説明

光源装置、投影装置及び投影方法

【課題】色バランスや投影画像の明るさなど所望される色環境に随時対応する。
【解決手段】青色(B)光を発する半導体レーザ20と、青色光を用いて時分割で透過光の青色(B)光と反射蛍光光の緑色(G)光を発生するカラーホイール24及びモータ25と、赤色(R)光を発するLED21と、カラーホイール24で発生するB光及びG光とLED21で発するR光とが循環的に発生し、且つ1周期中での発生タイミングを調整可能に半導体レーザ20及びLED21の駆動タイミングを制御する投影光処理部31と、画像信号を入力する入力部(11,12)と、RGB光を用い、入力部(11,12)で入力する画像信号に対応したカラーの光像を形成して投影する投影系(13〜16,18,19)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ装置等に好適な光源装置、投影装置及び投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
投射型表示装置でカラー表示をするためには、R,G,Bそれぞれの原色光を発光する面状光源と、それぞれに対応した空間光変調器が必要となることから、部品点数が増加し、装置全体の小型、軽量化及び低価格化が図れない。そこで、光源に紫外光を発光する発光ダイオードを使用し、当該発光ダイオードからの紫外光が照射されるカラーホイールの光源側の表面に紫外光を透過して可視光を反射する特性を有する可視光反射膜を形成し、該カラーホイールの裏面側に紫外光照射によりR,G,Bに対応した可視光をそれぞれ発光する蛍光体層を形成するようにした技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5は、上記特許文献を含めて、単一の光源及びカラーホイールとを用いる場合に、光源側から出射される光の色の変化を例示するものである。図5(A)は、中心角が各120°に設定されたR,G,Bのカラーフィルタ1R,1G,1Bで構成するカラーホイール1の構成を示す。同図(A)中、光源からの光路中に挿入される位置を、画像フレームに対応した回転位相の0°〜360°の角度で表示している。
【0005】
このカラーホイール1では、図示する如くB(青)色のカラーフィルタ1B、R(赤)色のからフィルタ1R、及びG(緑)色のからフィルタ1Gの順で光源からの光路中に循環的に配置される。図5(B)は、画像を表示するマイクロミラー素子に照射される光源光の色(B−1)と、カラーホイール1を出射する光源光の色(B−2)とを示す。
【0006】
同図(B)に示すように、単一の光源を用いてカラーホイール1で着色(正確には透過光の波長帯域を選択)し、マイクロミラー素子に照射してその反射光で光像を形成する。そのため、当然ながらマイクロミラー素子に照射される光源光の色(B−1)と、カラーホイール1を出射する光源光の色(B−2)とが一致する。
【0007】
しかるに、カラーホイール1は上記図5(A)で示したように各カラーフィルタ1B,1R,1Gの中心角が固定的に構成されているため、カラーホイール1が1回転する360°期間中のB,R,Gの各フィールド期間の幅を可変することは物理的に不可能となる。
【0008】
したがって、例えば経時変化によるカラーフィルタの透過波長帯域特性の変化等に対処することができず、色バランスの調整や、色再現性よりも画像の明るさを優先したい場合など、各種ユーザが所望する使用状況に対応することができない。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、色バランスや投影画像の明るさなど所望される色環境に随時対応することが可能な光源装置、投影装置及び投影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、光源装置であって、第1の波長帯域で発光する第1の光源と、上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生手段と、上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源と、1周期中において上記光源光発生手段及び上記第2の光源で発生する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御手段とを具備し、上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯
域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源制御手段は、上記第2の光源の少なくとも1つの発光期間を、上記カラーホイールが回転する1周期中において上記蛍光体層と上記拡散層の境界のタイミングを含む発光期間とするとともに、上記発光期間中は、上記青色波長帯域のレーザ光の発振を停止させるように制御することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明において、上記光源制御手段の制御条件の異なるカラーモードを、少なくとも2つ以上備え、切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記カラーモードは、上記光源光発生手段及び上記第2の光源によって発生する光源光の1周期中における発光期間比率が異なる2つのカラーモードを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4いずれかに記載の発明において、上記光源制御手段は、上記光源光発生手段で発生する複数色の光源光の少なくとも1つの発生期間と、上記第2の光源の発光による光源光の発光期間を部分的に重複させて混色した光源光を発生するように制御することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、上記光源制御手段は、上記第2の光源が単独で発光する期間と上記第1及び第2の光源がともに発光して混色した光源光を発生する期間とを時間的に離間するように上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6いずれかに記載の発明において、上記第2の光源は、赤色波長帯域光を発光する発光ダイオード又はレーザ光源であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、投影装置であって、第1の波長帯域で発光する第1の光源と、上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生手段と、上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源と、1周期中において上記光源光発生手段及び上記第2の光源で発生発光する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御手段と、画像信号を入力する入力手段と、上記光源制御手段での制御に基づいて出射される光源光を用い、上記入力手段で入力する画像信号に対応したカラーの光像を形成して投影する投影手段とを具備し、上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、投影方法であって、第1の波長帯域で発光する第1の光源、上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生部、上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源、画像信号を入力する入力部、光源光を用い、上記入力部で入力する画像信号に対応したカラーの光像を形成して投影する投影部を備えた投影装置での投影方法であって、1周期中において上記光源光発生部及び上記第2の光源で発生する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御工程を有し、上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、色バランスや投影画像の明るさなど所望される色環境に随時対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータプロジェクタ装置全体の機能回路構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る主に光源系の具体的な光学構成を示す図。
【図3】同実施形態に係るカラーホイールの構成と、ノーマルモード時及びグリーン優先モード時の各投影動作タイミングとを示す図。
【図4】同実施形態の他の動作例に係るカラーホイールの構成と、ノーマルモード時及び輝度優先モード時の各投影動作タイミングとを示す図。
【図5】一般的なDLP(登録商標)方式のプロジェクタ装置に使用されるカラーホイールの構成と該カラーホイールによる出射光の色の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置10が備える電子回路の概略機能構成を示すブロック図である。
11は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。
【0021】
入出力コネクタ部11より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)12、システムバスSBを介し、一般にスケーラとも称される画像変換部13に入力される。
【0022】
画像変換部13は、入力された画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一し、適宜表示用のバッファメモリであるビデオRAM14に書込んだ後に、書込んだ画像信号を読出して投影画像処理部15へ送る。
【0023】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じてビデオRAM14で画像信号に重畳加工され、加工後の画像信号が読出されて投影画像処理部15へ送られる。
【0024】
投影画像処理部15は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば120[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SLM)であるマイクロミラー素子16を表示駆動する。
【0025】
このマイクロミラー素子16は、アレイ状に配列された複数、例えばXGA(横1024画素×縦768画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作することでその反射光により光像を形成する。
【0026】
一方で、光源部17から時分割でR,G,Bの原色光が循環的に出射される。この光源部17からの原色光が、ミラー18で全反射して上記マイクロミラー素子16に照射される。
【0027】
そして、マイクロミラー素子16での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズユニット19を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影表示される。
【0028】
光源部17は、具体的な光学構成については後述するが、2種類の光源、すなわち青色のレーザ光を発する半導体レーザ20と、赤色光を発するLED21とを有する。
【0029】
半導体レーザ20の発する青色のレーザ光は、ミラー22で全反射された後、ダイクロイックミラー23を透過して、カラーホイール24の周上の1点に照射される。このカラーホイール24は、モータ25により回転される。レーザ光が照射されるカラーホイール24の周上には、緑色蛍光反射板24Gと青色用拡散板24Bとが合わせてリング状となるように形成されている。
【0030】
カラーホイール24の緑色蛍光反射板24Gがレーザ光の照射位置にある場合、レーザ光の照射により緑色光が励起され、励起された緑色光がカラーホイール24で反射された後、上記ダイクロイックミラー23でも反射される。その後、この緑色光は、さらにダイクロイックミラー28で反射され、インテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にミラー30で全反射されて、上記ミラー18へ送られる。
【0031】
また、図1に示すようにカラーホイール24の青色用拡散板24Bがレーザ光の照射位置にある場合、レーザ光は該拡散板24Bで拡散されながらカラーホイール24を透過した後、ミラー26,27でそれぞれ全反射される。その後、この青色光は、上記ダイクロイックミラー28を透過し、インテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にミラー30で全反射されて、上記ミラー18へ送られる。
【0032】
さらに、上記LED21の発した赤色光は、上記ダイクロイックミラー23を透過した後にダイクロイックミラー28で反射され、インテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にミラー30で全反射されて、上記ミラー18へ送られる。
【0033】
以上の如く、ダイクロイックミラー23は、青色光、及び赤色光を透過する一方で、緑色光を反射する分光特性を有する。
【0034】
また、ダイクロイックミラー28は、青色光を透過する一方で、赤色光、及び緑色光を反射する分光特性を有する。
【0035】
光源部17の半導体レーザ20とLED21の各発光タイミング、及びモータ25によるカラーホイール24の回転を投影光処理部31が統括して制御する。投影光処理部31は、投影画像処理部15から与えられる画像データのタイミングに応じて半導体レーザ20、LED21の各発光タイミングとカラーホイール24の回転を制御する。
【0036】
上記各回路の動作すべてをCPU32が制御する。このCPU32は、DRAMで構成されたメインメモリ33、及び動作プログラムや各種定型データ等を記憶した電気的書換可能な不揮発性メモリで構成されたプログラムメモリ34を用いて、このデータプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
【0037】
上記CPU32は、操作部35からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。
この操作部35は、データプロジェクタ装置10の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラの間で赤外光を受光するレーザ受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU32へ直接出力する。
【0038】
操作部35は、上記キー操作部、及びリモートコントローラ共に、例えばフォーカス調整キー、ズーム調整キー、入力切換キー、メニューキー、カーソル(←,→,↑,↓)キー、セットキー、キャンセルキー等を備える。
【0039】
上記CPU32はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部36とも接続される。音声処理部36は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部37を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0040】
次に、図2により主として光源部17の具体的な光学系の構成例を示す。同図は、上記光源部17周辺の構成を平面的なレイアウトで表現したものである。
【0041】
ここでは、同一の発光特性を有する複数、例えば3つの半導体レーザ20A〜20Cを設け、これら半導体レーザ20A〜20Cはいずれも青色、例えば波長約450[nm]のレーザ光を発振する。
【0042】
これら半導体レーザ20A〜20Cの発振した青色光は、レンズ41A〜41Cを介してミラー22A〜22Cで全反射され、さらにレンズ42,43を介した後に上記ダイクロイックミラー23を透過し、レンズ群44を介してカラーホイール24に照射される。
【0043】
カラーホイール24上では、上述した如く青色用拡散板24Bと緑色蛍光体反射板24Gとが同一円周上でリングを構成するように位置する。
【0044】
カラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gが青色光の照射位置にある場合、その照射により例えば波長約530[nm]を中心とした波長帯の緑色光が励起され、励起された緑色光がカラーホイール24で反射された後、レンズ群44を介してダイクロイックミラー23でも反射される。
【0045】
ダイクロイックミラー23で反射した緑色光は、レンズ45を介してさらにダイクロイックミラー28で反射され、レンズ46を介してインテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にレンズ47を介し、ミラー30で全反射されて、レンズ48を介して上記ミラー18へ送られる。
【0046】
ミラー18で全反射した緑色光は、レンズ49を介してマイクロミラー素子16に照射される。そして、その緑色光の反射光で緑色成分の光像が形成され、レンズ49、上記投影レンズユニット19を介して外部へ投射される。
【0047】
また、カラーホイール24の青色用拡散板24Bが青色光の照射位置にある場合、青色光は該拡散板24Bで拡散されながらカラーホイール24を透過し、背面側にあるレンズ50を介してミラー26で全反射される。
【0048】
さらに青色光は、レンズ51を介してミラー27で全反射され、レンズ52を介した後に上記ダイクロイックミラー28を透過し、レンズ46を介してインテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にレンズ47を介し、ミラー30で全反射されて、レンズ48を介して上記ミラー18へ送られる。
【0049】
ミラー18で全反射した青色光は、レンズ49を介してマイクロミラー素子16に照射される。そして、その青色光の反射光で青色成分の光像が形成され、レンズ49、上記投影レンズユニット19を介して外部へ投射される。
【0050】
一方、上記LED21は、例えば波長620[nm]の赤色光を発光する。LED21の発した赤色光は、レンズ群53を介し、上記ダイクロイックミラー23を透過した後にレンズ45を介して上記ダイクロイックミラー28で反射され、さらにレンズ46を介してインテグレータ29で輝度分布が略均一な光束とされた後にレンズ47を介し、ミラー30で全反射されて、レンズ48を介して上記ミラー18へ送られる。
【0051】
ミラー18で全反射した赤色光は、レンズ49を介してマイクロミラー素子16に照射される。そして、その赤色光の反射光で赤色成分の光像が形成され、レンズ49、上記投影レンズユニット19を介して外部へ投射される。
【0052】
次に上記実施形態の動作について説明する。
本実施形態では、図3(A)に示すようにカラーホイール24を構成する青色用拡散板24Bを、画像フレームに対応した回転位相で0°乃至約150°の位置に約150°の中心角をもって配置する一方で、緑色蛍光体反射板24Gを同回転位相で約150°乃至360°(0°)の位置に約210°の中心角をもって配置するものとする。
【0053】
ここでは、2つのカラーモードとしてノーマルモードとグリーン優先モードとを切り換えることが可能であるものとする。
ノーマルモードでは、投影するカラー画像1フレームを構成するB,R,Gの各原色画像を投影する期間(以下「Bフィールド、Rフィールド、Gフィールド」と称する)の時間比を1:1:1とする。
【0054】
すなわち、定速回転するカラーホイール24の1回転360°に対して、Bフィールド、Rフィールド、及びGフィールドの時間比b:r:gは、カラーホイール24の中心角度に置換すると120°:120°:120°となる。
【0055】
一方のグリーン優先モードでは、カラー画像1フレームを構成するB,R,Gの各原色画像を投影する期間の時間比を10:11:15とする。
【0056】
すなわち、定速回転するカラーホイール24の1回転360°に対して、Bフィールド、Rフィールド、及びGフィールドの時間比b:r:gは、カラーホイール24の中心角度に置換すると100°:110°:150°となる。
【0057】
上記カラーモードの切り換えに伴う動作制御は、すべてCPU32の統括制御の元に投影光処理部31が実行する。
図3(B)は、ノーマルモード時にマイクロミラー素子16で形成する光像の色、LED21の発光タイミングと、半導体レーザ20A〜20Cの発光タイミング及びカラーホイール(CW)24の出力の関係を示す。
【0058】
このノーマルモード時において、1フレームの当初、カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するBフィールドの期間には、図3(B−3)に示す如く半導体レーザ20A〜20Cの発振により青色光を発光し、カラーホイール24の青色用拡散板24Bを透過、拡散した同青色光をマイクロミラー素子16に照射させる。
【0059】
このときマイクロミラー素子16で青色に対応した画像が表示されることで、その反射光により青色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。この間、LED21は消灯される。
【0060】
その後、半導体レーザ20A〜20Cの発振を一時的に停止させるのと同期してLED21の点灯が開始され、以後カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するRフィールドの期間に図3(B−2)に示す如くLED21の点灯により赤色光を発光し、マイクロミラー素子16に照射させる。
【0061】
このときマイクロミラー素子16で赤色に対応した画像が表示されることで、その反射光により赤色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0062】
この間、半導体レーザ20A〜20Cの発振は一時的に停止される。そのため、半導体レーザ20A〜20Cが発振していればその光軸上の位置にカラーホイール24の青色用拡散板24B及び緑色蛍光体反射板24Gが存在するものの、半導体レーザ20A〜20Cの発振が一時的に停止されているので光源光としての青色光及び緑色光はいずれも発生されない。
【0063】
その後、LED21の消灯と同期して半導体レーザ20A〜20Cでの発振が再度開始され、以後カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するGフィールドの期間にカラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gで励起された緑色の反射光が光源光としてマイクロミラー素子16に照射される。
【0064】
このときマイクロミラー素子16で緑色に対応した画像が表示されることで、その反射光により緑色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0065】
さらに、カラーホイール24が回転してGフィールド及び1フレーム期間が終了し、緑色蛍光体反射板24Gに代えて再び青色用拡散板24Bが半導体レーザ20A〜20Cからの光軸上に位置すると、次のフレームのBフィールド期間となる。
【0066】
このように、青色用拡散板24Bと緑色蛍光体反射板24Gとが形成されたカラーホイール24の回転に同期して半導体レーザ20A〜20CとLED21の発振、点灯タイミングを制御することで、半導体レーザ20A〜20Cの発振による緑色光及び青色光、及びLED21の点灯による赤色光が時分割で循環的に発生し、マイクロミラー素子16に照射されることとなる。
【0067】
次にグリーン優先モード時の動作についても説明する。
【0068】
図3(C)は、グリーン優先モード時にマイクロミラー素子16で形成する光像の色、LED21の発光タイミングと、半導体レーザ20A〜20Cの発光タイミング及びカラーホイール(CW)24の出力の関係を示す。
【0069】
このグリーン優先モード時において、1フレームの当初、カラーホイール24の中心角度で100°分に相当するBフィールドの期間には、図3(C−3)に示す如く半導体レーザ20A〜20Cの発振により青色光を発生し、カラーホイール24の青色用拡散板24Bを透過、拡散した同青色光をマイクロミラー素子16に照射させる。
【0070】
このときマイクロミラー素子16で青色に対応した画像が表示されることで、その反射光により青色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。この間、LED21は消灯される。
【0071】
その後、半導体レーザ20A〜20Cの発振を一時的に停止させるのと同期してLED21の点灯が開始され、以後カラーホイール24の中心角度で110°分に相当するRフィールドの期間に図3(C−2)に示す如くLED21の点灯により赤色光を発光し、マイクロミラー素子16に照射させる。
【0072】
このときマイクロミラー素子16で赤色に対応した画像が表示されることで、その反射光により赤色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0073】
この間、半導体レーザ20A〜20Cの発振は一時的に停止される。そのため、半導体レーザ20A〜20Cが発振していればその光軸上の位置にカラーホイール24の青色用拡散板24B及び緑色蛍光体反射板24Gが存在するものの、半導体レーザ20A〜20Cの発振が一時的に停止されているので光源光としての青色光及び緑色光はいずれも発生されない。
【0074】
その後、LED21の消灯と同期して半導体レーザ20A〜20Cでの発振が再度開始され、以後カラーホイール24の中心角度で150°分に相当するGフィールドの期間にカラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gで励起された緑色の反射光が光源光としてマイクロミラー素子16に照射される。
【0075】
このときマイクロミラー素子16で緑色に対応した画像が表示されることで、その反射光により緑色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0076】
さらに、カラーホイール24が回転してGフィールド及び1フレーム期間が終了し、緑色蛍光体反射板24Gに代えて再び青色用拡散板24Bが半導体レーザ20A〜20Cからの光軸上に位置すると、次のフレームのBフィールド期間となる。
【0077】
このように、青色用拡散板24Bと緑色蛍光体反射板24Gとが形成されたカラーホイール24の回転に同期して半導体レーザ20A〜20CとLED21の発振、点灯タイミングを制御することで、半導体レーザ20A〜20Cの発振による緑色光及び青色光、及びLED21の点灯による赤色光が時分割で循環的に発生し、マイクロミラー素子16に照射されることとなる。
【0078】
さらに、カラーホイール24を構成する青色用拡散板24Bから緑色蛍光体反射板24Gに至る境界のタイミングに同期してLED21の点灯によるRフィールドを配置し、上記ノーマルモード時とグリーン優先モード時とで示した如く、半導体レーザ20A〜20CとLED21の発光タイミングを制御して1フレーム期間中のB,R,Gの各フィールド期間の時間長を調整可能とした。
【0079】
以上に述べた如く本実施形態によれば、カラーホイールを使用した光学系であるにもかかわらず、各色成分に割り当てる時間長を任意に調整することができ、色バランスや投影画像の明るさなど所望される色環境に随時対応することが可能となる。
【0080】
特に上記グリーン優先モードでは、他の原色成分に比して、より輝度成分に近いG(緑)色光による緑色画像の投影時間をより長くするよう設定したため、単に全体に緑色が強調された画像となるだけでなく、画像全体の輝度が向上し、より明るい画像が投影されることとなる。
【0081】
なお、上記実施形態では、カラーホイール24を用いてB(青)色光及びG(緑)色光を発生させる光源として半導体レーザ20A〜20Cを用いるものとしたことにより、特に応答速度と光強度の点で優れた安定した動作が可能となり、データプロジェクタ装置の光源により適した素子を用いて商品性を高めることができる。
【0082】
これと併せて、現状実用化されている蛍光物質では、青色のレーザ光から赤色への波長変換効率が高くなく、充分な発光輝度が得られないことに鑑み、第2の光源素子として赤色LEDを用いることで、上記した如く各原色画像フィールドの期間を調整可能とした上で、充分な発光輝度による赤色画像の投影表示が可能となる。
【0083】
(他の動作例)
次に、本実施形態に係る他の動作例についても説明する。
本動作例においても、図4(A)に示すようにカラーホイール24を構成する青色用拡散板24Bを、画像フレームに対応した回転位相で0°乃至約150°の位置に約150°の中心角をもって配置する一方で、緑色蛍光体反射板24Gを同回転位相で約150°乃至360°(0°)の位置に約210°の中心角をもって配置するものとする。
【0084】
ここでは、2つのカラーモードとしてノーマルモードと輝度優先モードとを切り換えることが可能であるものとする。
ノーマルモードでは、投影するカラー画像1フレームを構成するB,R,Gの各原色画像を投影する期間(以下「Bフィールド、Rフィールド、Gフィールド」と称する)の時間比を1:1:1とする。
【0085】
すなわち、定速回転するカラーホイール24の1回転360°に対して、Bフィールド、Rフィールド、及びGフィールドの時間比b:r:gは、カラーホイール24の中心角度に置換すると120°:120°:120°となる。
【0086】
一方の輝度優先モードでは、カラー画像1フレームをB,G,Bに加えてY(黄)の原色画像も投影するものとし(黄色の原色画像を投影する期間を以下「Yフィールド」と称する)、B,R,G,Yの各原色画像を投影する期間の時間比を1:1:1:1とする。
【0087】
すなわち、定速回転するカラーホイール24の1回転360°に対して、Rフィールド、Gフィールド、Bフィールド、及びYフィールドTの時間比b:r:g:yは、カラーホイール24の中心角度に置換すると90°:90°:90°:90°となる。
【0088】
上記カラーモードの切り換えに伴う動作制御は、すべてCPU32の統括制御の元に投影光処理部31が実行する。
図4(B)は、ノーマルモード時にマイクロミラー素子16で形成する光像の色、LED21の発光タイミングと、半導体レーザ20A〜20Cの発光タイミング及びカラーホイール(CW)24の出力の関係を示す。
【0089】
このノーマルモード時において、1フレームの当初、カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するBフィールドの期間には、図4(B−3)に示す如く半導体レーザ20A〜20Cの発振により青色光を発光し、カラーホイール24の青色用拡散板24Bを透過、拡散した同青色光をマイクロミラー素子16に照射させる。
【0090】
このときマイクロミラー素子16で青色に対応した画像が表示されることで、その反射光により青色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。この間、LED21は消灯される。
【0091】
その後、半導体レーザ20A〜20Cの発振を一時的に停止させるのと同期してLED21の点灯が開始され、以後カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するRフィールドの期間に図4(B−2)に示す如くLED21の点灯により赤色光を発光し、マイクロミラー素子16に照射させる。
【0092】
このときマイクロミラー素子16で赤色に対応した画像が表示されることで、その反射光により赤色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0093】
この間、半導体レーザ20A〜20Cの発振は一時的に停止される。そのため、半導体レーザ20A〜20Cが発振していればその光軸上の位置にカラーホイール24の青色用拡散板24B及び緑色蛍光体反射板24Gが存在するものの、半導体レーザ20A〜20Cの発振が一時的に停止されているので光源光としての青色光及び緑色光はいずれも発生されない。
【0094】
その後、LED21の消灯と同期して半導体レーザ20A〜20Cでの発振が再度開始され、以後カラーホイール24の中心角度で120°分に相当するGフィールドの期間にカラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gで励起された緑色の反射光が光源光としてマイクロミラー素子16に照射される。
【0095】
このときマイクロミラー素子16で緑色に対応した画像が表示されることで、その反射光により緑色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0096】
さらに、カラーホイール24が回転してGフィールド及び1フレーム期間が終了し、緑色蛍光体反射板24Gに代えて再び青色用拡散板24Bが半導体レーザ20A〜20Cからの光軸上に位置すると、次のフレームのBフィールド期間となる。
【0097】
このように、青色用拡散板24Bと緑色蛍光体反射板24Gとが形成されたカラーホイール24の回転に同期して半導体レーザ20A〜20CとLED21の発振、点灯タイミングを制御することで、半導体レーザ20A〜20Cの発振による緑色光及び青色光、及びLED21の点灯による赤色光が時分割で循環的に発生し、マイクロミラー素子16に照射されることとなる。
【0098】
次に輝度優先モード時の動作についても説明する。
【0099】
図4(C)は、輝度優先モード時にマイクロミラー素子16で形成する光像の色、LED21の発光タイミングと、半導体レーザ20A〜20Cの発光タイミング及びカラーホイール(CW)24の出力の関係を示す。
【0100】
この輝度優先モード時において、1フレームの当初、カラーホイール24の中心角度で90°分に相当するBフィールドの期間には、図4(C−3)に示す如く半導体レーザ20A〜20Cの発振により青色光を発光し、カラーホイール24の青色用拡散板24Bを透過、拡散した同青色光をマイクロミラー素子16に照射させる。
【0101】
このときマイクロミラー素子16で青色に対応した画像が表示されることで、その反射光により青色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。この間、LED21は消灯される。
【0102】
その後、半導体レーザ20A〜20Cの発振を一時的に停止させるのと同期してLED21の点灯が開始され、以後カラーホイール24の中心角度で90°分に相当するRフィールドの期間に図4(C−2)に示す如くLED21の点灯により赤色光を発光し、マイクロミラー素子16に照射させる。
【0103】
このときマイクロミラー素子16で赤色に対応した画像が表示されることで、その反射光により赤色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0104】
この間、半導体レーザ20A〜20Cの発振は一時的に停止される。そのため、半導体レーザ20A〜20Cが発振していればその光軸上の位置にカラーホイール24の青色用拡散板24B及び緑色蛍光体反射板24Gが存在するものの、半導体レーザ20A〜20Cの発振が一時的に停止されているので光源光としての青色光及び緑色光はいずれも発生されない。
【0105】
その後、LED21の消灯と同期して半導体レーザ20A〜20Cでの発振が再度開始され、以後カラーホイール24の中心角度で90°分に相当するGフィールドの期間にカラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gで励起された緑色の反射光が光源光としてマイクロミラー素子16に照射される。
【0106】
このときマイクロミラー素子16で緑色に対応した画像が表示されることで、その反射光により緑色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0107】
さらに、カラーホイール24が回転してGフィールドが終了すると、次いで半導体レーザ20A〜20Cの発振を停止させることなく、併せてLED21の点灯が開始され、以後カラーホイール24の中心角度で90°分に相当するYフィールドの期間に図4(C−2)に示す如くLED21の点灯により赤色光を発光する。
【0108】
したがって、マイクロミラー素子16には、LED21の点灯による赤色光と、カラーホイール24の緑色蛍光体反射板24Gの反射による緑色光との混色による黄色光が照射される。
【0109】
このときマイクロミラー素子16で黄色に対応した画像を表示させることで、その反射光により黄色の光像が形成され、投影レンズユニット19を介して外部の投影対象に向けて投射される。
【0110】
そして、さらにカラーホイール24が回転してYフィールド及び1フレーム期間が終了し、緑色蛍光体反射板24Gに代えて再び青色用拡散板24Bが半導体レーザ20A〜20Cからの光軸上に位置すると、次のフレームのBフィールド期間となる。
【0111】
このように、青色用拡散板24Bと緑色蛍光体反射板24Gとが形成されたカラーホイール24の回転に同期して半導体レーザ20A〜20CとLED21の発振、点灯タイミングを制御することで、半導体レーザ20A〜20Cの発振による緑色光及び青色光、及びLED21の点灯による赤色光、及び混色による黄色光が時分割で循環的に発生し、マイクロミラー素子16に照射されることとなる。
【0112】
さらに、カラーホイール24を構成する青色用拡散板24Bから緑色蛍光体反射板24Gに至る境界のタイミングに同期してLED21の点灯によるRフィールドを配置し、上記ノーマルモード時と輝度優先モード時とで示した如く、半導体レーザ20A〜20CとLED21の発光タイミングを制御して1フレーム期間中のB,R,Gの各フィールドと必要によりYフィールドを設けてそれら各フィールド期間の時間長を調整可能とした。
【0113】
これにより本動作例においても、色バランスや投影画像の明るさなど所望される色環境に随時対応することが可能となる。
特に上記他の動作例で示した輝度優先モードでは、各光源を単独で用いる各原色成分に比して、G(緑)色とR(赤)色の混色でより輝度成分に近いY(黄)色による黄色画像の投影時間を新たに設けるものとしたため、大幅に画像全体の輝度が向上し、明るい画像を投影することができる。
【0114】
なお、上記動作例では示さなかったが、カラーホイール24の青色用拡散板24Bが半導体レーザ20A〜20Cからの光路上にあるタイミングで同時にLED21による赤色光も発光し、その混色によりM(マゼンタ)色光を発生して対応する光像を形成する期間を設けるものとしてもよい。
【0115】
また、上記図4(C)の(C−2)で示したLED21の点灯周期に着目すると、1フレーム中でLED21での点灯が必要とされる、RフィールドとYフィールドの計2フィールドに対してLED21の点灯と消灯を2回のサイクルで実施している。
【0116】
このように、意図してLED21の駆動周波数を上げ、連続点灯する時間を短縮化することで、連続駆動による熱抵抗で発光輝度が低下するLED21の特性を考慮し、安定した高い輝度での発光駆動を維持できる。
【0117】
なお、上記実施形態は、半導体レーザ20A〜20Cで青色のレーザ光を発振してカラーホイール24により青色光及び緑色光を発生させる一方で、LED21で赤色光を発光するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えばLED21を赤色のレーザ光を発振する半導体レーザとしてもよい。この場合、赤色のレーザ光を拡散して赤色光を発生させる拡散板が必要となる。
【0118】
すなわち、本発明は、1つの光源で発光しうる原色光の輝度バランスが実用に適さない場合に、他の光源を用いてそれを補償するような、複数種類の光源を用いる光源部、及びそのような光源部を用いる投影装置であれば同様に適用可能である。
【0119】
また、上記実施形態は本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合について説明したものであるが、例えば透過型のモノクロ液晶パネルを用いて光像を形成する液晶プロジェクタ等にも同様に本発明を適用することができる。
【0120】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0121】
10…データプロジェクタ装置、11…入出力コネクタ部、12…入出力インタフェース(I/F)、13…画像変換部(スケーラ)、14…ビデオRAM、15…投影画像処理部、16…マイクロミラー素子(SLM)、17…光源部、18…ミラー、19…投影レンズユニット、20…(B発光)半導体レーザ、21…(R発光)LED、22…ミラー、23…ダイクロイックミラー、24…カラーホイール、24B…青色用拡散板、24G…緑色蛍光体反射板、25…モータ(M)、26,27…ミラー、28…ダイクロイックミラー、29…インテグレータ、30…ミラー、31…投影光処理部、32…CPU、33…メインメモリ、34…プログラムメモリ、35…操作部、36…音声処理部、37…スピーカ部、41A〜41C,42,43…レンズ、44…レンズ群、45〜52…レンズ、53…レンズ群、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長帯域で発光する第1の光源と、
上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生手段と、
上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源と、
1周期中において上記光源光発生手段及び上記第2の光源で発生する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御手段と
を具備し、
上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
上記光源制御手段は、上記第2の光源の少なくとも1つの発光期間を、上記カラーホイールが回転する1周期中において上記蛍光体層と上記拡散層の境界のタイミングを含む発光期間とするとともに、上記発光期間中は、上記青色波長帯域のレーザ光の発振を停止させるように制御することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
上記光源制御手段の制御条件の異なるカラーモードを、少なくとも2つ以上備え、切り替えることを特徴とする請求項1又は2記載の光源装置。
【請求項4】
上記カラーモードは、上記光源光発生手段及び上記第2の光源によって発生する光源光の1周期中における発光期間比率が異なる2つのカラーモードを含むことを特徴とする請求項3記載の光源装置。
【請求項5】
上記光源制御手段は、上記光源光発生手段で発生する複数色の光源光の少なくとも1つの発生期間と、上記第2の光源の発光による光源光の発光期間を部分的に重複させて混色した光源光を発生するように制御することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
上記光源制御手段は、上記第2の光源が単独で発光する期間と上記第1及び第2の光源がともに発光して混色した光源光を発生する期間とを時間的に離間するように上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御することを特徴とする請求項5記載の光源装置。
【請求項7】
上記第2の光源は、赤色波長帯域光を発光する発光ダイオード又はレーザ光源であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の光源装置。
【請求項8】
第1の波長帯域で発光する第1の光源と、
上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生手段と、
上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源と、
1周期中において上記光源光発生手段及び上記第2の光源で発生発光する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御手段と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記光源制御手段での制御に基づいて出射される光源光を用い、上記入力手段で入力する画像信号に対応したカラーの光像を形成して投影する投影手段と
を具備し、
上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする投影装置。
【請求項9】
第1の波長帯域で発光する第1の光源、上記第1の光源の発光を用いて時分割で複数色の光源光を発生する光源光発生部、上記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域の光源光を発生する第2の光源、画像信号を入力する入力部、光源光を用い、上記入力部で入力する画像信号に対応したカラーの光像を形成して投影する投影部を備えた投影装置での投影方法であって、
1周期中において上記光源光発生部及び上記第2の光源で発生する各光源光を生じさせ、且つ当該各光源光の発生タイミングを調整可能に上記第1及び第2の各光源の駆動タイミングを制御する光源制御工程を有し、
上記第1の光源は、青色波長帯域のレーザ光を発光するとともに、上記光源光発生手段は、少なくとも上記レーザ光を励起光として緑色波長帯域を発生する蛍光体層と、上記レーザ光を拡散透過する拡散層とが周方向に並設されてなるカラーホイールであることを特徴とする投影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−128438(P2012−128438A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−21430(P2012−21430)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【分割の表示】特願2009−192596(P2009−192596)の分割
【原出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】