説明

光源、装置

【課題】電極のピンホールによりエレクトロルミネッセンス層を介して水分が浸透してしまい、エレクトロルミネッセンス層全体が劣化してしまうことを防止する。
【解決手段】複数の島状エレクトロルミネセンス層を有する構成とする。即ち、エレクトロルミネッセンス層を複数に分断する。そして、複数の島状エレクトロルミネッセンス層を共通の一対の電極で挟むことによって、一の島状エレクトロルミネッセンス層に水分が浸透しても他の島状エレクトロルミネッセンス層には水分が浸透しなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、光源(照明装置)、光源を備えた装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1にはエレクトロルミネッセンス素子を備えた光源(照明装置)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−134282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図26は、従来の光源(照明装置)の概念図を示したものである。
【0005】
図26において、基板10上に、第1の電極20、エレクトロルミネッセンス層30、第2の電極40が順次積層されている。
【0006】
そして、第2の電極40にピンホール80が発生してしまった場合、ピンホール80から水分91、水分92が侵入してエレクトロルミネッセンス層30の劣化が生じてしまうことになる。
【0007】
ここで、エレクトロルミネッセンス層30は水分を浸透しやすい性質を有する。
【0008】
そのため、第2の電極40に一箇所でもピンホールが生じると、水分がエレクトロルミネッセンス層30の内部を伝わってエレクトロルミネッセンス層全体に浸透してしまうので、エレクトロルミネッセンス層30全体が劣化してしまうことになる。
【0009】
そして、エレクトロルミネッセンス層30全体が劣化してしまうと光源自体が使用不能になってしまう。
【0010】
そこで、以下に上記問題を解決する構成を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
複数の島状エレクトロルミネセンス層を有する構成とする。
【0012】
即ち、エレクトロルミネッセンス層を複数に分断する。
【0013】
そして、複数の島状エレクトロルミネッセンス層を共通の一対の電極で挟むことによって、一の島状エレクトロルミネッセンス層に水分が浸透しても他の島状エレクトロルミネッセンス層には水分が浸透しなくなる。
【0014】
したがって、水分がエレクトロルミネッセンス層の内部を伝わってエレクトロルミネッセンス層全体に浸透することを防止することができる。
【0015】
但し、複数の島状エレクトロルミネッセンス層を共通の一対の電極で挟んだ場合、島状エレクトロルミネッセンス層が設けられていない箇所は一対の電極同士が接触するためショートしてしまう。
【0016】
そこで、島状エレクトロルミネッセンス層が設けられていない箇所には、非導電体層(絶縁層又は半導体層)を設けることが好ましい。
【0017】
ところで、複数のエレクトロルミネッセンス層を積層させ、各エレクトロルミネッセンス層を中間層によって仕切ることによって、複数のエレクトロルミネッセンス層を直列接続されたが如く動作させることができる。
【0018】
複数のエレクトロルミネッセンス層を直列接続されたが如く動作させることによって、電流密度を上昇させることなく輝度を上昇させることができる。
【0019】
ここで、中間層として導電体層を用いる場合と非導電体層を用いる場合とがある。(なお、非導電体層からなる中間層を中間非導電体層とする。)
【0020】
中間層として非導電体層を用いる場合(中間非導電体層を用いる場合)、当該中間層を用いて一対の電極同士のショートを防止することができる。
【0021】
即ち、複数のエレクトロルミネッセンス層を積層させ、各エレクトロルミネッセンス層を中間非導電体層によって仕切る場合において、複数のエレクトロルミネッセンス層は島状に分断し、中間非導電体層は島状に分断しない。
【0022】
中間非導電体層を島状に分断しないこと(共通の中間非導電体層とすること)によって、島状エレクトロルミネッセンス層が設けられていない箇所に中間非導電体層が配置されることになり、一対の電極同士の導通を防止することができるようになる。
【0023】
つまり、第1の電極と、前記第1の電極上に設けられた複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と、前記第1の電極及び前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた中間非導電体層と、前記中間非導電層上に設けられた複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と、前記中間非導電層及び前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の電極とを有し、前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層とは対応する位置に配置されていることを特徴とする光源を提供することができる。
【0024】
また、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積とは異なっても良い。
【0025】
また、前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積は、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積よりも大きくしても良い。
【0026】
さらに、第1の電極と、前記第1の電極上に設けられた複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と、前記第1の電極及び前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第1の中間非導電体層と、前記第1の中間非導電層上に設けられた複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と、前記第1の中間非導電層及び前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の中間非導電体層と、前記第2の中間非導電層上に設けられた複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層と、前記第2の中間非導電層及び前記複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の電極とを有し、前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層とは対応する位置に配置されていることを特徴とする光源を提供することができる。
【0027】
また、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第3の島状エレクトロルミネッセンス層の面積とは異なると好ましい。
【0028】
また、前記第3の島状エレクトロルミネッセンス層の面積は、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積及び前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積よりも大きくすると好ましい。
【0029】
さらに、一対の電極と、前記一対の電極間に積層して設けられた複数の島状エレクトロルミネッセンス層と、各島状エレクトロルミネッセンス層を仕切る位置に設けられた少なくとも1つの中間非導電体層と、を備えたユニットを複数有し、前記一対の電極及び前記少なくとも1つの中間非導電体層は前記ユニット全てに共有されて設けられており、前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層は、前記ユニット毎に別々に設けられていることを特徴とする光源を提供することができる。なお、島状エレクトロルミネッセンス層の層の数をn個としたとき、中間導電層の層の数はn−1個が好ましい。但し、nは2以上の自然数である。
【0030】
また、積層して設けられた前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層は、全て異なる面積にすると好ましい。
【0031】
また、前記一対の電極の一方は、前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層のうち最上層の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられており、積層して設けられた前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層のうち、前記最上層の島状エレクトロルミネッセンス層が最も大きい面積を有すると好ましい。
【0032】
また、複数の島状エレクトロルミネッセンス層の間と重なる位置に切り取り用の破線状の孔が設けられていると好ましい。
【0033】
また、複数の島状エレクトロルミネッセンス層が一対の電極間に挟まれて設けられた光源と、前記光源に対向して設けられた導光板と、を有することを特徴とする装置を提供することができる。なお、前記光源は、両面射出型光源であると好ましい。
【0034】
複数の島状エレクトロルミネッセンス層が一対の電極間に挟まれて設けられた光源と、表示パネルと、前記光源と前記表示パネルの間に挟まれて設けられた導光板と、を有することを特徴とする装置を提供することができる。なお、前記光源は、両面射出型光源であると好ましい。
【発明の効果】
【0035】
複数の島状エレクトロルミネッセンス層を共通の一対の電極で挟むことによって、光源が劣化してしまうことを防止することができる。
【0036】
島状エレクトロルミネッセンス層が設けられていない箇所に非導電体層(絶縁層又は半導体層)を設けることによって、一対の電極同 士のショートを防止することができる。
【0037】
島状エレクトロルミネッセンス層が設けられていない箇所に設ける非導電体層に、中間非導電体層を用いることによって、別途非導電体層を形成する必要がなくなるので、エレクトロルミネッセンス素子形成に用いる層の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】光源の作製方法の一例
【図2】光源の作製方法の一例
【図3】光源の作製方法の一例
【図4】光源の作製方法の一例
【図5】光源の一例
【図6】光源の作製方法の一例
【図7】光源の作製方法の一例
【図8】光源の作製方法の一例
【図9】光源の作製方法の一例
【図10】光源の作製方法の一例
【図11】光源の作製方法の一例
【図12】光源の作製方法の一例
【図13】光源の作製方法の一例
【図14】光源の一例
【図15】光源の一例
【図16】光源の一例
【図17】光源の一例
【図18】光源の一例
【図19】光源の一例
【図20】光源の一例
【図21】光源の一例
【図22】光源の一例
【図23】光源を備えた装置の一例
【図24】光源を備えた装置の一例
【図25】光源の切断について
【図26】従来技術の例
【発明を実施するための形態】
【0039】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0040】
但し、発明の趣旨から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。
【0041】
従って、発明の範囲は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0042】
なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0043】
また、以下の実施の形態は、いくつかを適宜組み合わせて実施することができる。
【0044】
また、島状エレクトロルミネッセンス層の数、中間非導電体層の数、島状エレクトロルミネッセンス層の積層数、接続部の数等は、実施の形態及び図に記載された数に限定されない。
【0045】
(実施の形態1)
光源の作製方法の一例を図1乃至図4を用いて説明する。
【0046】
なお、断面図の破線A−Bは、斜視図の破線A−Bに対応する。
【0047】
第1の基板100上に、第1の電極200を形成し、第1の電極200上に複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層(島状エレクトロルミネッセンス層401乃至島状エレクトロルミネッセンス層409)を形成する。(図1(A)、図1(B))
【0048】
次に、複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層上及び露出している第1の電極200上に中間非導電体層300を形成する。(図2(A)、図2(B))
【0049】
つまり、中間非導電体層300は、複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層及び第1の電極200を覆って形成される。(図2(A)、図2(B))
【0050】
なお、中間非導電体層は、例えば電子供与性材料と電子受容性材料を組み合わせた層である。また、中間非導電体層は、絶縁層又は半導体層である。
【0051】
次に、中間非導電体層300上に複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層(島状エレクトロルミネッセンス層411乃至島状エレクトロルミネッセンス層419)を形成する。(図3(A)、図3(B))
【0052】
なお、複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層は複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層にそれぞれ対応する位置に配置される。(図3(A)、図3(B))第1の島状エレクトロルミネッセンス層と第2の島状エレクトロルミネッセンス層は少なくとも一部が重なっていれば良い。なお、図3では第1の島状エレクトロルミネッセンス層の中心点と第2の島状エレクトロルミネッセンス層の中心点とが一致するように重なっている。
【0053】
次に、複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層上及び露出している中間非導電体層300上に第2の電極500を形成する。(図4(A)、図4(B))
【0054】
つまり、第2の電極500は、複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層及び中間非導電体層300を覆って形成される。(図4(A)、図4(B))
【0055】
なお、複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層上に、中間非導電体層及び複数の島状エレクトロルミネッセンス層を交互に積層しても良い。
【0056】
即ち、複数の島状エレクトロルミネッセンス層の積層数は2層に限られず3層以上でも良いということである。
【0057】
また、複数の島状エレクトロルミネッセンス層を1層だけ設け、中間非導電体層を第1の電極又は第2の電極のいずれか一方の全面に接する構成としても良い。
【0058】
つまり、一対の電極の間に複数の島状エレクトロルミネッセンス層を設け、前記一対の電極の一方と前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層との間に接して中間非導電体層を設ける構成とする。
【0059】
上記構成によっても中間非導電体層からキャリアが注入されるため島状エレクトロルミネッセンス層を発光させることができる。
【0060】
次に、第2の基板を第2の電極500側に対向させてシール材を用いて封止を行う。
【0061】
なお、封止を行う前に、第2の電極500を覆う保護膜を設けることが好ましい。
【0062】
また、封止は保護膜のみで行っても良いし、保護膜と、前記保護膜上に設けられた前記保護膜を摩擦から保護する保護フィルムと、を用いても良い。
【0063】
このように、第2の基板を用いず保護膜で封止をする封止方式を膜封止と呼ぶ。膜封止を行い且つ第1の基板を可撓性の基板とすることにより、光源を薄く且つ軽くできる。
【0064】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0065】
(実施の形態2)
本実施の形態では、材料並びに作製方法について説明する。
【0066】
第1の基板及び第2の基板は、透光性を有する基板、遮光性を有する基板等を用いることができる。
【0067】
透光性を有する基板は、ガラス基板、石英基板、透光性を有するプラスチック基板等がある。
【0068】
遮光性を有する基板は、遮光性を有するプラスチック基板、金属基板(ステンレス、アルミニウム等)、半導体基板(シリコンウェハ等)、紙基板等がある。
【0069】
なお、光源は光を取り出す必要があるため、少なくとも第1の基板又は第2の基板の一方は透光性を有する。
【0070】
もちろん、第1の基板及び第2の基板の双方が透光性を有していても良い。
【0071】
なお、プラスチック基板、金属基板、紙基板等は、厚さを薄くすることにより可撓性を持たせることが容易である。
【0072】
そして、第1の基板及び第2の基板の双方を可撓性を有する基板とすることによって、可撓性を有する光源を提供することができる。
【0073】
可撓性を有する光源は柔軟性を有するので割れにくく好ましい。
【0074】
また、可撓性を有する基板を用いることにより、ハサミ、カッター等での切断が容易になるため、好みの形状に成型可能な光源を提供することもできる。
【0075】
第1の電極及び第2の電極は、金属、酸化物導電体等を用いることができるがこれらに限定されない。
【0076】
例えば、第1の電極及び第2の電極として、金属窒化物、金属酸化物、金属合金であって、導電性を有するものを用いても良い。
【0077】
第1の電極及び第2の電極は、単層構造であっても積層構造であってもよい。
【0078】
金属としては、タングステン、チタン、アルミニウム、モリブデン、金、銀、銅、白金、パラジウム、イリジウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属等があるがこれらに限定されない。
【0079】
酸化物導電体としては、インジウム錫酸化物、酸化亜鉛、インジウムを含む酸化亜鉛、インジウム及びガリウムを含む酸化亜鉛等があるがこれらに限定されない。
【0080】
なお、仕事関数の低いもの(アルカリ金属、アルカリ土類金属、マグネシウム銀合金、アルミリチウム合金、マグネシウムリチウム合金等)を陰極に適用すると好適である。
【0081】
また、仕事関数の高いもの(酸化物導電体等)を陽極に適用すると好適である。
【0082】
なお、光源は光を取り出す必要があるため、少なくとも第1の電極又は第2の電極の一方は透光性を有する。
【0083】
さらに、第1の電極及び第2の電極の双方が透光性を有しており、且つ、第1の基板及び第2の基板の双方が透光性を有していると、両面から光を取り出せる光源(両面射出型の光源)とすることができる。
【0084】
なお、酸化物導電体は透光性を有する。
【0085】
また、金属、金属窒化物、金属酸化物、金属合金であっても、膜厚が薄ければ透光性とすることができる。(膜厚は50nm以下が好ましい。)
【0086】
金属、金属窒化物、金属酸化物、金属合金等を透光性とするために膜厚を薄くすると、電極の抵抗値が上がってしまう。
【0087】
そこで、エレクトロルミネッセンス層と接する面を金属、金属窒化物、金属酸化物、金属合金等としておき、エレクトロルミネッセンス層と接しない面を酸化物導電体とすることにより電極の抵抗値を下げることができる。
【0088】
特に、エレクトロルミネッセンス層と接する面に仕事関数の低い材料を使用する場合は、仕事関数及び抵抗値の両方を好適なものにすることができるので好ましい。
【0089】
中間非導電体層は、エレクトロルミネッセンス素子に電圧を印加したときに、陰極方向にホールを注入し、陽極方向に電子を注入する役割を果たす層(電荷発生層)である。
【0090】
具体的には、中間非導電体層には電子供与性材料と電子受容性材料を組み合わせた層を用いると好ましい。
【0091】
つまり、電子供与性材料と電子受容性材料を組み合わせた層は、電子供与性材料と電子受容性材料との混合物からなる混合層、電子供与性材料と電子受容性材料との積層体からなる層、電子供与性材料と電子受容性材料との混合物からなる混合層を複数層積層させた層、電子供与性材料と電子受容性材料との混合物からなる混合層を複数層積層させ且つ混合層の間にバッファとなる有機化合物層を挿入した層等があるがこれらに限定されない。
【0092】
即ち、中間非導電体層は、エレクトロルミネッセンス素子に電圧を印加したときに、陰極方向にホールを注入し、陽極方向に電子を注入する役割を果たす層であればどのようなものでも好ましいといえる。
【0093】
さらに、電子供与性材料と電子受容性材料を組み合わせた層は、酸化還元反応による電荷移動錯体を形成するようなものを用いると好ましい。
【0094】
例えば、電子供与性材料として有機化合物を用い、電子受容性材料として遷移金属酸化物を用いることができる。
【0095】
遷移金属酸化物として、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム等があるがこれらに限定されない。
【0096】
なお、遷移金属酸化物に対して電子供与性材料となるものは、アミン系化合物(特に、アリールアミン化合物)、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、Alq等があるがこれらに限定されない。
【0097】
また、電子供与性材料としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物(有機金属錯体、金属の有機塩、金属の無機塩、酸化物、ハロゲン化物等)、アルカリ土類金属化合物(有機金属錯体、金属の有機塩、金属の無機塩、酸化物、ハロゲン化物等)等があるがこれらに限定されない。
【0098】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等に対して電子受容性材料となるものは、金属キレートオキシノイド化合物、ブタジエン誘導体等があるがこれらに限定されない。
【0099】
また、F−TCNQ、TCNQ等の電子受容性材料と、アミン系材料(アリールアミン化合物等)等の電子供与性材料と、の組み合わせでも良い。
【0100】
もちろん、上記のような組み合わせに限定されず、電子供与性材料と電子受容性材料を組み合わせた層は、電荷移動錯体を形成し得るようなものであればどのようなものでも用いることができる。
【0101】
エレクトロルミネッセンス層は、少なくとも有機化合物を含む発光層を有する。
【0102】
エレクトロルミネッセンス層は、発光層の他に電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層等を有していても良い。
【0103】
エレクトロルミネッセンス層は、電圧を印加することにより発光するものであれば限定されない。
【0104】
したがって、エレクトロルミネッセンス層は、有機エレクトロルミネッセンス層でも良いし、無機エレクトロルミネッセンス層でも良い。
【0105】
保護膜は、ダイヤモンドライクカーボン、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等の無機化合物を用いると水分をブロックできるので好ましいがこれらに限定されない。また、保護膜は単層構造でも積層構造でも良い。
【0106】
なお、中間非導電体層、エレクトロルミネッセンス層、第1の電極、第2の電極等を所望の形状に加工する方法は、フォトリソグラフィを用いた方法、メタルマスクを用いた方法等を用いれば良い。また、インクジェット法等を用いて直接的にパターン(複数の島状エレクトロルミネッセンス層)を形成してもよい。
【0107】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0108】
(実施の形態3)
図5は光源のうち1ユニットを抜粋して示した図である。
【0109】
図5(A)のように島状エレクトロルミネッセンス層401と島状エレクトロルミネッセンス層411とを同じ大きさ(面積(表面の面積))にすると、破線の楕円で囲ったように段差の高さが高くなり、第2の電極500が段切れを生じやすくなる。段切れとは所定の層の側面に膜が被覆されない状態をいう。
【0110】
したがって、図5(B)、図5(C)で示したように、島状エレクトロルミネッセンス層401と島状エレクトロルミネッセンス層411とを異なる大きさ(面積(表面の面積))とすることによって、破線の楕円で囲ったように階段状の断面となるので、段差の高さが低くなり、第2の電極500の段切れの可能性を低減することができる。
【0111】
なお、第2の電極500の段切れを起こして、第2の電極に切れ目が生じてしまうと、切れ目から水分が侵入して島状エレクトロルミネッセンス層が劣化を生じやすくなってしまうので好ましくない。
【0112】
つまり、積層した島状エレクトロルミネッセンス層の端部(エッジ部)同士が重ならないように配置すると好ましい。
【0113】
また、図5(A)〜(C)の島状エレクトロルミネッセンス層411の実線の円で囲った部分は、上面と側面から電圧が印加されるため電界が集中しやすい。
【0114】
電界が集中するとエレクトロルミネッセンス層は劣化しやすくなる。
【0115】
そこで、図5(C)のように、島状エレクトロルミネッセンス層411の端部(エッジ部)を島状エレクトロルミネッセンス層401の端部(エッジ部)よりも外側に配置すると好ましい。
【0116】
島状エレクトロルミネッセンス層を積層した構造のエレクトロルミネッセンス素子において、島状エレクトロルミネッセンス層同士が重なる位置にある領域が最も輝度が強くなる。
【0117】
そのため、図5(C)のように島状エレクトロルミネッセンス層同士が重ならない領域を犠牲領域として用いることによって、島状エレクトロルミネッセンス層同士が重なる位置にある領域の電界集中による劣化を防止することができるので好ましい。
【0118】
なお、島状エレクトロルミネッセンス層411が電界集中により劣化してしまうと、劣化した箇所の抵抗が高くなってしまうので、劣化した箇所と重なる位置の島状エレクトロルミネッセンス層401に流れる電流が減ってしまう。
【0119】
島状エレクトロルミネッセンス層401に流れる電流が減ってしまうと輝度が低下してしまうのである。
【0120】
一方、下層である島状レクトロルミネッセンス層401の端部(エッジ部)は中間非導電体層300によって保護されているので電界集中が緩和されている。
【0121】
したがって、電界集中による劣化の影響を最も受ける層は最上層の島状エレクトロルミネッセンス層である。
【0122】
よって、最上層の島状エレクトロルミネッセンス層の大きさ(面積(表面の面積))を最も大きくすることが好ましいといえる。島状エレクトロルミネッセンス層の積層数が3層以上になっても同様である。
【0123】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0124】
(実施の形態4)
図5(B)の光源の作製方法を図6〜図9を用いて説明する。
【0125】
なお、図6〜図9では説明の簡略化のため1ユニットだけ図示したが、実際は図1〜図4のように複数のユニットを同一基板上に形成する。
【0126】
また、断面図の破線A−Bは、斜視図である図6(A)の破線A−Bに対応する。
【0127】
第1の基板100上に、第1の電極200を形成し、第1の電極200上に島状エレクトロルミネッセンス層401を形成する。(図6(A)、図6(B))
【0128】
次に、島状エレクトロルミネッセンス層401上及び露出している第1の電極200上に中間非導電体層300を形成する。(図7(A)、図7(B))
【0129】
つまり、中間非導電体層300は、島状エレクトロルミネッセンス層401及び第1の電極200を覆って形成される。(図7(A)、図7(B))
【0130】
次に、中間非導電体層300上に島状エレクトロルミネッセンス層411を形成する。(図8(A)、図8(B))
【0131】
次に、島状エレクトロルミネッセンス層411上及び露出している中間非導電体層300上に第2の電極500を形成する。(図9(A)、図9(B))
【0132】
つまり、第2の電極500は、島状エレクトロルミネッセンス層411及び中間非導電体層300を覆って形成される。(図9(A)、図9(B))
【0133】
本実施の形態では、島状エレクトロルミネッセンス層411が島状エレクトロルミネッセンス層401よりも一回り小さくなるようにした。
【0134】
つまり、島状エレクトロルミネッセンス層411の周辺端部(全ての端部)が、島状エレクトロルミネッセンス層401の周辺端部(全ての端部)の内側に配置されるようにした。
【0135】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0136】
(実施の形態5)
図5(C)の光源の作製方法を図10〜図13を用いて説明する。
【0137】
なお、図10〜図13では説明の簡略化のため1ユニットだけ図示したが、実際は図1〜図4のように複数のユニットを同一基板上に形成する。
【0138】
また、断面図の破線A−Bは、斜視図の破線A−Bに対応する。
【0139】
第1の基板100上に、第1の電極200を形成し、第1の電極200上に島状エレクトロルミネッセンス層401を形成する。(図10(A)、図10(B))
【0140】
次に、島状エレクトロルミネッセンス層401上及び露出している第1の電極200上に中間非導電体層300を形成する。(図11(A)、図11(B))
【0141】
つまり、中間非導電体層300は、島状エレクトロルミネッセンス層401及び第1の電極200を覆って形成される。(図11(A)、図11(B))
【0142】
次に、中間非導電体層300上に島状エレクトロルミネッセンス層411を形成する。(図12(A)、図12(B))
【0143】
次に、島状エレクトロルミネッセンス層411上及び露出している中間非導電体層300上に第2の電極500を形成する。(図13(A)、図13(B))
【0144】
つまり、第2の電極500は、島状エレクトロルミネッセンス層411及び中間非導電体層300を覆って形成される。(図13(A)、図13(B))
【0145】
本実施の形態では、島状エレクトロルミネッセンス層411が島状エレクトロルミネッセンス層401よりも一回り大きくなるようにした。
【0146】
つまり、島状エレクトロルミネッセンス層411の周辺端部(全ての端部)が、島状エレクトロルミネッセンス層401の周辺端部(全ての端部)の外側に配置されるようにした。
【0147】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0148】
(実施の形態6)
図1〜図13では島状エレクトロルミネッセンス層の積層数を2層としたが、島状エレクトロルミネッセンス層の積層数を2層以上としても良い。(図14、図15)
【0149】
図14、図15では、3層を例示するために、中間非導電体層310と、島状エレクトロルミネッセンス層421を追加している。
【0150】
もちろん、積層数は4層以上でも良い。
【0151】
そして、図14(A)の破線の楕円で囲ったように、島状エレクトロルミネッセンス層の端部が重なっていると、積層数が増えるほど段切れの可能性が高くなる。
【0152】
そこで、図14(B)のように、上層の島状エレクトロルミネッセンス層になるほど一回りずつ小さくしていくことにより、段切れの可能性を低くすることができる。(破線の楕円参照。)
【0153】
また、図15(A)のように、上層の島状エレクトロルミネッセンス層になるほど一回りずつ大きくしていくことにより、段切れの可能性を低くすることができる。(破線の楕円参照。)
【0154】
また、図15(B)のように中央の島状エレクトロルミネッセンス層を最も小さくすることで段切れの可能性を低くしても良い。(破線の楕円参照。)
【0155】
つまり、各島状エレクトロルミネッセンス層のうち、少なくとも一つの島状エレクトロルミネッセンス層の大きさ(面積(表面の面積))が異なっていれば、段切れの可能性が低減できる。
【0156】
但し、各島状エレクトロルミネッセンス層の大きさ(面積(表面の面積))が全て異なっている場合が最も効果が高いといえる。
【0157】
即ち、各島状エレクトロルミネッセンス層の端部(エッジ部)が全てずれていると好ましい。
【0158】
また、図15(A)、(B)の実線の円で囲ったように、最上層の島状エレクトロルミネッセンス層を最も大きくすることによって、最上層の島状エレクトロルミネッセンス層の外側の領域を犠牲領域として用いることができる。
【0159】
犠牲領域を設けることによって、島状エレクトロルミネッセンス層同士が重なる位置にある領域の電界集中による劣化を防止することができるので好ましい。
【0160】
なお、本実施の形態では中間非導電体層300と中間非導電体層310の双方を、第1の電極200と第2の電極500のショート防止層として用いた。
【0161】
中間非導電体層300と中間非導電体層310のいずれか一方だけをショート防止層として用いてもよい。
【0162】
即ち、中間非導電体層300と中間非導電体層310のいずれか他方を島状にしても良い。
【0163】
つまり、中間非導電体層が複数層ある場合は、少なくとも一つの中間非導電体層がショート防止層となれば良い。
【0164】
但し、複数の中間非導電体層の全てをショート防止層として用いた方が、抵抗値の増加及び段切れの防止の観点から好ましいといえる。
【0165】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0166】
(実施の形態7)
図16(A)は、中間非導電体層として遷移金属酸化物層611と有機化合物層621との積層構造にした例である。
【0167】
この場合、遷移金属酸化物層611と有機化合物層621の界面において電荷移動錯体が形成される。
【0168】
また、有機化合物層621が正孔輸送性の材料(例えばアリールアミン化合物等)のような場合、図16(B)のように有機化合物層621を中間非導電体層の一部と島状エレクトロルミネッセンス層411の一部として兼用させても良い。
【0169】
なお、図16(B)のように有機化合物層621を島状とした方が、水分の浸透しやすい有機化合物層621の内部を水分が浸透していくことがないので好ましい。なお、遷移金属化合物は非常に水分を浸透しにくい性質を有する。
【0170】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0171】
(実施の形態8)
光源の電源供給構造について説明する。
【0172】
図17は電源供給構造の一例である。
【0173】
図17(A)の破線A−B−Cが、図17(B)の破線A−B−Cに対応する。
【0174】
島状エレクトロルミネッセンス層が形成された発光領域において、発光領域の周囲に配置された第2のシール材702と第2の基板110とに囲まれた領域に第1のシール材701が充填されている。
【0175】
なお、保護膜600も設けられている。
【0176】
一方、接続部において、中間非導電体層300の一部に開口部が設けられており、開口部において第1の電極200が露出している。
【0177】
また、接続部において、第2の電極500が延在して設けられている。
【0178】
このように、接続部において、第1の電極及び第2の電極を露出させることによって電源の供給が可能となる。
【0179】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0180】
(実施の形態9)
光源の電源供給構造について説明する。
【0181】
図18及び図19は電源供給構造の一例である。
【0182】
図18(A)の破線A−Bが、図18(B)の破線A−Bに対応する。
【0183】
図19(A)の破線A−Bが、図19(B)の破線A−Bに対応する。
【0184】
図18では、接続部が発光領域に囲まれて配置されている。
【0185】
そのため、図18において、第2の基板110には開口部が設けられている。
【0186】
そして、接続部では、第1の電極及び第2の電極が露出した構造となっている。
【0187】
また、図19では複数の接続部が発光領域に囲まれて配置されている。
【0188】
そのため、図19において、第2の基板110には複数の開口部が設けられている。
【0189】
また、図18及び図19において、島状エレクトロルミネッセンス層が形成された発光領域において、発光領域の周囲に配置された第2のシール材702と第3のシール材703と第2の基板110とに囲まれた領域に第1のシール材701が充填されている。
【0190】
なお、保護膜600も設けられている。
【0191】
接続部が発光領域に囲まれて配置されていることによって、第1の基板100の面積を小さくできる。
【0192】
さらに、図19のように島状エレクトロルミネッセンス層の間に接続部を設けることによって、発光領域の面積を広くすることができる。
【0193】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0194】
(実施の形態10)
図20に示すように、島状エレクトロルミネッセンス層を環状(円環状、多角環状等)にしても良い。
【0195】
図20(A)の破線A−Bが、図20(B)、図20(C)の破線A−Bに対応する。
【0196】
図20(B)は島状エレクトロルミネッセンス層を環状(円環状、多角環状等)にした場合において、島状エレクトロルミネッセンス層411を島状エレクトロルミネッセンス層401よりも一回り小さくしたものである。
【0197】
即ち、島状エレクトロルミネッセンス層411の端部の一方は、島状エレクトロルミネッセンス層401の端部の一方より内側に配置されている。
【0198】
また、島状エレクトロルミネッセンス層411の端部の他方は、島状エレクトロルミネッセンス層401の端部の他方より内側に配置されている。
【0199】
つまり、島状エレクトロルミネッセンス層411の2つの端部の双方が、島状エレクトロルミネッセンス層401の2つの端部の双方よりも内側に配置されている。
【0200】
図20(C)は島状エレクトロルミネッセンス層を環状(円環状、多角環状等)にした場合において、島状エレクトロルミネッセンス層411を島状エレクトロルミネッセンス層401よりも一回り大きくしたものである。
【0201】
即ち、島状エレクトロルミネッセンス層411の端部の一方は、島状エレクトロルミネッセンス層401の端部の一方より外側に配置されている。
【0202】
また、島状エレクトロルミネッセンス層411の端部の他方は、島状エレクトロルミネッセンス層401の端部の他方より外側に配置されている。
【0203】
つまり、島状エレクトロルミネッセンス層411の2つの端部の双方が、島状エレクトロルミネッセンス層401の2つの端部の双方よりも外側に配置されている。
【0204】
図20(B)、(C)のような構成とすることによって、島状エレクトロルミネッセンス層を環状とした場合でも第2の電極500が段切れする可能性を低減することができる。
【0205】
また、図20(C)のような構成とすることによって、島状エレクトロルミネッセンス層を環状とした場合でも犠牲領域を形成することができる。
【0206】
なお、島状エレクトロルミネッセンス層の積層数は3層以上でも良い。
【0207】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0208】
(実施の形態11)
島状エレクトロルミネッセンス層を環状とした場合の接続部の設け方について説明する。
【0209】
図21(A)は接続部5000を中心部のスペースに設けたものである。
【0210】
図21(B)は環状の島状エレクトロルミネッセンス層に切り欠き部を形成し、切り欠き部の内部にそれぞれ接続部5001、接続部5002、接続部5003を設けたものである。
【0211】
接続部の形成方法は他の実施の形態に記載されているように、第1の電極と第2の電極とが露出するようにすれば良い。
【0212】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0213】
(実施の形態12)
複数の島状エレクトロルミネッセンス層を形成することによって、光源を自由な形状に成型することが可能となる。
【0214】
即ち、従来の光源ではエレクトロルミネッセンス層が全面に形成されていたため、光源を切断すると、エレクトロルミネッセンス層の側面が露出してしまう。
【0215】
側面が露出するとエレクトロルミネッセンス層全体が劣化してしまい光源として機能しなくなっていた。
【0216】
ところが、複数の島状エレクトロルミネッセンス層を形成することにより上記問題を解決することができる。
【0217】
図25(A)は切断前の光源である。
【0218】
図25(B)は切断後の光源である。
【0219】
図25において、白い島状部分が側面が露出していない島状エレクトロルミネッセンス層、黒い島状部分が側面が露出した島状エレクトロルミネッセンス層、破線部分が切断箇所である。
【0220】
図25から明らかなように、切断箇所と重なる位置に形成された島状エレクトロルミネッセンス層は側面が露出して発光しなくなるが、切断箇所と重ならない島状エレクトロルミネッセンス層は側面が露出していないので発光が維持される。
【0221】
したがって、自由な形状に成型可能な光源を提供することができる。
【0222】
なお、第1の基板又は第2の基板がガラス基板、石英基板等のように硬い場合はレーザーカット、ダイシング装置等でカットすれば良い。
【0223】
一方、可撓性の光源のように基板自体が柔らかい場合は、ハサミ、カッター等の簡易的な切断道具で切断が可能であるので、誰でも簡単に成型できるため家庭、学校等で楽しむことができる。
【0224】
なお、切断を行うときは接続部が残るように切断を行うことが好ましい。
【0225】
一方、図18、図21(A)のように接続部が発光領域に囲まれて配置されていると、接続部を中心に切断を行えば良いので、切断後の形状が制約されない。
【0226】
また、図19、図21(B)のように複数の接続部を設けておく構成は接続部の位置を気にせずに切断ができるので非常に好ましい。
【0227】
さらに、接続部が一つしかないと接続部が残っていない切れ端はゴミになるが、複数の接続部があれば切れ端も発光させることができるので光源として再利用することができる。
【0228】
また、図22(A)、図22(B)に示すように、切り取り用の破線状の孔(ミシン目)を設けておくことによって、切断道具を使用しなくとも切断ができるので家庭、学校等で簡便に切断ができる。
【0229】
切り取り用の破線状の孔(ミシン目)はレーザーカット等で精密に形成しておくと好ましい。
【0230】
また、切り取り用の破線状の孔(ミシン目)は第1及び第2の基板、シール材、第1及び第2の電極、非導電体層、保護膜等を全て貫いて形成される。
【0231】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0232】
(実施の形態13)
図23は、両面射出型光源2001に対向して導光板2002を配置した装置である。
【0233】
両面射出型光源2001はエレクトロルミネッセンス層を島状に分割したので面均一な光ではない。
【0234】
そこで、導光板2002を設けることによって面均一な光としている。
【0235】
さらに、導光板2002が配置されていない面においては面均一でない光となる。
【0236】
よって、島状エレクトロルミネッセンス層をマークを形成するように並べれば、一方では面均一に光り、他方からマークが光る構成とすることができるので、実用とおしゃれを兼ね備えた装置(又は発光パネル)を提供することができる。また、面均一な光を得ることを目的とする場合は片面射出型光源としてもよい。片面射出型光源とした場合、導光板は片面射出型光源の光が射出される側に設ける。
【0237】
また、例えば、図24に示すように、導光板2002を、両面射出型光源2001と表示パネル2003とで挟むことにより、一方の面で表示が楽しめ、他方の面ではマークが光る装置(又は表示装置)を提供することが可能である。また、面均一な光を得ることを目的とする場合は片面射出型光源としてもよい。片面射出型光源とした場合、導光板は片面射出型光源の光が射出される側に設ける。
【0238】
なお、表示パネルとしては液晶表示パネル、マイクロカプセルを用いた電気泳動式表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、無機エレクトロルミネッセンス表示パネル等があるがこれらに限定されない。
【0239】
液晶表示パネル、電気泳動式表示パネル等は光変調方式の表示パネルである。
【0240】
有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、無機エレクトロルミネッセンス表示パネル等は自発光方式の表示パネルである。
【0241】
自発光方式の表示パネルにバックライトを設けることによって明るさを補充することができる。
【0242】
明るさを補充する場合としては例えば自発光方式の表示パネルが劣化して表示が暗くなった場合、明るい場所で表示が見にくい場合等がある。
【0243】
自発光方式の表示パネルにバックライトを設ける場合、自発光方式の表示パネルの発光領域に光が透過するように自発光方式の表示パネルの有する発光素子の有する一対の電極が透光性であることが好ましい。
【0244】
マークとは、例えば、タイル状(図22(A)等)、複数の環状(図22(B)等)、記号、文字、数字、幾何学的模様等があるがこれらに限定されない。
【0245】
一方の面をより面均一にするためには、タイル状(図22(A)等)、複数の環状(図22(B)等)等の島状エレクトロルミネッセンス層が密に並べられた構成が好ましい。
【0246】
なお、導光板は、樹脂板(アクリル板等)に拡散剤を混入させて光拡散させるもの、樹脂板(アクリル板等)に表面加工を施し光拡散させるもの等を用いることができるがこれらに限定されない。。なお、導光板にはフィルム状のものも含まれる。なお、導光板2002は必須の構成ではないので必要に応じて設ければ良い。
【0247】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0248】
(実施の形態14)
ユニット毎に発光色を異ならせても良い。
【0249】
また、ユニット内において積層された島状エレクトロルミネッセンス層毎に発光色を異ならせても良い。
【0250】
さらに、ユニット内において積層された島状エレクトロルミネッセンス層毎に発光色を異ならせ、且つ、ユニット毎に発光色を異ならせても良い。
【0251】
このように発光色を異ならせることによって様々な色、様々なマーク等を表現できるので好ましい。
【0252】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0253】
10 基板
20 第1の電極
30 エレクトロルミネッセンス層
40 第2の電極
80 ピンホール
91 水分
92 水分
100 第1の基板
110 第2の基板
200 第1の電極
200 第1の電極
300 中間非導電体層
310 中間非導電体層
401 島状エレクトロルミネッセンス層
402 島状エレクトロルミネッセンス層
403 島状エレクトロルミネッセンス層
404 島状エレクトロルミネッセンス層
405 島状エレクトロルミネッセンス層
406 島状エレクトロルミネッセンス層
407 島状エレクトロルミネッセンス層
408 島状エレクトロルミネッセンス層
409 島状エレクトロルミネッセンス層
411 島状エレクトロルミネッセンス層
412 島状エレクトロルミネッセンス層
413 島状エレクトロルミネッセンス層
414 島状エレクトロルミネッセンス層
415 島状エレクトロルミネッセンス層
416 島状エレクトロルミネッセンス層
417 島状エレクトロルミネッセンス層
418 島状エレクトロルミネッセンス層
419 島状エレクトロルミネッセンス層
421 島状エレクトロルミネッセンス層
500 第2の電極
600 保護膜
701 第1のシール材
702 第2のシール材
703 第3のシール材
2001 両面射出型光源
2002 導光板
2003 表示パネル
5000 接続部
5001 接続部
5002 接続部
5003 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、
前記第1の電極上に設けられた複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と、
前記第1の電極及び前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた中間非導電体層と、
前記中間非導電層上に設けられた複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と、
前記中間非導電層及び前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の電極とを有し、
前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層とは対応する位置に配置されていることを特徴とする光源。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積とは異なることを特徴とする光源。
【請求項3】
請求項1において、
前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積は、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積よりも大きいことを特徴とする光源。
【請求項4】
第1の電極と、
前記第1の電極上に設けられた複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と、
前記第1の電極及び前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第1の中間非導電体層と、
前記第1の中間非導電層上に設けられた複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と、
前記第1の中間非導電層及び前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の中間非導電体層と、
前記第2の中間非導電層上に設けられた複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層と、
前記第2の中間非導電層及び前記複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられた第2の電極とを有し、
前記複数の第1の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第2の島状エレクトロルミネッセンス層と前記複数の第3の島状エレクトロルミネッセンス層とは対応する位置に配置されていることを特徴とする光源。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積と、前記第3の島状エレクトロルミネッセンス層の面積とは異なることを特徴とする光源。
【請求項6】
請求項4において、
前記第3の島状エレクトロルミネッセンス層の面積は、前記第1の島状エレクトロルミネッセンス層の面積及び前記第2の島状エレクトロルミネッセンス層の面積よりも大きいことを特徴とする光源。
【請求項7】
一対の電極と、前記一対の電極間に積層して設けられた複数の島状エレクトロルミネッセンス層と、各島状エレクトロルミネッセンス層を仕切る位置に設けられた少なくとも1つの中間非導電体層と、を備えたユニットを複数有し、
前記一対の電極及び前記少なくとも1つの中間非導電体層は前記ユニット全てに共有されて設けられており、
前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層は、前記ユニット毎に別々に設けられていることを特徴とする光源。
【請求項8】
請求項7において、
積層して設けられた前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層は、全て異なる面積であることを特徴とする光源。
【請求項9】
請求項7において、
前記一対の電極の一方は、前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層のうち最上層の島状エレクトロルミネッセンス層を覆って設けられており、
積層して設けられた前記複数の島状エレクトロルミネッセンス層のうち、前記最上層の島状エレクトロルミネッセンス層が最も大きい面積を有することを特徴とする光源。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の光源と、
前記光源に対向して設けられた導光板と、を有することを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の光源と、
表示パネルと、
前記光源と前記表示パネルの間に挟まれて設けられた導光板と、を有することを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10又は請求項11において、
前記光源は、両面射出型光源であることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−40373(P2011−40373A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158439(P2010−158439)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】