説明

光源装置および光計測装置

【課題】小型で簡易な構成により広い波長域の光を発光できる光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置1は、蛍光を発光する複数の蛍光体層を含む可動蛍光部3と、可動蛍光部3に励起光を照射する励起光源2と、可動蛍光部3から発光した蛍光を集光する非球面ミラー4および集光レンズ5と、可動蛍光部3に照射される励起光の焦点位置を変化させる焦点変化部と、を備える。複数の蛍光体層の各々は異なる粒子径の半導体ナノ粒子を含む。複数の蛍光体層のうちの一つに励起光を照射し半導体ナノ粒子が粒子径に対応した蛍光を発光することにより、異なる複数の波長の蛍光を発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置および光計測装置に関し、特に、互いに異なる複数の波長の光を発光できる光源装置と、その光源装置を備える光計測装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
光を用いた分析手法は、対象物の特性の情報を非破壊・非接触で得られるという特長を有しているため、工業分野や化学分野をはじめとして広く用いられている。光計測装置を構成する一般的な機器としては、広い発光波長を持つハロゲンランプなどが光源として主に用いられる。光源が発生する光を対象物に照射、走査(スキャン)して、透過光や反射光を得る。この透過光や反射光を分光器を用いて波長分解し、波長ごとの光強度を測定して、光スペクトルのデータを取得する。
【0003】
しかし、一般に分光器として用いられる回折格子や干渉フィルタなどは、大型で重量も大きく、そのため持ち運びが困難で装置が高額になる。そこで、小型で簡易な構成でありながら使用できる光の波長域が広く、かつ分光器を省略できるような多波長の光源を持ち、光のスペクトルを得る分光計測に使用できるような光計測装置が求められている。
【0004】
このような計測装置として、ハロゲンランプと音響光学素子とを組み合わせた計測装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、光源部においてハロゲンランプより発せられた光が絞り付鏡筒の内部を通り、駆動モータによりライトチョッパが回転することでパルス状の光となり、音響光学素子を通過することで単波長の光になる。照射する光を波長分解しておくことで、分光器を省略している。
【0005】
また、ある特定の狭い波長域の光のみを出力する光源であるLD(半導体レーザ)やLED(発光ダイオード)のような半導体素子を光源として用いる装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2によると、LEDやLDを使用することにより、発光受光部を小型化し、かつ低消費電力を可能とすることで電池駆動式小型、軽量のハンディ型果実成分非破壊測定器を構成する。この場合も分光器を省略できる。
【0006】
また、光ファイバーグレーティングを利用した計測装置が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3の装置では、光源からの光を試料に直接照射するとともに、光ファイバーグレーティングを、その入射部に光源から照射された光が入射し、かつ、その出射部から特定波長、すなわち計測用波長の光が試料に照射されるように配置する。そして、試料からの反射光または透過光を受光することにより、計測用波長の計測用光を試料からの反射光または透過光として得ることができる。
【0007】
また近年では、LEDやLDなどの固体光源と蛍光体粉末を樹脂中に分散させた蛍光層とを組み合わせた光源が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。このような光源は、構成が簡便で小型化が可能なことから広く普及してきており、性能面においても照明用途での需要によって高輝度化が進み、光計測用の高輝度光源としての使用に堪える性能となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−122412号公報
【特許文献2】特開2002−116141号公報
【特許文献3】特開平11−108826号公報
【特許文献4】国際公開第2001/008453号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の装置のように、音響光学素子を用いれば分光器が不要となるが、素子の材料である非線形光学結晶が非常に高価で機器の構成も複雑になる。
【0010】
特許文献2のような半導体素子を用いる装置では、LEDやLDなどの半導体素子を用いて特定の波長のみを用いているので、分光する必要が無く装置を小型で安価にできる。しかし、半導体素子には、半導体の特性上発光できない波長がある。つまり、波長500nm以上600nm以下、および波長2μm以上の光は、半導体発光素子で得ることが極めて困難である。そのため、測定に必要な波長をカバーできないという欠点がある。また、LEDやLDの波長は可変にできないため、いったん装置を作成するとそれ以外の波長に変えることができない。よって測定に必要な全ての波長の光を一つの光源でまかなうことはできない。
【0011】
特許文献3に記載の光ファイバグレーティングは、ファイバコア上に周期的な屈折率変化を形成してその周期に対応した特定の波長のみを反射する仕組みであるが、振動などの外部騒乱に弱く、安定させるための機構を設けるためにコストがかさむ。
【0012】
これに対して、特許文献4のような蛍光体と固体光源とを組み合わせた光源では、小型化が可能で構成も簡便であり、発光波長も広くカバーできる。しかし、従来用いられている、発光中心を母体となる材料に埋め込んだ付活型と呼ばれる蛍光体は、熱に弱いために、外部照射光によって発光強度が減衰してしまうという欠点があった。また、現在用いられている蛍光光源では、複数の波長の蛍光が混じった多色の多波長光源として構成されており、光のスペクトルを得るために必要な何種類もの単一の波長の光を別個に効率よく得ることができず、光計測用の光源として適さないという欠点があった。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、小型で簡易な構成でありながら、広い波長域の光を発光することができ、かつ分光器を省略できる、光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る光源装置は、蛍光を発光する複数の蛍光体層を含む蛍光部と、蛍光部に励起光を照射する光源と、蛍光部から発光した蛍光を集光する集光部と、蛍光部に照射される励起光の焦点位置を変化させる焦点変化部と、を備える。複数の蛍光体層の各々は異なる粒子径の半導体ナノ粒子を含む。複数の蛍光体層のうちの一つに励起光を照射し半導体ナノ粒子が粒子径に対応した蛍光を発光することにより、異なる複数の波長の蛍光を発光する。
【0015】
上記光源装置において、焦点変化部は、蛍光部を移動させて励起光の焦点位置を移動させてもよい。
【0016】
上記光源装置において、光源は、複数の蛍光体層に対応する複数の発光部を有し、焦点変化部は、複数の発光部のうちの一つから対応する蛍光体層に励起光を入射させて励起光の焦点位置を切り替えてもよい。
【0017】
上記光源装置において、半導体ナノ粒子は、半導体ナノ粒子が発光する蛍光の発光波長と光源装置から出射する出射光の波長との差を50nm以下とする粒子径を有してもよい。
【0018】
上記光源装置において、光源装置から出射する出射光は、500nm以上600nm以下の波長を有してもよい。または出射光は、2μm以上の波長を有してもよい。
【0019】
上記光源装置において、蛍光部は、光源から照射される励起光に対して透明性を有する透明基板を有し、蛍光体層は、透明基板に設けられてもよい。
【0020】
上記光源装置において、蛍光部は、光源から照射される励起光に対して反射性を有する反射基板を有し、蛍光体層は、反射基板に設けられてもよい。
【0021】
上記光源装置において、蛍光体層は、光源から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有してもよい。
【0022】
上記光源装置において、複数の蛍光体層の間には、蛍光を発光しない空白層が形成され、空白層は、光源から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有してもよい。
【0023】
上記光源装置において、光源から照射される励起光を蛍光部に集束させる集光部材を備えてもよい。
【0024】
上記光源装置において、集光部材は、光源と蛍光部との間に配置され、蛍光部に励起光の焦点を結ぶレンズを含んでもよい。
【0025】
上記光源装置において、集光部材は、光源から照射される励起光を反射する非球面の反射鏡を含んでもよい。
【0026】
上記光源装置において、光源から出射する励起光の半分以上が集光部材に照射されてもよい。
【0027】
上記光源装置において、光源は、半導体発光素子を含んでもよい。
上記光源装置において、集光部は、非球面の反射鏡を有してもよい。
【0028】
上記光源装置において、複数の蛍光体層のうち半分以上が集光部に覆われてもよい。
上記光源装置において、複数の蛍光部を備え、光源は、複数の蛍光部のうち選択されたいずれかの蛍光部に励起光を照射してもよい。
【0029】
本発明に係る光計測装置は、上記のいずれかの局面の光源装置を備え、光源装置から出射される多波長の出射光を利用して光のスペクトルを得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の光源装置によると、広い波長域の光を発光できるので分光器を省略でき、装置を小型で簡易な構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1の光源装置の構成の概略を示す模式図である。
【図2】図1に示す可動蛍光板の詳細を示す模式図である。
【図3】実施の形態2の光源装置の構成の概略を示す模式図である。
【図4】実施の形態3の光源装置の構成の概略を示す模式図である。
【図5】実施の形態4の光源装置の構成の概略を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の光源装置1の構成の概略を示す模式図である。図1を参照して、本実施の形態に係る光源装置1について説明する。
【0034】
本実施の形態に係る光源装置1は、光のスペクトルを得る分光計測に使用される光計測装置のための光源として好適に用いられる。但し、光源装置1を備える光計測装置が用いられる対象は、分光計測に限定されるものではない。光源装置1は、光源の一例としての励起光源2と、集光部材の一例としての集光レンズ8と、蛍光部の一例としての可動蛍光板3と、集光部の一例としての非球面ミラー4および集光レンズ5と、集光レンズ5から出射された光を導光する出射ファイバ7とを備える。
【0035】
励起光源2は、可動蛍光板3に励起光を照射する。本実施の形態では、励起光源2として半導体発光素子の一例であるLEDが用いられている。励起光源2として小型の光源である半導体発光素子を用いることにより、光源装置1の小型化を可能にしている。
【0036】
集光レンズ8は、励起光源2と可動蛍光板3との間の、励起光源2が発生する励起光が可動蛍光板3へ向かう光路上に配置されている。集光レンズ8は、励起光源2から出射された励起光を集光し、可動蛍光板3に集束させる。集光レンズ8を設け、可動蛍光板3に向かう方向の光の光度を上げることにより、励起光源2からの励起光が集束しやすくなり、励起光が可動蛍光板3上に焦点を結びやすくなる。励起光源2は、励起光が集光レンズ8を介して可動蛍光板3上に焦点を結ぶように、設けられている。
【0037】
励起光源2から出射された励起光は、集光レンズ8を透過するときに屈折して集束され、可動蛍光板3に入射する。可動蛍光板3は、図示しない保持部材を備える。保持部材にはスライド機構が設けられており、そのため可動蛍光板3は、図1中の両矢印方向に可動となっている。
【0038】
図1において模式的な断面図が示されている可動蛍光板3の模式的正面図を、図2に示す。図2は、図1に示す可動蛍光板3の詳細を示す模式図である。図2に示すように、可動蛍光板3は、複数の蛍光体層21,22,23を備える。蛍光体層21,22,23は、蛍光体粉末を含む。蛍光体粉末に励起光が照射されると、蛍光体粉末は蛍光を発光する。可動蛍光板3は、蛍光を発光する複数の蛍光体層21,22,23を含む。蛍光体層21は、励起光源2で発生した光を波長λ1の蛍光に変換する。蛍光体層22は、励起光源2で発生した光を波長λ2の蛍光に変換する。蛍光体層23は、励起光源2で発生した光を波長λ3の蛍光に変換する。
【0039】
可動蛍光板3においては、蛍光体層21、蛍光体層22、および蛍光体層23が順に並んで設けられている。蛍光体層21と蛍光体層22との間、および、蛍光体層22と蛍光体層23との間には、空白層が設けられている。空白層は、図2に示すように幅hを有する。可動蛍光板3には、蛍光体層21〜23のほかにも蛍光体層が設けられているが、説明のためこれら3つの蛍光体層のみを図示している。
【0040】
蛍光体層21,22,23は、発する蛍光に対して透過性を持つ樹脂中に蛍光体粉末を封じて構成され、同様に蛍光に対して透過性を持つガラス基板に塗布されている。可動蛍光板3は、励起光源2から照射される励起光に対して透明性を有する透明基板としてのガラス基板を有し、蛍光体層21,22,23はガラス基板に設けられている。そのため、光軸の調整を簡単にすることができ、光学系をコンパクトにすることができる。蛍光体層21,22,23は、蛍光体層21,22,23から発した蛍光が可動蛍光板3を透過して非球面ミラー4に入射できるように、設けられている。
【0041】
蛍光体層21,22,23に含まれる蛍光体粉末は、本実施の形態では、CdSeからなる半導体ナノ粒子である。複数の蛍光体層21,22,23は、半導体ナノ粒子210,220,230をそれぞれ含む。半導体ナノ粒子による蛍光体は近年研究が進んでいるもので、一般に平均粒子径が1nm以上、1μm以下のナノスケールにおける量子サイズ効果により、離散的な準位を発現させて発光波長を制御できる特長を持つ。
【0042】
具体的には、量子サイズ効果により離散的な準位を発現させるために、電子の散乱によるエネルギー準位の広がりと量子サイズ効果によるエネルギー準位の間隔との比較により、エネルギー準位の間隔よりもエネルギー準位の広がりが小さい必要がある。一般的にはキャリアの寿命がエネルギー準位の広がりに影響しており、半導体材料によって必要なナノ粒子のサイズが異なるが、CdSeであれば、平均粒子径が2nm〜10nmの粒子が作製されている。
【0043】
半導体を極めて小さいナノスケールに粒子化して電子を閉じ込めると、状態密度がエネルギーに関してデルタ関数的に離散化するために、特定のエネルギーに状態が集中する。そのため、量子サイズを変えるだけで発光波長が変化する。よって、粒子径によって発光波長やスペクトル幅を任意に変えることができるのである。こうしたナノサイズの半導体から成る蛍光体では、量子効果によって発光のエネルギーを制御できるため、LEDやLDのような半導体発光素子では発光できない波長も発光することができる。たとえば、半導体発光素子では発光できない波長500nm以上600nm以下、または波長2μm以上の光を、光源装置1から出射させることができる。
【0044】
使用される半導体はCdSeナノ粒子やInPナノ粒子やZnSeTeナノ粒子などがあるが、本実施の形態では、CdSeナノ粒子を用いる。
【0045】
複数の蛍光体層21,22,23の各々は、異なる粒子径の半導体ナノ粒子210,220,230を含む。蛍光体層21,22,23は、可動蛍光板3上に発光波長の順に並んで設けられている。図2に示す蛍光体層21,22,23は、それぞれの半導体ナノ粒子210,220,230の径を変化させることで発光ピーク波長を変化させている。蛍光体層21,22,23のうちの一つに励起光を照射することにより、半導体ナノ粒子210,220,230は粒子径に対応した蛍光を発光する。
【0046】
いずれの蛍光体層21,22,23も、その大きさは少なくとも励起光源2から照射される光Lの焦点のスポット径よりも大きく、スポット径を全てカバーできるように設けられている。蛍光体層21,22,23は、励起光源2から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有する。そのため、光Lのほとんどが蛍光体層21,22,23に照射されるので光の損失が少ない。また、各々の蛍光体層21,22,23に励起光が照射されるとき、他の蛍光体層に励起光が同時に照射されて異なる波長の蛍光を同時に励起することを防止できる。
【0047】
また、蛍光体層21,22,23は等間隔の幅hを隔てて設けられ、蛍光体層21,22の間、および、蛍光体層22,23の間には、蛍光体層が設けられていない空白領域または空白層が形成されている。空白層は、蛍光体を含まず、そのため空白層に励起光が照射されても蛍光を発光しない。空白層は、その幅hが少なくとも励起光源2から照射される光Lのスポット径よりも大きく、励起光源2から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有する。空白層は、励起光源2から照射される励起光が複数の蛍光体層に同時に照射されて異なる波長の蛍光を同時に励起することを防止するために、設けられている。
【0048】
可動蛍光板3の図示しない保持部材には、スライド機構が設けられる。スライド機構によって時間とともに可動蛍光板3がスライド移動され、励起光源2から照射された光Lの焦点位置が可動蛍光板3上の複数の蛍光体層21,22,23を順次横切るように移動する。可動蛍光板3の移動により、複数の蛍光体層21,22,23のそれぞれに、励起光源2から照射される励起光が入射する。スライド機構は、可動蛍光板3に照射される励起光が可動蛍光板3において焦点を結ぶ位置を変化させる、焦点変化部としての機能を有する。
【0049】
図1に示す両矢印方向に可動蛍光板3をスライドさせていくと、励起光源2から入射される光の焦点位置が蛍光体層21、蛍光体層21と蛍光体層22の間の空白層、蛍光体層22、蛍光体層22と蛍光体層23の間の空白層、蛍光体層23、というように順次移動していく。
【0050】
これに伴って、可動蛍光板3から発光する蛍光が、λ1、発光せず、λ2、発光せず、λ3、というように順次変化していくことで、光源装置1から出射する光の波長が切り替わる。このようにして異なる波長の蛍光が波長ごとにλ1、λ2、λ3と順次励起されて光源装置1から出射される。このとき、蛍光体層21,22,23の間に蛍光が発光しない空白層を挟むことで、可動蛍光板3から出射する蛍光にλ1とλ2の異なる波長の蛍光が混入しないという効果が得られる。
【0051】
図1に戻って、可動蛍光板3を透過した蛍光は、非球面ミラー4で反射されて集光される。励起光源2で発生した励起光によって励起された可動蛍光板3の蛍光は広がって発光するが、本実施の形態では非球面ミラー4によって蛍光が集光レンズ5に集光されるように、非球面ミラー4および集光レンズ5は設計され配置されている。このような設計は一般的に行われているものであるので、実現は容易である。
【0052】
非球面ミラー4で反射された蛍光は、集光レンズ5でさらに集光され、出射ファイバ7の端部のファイバ端6に結合される。出射ファイバ7は、集光レンズ5から出射された光を導光する。集光レンズ5によってファイバ端6に結合された光は、出射ファイバ7に導光されて図示しない波長フィルタに入射される。波長フィルタにおいて、混入している励起光源2からの光など不必要な波長の光がカットされ、好適な波長が選別されて光源装置1より出射される。
【0053】
このとき、半導体ナノ粒子によって発する光のスペクトル半値幅(光出力のスペクトル分布において光強度がピーク値の50%になる発光波長の全幅)は、一般的に約50nmから広いものでは約100nm以上であるが、スペクトル半値幅を外れると光強度が急激に減衰する。よって、選別される光の波長は、半導体ナノ粒子が発光する蛍光の発光波長と光源装置1から出射する光の波長との差が50nm以内である。すなわち、半導体ナノ粒子が発光する蛍光の発光波長のピークの±50nm以内の波長を利用すれば、出射光を効率よく得られる。
【0054】
以上説明したように、実施の形態1の光源装置1において、可動蛍光板3には、半導体ナノ粒子210,220,230を含む蛍光体層21,22,23が、粒子径ごとに並べられている。可動蛍光板3をスライド機構とともに設け、スライド機構によって可動蛍光板3を移動させることで、異なる波長の蛍光を順に出射することができる。
【0055】
そのため、光源装置1は、光のスペクトルを計測するために異なる波長を順に出射することを求められる光走査用の光源として利用することができる。光源装置1は、半導体素子では発光できない波長を含む多波長の光を順次出射できるため、回折格子などを用いる必要がない。よって、小型で簡易な構成でありながら使用できる光の波長域が広く、かつ分光器を省略できるような、光計測装置に最適な多波長の光源装置1が得られる。
【0056】
光源装置1を利用することにより、光のスペクトルを得る分光計測に好適に使用できる光計測装置を実現することができる。走査するスピードや光の波長の選択は、可動蛍光板3を動かすスピードやタイミングによって制御することができるため、光のスペクトルを好適に得ることができる。
【0057】
また、半導体ナノ粒子210,220,230の粒子径によって蛍光の波長を制御することで、蛍光のピーク波長を必要な波長の近傍にあらかじめ絞り込むことができる。そのため、従来のように、広い発光波長を持つハロゲンランプのような光源や複数の波長が混ざって発光する多色の多波長光源から必要な波長を切り出すよりも、光のスペクトルを得るために必要な何種類もの単一の波長の光を別個に効率よく得ることができる。
【0058】
また、励起光源2が半導体発光素子によって構成されており、ランプのような光源よりも小さい半導体発光素子を励起光源2として用いることで、光源装置1をさらに小型にすることができる。
【0059】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2の光源装置31の構成の概略を示す模式図である。図3には、励起光源32からの光によって可動蛍光板33において励起される蛍光が、反射光として非球面ミラー34に入射する構成を備える光源装置31が、模式的に図示されている。
【0060】
図3では、可動蛍光板33の基板は、励起光源32から照射される励起光および蛍光体層において発光する蛍光に対して反射性を有する部材が使用されている。可動蛍光板33は、励起光および蛍光に対して反射性を有する反射基板を有し、蛍光体層は、反射基板上に設けられている。反射基板は、蛍光体層で発光する蛍光を非球面ミラー34に対して反射する。この場合、実施の形態1と異なり、蛍光体層が反射基板上に乗せられており、蛍光体粉末を樹脂中に封入していない。蛍光体層を樹脂中に封入した上で反射基板上に設けても実施の形態2の光源装置31を提供できるが、蛍光体層を樹脂中に封入せずに反射基板上に載せて光源装置31を作製すれば、樹脂が光照射によって劣化することを考慮する必要がない。
【0061】
このような構成としても、小型で簡易な構成でありながら使用できる光の波長域が広く、かつ分光器を省略できるような多波長の光源装置1を提供することができる。この光源装置1を利用することで、光のスペクトルを得る分光計測に好適な光計測装置を実現することができる。
【0062】
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3の光源装置41の構成の概略を示す模式図である。実施の形態3の光源装置41は、励起光源42と、励起光源42から出射された光が入射される可動蛍光板43とを備える。光源装置41はまた、励起光源42が出射した励起光を反射して可動蛍光板3に集光するための非球面ミラー44aと、可動蛍光板43を透過した光を反射して集光レンズ45に集光するための非球面ミラー44bとを備える。光源装置1はまた、非球面ミラー44bから出射した光をファイバ端46に結合するための集光レンズ45と、集光レンズ45から出射された光を導光する出射ファイバ47とを備えている。
【0063】
集光部材の一例としての非球面ミラー44aは、励起光源42からの入射光が集光されて可動蛍光板43上で焦点を結ぶように設計されている。実施の形態1の集光レンズ8に換えて非球面ミラー44aを設けることで、励起光源2からの励起光を効率よく可動蛍光板43上に集光することができる。集光部の一例としての非球面ミラー44bは、可動蛍光板43から出射された光が集光レンズ45に集光されるように設計されている。可動蛍光板43から拡散して発光する蛍光を集光するために非球面ミラー44bを用いることにより、蛍光を集光レンズ45に集光しやすくなる。
【0064】
可動蛍光板43は、図2の可動蛍光板3と同様に、半導体ナノ粒子を含む複数の蛍光体層を備えている。
【0065】
可動蛍光板43の保持部材48にはスライド機構が設けられ、時間とともに可動蛍光板43がスライドされて、励起光源42から照射された光の焦点が可動蛍光板43上の複数の蛍光体層を順次横切るように移動する。可動蛍光板43を動かすことによって、波長の異なる蛍光が波長ごとに順次励起されて光源装置41から出射される。
【0066】
集光レンズ45によってファイバ端46に結合された光は出射ファイバ47に導光されて図示しない波長フィルタに入射され、混入している励起光源42からの光など不必要な波長の光をカットして好適な波長が選別され、光源装置41より出射される。
【0067】
本実施の形態では、二つの非球面ミラー44a,44bを用い、励起光源42と可動蛍光板43がそれぞれ非球面ミラー44a,44bに覆われるように設けられている。そのため、励起光源42および可動蛍光板43から出射した光の損失を低減でき、集光が効率よく行える。
【0068】
なお、非球面ミラー44a,44bは、必ずしも非球面ミラーに限られず球面ミラーなどでも集光することはできるが、非球面ミラーを用いた方が光軸を調整しやすく効率よく集光することができる。このとき、励起光源42から出射する励起光の少なくとも半分以上が非球面ミラー44aに照射されるように設ければ、非球面ミラー44aに届かない無駄な光を減らすことができ、より励起光の損失を低減できる。
【0069】
また、可動蛍光板43は必ずしも非球面ミラー44bに覆われていなくとも蛍光を集光して集光レンズ45に入射させることができるが、覆われていた方が効率よく集光できる。このとき、可動蛍光板43に設けられる蛍光体層の少なくとも半分以上が非球面ミラー44bに覆われるように設けることで、非球面ミラー44bに届かない無駄な光を減らすことができるので、より蛍光の損失を低減できる。
【0070】
また、非球面ミラー44a,44bは別々に設けずとも、一体型にして開けた孔に可動蛍光板43を導入するようにしても、図4に示す実施の形態3の光源装置41と同様に、多波長の光源装置を提供できる。
【0071】
また、励起光源42と非球面ミラー44aの間に集光レンズを設けて、励起光の光路を制御してもよい。
【0072】
(実施の形態4)
図5は、実施の形態4の光源装置の構成の概略を示す模式図である。図5には、図1に示す励起光源2および可動蛍光板3の代わりに用いられる励起光源52および蛍光板53が図示されている。励起光源52と蛍光板53との間に存在する光学系は、説明のため図5では図示を省略されている。
【0073】
図5に示すように、励起光源52は、複数のLED540,550,560が2列に並んで配置されたLEDアレイとなっており、LED540,550,560ごとに複数の領域54,55,56に分かれている。励起光源52は、発光部としての領域54,55,56を有する。領域54は、二つのLED540を含む。領域55は、二つのLED550を含む。領域56は、二つのLED560を含む。
【0074】
図5に示すように、蛍光板53は、半導体ナノ粒子570,580,590を含む複数の蛍光体層57,58,59を備えている。蛍光体層57は、領域54のLED540から出射する励起光を波長λ1の蛍光に変換する。蛍光体層58は、領域55のLED550から出射する励起光を波長λ2の蛍光に変換する。蛍光体層59は、領域56のLED560から出射する励起光を波長λ3の蛍光に変換する。蛍光板53においては、蛍光体層57と、蛍光体層58と、蛍光体層59とが、順に並んで設けられている。
【0075】
LEDアレイに含まれる複数の領域54,55,56と、複数の蛍光体層57,58,59とは、一対一対応で設けられている。つまり、領域54は蛍光体層57に対応して設けられ、領域55は蛍光体層58に対応して設けられ、領域56は蛍光体層59に対応して設けられている。集光レンズを含む光学系は、各々の領域54,55,56に含まれるLED540,550,560から出射した光が、それぞれ対応する蛍光体層57,58,59上で焦点を結ぶように、配置されている。
【0076】
励起光源52は、複数の領域54,55,56から一つの領域を選択して、選択された領域から励起光を出射する。励起光源52が駆動する領域54,55,56を順に切り替えることで、蛍光板53に含まれる蛍光体層57,58,59に順に励起光を照射する。励起光源52は、領域54,55,56のうちの一つから対応する蛍光体層57,58,59に励起光を入射させることにより、蛍光板53に励起光が集束する焦点位置を切り替える。これにより、蛍光板53は、波長λ1,λ2,λ3の蛍光を、順次励起する。本実施の形態の励起光源52は、蛍光板53に照射される励起光の焦点位置を変化させる焦点変化部としての役割を果たす。
【0077】
本実施の形態では、蛍光板53に光を照射するLEDアレイの領域54,55,56を順次切り替えることで、蛍光板53で発光する蛍光の波長を順次切り替える。そのため、実施の形態1〜3で説明した可動蛍光板を移動させるためのスライド機構を省略することができるので、光源装置1の構成を簡易にでき、装置を小型化できる。
【0078】
また、蛍光体層57,58,59の間隔は、励起光源52から入射される光の焦点が隣接した蛍光体層にはみ出さない間隔であればよい。つまり、蛍光体層57,58,59の間の空白層の幅を小さくできるので、可動蛍光板と比較して蛍光板53をより小型にできる。
【0079】
図5では説明のために、励起光源52のLEDアレイの領域54,55,56と、蛍光板53の蛍光体層57,58,59と、を各々三つずつ示しているが、数はこれに限るものではない。励起光源52にさらに多くの領域を設けてもよく、蛍光板53にさらに多くの蛍光体層を設けることもできる。
【0080】
また、図5では長方形の領域54,55,56において二個ずつのLED540,550,560が設けられて励起光源52を構成しているが、領域の形状とLEDの配置とはこれに限るものではない。各領域は一個または三個以上のLEDを含んでもよいし、励起光源52において領域は一列または三列以上に配置されてもよいし、各領域は長方形以外の形状であってもよい。
【0081】
図5では、図1の励起光源2および可動蛍光板3の代わりに用いられる励起光源52および蛍光板53が図示されたが、図3に示す励起光源32に替えて励起光源52のLEDアレイが使用され、可動蛍光板33に替えて可動しない蛍光板53が使用されてもよい。このような構成にしても、蛍光板53を可動にするための機構を省略することができ、小型で簡易な構成でありながら使用できる光の波長域が広く、かつ分光器を省略できるような多波長の光源装置を提供できる。この光源装置を利用することで、光のスペクトルを得る分光計測に好適な光計測装置を実現することができる。
【0082】
なお、実施の形態1〜4の説明においては、蛍光体を形成する半導体ナノ粒子としてCdSeを用いたが、これに限るものではなく、光計測に必要な波長を発光できる半導体ナノ粒子であれば、任意の種類の半導体ナノ粒子であってもよい。
【0083】
また、効率よく蛍光を取りだせるのであれば、光源装置を構成する励起光源やレンズなどの各構成の配置は必ずしも正確に図示した通りに再現するものでなくとも構わない。
【0084】
また、実施の形態1〜4では蛍光板を一枚のみ設けているが、複数の蛍光板を用意しておき、手動または機械的に各蛍光板を順に選択できるようにしてもよい。このようにすれば、光源装置1が出射できる蛍光の波長をさらに広げることができる。この場合、蛍光板を切り替えられるような機構を光源装置に設ける必要があるものの、より好適な波長の蛍光を出射することができる。また、蛍光板が傷んだ場合に新しいものに取り替えることも容易に可能となる。このとき、取り替える蛍光板を光源装置の内部にあらかじめ格納しておけば、光源装置を開けることなく蛍光板を取り替えることができる。
【0085】
また、実施の形態1〜4では板状の蛍光板を用いているが、蛍光部の形状はこれに限るものではなく、複数の蛍光体層の位置を励起光源に対して移動できるのであればどのようなものでも構わない。
【0086】
また、実施の形態1〜4では励起光源にLEDを用いたが、LDやSLD(スーパールミネッセントダイオード)のような他の半導体発光素子であっても、コンパクトな構成で強い励起光が得られる素子であれば、光源装置を実現できる。
【0087】
また、実施の形態1〜4では励起光源としてひとつのLEDを用いているが、これに限るものではなく、複数のLEDを用いても良い。
【0088】
また、実施の形態1〜4では長方形の蛍光板上に蛍光体層が一列に設けられているが、蛍光板の形状や蛍光体層の配置はこれに限るものではなく、蛍光体層が二列以上であっても、二次元的な配置であっても、蛍光板の形状が長方形以外であっても、光源装置を実現することが可能である。
【0089】
また、実施の形態1〜4では、樹脂中に蛍光体粉末を封じた蛍光体層が形成された蛍光板を用いているが、これに限るものではなく、蛍光体層から発した蛍光が蛍光板を透過して非球面ミラーに出射されるような構成であれば、必ずしも蛍光体粉末を樹脂中に封じずとも良い。
【0090】
また、実施の形態1〜4では、蛍光板としてガラス基板を使用しているが、これに限るものではなく、蛍光体層から発した蛍光に対して透過性を持つのであれば、ガラス以外の材質の基板を用いてもよいし、蛍光体層と樹脂のみで充分な強度と安定性が得られるのであれば基板を無くしても良い。
【0091】
また、実施の形態1〜3では、可動蛍光板をスライド機構によって動かしているが、これに限るものではなく、必要な波長を好適な強度で励起できるのであれば、レール、ベルト、シャフトまたはギアなどの任意の機構を用いて、平行運動、回転運動または揺動などの制御をすることができる。
【0092】
また、実施の形態1〜4では、隣接する蛍光体層の順に励起しているが、これに限るものではなく、計測の条件に応じて励起する蛍光体層の順序を選ぶことができる。
【0093】
また、実施の形態1〜4では、励起光源から出射した光をレンズやミラーで集光しているが、必ずしもこうした集光手段を設けずとも蛍光板に励起光源からの光を入射できる。しかし、集光手段を設けることで励起光源からの光を効率よく蛍光板上に集光することができる。
【0094】
また、励起光源とコリメートレンズとを組み合わせて集光レンズへの入射を好適に制御してもよい。この場合、コリメートレンズを設けるための光軸の調整が必要になる。
【0095】
また、励起光源からの光を集光するための集光レンズを可動にしてもよい。その場合、駆動系が必要となるが、励起光源の焦点を制御しやすくなる。励起光源の光の焦点を好適に制御できるのであれば、集光レンズを省略したり、集光レンズのかわりに集光ミラーを使用しても構わない。
【0096】
また、実施の形態1〜3では蛍光板を可動にしているが、励起光源の方を可動にして蛍光板上に結ぶ光の焦点の位置を移動させることで蛍光の発光波長を制御しても、光計測のための多波長光源として用いることができる光源を有する光源装置を実現することができる。この場合、励起光源を移動させる駆動系が必要となる。
【0097】
また、実施の形態1〜4では出射ファイバを用いているが、これに限るものではなく、ファイバを介して蛍光を出射しなくてもよい。
【0098】
また、実施の形態1〜4では蛍光を集光してファイバ端に結合するために非球面ミラーを用いているが、これに限るものではなく、蛍光を効率よく集光してファイバ端に結合できるのであれば、他の形状のフォーカシングミラー、球面ミラー、プリズムまたはリフレクタなど、任意の光学機器を用いても良い。
【0099】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1,31,41 光源装置、2,32,42,52 励起光源、3,33,43 可動蛍光板、4,34,44a,44b 非球面ミラー、5,45 集光レンズ、6,46 ファイバ端、7,47 出射ファイバ、8 集光レンズ、21,22,23,57,58,59 蛍光体層、48 保持部材、53 蛍光板、54,55,56 領域、210,220,230,570,580,590 半導体ナノ粒子、L 光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光を発光する複数の蛍光体層を含む蛍光部と、
前記蛍光部に励起光を照射する光源と、
前記蛍光部から発光した蛍光を集光する集光部と、
前記蛍光部に照射される励起光の焦点位置を変化させる焦点変化部と、を備え、
複数の前記蛍光体層の各々は異なる粒子径の半導体ナノ粒子を含み、
複数の前記蛍光体層のうちの一つに励起光を照射し前記半導体ナノ粒子が粒子径に対応した蛍光を発光することにより、異なる複数の波長の蛍光を発光する、光源装置。
【請求項2】
前記焦点変化部は、前記蛍光部を移動させて励起光の焦点位置を移動させる、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源は、複数の前記蛍光体層に対応する複数の発光部を有し、
前記焦点変化部は、複数の前記発光部のうちの一つから対応する前記蛍光体層に励起光を入射させて励起光の焦点位置を切り替える、請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記半導体ナノ粒子は、前記半導体ナノ粒子が発光する蛍光の発光波長と前記光源装置から出射する出射光の波長との差を50nm以下とする粒子径を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記光源装置から出射する出射光は、500nm以上600nm以下の波長を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記光源装置から出射する出射光は、2μm以上の波長を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項7】
前記蛍光部は、前記光源から照射される励起光に対して透明性を有する透明基板を有し、
前記蛍光体層は、前記透明基板に設けられる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光源装置。
【請求項8】
前記蛍光部は、前記光源から照射される励起光に対して反射性を有する反射基板を有し、
前記蛍光体層は、前記反射基板に設けられる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光源装置。
【請求項9】
前記蛍光体層は、前記光源から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有する、請求項1から請求項8のいずれかに記載の光源装置。
【請求項10】
複数の前記蛍光体層の間には、蛍光を発光しない空白層が形成され、
前記空白層は、前記光源から照射される励起光の焦点を全て含み得る大きさを有する、請求項1から請求項9のいずれかに記載の光源装置。
【請求項11】
前記光源から照射される励起光を前記蛍光部に集束させる集光部材を備える、請求項1から請求項10のいずれかに記載の光源装置。
【請求項12】
前記集光部材は、前記光源と前記蛍光部との間に配置され、前記蛍光部に励起光の焦点を結ぶレンズを含む、請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記集光部材は、前記光源から照射される励起光を反射する非球面の反射鏡を含む、請求項11に記載の光源装置。
【請求項14】
前記光源から出射する励起光の半分以上が前記集光部材に照射される、請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
前記光源は、半導体発光素子を含む、請求項1から請求項14のいずれかに記載の光源装置。
【請求項16】
前記集光部は、非球面の反射鏡を有する、請求項1から請求項15のいずれかに記載の光源装置。
【請求項17】
複数の前記蛍光体層のうち半分以上が前記集光部に覆われる、請求項1から請求項16のいずれかに記載の光源装置。
【請求項18】
複数の前記蛍光部を備え、
前記光源は、複数の前記蛍光部のうち選択されたいずれかの前記蛍光部に励起光を照射する、請求項1から請求項17のいずれかに記載の光源装置。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれかに記載の光源装置を備え、前記光源装置から出射される多波長の出射光を利用して光のスペクトルを得る、光計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−110258(P2013−110258A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253830(P2011−253830)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】