説明

光源装置

【課題】局所的な光源の劣化を防ぎ、装置としての長寿命化を実現することができる光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置4は、円環状に配置された複数のLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hと、複数のLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hから出射された照明光を入射させる入射面28を有し、入射された照明光を一定の方向に導光する導光ロッド26及び反射プリズム27と、導光ロッド26の入射面28を複数のLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hの発光面に順次移動可能なモータ24とを有する。そして、光源装置4は、所定の周期毎に、モータ24により入射面28がLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hの発光面に移動したときに点灯しないLEDを切り換えるLED制御部13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関し、特に、複数の光源を円環状に備えた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のLEDを円環上に配置し、これらの複数のLEDを順次パルス点灯させることによりオーバードライブされた照明光を導光ロッドにより導光し、高輝度の照明光を出射する光源装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような光源装置で光量を調整する場合、点灯させるLEDの数と消灯させるLEDの数とを調整する、あるいは、LED1個当たりの点灯時間を調整することで光量を調整する方法が一般的である。また、点灯させるLEDの数と消灯させるLEDの数とを調整する場合、消灯させるLEDは、設計上、固定にすることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−181579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、消灯させるLEDを固定した場合、一部のLEDだけ点灯時間が多くなり、複数のLED間で劣化の偏りが発生する。そのため、光源としてのLEDが一部だけ劣化し、光源装置の寿命を短くするという原因となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、局所的な光源の劣化を防ぎ、装置としての長寿命化を実現することができる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、円環状に配置された複数の光源と、前記複数の光源から出射された照明光を入射させる入射面を有し、入射された照明光を一定の方向に導光する導光部と、前記導光部を前記複数の光源の発光面に順次移動可能な移動手段と、所定の周期毎に、前記移動手段により前記導光部が前記光源の発光面に移動したときに点灯しない光源を切り換える点灯制御部とを備えたことを特徴とする光源装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光源装置によれば、局所的な光源の劣化を防ぎ、装置としての長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る光源装置を含む内視鏡システムの構成を示す図である。
【図2】発光部ユニットの構成を説明するための図である。
【図3】周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図である。
【図4】周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】周期P+1における点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図である。
【図6】周期P+1におけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】周期P+2における点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図である。
【図8】周期P+2におけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】故障検出部周辺の構成を説明するための図である。
【図10】本実施の形態の制御を行わない場合の周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図である。
【図11】本実施の形態の制御を行わない場合の周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】本実施の形態の制御を行った場合の周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図である。
【図13】本実施の形態の制御を行った場合の周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る光源装置を含む内視鏡システムの構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、内視鏡システム1は、生体の内部の被写体を撮像して撮像信号を出力する内視鏡2と、内視鏡2から出力される撮像信号を映像信号に変換して出力するプロセッサ3と、被写体を照明するための照明光を内視鏡2へ供給する光源装置4と、プロセッサ3から出力される映像信号に応じた画像を表示するモニタ5と、を有して構成されている。なお、プロセッサ3と光源装置4とは、別体としているが、一体であってもよい。
【0013】
内視鏡2は、生体の内部に挿入可能な細長の挿入部6を有している。この挿入部6の内部には、ライトガイド7が挿通されている。ライトガイド7の光出射側の端面は、挿入部6の先端部に配置されている。このライトガイド7は、図示しないコネクタを介して光源装置4に接続される。このような構成により、光源装置4から出射された照明光は、ライトガイド7を介して内視鏡2伝送され、生体の内部の被写体が照明される。
【0014】
プロセッサ3は、内視鏡2から出力される撮像信号に所定の画像処理を施して得られた輝度信号を光源装置4に出力する。
【0015】
光源装置4は、ユーザインターフェース(以下、ユーザI/Fという)部11と、モータ制御部12と、LED制御部13と、LED駆動部14と、発光部ユニット15と、明るさ制御部16と、スピーカ17とを有して構成されている。また、LED駆動部14は、LEDの故障を検出する故障検出部18を有して構成されている。
【0016】
ユーザI/F部11は、例えば、パネルあるいは操作部であり、ユーザからの操作指示が入力される。ユーザは、ユーザI/F部11を操作し、照明光のON/OFFの切り換え、明るさレベルの変更、観察モードの変更等を行うことができる。照明光のON/OFFの切り換えを行うためのON/OFF信号は、モータ制御部12及びLED駆動部14に供給され、明るさレベルの変更を行うための明るさレベル変更信号は、明るさ制御部16に供給され、観察モードの変更を行うためのモード変更信号は、LED制御部13に供給される。
【0017】
この観察モードは、内視鏡2を用いた内視鏡観察用のモードであり、本実施の形態では、例えば、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色を含む光を生体内の被写体に照射することにより、肉眼による観察と略同様の色合いの画像を得ることが可能な通常光観察モードと、通常光観察モードの照明光に比べて狭い帯域の光を被写体に照射することにより、生体組織の血管構造が強調された画像を得ることが可能な狭帯域光観察(NBI)モードとを備えている。
【0018】
モータ制御部12は、ユーザI/F部11からのON/OFF信号に応じて、発光部ユニット15のモータの回転を制御する。モータ制御部12は、ユーザI/F部11からのON信号が供給されると、モータを回転させる。このとき、モータ制御部12は、モータの回転位置を検出することによりモータの周期を算出し、算出した周期情報をLED制御部13に出力する。
【0019】
LED制御部13は、モータ制御部12からの周期情報に基づき、円環状に配置された複数のLEDを順次パルス点灯させるための駆動制御信号をLED駆動部14に出力する。
【0020】
LED駆動部14は、ユーザI/F部11からのON/OFF信号に応じて、LEDを駆動させる駆動信号のON/OFFを切り換える。LED駆動部14は、ユーザI/F部11からのONが供給された場合、LED制御部13からの駆動制御信号に応じた駆動信号を生成し、発光部ユニット15に出力する。これにより、発光部ユニット15の全てのLEDは、モータの周期に基づき、順次パルス点灯される。
【0021】
発光部ユニット15は、円環状に配置された複数のLEDを有して構成されるとともに、LED駆動部14からの駆動信号に応じて、照明光をライトガイド7に対して供給することが可能な構成を有している。なお、発光部ユニット15の詳細な構成については、後述する図2を用いて説明する。
【0022】
明るさ制御部16は、プロセッサ3からの輝度信号とユーザI/F部11からの明るさレベル変更信号とを比較し、明るさを制御する明るさ制御信号をLED制御部13に出力する。
【0023】
LED制御部13は、明るさ制御部16からの明るさ制御信号が供給され、光量が制限されると、不点灯とするLEDを制御する。また、LED制御部13は、不点灯とするLEDを所定の周期毎に切り換えるように駆動制御信号をLED駆動部14に出力する。LED駆動部14は、この駆動制御信号に応じて、不点灯とするLEDを所定の周期毎に切り換える駆動信号を生成し、発光部ユニット15に出力する。なお、この周期とは、後述するモータあるいは導光ロッドが基準となる位置から基準となる位置まで1回転する回転周期である。
【0024】
また、LED制御部13には、ユーザI/F部11からモード変更信号が供給される。LED制御部13は、例えば、通常観察モードから狭帯域光観察モードへのモード変更信号が供給され、光量が制限されると、不点灯とするLEDを制御する。また、LED制御部13は、不点灯とするLEDを所定の周期毎に切り換えるように駆動制御信号をLED駆動部14に出力する。LED駆動部14は、この駆動制御信号に応じて、不点灯とするLEDを所定の周期毎に切り換える駆動信号を生成し、発光部ユニット15に出力する。このように、LED制御部13が点灯しない、即ち、不点灯とするLEDを切り換える点灯制御部を構成する。
【0025】
光源故障検知部としての故障検出部18は、LEDの故障を検出し、この故障情報をLED制御部13に出力する。LED制御部13は、故障検出部18から故障情報が供給されると、モニタ5に故障したLEDの情報を表示させる、あるいは、スピーカ17等から警告音を発生させる。このモニタ5またはスピーカ17がLEDの故障を報知する報知手段を構成する。
【0026】
図2は、発光部ユニットの構成を説明するための図である。
【0027】
図2に示すように、発光部ユニット15は、円環状に配置された複数のLED(以下、LED群20という)と、LED群20の円環中心を軸としたモータ24と、モータ24に搭載され、モータ24とともに回転する円筒形状のロッドホルダ25とを有する。
【0028】
LED群20は、後述する図3に示すように、24個のLEDから構成され、24個のLEDは、赤色の照明光を射出する8個の赤色LED21a〜21hと、緑色の照明光を射出する8個の緑色LED22a〜22hと、青色の照明光を射出する8個の青色LED23a〜23hとから構成される。赤色LED21a〜21h、緑色LED22a〜22h及び青色LED23a〜23hのそれぞれが円環状に配置された光源を構成する。
【0029】
なお、LED群20のLEDの個数は24個に限定されることなく、他の個数であってもよい。また、本実施の形態では、各色のLEDをそれぞれ8個有する構成としているが、これに限定されることなく、例えば、赤色LEDを6個、緑色LEDを6個、青色LEDを12個という構成であってもよい。さらに、LED群20を構成する各LEDは、赤色、緑色及び青色LEDに限定されることなく、例えば、白色LED、赤外LEDまたは紫外LEDであってもよい。
【0030】
移動手段としてのモータ24は、ロッドホルダ25を回転させることにより、導光ロッド26を赤色LED21a〜21h、緑色LED22a〜22h及び青色LED23a〜23hの発光面に順次移動させる。
【0031】
ロッドホルダ25には、導光ロッド26と反射プリズム27が搭載されている。導光ロッド26の入射面28は、ロッドホルダ25の回転側面と一致しており、LED群20の各LEDの発光面と正対する。導光ロッド26の入射面28と正対したLED群20のLEDは発光し、入射面28に効率よくLED群20のLEDの照明光が導かれる。導光ロッド26は、この照明光を反射プリズム27に導光する。この導光ロッド26が入射された照明光を一定の方向に導く導光部を構成する。
【0032】
反射プリズム27は、ロッドホルダ25の回転軸Oの略中心に配置され、導光ロッド26から導光された照明光を回転軸O方向に出射するように反射する。反射プリズム27の出射面には、ライトガイド7の入射面が配置されており、反射プリズム27からの照明光は、ライトガイド7に導光される。ライトガイド7に導光された照明光は、内視鏡2の挿入部6に挿通されたライトガイド7に伝送され、生体の内部の被写体を照明する。
【0033】
なお、発光部ユニット15は、ロッドホルダ25を2段有する構成にして、上段のロッドホルダの導光ロッドと下段のロッドホルダの導光ロッドとで異なる色の照明光を導光し、例えば、ダイクロックミラーを用いて異なる色の照明光を合成し、ライトガイド7に導光するようにしてもよい。
【0034】
次に、このように構成された光源装置4の動作について説明する。
【0035】
図3は、周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図であり、図4は、周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0036】
LED制御部13は、明るさ制御部16からの明るさ制御信号あるいはユーザI/F部11からのモード変更信号が供給され、光源装置4の光量の制限が指示されると、光源装置4から所定の周期内で出射される光出射強度が所定の目標値となるように、不点灯にするLEDを決定する。なお、図3(図4以降も同様)では、不点灯のLEDを黒色で塗り潰している。
【0037】
例えば、LED制御部13は、ある周期Pにおいて、通常光観察モードから狭帯域光観察モードに変更するモード変更信号がユーザI/F部11から供給されると、図3に示すように、3個の赤色LED21a、21b及び21cと、4個の緑色LED22a、22b、22c及び22dと、2個の青色LED23a及び23bとを不点灯とする制御を行う。
【0038】
そして、LED駆動部14は、LED制御部13による制御に応じて、図4に示す駆動信号をLED群20に出力する。図4に示すように、ある周期Pにおいて、赤色LED21a〜21cは点灯されないが、赤色LED21d〜21hは順次パルス点灯される。また、緑色LED22a〜22dは点灯されないが、緑色LED22e〜22hは順次パルス点灯される。また、青色LED23a及び23bは点灯されないが、青色LED23c〜23hは順次パルス点灯される。
【0039】
なお、本実施の形態では、光量を制御する際に、LEDを不点灯にすることにより光量を制御しているが、LEDの不点灯に加え、パルス幅PWを制御することに光量を制御するようにしてもよい。
【0040】
次に、LED制御部13は、周期P+1において、不点灯にするLEDを切り換える制御を行う。なお、本実施の形態では、LED制御部13が1周期毎に不点灯にするLEDを切り換える制御を行う場合について説明するが、上述したように、LED制御部13は、所定の周期毎に不点灯にするLEDを切り換える制御を行うものであり、例えば、2周期毎あるいは3周期毎に不点灯にするLEDを切り換える制御を行うことができる。
【0041】
図5は、周期P+1における点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図であり、図6は、周期P+1におけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0042】
LED制御部13は、周期P+1において、図5に示すように、3個の赤色LED21d、21e及び21fと、4個の緑色LED22e、22f、22g及び22hと、2個の青色LED23c及び23dとを不点灯とする制御を行う。
【0043】
そして、LED駆動部14は、LED制御部13による制御に応じて、図6に示す駆動信号をLED群20に出力する。図6に示すように、周期P+1において、赤色LED21d〜21fは点灯されないが、赤色LED21a〜21c、21g及び21hは順次パルス点灯される。また、緑色LED22e〜22hは点灯されないが、緑色LED22a〜22dは順次パルス点灯される。また、青色LED23c及び23cは点灯されないが、青色LED23a、23b及び23c〜23hは順次パルス点灯される。
【0044】
さらに、LED制御部13は、周期P+2において、不点灯にするLEDを切り換える制御を行う。
【0045】
図7は、周期P+2における点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図であり、図8は、周期P+2におけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0046】
LED制御部13は、周期P+2において、図7に示すように、3個の赤色LED21a、21g及び21hと、4個の緑色LED22a、22b、22c及び22dと、2個の青色LED23e及び23fとを不点灯とする制御を行う。
【0047】
そして、LED駆動部14は、LED制御部13による制御に応じて、図8に示す駆動信号をLED群20に出力する。図8に示すように、周期P+2において、赤色LED21a、21g及び21hは点灯されないが、赤色LED21b〜21fは順次パルス点灯される。また、緑色LED22a〜22dは点灯されないが、緑色LED22e〜22hは順次パルス点灯される。また、青色LED23e及び23fは点灯されないが、青色LED23a〜23d、23g及び23hは順次パルス点灯される。
【0048】
以上のように、光源装置4のLED制御部13は、観察モードの変更等により使用中に光量が制限された場合、所定数のLEDを不点灯とする制御を行う。そして、LED制御部13は、不点灯とするLEDを所定の周期毎、具体的には、モータ24の所定の回転周期毎に切り換えることで、全てのLEDの累積点灯時間を略均等にすることができる。これにより、全てのLEDの累積点灯時間を略均等にすることで、LEDの劣化の偏りを防いでいる。特に、本実施の形態では、カラーバランスを保つため、同一色のLED間において累積点灯時間の均等化を行い、異なる色のLED間では累積点灯時間の均等化を行っていない。この結果、同一色のLED間の累積点灯時間が均等化されるため、局所的なLEDの劣化を防ぐことができ、光源装置4を長寿命化することができる。
【0049】
よって、本実施の形態の光源装置によれば、局所的な光源の劣化を防ぎ、装置としての長寿命化を実現することができる。
(第2の実施の形態)
【0050】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0051】
第2の実施の形態の内視鏡システムの構成は、第1の実施の形態の内視鏡システム1と略同様であるため、以下では、異なる構成についてのみ説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0052】
第1の実施の形態の光源装置4では、時間の経過とともにLEDが個別に壊れていくことが考えられる。複数のLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hを使用しているため、ただ1つのLEDが壊れたとしても、使用上影響がない状態、例えば、光出射強度が所定の目標値に達するようにし、かつ、カラーバランスが補償することができる状態であれば、光源装置4の故障と判定せず、使用し続けることで、長寿命化を実現することができる。
【0053】
そこで、本実施の形態では、LEDに故障が発生した際にも、使用上影響がない状態とする制御を行うことで、長寿命化を実現することができる光源装置4aについて説明する。本実施の形態では、光源装置4aのLED制御部13aにおける制御内容が、第1の実施の形態のLED制御部13の制御内容と異なっている。
【0054】
図9は、故障検出部周辺の構成を説明するための図である。
【0055】
図9に示すように、故障検出部18の周辺は、LED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hと、定電流回路34とを有して構成されている。
【0056】
LED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hは、それぞれLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hと直列に接続されている。LED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hのゲート端子には、LED駆動部14からゲート切換信号が供給される。これにより、LED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hそれぞれのON/OFFが制御される。
【0057】
LED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hのソース端子側は互いに接続され、さらに、互いに接続されたラインは定電流回路34にされ、定電流回路34に一定の電流が流れるようになっている。
【0058】
定電流回路34内には電流をフィードバックして制御するための電流検出抵抗Rが設けられており、故障検出部18は、この電流検出抵抗Rの両端の電圧値を読み取ることで電流が流れているか否かを検出できる。故障検出部18は、検出した電流値をLED制御部13aに出力する。
【0059】
LED制御部13aは、電流が流れていないタイミングからLED21a〜21h、22a〜22h及び23a〜23hのうち、いずれのLEDが駆動していないかを判定し、故障しているLEDを特定する。
【0060】
LED制御部13aは、LEDの故障が発生した際に、例えば、狭帯域光観察モードにおいて、特定した故障が発生したLEDと同一色のLEDが点灯を制限されている場合、故障が発生したLEDに代わって点灯を制限されているLEDを点灯するように制御する。
【0061】
なお、図9では、全てのLED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hのソース側を接続しているが、全てのLED切換FET31a〜31h、32a〜32h及び33a〜33hのソースにそれぞれ個別に定電流回路を接続し、個別に故障検出を行うようにしてもよい。
【0062】
次に、このように構成された光源装置4aの動作について説明する。
【0063】
図10は、本実施の形態の制御を行わない場合の周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図であり、図11は、本実施の形態の制御を行わない場合の周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0064】
なお、緑色LED22a〜22h及び青色LED23a〜23hの点灯及び不点灯については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0065】
図10に示すように、赤色LED21hに故障が発生した場合、LED制御部13aには、赤色LED21hが故障したことが故障検出部18から通知される。また、LED制御部13aは、ある周期Pにおいて、通常光観察モードから狭帯域光観察モードに変更するモード変更信号がユーザI/F部11から供給されると、第1の実施の形態と同様に、3つの赤色LED21a、21b及び21cを不点灯にするよう制御する。
【0066】
この場合、図11に示す駆動信号がLED駆動部14からLED群20出力される。そのため、赤色LED21a〜21hにおいて、4つの赤色LED21a、21b、21c及び21hが不点灯となり、光出射強度が所定の目標値に達しない、あるいは、カラーバランスが補償することができなくなる虞がある。
【0067】
図12は、本実施の形態の制御を行った場合の周期Pにおける点灯及び不点灯のLEDについて説明するための図であり、図13は、本実施の形態の制御を行った場合の周期PにおけるLEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【0068】
LED制御部13aは、光出射強度が所定の目標値に達するよう、あるいは、カラーバランスが補償できるように、故障した赤色LED21hと同色の赤色LEDのうち、本来、不点灯とする赤色LED21cを点灯するように制御する。これにより、光出射強度が所定の目標値に達するようにし、かつ、カラーバランスが補償することができる。なお、点灯する赤色LEDは、赤色LED21aまたは21bであってもよい。
【0069】
そして、LED駆動部14は、LED制御部13aによる制御に応じて、図13に示す駆動信号をLED群20に出力する。これにより、図13に示すように、周期Pにおいて、赤色LED21a、21b、及び、故障している赤色LED21hは点灯されないが、赤色LED21b〜21gは順次パルス点灯される。
【0070】
周期P+1以降の動作は、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。即ち、LED制御部13aは、所定の周期毎に、不点灯にするLEDを切り換える制御を行う。
【0071】
以上のように、本実施の形態の光源装置4aは、LEDの故障が発生した際に、故障が発生したLEDと同一色のLEDが点灯を制限されている場合、故障が発生したLEDに代わって点灯を制限されているLEDを点灯するように制御するようした。この結果、光源装置4aは、LEDの故障が発生した際にも、光出射強度を所定の目標値に達するようにし、かつ、カラーバランスを補償することができる。
【0072】
よって、本実施の形態の光源装置によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得るとともに、LEDに故障が発生した際にも、使用上影響がない状態とする制御を行うことで、装置としての更なる長寿命化を実現することができる。
【0073】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…内視鏡システム、2…内視鏡、3…プロセッサ、4…光源装置、5…モニタ、6…挿入部、7…ライトガイド、11…ユーザI/F部、12…モータ制御部、13…LED制御部、14…LED駆動部、15…発光部ユニット、16…明るさ制御部、17…スピーカ、18…故障検出部、21…LED群、21a〜21h…赤色LED、22a〜22h…緑色LED、23a〜23h…青色LED、24…モータ、25…ロッドホルダ、26…導光ロッド、27…反射プリズム、28…入射面、31a〜31h,32a〜32h,33a〜33h…LED切換FET、34…定電流回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状に配置された複数の光源と、
前記複数の光源から出射された照明光を入射させる入射面を有し、入射された照明光を一定の方向に導光する導光部と、
前記導光部を前記複数の光源の発光面に順次移動可能な移動手段と、
所定の周期毎に、前記移動手段により前記導光部が前記光源の発光面に移動したときに点灯しない光源を切り換える点灯制御部と、
を備えたことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記複数の光源は、同一色の光源を複数有し、
前記点灯制御部は、前記複数の同一色の光源により前記導光部により導光される前記所定の周期内の光出射強度が所定の目標値になるように、前記導光部が前記同一色の光源の発光面に移動したときの点灯を制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源の故障を検知する光源故障検知部を設け、
前記点灯制御部は、前記複数の同一色の光源のうち、前記光源故障検知部により故障と検知された光源以外の光源の点灯を制御することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源の故障を報知する故障報知手段を設け、
前記点灯制御部は、前記光源故障検知部により故障と判断された光源以外の同一色の光源の点灯の制御により、前記複数の同一色の光源により前記導光部により導光される前記所定の周期内の光出射強度が前記所定の目標値に到達できないことを判別した場合、前記故障報知手段に故障を報知する信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−104387(P2012−104387A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252250(P2010−252250)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】