光源装置
【課題】 バックライト装置に使用可能な音鳴りの発生しない光源装置を提供する。
【解決手段】 表面側に発光素子1を搭載した平板状の基板2の1または複数が、導電性の平板面3aを備えたシャーシ3に、基板2の裏面が平板面3aと対向するように支持され、基板2が、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、発光素子1の2端子が、隣接して配置された2つの第1導電性薄膜に各別に接続し、少なくとも1つの第2導電性薄膜の電位が、シャーシ3の平板面3aの電位に対して一定の電位差、好ましくは同電位となるように固定されていることを特徴とする光源装置を提供する。
【解決手段】 表面側に発光素子1を搭載した平板状の基板2の1または複数が、導電性の平板面3aを備えたシャーシ3に、基板2の裏面が平板面3aと対向するように支持され、基板2が、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、発光素子1の2端子が、隣接して配置された2つの第1導電性薄膜に各別に接続し、少なくとも1つの第2導電性薄膜の電位が、シャーシ3の平板面3aの電位に対して一定の電位差、好ましくは同電位となるように固定されていることを特徴とする光源装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置に関し、特に、透過型液晶ディスプレイのバックライト装置及び照明装置等に使用可能な光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶ディスプレイは、液晶パネルの背面に光源としてバックライト装置を備える。バックライトとして使用される光源装置の光源は、従来はCCFL(冷陰極蛍光ランプ)が主流であったが、LED(発光ダイオード)の技術進歩により、CCFLに代ってLEDを光源として利用することが有望視されている。例えば、下記特許文献1には、LED素子を発光素子として用いるバックライト装置について説明されている。下記特許文献1では、基板上に複数のLED素子を必要数だけ面上に均一に分散させて搭載することで、画面全体を面照射可能な光源装置を提供している。また、斯かる面照射は、例えば下記特許文献2に記載されているように、基板上に複数のLED素子を直線状に配置した線状光源のLEDモジュールを複数個並べることでも実現可能である。また、基板上に複数のLED素子を配置する場合、下記特許文献1のように各LED素子を並列に配置する方法と、下記特許文献3のように各LED素子の所定数を直列に配置する方法がある。
【0003】
従って、基板上に複数のLED素子を直線状に配置して直列接続したLEDモジュールは、図11に模式的に示すように直列接続した複数のLED素子1の両端のアノードとカソードを外部に引き出すためのアノード端子40とカソード端子41が絶縁基板20上の端辺近傍に設けられている。図11に例示するケースでは、アノード端子40とカソード端子41を基板2の一方端に寄せて配置している。図11に示すケースでは、一例として、8個のLED素子を直列に接続したLEDモジュール50を示す。但し、図11(a)は、LED素子1を実装する前の状態を示し、図11(b)は、LED素子1を実装した状態を示している。
【0004】
LEDモジュール50には、絶縁基板20上に、8個のLED素子1を直列接続するための9本の連結用配線31〜39が形成されており、各連結用配線31〜39は、相互に離間し、端部同士が近接して連続的に配置されている。第1の連結用配線31の一方端はアノード端子40と接続し、他方端には1つのLED素子1のアノードと接続するための電極42が形成され、第2〜第8の連結用配線32〜38の各一方端には、夫々LED素子1のカソードと接続するための電極43が、各他方端には、夫々LED素子1のアノードと接続するための電極42が形成され、第9の連結用配線39の一方端はカソード端子41と接続し、他方端には1つのLED素子のカソードと接続するための電極43が形成されている。隣接する連結用配線の近接する端部に設けられた電極42、43間に夫々LED素子のアノードとカソードを接続することで、アノード端子40とカソード端子41間に8個のLED素子1が順方向に直列接続したLEDモジュールとなる。
【0005】
図11に示すLEDモジュール50を2×4のマトリクス状に配置してLEDを平面的に配置したLED光源装置を構成する場合の構成図を、図12及び図13に示す。例えば、図12に示すように、各LEDモジュール50を並列に構成する場合は、各LEDモジュール50のLED素子を駆動し、その発光を制御する制御基板51を外部に設け、各LEDモジュール50のアノード端子40及びカソード端子41を、外部配線52を介して、制御基板51に接続する。更に、図13に示すように、2個のLEDモジュール50を直列に接続したものを4組並列に構成する場合は、例えば、左右に隣接する2つLEDモジュール50の一方のアノード端子40と他方のカソード端子41を接続し、残余のアノード端子40及びカソード端子41を、外部配線52を介して、制御基板51に接続する。何れの構成においても、制御基板51の制御により各LEDモジュール50の発光が制御される。尚、図13に示す構成では、LEDモジュール50を直列に接続することで、制御基板51の制御に必要な端子数を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−207780号公報
【特許文献2】特開2008−53062号公報
【特許文献3】実公昭62−34468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、テレビの薄型化及び軽量化に対する要望が大きい。軽量化は部品の点数減少や個々の部品の大きさの縮小によって実現されることが多い。この結果、LEDバックライトの基板も、LED素子をアレイ状に全面に敷き詰める形態のものから、図12に例示したような短冊状の基板をアレイ状に配置することで、基板面積及び基板重量の軽減を図り、軽量化を図っている。更に、基板厚を薄くすることでも基板の軽量化を図っている。
【0008】
LED基板の固定も、労務コストの削減のため、更には、LED基板が小型軽量化されているため、簡易な方法が採用されており、例えば、LED基板を全面くまなくビス止めする方法に代えて、短冊状の基板の両端をリベット止め(ビス止めに比べて遊びがある)等の簡易な方法で、安価に生産するようになってきている。
【0009】
更に、薄型化については、バックライト装置のシャーシから液晶パネル表面までの厚みを薄くすることが市場から要求されている。この結果として、バックライト装置のシャーシとLED基板間の隙間は非常に狭くなっている。
【0010】
上述のような軽量化によって、LED基板は僅かな力で変位可能な状態となっている。勿論、LED基板はシャーシに固定されているので、大きく移動することはないが、軽量化のための基板薄型化による基板自体の撓り等もあり、微小なリベットの遊びの隙間等が存在することによって、大きな力でなくても、力が掛かった場合にはLED基板が僅かに移動することが有り得るようになった。
【0011】
本願発明者は、斯かる状況下でLEDバックライト装置が雑音(音鳴り)を発生することを確認した。バックライト装置の大きさ(対応する液晶パネルの画面サイズ)にも依るが、大きいものでは30dBを越える音量となり、オーディオビジュアル(AV)機器であるテレビの視聴にかなりの悪影響を及ぼしていた。更に調査すると、この音鳴り現象は、LED基板とその背面にあるシャーシが接触することによって発生していることも判明した。
【0012】
ところで、LED基板上において、LED素子を直列接続することで、各LED素子には同じ電流が流れるため、LED素子の輝度が一様になるという本質的に大きな利点が得られる。これに対して、LED素子を並列接続した場合には、個々のLED素子を個別に駆動しない限り、LED素子の輝度が一様にならないという問題があり、また、個々のLED素子を個別に駆動するとなると、個々のLED素子毎に駆動用の配線が必要となり、駆動回路の端子数も多くなり、LED素子の搭載数の多いLED基板では問題となる。従って、LED素子を直列接続することで、斯かる問題も解決される。
【0013】
しかしながら、LED素子を直列接続するとLED素子の駆動電圧が高電圧化するため、LED素子のオンオフに伴うLED基板上における電位変動も大きくなり、これにより、上記音鳴りが顕著に現れることが判明した。
【0014】
本発明は、上記バックライト装置の音鳴り現象の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バックライト装置に使用可能な音鳴りの発生しない光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明では、表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置であって、前記基板が、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の前記絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、前記発光素子の2端子が、隣接して配置された2つの前記第1導電性薄膜に各別に接続し、少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする光源装置を提供する。
【0016】
更に、上記特徴の光源装置は、少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが、より好ましい。
【0017】
上記特徴の光源装置によれば、基板裏面側の第2導電性薄膜とシャーシの平板面が平行平板となって形成されるコンデンサに印加される電圧が一定またはゼロとなることから、当該平行平板間に誘導されるクーロン力は一定で変化しないため、クーロン力が変動することに伴う平行平板間の距離の変化が抑制され、当該平行平板の振動或いは接触による音鳴りを抑制することができる。特に、基板裏面側の第2導電性薄膜とシャーシの平板面を同電位にすることで、上記クーロン力がゼロとなり、当該平行平板の変位による音鳴りは完全に抑制される。
【0018】
更に、上記特徴の光源装置は、前記第2導電性薄膜の少なくとも1つが、放熱用の導電性薄膜であり、前記発光素子の端子と電気的に接続しないことが好ましい。
【0019】
このように、基板裏面側の第2導電性薄膜を表面側の第1導電性薄膜と電気的に分離することで、第2導電性薄膜の電位を任意に設定でき、シャーシの平板面と同電位にすることも容易であり、上記音鳴り現象を簡便且つ確実に抑制できる。
【0020】
更に、上記特徴の光源装置は、前記発光素子が1または複数の前記基板上に複数搭載され、複数の前記発光素子の少なくとも2以上が直列に接続して直列回路を形成し、前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることが好ましい。
【0021】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第1導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される接続端子を備え、一の前記基板の前記接続端子と他の前記基板の前記接続端子を相互に接続することで、複数の前記基板を接続して、複数の前記基板に搭載された前記発光素子の直列回路を形成し、前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることが好ましい。
【0022】
このように、発光素子の直列回路を形成して発光素子の輝度制御を行うことで、少ない制御回路で、複数の発光素子に対して一様な輝度制御が行える利点があるが、駆動電圧の高電圧化によって、上記クーロン力が変動した場合の当該平行平板の変位量が大きくなり、音鳴りが顕著に現れることになるところ、上記平行平板間に印加される電圧が一定またはゼロとなることから、複数の発光素子を直列接続することで音鳴りが顕著になって発生するのを抑制できる。従って、本発明は、複数の発光素子を直列接続する構成において、特に有効である。
【0023】
更に、上記特徴の光源装置は、複数の前記基板の内の少なくとも、前記直列回路を流れる電流の駆動による前記発光素子の端子の電位変動が最大となる前記発光素子を搭載した1つの前記基板において、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることが好ましい。
【0024】
これにより、全ての基板に対して、基板裏面側の第2導電性薄膜をシャーシの平板面と一定の電位差或いは同電位としなくても、第2導電性薄膜の電位変動が、第1導電性薄膜の電位変動との間の容量性結合によって大きくなる基板に特化して行うことで、上記音鳴りを効果的に抑制できる。
【0025】
更に、上記特徴の光源装置は、前記直列回路を流れる電流の駆動がパルス幅変調によって行われることが好ましい。
【0026】
発光素子を流れる電流の駆動がパルス幅変調による場合は、当該電流駆動が間欠的に行われるため、第2導電性薄膜に誘導される電位変動が大きくなって、上記クーロン力が変動した場合の当該平行平板の変位量が大きくなり、音鳴りが顕著に現れることになるところ、当該平行平板間に印加される電圧が一定またはゼロとなることから、複数の発光素子を直列接続することで音鳴りが顕著になって発生するのを抑制できる。従って、本発明は、複数の発光素子を直列接続し、パルス幅変調によって駆動する構成おいて、特に有効である。
【0027】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板を前記シャーシに装着するための導電性部材によって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0028】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の裏面側に設けられた前記第2導電性薄膜を被覆する絶縁性被膜の一部が開口し、前記絶縁性被膜の開口部から露出した前記第2導電性薄膜が、直接または導電性の接続部材を介して前記シャーシの前記平板面と接触することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0029】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第2導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される第2接続端子を備え、前記第2接続端子と前記シャーシの前記平板面の間を電気的に接続することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0030】
上述の3通りの光源装置によれば、第2導電性薄膜とシャーシの平板面を簡便に同電位とすることができ、音鳴り抑制効果を簡便且つ容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の光源装置の一実施形態の概略構成を模式的に示す斜視図
【図2】LED基板のLED素子搭載前の表面側の構成を模式的に示す平面図、LED基板のLED素子搭載後の表面側の構成を模式的に示す平面図、及び、LED基板の裏面側の構成を模式的に示す平面図
【図3】LED基板のLED素子搭載状態を模式的に示す要部断面図
【図4】複数のLED基板をアレイ状に配列した接続例を模式的に示す図
【図5】LED基板とシャーシの各部の位置関係と断面構造を模式的に示す断面図
【図6】図4に示すLED素子の直列回路の駆動回路の一構成例を示すブロック図
【図7】音鳴り現象の発生メカニズムの検証実験結果を示す電圧波形図
【図8】13段のLED素子の直列回路の各LED素子のカソード端子に生じる電圧変化を示す電圧データの一覧表
【図9】図8に示す電圧データをグラフ化した図
【図10】図7に示す電圧変化によってLED基板の裏面側の各放熱用金属薄膜に誘導される電圧変化を示す電圧波形図
【図11】従来のLEDモジュールの一構成例を模式的に示す平面図
【図12】図11に示すLEDモジュールを8個並列に接続する接続例を示す図
【図13】図11に示すLEDモジュールを8個直並列に接続する接続例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る光源装置の実施形態につき、図面に基づいて説明する。尚、以下の図面では、説明の理解の容易のために、要部を強調して表示しており、各部の寸法比は、必ずしも実際の寸法比と一致するものではない。
【0033】
本実施形態に係る光源装置(以下、単に光源装置と称す)は、図1に示すように、表面側にLED素子1を搭載した平板状のLED基板2を、シャーシ3に装着して構成される。
【0034】
LED素子1は、LEDチップ(半導体ベアチップ)の1個または複数個(例えば、2〜4個)を直列接続したものを透光性のパッケージに封止して形成されており、1対のアノード端子とカソード端子を備えている。
【0035】
LED基板2は、図2及び図3に模式的に示すように、短冊状の絶縁基板20の表面側に配線用金属薄膜21(21〈1〉〜21〈7〉),22を、裏面側に1つの放熱用金属薄膜23を備え、配線用金属薄膜21,22及び放熱用金属薄膜23を被覆する絶縁膜のソルダーレジスト24,25が、基板2の両面に設けられている。図2(a)は、LED基板2の表面側の平面図で、LED素子1及びソルダーレジスト24の図示を省略している。図2(b)は、LED基板2の裏面側の平面図で、ソルダーレジスト25の図示を省略している。図2(c)は、LED素子1を搭載した状態でのLED基板2の表面側の平面図で、ソルダーレジスト24の図示を省略している。図3は、LED基板2の要部断面図で、LED基板2にLED素子1が接続している個所を模式的に示している。ここで、LED素子1が「発光素子」に相当し、LED基板2が「基板」に相当し、配線用金属薄膜21,22が「第1導電性薄膜」に相当し、放熱用金属薄膜23が第2導電性薄膜に相当する。
【0036】
絶縁基板20は、例えば、布状或いは不織布状のガラス繊維や有機繊維などに樹脂(エポキシ樹脂、シアネート樹脂等)を含浸させて形成されている。配線用金属薄膜21,22及び放熱用金属薄膜23は、銅等の金属薄膜で、必要に応じて最表面に金メッキを施しても良い。絶縁基板20には、LED基板2をビス止め或いはリベット止めによりシャーシ3に支持させるための貫通孔26が複数(図1では、7個)設けられており、配線用金属薄膜21,22、放熱用金属薄膜23、及び、ソルダーレジスト24,25は、夫々、貫通孔26及びその周囲を除く部分に形成されている。尚、図示しないが、LED基板2の表面側には、LED素子1の発光を横方向(基板面と平行な方向)に拡散させるための光学レンズを絶縁基板20に接着固定するための開口部が、配線用金属薄膜21とソルダーレジスト24に形成されている。
【0037】
配線用金属薄膜21〈2〉〜21〈6〉には、LED素子1のアノード端子、カソード端子と電気的に接続するためのランド部21a,21bが、配線用金属薄膜21〈1〉には、LED素子1のアノード端子と電気的に接続するためのランド部21aが、配線用金属薄膜21〈7〉には、LED素子1のカソード端子と電気的に接続するためのランド部21bが、夫々設けられており、表面側のソルダーレジスト24は、ランド部21a,21bを露出する開口部を有し、ランド部21a,21b以外の配線部21cを覆うように形成されている。
【0038】
隣接する配線用金属薄膜21の一方のランド部21aと他方のランド部21bが近接する位置に設けられ、1つのLED素子1のアノード端子とカソード端子を夫々接続させることで、6つのLED素子1が、配線用金属薄膜21〈1〉,21〈7〉間において直列接続される。LED基板2に搭載するLED素子1の個数は6に限定されるものではない。また、配線用金属薄膜21の個数は、LED素子1の搭載数に応じて決まる。
【0039】
配線用金属薄膜22は、LED基板2の長手方向に延伸する配線で、同じ基板上に搭載されたLED素子1との電気的な接続には使用されず、LED基板2の一方端と他方端を連絡する目的で使用される。ソルダーレジスト24は、裏面側の放熱用金属薄膜23を被覆するが、後述するように、放熱用金属薄膜23はシャーシ3と同電位となるため、また、配線用には使用されないので、必ずしもソルダーレジスト24によって、放熱用金属薄膜23とシャーシ3間を絶縁分離する必要はない。
【0040】
尚、LED素子1の発光により生じる発熱を効率的に放散させるために、放熱用金属薄膜23は、LED基板2の裏面側に、絶縁基板20の裏面を略全面的に被覆するように設けられ、更に、配線用金属薄膜21の配線部21cも、絶縁基板20の表面をなるべく広範に覆うようにパターン形成されている。
【0041】
LED基板2の長手方向の両端には、2端子のコネクタ27,28が設けられており、一方がオス型コネクタで他方がメス型コネクタである。コネクタ27の2端子は、一方が配線用金属薄膜21〈1〉と、他方が配線用金属薄膜22の一方端と夫々接続し、コネクタ28の2端子は、一方が配線用金属薄膜21〈7〉と、他方が配線用金属薄膜22の他方端と夫々接続している。LED基板2の長手方向に配列した複数のLED基板2において、隣接する2つのLED基板2の一方のコネクタ28と他方のコネクタ27を順次接続し、最終端のコネクタ28の2端子間を短絡させることで、先頭のコネクタ27の2端子間に、順次接続された複数のLED基板2に搭載された全てのLED素子1の直列回路が形成される。従って、先頭のコネクタ27の2端子の一方が、当該LED素子1の直列回路のアノード端子、他方がカソード端子となる。順次接続された各LED基板2のLED素子1の搭載数は必ずしも同じである必要はなく、搭載数の異なる複数のLED基板2を組み合わせることで、LED素子1の直列回路における直列数を調整できる。図4に模式的に示すように、複数のLED基板2を、LED基板2の長手方向とそれに直交する方向にアレイ状に配列し、長手方向に整列するLED基板2同士を上記要領で接続すると、LED素子1の直列回路4が複数並列に構成される。
【0042】
シャーシ3は、LED基板2を収容する扁平な箱型の金属製の筐体で、矩形状の背面板3aとその周囲4辺に接続する4つの側板3bで構成され、前面は開放している。前面に拡散板や透光性の板材を設けることで、光源装置は、液晶ディスプレイ用のバックライト装置や照明装置として使用できる。ここで、シャーシ3の背面板3aが「平板面」に相当する。尚、本実施形態では、シャーシ3は接地電位に固定されている。
【0043】
次に、後述する光源装置の雑音(音鳴り)の発生を防止するために、LED基板2の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位に固定する方法について、簡単に説明する。
【0044】
当該方法は、放熱用金属薄膜23と背面板3aを同電位できれば良いので、種々の方法が考えられる。例えば、第1に、放熱用金属薄膜23に半田付けでリード線の一端を接続し、その他端をシャーシ3に接続する方法がある。第2に、放熱用金属薄膜23を被覆するソルダーレジスト25の一部(例えば、絶縁基板20に設けられた貫通孔26の裏面側の周囲等)を大きく開口させるか、或いは、全面的にソルダーレジスト25を設けずに、放熱用金属薄膜23が背面板3aと直接接触するように、LED基板2を背面板3aにネジ止め或いはリベット止めする方法がある。尚、第2の方法では、放熱用金属薄膜23が背面板3aと接触しやすいように、背面板3aに放熱用金属薄膜23に向けて突出する突出部を設けるのも好ましい。第3に、ソルダーレジスト25の上に、アルミテープ等の導電性テープを貼付して、その一部をセンターポンチ等で加圧してソルダーレジスト25を貫通して導電性テープと放熱用金属薄膜23を接触させた上で、当該導電性テープとが背面板3aと直接接触するように、LED基板2を背面板3aにネジ止め或いはリベット止めする方法がある。尚、第3の方法では、当該導電性テープが背面板3aと接触しやすいように、背面板3aの導電性テープと接触する個所に放熱用金属薄膜23に向けて突出する突出部を設けるのも好ましい。第2及び第3の方法での、背面板3aの突出部は、背面板3aにアルミテープ等の導電性テープを貼付して形成しても良い。第4の方法は、LED基板2の長手方向の両端に設けるコネクタ27,28を3端子として、各1端子を放熱用金属薄膜23と接続し、コネクタ27の放熱用金属薄膜23と接続する端子を、背面板3aと同電位とする方法がある。尚、放熱用金属薄膜23を背面板3aと同電位にする方法は、上記第1乃至第4の方法に限定されるものではない。
【0045】
次に、光源装置の雑音(音鳴り)の発生メカニズム、及び、放熱用金属薄膜23を背面板3aと同電位にすることで、当該音鳴りが効果的に抑制される理由について、図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
図5は、LED基板2とシャーシ3の各部の位置関係と断面構造を模式的に示す断面図で、図5(a)は、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、図5(b)は、放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合を示している。表面側の配線用金属薄膜21と裏面側の放熱用金属薄膜23の間には、絶縁基板20が介在するため、配線用金属薄膜21と放熱用金属薄膜23間は、コンデンサとして機能する。
【0047】
図5に示す配線用金属薄膜21の電位は、図4に示すLED素子1の直列回路4上の1つのノードの電位となる。図6に、図4に示すLED素子1の直列回路4の駆動回路の一例を示す。図6に示すように、光源装置の外部に、交流電力を直流電力に変換して、直列回路4の各アノード端子4aに供給するAC/DC変換器5と、直列回路4の各カソード端子4bに接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM(パルス幅変調)駆動し、直列回路4のLED素子1を流れる実効的な電流量を制御して各LED素子の輝度を制御する制御回路6を備えた構成となっている。
【0048】
LED素子1が、3個のLEDチップの直列接続で構成されている場合を想定すると、直列回路4に駆動電流を流して点灯状態とすると、1つのLED素子1には、LEDチップ3個分のフォーワードバイアスVf(約8V)を越える約11Vの電圧降下が生じる。従って、PWM駆動による間欠的なオンオフ駆動によって、1つのLED素子1の両端間の電圧降下は約3V変化する。仮に、1つの直列回路4が、13段のLED素子1の直列回路とすれば、直列回路4のカソード端子4bに接続する配線用金属薄膜21〈7〉と配線用金属薄膜22の電位は、13段分のLED素子1の電位変化(約3V×13=約39V)が現れる。従って、直列回路4上の各配線用金属薄膜21には、約3V〜約39Vの範囲の電位変動が生じる。尚、本実施形態では、上記オンオフ駆動のオフ時においても直列回路4には、微小な電流(例えば、1mA以下)が流れており、各LED素子1には、フォーワードバイアスVfと略同電圧が印加されている。オン時には、オフ時より大電流の駆動電流(例えば、数10mA)が流れる。従って、上記オンオフ駆動のオフ時は電流が一切流れない完全なオフ状態ではないが、以下の説明(図8及び図9の記載を含む)では、当該間欠的な駆動による通電状態(電流の大小)の変化を、電流大の状態を「オン」、電流小の状態を「オフ」として、便宜的に区別する。
【0049】
図5(a)に示すように、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、LED基板2の表面側の各配線用金属薄膜21の電位変動は、配線用金属薄膜21と放熱用金属薄膜23間の容量結合によって、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に結合し、放熱用金属薄膜23の電位も、上記PWM駆動による間欠的なオンオフ駆動に同期して変動する。ここで、上述したように、バックライト装置のシャーシ3とLED基板2間の隙間が非常に狭くなっている状況下において、LED基板2のシャーシ3への支持が、ビス止めやリベット止め等で行われ、撓み易い状況になっているため、シャーシ3の接地電位に対して、シャーシ3の背面板3aと平行して対向する放熱用金属薄膜23の電位が、上述のようにPWM駆動に同期して大きく変動すると、背面板3aと放熱用金属薄膜23間に作用するクーロン力の大きさが変化して、背面板3aと放熱用金属薄膜23間の相対距離が変動し、薄型化したLED基板2が振動して背面板3aと繰り返し接触することになり、上記音鳴り現象が発生すると考えられる。また、LED基板2が振動することで、背面板3aと繰り返し接触しない場合でも、LED基板2を支持するためのビスやリベット等の他の部材との摩擦によって、上記音鳴り現象が発生する可能性もある。
【0050】
これに対して、図5(b)に示すように、放熱用金属薄膜23の電位をシャーシ3の背面板3aの電位と同電位にすると、LED基板2の表面側の各配線用金属薄膜21の電位変動が、容量結合によりLED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に現れるのが抑制されるとともに、背面板3aと放熱用金属薄膜23間に作用するクーロン力の発生自体も抑制されるため、当該クーロン力の大きさに変化に起因する上記音鳴り現象が抑制される。
【0051】
次に、上記音鳴り現象の発生メカニズムの検証実験と、音鳴り抑制効果の確認実験の結果について説明する。
【0052】
図7は、3個のLEDチップの直列接続で構成されているLED素子1を、5個搭載可能なLED基板2と8個搭載可能なLED基板2を直列に接続して、当該LED素子1を搭載せずに、隣接するランド部21a,21b間を短絡した試験用基板を準備し、各LED基板2の表面側の配線用金属薄膜21,22に共通して同じ電圧振幅の電圧パルスを印加し、LED素子1が搭載されPWM駆動されている状態を模擬的に再現した場合の、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化をシンクロスコープで観測した電圧波形を示す。図7(a)は、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、図7(b)は、放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合を示しており、何れも上段が、配線用金属薄膜21,22に印加された電圧波形(A)、下段が、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧波形(B)を示す。配線用金属薄膜21,22に印加された電圧パルスは、周波数480Hz、デューティ比50%、電圧振幅45Vであり、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧波形(B)は、電圧波形(A)の微分波形となっており、約−4Vから+4Vの範囲で変化していることが分かる。
【0053】
尚、図7(a),(b)に示す電圧波形観測は、LED基板2がシャーシ3に支持された状態で行い、同時に、雑音(音鳴り)が発生するか否かの主観評価も行った。その結果は、図7(a)の放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合には音鳴りが生じ、図7(b)の放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合には音鳴りは生じなかった。以上の結果、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化と音鳴りが関係すること、及び、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を抑制することで、音鳴りが解消できることが判明した。
【0054】
次に、図7に示す電圧波形観測で使用した2種類のLED基板2を直列に接続して、3個のLEDチップの直列接続で構成されているLED素子1が搭載され、13段の当該LED素子1の直列回路を形成した状態で、当該直列回路をPWM駆動した場合の、13個のLED素子1のカソード端子が接続する配線用金属薄膜21の各電位の、LED素子1のオンオフ時での変化を観測した結果を、図8の表と図9のグラフに示し、2種類のLED基板2の各放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を、図10に示す。本実験では、13段のLED素子1の直列回路のアノード端子に、152.2Vを印加し、同直列回路のカソード端子から60mAの電流を周波数20Hz、デューティ比50%でPWM駆動した。図8及び図9において、13個のLED素子1は、直列回路のアノード端子に近い側から順にLED1〜LED13として区別している。また、アノード端子に近い側の5つのLED素子1は、第1のLED基板2(A)に搭載され、アノード端子から遠い8個のLED素子1は、第2のLED基板2(B)に搭載されており、図10では、これら第1及び第2のLED基板2(A),(B)の各裏面側の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を示している。
【0055】
図8及び図9に示すように、13段のLED素子1の直列回路のアノード端子に一定電圧が印加され、同直列回路のカソード端子側から電流駆動されているため、アノード端子から遠いLED素子ほど、オンオフ時での電圧変化が大きくなっている。この結果、図10に示すように、2種類のLED基板2の内、当該直列回路のアノード端子から遠い側の第2のLED基板2(B)の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化の方が、当該直列回路のアノード端子に近い側の第1のLED基板2(A)の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化より大きくなっている。このことは、第1及び第2のLED基板2(A),(B)の各振動によって生じる音鳴りが、第1のLED基板2(A)側より第2のLED基板2(B)の方が大きい主観評価の結果と符合するものである。
【0056】
従って、複数のLED基板2が直列に接続されて、LED素子1の直列回路が形成される場合において、当該複数のLED基板2の内の何れか1つのLED基板2の放熱用金属薄膜23を、シャーシ3の背面板3aと同電位とする場合は、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化が最大となるLED基板2の放熱用金属薄膜23を、シャーシ3の背面板3aと同電位とすることで、上記音鳴り現象を最も効果的に抑制することができる。
【0057】
次に、本発明装置の別実施形態について説明する。
【0058】
〈1〉上記実施形態では、LED素子1の直列回路4を駆動回路の一例として、図6に例示するような、直列回路4の各アノード端子4aに、電源(AC/DC変換器5)から所定の直流電圧を供給し、直列回路4の各カソード端子4bに、制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成としたが、これに代えて、直列回路4の各カソード端子4bに所定の直流電圧(例えば、接地電圧)を供給し、直列回路4の各アノード端子4aに、電源(AC/DC変換器5)から電圧供給される制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成としても構わない。
【0059】
更に、LED素子1の直列回路4の駆動は、必ずしもPWM駆動に限定されるものではない。パルス駆動の場合は、駆動電流が間欠的にオンオフするため、LED基板2の表面側の配線用金属薄膜21,22の各部に現れる電位変化が大きくなるため、上記音鳴り現象が顕著となるが、他の駆動方式においても、同様の音鳴り現象が生じる場合は、上記実施形態と同様に、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位(または、後述するように、一定の電位差)とすれば良い。また、同じパルス駆動として、パルス密度変調(PDM)駆動を採用した場合には、PWM駆動と同様の音鳴り現象が顕著に生じるので、本発明により音鳴り現象が有効に防止できる。
【0060】
〈2〉上記実施形態では、光源装置の雑音(音鳴り)を抑制するために、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位としたが、放熱用金属薄膜23の電位が一定電位で、シャーシ3の背面板3aの電位との間の電位差が一定であれば、放熱用金属薄膜23と背面板3a間に作用するクーロン力の大きさが、LED素子1を駆動する電流のオンオフに応じて変化することがないので、放熱用金属薄膜23の電位を背面板3aと同電位とする場合と同様に、上記音鳴りを抑制することができる。
【0061】
このことは、LED基板2の裏面側に、放熱用金属薄膜23に代えて、或いは、追加して、配線用金属薄膜を設け、当該配線用金属薄膜に供給される電位が一定となる駆動方法を採用できれば良いことになる。例えば、LED基板2の表面側の配線用金属薄膜22を、裏面側に設け、配線用金属薄膜22をLED素子1の直列回路4のアノード端子4aと接続し、表面側の各配線用金属薄膜21に接続するLED素子1のアノード端子とカソード端子を反対にすれば、裏面側の配線用金属薄膜22には、一定電位が供給されることになる。或いは、上記別実施形態〈1〉で示したように、直列回路4の各アノード端子4aに、制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成とし、裏面側の配線用金属薄膜22を直列回路4のカソード端子4bに接続することで、裏面側の配線用金属薄膜22には、一定電位が供給されることになる。
【0062】
〈3〉上記実施形態で例示した各部の材質や形状については、一例であり例示したものに限定されるものではない。また、LED基板2は、長手方向の両端にコネクタ27,28を設けたが、コネクタ27,28に代えて、絶縁基板20上に外部配線(リード線)等を半田付けするための電極(ランド)を設けるようにしても良い。
【0063】
〈4〉上記実施形態では、発光素子として、LED素子を想定したが、電流を流すことで発光する素子であれば、LED素子に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る光源装置は、液晶ディスプレイ用のバックライト装置或いは照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1: LED素子
2: LED基板
3: シャーシ
3a: シャーシの背面板
3b: シャーシの側板
4: LED素子の直列回路
4a: LED素子の直列回路のアノード端子
4b: LED素子の直列回路のカソード端子
5: AC/DC変換器
6: 制御回路
20: 絶縁基板
21,22: 配線用金属薄膜
21a,21b: 配線用金属薄膜のランド部
21c: 配線用金属薄膜の配線部
23: 放熱用金属薄膜
24,25: ソルダーレジスト
26: 貫通孔
27,28: コネクタ
31〜39: 連結用配線
40: アノード端子
41: カソード端子
42,43: 連結用配線の電極
50: LEDモジュール
51: 制御基板
52: 外部配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置に関し、特に、透過型液晶ディスプレイのバックライト装置及び照明装置等に使用可能な光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶ディスプレイは、液晶パネルの背面に光源としてバックライト装置を備える。バックライトとして使用される光源装置の光源は、従来はCCFL(冷陰極蛍光ランプ)が主流であったが、LED(発光ダイオード)の技術進歩により、CCFLに代ってLEDを光源として利用することが有望視されている。例えば、下記特許文献1には、LED素子を発光素子として用いるバックライト装置について説明されている。下記特許文献1では、基板上に複数のLED素子を必要数だけ面上に均一に分散させて搭載することで、画面全体を面照射可能な光源装置を提供している。また、斯かる面照射は、例えば下記特許文献2に記載されているように、基板上に複数のLED素子を直線状に配置した線状光源のLEDモジュールを複数個並べることでも実現可能である。また、基板上に複数のLED素子を配置する場合、下記特許文献1のように各LED素子を並列に配置する方法と、下記特許文献3のように各LED素子の所定数を直列に配置する方法がある。
【0003】
従って、基板上に複数のLED素子を直線状に配置して直列接続したLEDモジュールは、図11に模式的に示すように直列接続した複数のLED素子1の両端のアノードとカソードを外部に引き出すためのアノード端子40とカソード端子41が絶縁基板20上の端辺近傍に設けられている。図11に例示するケースでは、アノード端子40とカソード端子41を基板2の一方端に寄せて配置している。図11に示すケースでは、一例として、8個のLED素子を直列に接続したLEDモジュール50を示す。但し、図11(a)は、LED素子1を実装する前の状態を示し、図11(b)は、LED素子1を実装した状態を示している。
【0004】
LEDモジュール50には、絶縁基板20上に、8個のLED素子1を直列接続するための9本の連結用配線31〜39が形成されており、各連結用配線31〜39は、相互に離間し、端部同士が近接して連続的に配置されている。第1の連結用配線31の一方端はアノード端子40と接続し、他方端には1つのLED素子1のアノードと接続するための電極42が形成され、第2〜第8の連結用配線32〜38の各一方端には、夫々LED素子1のカソードと接続するための電極43が、各他方端には、夫々LED素子1のアノードと接続するための電極42が形成され、第9の連結用配線39の一方端はカソード端子41と接続し、他方端には1つのLED素子のカソードと接続するための電極43が形成されている。隣接する連結用配線の近接する端部に設けられた電極42、43間に夫々LED素子のアノードとカソードを接続することで、アノード端子40とカソード端子41間に8個のLED素子1が順方向に直列接続したLEDモジュールとなる。
【0005】
図11に示すLEDモジュール50を2×4のマトリクス状に配置してLEDを平面的に配置したLED光源装置を構成する場合の構成図を、図12及び図13に示す。例えば、図12に示すように、各LEDモジュール50を並列に構成する場合は、各LEDモジュール50のLED素子を駆動し、その発光を制御する制御基板51を外部に設け、各LEDモジュール50のアノード端子40及びカソード端子41を、外部配線52を介して、制御基板51に接続する。更に、図13に示すように、2個のLEDモジュール50を直列に接続したものを4組並列に構成する場合は、例えば、左右に隣接する2つLEDモジュール50の一方のアノード端子40と他方のカソード端子41を接続し、残余のアノード端子40及びカソード端子41を、外部配線52を介して、制御基板51に接続する。何れの構成においても、制御基板51の制御により各LEDモジュール50の発光が制御される。尚、図13に示す構成では、LEDモジュール50を直列に接続することで、制御基板51の制御に必要な端子数を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−207780号公報
【特許文献2】特開2008−53062号公報
【特許文献3】実公昭62−34468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、テレビの薄型化及び軽量化に対する要望が大きい。軽量化は部品の点数減少や個々の部品の大きさの縮小によって実現されることが多い。この結果、LEDバックライトの基板も、LED素子をアレイ状に全面に敷き詰める形態のものから、図12に例示したような短冊状の基板をアレイ状に配置することで、基板面積及び基板重量の軽減を図り、軽量化を図っている。更に、基板厚を薄くすることでも基板の軽量化を図っている。
【0008】
LED基板の固定も、労務コストの削減のため、更には、LED基板が小型軽量化されているため、簡易な方法が採用されており、例えば、LED基板を全面くまなくビス止めする方法に代えて、短冊状の基板の両端をリベット止め(ビス止めに比べて遊びがある)等の簡易な方法で、安価に生産するようになってきている。
【0009】
更に、薄型化については、バックライト装置のシャーシから液晶パネル表面までの厚みを薄くすることが市場から要求されている。この結果として、バックライト装置のシャーシとLED基板間の隙間は非常に狭くなっている。
【0010】
上述のような軽量化によって、LED基板は僅かな力で変位可能な状態となっている。勿論、LED基板はシャーシに固定されているので、大きく移動することはないが、軽量化のための基板薄型化による基板自体の撓り等もあり、微小なリベットの遊びの隙間等が存在することによって、大きな力でなくても、力が掛かった場合にはLED基板が僅かに移動することが有り得るようになった。
【0011】
本願発明者は、斯かる状況下でLEDバックライト装置が雑音(音鳴り)を発生することを確認した。バックライト装置の大きさ(対応する液晶パネルの画面サイズ)にも依るが、大きいものでは30dBを越える音量となり、オーディオビジュアル(AV)機器であるテレビの視聴にかなりの悪影響を及ぼしていた。更に調査すると、この音鳴り現象は、LED基板とその背面にあるシャーシが接触することによって発生していることも判明した。
【0012】
ところで、LED基板上において、LED素子を直列接続することで、各LED素子には同じ電流が流れるため、LED素子の輝度が一様になるという本質的に大きな利点が得られる。これに対して、LED素子を並列接続した場合には、個々のLED素子を個別に駆動しない限り、LED素子の輝度が一様にならないという問題があり、また、個々のLED素子を個別に駆動するとなると、個々のLED素子毎に駆動用の配線が必要となり、駆動回路の端子数も多くなり、LED素子の搭載数の多いLED基板では問題となる。従って、LED素子を直列接続することで、斯かる問題も解決される。
【0013】
しかしながら、LED素子を直列接続するとLED素子の駆動電圧が高電圧化するため、LED素子のオンオフに伴うLED基板上における電位変動も大きくなり、これにより、上記音鳴りが顕著に現れることが判明した。
【0014】
本発明は、上記バックライト装置の音鳴り現象の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バックライト装置に使用可能な音鳴りの発生しない光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明では、表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置であって、前記基板が、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の前記絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、前記発光素子の2端子が、隣接して配置された2つの前記第1導電性薄膜に各別に接続し、少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする光源装置を提供する。
【0016】
更に、上記特徴の光源装置は、少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが、より好ましい。
【0017】
上記特徴の光源装置によれば、基板裏面側の第2導電性薄膜とシャーシの平板面が平行平板となって形成されるコンデンサに印加される電圧が一定またはゼロとなることから、当該平行平板間に誘導されるクーロン力は一定で変化しないため、クーロン力が変動することに伴う平行平板間の距離の変化が抑制され、当該平行平板の振動或いは接触による音鳴りを抑制することができる。特に、基板裏面側の第2導電性薄膜とシャーシの平板面を同電位にすることで、上記クーロン力がゼロとなり、当該平行平板の変位による音鳴りは完全に抑制される。
【0018】
更に、上記特徴の光源装置は、前記第2導電性薄膜の少なくとも1つが、放熱用の導電性薄膜であり、前記発光素子の端子と電気的に接続しないことが好ましい。
【0019】
このように、基板裏面側の第2導電性薄膜を表面側の第1導電性薄膜と電気的に分離することで、第2導電性薄膜の電位を任意に設定でき、シャーシの平板面と同電位にすることも容易であり、上記音鳴り現象を簡便且つ確実に抑制できる。
【0020】
更に、上記特徴の光源装置は、前記発光素子が1または複数の前記基板上に複数搭載され、複数の前記発光素子の少なくとも2以上が直列に接続して直列回路を形成し、前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることが好ましい。
【0021】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第1導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される接続端子を備え、一の前記基板の前記接続端子と他の前記基板の前記接続端子を相互に接続することで、複数の前記基板を接続して、複数の前記基板に搭載された前記発光素子の直列回路を形成し、前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることが好ましい。
【0022】
このように、発光素子の直列回路を形成して発光素子の輝度制御を行うことで、少ない制御回路で、複数の発光素子に対して一様な輝度制御が行える利点があるが、駆動電圧の高電圧化によって、上記クーロン力が変動した場合の当該平行平板の変位量が大きくなり、音鳴りが顕著に現れることになるところ、上記平行平板間に印加される電圧が一定またはゼロとなることから、複数の発光素子を直列接続することで音鳴りが顕著になって発生するのを抑制できる。従って、本発明は、複数の発光素子を直列接続する構成において、特に有効である。
【0023】
更に、上記特徴の光源装置は、複数の前記基板の内の少なくとも、前記直列回路を流れる電流の駆動による前記発光素子の端子の電位変動が最大となる前記発光素子を搭載した1つの前記基板において、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることが好ましい。
【0024】
これにより、全ての基板に対して、基板裏面側の第2導電性薄膜をシャーシの平板面と一定の電位差或いは同電位としなくても、第2導電性薄膜の電位変動が、第1導電性薄膜の電位変動との間の容量性結合によって大きくなる基板に特化して行うことで、上記音鳴りを効果的に抑制できる。
【0025】
更に、上記特徴の光源装置は、前記直列回路を流れる電流の駆動がパルス幅変調によって行われることが好ましい。
【0026】
発光素子を流れる電流の駆動がパルス幅変調による場合は、当該電流駆動が間欠的に行われるため、第2導電性薄膜に誘導される電位変動が大きくなって、上記クーロン力が変動した場合の当該平行平板の変位量が大きくなり、音鳴りが顕著に現れることになるところ、当該平行平板間に印加される電圧が一定またはゼロとなることから、複数の発光素子を直列接続することで音鳴りが顕著になって発生するのを抑制できる。従って、本発明は、複数の発光素子を直列接続し、パルス幅変調によって駆動する構成おいて、特に有効である。
【0027】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板を前記シャーシに装着するための導電性部材によって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0028】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の裏面側に設けられた前記第2導電性薄膜を被覆する絶縁性被膜の一部が開口し、前記絶縁性被膜の開口部から露出した前記第2導電性薄膜が、直接または導電性の接続部材を介して前記シャーシの前記平板面と接触することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0029】
更に、上記特徴の光源装置は、前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第2導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される第2接続端子を備え、前記第2接続端子と前記シャーシの前記平板面の間を電気的に接続することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることが好ましい。
【0030】
上述の3通りの光源装置によれば、第2導電性薄膜とシャーシの平板面を簡便に同電位とすることができ、音鳴り抑制効果を簡便且つ容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の光源装置の一実施形態の概略構成を模式的に示す斜視図
【図2】LED基板のLED素子搭載前の表面側の構成を模式的に示す平面図、LED基板のLED素子搭載後の表面側の構成を模式的に示す平面図、及び、LED基板の裏面側の構成を模式的に示す平面図
【図3】LED基板のLED素子搭載状態を模式的に示す要部断面図
【図4】複数のLED基板をアレイ状に配列した接続例を模式的に示す図
【図5】LED基板とシャーシの各部の位置関係と断面構造を模式的に示す断面図
【図6】図4に示すLED素子の直列回路の駆動回路の一構成例を示すブロック図
【図7】音鳴り現象の発生メカニズムの検証実験結果を示す電圧波形図
【図8】13段のLED素子の直列回路の各LED素子のカソード端子に生じる電圧変化を示す電圧データの一覧表
【図9】図8に示す電圧データをグラフ化した図
【図10】図7に示す電圧変化によってLED基板の裏面側の各放熱用金属薄膜に誘導される電圧変化を示す電圧波形図
【図11】従来のLEDモジュールの一構成例を模式的に示す平面図
【図12】図11に示すLEDモジュールを8個並列に接続する接続例を示す図
【図13】図11に示すLEDモジュールを8個直並列に接続する接続例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る光源装置の実施形態につき、図面に基づいて説明する。尚、以下の図面では、説明の理解の容易のために、要部を強調して表示しており、各部の寸法比は、必ずしも実際の寸法比と一致するものではない。
【0033】
本実施形態に係る光源装置(以下、単に光源装置と称す)は、図1に示すように、表面側にLED素子1を搭載した平板状のLED基板2を、シャーシ3に装着して構成される。
【0034】
LED素子1は、LEDチップ(半導体ベアチップ)の1個または複数個(例えば、2〜4個)を直列接続したものを透光性のパッケージに封止して形成されており、1対のアノード端子とカソード端子を備えている。
【0035】
LED基板2は、図2及び図3に模式的に示すように、短冊状の絶縁基板20の表面側に配線用金属薄膜21(21〈1〉〜21〈7〉),22を、裏面側に1つの放熱用金属薄膜23を備え、配線用金属薄膜21,22及び放熱用金属薄膜23を被覆する絶縁膜のソルダーレジスト24,25が、基板2の両面に設けられている。図2(a)は、LED基板2の表面側の平面図で、LED素子1及びソルダーレジスト24の図示を省略している。図2(b)は、LED基板2の裏面側の平面図で、ソルダーレジスト25の図示を省略している。図2(c)は、LED素子1を搭載した状態でのLED基板2の表面側の平面図で、ソルダーレジスト24の図示を省略している。図3は、LED基板2の要部断面図で、LED基板2にLED素子1が接続している個所を模式的に示している。ここで、LED素子1が「発光素子」に相当し、LED基板2が「基板」に相当し、配線用金属薄膜21,22が「第1導電性薄膜」に相当し、放熱用金属薄膜23が第2導電性薄膜に相当する。
【0036】
絶縁基板20は、例えば、布状或いは不織布状のガラス繊維や有機繊維などに樹脂(エポキシ樹脂、シアネート樹脂等)を含浸させて形成されている。配線用金属薄膜21,22及び放熱用金属薄膜23は、銅等の金属薄膜で、必要に応じて最表面に金メッキを施しても良い。絶縁基板20には、LED基板2をビス止め或いはリベット止めによりシャーシ3に支持させるための貫通孔26が複数(図1では、7個)設けられており、配線用金属薄膜21,22、放熱用金属薄膜23、及び、ソルダーレジスト24,25は、夫々、貫通孔26及びその周囲を除く部分に形成されている。尚、図示しないが、LED基板2の表面側には、LED素子1の発光を横方向(基板面と平行な方向)に拡散させるための光学レンズを絶縁基板20に接着固定するための開口部が、配線用金属薄膜21とソルダーレジスト24に形成されている。
【0037】
配線用金属薄膜21〈2〉〜21〈6〉には、LED素子1のアノード端子、カソード端子と電気的に接続するためのランド部21a,21bが、配線用金属薄膜21〈1〉には、LED素子1のアノード端子と電気的に接続するためのランド部21aが、配線用金属薄膜21〈7〉には、LED素子1のカソード端子と電気的に接続するためのランド部21bが、夫々設けられており、表面側のソルダーレジスト24は、ランド部21a,21bを露出する開口部を有し、ランド部21a,21b以外の配線部21cを覆うように形成されている。
【0038】
隣接する配線用金属薄膜21の一方のランド部21aと他方のランド部21bが近接する位置に設けられ、1つのLED素子1のアノード端子とカソード端子を夫々接続させることで、6つのLED素子1が、配線用金属薄膜21〈1〉,21〈7〉間において直列接続される。LED基板2に搭載するLED素子1の個数は6に限定されるものではない。また、配線用金属薄膜21の個数は、LED素子1の搭載数に応じて決まる。
【0039】
配線用金属薄膜22は、LED基板2の長手方向に延伸する配線で、同じ基板上に搭載されたLED素子1との電気的な接続には使用されず、LED基板2の一方端と他方端を連絡する目的で使用される。ソルダーレジスト24は、裏面側の放熱用金属薄膜23を被覆するが、後述するように、放熱用金属薄膜23はシャーシ3と同電位となるため、また、配線用には使用されないので、必ずしもソルダーレジスト24によって、放熱用金属薄膜23とシャーシ3間を絶縁分離する必要はない。
【0040】
尚、LED素子1の発光により生じる発熱を効率的に放散させるために、放熱用金属薄膜23は、LED基板2の裏面側に、絶縁基板20の裏面を略全面的に被覆するように設けられ、更に、配線用金属薄膜21の配線部21cも、絶縁基板20の表面をなるべく広範に覆うようにパターン形成されている。
【0041】
LED基板2の長手方向の両端には、2端子のコネクタ27,28が設けられており、一方がオス型コネクタで他方がメス型コネクタである。コネクタ27の2端子は、一方が配線用金属薄膜21〈1〉と、他方が配線用金属薄膜22の一方端と夫々接続し、コネクタ28の2端子は、一方が配線用金属薄膜21〈7〉と、他方が配線用金属薄膜22の他方端と夫々接続している。LED基板2の長手方向に配列した複数のLED基板2において、隣接する2つのLED基板2の一方のコネクタ28と他方のコネクタ27を順次接続し、最終端のコネクタ28の2端子間を短絡させることで、先頭のコネクタ27の2端子間に、順次接続された複数のLED基板2に搭載された全てのLED素子1の直列回路が形成される。従って、先頭のコネクタ27の2端子の一方が、当該LED素子1の直列回路のアノード端子、他方がカソード端子となる。順次接続された各LED基板2のLED素子1の搭載数は必ずしも同じである必要はなく、搭載数の異なる複数のLED基板2を組み合わせることで、LED素子1の直列回路における直列数を調整できる。図4に模式的に示すように、複数のLED基板2を、LED基板2の長手方向とそれに直交する方向にアレイ状に配列し、長手方向に整列するLED基板2同士を上記要領で接続すると、LED素子1の直列回路4が複数並列に構成される。
【0042】
シャーシ3は、LED基板2を収容する扁平な箱型の金属製の筐体で、矩形状の背面板3aとその周囲4辺に接続する4つの側板3bで構成され、前面は開放している。前面に拡散板や透光性の板材を設けることで、光源装置は、液晶ディスプレイ用のバックライト装置や照明装置として使用できる。ここで、シャーシ3の背面板3aが「平板面」に相当する。尚、本実施形態では、シャーシ3は接地電位に固定されている。
【0043】
次に、後述する光源装置の雑音(音鳴り)の発生を防止するために、LED基板2の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位に固定する方法について、簡単に説明する。
【0044】
当該方法は、放熱用金属薄膜23と背面板3aを同電位できれば良いので、種々の方法が考えられる。例えば、第1に、放熱用金属薄膜23に半田付けでリード線の一端を接続し、その他端をシャーシ3に接続する方法がある。第2に、放熱用金属薄膜23を被覆するソルダーレジスト25の一部(例えば、絶縁基板20に設けられた貫通孔26の裏面側の周囲等)を大きく開口させるか、或いは、全面的にソルダーレジスト25を設けずに、放熱用金属薄膜23が背面板3aと直接接触するように、LED基板2を背面板3aにネジ止め或いはリベット止めする方法がある。尚、第2の方法では、放熱用金属薄膜23が背面板3aと接触しやすいように、背面板3aに放熱用金属薄膜23に向けて突出する突出部を設けるのも好ましい。第3に、ソルダーレジスト25の上に、アルミテープ等の導電性テープを貼付して、その一部をセンターポンチ等で加圧してソルダーレジスト25を貫通して導電性テープと放熱用金属薄膜23を接触させた上で、当該導電性テープとが背面板3aと直接接触するように、LED基板2を背面板3aにネジ止め或いはリベット止めする方法がある。尚、第3の方法では、当該導電性テープが背面板3aと接触しやすいように、背面板3aの導電性テープと接触する個所に放熱用金属薄膜23に向けて突出する突出部を設けるのも好ましい。第2及び第3の方法での、背面板3aの突出部は、背面板3aにアルミテープ等の導電性テープを貼付して形成しても良い。第4の方法は、LED基板2の長手方向の両端に設けるコネクタ27,28を3端子として、各1端子を放熱用金属薄膜23と接続し、コネクタ27の放熱用金属薄膜23と接続する端子を、背面板3aと同電位とする方法がある。尚、放熱用金属薄膜23を背面板3aと同電位にする方法は、上記第1乃至第4の方法に限定されるものではない。
【0045】
次に、光源装置の雑音(音鳴り)の発生メカニズム、及び、放熱用金属薄膜23を背面板3aと同電位にすることで、当該音鳴りが効果的に抑制される理由について、図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
図5は、LED基板2とシャーシ3の各部の位置関係と断面構造を模式的に示す断面図で、図5(a)は、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、図5(b)は、放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合を示している。表面側の配線用金属薄膜21と裏面側の放熱用金属薄膜23の間には、絶縁基板20が介在するため、配線用金属薄膜21と放熱用金属薄膜23間は、コンデンサとして機能する。
【0047】
図5に示す配線用金属薄膜21の電位は、図4に示すLED素子1の直列回路4上の1つのノードの電位となる。図6に、図4に示すLED素子1の直列回路4の駆動回路の一例を示す。図6に示すように、光源装置の外部に、交流電力を直流電力に変換して、直列回路4の各アノード端子4aに供給するAC/DC変換器5と、直列回路4の各カソード端子4bに接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM(パルス幅変調)駆動し、直列回路4のLED素子1を流れる実効的な電流量を制御して各LED素子の輝度を制御する制御回路6を備えた構成となっている。
【0048】
LED素子1が、3個のLEDチップの直列接続で構成されている場合を想定すると、直列回路4に駆動電流を流して点灯状態とすると、1つのLED素子1には、LEDチップ3個分のフォーワードバイアスVf(約8V)を越える約11Vの電圧降下が生じる。従って、PWM駆動による間欠的なオンオフ駆動によって、1つのLED素子1の両端間の電圧降下は約3V変化する。仮に、1つの直列回路4が、13段のLED素子1の直列回路とすれば、直列回路4のカソード端子4bに接続する配線用金属薄膜21〈7〉と配線用金属薄膜22の電位は、13段分のLED素子1の電位変化(約3V×13=約39V)が現れる。従って、直列回路4上の各配線用金属薄膜21には、約3V〜約39Vの範囲の電位変動が生じる。尚、本実施形態では、上記オンオフ駆動のオフ時においても直列回路4には、微小な電流(例えば、1mA以下)が流れており、各LED素子1には、フォーワードバイアスVfと略同電圧が印加されている。オン時には、オフ時より大電流の駆動電流(例えば、数10mA)が流れる。従って、上記オンオフ駆動のオフ時は電流が一切流れない完全なオフ状態ではないが、以下の説明(図8及び図9の記載を含む)では、当該間欠的な駆動による通電状態(電流の大小)の変化を、電流大の状態を「オン」、電流小の状態を「オフ」として、便宜的に区別する。
【0049】
図5(a)に示すように、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、LED基板2の表面側の各配線用金属薄膜21の電位変動は、配線用金属薄膜21と放熱用金属薄膜23間の容量結合によって、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に結合し、放熱用金属薄膜23の電位も、上記PWM駆動による間欠的なオンオフ駆動に同期して変動する。ここで、上述したように、バックライト装置のシャーシ3とLED基板2間の隙間が非常に狭くなっている状況下において、LED基板2のシャーシ3への支持が、ビス止めやリベット止め等で行われ、撓み易い状況になっているため、シャーシ3の接地電位に対して、シャーシ3の背面板3aと平行して対向する放熱用金属薄膜23の電位が、上述のようにPWM駆動に同期して大きく変動すると、背面板3aと放熱用金属薄膜23間に作用するクーロン力の大きさが変化して、背面板3aと放熱用金属薄膜23間の相対距離が変動し、薄型化したLED基板2が振動して背面板3aと繰り返し接触することになり、上記音鳴り現象が発生すると考えられる。また、LED基板2が振動することで、背面板3aと繰り返し接触しない場合でも、LED基板2を支持するためのビスやリベット等の他の部材との摩擦によって、上記音鳴り現象が発生する可能性もある。
【0050】
これに対して、図5(b)に示すように、放熱用金属薄膜23の電位をシャーシ3の背面板3aの電位と同電位にすると、LED基板2の表面側の各配線用金属薄膜21の電位変動が、容量結合によりLED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に現れるのが抑制されるとともに、背面板3aと放熱用金属薄膜23間に作用するクーロン力の発生自体も抑制されるため、当該クーロン力の大きさに変化に起因する上記音鳴り現象が抑制される。
【0051】
次に、上記音鳴り現象の発生メカニズムの検証実験と、音鳴り抑制効果の確認実験の結果について説明する。
【0052】
図7は、3個のLEDチップの直列接続で構成されているLED素子1を、5個搭載可能なLED基板2と8個搭載可能なLED基板2を直列に接続して、当該LED素子1を搭載せずに、隣接するランド部21a,21b間を短絡した試験用基板を準備し、各LED基板2の表面側の配線用金属薄膜21,22に共通して同じ電圧振幅の電圧パルスを印加し、LED素子1が搭載されPWM駆動されている状態を模擬的に再現した場合の、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化をシンクロスコープで観測した電圧波形を示す。図7(a)は、放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合、図7(b)は、放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合を示しており、何れも上段が、配線用金属薄膜21,22に印加された電圧波形(A)、下段が、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧波形(B)を示す。配線用金属薄膜21,22に印加された電圧パルスは、周波数480Hz、デューティ比50%、電圧振幅45Vであり、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧波形(B)は、電圧波形(A)の微分波形となっており、約−4Vから+4Vの範囲で変化していることが分かる。
【0053】
尚、図7(a),(b)に示す電圧波形観測は、LED基板2がシャーシ3に支持された状態で行い、同時に、雑音(音鳴り)が発生するか否かの主観評価も行った。その結果は、図7(a)の放熱用金属薄膜23がフローティング状態の場合には音鳴りが生じ、図7(b)の放熱用金属薄膜23が背面板3aと同電位の場合には音鳴りは生じなかった。以上の結果、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化と音鳴りが関係すること、及び、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を抑制することで、音鳴りが解消できることが判明した。
【0054】
次に、図7に示す電圧波形観測で使用した2種類のLED基板2を直列に接続して、3個のLEDチップの直列接続で構成されているLED素子1が搭載され、13段の当該LED素子1の直列回路を形成した状態で、当該直列回路をPWM駆動した場合の、13個のLED素子1のカソード端子が接続する配線用金属薄膜21の各電位の、LED素子1のオンオフ時での変化を観測した結果を、図8の表と図9のグラフに示し、2種類のLED基板2の各放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を、図10に示す。本実験では、13段のLED素子1の直列回路のアノード端子に、152.2Vを印加し、同直列回路のカソード端子から60mAの電流を周波数20Hz、デューティ比50%でPWM駆動した。図8及び図9において、13個のLED素子1は、直列回路のアノード端子に近い側から順にLED1〜LED13として区別している。また、アノード端子に近い側の5つのLED素子1は、第1のLED基板2(A)に搭載され、アノード端子から遠い8個のLED素子1は、第2のLED基板2(B)に搭載されており、図10では、これら第1及び第2のLED基板2(A),(B)の各裏面側の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化を示している。
【0055】
図8及び図9に示すように、13段のLED素子1の直列回路のアノード端子に一定電圧が印加され、同直列回路のカソード端子側から電流駆動されているため、アノード端子から遠いLED素子ほど、オンオフ時での電圧変化が大きくなっている。この結果、図10に示すように、2種類のLED基板2の内、当該直列回路のアノード端子から遠い側の第2のLED基板2(B)の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化の方が、当該直列回路のアノード端子に近い側の第1のLED基板2(A)の放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化より大きくなっている。このことは、第1及び第2のLED基板2(A),(B)の各振動によって生じる音鳴りが、第1のLED基板2(A)側より第2のLED基板2(B)の方が大きい主観評価の結果と符合するものである。
【0056】
従って、複数のLED基板2が直列に接続されて、LED素子1の直列回路が形成される場合において、当該複数のLED基板2の内の何れか1つのLED基板2の放熱用金属薄膜23を、シャーシ3の背面板3aと同電位とする場合は、放熱用金属薄膜23に誘導される電圧変化が最大となるLED基板2の放熱用金属薄膜23を、シャーシ3の背面板3aと同電位とすることで、上記音鳴り現象を最も効果的に抑制することができる。
【0057】
次に、本発明装置の別実施形態について説明する。
【0058】
〈1〉上記実施形態では、LED素子1の直列回路4を駆動回路の一例として、図6に例示するような、直列回路4の各アノード端子4aに、電源(AC/DC変換器5)から所定の直流電圧を供給し、直列回路4の各カソード端子4bに、制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成としたが、これに代えて、直列回路4の各カソード端子4bに所定の直流電圧(例えば、接地電圧)を供給し、直列回路4の各アノード端子4aに、電源(AC/DC変換器5)から電圧供給される制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成としても構わない。
【0059】
更に、LED素子1の直列回路4の駆動は、必ずしもPWM駆動に限定されるものではない。パルス駆動の場合は、駆動電流が間欠的にオンオフするため、LED基板2の表面側の配線用金属薄膜21,22の各部に現れる電位変化が大きくなるため、上記音鳴り現象が顕著となるが、他の駆動方式においても、同様の音鳴り現象が生じる場合は、上記実施形態と同様に、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位(または、後述するように、一定の電位差)とすれば良い。また、同じパルス駆動として、パルス密度変調(PDM)駆動を採用した場合には、PWM駆動と同様の音鳴り現象が顕著に生じるので、本発明により音鳴り現象が有効に防止できる。
【0060】
〈2〉上記実施形態では、光源装置の雑音(音鳴り)を抑制するために、LED基板2の裏面側の放熱用金属薄膜23の電位を、シャーシ3の背面板3aと同電位としたが、放熱用金属薄膜23の電位が一定電位で、シャーシ3の背面板3aの電位との間の電位差が一定であれば、放熱用金属薄膜23と背面板3a間に作用するクーロン力の大きさが、LED素子1を駆動する電流のオンオフに応じて変化することがないので、放熱用金属薄膜23の電位を背面板3aと同電位とする場合と同様に、上記音鳴りを抑制することができる。
【0061】
このことは、LED基板2の裏面側に、放熱用金属薄膜23に代えて、或いは、追加して、配線用金属薄膜を設け、当該配線用金属薄膜に供給される電位が一定となる駆動方法を採用できれば良いことになる。例えば、LED基板2の表面側の配線用金属薄膜22を、裏面側に設け、配線用金属薄膜22をLED素子1の直列回路4のアノード端子4aと接続し、表面側の各配線用金属薄膜21に接続するLED素子1のアノード端子とカソード端子を反対にすれば、裏面側の配線用金属薄膜22には、一定電位が供給されることになる。或いは、上記別実施形態〈1〉で示したように、直列回路4の各アノード端子4aに、制御回路6を接続して、各直列回路4を流れる電流をPWM駆動する回路構成とし、裏面側の配線用金属薄膜22を直列回路4のカソード端子4bに接続することで、裏面側の配線用金属薄膜22には、一定電位が供給されることになる。
【0062】
〈3〉上記実施形態で例示した各部の材質や形状については、一例であり例示したものに限定されるものではない。また、LED基板2は、長手方向の両端にコネクタ27,28を設けたが、コネクタ27,28に代えて、絶縁基板20上に外部配線(リード線)等を半田付けするための電極(ランド)を設けるようにしても良い。
【0063】
〈4〉上記実施形態では、発光素子として、LED素子を想定したが、電流を流すことで発光する素子であれば、LED素子に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る光源装置は、液晶ディスプレイ用のバックライト装置或いは照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1: LED素子
2: LED基板
3: シャーシ
3a: シャーシの背面板
3b: シャーシの側板
4: LED素子の直列回路
4a: LED素子の直列回路のアノード端子
4b: LED素子の直列回路のカソード端子
5: AC/DC変換器
6: 制御回路
20: 絶縁基板
21,22: 配線用金属薄膜
21a,21b: 配線用金属薄膜のランド部
21c: 配線用金属薄膜の配線部
23: 放熱用金属薄膜
24,25: ソルダーレジスト
26: 貫通孔
27,28: コネクタ
31〜39: 連結用配線
40: アノード端子
41: カソード端子
42,43: 連結用配線の電極
50: LEDモジュール
51: 制御基板
52: 外部配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置であって、
前記基板は、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の前記絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、
前記発光素子の2端子が、隣接して配置された2つの前記第1導電性薄膜に各別に接続し、
少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第2導電性薄膜の少なくとも1つが、放熱用の導電性薄膜であり、前記発光素子の端子と電気的に接続しないことを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記発光素子が1または複数の前記基板上に複数搭載され、複数の前記発光素子の少なくとも2以上が直列に接続して直列回路を形成し、
前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第1導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される接続端子を備え、
一の前記基板の前記接続端子と他の前記基板の前記接続端子を相互に接続することで、複数の前記基板を接続して、複数の前記基板に搭載された前記発光素子の直列回路を形成し、
前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
複数の前記基板の内の少なくとも、前記直列回路を流れる電流の駆動による前記発光素子の端子の電位変動が最大となる前記発光素子を搭載した1つの前記基板において、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記直列回路を流れる電流の駆動がパルス幅変調によって行われることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記基板を前記シャーシに装着するための導電性部材によって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記基板の裏面側に設けられた前記第2導電性薄膜を被覆する絶縁性被膜の一部が開口し、前記絶縁性被膜の開口部から露出した前記第2導電性薄膜が、直接または導電性の接続部材を介して前記シャーシの前記平板面と接触することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項10】
前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第2導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される第2接続端子を備え、
前記第2接続端子と前記シャーシの前記平板面の間を電気的に接続することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項1】
表面側に発光素子を搭載した平板状の基板の1または複数が、導電性の平板面を備えたシャーシに、前記基板の裏面が前記平板面と対向するように支持されてなる光源装置であって、
前記基板は、表面側の絶縁基板上に配線用の複数の第1導電性薄膜を備え、裏面側の前記絶縁基板上に放熱用または配線用の1または複数の第2導電性薄膜を備え、
前記発光素子の2端子が、隣接して配置された2つの前記第1導電性薄膜に各別に接続し、
少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第2導電性薄膜の少なくとも1つが、放熱用の導電性薄膜であり、前記発光素子の端子と電気的に接続しないことを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記発光素子が1または複数の前記基板上に複数搭載され、複数の前記発光素子の少なくとも2以上が直列に接続して直列回路を形成し、
前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第1導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される接続端子を備え、
一の前記基板の前記接続端子と他の前記基板の前記接続端子を相互に接続することで、複数の前記基板を接続して、複数の前記基板に搭載された前記発光素子の直列回路を形成し、
前記直列回路の一端側から固定電位を供給し、前記直列回路の他端側から前記直列回路を流れる電流を駆動することで、前記直列回路を構成する複数の前記発光素子の輝度制御が行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
複数の前記基板の内の少なくとも、前記直列回路を流れる電流の駆動による前記発光素子の端子の電位変動が最大となる前記発光素子を搭載した1つの前記基板において、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位に対して一定の電位差となるように固定されていることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記直列回路を流れる電流の駆動がパルス幅変調によって行われることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記基板を前記シャーシに装着するための導電性部材によって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記基板の裏面側に設けられた前記第2導電性薄膜を被覆する絶縁性被膜の一部が開口し、前記絶縁性被膜の開口部から露出した前記第2導電性薄膜が、直接または導電性の接続部材を介して前記シャーシの前記平板面と接触することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項10】
前記基板の端辺またはその近傍に、前記端辺の近傍に形成された前記第2導電性薄膜と電気的に接続し、外部回路または他の前記基板との電気的接続に使用される第2接続端子を備え、
前記第2接続端子と前記シャーシの前記平板面の間を電気的に接続することによって、前記第2導電性薄膜の電位が、前記シャーシの前記平板面の電位と同電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−49069(P2011−49069A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197277(P2009−197277)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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