説明

光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法

【課題】 組み立てが容易であって、光源用素子の放熱を個別に確実に行える光源装置、この光源装置を用いたプロジェクタ、及び、この光源装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 光源装置は、半導体を内蔵する円柱状のシリンダ部71bの後端から外方に突出するフランジ部71aを有する光源用素子71と、上記光源用素子71を収納する穴部79dを備え、穴部79dは前面から後面に貫通して前面側を上記光源用素子71のフランジ部71aよりも小さな径の貫通部79eとし、後面側をフランジ部71aに近似する径とした螺子穴部79bとして、貫通部79eと螺子穴部79bとの間にフランジ部71aの前面に接する押圧部79aを有する光源用ホルダ79と、螺子穴部79bに螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材84と、光源用ホルダ79の後面に接触配置されるリアホルダ91と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、この光源装置を備えるプロジェクタ、及び、この光源装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させるものである。
【0003】
そして、プロジェクタは、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤーなどの映像機器の普及に伴って、業務用プレゼンテーションから家庭用に至るまで、用途が拡大している。このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として複数のレーザーダイオード等の半導体発光素子を用い、それに伴い複数のレンズやミラー等の光学部品により構成される光源装置の開発や提案が多々なされている。
【0004】
そして、下記に示す特許文献1には、半導体レーザーモジュールを、高精度にアライメントされた位置に簡単に固定することができ、所望の輝度を有する光源装置であって、光学レンズの後方に光軸と直交するように固定した前側固定板と、光学レンズの前方に位置させた光ファイバーの光入射端の一点に、光学レンズを介してレーザー光が集光するように、前側固定板上で光軸直交方向にアライメントされて前側固定板に接着固定された半導体レーザーモジュールと、弾性体シートが付着され弾性体シートが半導体レーザーモジュールを前側固定板に向けて押圧するように、半導体レーザーモジュールを挟んで前側固定板の四隅の四箇所に螺子止めされる後側固定板と、を備える光源装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−109663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の光源装置では、高精度のアライメント調整が可能であり、且つ、半導体レーザーの放熱も可能とするものではあるも、4箇所の螺子を均等に締め付ける必要があり、調整に手数を要し、フランジ部に不均等な応力を加えることにより半導体レーザーモジュールの性能を損なわせる虞があり、また、放熱を効率的に行うことができない等の欠点があった。
【0007】
本発明は上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、組み立てが容易であって、光源用素子の放熱を個別に確実に行える光源装置、この光源装置を用いたプロジェクタ、及び、この光源装置の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光源装置は、シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前面側を前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部とし、後面側を前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部として、前記貫通部と前記螺子穴部との間に前記フランジ部の前面に接する押圧部を有する光源用ホルダと、前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のプロジェクタは、光源装置と、表示素子と、前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、前記光源装置が、上述の本発明の光源装置であることを特徴とする。
【0010】
本発明の光源装置の製造方法は、シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部と前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部とされて前面に接する押圧部とを有する光源用ホルダと、前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、を備える光源装置の製造方法であって、前記光源用素子を前記光源用ホルダの前記穴部に後方から挿入する工程と、前記環状部材を前記穴部に後方から螺入して前記光源用素子の前記フランジ部の前面を前記押圧部に押圧する工程と、前記光源用ホルダの後面に前記リアホルダを固定する工程と、前記穴部に収納された前記光源用素子のリード端子をフレキシブル基板に接続する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組み立てが容易であって、光源用素子の放熱を個別に確実に行える光源装置、この光源装置を用いたプロジェクタ、及び、光源装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプロジェクタの機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光源装置の断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光源装置の環状部材の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光源装置の環状部材の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光源装置のリアホルダの斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る光源装置の組み込みの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0014】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIR受信部を備えている。
【0015】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0016】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0017】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0018】
この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0019】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0020】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0021】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。そして、このプロジェクタ10は、光源ユニット60から射出された光線束を後述の光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0022】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0023】
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0024】
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、IR受信部35で受信され、IR処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0025】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0026】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる個別の制御を行う。
【0027】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をオフにする等の制御も行う。
【0028】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0029】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光の光軸が同一の光軸となるように変換して、各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光する導光光学系140と、を備える。
【0030】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の励起光源71から成る光源群72、各励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する複数の反射ミラー75、複数の反射ミラー75で反射した各励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78、及び、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
【0031】
光源群72は、複数の青色レーザー発光器とされる励起光源71が3行8列で計24個からなるマトリクス状に配列されている。また、各励起光源71の光軸上には、各励起光源71からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。そして、複数の反射ミラー75は、階段状に配列されて、各励起光源71から射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群72から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ78に向けて反射する。なお、本発明の光源装置である励起光照射装置70の詳細な構成については、後で説明する。
【0032】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には2つの冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー75や集光レンズ78が冷却される。
【0033】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、励起光照射装置70から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。
【0034】
蛍光ホイール101は、励起光照射装置70からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する緑色蛍光発光領域と、励起光照射装置70からの射出光を拡散透過する拡散透過領域と、が周方向に並設してなる。また、緑色蛍光発光領域における基材は銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材の背面パネル13側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されており、このミラー加工された表面に緑色蛍光体の層が敷設されている。さらに、拡散透過領域における基材は透光性を有する透明基材であって、この基材の表面には、サンドブラスト等によって微細凹凸が形成されている。
【0035】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、蛍光ホイール101の拡散透過領域に照射された励起光照射装置70からの射出光は、微細凹凸によって拡散された拡散透過光として集光レンズ115に入射する。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光発光装置100等が冷却される。
【0036】
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える単色発光装置である。この赤色光源121は、赤色波長帯域の光を発する赤色発光ダイオードである。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0037】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光とが交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0038】
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
【0039】
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0040】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0041】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0042】
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としてのコンデンサレンズ195が配置されている。
【0043】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0044】
次に、本発明の青色波長帯域光を発する光源装置であるとともに、緑色波長帯域光を発する光源装置における励起光照射装置70である青色レーザーダイオードからなる励起光源71、環状部材84及び各部材を保持する光源用ホルダ79を有する光源装置の構成について図を用いて詳細に説明する。
【0045】
図4は、光源装置の構造を示す断面図である。図5及び図6は、光源装置における環状部材の斜視図である。なお、本実施形態において、本発明の光源装置における左右とは、図4に示す励起光源71の光射出方向に対しての左右を示し、前後については、励起光源71の光射出方向を前方向とする。
【0046】
光源装置は、図4に示すように、光源用素子である励起光源71と、光源用ホルダ79と、螺子穴部79bに螺入される円筒形にして外周面に螺子の溝84cが形成された環状部材84と、光源用ホルダ79の後面に接触配置されるリアホルダ91と、を備える。
【0047】
励起光源71は、半導体を内蔵する円柱状のシリンダ部71bの後端から外方に突出するフランジ部71aを有して青色波長帯域光を発する光源用素子である青色レーザーダイオードである。
【0048】
光源用ホルダ79は、アルミニウム又は銅などの熱伝導材の厚肉方形状であって、励起光源71を収納する穴部79dを備え、穴部79dは、前面から後面に貫通して前面側を励起光源71のフランジ部71aよりも小さな径の貫通部79eとし、後面側をフランジ部71aに近似する径として螺子溝79fを形成した螺子穴部79bとして、貫通部79eと螺子穴部79bとの間にフランジ部71aの前面に接する押圧部79aを有する
【0049】
また、光源用ホルダ79は、光源用ホルダ79の穴部79dの前端に、貫通部79eよりも径が大きくされて、励起光源71から出射される光を集光するコリメータレンズ73を保持するレンズ収納部79cを有する。
【0050】
そして、光源用ホルダ79は、穴部79dが複数設けられ、該穴部79dがマトリクス状に配置されているものである。
【0051】
さらに、光源用ホルダ79は、後端面から光源用ホルダ79の押圧部79aまでの深さが、励起光源71のフランジ部71aの厚みと後述する環状部材84の厚みよりも大きくされており、穴部79dに収納された励起光源71の後方から環状部材84を螺入した状態で、環状部材84の後面が、穴部79d内側に位置している。
【0052】
このため、環状部材84の後端面が光源用ホルダ79の後端から突出することなく、光源用ホルダ79の後端面を平面とし、平面とされたリアホルダ91の前面に対して、光源用ホルダ79の後端面を確実に密着させることができる。
【0053】
また、光源用ホルダ79の前面には、レンズ収納部79cの径よりも小さな穴を備えたレンズ押え部材である押え板89を有する。
【0054】
押え板89は、薄板板状の金属材であって、光源用ホルダ79に収容したコリメータレンズ73を、移動しないように前方から固定させて押えるものである。
【0055】
環状部材84は、アルミニウム又は銅などの熱伝導材による止め螺子であって、中央に孔部84aを有する略円柱形状で、外周側面には螺子の溝84cが形成されている。
【0056】
また、環状部材84には、図5及び図6に示すように、後方の孔部84aを挟んで円柱形状の環状面に、光源用ホルダ79の螺子穴部79bの後方から、光源用ホルダ79に環状部材84を螺入させるための直線状に形成した締結用の切り溝84bが切られている。
【0057】
そして、環状部材84における孔部84aは、光源装置の組み込みにあたって、励起光源71のリード端子71c(+−電圧印加用の2本と短いダミー端子1本)を挿通させるためのものである。
【0058】
そして、光源用ホルダ79の後面に密着させるリアホルダ91は、平板形状のアルミニウム又は銅などの熱伝導材であって、図7に示すように、リアホルダ91の外縁に至る8本の溝部91aを備える。
【0059】
また、先述のとおり、励起光源71が3行8列で計24個からなるマトリクス状に配列されていることにより、3個の励起光源71を一ブロックとして、ブロック毎に溝部91aを形成したリアホルダ91の8個の溝部91aに配置するフレキシブル基板90を用いて励起光源71のリード端子71cを図示しない制御回路基板241に接続するものである。
【0060】
このようにして、リアホルダ91の後面に溝部91aを形成することにより、フレキシブル基板90の配置を容易としつつ、溝部91a以外の部分でリアホルダ91とリアホルダ91の後面に配置させるヒートシンク81との接触面積を確保することにより、放熱効果を高めることができる。
【0061】
なお、リアホルダ91は、リアホルダ91の後面に複数の放熱フィンを有するように取り付け可能としてヒートシンクの機能を有するものであってもよく、この場合、リアホルダ91の前面にフレキシブル基板90を配置する溝部91aを形成するようにしても構わない。
【0062】
次に、本発明の光源装置の製造方法の流れについて図を用いて説明する。図8は、光源装置の製造方法の流れを示す図である。
【0063】
この光源装置は、先述のとおり、シリンダ部71bの後端から外方に突出するフランジ部71aを有する光源用素子である励起光源71と、励起光源71を収納する穴部79dを備え、穴部79dは前面から後面に貫通して励起光源71のフランジ部71aよりも小さな径の貫通部79eとフランジ部71aに近似する径とした螺子穴部79bとされて前面に接する押圧部79aとを有する光源用ホルダ79と、螺子穴部79bに螺入される円筒形にして外周面に螺子の溝84cが形成された環状部材84と、光源用ホルダ79の後面に接触配置されるリアホルダ91と、を備える。
【0064】
光源装置の製造方法は、先ず、図8(d)に示す励起光源71を図8(c)に示す光源用ホルダ79の穴部79dに後方から挿入する工程を行う。
【0065】
次に、図8(e)に示す環状部材84を光源用ホルダ79の穴部79dに後方から螺入して励起光源71のフランジ部71aの前面を光源用ホルダ79の押圧部79aに押圧させる工程を行う。
【0066】
続いて、光源用ホルダ79の後面で図8(f)に示すリアホルダ91を、励起光源71のリード端子71cをリアホルダ91の穴部91cを挿通させるように配置して取り付ける工程を行う。
【0067】
次に、リアホルダ91を取り付けた後に、励起光源71のリード端子71cにフレキシブル基板90を結線する工程を行う。そして、結線後に、図8(g)に示すヒートシンク81を取り付ける工程を行う。
【0068】
そして、光源用ホルダ79の穴部79dの前端においては、図8(b)に示すコリメータレンズ73を光源用ホルダ79のレンズ収納部79cに配置し、図8(a)に示すレンズ押え部材である押え板89を、コリメータレンズ73を固定させるために図示しない螺子等によって、光源用ホルダ79の前面に取り付ける工程を行う。
【0069】
なお、上述の光源用ホルダ79に各コリメータレンズ73及び押え板89を取り付ける工程は、励起光源71、環状部材84及びヒートシンク81を取り付ける工程の先であっても構わない。
【0070】
このようにして、光源装置の製造方法は、上述の工程により、組み立てが比較的容易であって、励起光源71の固定及び放熱を個別に確実に行える光源装置、この光源装置を用いた高輝度に投影可能なプロジェクタ10、及び、励起光源71を容易、且つ確実にコリメータレンズ73と組み合わせて固定することができる光源装置の製造方法を提供することができる。
【0071】
なお、上記実施形態では、プロジェクタ10の光源装置として青色波長帯域光を発する励起光照射装置70の構成について説明してきたが、本発明の光源装置は、例えば、プロジェクタ10の赤色光源装置や緑色光源装置についても複数の光源が行及び列をなすように平面状に配列された光源群72と、各光源から射出された各光線束を集光させる等のレンズ群と、を有する光学系の構成とする場合に同様に適用できる。
【0072】
また、上記実施形態では、プロジェクタ10の光源装置として、半導体発光素子である青色レーザーダイオードをマトリクス状に複数配置して形成される励起光照射装置70の構成について説明してきたが、本発明の光源装置は、例えば、1個の素子であっても発光量の大きな発光素子による光源と、その光源から射出された光線束を集光させる集光レンズ等のレンズと、による光源装置の構成とする場合にも同様に適用できる。
【0073】
以上のように、本発明の実施形態によれば、光源用素子である励起光源71を光源用ホルダ79の穴部79dに挿入して環状部材84で螺子止めすることにより確実に固定でき、組み立てが比較的容易であって、光源用素子の固定及び放熱を個別に確実に行える光源装置、この光源装置を用いた高輝度に投影可能なプロジェクタ10、及び、光源用素子を容易、且つ確実にレンズと組み合わせて固定することができる光源装置の製造方法を提供することができる。
【0074】
また、本発明の実施形態によれば、光源用ホルダ79、環状部材84及びリアホルダ91が熱伝導性に優れたアルミニウム又は銅であることから、励起光源71からの発熱を効率良くヒートシンク81で放熱させることができる。
【0075】
また、本発明の実施形態によれば、環状部材84を螺子穴部79b内部に配置させる構造であることから、励起光源71の後面を確実に圧接し、且つ、光源用ホルダ79とリアホルダ91とを平面と平面とで確実に密着させ、環状部材84が光源用ホルダ79を介してリアホルダ91に熱を伝達して、励起光源71からの発熱を効率良くヒートシンク81で放熱させることができる。
【0076】
そして、本発明の実施形態によれば、リアホルダ91に溝部91aを備えることから、リアホルダ91とフレキシブル基板90との干渉を防止して、配線を容易に行うことができる。
【0077】
さらに、本発明の実施形態によれば、リアホルダ91の後面に放熱フィンを取り付けることによりヒートシンク81の機能を有するようにすれば、専用にヒートシンクを備える必要がなく部品数を削減することができる。
【0078】
さらに、本発明の実施形態によれば、環状部材84には、締結用の切り溝84bが切られていることから、環状部材84で挟むようにして光源用ホルダ79の押圧部79aに励起光源71のフランジ部71a前面を確実に押圧させることができ、放熱に寄与するとともに、励起光源71の位置出しを容易としている。
【0079】
また、本発明の実施形態によれば、光源用ホルダ79は、励起光源71から出射される光を集光するコリメータレンズ73を保持するレンズ収納部79cを有することから、励起光源71とコリメータレンズ73との光軸を容易に一致させることができる。
【0080】
そして、本発明の実施形態によれば、コリメータレンズ73を押える押え板89を備えることにより、位置出しされたコリメータレンズ73を確実に保持することができる。
【0081】
さらに、本発明の実施形態によれば、光源用ホルダ79の穴部79dは、マトリクス状に配置されて複数とされているため、複数の励起光源71により輝度を高くし、且つ、夫々の励起光源71及び環状部材84の固定及び放熱を確実に行うことができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0083】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、
前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前面側を前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部とし、後面側を前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部として、前記貫通部と前記螺子穴部との間に前記フランジ部の前面に接する押圧部を有する光源用ホルダと、
前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、
前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、
を備えることを特徴とする光源装置。
[2] 前記押圧部の光源用ホルダ後端面からの深さが、前記フランジ部の厚みと前記環状部材の厚みよりも大きく、前記穴部に収納された前記光源用素子の後方から前記環状部材を螺入した状態で当該環状部材の後面が前記穴部内側に位置していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
[3] 前記環状部材は、締結用の溝を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
[4] 前記リアホルダは、前記光源用ホルダの前記螺子穴部の位置から当該リアホルダの外縁に至る溝部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光源装置。
[5] 前記リアホルダは、後面に放熱フィンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光源装置。
[6] 前記光源用ホルダ、前記環状部材、及び、前記リアホルダは、アルミニウム又は銅などの熱伝導材であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
[7] 前記光源用ホルダの前記穴部の前端に、前記貫通部よりも径が大きくされたレンズ収納部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光源装置。
[8] 前記光源用ホルダの前面に前記レンズ収納部の径よりも小さな穴を備えたレンズ押え部材をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
[9] 前記光源用ホルダの前記穴部が複数あることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光源装置。
[10] 前記光源用ホルダの複数の前記穴部は、マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
[11] 光源装置と、
表示素子と、
前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源装置が、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
[12] シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部と前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部とされて前面に接する押圧部とを有する光源用ホルダと、前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、を備える光源装置の製造方法であって、
前記光源用素子を前記光源用ホルダの前記穴部に後方から挿入する工程と、
前記環状部材を前記穴部に後方から螺入して前記光源用素子の前記フランジ部の前面を前記押圧部に押圧する工程と、
前記光源用ホルダの後面に前記リアホルダを固定する工程と、
前記穴部に収納された前記光源用素子のリード端子をフレキシブル基板に接続する工程と、
を含むことを特徴とする光源装置の製造方法。
[13] 前記光源用ホルダの前記穴部の前端にレンズを配置し、レンズ押え部材で前記レンズを固定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の光源装置の製造方法。
【符号の説明】
【0084】
10 プロジェクタ 11 上面パネル
12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮/伸長部
32 メモリカード 35 IR受信部
36 IR処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源制御回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 60 光源ユニット
70 励起光照射装置 71 励起光源
71a フランジ部 71b シリンダ部
71c リード端子 72 光源群
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー
78 集光レンズ 79 光源用ホルダ
79a 押圧部 79b 螺子穴部
79c レンズ収納部 79d 穴部
79e 貫通部 79f 螺子溝
81 ヒートシンク
84 環状部材 84a 孔部
84b 切り溝 84c 溝
89 押え板 90 フレキシブル基板
91 リアホルダ 91a 溝部
91c 穴部
100 蛍光発光装置 101 蛍光ホイール
110 ホイールモータ
111 集光レンズ群 115 集光レンズ
120 赤色光源装置 121 赤色光源
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
143 第一反射ミラー
145 第二反射ミラー 148 第二ダイクロイックミラー
160 光学系ユニット 161 照明側ブロック
165 画像生成ブロック 168 投影側ブロック
170 光源側光学系 173 集光レンズ
175 ライトトンネル 178 集光レンズ
181 光軸変換ミラー 183 集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 コンデンサレンズ 220 投影側光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、
前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前面側を前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部とし、後面側を前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部として、前記貫通部と前記螺子穴部との間に前記フランジ部の前面に接する押圧部を有する光源用ホルダと、
前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、
前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、
を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記押圧部の光源用ホルダ後端面からの深さが、前記フランジ部の厚みと前記環状部材の厚みよりも大きく、前記穴部に収納された前記光源用素子の後方から前記環状部材を螺入した状態で当該環状部材の後面が前記穴部内側に位置していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項3】
前記環状部材は、締結用の溝を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記リアホルダは、前記光源用ホルダの前記螺子穴部の位置から当該リアホルダの外縁に至る溝部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記リアホルダは、後面に放熱フィンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記光源用ホルダ、前記環状部材、及び、前記リアホルダは、アルミニウム又は銅などの熱伝導材であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
【請求項7】
前記光源用ホルダの前記穴部の前端に、前記貫通部よりも径が大きくされたレンズ収納部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光源装置。
【請求項8】
前記光源用ホルダの前面に前記レンズ収納部の径よりも小さな穴を備えたレンズ押え部材をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
【請求項9】
前記光源用ホルダの前記穴部が複数あることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光源装置。
【請求項10】
前記光源用ホルダの複数の前記穴部は、マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
光源装置と、
表示素子と、
前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源装置が、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項12】
シリンダ部の後端から外方に突出するフランジ部を有する光源用素子と、前記光源用素子を収納する穴部を備え、該穴部は前面から後面に貫通して前記光源用素子の前記フランジ部よりも小さな径の貫通部と前記フランジ部に近似する径とした螺子穴部とされて前面に接する押圧部とを有する光源用ホルダと、前記螺子穴部に螺入される円筒形にして外周面に螺子が形成された環状部材と、前記光源用ホルダの後面に接触配置されるリアホルダと、を備える光源装置の製造方法であって、
前記光源用素子を前記光源用ホルダの前記穴部に後方から挿入する工程と、
前記環状部材を前記穴部に後方から螺入して前記光源用素子の前記フランジ部の前面を前記押圧部に押圧する工程と、
前記光源用ホルダの後面に前記リアホルダを固定する工程と、
前記穴部に収納された前記光源用素子のリード端子をフレキシブル基板に接続する工程と、
を含むことを特徴とする光源装置の製造方法。
【請求項13】
前記光源用ホルダの前記穴部の前端にレンズを配置し、レンズ押え部材で前記レンズを固定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の光源装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62172(P2013−62172A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200512(P2011−200512)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】