貫通または穿通可能にし、その後、医師が軽く力を加えると組織に埋込される。一実施形態では、穿通先端714は、加工された(研磨された)ステンレス鋼から作製され、処置に必要なように組織を貫通または穿通するように機能する。光ファイバ10の先端部706を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、穿通先端714を先端部706に取り付ける。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス700を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0026】
この実施形態では、光拡散デバイス700は、コアファイバ710の露出された部分を有し、これが発光部702を画定している。発光部702は、コアファイバ710に延びる複数の除去コアファイバ部704によって更に画定されており、光拡散デバイス700から更に多くの伝搬光エネルギーが放射されるようになる。図7に最も明確に図示されているように、発光部702は、除去コアファイバ部704が、個数が等しく、先端部706に近づくにつれて次第に表面積が大きくなるという特徴を有する。除去コアファイバ部704は円錐形であり、その間隔は直径0.003インチ〜0.006インチで変わりうる。繰り返すと、先端部702aに向かって次第に大きくなる除去コアファイバ部704により、発光部702の基端部702bではコアファイバ710の露出表面積が小さくなるが、発光部702の先端部702aではコアファイバ710の露出表面積が大きくなり、発光部702の先端部706での光量が高くなる。この理由は、除去コアファイバ部704の露出表面積が均一である(図示なし)とすると、基端側の除去コアファイバ部704から出る光が多くなり、先端側の除去コアファイバ部704から出る光が残り少なくなってしまうからである。除去コアファイバ部704の大きさを等しくする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図7〜7Bに示した光拡散デバイス700の実施形態は、発光部702の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0027】
図8は、本発明の光拡散デバイス800の実施形態の発光部802を示す。図8Aは、基端部805に取り付けられ、光拡散デバイス800を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ812を有する光拡散デバイス800の全体を示す。図8C,8D,8Eに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス800は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ810と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド808とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ810とクラッド808とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ812で光拡散デバイス800に入射した光が、光拡散デバイス800の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。この実施形態では、蛍光物質部分816が、末端部材814と光ファイバ10の先端部806との間に配されている。蛍光物質816はクロミウム結晶から作製することができるが、アレキサンドライト、サファイヤなどの他の材料も使用できるため、限定するものではない。光ファイバ10の先端部806を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法でなどの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、蛍光物質816を先端部806に取り付ける。光ファイバ10に蛍光物質816を取り付けたあとに、適切な医療用接着剤を使用して、不透過性の末端部材814を蛍光物質816の先端部(符号なし)に取り付ける。末端部材814は、光エネルギーが先端部806を通って漏出するのを阻止する。蛍光物質816は、少なくとも励起波長あるいはこれ以上の光エネルギーの照射を受けると信号を発するため、蛍光フィードバック指標として機能する。この構成では、レーザー光源(図示なし)が作動されると、蛍光が先端部806で発生して光源のコンソール(図示なし)で検出され、光拡散デバイス800が適正であり、正常に機能していることが確認される。別の実施形態(図示なし)では、末端部材814を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス800を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0028】
この実施形態では、光拡散デバイス800は、コアファイバ810の露出された部分を有し、これが発光部802を画定している。発光部802は、コアファイバ800内に延びる複数の除去コアファイバ部804によって更に画定されており、伝搬した光が光拡散デバイス810から放射されるようになる。図8C,8D,8Eに最も明確に図示されているように、発光部802は、除去コアファイバ部804が、同様の表面積を有し、先端部802aに近づくにつれて次第にコアファイバ810に深く延びるという特徴を有する。除去コアファイバ部804は円錐形であり、その深さは0.004インチ〜0.008インチで変わりうる。繰り返すと、先端部802aに向かって次第に深くなる、同様の大きさの除去コアファイバ部804により、発光部802の基端部802bではコアファイバ810の露出表面積が小さくなるが、発光部802の先端部802aではコアファイバ810の露出表面積が大きくなり、発光部802の先端部802aでの光量が高くなる。この理由は、除去コアファイバ部804の大きさおよび深さが均一である(図示なし)とすると、基端側の除去コアファイバ部804から出る光が多くなり、先端側の除去コアファイバ部804から出る光が残り少なくなってしまうからである。除去コアファイバ部804の大きさおよび深さを均一にする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図8に示した光拡散デバイス800の実施形態は、発光部802の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0029】
図9Aは、本発明の光拡散デバイス900の実施形態の発光部902の上面図を示す。図9Bに発光部902の側面図が示されており、想像線は連続する除去コアファイバ部904の深さを示している。図9Cは、基端部905に取り付けられ、光拡散デバイス900を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ912を有する光拡散デバイス900の全体を示す。図9A,9Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス900は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ910と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド908とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ910とクラッド908とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ912で光拡散デバイス900に入射した光が、光拡散デバイス900の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス900は、先端部906を画定しており、ここには、不透過性の末端部材914が取り付けられており、これを取り付けなければ裸のコアファイバ910の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材914は、ステンレス鋼から形成される。光ファイバ10の先端部906を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材914を先端部906に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材914を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス900を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0030】
この実施形態では、光拡散デバイス900は、コアファイバ910の露出された部分を有し、これが発光部902を画定している。発光部902は、コアファイバ910に切り込みを入れた長い除去コアファイバ部904によって更に画定されており、光拡散デバイス900から放射される伝搬光を増加させる。図9〜9Fには1つの長い除去コアファイバ部904が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い除去コアファイバ部904(図示なし)を有してもよい。図9D,9E,9Fに最も明確に図示されているように、発光部902は、除去コアファイバ部904が、先端部902aに近づくにつれて次第にコアファイバ910に深く延びるという特徴を有する。繰り返すと、先端部902aに向かって次第に深くなる除去コアファイバ部904により、発光部910の基端部902bではコアファイバ910の露出表面積が小さくなるが、発光部902の先端部902aではコアファイバ910の露出表面積が大きくなり、発光部902の先端部902aでの光量が高くなる。この理由は、除去コアファイバ部904の深さが均一である(図示なし)とすると、除去コアファイバ部904の基端部から出る光が多くなり、除去コアファイバ部904の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。除去コアファイバ部904の深さを均一にする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図9に示した光拡散デバイス900の実施形態は、発光部902の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0031】
図10は、本発明の光拡散デバイス1000の実施形態の発光部1002を示す。図10Aは、基端部1005に取り付けられ、光拡散デバイス1000を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1012を有する光拡散デバイス1000の全体を示す。図10に最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1000は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1010と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1008とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ1010とクラッド1008とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1012で光拡散デバイス1000に入射した光が、光拡散デバイス1000の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1000は、先端部1006を画定しており、ここには、不透過性の末端部材1014が取り付けられており、裸のコアファイバ1010の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材1014は、ステンレス鋼から形成される。光ファイバ10の先端部1006を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材1014を先端部1006に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材1014を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス1000を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0032】
この実施形態では、光拡散デバイス1000は、コアファイバ1010の露出された部分を有し、これが発光部1002を画定している。発光部1002は、コアファイバ1010に切り込み、先端方向にコアファイバ1010の露出表面が広くなる長い除去コアファイバ部1004によって更に画定されており、光拡散デバイス1000から放射される伝搬光を増加させる。図10〜10Dには1つの長い除去コアファイバ部1004が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い除去コアファイバ部1004(図示なし)を有してもよい。図10,10A,10B,10C,10Dに最も明確に図示されているように、発光部1002は、除去コアファイバ部1004が、先端部1002aに近づくにつれて次第にコアファイバ1010に広く延びるという特徴を有する。繰り返すと、先端部1002aに向かって次第に広くなる除去コアファイバ部1004により、発光部1010の基端部1002bではコアファイバ1010の露出表面積が小さくなるが、発光部1002の先端部1002aではコアファイバ1010の露出表面積が大きくなり、発光部1002の先端部1002aでの光量が高くなる。この理由は、除去コアファイバ部1004の広さおよび深さが均一である(図示なし)とすると、除去コアファイバ部1004の基端部1002bから出る光が多くなり、除去コアファイバ部1004の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。除去コアファイバ部1004の広さ/深さを均一にする(図示なし)と、基端部1002bに向かって強度が高く、先端部1002aに向かって強度が低い、光の分配が不均一なデバイス(図示なし)となる。このため、図10に示した光拡散デバイス1000の実施形態は、発光部1002の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0033】
図11は、本発明の光拡散デバイス1100の実施形態の発光部1102を示す。図11Aに示す発光部の平面図は、基端部1105に取り付けられ、光拡散デバイス1100を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1112を有する光拡散デバイス1100の全体を示す。図9に最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1100は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1110と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1108とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ1110とクラッド1108とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1112で光拡散デバイス1100に入射した光が、光拡散デバイス1100の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1100は、不透過性の末端部材1114を有する先端部1106を画定しており、裸のコアファイバ1110の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材1114は、ステンレス鋼から形成される。光拡散デバイス1100の先端部1106を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材1114を先端部1106に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材1114を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス1100を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0034】
この実施形態では、光拡散デバイス1100は、コアファイバ1110の露出された部分を有し、これが発光部1102を画定している。発光部1102は、更に、発光部1102の表面を先端方向に次第に粗化することにより画定されており、光拡散デバイス1100から放射される伝搬光を増加させる。図11に最も明確に図示されているように、発光部1102は、比較的スムーズな領域1104bを有し、これが、先端部1102aに近づくにつれて、コアファイバ1110に沿って次第に粗くなる1104aという特徴を有する。繰り返すと、先端部1102aに向かって次第に粗くなる発光部1102により、発光部1102の基端部1102bではコアファイバ1110の露出表面積が小さくなるが、発光部1102の先端部1102aではコアファイバ1110の露出表面積が大きくなり、発光部1102の先端部(符号なし)での光量が高くなる。この理由は、発光部1102の粗さが均一である(図示なし)とすると、発光部1102の基端部から出る光が多くなり、発光部1102の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。発光部1102の粗さを均一にする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図11に示した光拡散デバイス1100の実施形態は、発光部1102の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0035】
図12は、本発明の光拡散デバイス1200の実施形態の発光部1202を示す。図12Aは、基端部1205に取り付けられ、光拡散デバイス1200を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1212を有する光拡散デバイス1200の全体を示す。図12Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1200は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1210と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1208とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ1210とクラッド1208とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1212で光拡散デバイス1200に入射した光が、光拡散デバイス1200の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1200は、先端部1206を画定しており、ここには、不透過性の穿通先端1214が取り付けられており、裸のコアファイバ1210の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。また、穿通先端1214は、デバイス1200が組織を貫通または穿通可能にし、その後、医師が軽く力を加えると組織に埋込される。一実施形態では、穿通先端1214は、加工された(研磨された)ステンレス鋼から作製されてもよいが、他の金属材料、複合材料、およびポリマー材料も使用できるため、限定するものではない。光ファイバ10の先端部1206を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、穿通先端1214を先端部1206に取り付ける。
【0036】
発光部1202は、クラッド1208を貫通し、コアファイバ1210を露出させている複数の光放射口1204によって画定されており、これにより、伝搬した光エネルギーが光拡散デバイス1200から放射されるようになる。図12に最も明確に図示されているように、発光部1202は、光放射口1204が、同様の表面積を有し、先端部1202aに近づくにつれて分布が次第に密になる(数が増える)という特徴を有する。図12Bに示すように、光放射口1204は円錐形であり、その間隔は0.022インチ〜0.040インチで変わりうる。繰り返すと、先端部1202aにより密に分布させた、同様の大きさの光放射口1204により、発光部1202の基端部1202bではコアファイバ1210の露出表面積が小さくなるが、発光部1202の先端部1202aではコアファイバ1210の露出表面積が大きくなり、発光部1202の先端部1202aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口1204の分布が均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口1204から出る光が多くなり、先端側の光放射口1204から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口1204を均一に分布させる(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図12〜12Bに示した光拡散デバイス1200の実施形態は、発光部1202の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0037】
図13Aは、本発明の光拡散デバイス1300の実施形態の発光部1302の上面図を示す。図13Bに側面図が示されており、想像線は光放射口1304の位置および深度を示している。図13Cは、基端部1305に取り付けられ、光拡散デバイス1300を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1312を有する光拡散デバイス1300の全体を示す。図13D,13E,13Fに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1300は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1310と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1308とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ1310とクラッド1308とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1312で光拡散デバイス1300に入射した光が、光拡散デバイス1300の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1300は、先端部1306を画定しており、ここには、穿通先端1314が取り付けられており、裸のコアファイバ1310の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。また、穿通先端1314は、デバイス1300が組織を貫通または穿通可能にし、その後、医師が軽く力を加えると組織に埋込される。一実施形態では、穿通先端1314は、加工された(研磨された)ステンレス鋼から作製されてもよいが、他の金属材料、複合材料、およびポリマー材料も本発明によって考慮され、したがって、その範囲に含まれる。この実施形態では、蛍光物質部分1316が、穿通先端1314と光ファイバ10の先端部1306との間に配されている。蛍光物質1316はクロミウム結晶から作製することができるが、アレキサンドライト、サファイヤなどの他の材料も使用できるため、限定するものではない。光ファイバ10の先端部1306を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法でなどの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、蛍光物質1316を先端部1306に取り付ける。光ファイバ10に蛍光物質1316を取り付けたあとに、適切な医療用接着剤を使用して、穿通先端1314を蛍光物質1316の先端部(符号なし)に取り付ける。穿通先端1314は、組織に直接導入できるようにすると共に、光エネルギーが先端部1306を通って漏出するのを阻止する。蛍光物質1316は、少なくとも励起波長あるいはこれ以上の光エネルギーの照射を受けると信号を発するため、蛍光フィードバック指標として機能する。この構成では、レーザー光源(図示なし)が作動されると、蛍光が先端部1306で発生して光源のコンソール(図示なし)で検出され、光拡散デバイス1300が適正であり、正常に機能していることが確認される。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス1300を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0038】
発光部1302は、クラッド1308を貫通し、コアファイバ1300に切り込みを入れた長い光放射口1304によって画定されており、これにより、伝搬した光が光拡散デバイス1300から放射されるようになる。図13〜13Fには1つの長い光放射口1304が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い光放射口1304(図示なし)を有してもよい。図13D,13E,13Fに最も明確に図示されているように、発光部1302は、光放射口1304が、先端部1302aに近づくにつれて次第にコアファイバ1310に深く延びるという特徴を有する。繰り返すと、先端部1302aに向かって次第に深くなる光放射口1304により、発光部1302の基端部1302bではコアファイバ1310の露出表面積が小さくなるが、発光部1302の先端部1302aではコアファイバ1310の露出表面積が大きくなり、発光部1302の先端部(符号なし)での光量が高くなる。この理由は、光放射口1304の深さが均一である(図示なし)とすると、光放射口1304の基端部から出る光が多くなり、光放射口1304の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口1304の深さを均一にする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図13に示した光拡散デバイス1300の実施形態は、発光部1302の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0039】
図14は、本発明の光拡散デバイス1400の実施形態の発光部1402を示す。図14Aは、基端部1405に取り付けられ、光拡散デバイス1400を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1412を有する光拡散デバイス1400の全体を示す。図14B,14C,14Dに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1400は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1410と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1408とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。この実施形態では、光拡散デバイス1400は、デバイス1400を更に保護する役割を果たすシース1418によっても被覆されている。シース1418はPTFE、ポリエステル、ポリウレタン、PMMA、PEBAX等のポリマー材料または他の適切な材料であり、熱シュリンク法、非熱シュリンク法または接着法(すなわち、なかでもエポキシおよび紫外線硬化材料)によって適用することができる。コアファイバ1410とクラッド1408とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1412で光拡散デバイス1400に入射した光が、光拡散デバイス1400の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1400は、先端部1406を画定しており、ここには、穿通先端1414が取り付けられており、裸のコアファイバ1410の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。また、穿通先端1414は、デバイス1400が組織を貫通または穿通可能にし、その後、医師が軽く力を加えると組織に埋込される。一実施形態では、穿通先端1414は、加工された(研磨された)ステンレス鋼から作製されてもよいが、他の金属材料、複合材料、およびポリマー材料も使用できるため、限定するものではない。光拡散デバイス1400の先端部1406を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法または侵食法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、穿通先端1414を先端部1406に取り付ける。
【0040】
発光部1402は、クラッド1408を貫通し、コアファイバ1400を露出させている長い光放射口1404によって画定されており、これにより、伝搬した光が光拡散デバイス1400から放射されるようになる。図14〜14Dには1つの長い光放射口1404が図示されているが、これは例示に過ぎず、本発明が複数の長い光放射口1404(図示なし)を有してもよい。図14B,14C,14Dに最も明確に図示されているように、発光部1402は、光放射口1404が、先端部に近づくにつれてクラッド1408を貫通して次第に広がるという特徴を有する。繰り返すと、先端部に向かって次第に広くなる光放射口1404により、発光部1402の基端部1402bではコアファイバ1410の露出表面積が小さくなるが、発光部1402の先端部1402aではコアファイバ1410の露出表面積が大きくなり、発光部1402の先端部1402aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口1404の広さが均一である(図示なし)とすると、光放射口1404の基端部1404bから出る光が多くなり、光放射口1404の先端部1402aから出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口1404の広さを均一にする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図14に示した光拡散デバイス1400の実施形態は、発光部1402の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0041】
図15は、本発明の光拡散デバイス1500の実施形態の発光部1502を示す。図15Aは、基端部1505に取り付けられ、光拡散デバイス1500を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1512を有する光拡散デバイス1500の全体を示す。図15Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1500は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1510と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1508とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。この実施形態では、光拡散デバイス1500は、デバイス1500を更に保護する役割を果たす被覆材料1518によっても被覆されている。シース1518はPTFE、ポリエステル、ポリウレタン、PMMA、PEBAXまたは他の適切な材料などのポリマー材料であり、熱シュリンク法、非熱シュリンク法または接着法(すなわち、なかでもエポキシおよび紫外線硬化材料)によって適用することができる。コアファイバ1510とクラッド1508とは屈折率が異なり、これにより、基端の位置で光拡散デバイス1500に入射した光が、光拡散デバイス1500の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1500は、穿通先端1514を有する先端部1506を画定しており、裸のコアファイバ1510の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。また、穿通先端1514は、デバイス1500が組織を貫通または穿通可能にし、その後、医師が軽く力を加えるとデバイス1500が組織に埋込される。一実施形態では、穿通先端1514は、加工された(研磨された)ステンレス鋼から作製されてもよいが、他の金属材料、複合材料、およびポリマー材料も使用できるため、限定するものではない。この実施形態では、適切な医療用接着剤を使用して、光ファイバ10の先端部1506に蛍光物質部分1516を取り付けてから、穿通先端1314を取り付ける。蛍光物質1516の先端部(符号なし)を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、穿通先端1514を光拡散デバイス1500の先端部1506に取り付ける。蛍光物質1516は、少なくとも励起波長あるいはこれ以上の光エネルギーの照射を受けると信号を発するため、蛍光フィードバック指標として機能する。この構成では、レーザー光源(図示なし)が作動されると、蛍光が先端部1506で発生して光源のコンソール(図示なし)で検出され、光拡散デバイス1500が適正であり、正常に機能していることが確認される。別の実施形態(図示なし)では、末端部材1514を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。
【0042】
発光部1502は、クラッド1508を貫通し、コアファイバ1510を露出させている複数の光放射口1504によって画定されており、これにより、伝搬した光エネルギーが光拡散デバイス1500から放射されるようになる。図15に最も明確に図示されているように、発光部1502は、光放射口1504が、先端部1506に近づくにつれて、コアファイバ1510の露出表面積が次第に大きくなるという特徴を有する。光放射口1504は円錐形であり、その間隔は直径0.003インチ〜0.006インチで変わりうる。繰り返すと、先端部1502aに向かって次第に大きくなる光放射口1504により、発光部1502の基端部1502bではコアファイバ1510の露出表面積が小さくなるが、発光部1502の先端部15202aではコアファイバ1510の露出表面積が大きくなり、発光部1502の先端部1506での光量が高くなる。この理由は、光放射口1504の表面積が均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口1504から出る光が多くなり、先端側の光放射口1504から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口1504の大きさを等しくする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図15〜15Bに示した光拡散デバイス1500の実施形態は、発光部1502の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0043】
図16は、本発明の光拡散デバイス1600の実施形態の発光部1602を示す。図16Aは、基端部1605に取り付けられ、光拡散デバイス1600を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1612を有する光拡散デバイス1600の全体を示す。図16B,16C,16Dに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1600は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1610と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1608とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。この実施形態では、光拡散デバイス1600は、デバイス1600を更に強化かつ保護する役割を果たすシース1618によっても被覆されている。シース1618はPTFE、ポリエステル、ポリウレタン、PMMA、PEBAXまたは他の適切な材料などのポリマー材料であり、熱シュリンク法、非熱シュリンク法または接着法(すなわち、なかでもエポキシおよび紫外線硬化材料)によって適用することができる。コアファイバ1610とクラッド1608とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1612で光拡散デバイス1600に入射した光が、光拡散デバイス1600の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光ファイバ10は、先端部1606を画定しており、ここに、適切な医療用接着剤を使用して蛍光物質部分1616が取り付けられる。蛍光物質1616は、少なくとも励起波長あるいはこれ以上の光エネルギーの照射を受けると信号を発するため、蛍光フィードバック指標として機能する。この構成では、レーザー光源(図示なし)が作動されると、蛍光が先端部1606で発生して光源のコンソール(図示なし)で検出され、光拡散デバイス1600が適正であり、正常に機能していることが確認される。この実施形態では、他の実施形態の穿通先端の代わりに、蛍光物質1616をシース1618に封入して、シース1618を硬化および研磨して、穿通先端部1614を形成してもよい。これにより、デバイス1600が、医師が軽く力を加えると、組織を貫通または穿通可能となる。
【0044】
発光部1602は、クラッド1608を貫通し、コアファイバ1600に延びている複数の光放射口1604によって画定されており、これにより、伝搬された光が光拡散デバイス1600から放射されるようになる。図16B,16C,16Dに最も明確に図示されているように、発光部1602は、除去コアファイバ部1604が、同様の表面積を有し、先端部1602aに近づくにつれて次第にコアファイバ1610に深く延びるという特徴を有する。光放射口1604は円錐形であり、その深さは0.004インチ〜0.008インチで変わりうる。繰り返すと、先端部1602aに向かって次第に深くなる、同様の大きさの光放射口1604により、発光部1602の基端部1602bではコアファイバ1610の露出表面積が小さくなるが、発光部1602の先端部1602aではコアファイバ1610の露出表面積が大きくなり、発光部1602の先端部1602aでの光量が高くなる。この理由は、光放射口1604の大きさおよび深さが均一である(図示なし)とすると、基端側の光放射口1604から出る光が多くなり、先端側の光放射口1604から出る光が残り少なくなってしまうからである。光放射口1604の大きさおよび深さを均一にする(図示なし)と、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低い、光の分配が不均一な光ファイバ(図示なし)となってしまう。このため、図16に示した光拡散デバイス1600の実施形態は、発光部1602の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0045】
図17は、本発明の光拡散デバイス1700の実施形態の発光部1702を示す。図17Aに示す発光部の平面図は、基端部1700に取り付けられ、光拡散デバイス1705を光源(図示なし)に接続可能にするコネクタ1712を有する光拡散デバイス1700の全体を示す。図17Bに最も明確に図示されているように、光拡散デバイス1700は、経済的な理由のほかに可撓性の理由からプラスチック製の直径約1mmの光ファイバ10から形成され、この光ファイバ10は、光が伝搬するPMMA(アクリル)製のコアファイバ1710と、これを取り囲むフッ化ポリマー製のクラッド1708とを有する。なお、他の種類の光伝搬ファイバ(図示なし)も使用することができ、したがって、これらも本発明によって考察され、その範囲に含まれると考えられる。コアファイバ1710とクラッド1708とは屈折率が異なり、これにより、コネクタ1712で光拡散デバイス1700に入射した光が、光拡散デバイス1700の長さを伝搬し、より先端に近い位置に伝搬されるようになる。光拡散デバイス1700は、先端部1706を画定しており、ここには、不透過性の末端部材1714が取り付けられており、裸のコアファイバ1710の先端部(図示なし)から、伝搬した光エネルギーが漏出するのを阻止している。一実施形態では、末端部材1714は、ステンレス鋼から形成される。光拡散デバイス1700の先端部1706を、サンドペーパー、サンドブラスト、化学的劣化または他の摩耗法などの手段で粗化してから、適切な医療用接着剤を使用して、末端部材1714を先端部1706に取り付ける。別の実施形態(図示なし)では、末端部材1714を設けずに、不透過性のエポキシ材料またはプラスチック材料などの他の光遮蔽機構を代わりに設けてもよい。代替の実施形態(図示なし)では、光拡散デバイス1700を、透過性の保護シース(図示なし)に収容してもよく、この場合、滑らかさと共に、完全性を更に高めることができる。
【0046】
光拡散デバイス1700のこの実施形態では、クラッド1708が除去されない。発光部1702は、更に、発光部1702を画定するクラッド1708の表面を先端方向に次第に粗化することにより画定されており、光拡散デバイス1700から放射される伝搬光を増加させる。図17に最も明確に図示されているように、発光部1702は、比較的スムーズな領域1702bを有し、これが、先端部1702aに近づくにつれて、コアファイバ1710に沿って次第に粗くなる1704aという特徴を有する。繰り返すと、先端部1702aに向かって次第に粗くなる発光部1702により、発光部1702の基端部1702bではコアファイバ1710の露出表面積が小さくなるが、発光部1702の先端部1702aではコアファイバ1710の露出表面積が大きくなり、発光部1702の先端部(符号なし)での光量が高くなる。この理由は、発光部1702の粗さが均一である(図示なし)とすると、発光部1702の基端部から出る光が多くなり、発光部1702の先端部から出る光が残り少なくなってしまうからである。発光部1702の粗さを均一にする(図示なし)と、光の分配が不均一となり、基端部に向かって強度が高く、先端部に向かって強度が低いデバイス(図示なし)となる。このため、図17に示した光拡散デバイス1700の実施形態は、発光部1702の長さに沿って伝搬光エネルギーを均一に放射し、より安全かつ正確な光線力学的療法を可能にする。
【0047】
光放射口104,204,304,404,504,1204,1304,1404,1504,1604および除去コアファイバ部604,704,804,904,1004は、未処理プラスチック光ファイバ(図示なし)を固定具(図示なし)に固定し、次に、適切な位置に焦点を合わせた炭酸ガスレーザ(図示なし)を照射することによって形成される。一実施形態では、固定具(図示なし)はX軸のみを移動し、これは、光放射口104,304,404,1、204,1304,1404,1504,1604および除去コアファイバ部604,704,804,904,1004を形成するために、縦方向に移動して回転する。広い光放射口204,504,1404,1504,1604を有する実施形態200,500,1400,1500,1600では、除去コアファイバ部900または深い光放射口300,400が必要な場合、固定具(図示なし)はY軸にも移動し、炭酸ガスレーザを未処理光ファイバ(図示なし)に更に接近させる。別の実施形態では、先に行なうレーザー穿孔処理中に、マンドリルによって覆われている光放射口104、204,304,404,504,1104,1204,1304,1404,1504,1604または除去コアファイバ部604,704,804,904,1004の形成を可能にするために、光ファイバ(図示なし)を固定具(図示なし)に再配置することが必要となることがある。炭酸ガスレーザ(図示なし)のレーザパルスは、作動時に、波長10.6μm、5ワットで、約0.0003〜0.0010秒のパルス時間、照射されうる。この結果、コアファイバ110,210,310,410,510,610,710,810,910,1010,1110,1210,1310,1410,1510,1610を過度に損傷することなく、クラッド108,208,308,408,508,1104,1204,1304,1404,1504,1604、場合によってはコアファイバ110,210,310,410,510,610,710,810,910,1010,1110,1210,1310,1410,1510,1610の一部を、制御して除去することができる。光拡散デバイス1100の実施形態の場合、図の実施形態では、最初に、発光部1102を形成する光ファイバ10の部分から光拡散デバイス1100の先端部に向かってクラッドが除去される。光拡散デバイス1700の実施形態では、クラッド1708を除去しなくてもよい。次に、発光部1102,1702を、サンドペーパーなどの研磨材、サンドブラストまたは他の研磨法で、発光部1102,1702の基端部1102b,1702bから先端部1102a,1702aまで、先端側で次第に時間を長く取って処理する。この結果、先端方向に次第に粗くなる発光部1102,1702が形成される。
【0048】
(用途)
本発明の光拡散デバイス100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600,1700の使用においては、最初に、メチレンブルー、あるいは当業界で公知の多くの感光剤の他の感光剤により、患者の治療部位を処置する。
【0049】
光線力学的療法治療の性質によっては、特定の感光剤を患部組織に吸収させるために所定の時間が必要となりうる。光拡散デバイス100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600,1700を無菌パッケージから取り出し、これを治療部位に配置する。組織を穿通または貫通するように構成された実施形態1200,1300,1400,1500,1600では、医師によりデバイス1200,1300,1400,1500,1600に軽い力が加えられ、処置が必要な目的の組織にデバイスが埋込まれる。コネクタ112,212,312,412,512,612,712,812,912,1012,1112,1212,1312,1412,1512,1612,1712を介して、光拡散デバイス100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600,1700が、適切な波長の光を生成可能な光源(図示なし)に接続され、この波長は、使用する特定の感光剤や定められた処置によって変わり、次に、光源を作動させて処置を開始する。次に、光源を、定められた時間および強度(これらも使用する特定の感光剤によって変わる)で作動させて、光源をオフにして終了する。処置の終了後は、光拡散デバイス100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600,1700を廃棄する。
【符号の説明】
【0050】
10 光ファイバ
100 光拡散デバイス
102 発光部
102a 先端部(発光部)
102b 基端部(発光部)
104 光放射口
105 基端部
106 先端部
108 クラッド
110 ファイバコア
112 コネクタ
114 末端部材
200 光拡散デバイス
202 発光部
202a 先端部(発光部)
202b 基端部(発光部)
204 光放射口
205 基端部
206 先端部
208 クラッド
210 ファイバコア
212 コネクタ
214 末端部材
300 光拡散デバイス
302 発光部
302a 先端部(発光部)
302b 基端部(発光部)
304 光放射口
305 基端部
306 先端部
308 クラッド
310 ファイバコア
312 コネクタ
314 末端部材
400 光拡散デバイス
402 発光部
402a 先端部(発光部)
402b 基端部(発光部)
404 光放射口
405 基端部
406 先端部
408 クラッド
410 ファイバコア
412 コネクタ
414 末端部材
500 光拡散デバイス
502 発光部
502a 先端部(発光部)
502b 基端部(発光部)
504 光放射口
505 基端部
506 先端部
508 クラッド
510 ファイバコア
512 コネクタ
514 末端部材
600 光拡散デバイス
602 発光部
602a 先端部(発光部)
602b 基端部(発光部)
604 除去コアファイバ部
605 基端部
606 先端部
608 クラッド
610 ファイバコア
612 コネクタ
614 末端部材
700 光拡散デバイス
702 発光部
702a 先端部(発光部)
702b 基端部(発光部)
704 除去コアファイバ部
705 基端部
706 先端部
708 クラッド
710 ファイバコア
712 コネクタ
714 穿通先端
800 光拡散デバイス
802 発光部
802a 先端部(発光部)
802b 基端部(発光部)
804 除去コアファイバ部
805 基端部
806 先端部
808 クラッド
810 ファイバコア
812 コネクタ
814 末端部材
900 光拡散デバイス
902 発光部
902a 先端部(発光部)
902b 基端部(発光部)
904 除去コアファイバ部
905 基端部
906 先端部
908 クラッド
910 ファイバコア
912 コネクタ
914 末端部材
1000 光拡散デバイス
1002 発光部
1002a 先端部(発光部)
1002b 基端部(発光部)
1004 除去コアファイバ部
1005 基端部
1006 先端部
1008 クラッド
1010 ファイバコア
1012 コネクタ
1014 末端部材
1100 光拡散デバイス
1102 発光部
1102a 先端部(発光部)
1102b 基端部(発光部)
1104a コアファイバの粗化部分
1104b コアファイバのスムーズ部分
1105 基端部
1106 先端部
1108 クラッド
1110 ファイバコア
1112 コネクタ
1114 末端部材
1200 光拡散デバイス
1202 発光部
1202a 先端部(発光部)
1202b 基端部(発光部)
1204 光放射口
1205 基端部
1206 先端部
1208 クラッド
1210 ファイバコア
1212 コネクタ
1214 穿通先端
1300 光拡散デバイス
1302 発光部
1302a 先端部(発光部)
1302b 基端部(発光部)
1304 光放射口
1305 基端部
1306 先端部
1308 クラッド
1310 ファイバコア
1312 コネクタ
1314 穿通先端
1316 蛍光物質
1400 光拡散デバイス
1402 発光部
1402a 先端部(発光部)
1402b 基端部(発光部)
1404 光放射口
1405 基端部
1406 先端部
1408 クラッド
1410 ファイバコア
1412 コネクタ
1414 穿通先端
1418 シース
1500 光拡散デバイス
1502 発光部
1502a 先端部(発光部)
1502b 基端部(発光部)
1504 光放射口
1505 基端部
1506 先端部
1508 クラッド
1510 ファイバコア
1512 コネクタ
1514 穿通先端
1516 蛍光物質
1518 シース
1600 光拡散デバイス
1602 発光部
1602a 先端部(発光部)
1602b 基端部(発光部)
1604 光放射口
1605 基端部
1606 先端部
1608 クラッド
1610 ファイバコア
1612 コネクタ
1614 穿通先端部
1616 蛍光物質
1618 シース
1700 光拡散デバイス
1702 発光部
1702a 先端部(発光部)
1702b 基端部(発光部)
1704a 発光部の粗化部分
1704b 発光部のスムーズ部分
1705 基端部
1706 先端部
1708 クラッド
1710 ファイバコア
1712 コネクタ
1714 末端部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦寸法、横寸法、基端部、先端部を持ち、さらにクラッドによって少なくとも部分的に覆われたコアファイバを持つ光ファイバを備え、露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させることによって発光部が形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となる光拡散デバイス。
【請求項2】
長さ、直径、基端部、先端部を持ち、さらにクラッドによって少なくとも部分的に覆われたコアファイバを持つ光ファイバを備え、前記発光部を覆っている前記クラッドを除去して、露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させることによって発光部が形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となり、前記発光部は先端部および基端部をさらに持つ、光拡散デバイス。
【請求項3】
前記光ファイバはプラスチック光ファイバである、請求項2記載の光拡散デバイス。
【請求項4】
前記発光部は前記光ファイバの前記先端部に近接する、請求項2記載の光拡散デバイス。
【請求項5】
前記発光部の前記先端部に取り付けられた末端部材をさらに備える、請求項2記載の光拡散デバイス。
【請求項6】
前記末端部材は組織を貫通可能な穿通先端である、請求項5記載の光拡散デバイス。
【請求項7】
前記末端部材と前記光ファイバの前記先端部との間に蛍光物質をさらに備え、少なくとも励起周波数を有する光が前記光ファイバを通って前記蛍光物質に伝搬されると、前記光拡散デバイスが適正であることを示す光エネルギー信号が生成される、請求項5記載の光拡散デバイス。
【請求項8】
前記発光部は先端方向に密になる同様の大きさの複数の除去コアファイバ部を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部では除去コアファイバ部の数が多く、前記発光部の前記基端部では除去コアファイバ部の数が少なくなる、請求項3記載の光拡散デバイス。
【請求項9】
前記発光部は先端方向に直径が大きくなる複数の除去コアファイバ部を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項3記載の光拡散デバイス。
【請求項10】
前記発光部は先端方向に前記コアファイバ中の深さが深くなる同様の大きさの複数の除去コアファイバ部を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項3記載の光拡散デバイス。
【請求項11】
前記発光部は先端方向に前記コアファイバ中の深さが深くなる長い除去コアファイバ部を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項3記載の光拡散デバイス。
【請求項12】
前記発光部は先端方向に幅が広くなる長い除去コアファイバ部を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項3記載の光拡散デバイス。
【請求項13】
前記発光部は前記発光部の前記基端部に向かって比較的スムーズであり、前記発光部の前記先端部に向って次第に粗くなる長い除去コアファイバ部を持つ、請求項3に記載の光拡散デバイス。
【請求項14】
長さ、直径、基端部、先端部を持ち、クラッドによって少なくとも部分的に覆われたコアファイバを持つ光ファイバを備え、前記クラッドを選択的に除去して少なくとも1つの光放射口を形成し、露出されている前記コアファイバの表面積の量を先端方向に次第に増加させることによって発光部が形成され、この結果、前記発光部から放射される光の分配が均一となり、前記発光部は先端部および基端部をさらに持つ、光拡散デバイス。
【請求項15】
前記発光部の前記先端部に末端部材が取り付けられている、請求項14記載の光拡散デバイス。
【請求項16】
前記末端部材は組織を貫通可能な穿通先端である、請求項15記載の光拡散デバイス。
【請求項17】
前記コアファイバに取り付けられた蛍光物質をさらに備え、前記蛍光物質は少なくとも励起波長の波長の光に曝露されると蛍光を発する、請求項15記載の光拡散デバイス。
【請求項18】
前記光ファイバはプラスチック光ファイバである、請求項14記載の光拡散デバイス。
【請求項19】
前記光拡散デバイスの少なくとも一部がシースによって覆われている、請求項14記載の光拡散デバイス。
【請求項20】
前記発光部は先端方向に密になる同様の大きさの複数の除去された光放射口を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部では除去コアファイバ部の数が多く、前記発光部の前記基端部では除去コアファイバ部の数が少なくなる、請求項18記載の光拡散デバイス。
【請求項21】
前記発光部は先端方向に直径が大きくなる複数の光放射口を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項18記載の光拡散デバイス。
【請求項22】
前記発光部は先端方向に深くなる同様の大きさの複数の光放射口を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項18記載の光拡散デバイス。
【請求項23】
前記発光部は先端方向に深くなる長い光放射口を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項18記載の光拡散デバイス。
【請求項24】
前記発光部は先端方向に幅が広くなる長い光放射口を持ち、この結果、前記発光部の前記先端部ではコアファイバの露出表面積が大きく、前記発光部の前記基端部ではコアファイバの露出表面積が小さくなる、請求項18記載の光拡散デバイス。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図14】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図17A】
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【図17B】
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【公表番号】特表2012−506569(P2012−506569A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533162(P2011−533162)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/005621
【国際公開番号】WO2010/047750
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(511102055)アドバンスト フォトダイナミック テクノロジーズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】