光照射装置
【課題】
照射エリア長を狭くすることによってスキャン距離を短縮し、光照射プロセスのプロセス時間を短縮する。
【解決手段】
ロングアークランプ1を用いて基板5に光を照射する光照射装置において、断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラー2と、照射される光の照射エリアを限定するためのスリット4と、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすようにする。
照射エリア長を狭くすることによってスキャン距離を短縮し、光照射プロセスのプロセス時間を短縮する。
【解決手段】
ロングアークランプ1を用いて基板5に光を照射する光照射装置において、断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラー2と、照射される光の照射エリアを限定するためのスリット4と、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの光配向膜や位相差フィルムなどの製造のための光照射装置、および液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造のための光照射装置に関し、特に、照射プロセスのプロセス時間を短縮した光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子において、配向膜に配向機能を付与するための処理方法として、光配向法が提案されている。光配向法は、ポリイミドなどの高分子膜に直線偏光された紫外線光(偏光UV光)等を照射することにより、偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させて、高分子膜の分子の並びに異方性を発生させて液晶配向能を付与するものである。
【0003】
光配向法による配向膜の製造においては、偏光UV光を発生する光源と未配向の高分子膜とを相対的に移動(スキャン)することにより、偏光露光を行う。
【0004】
特許文献1には、「部分的に偏光させ且つ部分的に平行化した光で基材を整合するための露光システムにおいて、少なくとも一つの光線の源と、前記光線を部分的に平行化するための手段と、前記光線を部分的に偏光するための手段であって、部分的に偏光させた光線の偏光比が約1:1の状態が除外された1:100乃至100:1の範囲にある、前記手段と、前記部分的に平行化し且つ部分的に偏光させた光線に対して前記基材を移動させるための手段であって、前記部分的に偏光させた光線は、一つの次元に沿った発散角度が約5°以上であり且つ約30°以下であり、前記一つの次元に直交する次元に沿った発散角度が限定されていない、前記手段と、を有する、露光システム。」(請求項1)、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3946441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術に基づく光照射装置の光学系を、図5に示す。ロングアークランプ1から発生した紫外線光は反射ミラー2で集められ、偏光子3で直線偏光とされ、スリット4で幅を規制されて、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板5上に照射される。特許文献1では、一つの次元に沿った発散角度が約5°以上であり且つ約30°以下であるとされているので、図5の角度θは、その半分の、
2.5°≦θ≦15° となる。
なお、θは、基板から見上げたときの、スリット4の開口の端を通して光源を見る角度である。
そして、図5に示すように、光源と基板の距離をH、スキャン方向の主照射エリア長をXとすると、Hに対するXの範囲は、tanθ=(X/2)/Hの関係から、
0.087H≦X≦0.536H となる。
【0007】
図6に、ロングアークランプ1を固定し、基材が形成された基板5を移動してスキャン照射を行った様子を示す。上段の図は照射開始時を、中段の図は照射中を、下段の図は照射終了時を示す。基板長をL、光照射装置の主照射エリア長をX、ランプからの直接照射光ではなく、反射ミラーからの反射光のみが照射される、反射光照射エリア長をZ、基板のスキャン速度をV(一定)とすると、
スキャン距離=基板長(L)+主照射エリア長(X)+反射光照射エリア長(Z)×2
照射時間(T)=スキャン距離/スキャン速度
=(L+X+2Z)/V
となる。
【0008】
従来技術においては、主照射エリア長Xが大きいため、光照射プロセスにおける基板の移動距離が長く、基板に光を照射する時間が長くなり、プロセス時間が長くなる。すなわち、生産のスループットが低くなる。
【0009】
本発明は、光照射装置において、照射エリア長を狭くすることによってスキャン距離を短縮し、光照射プロセスのプロセス時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラーと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たし、前記スリットと前記基板の間隔hが、前記反射ミラーの開口端部のスキャン方向の長さをY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’としたとき、
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記反射ミラーの基板側端面と基板との間に配置された側面反射ミラーと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記反射ミラーの基板側端面に設けられ、光を反射しつつ、開口部により光を通過させるミラースリットと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において光をコリメート化するシリンドリカルレンズと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光配向膜などの製造において、光照射プロセスのプロセス時間を短縮し、生産のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1の光照射装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の光照射装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例3の光照射装置を示す図である。
【図4】本発明の実施例4の光照射装置を示す図である。
【図5】従来の光照射装置を示す図である。
【図6】スキャン照射を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。各図面において、同一の構成要素には同一の番号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本発明の実施例1の光照射装置を示す。図1(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている。反射ミラー2で集光された光は、偏光子3により、直線偏光された光となる。直線偏光とされた光は、基板5の近くに配置されたスリット4により、端部の強度の弱い光がカットされて、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板5上に照射される。
この実施例において、発散角(2θ)は5°未満、すなわち基板からスリット4の開口の端部を通ってロングアークランプ1を見上げた角度θが2.5°未満であり、したがって、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たす。
【0018】
X<0.087H
実際には、このように発散角(2θ)で定義される主照射エリア長X(ランプから直接照射されるエリア長)の外側に、反射ミラー2の反射光のみが照射されるエリアが存在する。そのうち、反射ミラー端部2’を経由して反射された光がエリアの最も外側になる。この反射光のみにより照射されるエリア長を、反射光照射エリア長Zとすると、全照射エリア長はX+2Zとなる。プロセス時間を短縮するには、XだけでなくZも限りなく小さくする必要がある。そこで、Zが主照射エリア長Xの1/10以下となるように、スリット4と基板5の間隔hを調整した。
反射ミラー2の開口幅をY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’とすると、反射光照射エリア長Zは、
Z=((H−H’)X+HY)h/2H(H’−h)
となり、ZをXの1/10、すなわち
Z<X/10
とすると、スリット4と基板5の間隔hは、次の関係を満たす。
【0019】
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
実施例1において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、反射ミラー開口端部と基板との間隔H’を110mm、反射ミラーの開口幅Yを150mm、θを2°、スリット4と基板5の間隔hを1.4mmとすると、主照射エリア長Xは10.5mm、反射光照射エリア長Zは1.0mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.6sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。
【0020】
これに対し、従来技術である、θを15°、スリット4と基板5の間隔hを20mmとし、他の条件は同様とすると、主照射エリア長Xは80mm、反射光照射エリア長Zは19mmとなり、照射時間は51.9sとなる。尚、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するため、θは0.25以上を確保することが望ましい。
【0021】
図1(b)は、図1(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造などに用いるものである。偏光子の有無以外は、図1(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例2】
【0022】
図2に、本発明の実施例2の光照射装置を示す。図2(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側端面と基板5との間には、スキャン方向の両側に、側面反射ミラー6が設けられている。2つの側面反射ミラー6の、基板側の端面の距離は、主照射エリア長Xとなっている。ロングアークランプ1からの直接光、或いは反射ミラー2によって反射された光は、偏光子3で直線偏光とされ、側面反射ミラー6で反射されて、或いは直接に、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0023】
本実施例においても、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たしている。
【0024】
X<0.087H
したがって、主照射エリア長Xは、従来技術に比べて短くなっており、スキャン距離を短縮し、プロセス時間を短縮することができる。
【0025】
実施例2では、光源からの光をスリットでカットすることなく、側面反射ミラー6で反射することにより、ほぼ全ての光を基板面上に照射することができるので、効率良く光配向膜の配向を行うことができる。
【0026】
実施例2において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、θを2°とすると、主照射エリア長Xは10.5mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.5sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。但し、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するためθは0.25以上を確保することが望ましいが、実施例1に比べて反射光の利用率が高いため、θを0.025以上を確保する構成であってもよい。
【0027】
図2(b)は、図2(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図2(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例3】
【0028】
図3に、本発明の実施例3の光照射装置を示す。図3(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側端面には、開口を有するミラースリット7が設けられている。ミラースリット7は、光源からの光を直接開口を通して出射し、或いは、反射ミラー2及びミラースリット7で反射して、開口を通して出射する。ミラースリット7からの光は、偏光子3により直線偏光とされ、スリット4で、端部の強度の弱い光はカットし、中央部の光は開口を通して未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0029】
本実施例においても、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たしている。
【0030】
X<0.087H
実際には、このように発散角(2θ)で定義される主照射エリア長X(ランプから直接照射されるエリア長)の外側に、反射ミラー2の反射光のみが照射されるエリアが存在する。そのうち、ミラースリット7端部を経由して反射された光がエリアの最も外側になる。この反射光のみにより照射されるエリア長を、反射光照射エリア長Zとすると、全照射エリア長はX+2Zとなる。プロセス時間を短縮するには、XだけでなくZも限りなく小さくする必要がある。そこで、Zが主照射エリア長Xの1/10以下となるように、スリット4と基板5の間隔hを調整した。
ミラースリット7の開口幅をS、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’とすると、反射光照射エリア長Zは、
Z=((H−H’)X+HS)h/2H(H’−h)
となり、ZをXの1/10、すなわち
Z<X/10
とすると、スリット4と基板5の間隔hは、次の関係を満たす。
【0031】
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HS
実施例3では、反射ミラー2の基板側端面に、開口を有するミラースリット7を設けている。光源からの光を反射ミラー2とミラースリット7で反射して、ミラースリットの中央部の開口から出射しているので、光源からの光の多くを主照射エリア長Xの範囲に照射することができ、効率良く光配向膜の配向を行うことができる。
【0032】
実施例3において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、反射ミラー開口端部と基板との間隔H’を110mm、ミラースリットの開口幅Sを50mm、θを2°、スリット4と基板5の間隔hを4mmとすると、主照射エリア長Xは10.5mm、反射光照射エリア長Zは1.0mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.6sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。但し、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するためθは0.25以上を確保することが望ましいが、実施例1に比べて反射光の利用率が高いため、θを0.025以上を確保する構成であってもよい。
【0033】
図3(b)は、図3(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図3(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例4】
【0034】
図4に、本発明の実施例4の光照射装置を示す。図4(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側には、シリンドリカルレンズ8が設けられている。シリンドリカルレンズは、半円柱状のレンズを複数平行に並べたもので、光源からの発散光、或いは反射ミラーで反射された光は、シリンドリカルレンズ8で平行光に変換される。シリンドリカルレンズ8からの光は、偏光子3で直線偏光とされ、スリット4の開口を通して未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0035】
実施例4では、シリンドリカルレンズによって、発散光が平行光に変換されるため、有効照射エリア長を短縮することができる。
したがって、照射エリア長Xは、従来技術に比べて短くなっており、スキャン距離を短縮し、プロセス時間を短縮することができる。
【0036】
実施例4において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、照射エリア長Xを10.5mmとする。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、実施例2と同様に、照射時間は46.5sとなる。
【0037】
図4(b)は、図4(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図4(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【0038】
以下の表1に、実施例1〜4の具体的な数値の例と、従来技術の比較例を、対比して記載する。X<0.087H の関係を満たす照射エリア長Xとすることにより、この例では、照射時間Tを、従来技術では51.9sであったのを46.5〜46.6sに短縮することができる。
【0039】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、光の照射エリアを狭くすることによってスキャン距離が短縮され、プロセス時間を短縮することができる。本発明は、液晶パネル用の光配向膜の製造、液晶パネル用の位相差フィルムの製造、3D液晶用のパタン付き位相差板の製造のみならず、液晶パネル用のカラーフィルタやTFTなど、大面積の基板に光を照射するあらゆる製造プロセスに用いることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ロングアークランプ
2 反射ミラー
3 偏光子
4 スリット
5 基板
6 側面反射ミラー
7 ミラースリット
8 シリンドリカルレンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの光配向膜や位相差フィルムなどの製造のための光照射装置、および液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造のための光照射装置に関し、特に、照射プロセスのプロセス時間を短縮した光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子において、配向膜に配向機能を付与するための処理方法として、光配向法が提案されている。光配向法は、ポリイミドなどの高分子膜に直線偏光された紫外線光(偏光UV光)等を照射することにより、偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させて、高分子膜の分子の並びに異方性を発生させて液晶配向能を付与するものである。
【0003】
光配向法による配向膜の製造においては、偏光UV光を発生する光源と未配向の高分子膜とを相対的に移動(スキャン)することにより、偏光露光を行う。
【0004】
特許文献1には、「部分的に偏光させ且つ部分的に平行化した光で基材を整合するための露光システムにおいて、少なくとも一つの光線の源と、前記光線を部分的に平行化するための手段と、前記光線を部分的に偏光するための手段であって、部分的に偏光させた光線の偏光比が約1:1の状態が除外された1:100乃至100:1の範囲にある、前記手段と、前記部分的に平行化し且つ部分的に偏光させた光線に対して前記基材を移動させるための手段であって、前記部分的に偏光させた光線は、一つの次元に沿った発散角度が約5°以上であり且つ約30°以下であり、前記一つの次元に直交する次元に沿った発散角度が限定されていない、前記手段と、を有する、露光システム。」(請求項1)、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3946441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術に基づく光照射装置の光学系を、図5に示す。ロングアークランプ1から発生した紫外線光は反射ミラー2で集められ、偏光子3で直線偏光とされ、スリット4で幅を規制されて、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板5上に照射される。特許文献1では、一つの次元に沿った発散角度が約5°以上であり且つ約30°以下であるとされているので、図5の角度θは、その半分の、
2.5°≦θ≦15° となる。
なお、θは、基板から見上げたときの、スリット4の開口の端を通して光源を見る角度である。
そして、図5に示すように、光源と基板の距離をH、スキャン方向の主照射エリア長をXとすると、Hに対するXの範囲は、tanθ=(X/2)/Hの関係から、
0.087H≦X≦0.536H となる。
【0007】
図6に、ロングアークランプ1を固定し、基材が形成された基板5を移動してスキャン照射を行った様子を示す。上段の図は照射開始時を、中段の図は照射中を、下段の図は照射終了時を示す。基板長をL、光照射装置の主照射エリア長をX、ランプからの直接照射光ではなく、反射ミラーからの反射光のみが照射される、反射光照射エリア長をZ、基板のスキャン速度をV(一定)とすると、
スキャン距離=基板長(L)+主照射エリア長(X)+反射光照射エリア長(Z)×2
照射時間(T)=スキャン距離/スキャン速度
=(L+X+2Z)/V
となる。
【0008】
従来技術においては、主照射エリア長Xが大きいため、光照射プロセスにおける基板の移動距離が長く、基板に光を照射する時間が長くなり、プロセス時間が長くなる。すなわち、生産のスループットが低くなる。
【0009】
本発明は、光照射装置において、照射エリア長を狭くすることによってスキャン距離を短縮し、光照射プロセスのプロセス時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラーと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たし、前記スリットと前記基板の間隔hが、前記反射ミラーの開口端部のスキャン方向の長さをY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’としたとき、
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記反射ミラーの基板側端面と基板との間に配置された側面反射ミラーと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記反射ミラーの基板側端面に設けられ、光を反射しつつ、開口部により光を通過させるミラースリットと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の光照射装置は、ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において光をコリメート化するシリンドリカルレンズと、照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが X<0.087H の関係を満たすことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光配向膜などの製造において、光照射プロセスのプロセス時間を短縮し、生産のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1の光照射装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の光照射装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例3の光照射装置を示す図である。
【図4】本発明の実施例4の光照射装置を示す図である。
【図5】従来の光照射装置を示す図である。
【図6】スキャン照射を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。各図面において、同一の構成要素には同一の番号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本発明の実施例1の光照射装置を示す。図1(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている。反射ミラー2で集光された光は、偏光子3により、直線偏光された光となる。直線偏光とされた光は、基板5の近くに配置されたスリット4により、端部の強度の弱い光がカットされて、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板5上に照射される。
この実施例において、発散角(2θ)は5°未満、すなわち基板からスリット4の開口の端部を通ってロングアークランプ1を見上げた角度θが2.5°未満であり、したがって、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たす。
【0018】
X<0.087H
実際には、このように発散角(2θ)で定義される主照射エリア長X(ランプから直接照射されるエリア長)の外側に、反射ミラー2の反射光のみが照射されるエリアが存在する。そのうち、反射ミラー端部2’を経由して反射された光がエリアの最も外側になる。この反射光のみにより照射されるエリア長を、反射光照射エリア長Zとすると、全照射エリア長はX+2Zとなる。プロセス時間を短縮するには、XだけでなくZも限りなく小さくする必要がある。そこで、Zが主照射エリア長Xの1/10以下となるように、スリット4と基板5の間隔hを調整した。
反射ミラー2の開口幅をY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’とすると、反射光照射エリア長Zは、
Z=((H−H’)X+HY)h/2H(H’−h)
となり、ZをXの1/10、すなわち
Z<X/10
とすると、スリット4と基板5の間隔hは、次の関係を満たす。
【0019】
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
実施例1において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、反射ミラー開口端部と基板との間隔H’を110mm、反射ミラーの開口幅Yを150mm、θを2°、スリット4と基板5の間隔hを1.4mmとすると、主照射エリア長Xは10.5mm、反射光照射エリア長Zは1.0mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.6sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。
【0020】
これに対し、従来技術である、θを15°、スリット4と基板5の間隔hを20mmとし、他の条件は同様とすると、主照射エリア長Xは80mm、反射光照射エリア長Zは19mmとなり、照射時間は51.9sとなる。尚、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するため、θは0.25以上を確保することが望ましい。
【0021】
図1(b)は、図1(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造などに用いるものである。偏光子の有無以外は、図1(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例2】
【0022】
図2に、本発明の実施例2の光照射装置を示す。図2(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側端面と基板5との間には、スキャン方向の両側に、側面反射ミラー6が設けられている。2つの側面反射ミラー6の、基板側の端面の距離は、主照射エリア長Xとなっている。ロングアークランプ1からの直接光、或いは反射ミラー2によって反射された光は、偏光子3で直線偏光とされ、側面反射ミラー6で反射されて、或いは直接に、未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0023】
本実施例においても、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たしている。
【0024】
X<0.087H
したがって、主照射エリア長Xは、従来技術に比べて短くなっており、スキャン距離を短縮し、プロセス時間を短縮することができる。
【0025】
実施例2では、光源からの光をスリットでカットすることなく、側面反射ミラー6で反射することにより、ほぼ全ての光を基板面上に照射することができるので、効率良く光配向膜の配向を行うことができる。
【0026】
実施例2において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、θを2°とすると、主照射エリア長Xは10.5mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.5sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。但し、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するためθは0.25以上を確保することが望ましいが、実施例1に比べて反射光の利用率が高いため、θを0.025以上を確保する構成であってもよい。
【0027】
図2(b)は、図2(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図2(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例3】
【0028】
図3に、本発明の実施例3の光照射装置を示す。図3(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側端面には、開口を有するミラースリット7が設けられている。ミラースリット7は、光源からの光を直接開口を通して出射し、或いは、反射ミラー2及びミラースリット7で反射して、開口を通して出射する。ミラースリット7からの光は、偏光子3により直線偏光とされ、スリット4で、端部の強度の弱い光はカットし、中央部の光は開口を通して未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0029】
本実施例においても、スキャン方向の断面において、主照射エリア長Xと、ロングアークランプと基板の間隔Hとは次の関係を満たしている。
【0030】
X<0.087H
実際には、このように発散角(2θ)で定義される主照射エリア長X(ランプから直接照射されるエリア長)の外側に、反射ミラー2の反射光のみが照射されるエリアが存在する。そのうち、ミラースリット7端部を経由して反射された光がエリアの最も外側になる。この反射光のみにより照射されるエリア長を、反射光照射エリア長Zとすると、全照射エリア長はX+2Zとなる。プロセス時間を短縮するには、XだけでなくZも限りなく小さくする必要がある。そこで、Zが主照射エリア長Xの1/10以下となるように、スリット4と基板5の間隔hを調整した。
ミラースリット7の開口幅をS、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’とすると、反射光照射エリア長Zは、
Z=((H−H’)X+HS)h/2H(H’−h)
となり、ZをXの1/10、すなわち
Z<X/10
とすると、スリット4と基板5の間隔hは、次の関係を満たす。
【0031】
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HS
実施例3では、反射ミラー2の基板側端面に、開口を有するミラースリット7を設けている。光源からの光を反射ミラー2とミラースリット7で反射して、ミラースリットの中央部の開口から出射しているので、光源からの光の多くを主照射エリア長Xの範囲に照射することができ、効率良く光配向膜の配向を行うことができる。
【0032】
実施例3において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、反射ミラー開口端部と基板との間隔H’を110mm、ミラースリットの開口幅Sを50mm、θを2°、スリット4と基板5の間隔hを4mmとすると、主照射エリア長Xは10.5mm、反射光照射エリア長Zは1.0mmとなる。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、照射時間は46.6sとなる。この場合のXは0.0698Hとなり、よりスループットを高めるために理想的には、X<0.07Hを実現するものがよい。但し、θが小さくなり過ぎると照射効率が低下するためθは0.25以上を確保することが望ましいが、実施例1に比べて反射光の利用率が高いため、θを0.025以上を確保する構成であってもよい。
【0033】
図3(b)は、図3(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図3(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【実施例4】
【0034】
図4に、本発明の実施例4の光照射装置を示す。図4(a)は、光配向膜の製造などに用いるものである。基板5の幅と同程度の長さを有するロングアークランプ1に対し、基板5と反対側に、ロングアークランプ1を覆うように反射ミラー2が設けられている。ロングアークランプ1は、紫外線光などの光を発生する。反射ミラー2は、その断面形状が楕円または放物線状であり、ロングアークランプ1から照射される光を基板面上に照射するような形状となっている。反射ミラー2の基板側には、シリンドリカルレンズ8が設けられている。シリンドリカルレンズは、半円柱状のレンズを複数平行に並べたもので、光源からの発散光、或いは反射ミラーで反射された光は、シリンドリカルレンズ8で平行光に変換される。シリンドリカルレンズ8からの光は、偏光子3で直線偏光とされ、スリット4の開口を通して未配向の高分子膜(基材)が形成された基板面上に照射される。
【0035】
実施例4では、シリンドリカルレンズによって、発散光が平行光に変換されるため、有効照射エリア長を短縮することができる。
したがって、照射エリア長Xは、従来技術に比べて短くなっており、スキャン距離を短縮し、プロセス時間を短縮することができる。
【0036】
実施例4において、ロングアークランプと基板の間隔Hを150mm、照射エリア長Xを10.5mmとする。基板の長さLを920mm、基板の速度Vを20mm/sとして照射時間Tを求めると、実施例2と同様に、照射時間は46.5sとなる。
【0037】
図4(b)は、図4(a)において偏光子3を有しないものであり、液晶パネルのカラーフィルタやTFTの製造に用いるものである。偏光子の有無以外は、図4(a)と同様の構成を備え、同様の効果を奏する。
【0038】
以下の表1に、実施例1〜4の具体的な数値の例と、従来技術の比較例を、対比して記載する。X<0.087H の関係を満たす照射エリア長Xとすることにより、この例では、照射時間Tを、従来技術では51.9sであったのを46.5〜46.6sに短縮することができる。
【0039】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、光の照射エリアを狭くすることによってスキャン距離が短縮され、プロセス時間を短縮することができる。本発明は、液晶パネル用の光配向膜の製造、液晶パネル用の位相差フィルムの製造、3D液晶用のパタン付き位相差板の製造のみならず、液晶パネル用のカラーフィルタやTFTなど、大面積の基板に光を照射するあらゆる製造プロセスに用いることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ロングアークランプ
2 反射ミラー
3 偏光子
4 スリット
5 基板
6 側面反射ミラー
7 ミラースリット
8 シリンドリカルレンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラーと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たし、
前記スリットと前記基板の間隔hが、前記反射ミラーの開口幅をY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’としたとき、
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
請求項1記載の光照射装置において、
前記ロングアークランプと前記基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項3】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記反射ミラーの基板側端面と基板との間に配置された側面反射ミラーと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項4】
請求項3記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項5】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記反射ミラーの基板側端面に設けられ、光を反射しつつ、開口部により光を通過させるミラースリットと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項6】
請求項5記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項7】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において光をコリメート化するシリンドリカルレンズと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項8】
請求項7記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項1】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
断面形状が楕円または放物線状であり、照射される光を基板面上に集光させるような形状となっている反射ミラーと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たし、
前記スリットと前記基板の間隔hが、前記反射ミラーの開口幅をY、前記反射ミラーの開口端部と基板との間隔をH’としたとき、
h<XHH’/((6H−5H’)X+5HY
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
請求項1記載の光照射装置において、
前記ロングアークランプと前記基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項3】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記反射ミラーの基板側端面と基板との間に配置された側面反射ミラーと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項4】
請求項3記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項5】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記反射ミラーの基板側端面に設けられ、光を反射しつつ、開口部により光を通過させるミラースリットと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えており、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において、
主照射エリア長Xと、前記ロングアークランプと前記基板の間隔Hとが
X<0.087H
の関係を満たすことを特徴とする光照射装置。
【請求項6】
請求項5記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項7】
ロングアークランプを用いて基板に光を照射する光照射装置において、
光源の照射方向を概略制御する反射ミラーと、
前記ロングアークランプの長軸に直交する断面において光をコリメート化するシリンドリカルレンズと、
照射される光の照射エリアを限定するためのスリットと、を備えていることを特徴とする光照射装置。
【請求項8】
請求項7記載の光照射装置において、
ロングアークランプと基板の間に偏光子を備えていることを特徴とする光照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−37158(P2013−37158A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172610(P2011−172610)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】
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