説明

光拡散性部材

【課題】光透過性及び耐光性が良好であると共に、少ないフィラー添加量でも優れた光拡散性を有する光拡散性部材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基材中にセラミックス粒子を含有してなる光拡散性部材であって、前記セラミックス粒子の組成中、MgOとAlとの合計量が80重量%以上であり、かつMgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5である光拡散性部材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス組成中にMgOとAlとを含むセラミックス粒子を基材中に含有してなる光拡散性部材、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光拡散性部材は、照明カバー、照明看板、透過型ディスプレー、液晶ディスプレー等の光学製品において、光源の光の散乱と透過を制御して光を有効に利用するために使用される。光拡散性部材は、ガラスや樹脂などの透明な基材に光拡散性を有するフィラー(以下、光拡散性フィラーともいう)を添加して、基本特性である光散乱強度と全透過率が制御される。
【0003】
従来、光拡散性フィラーとしては、無機系や有機系の粒子が使用されてきた。無機系光拡散性フィラーは、有機系フィラーに比べて耐光性、耐薬品性に優れる点に特徴があるといわれており、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ガラス、タルク、マイカなどが使用されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−188109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の無機系光拡散性フィラーを使用した光拡散性部材は、高い光透過性と耐光性を発現するものの、光拡散性が不十分であるという難点があった。その結果、光拡散性部材の光拡散性を高めるためには、無機系光拡散性フィラーの添加量を多くする必要があり、コストや性能バランスの点で工業的に不利になっていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、光透過性及び耐光性が良好であると共に、少ないフィラー添加量でも優れた光拡散性を有する光拡散性部材、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、セラミックス組成中にMgOとAlとを含むセラミックス粒子を基材中に含有してなる光拡散性部材が、少ないフィラー添加量でも優れた光拡散性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の光拡散性部材は、基材中にセラミックス粒子を含有してなる光拡散性部材であって、該セラミックス粒子が以下の要件(I)及び(II)を満たすものである。
(I)セラミックス組成中、MgOとAlとの合計量が80重量%以上。
(II)セラミックス組成中、MgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5。
【0009】
なお、本発明における各種の物性値は、具体的には実施例に記載の方法で測定される値である。
【0010】
また、本発明の光拡散性部材の製造方法は、上記のような光拡散性部材の製造方法であって、前記基材中に前記セラミックス粒子を分散させる工程を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、特定のセラミックス粒子を光拡散性フィラーとして使用することで、光透過性及び耐光性が良好であると共に、少ないフィラー添加量でも優れた光拡散性を有する光拡散性部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の光拡散性部材は、基材中にセラミックス粒子を含有してなる光拡散性部材、好ましくは全透過率が50%以上かつ光散乱強度が70%以上である光拡散性部材であり、以下に説明する第1の態様又は第2の態様のセラミックス粒子を含有するものである。なお、本発明の光拡散性部材は、基材内部にセラミックス粒子を含有する場合と、基材表面部にセラミックス粒子を含有する場合の両者を含んでいる。
【0013】
本発明の第1の様態では、基材中に含有するセラミックス粒子が以下の要件(I)及び(II)を満たしている。更に、第1の様態では、セラミックス粒子が火炎溶融法により製造されたものであることが好ましい。
(I)セラミックス組成中、MgOとAlとの合計量が80重量%以上。
(II)セラミックス組成中、MgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5。
【0014】
一方、本発明の第2の様態では、基材中に含有するセラミックス粒子が、以下の要件(III)及び(IV)を満たす粉末粒子を、火炎中で溶融して得られるものである。
(III)MgOとAlとの合計量が80重量%以上。
(IV)MgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5。
【0015】
つまり、第1の様態では、基材中に含有するセラミックス粒子のセラミックス組成を要件(I)及び(II)で特定しているのに対して、第2の様態では、基材中に含有するセラミックス粒子の原料となる粉末粒子の組成を、要件(III)及び(IV)で特定している。このため、要件(III)及び(IV)は、セラミックス組成としてこの要件を満たす必要はなく、原料混合物の組成として、要件(III)及び(IV)を満たすものでもよい。
【0016】
また、本発明の第2の様態では、粉末粒子を火炎中で溶融して得られるセラミックス粒子に限定されるが、第1の様態のセラミックス粒子は、このような製法には限定されない。
【0017】
以下、本発明の第1の様態と第2の様態に共通する事項について述べる。
【0018】
[組成]
上記要件(I)及び(III)に関し、MgOとAlの含有量は、好適な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは100重量%である。
【0019】
上記要件(II)及び(IV)に関し、MgO/Alの重量比率は、好適な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.2〜4であり、更に好ましくは0.3〜2である。
【0020】
上記要件(I)及び(III)に関し、MgOとAlとで構成される成分以外の成分中に含まれ得るもの(以下、副成分ともいう)としては、例えば、CaO、Fe、TiO、KO、NaO、ZrO等の金属酸化物やカーボンなどが挙げられる。
【0021】
上記の副成分の合計量は、好適な光透過性と化学的安定性を確保する観点から、セラミックス粒子中、20重量%未満であり、5重量%未満が好ましく、0.1重量%未満がより好ましい。副成分中にFe等の着色成分が含まれる場合、特に光透過性を確保する観点から、それらの含有量としては、それぞれ1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満がより好ましく、0.1重量%未満が更に好ましい。
【0022】
[平均粒径]
本発明に使用するセラミックス粒子の平均粒径は、好適な光拡散性及び光透過性を確保し、該セラミックス粒子を基材に添加して光拡散性部材を製造する際の機械的強度を確保する観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。また、粒子の凝集・合一を抑制し、セラミックス粒子の粒径分布をあまり大きくしない観点や球形度の観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましい。平均粒径は、実施例に記載する方法で測定する。前記観点を総合した観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.2〜10μmが更に好ましい。
【0023】
[球形度]
本発明に使用するセラミックス粒子の球形度は、好適な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、0.95以上が好ましく、0.96以上がより好ましく、0.98以上が更に好ましい。球形度がこの範囲であると、基材への分散性が良好で、高添加が可能となり、光拡散性部材の光学的特性を付与しやすくなる。球形度は、実施例に記載する方法で測定する。
【0024】
[吸水率]
光拡散性部材中に余分な気泡の発生を抑制し、好適な光拡散性及び光透過性を達成する観点から、本発明に使用するセラミックス粒子の表面には気孔が少ないことが好ましい。表面の気孔の程度として、セラミックス粒子の吸水率を指標とすることができる。即ち、セラミックス粒子の気孔は、吸水率が低い方が少ない傾向にあり、吸水率は0.8重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましく、0.3重量%以下が更に好ましい。セラミックス粒子の平均粒径を大きくすることで、吸水率を低減でき、火炎溶融処理することで、吸水率を更に低減できる。吸水率は、実施例に記載する方法で測定する。
【0025】
[屈折率]
光拡散性部材の良好な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、本発明に使用するセラミックス粒子の屈折率は、1.6〜1.8が好ましく、1.65〜1.75がより好ましく、1.67〜1.73が更に好ましい。当該屈折率は、前記のセラミックスの組成と後記の結晶構造を好適範囲に調整することで、前記の好適範囲に調整できる。
【0026】
[色]
本発明に使用するセラミックス粒子の色は、光透過性を確保する観点から、白色であることが好ましい。白色度は、分光式色彩計により測定されるL*値が、85以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましく、95以上であることが更に好ましい。かかる白色度は、要件(I)及び要件(III)についての説明にあるように、セラミックス粒子中の副成分の量と組成を調整することで、得ることができる。白色度は、実施例に記載する方法で測定する。
【0027】
[結晶構造]
本発明に使用するセラミックス粒子はMgOとAlとで構成される成分を主成分として含有してなる複合化合物であり、その構造は、非晶構造(非晶質)もしくは結晶構造(結晶質)をとりうるが、耐熱性、耐薬品性または耐光性に優れ、安定した光拡散性を確保する観点から、結晶質のものが好ましい。かかる高結晶化は、セラミックス粒子製造時の焼成温度を1200〜1850℃、焼成時間を1〜5時間に調整することで得ることができる。
【0028】
本発明に使用するセラミックス粒子として、MgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5のものを使用して、前記の調整を行うと、X線回折パターン測定による主たるピークがJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)のNo.21−1152のMgAl Spinelに帰属され、光拡散性及び光透過性を向上させる観点から好ましい。
【0029】
[表面処理]
本発明に使用するセラミックス粒子は、基材中での分散性を向上させる観点から、シランカップリング剤、シリコーン、脂肪酸石鹸等で表面処理を行うことが好ましい。
【0030】
[比重]
本発明に使用するセラミックス粒子は、比重が3〜4であることが好ましく、この場合、少ない添加量で所望の光学的特性を容易に発現させることができる。
【0031】
[流動性]
本発明に使用するセラミックス粒子を基材に添加する際の作業性や、その後の加工性を向上させる観点から、該セラミックス粒子は適度の流動性を有することが好ましい。流動性は、パウダーテスターによって測定される安息角が指標となり、安息角が、好ましくは55度以下、より好ましくは50度以下であり、更に好ましくは48度以下であり、セラミックス粒子の球形度を高く、吸水率を低減することで好ましい範囲に調整できる。安息角は、実施例に記載する方法で測定できる。
【0032】
安息角を上記範囲にするため、セラミックス粒子の球形度は0.95以上が好ましく、0.96以上がより好ましく、0.98以上が更に好ましい。安息角を上記範囲にするため、吸水率は0.8重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましく、0.3重量%以下が更に好ましい。セラミックス粒子の平均粒径を大きくすることで、吸水率を低減でき、火炎溶融処理することで、吸水率を更に低減できる。
【0033】
[セラミックス粒子の製造方法]
本発明におけるセラミックス粒子は、混合法、沈殿法、ゾルゲル法、噴霧熱分解法、水熱法、CVD法等の手法を用いて、またはMgOとAlとの合計量が80重量%以上で、MgO/Al重量比が0.05〜5となるようにMgOとAlとを含有した前駆体を焼成し粉砕することで得ることができる。
【0034】
前駆体を形成させるための原料としては、以下に挙げた各原料源のうちの単独若しくは2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
Al源として、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナゾル、アルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド等を挙げることができる。
【0036】
MgO源としては、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。
【0037】
本発明のセラミックス粒子を球状化する方法としては、前駆体形成時に噴霧乾燥を行う噴霧乾燥法、前駆体形成時に界面活性剤を使用して乳化させる乳化法、焼成体または前駆体を直接に火炎溶融する火炎溶融法が挙げられ、球形度を向上させ、吸水率を低減する観点から、火炎溶融法により球状化することが好ましい。火炎溶融法とは、原料粉末粒子を酸素等のキャリアガスに分散させ、火炎中に投入することによって、原料粉末粒子を溶融させ球状化を行う方法である。以下、火炎溶融法について詳述する。
【0038】
[原料となる粉末粒子の組成]
MgO及びAlを80重量%以上含有し、MgO/Al重量比が好ましくは0.05〜5で、平均粒径が好ましくは100μm以下である粉末粒子を出発原料とする。出発原料としては、焼成体または前駆体の粉末粒子が使用可能であるが、好ましくは上記のセラミックス組成を有する焼成体の粉末粒子である。
【0039】
粉末粒子中におけるMgOとAlの含有割合は、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは100重量%であり、MgO/Alの重量比率は0.05〜5が好ましく、より好ましくは0.1〜5、更に好ましくは0.2〜4である。粒径分布が狭い球状粒子を得る観点から、更により好ましくは0.3〜2である。所望のセラミックス粒子を得るためには、出発原料としての粉末粒子は、溶融時の成分蒸発を考慮して、MgO/Al重量比率が上記範囲内になるよう調整して使用することが好ましい。
【0040】
[粉末粒子の平均粒径及び形状]
原料となる粉末粒子の平均粒径は、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。また、粒径と球形度が広い範囲になることを抑制する観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましい。更に前記観点を総合した観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.2〜10μmが更に好ましい。
【0041】
また、火炎中での球状化を速やかに行うと共に、粒径の分布の巾があまり大きくない球形度の高いセラミックス粒子を得る観点から、原料粉末粒子の形状を選択することが好ましい。形状としては、火炎中での滞留時間確保や溶融、球状化を速やかに行なう観点から、原料粉末粒子の長軸径/短軸径比が9以下であるのが好ましく、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下である。
【0042】
[粉末粒子の含水率]
出発原料である粉末粒子を溶融する際、当該粒子に水分が含まれると、水分が蒸発するため、得られるセラミックス粒子には水分の蒸発に伴って多数の開孔が形成される場合がある。そこで、出発原料の含水率(重量%)は、得られる粒子の吸水率及び球形度を適切な範囲に調節する観点から、10重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下が更に好ましい。含水率は、粉末粒子1gを800℃で1時間加熱した時の減量を測定し、(加熱前重量−加熱後重量)/加熱前重量×100の式から求めることができる。
【0043】
[原料粉末粒子の例]
A1源としての原料として、ボーキサイト、バン土頁岩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナゾル、アルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド等を挙げることができる。
【0044】
MgO源としての原料として、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、カンラン石、輝石ズン岩、蛇紋石、オリビン系鉱物等を挙げることができる。
【0045】
これらの原料はそれぞれ単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができる。選択された出発原料は、その含水率を低下させるため、あるいはその溶融を容易にするためにスピネル化して使用するのが好ましい。スピネル化の方法としては、仮焼する、焼結する、電融する等が挙げられるが、エネルギーコストの観点から、仮焼することが好ましい。
【0046】
[火炎溶融法による球状化]
原料となる粉末粒子の球状化工程では、原料粉末粒子を酸素等のキャリアガスに分散させ、火炎中に投入することによって溶融し、球状化を行う火炎溶融法を適用することが好ましい。
【0047】
火炎は、プロパン、ブタン、メタン、天然液化ガス、LPG、重油、灯油、軽油、微粉炭等の燃料を酸素と燃焼させることによって発生させる。また、N不活性ガス等を電離させて生じるプラズマジェット火炎でもよい。
【0048】
燃料の対酸素比は、完全燃焼の観点から容量比で1.01〜1.3が好ましい。高温の火炎を発生させる観点から、酸素・ガスバーナーを用いるのが好適である。特にバーナーの構造は限定するものではないが、特開平7−48118号公報、特開平11−132421号公報、特開2000−205523号公報または特開2000−346318号公報で開示されているバーナーが好ましい。
【0049】
火炎温度は、原料粉末粒子を溶融球状化させる観点から、原料粉末粒子の融点以上であることが好ましい。具体的には2200℃以上が好ましく、2300℃以上がより好ましく、2400℃以上が更に好ましい。
【0050】
火炎中への粉末粒子の投入は、キャリアガス中に分散して行うことが好ましい。キャリアガスとしては、酸素が好適に用いられる。この場合、キャリアガスの酸素は燃料燃焼用として消費できる利点がある。ガス中の粉体濃度は、粉末粒子の充分な分散性を確保する観点から、0.1〜20kg/Nmが好ましく、0.2〜10kg/Nmがより好ましい。更に、火炎中に投入する際には、メッシュ、スタティックミキサー等を通過させて分散性を高めることがより好ましい。
【0051】
[光拡散性部材]
本発明の光拡散性部材は、ヘイズメーターで測定される全透過率及び光散乱強度として、全透過率が50%以上かつ光散乱強度が70%以上であることが好ましく、全透過率が70%以上かつ光散乱強度が80%以上であることがより好ましい。特に、セラミックス粒子の含有量が、光拡散性部材の基材100重量部に対して50重量部以下でこのような光学特性を有することが好ましく、より好ましくは含有量が10重量部以下の場合である。
【0052】
[基材]
本発明に使用する基材は、透明な材料からなるものであれば特に制限はなく、ガラス、樹脂等が使用でき、成形性に優れるという観点から樹脂を使用することが好ましい。たとえばガラスであれば、ソーダ石灰ガラス等のアルカリガラスや硼珪酸ガラスが好適に用いられる。また、樹脂であれば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線等のエネルギー線硬化型樹脂等が使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。これらのうち、透明性、耐光性、耐熱性の観点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく、アクリル樹脂がより好ましく用いられる。
【0053】
これらのうち、光拡散性部材が良好な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、基材の屈折率は、1.3〜1.65が好ましく、1.45〜1.63がより好ましく、1.50〜1.62が更に好ましく、1.55〜1.62が更に好ましい。
【0054】
また、基材とセラミックス粒子は、光拡散性部材が良好な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、基材の屈折率とセラミックス粒子の屈折率の差が、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.03〜0.2、更に好ましくは0.05〜0.15であるように組合せることが望ましい。
【0055】
基材とセラミックス粒子の好適な組合せの例を表1に示した。
【0056】
【表1】

【0057】
光拡散性部材の良好な光拡散性と光透過性を確保する観点から、基材100重量部に対するセラミックス粒子は、特に、良好な光拡散性を確保する観点から、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、特に光透過性を確保する観点から、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは100重量部以下、更に好ましくは30重量部以下、更に好ましくは10重量部以下、更に好ましくは6重量部以下、更に好ましくは2重量部以下、更に好ましくは1重量部以下である。前記観点を総合した観点から、0.1〜1000重量部が好ましく、0.1〜100重量部がより好ましく、0.1〜30重量部が更に好ましく、0.1〜10重量部が更に好ましく、0.1〜6重量部が更に好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましく、0.1〜1重量部が更に好ましい。
【0058】
本発明の光拡散性部材には、必要に応じて、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、蛍光体、発光体、強化剤などを、光拡散性と光透過性を損なわない範囲で添加することができる。その添加量は、光拡散性と光透過性の観点から、光拡散性部材中10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
【0059】
本発明の光拡散性部材は、いずれの形状でもよく、シート状、レンズ状、柱状、板状などの形状が挙げられるが、均一な光拡散性や高い光透過性を得ようとする場合には、シート状が好ましい。
【0060】
光拡散性部材がシート状である場合、その厚さは、光拡散性部材の良好な光拡散性及び光透過性を確保する観点から、特に、良好な光拡散性を確保する観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、特に、良好な光透過性を確保する観点から、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下であり、前記観点を総合した観点から、0.05μm〜20mmが好ましく、1μm〜10mmがより好ましく、10μm〜5mmが更に好ましい。
【0061】
[光拡散性部材の製造方法]
本発明の光拡散性部材は、本発明の製造方法により好適に製造することができる。即ち、本発明の製造方法は、以上のような光拡散性部材の製造方法であって、基材中にセラミックス粒子を分散させる工程を含むものである。セラミックス粒子の分散は、例えば、次の(a)〜(d)のいずれかの工程によって好適に行うことができる。
(a)混練機等を用いて前記基材中に前記セラミックス粒子を練り込む工程、
(b)前記基材を構成する樹脂の溶液、エマルジョン、ディスパージョンまたはサスペンジョンの中に前記セラミックス粒子を混合し、この混合物をシート状に成型する工程、
(c)前記基材となるシート表面に前記セラミックス粒子及びバインダーを含む層を形成する工程、又は
(d)前記基材を構成する樹脂を合成する際に、その樹脂のモノマー中に前記セラミックス粒子を添加して重合する工程。
【0062】
これらのうち、上記(a)に示す工程のように、混練機等を用いて基材中にセラミックス粒子を練り込む方法が好ましく、混練後にシート状に成型する方法がより好ましい。その際、混練機として、練ロール機、二軸混練機、ニーダー、インターナルミキサー、押出機など、公知の混練機を用いることができる。成型機は、ロール成型機、射出成型機、押し出し成型機、熱プレス成型機などを用いることができる。
【0063】
上記(b)に示す工程では、例えば、樹脂を溶液、ディスパージョン等の液状にするための各種液状媒体が使用され、塗工支持体上に塗工した後に液状媒体の乾燥などが行われる。塗工には、ブレードコーター、コンマコーター、バーコーター、カレンダーコーター、ディップコーターなどを用いることができる。
【0064】
上記(c)に示す工程では、例えば、下地基材となるシートの表面に、前記セラミックス粒子及びバインダーを含む塗工液を、上記(b)と同様にして塗工した後、乾燥させることで、セラミックス粒子及びバインダーを含む層を形成することができる。
【0065】
上記(d)に示す工程では、例えば、セラミックス粒子を含むモノマー組成物を上記(b)と同様にして塗工した後、モノマーの種類に応じた条件で重合させることができる。その際、必要に応じて、触媒、開始剤、架橋剤などを添加することができる。
【0066】
[用途]
本発明の光拡散性部材は、その用途などにより形状は特に限定されないが、具体的な用途としては、例えば液晶ディスプレー、透過型または反射型スクリーン、照明カバー、照明看板、プロジェクター用のフレネルレンズ、発光ダイオードなどに好適に用いられる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0068】
(1)組成
蛍光X線法(JIS R2216「耐火れんが及び耐火モルタルの蛍光X線分析法」)による元素分析を行って、Al、Mgの各原子の組成を定量する。X線回折測定を行い、回折パターンから、Al、MgO、あるいはこれらの複合化合物の存在を確認する。回折パターンが得られない場合は、ラマン分光、IR、NMR等の測定によりAl、MgOの存在を確認する。以上から、MgOとAlとの合計量、及び、MgOとAlの重量比〔MgO/Al〕を算出する。
【0069】
(2)平均粒径
平均粒径は、D50(体積基準の50%の中位粒径)を意味し、堀場製作所製LA−920によるレーザー回折/散乱法で測定する。
【0070】
(3)球形度
球形度は、セラミックス粒子について、リアルサーフェースビュー顕微鏡VF−7800(キーエンス社製)で測定して得られたSEM像の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長〕を計算し、任意の50個の粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求める。
【0071】
(4)吸水率
吸水率はJIS A1109「細骨材の吸水率測定方法」に従って測定する。
【0072】
(5)安息角
安息角の測定は、JIS R9301−2−2による。安息角の測定に用いるパウダーテスターは、ホソカワミクロン社製のTYPEPT−Eを使用する。
【0073】
(6)屈折率
セラミックス粒子及び基材樹脂の屈折率は、JIS K7142「プラスチックの屈折率測定方法」のうち、B法(顕微鏡を用いる液浸法(ベッケ線法))による。但し、JIS K7142で使用される浸液に代えて、島津デバイス製造社製「接触液」を使用し、温度が15〜20℃の条件で測定する。顕微鏡は、偏光顕微鏡「オプチフォト」(ニコン製)を使用する。
【0074】
(7)全透過率及び光散乱強度
ヘイズメーター〔村上色彩技術研究所製(形式:HR−100)〕で平行光線透過率(Tp)と散乱光透過率(Td)を測定し、Tp+Tdにより全透過率を算出し、〔Td/(Tp+Td)〕×100を算出して光散乱強度を求める。全透過率が大きい程、光透過性が高く、光散乱強度が大きい程、光拡散性が高いと評価する。
【0075】
(8)耐光性試験(促進耐光性試験法)
比較する2つの部材をサンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機械株式会社製)にセットし、カーボンアーク光を照射する。照射前後のサンプルについて、分光式色彩計(SE−2000)(日本電色工業株式会社製)を用いて黄色度(b)を測定し、下記に示す式により照射前後でのサンプルの黄変度合いを比較する。
Δb=光照射後のb−光照射前のb
【0076】
(9)比重
JIS R1620によって測定する。
【0077】
〔製造例1〕
MgO/Al重量比が0.4となるよう、アルミナ(純度99.9%)とマグネシア(純度99.9%)をアーク式電気炉で2500℃で0.5時間加熱し溶解した後、冷却固化して電融スピネルのインゴットを得た。得られたインゴットを粉砕し、400メッシュのフルイに通し、表2に示す性状のセラミックス粒子1を得た。
【0078】
〔製造例2〕
原料粉末粒子として、セラミックス粒子1を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子2を得た。
【0079】
〔製造例3〕
MgO/Al重量比が0.4となるよう、アルミナ(純度99.9%)とマグネシア(純度99.9%)をイオン交換水中で湿式混合し、真空乾燥した粉末(平均粒径2.2μm)を1600℃、4時間焼成したものを乾式粉砕後、分級し、表2に示す性状のセラミックス粒子3を得た。
【0080】
〔製造例4〕
原料粉末粒子として、セラミックス粒子3を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子4を得た。
【0081】
〔製造例5〕
イオン交換水100重量部にAlCl・6HO(12.3重量部)と、MgCl・6HO(5.08重量部)を溶解し、透明な液とした(溶液A)。次に、5.8重量%アンモニア水325重量部に、溶液Aを加えpH9.5〜10となるように調節しながら、30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過・洗浄したのち、100℃で48時間乾燥した。得られた乾燥物を1100℃、1時間焼成・粉砕し、表2に示す性状のセラミックス粒子5を得た。
【0082】
〔製造例6〕
原料粉末粒子として、セラミックス粒子5を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子6を得た。
【0083】
〔製造例7〕
原料粉末粒子として、MgO/Al重量比が0.1となるようにしたこと以外は、上記製造例1と同様に製造したセラミックス粒子を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子7を得た。
【0084】
〔製造例8〕
原料粉末粒子として、MgO/Al重量比が2となるようにしたこと以外は、上記製造例1と同様に製造したセラミックス粒子を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子8を得た。
【0085】
〔製造例9〕
原料粉末粒子として、MgO/Al重量比が4となるようにしたこと以外は、上記製造例1と同様に製造したセラミックス粒子を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子9を得た。
【0086】
〔製造例10〕
原料粉末粒子として、純度99.99%のアルミナ及び純度99.99%のマグネシアを用いたこと以外は、上記製造例1と同様に製造したセラミックス粒子を用い、当該粉末粒子を、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(2400℃)中に投入し、表2に示す性状のセラミックス粒子10を得た。
【0087】
〔実施例1〕
ポリスチレン(東洋スチレン社製GP−1B)100重量部に対して、セラミックス粒子1を1重量部の割合で混ぜ、ロール混練機(西村機械製作所製)により160℃で混合した。得られた樹脂混合物をプレス機(東洋精機製:温度185℃)で成形し、厚さ1mmの光拡散性部材1を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0088】
〔実施例2〜6〕
実施例1において、セラミックス粒子1をセラミックス粒子2〜6に置き換えること以外は、実施例1と同じ条件で、光拡散性部材2〜6を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0089】
〔実施例7〕
実施例1において、セラミックス粒子1をセラミックス粒子7に置き換えて、ポリスチレン100重量部に対して、セラミックス粒子7を0.1重量部添加する以外は、実施例1と同じ条件で光拡散性部材7を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0090】
〔実施例8〜10〕
実施例1において、セラミックス粒子1をセラミックス粒子8〜10に置き換えること以外は、実施例1と同じ条件で、光拡散性部材8〜10を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0091】
〔実施例11〕
実施例1において、セラミックス粒子1をセラミックス粒子2に置き換えて、ポリスチレン100重量部に対して、セラミックス粒子2を0.1重量部添加する以外は、実施例1と同じ条件で光拡散性部材11を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0092】
〔実施例12〕
実施例1において、セラミックス粒子1をセラミックス粒子4に置き換えて、ポリスチレン100重量部に対して、セラミックス粒子4を5重量部添加する以外は、実施例1と同じ条件で光拡散性部材12を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0093】
〔比較例1〕
表2の性状を有する市販の球状アルミナ粉末を用いて、実施例1と同じ条件で比較部材1を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0094】
〔比較例2〕
表2の性状を有する市販のアルミナ粉末を用いて、ポリスチレン100重量部に対して、アルミナ粉末を3重量部添加する以外は、実施例1と同じ条件で比較部材2を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0095】
〔比較例3〕
表2の性状を有する市販の球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ビーズ粉末を用いて、実施例1と同じ条件で比較部材3を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0096】
〔比較例4〕
表2の性状を有する市販のアルミナ粉末を用いて、ポリスチレン100重量部に対して、アルミナ粉末を5重量部添加する以外は、実施例1と同じ条件で比較部材4を作製した。これを用いて上記の各評価を行った結果を表2に示す。
【0097】
【表2】

【0098】
表2から明らかな通り、本発明の光拡散性部材は、全透過率が70%を超えており、少ないフィラー添加量であるにも係わらず、光拡散強度が、従来品を添加した光拡散性部材より高いことがわかる。特に、火炎溶融法で球状化したセラミックス粒子を添加した光拡散性部材では、全透過率がより高いことがわかる。
【0099】
〔実施例13〕
アクリルペレット(三菱レーヨン社製アクリルペレットVH−001)100重量部に対して、製造例4のセラミックス粒子4を2重量部の割合で混ぜ、実施例1と同じ条件で、厚さ1mmの光拡散性部材13を作製した。これを用いて上記の耐光性試験を行った結果を表3に示す。
【0100】
〔比較例5〕
実施例13において、製造例4のセラミックス粒子4に代えて架橋ポリスチレン(平均粒径6μm、球形度0.95、屈折率1.59)を2重量部添加すること以外は、実施例13と同じ条件で比較部材5を作製した。これを用いて上記の耐光性試験を行った結果を表3に示す。
【0101】
【表3】

【0102】
表3から明らかな通り、促進耐光性試験により、本発明の光拡散性部材13は黄変がみられなかったが、比較部材5は光照射時間とともに黄変することがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材中にセラミックス粒子を含有してなる光拡散性部材であって、
前記セラミックス粒子の組成中、MgOとAlとの合計量が80重量%以上であり、かつMgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5である光拡散性部材。
【請求項2】
前記光拡散性部材は、全透過率が50%以上かつ光散乱強度が70%以上である請求項1記載の光拡散性部材。
【請求項3】
前記セラミックス粒子が火炎溶融法により製造されたものである請求項1又は2記載の光拡散性部材。
【請求項4】
基材中にセラミックス粒子を含有してなる、全透過率が50%以上かつ光散乱強度が70%以上である光拡散性部材であって、
前記セラミックス粒子は、粉末粒子を火炎中で溶融して得られるものであり、
前記粉末粒子の組成中、MgOとAlとの合計量が80重量%以上であり、かつMgOとAlの重量比〔MgO/Al〕が0.05〜5である光拡散性部材。
【請求項5】
前記セラミックス粒子の平均粒径が、0.01〜100μmである請求項1〜4いずれか記載の光拡散性部材。
【請求項6】
前記セラミックス粒子の球形度が0.95以上である請求項1〜5いずれか記載の光拡散性部材。
【請求項7】
前記セラミックス粒子の含有量が、前記基材100重量部に対して0.1〜6重量部である請求項1〜6いずれか記載の光拡散性部材。
【請求項8】
前記基材が樹脂である請求項1〜7いずれか記載の光拡散性部材。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載した光拡散性部材の製造方法であって、前記基材中に前記セラミックス粒子を分散させる工程を含む光拡散性部材の製造方法。
【請求項10】
前記セラミックス粒子を分散させる工程が、
(a)前記基材中に前記セラミックス粒子を練り込む工程、
(b)前記基材を構成する樹脂の溶液、エマルジョン、ディスパージョンまたはサスペンジョンの中に前記セラミックス粒子を混合し、この混合物をシート状に成型する工程、
(c)前記基材となるシート表面に前記セラミックス粒子及びバインダーを含む層を形成する工程、又は
(d)前記基材を構成する樹脂を合成する際に、その樹脂のモノマー中に前記セラミックス粒子を添加して重合する工程のいずれかの工程を含む請求項9に記載の光拡散性部材の製造方法。

【公開番号】特開2008−181115(P2008−181115A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334634(P2007−334634)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】