説明

光符号ルーティングされるネットワーク

複数の局(U1、U2、U3、U4)のうちの少なくとも2つの間で通信が提供される。信号が、複数の局のうちの第1局(U1)から受信され、その信号は、その局に割り当てられた第1符号(C1)を使用してコーディングされる。コーディングされた信号は、複数の局のうちの少なくとも第2局(U2)に割り当てられたさらなる符号(C2)を使用してデコード可能なさらなるコーディングされた信号を入手するために変換される。さらなるコーディングされた信号が、複数の局のうちの少なくとも第2局への配送のために送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年2月18日出願の米国特許出願第11/062,090号(Telcordia APP No.1554/TELCOR 1.0−010)、名称「Phase-Chip Frequency-Bins Optical CDMA」および2005年1月31日出願の米国特許出願第11/048,394号(Telcordia APP No.1548/TELCOR 1.0−003)、名称「Multi-Wavelength Optical CDMA With Differential Encoding And Bipolar Differential Detection」に関連し、この両方が、本願の譲受人に譲渡され、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、光通信に関し、より具体的には、所与の符号を用いてエンコードされた信号を別の符号にシフトできる光符号分割多元接続(OCDMA)通信に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な通信方式が、データスループットを高め、データエラーレートを下げると同時に、通信チャネルの性能を全般的に改善するのに使用されてきた。例として、周波数分割多元接続(「FDMA」)は、伝送帯域の異なる周波数に配置された特定のチャネルに割り当てられる複数のデータストリームを使用する。その代わりに、時分割多元接続(「TDMA」)は、伝送帯域の単一の周波数の異なるタイムスロットに割り当てられる複数のデータストリームを使用する。しかし、FDMAおよびTDMAは、所与の伝送帯域についてサポートできるユーザ数および/またはデータレートにおいて非常に硬直している。
【0004】
多くの通信アーキテクチャでは、符号分割多元接続(CDMA)が、FDMAおよびTDMAに取って代わってきた。CDMAは、複数のデータストリームまたはチャネルが単一の伝送帯域を同時に共有することを可能にするスペクトラム拡散通信の一形態である。CDMAフォーマットは、人の複数のペアが同一室内で同時にお互いと会話しているカクテルパーティに似ている。通常、多数の会話が同時に発生する場合に、会話の一方の当事者が他方の当事者の言うことを聞くのは非常に難しい。例えば、話者の1ペアが過度に大声である場合に、彼らの会話は、他の会話をかき消す。さらに、人の異なるペアが同一の言語で話しているときに、一方の会話からの対話が、同一言語の他方の会話に流れ出て、伝達不良を引き起こす場合がある。一般に、他のすべての会話からの累積的な背景雑音は、ある当事者が他方の当事者の言っていることを聞くのをより難しくする。したがって、誰もが同時にコミュニケートし、その結果、各ペアの間の会話すなわち彼らの「信号」が明瞭であると同時に他のペアの間の会話からの「雑音」が最小化されるようになる形を見つけることが、望ましい。
【0005】
CDMA多重化手法は、周知であり、例えば非特許文献1で詳細に説明されている。基本的に、CDMAでは、伝送されるデータ(ユーザデータ)の帯域幅は、伝送帯域の帯域幅よりはるかに少ない。一意の「擬似雑音」キー(pseudonoise key)が、CDMA伝送帯域の各チャネルに割り当てられる。擬似雑音キーは、ガウス雑音(例えば、「白色雑音」)を模倣するように選択され、他のユーザ/チャネルからの干渉を減らすために最大長シーケンスになるようにも選択される。1つの擬似雑音キーが、所与のチャネルのユーザデータを変調するのに使用される。この変調は、パーティで話者の各ペアに異なる言語を割り当てることと同等である。
【0006】
変調中に、ユーザデータは、CDMA帯域の帯域幅にまたがって「拡散」される。すなわち、すべてのチャネルが、同時に同一周波数帯で送信される。これは、パーティ参加者のペアのすべてが同時に話すことと同等である。送信中の他のユーザからの雑音および干渉の導入は、不可避である(集合的に「雑音」と称する)。擬似雑音キーの性質に起因して、雑音は、ユーザの信号に対して相対的に、復調中に大幅に減らされる。というのは、受信器が選択されたチャネルを復調するときに、そのチャネルのデータは「逆拡散」されるが、雑音は「逆拡散」されないからである。したがって、データは、おおむねその最初の帯域幅のサイズに戻されるが、雑音は、はるかに大きい伝送帯域にまたがって拡散されたままになる。各ユーザのパワー制御も、他のユーザからの雑音を減らすのを助けることができる。パワー制御は、パーティ参加者の大声のペアの音量を下げることと同等である。
【0007】
CDMAは、無線電話機(「セルラ」)および他の通信システムで商業的に使用されてきた。そのようなセルラシステムは、通常、800MHzと2GHzとの間で動作するが、個々の周波数帯は、2〜3MHz幅に過ぎない場合がある。セルラCDMAの魅力的な特徴は、FDMAおよびTDMAと異なって、所与の帯域幅内のユーザ数に対するハード限界がまったくないことである。伝送帯域内のユーザ数の増加は、単に、競合すべき雑音を増やす。しかし、実用的な問題として、「信号対雑音」比が容認できないものになる、ある閾値が存在する。この信号対雑音閾値は、商業システムにおいて、サポートできる支払う顧客の数および/またはデータレートに実際の制約を課す。
【0008】
最近、CDMAは、光通信ネットワークで使用されてきた。そのような光CDMA(OCDMA)ネットワークは、一般に、セルラCDMAと同一の一般原理を使用する。しかし、セルラCDMAとは異なって、光CDMA信号は、光ネットワークを介して配送される。例として、複数の加入者設備を、中央ハブによって相互接続することができ、各加入者設備は、それぞれの両方向光ファイバリンクによってハブに接続される。各加入者設備は、光信号を送信できる送信器を有し、各局は、このネットワーク内の様々な送信器のすべてからの送信された信号を受信できる受信器をも有する。光ハブは、送信器のそれぞれから光ファイバリンクを介して光信号を受信し、光ファイバリンクを介して受信器のすべてに光信号を送信する。光パルスは、選択された受信局によって検出可能であるが他の受信局によって検出可能ではない形でパルスをコーディングすることによって、複数の潜在的な受信局のうちの選択された1つに送信される。そのようなコーディングは、各パルスを「チップ」として知られる複数のインターバルに分割することによって達成することができる。各チップは、相対的に大きい放射強度によって示される論理値「1」を有する場合と、比較的小さい放射強度によって示される論理値「0」を有する場合がある。各パルスを含むチップは、送信を検出することを意図された1つまたは複数の受信局に特有の論理「1」および論理「0」の特定のパターンを用いてコーディングされる。各受信局は、それ自体の一意のシーケンスに従ってコーディングされたチップのパターンを受信したときに光パルスを再生成できるが、パルスが異なるシーケンスまたは符号を用いてコーディングされている場合にはパルスを再生成できない光受信機器を設けられる。
【0009】
代替案では、光ネットワークは、超短光パルスの光周波数領域コーディングおよび光周波数領域デコーディングに基づくCDMAを利用する。送信器のそれぞれは、超短光パルスを生成する光源を含む。これらのパルスは、その位相が互いにコヒーレントに関連するフーリエ成分を含む。「シグネチャ」が、特定の符号に従って、所与のパルスを構成する個々のフーリエ成分を個別に位相シフトすることによって光パルスに印加され、これによって、パルスを構成するフーリエ成分が、それぞれ、その特定の符号に従って異なる量だけ位相シフトされる。エンコードされたパルスは、ネットワーク内の受信システムのすべてまたは複数の受信システムにブロードキャストされる。各受信システムは、一意のシグネチャテンプレートによって識別され、特定の受信システムのテンプレートと一致するシグネチャを与えられたパルスだけを検出する。
【0010】
しかし、チップパターンまたは位相コーディングを使用する既知の光CDMAネットワークは、受信器が送信器によって送信されたコーディングされた信号を抽出するために、送信器で適用されるエンコーディングを、所望の受信器で適用されるデコーディングと一致させることを必要とする。その結果、所与の送信器と所与の受信器との間のランダム相互接続は、可能ではない。
【0011】
図1に、既知の複数ユーザシステム100をブロック図形式で示す。そのようなシステムは、その開示が参照によって本明細書に組み込まれている、Fan R.K.Chungらの1988年10月18日発行の特許文献1、名称「Encoding And Decoding For Code Division Multiple Access Communication Systems」に記載されている。
【0012】
複数ユーザシステム100は、間に置かれた光チャネル141を介してN個の受信器111、112、...、113と通信するように配置されたM個のソース101、...、103を含む。ソース101、102、...、103は、電気光学エンコーダ121、122、...、123を介して光チャネル141に結合される。受信側の端では、電気光学デコーダ131、132、...、133が、チャネル信号をそれぞれ受信器111、112、...、113に結合する。各エンコーダ121、122、...、123は、エンコーディング機能を実行するほかに、電気入力信号を光出力信号に変換することもする。同様に、各デコーダ131、132、...、133は、そのデコーディング機能を実行するほかに、光入力信号を電気出力信号に変換することもする。システム100の光部分は、全体的に、それぞれエンコーダブロックおよびデコーダブロックと交差する破線の間として図示されている。
【0013】
光チャネル141は、論理「0」(「スペース」)および論理「1」(「マーク」)など、2レベルまたは2状態のデジタル信号だけを伝搬する。このチャネル特性に合わせるために、それぞれシグネチャ信号Si、ただしi=1、...、Mによって示される、エンコーダ121、...、123からリード151、...、153を介して発する信号は、2レベル信号すなわちマークおよびスペースの信号のストリームを提供する。各Siストリームは、ソース101、...、103のうちの特定の1つによって作られた類似するストリームに対応する。チャネル141は、2レベル信号だけをサポートするので、エンコーダ121、...、123のうちの1つまたは複数が、同一時間持続時間中にチャネル141を介して論理「1」信号を伝搬する場合に、チャネルレベルは、論理「1」のままになる。チャネルレベルは、すべてのSi出力が同一の持続時間中に「0」である場合に、論理「0」になる。論理的な意味では、チャネル141は、「包含的論理和」チャネルとして振る舞う。
【0014】
iのすべてから生じるチャネル141上のコンポジット信号は、すべてのSiの合計であり、S0によって表され、ここで、合計は、「包含的論理和」の意味で扱われる。チャネル141から発する各リード161、...、163は、デコーダ131、...、133への入力として働き、コンポジット信号S0を供給する。したがって、すべてのシグネチャSiが、チャネル141上で実質的に同一の周波数帯を共有する。
【0015】
一般に、各シグネチャ信号Siは、各ソース101、...、103が他のソースと独立にいつでも情報の伝送または交換を開始できるという点で、時間的に制約されていない。したがって、自律的なソース101、...、103の間での同期化は、不要である。しかし、エンコーダ121、...、123のそれぞれは、それに対応するソース101、...、103と同期している。
【0016】
通常、デコーダ131、...、133のうちの1つまたは複数は、所定のエンコーダ121、...、123と同期している。各エンコーダは、必要な同期化をもたらすために、任意の既知のトレーニング技法を使用して、それに関連するデコーダを「トレーニングする」ことができる。さらに、自律的なデコーダ131、...、133の間の同期化は、不要であるが、各受信器111、...、113は、それに関連するデコーダと同期化される。
【0017】
エンコーダ121、...、123の主要な機能は、図2に包括的に示されているように、各対応するソース101、...、103から受け取られた各論理「1」を、論理「1」および論理「0」の所定のレートを高められたストリームに変換することである。図2の行(i)は、例えばソース101の出力ストリームまたはエンコーダ121への入力ストリームに現れる、3つの連続するデータビットすなわち、「マーク−スペース−マーク」シーケンスを示す。マークまたはスペースのいずれかのタイムインターバルは、ビット持続時間と表される。図2の行(ii)は、行(i)の入力ストリームに対応する出力パルスストリーム、例えばエンコーダ121からのSiを表す。ソース101によって作られた他のすべてのマークについて複製される論理「1」パルスおよび論理「0」パルスのレートを高められたストリームが、エンコーダ121によって生成される。チャネル141は、光媒体なので、出力ストリームSiの論理「1」レベルは、光パルスに対応する。
【0018】
システム100のレートを高められた部分または光部分では、フレームが、ビット持続時間に対応し、論理「1」(光パルス)または論理「0」(光パルスなし)のタイムインターバルが、チップ持続時間と表される。したがって、各フレームは、固定された個数の「チップ」からなり、例えば、3つの論理「1」チップが、図2の各マークフレーム中に発生する。マークフレームのエンベロープは、図2の行(ii)では破線の長方形によって図示されている。
【0019】
システム100内で効果的に通信するために、割り当てられたエンコーダによって入力マークに応答して作られる各シグネチャSiは、任意に選択できるのではなく、効率的でエラーのない通信を達成するために注意深く選択されなければならない。具体的に言うと、各Siは、ソースの個数Mおよびチャネル141の帯域幅などの考慮事項に基づいて、他のすべてのSiを考慮して選択されなければならない。この考慮事項は、通信要件もしくはシステム要件または伝送特性に依存する。
【0020】
デコーダ131、...、133のそれぞれは、コンポジット信号S0内から、そのデコーダに関連する事前に割り当てられたシグネチャを識別する。例として、デコーダ131、...、133のそれぞれを、チャネル141に沿って配置された光学タップ付き遅延線(optical tapped delay line)を使用して実施することができる。各デコーダのタップの間の光学的分離は、そのデコーダに事前に割り当てられたシグネチャ内の論理「1」チップの分布に対応する。したがって、マークが送信されるときには必ず、所与のデコーダ内の各タップは、S0の一部として伝搬する事前に割り当てられたシグネチャ内の論理「1」チップがタップと整列するときに、高いピークの信号を抽出する。この形で、「ピーク相関」が、事前に割り当てられたシグネチャの到着を明らかにし、同一の事前に割り当てられたシグネチャを有するソースによるマークの伝搬を明らかにする。
【0021】
図1〜2の既知の光システムは、M個のソース101、...、103のうちの所与の1つがN個の受信器111、...、113のうちの1つまたは複数と通信するために、それに対応するデコーダ131、...、133に関連する事前に割り当てられたシグネチャを、所与の送信器に対応するエンコーダ121、...、123によって生成しなければならないという不利益を有する。その結果、所与のソースと所与の受信器との間のランダム相互接続は、可能ではない。
【0022】
【特許文献1】米国特許第4779266号明細書
【特許文献2】米国特許第4866699号明細書
【特許文献3】米国特許出願第_____号(Telcordia APP No.1554/TELCOR 3.0−010)
【特許文献4】米国特許出願第_____号(Telcordia APP No.1548/TELCOR 3.0−003)
【非特許文献1】"CDMA: Principles of Spread Spectrum Communication," by Andrew Viterbi, published in 1995 by Addison-Wesley
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、所与の送信器によってエンコードされた信号を、別の符号にたやすく変換でき、その結果、コーディングされた信号を、そのデコーディングがその送信器と一致しない所望の受信器によってデコードできるようになる光CDMAシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の一態様によれば、ある方法が、複数の局のうちの少なくとも2つの間での通信を提供する。信号が、複数の局のうちの第1局から受信され、この信号は、複数の局のうちの第1局に関連する第1符号を使用してコーディングされている。コーディングされた信号は、複数の局のうちの少なくとも第2局に関連するさらなる符号を使用してデコード可能であるさらなるコーディングされた信号を入手するために変換される。さらなるコーディングされた信号は、複数の局のうちの少なくとも第2局への配送のために送信される。
【0025】
上の方法によれば、第1符号は、複数の符号のうちの符号とすることができ、さらなる符号は、複数の符号のうちの別の符号とすることができ、複数の符号は、乗算の下で閉集合とすることができ、これによって、複数の符号のうちの特定の符号による第1符号の乗算は、さらなる符号をもたらし、コーディングされた信号の変換は、さらなるコーディングされた信号を入手するために複数の符号のうちの特定の符号を使用することを含むことができる。複数の符号は、アダマール符号の集合とすることができる。
【0026】
第1符号およびさらなる符号は、直交符号とすることができ、コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号とすることができる。コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号とすることができ、コーディングされた信号の変換は、さらなるコーディングされた信号を入手するためにコーディングされた信号の光パルス内の複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することを含むことができる。さらなるコーディングされた信号を、さらなる符号を使用して複数の局のうちの第2局でデコードすることができる。
【0027】
本発明のもう1つの態様によれば、装置が、複数の局のうちの少なくとも2つの間での通信を提供する。調整可能コーダは、複数の局のうちの第1局から複数の局のうちの第1局に関連する第1符号を使用してコーディングされる信号を受信するように動作可能である。調整可能コーダは、複数の局のうちの少なくとも第2局に関連するさらなる符号を使用してデコード可能であるさらなるコーディングされた信号を入手するためにコーディングされた信号を変換し、複数の局のうちの少なくとも第2局への配送のためにさらなるコーディングされた信号を送信するようにも動作可能である。
【0028】
上の装置によれば、第1符号は、複数の符号のうちの符号とすることができ、さらなる符号は、複数の符号のうちの別の符号とすることができ、複数の符号は、乗算の下で閉集合とすることができ、これによって、複数の符号のうちの特定の符号による第1符号の乗算は、さらなる符号をもたらし、調整可能コーダは、さらなるコーディングされた信号を入手するために複数の符号のうちの特定の符号を使用してコーディングされた信号を変換するように動作可能とすることができる。複数の符号は、アダマール符号の集合とすることができる。
【0029】
第1符号およびさらなる符号は、直交符号とすることができ、コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号とすることができる。コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号とすることができ、調整可能コーダは、さらなるコーディングされた信号を入手するためにコーディングされた信号の光パルス内の複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによってコーディングされた信号を変換するように動作可能とすることができる。
【0030】
本発明の通信システムは、複数の局と、中央ハブと、複数の局のうちの所与の局にそれぞれが関連し、その局を中央ハブに接続するように動作可能な複数の通信経路であって、中央ハブは、関連する通信経路を介して複数の局のうちの少なくとも2つの間で接続を提供するように動作可能である、複数の通信経路と、複数の局のうちの特定の局にそれぞれが関連し、通信経路内でその局と中央ハブとの間に配置された複数の調整可能コーダであって、複数の調整可能コーダのうちの少なくとも1つは、上に記載の装置である、複数の調整可能コーダとを含むことができる。
【0031】
上の通信システムによれば、複数の局のうちの第1局は、第1符号を使用してコーディングされた信号を生成するように動作可能とすることができ、複数の局のうちの第2局は、さらなる符号を使用してさらなるコーディングされた信号をデコードするように動作可能とすることができる。
【0032】
第1符号は、複数の符号のうちの符号とすることができ、さらなる符号は、複数の符号のうちの別の符号とすることができ、複数の符号は、乗算の下で閉集合とすることができ、これによって、複数の符号のうちの特定の符号による第1符号の乗算は、さらなる符号をもたらし、調整可能コーダは、さらなるコーディングされた信号を入手するために複数の符号のうちの特定の符号を使用してコーディングされた信号を変換するように動作可能とすることができる。複数の符号は、アダマール符号の集合とすることができる。
【0033】
第1符号およびさらなる符号は、直交符号とすることができ、コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号とすることができる。コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号とすることができ、調整可能コーダは、さらなるコーディングされた信号を入手するためにコーディングされた信号の光パルス内の複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによってコーディングされた信号を変換するように動作可能とすることができる。
【0034】
本発明のもう1つの通信システムは、複数の局であって、複数の局のうちの少なくとも1つは、コーダを含み、複数の局のうちの少なくとももう1つは、デコーダを含む、複数の局と、中央ハブと、複数の局のうちの所与の局にそれぞれが関連し、その局を中央ハブに接続するように動作可能な複数の通信経路であって、中央ハブは、関連する通信経路を介して複数の局のうちの少なくとも1つと複数の局のうちの少なくとももう1つとの間で接続を提供するように動作可能である、複数の通信経路とを含む。コーダおよびデコーダのうちの少なくとも1つは、同調可能である。コーダが同調可能であるときに、コーダは、これによって複数の局のうちの少なくとももう1つに関連する第1符号を使用して第1のコーディングされた信号を生成するために、複数の局のうちの少なくとももう1つに同調するように動作可能な調整可能コーダである。デコーダが同調可能であるときに、デコーダは、これによって複数の局のうちの少なくとも1つに関連するさらなる符号を使用して複数の局のうちの少なくとも1つによって生成されたさらなるコーディングされた信号をデコードするために、複数の局のうちの少なくとも1つに同調するように動作可能な調整可能デコーダである。
【0035】
この通信システムによれば、第1符号は、アダマール符号の集合のうちの1つとすることができ、さらなる符号は、もう1つのアダマール符号の集合であり、アダマール符号の集合は、乗算の下で閉集合であり、これによって、アダマール符号の集合のうちの特定の1つによる第1符号の乗算は、さらなる符号をもたらし、コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号とすることができる。
【0036】
コーディングされた信号およびさらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号とすることができ、調整可能コーダは、コーディングされていない信号の光パルス内の複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによってコーディングされた信号を生成するように動作可能とすることができ、調整可能デコーダは、さらなるコーディングされた信号の光パルス内の複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによってさらなるコーディングされた信号をデコードするように動作可能とすることができる。
【0037】
本発明の前述の態様、特徴、および利益は、好ましい実施形態の次の説明および添付図面を参照して検討されるときに、さらに了解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図3に、既知の送信するシステムTjの例を概略的に示す。光パルス21が、モードロックレーザ源17によって生成される。レーザ17からの各光パルス21は、分離システム22に送られ、分離システム22は、各光パルスをそのフーリエ成分に空間的に分離する。次に、個々のフーリエ成分は、位相マスク24を利用して、所定の符号に従って個別に位相シフトされる。次に、個々のフーリエ成分は、ネットワーク内の受信するシステムへの光ファイバ14を介する送出のために、結合システム26を使用して空間的に再結合される。この形で、アドレスまたは「キー」が、各パルスにエンコードされる。
【0039】
代替案では、光システムは、位相変調された放射パルスを第2の特定の加入者設備でのみ検出できるようにするために選択される所定の符号に従って、第1の特定の加入者設備で作られた放射パルスのフーリエ成分を位相変調することによって、特定の加入者設備の間での通信をセットアップすることができる。そのようなシステムは、その開示が参照によって本明細書に組み込まれている、Charles A.Brackettらの1989年9月12日発行の特許文献2、名称「Optical Telecommunications System Using Code Division Multiple Access」に記載されている。
【0040】
図4に、図3に示された送信するシステムTjによって作られたパルスを受信し、検出することを意図された受信するシステムRkを示す。複数の送信する局からの放射が、受信器Rkで受信され、分離システム32によってフーリエ成分に分解される。次に、これらのフーリエ成分は、位相マスク34によって個別に位相シフトされ、受信するシステムRkの「ロック」を定義する。次に、位相シフトされたフーリエ成分は、結合システム36を使用して再結合される。正しい「キー」をエンコードされたフーリエ成分が、狭いパルスに再結合され、この狭いパルスが、閾値検出器38によって検出される。他の「キー」をエンコードされたフーリエ成分は、閾値検出器38によって検出されない、よい低い強度のより拡散したパルスに再結合される。
【0041】
図3〜4の既知の光システムは、同様に、所与の送信するシステムTjがそれぞれの受信するシステムRkと通信するために、受信するシステムRkに関連する位相シフトされたフーリエ成分を送信するシステムTjによって生成しなければならないという不利益を有する。したがって、所与の送信するシステムと所与の受信するシステムとの間のランダム相互接続は、可能ではない。さらに、送信するシステムTjは、モードロックレーザ源のスペクトル幅全体をエンコードし、所望の信号のパワーレベルを望まれない信号のパワーレベルよりかなり上まで高めることによって補償されなければならないユーザの間のかなりの干渉をもたらす。その結果、所望の信号の雑音レベルが高まり、これによって、システムの信号対雑音比が下がる。
【0042】
OCDMAのさらなる代替応用例として、モードロックレーザ源によって生成された光パルスのエンコーディングおよびデコーディングは、光パルスの位相ロック周波数の相対スペクトル位相を変更することによって実行される。そのようなシステムが、上で参照した特許文献3および4に詳細に記載されている。
【0043】
図5に、上で参照した米国特許出願に記載されたものなど、OCDMAの応用例を組み込んだ光遠隔通信ネットワーク10の例をブロック図形式で示す。光遠隔通信ネットワーク10は、加入者設備S1、S2、S3、...、SNの間での通信をもたらす。各加入者設備S1、S2、S3、...、SNは、それぞれ、送信するシステムT1、T2、T3、...、TNおよび受信するシステムR1、R2、R3、...、RNを含む。ネットワーク10は、N×N方向性カプラまたはハブ12をも含み、ハブ12は、好ましくは、通常のスターカプラなどの受動要素である。ハブ12は、送信するシステムT1、T2、T3、...、TNのそれぞれによって作られた光パワーを関連するファイバリンク14−1、14−2、...、14−Nを介して受け取り、各送信するシステムによって作られた光パワーの一部またはすべてを、関連するファイバリンク16−1、16−2、16−3、...、16−Nを介して受信するシステムR1、R2、R3、...、RNのそれぞれに送る。代替案では、加入者設備の一部を、1つの送信するシステムが空間的に選択された複数のそのような受信するシステムに情報を送信するブロードキャストまたはマルチキャストを処理するように適合されたネットワーク用など、受信するシステムを有するが送信するシステムを有しないものとすることができる。
【0044】
図6に、図5のネットワークによって実行されるメッセージのエンコーディングおよびデコーディングを示す。図5に示された送信するシステムT1、T2、T3、...、TNのそれぞれは、図6に示されたエンコーダTCaまたはエンコーダTCbなど、それぞれのエンコーダを含み、図5に示された受信するシステムR1、R2、R3、...、RNのそれぞれは、図6に示されたデコーダRCaまたはデコーダRCbなど、それぞれのデコーダを含む。例として、第1のエンコードされていないメッセージが、エンコーダTCaで受け取られ、デコーダRCaだけがデコードできる符号を使用してエンコードされ、第2のエンコードされていないメッセージが、エンコーダTCbで受け取られ、デコーダRCbだけがデコードできる符号を使用してエンコードされる。
【0045】
エンコーダTCa、TCbのそれぞれは、狭い間隔の位相ロックされた周波数を有する短いパルスのトレーンを生成するモードロックレーザ(図示せず)を含み、ここで、周波数間隔は、モードロックレーザのパルス繰返し率と等しい。光バンドパスフィルタ(図示せず)または類似物が、パルスの総スペクトル幅を特定のウィンドウ内、例えば80GHz以内に制限する。パルスのトレーンは、ウィンドウのスペクトル幅に反比例するパルス幅をも有し、例えば、80GHzウィンドウでは12.5psのパルス幅を有する。したがって、このウィンドウは、等間隔の周波数の複数の位相ロックされたレーザライン(laser line)、例えば80GHzウィンドウでは等間隔の周波数の16個のレーザラインからなるものと考えることができる。
【0046】
エンコーダTCa、TCbは、位相ロックされたレーザラインを空間的に分離し、その後、適用される特定のコーディングに基づく、好ましくは0またはπである特定の位相値に対応する空間位相マスクを使用して、分離されたレーザラインを位相シフトし、各符号は、位相シフトの一意の選択によって定義される。レーザラインを空間的に分離するプロセスは、信号の光周波数スペクトルに対応する空間分布、言い換えれば信号のフーリエ変換の実行に対応する空間分布をもたらす。信号の各周波数成分の位相シフトは、信号のフーリエ変換に空間位相符号を乗ずることに対応する。次に、エンコーダTCa、TCbは、位相シフトされたレーザラインを再結合して、コーディングされた信号を作る。位相シフトされた信号を再結合するプロセスは、空間的に分布する信号を時間信号に変換し、したがって、位相シフトされた信号の逆フーリエ変換をとることに対応する。レーザラインの相対位相のシフトは、周波数は変更しないが、再結合されたときに異なる時間パターンをもたらし、例えば、1つのパルスが1つのビット期間の異なる部分にシフトされる場合があり、複数のパルスが1つの所与のビット期間内にシフトされる場合があり、あるいは、光パワーの雑音様分布がもたらされる場合がある。
【0047】
位相シフトを定義するのに使用される符号は、ウィンドウ内のスペクトルを効率的に使用しなければならず、また、最大個数の符号がウィンドウを占めるときであっても許容できるエラーレートを達成するために、互いから十分に分離されなければならない。好ましくは、アダマール符号の集合またはその自己同形が使用される。アダマール符号は、互いに直交であり、マルチユーザ干渉(multi−user interference、MUI)が最小化され、デコードされた信号がその最大値であるときにエンコードされた信号が最小値または0の値を有するようになる2進値を有する。さらに、上の例と同様に、直交アダマール符号の個数は、通常は、周波数の個数以上であり、その結果、高いスペクトル効率を達成できるようになる。
【0048】
アダマール符号をレーザラインの位相シフトに適用するために、アダマール符号は、まず、それぞれ0およびπの位相シフトをアダマール符号の+1および−1の2進値に割り当てることによって、位相符号に変換される。また、周波数ビンは、レーザラインの中心周波数の周囲で定義され、その結果、所与のレーザライン周波数に関連する位相シフトが、そのビン全体に適用されるようになる。
【0049】
レーザラインが、コーディングされた信号を作るために再結合されるときに、位相シフトされた周波数成分が合計される、すなわち、変調された光信号が、位相符号の逆フーリエ変換を用いて畳み込まれる。アダマール符号の適用は、コーディングされていないパルスが最大パワーを有するときにその時間パターンが最小パワーを有するか光パワーを有しない、コーディングされた信号をもたらす(すべての位相を無変更のままにするアダマール符号No.1を除く)。
【0050】
数学的には、モースロックレーザの電場出力m(t)は、N個の等しい振幅を有する位相ロックされたレーザラインの集合
【0051】
【数1】

【0052】
であり、ここで、f=fo+(i−1)Δfは、N個の等間隔の周波数である。電場m(t)は、1/Δf秒だけ離隔されたパルスのトレーンからなり、ここで、各パルスは、1/(NΔf)秒と等しい幅を有する、周期的な信号である。式(1)は、
【0053】
【数2】

【0054】
と表すこともできる。ここで、p(t)は、持続時間T=1/Δfであり、そのエネルギのほとんどが幅1/(NΔf)のメインローブ内に閉じこめられたパルスを表す。
【0055】
その理想化された形で、ユーザiのハイパーファインエンコーダ(hyperfine encoder)は、関係
【0056】
【数3】

【0057】
によって定義される周波数応答E(i)(f)を有する位相マスクフィルタとして働き、ここで、
【0058】
【数4】

【0059】
は、第i符号c(i)(1≦i≦M)の第j要素(1≦j≦N)を示す複素シンボルであり、関数RECT(f)は、
【0060】
【数5】

【0061】
と定義される、単位振幅および幅Wの長方形関数を表す。原理的には、符号c(i)の要素を任意の複素値とすることができるが、好ましい位相マスクは、次のように単位振幅および2進位相値を許容するのみである。
【0062】
【数6】

【0063】
理想的には、エンコードされていない信号のすべてのスペクトル成分が、振幅を変更されないがいくつかの場合に位相を反転されてエンコーダから発するはずである。位相エンコーディングの効果は、幅1/(NΔf)秒の狭いモードロックレーザパルスを時間的にビットインターバル全体にまたがって拡散させることである。したがって、好ましい位相エンコードされたOCDMAは、周波数拡散に基づく従来のdirect sequence CDMA(DS−CDMA)の二重版と考えることができる。
【0064】
したがって、変調の後に、第iユーザに関する信号の時間表現を、次のように表すことができる。
【0065】
【数7】

【0066】
ここで、
【0067】
【数8】

【0068】
は、ユーザiの情報ビットのシーケンスである。位相エンコーディングの後には、
【0069】
【数9】

【0070】
であり、ここで、e(i)(t)=FT−1{E(i)(f)}は、式(3)で定義されたスペクトル位相エンコーダのインパルス応答E(i)(f)であり、FT−1は、逆フーリエ変換(IFT)演算子であり、q(i)(t)=p(t)*e(i)(t)は、エンコーディング後のユーザiのパルス形状を表す。モードロックレーザによって出力されるパルスの効果は、パルスの形状が位相マスクによって支配されるようにするために、省略することができる。
【0071】
デコーダRCa、RCbのそれぞれは、その受信するシステムに割り当てられたアダマール符号を使用して、受信されたコーディングされた信号をデコードする。アダマール符号のそれぞれは、それ自体の補数であり、その結果、各受信するシステムによって実行されるデコーディング動作は、その受信器に向けられたコーディングされた信号の生成中に送信するシステムによって実行されるコーディング動作と本質的に同一になる。したがって、受信するシステムのうちの1つが、送信するシステムによって使用されたものと同一のアダマール符号を使用して、コーディングされた信号をデコードするときに、パルスは、ビット期間内の最初の位置に復元され、その最初のパルス形状を有する。その代わりに、受信するシステムが、別のアダマール符号を使用して、コーディングされた信号をデコードするときに、デコードされたパルスは、ビット期間の中央で最小のまたは0の光パワーを有する時間パターンを有し、その結果、各パルスのエネルギの大部分が、所望のタイムインターバルの外に配置されるようになる。その後、受信するシステムは、光時間ゲーティング(optical time gating)を使用して、その受信するシステムに向けられたデコードされた信号を、他の加入者設備の受信するシステムに向けられたデコードされた信号から分離することができる。
【0072】
本発明は、複数の加入者設備の間でのランダム相互接続を可能にするOCDMAネットワークを提供する。すなわち、送信する加入者設備が、宛先加入者設備によってデコード可能なコーディングされた信号を生成する必要はなく、例えば、送信するシステムは、図5および6を参照して上で説明した形で、宛先加入者設備の受信するシステムに関連するアダマール符号を使用して、コーディングされた信号を生成することを要求されない。そうではなく、図7に示されているように、送信する加入者設備の1つのエンコーダTCa’、TCb’は、そのエンコーダに具体的に割り当てられた符号を使用するなど、別の符号を使用して、コーディングされた信号を生成する。コーディングされた信号は、送信され、その後、宛先加入者設備の意図された1つのデコーダRCa’、RCb’によってデコード可能な、さらなるコーディングされた信号に符号シフトされる(符号変換されるとも称する)。この符号変換は、ネットワークハブCcまたはネットワーク内の別の位置で行うことができる。
【0073】
例として、上で説明したアダマール符号を使用する符号変換は、アダマール符号の集合が、要素ごとの乗算の下で閉集合であるという特性に頼る、すなわち、2つのそのようなアダマール符号の乗算が、そのアダマール符号の集合のもう1つのアダマール符号をもたらすという特性に頼る。アダマール符号の1つを使用してデコード可能なコーディングされた信号は、アダマール符号のうちのもう1つをコーディングされた信号に適用することによって、アダマール符号のうちのさらなる1つを使用してデコード可能な信号に変換することができる。その結果、任意の加入者設備のエンコーダによって生成されたコーディングされた信号を、単に、適当なアダマール符号を使用して、コーディングされた信号を変換することによって、別の加入者設備のデコーダによってデコード可能なもう1つのコーディングされた信号に変換することができる。この形で、コーディングされた信号を所与の宛先加入者設備によってデコード可能な信号に変換することによって、符号シフトを使用して、あるネットワーク内の任意の加入者設備から受信されたメッセージを、そのネットワーク内の任意の他の加入者設備に選択的にルーティングすることができる。アダマール符号を本明細書で説明するが、この符号変換は、アダマール符号の自己同形、乗算の下で閉じている符号の任意の他の集合、または逆転できるエンコーディングプロセスを有する符号の任意の非直交集合を使用して搬送することもできる。
【0074】
図8に、本発明の態様によるOCDMAネットワークの例を示す。このOCDMAネットワークは、それぞれが例えばアダマール符号の集合のうちの一意の1つを割り当てられる、加入者設備U1、...、U4を含む。加入者設備U1、...、U4のそれぞれは、中央ハブHに送信される信号をエンコードし、中央ハブから受信されるエンコードされた信号をデコードするのに、その割り当てられたアダマール符号を使用する、関連する固定コーディングエンコーダ/デコーダC1、...、C4を含む。固定コーディングエンコーダ/デコーダC1、...、C4は、別々のエンコーダユニットおよびデコーダユニットを含むことができ、あるいはその代わりに、例えば2方向で到着する信号を分離するのに方向分割多重化または時間圧縮多重化を使用する、エンコーダとデコーダとの両方として機能する単一のユニットを含むことができる。有利なことに、各アダマール符号は、それ自体の補数であり、その結果、本質的に同一の動作が、エンコーディングとデコーディングとの両方について実行されるようになり、これは、そのような単一ユニットエンコーダ/デコーダの使用を可能にする。このエンコーダ/デコーダは、光周波数スペクトルを位相マスクに結像するグレーティングデマルチプレクサ(grating demultiplexor)およびフーリエ光学系の自由空間配置からなるものとすることができ、この位相マスクに続く相反する光学系およびグレーティングデマルチプレクサの配置が、エンコードされた信号を再収集する(特許文献2参照)。代替案では、Virtually Imaged Phase−Arrayデバイスが、グレーティングデマルチプレクサおよびマルチプレクサを置換することができる(特許文献3参照)。また、マイクロリング共振器の一体化されたアレイを使用することができ、ここで、各マイクロリング共振器は、選択された(帯域の)周波数を信号から捨て、導波管ヒーターなどの手段によって位相シフトを導入し、位相シフトされた周波数を再結合して、エンコードされた(またはデコードされた)信号を生成するように構成される。
【0075】
1つまたは複数の調整可能コーダACa、...、ACdが、固定コーディングエンコーダ/デコーダC1、...、C4を中央ハブHに接続する光学経路P1、...、P4のそれぞれの中に配置される。調整可能コーダACa、...、ACdは、中央ハブHと同一の位置に置くことができ、あるいは、それぞれの光学系路上の他の位置に配置することができる。調整可能コーダACa、...、ACdのそれぞれは、その調整可能コーダと同一の光学経路に配置されたエンコーダ/デコーダによって生成され、送信され、他のエンコーダ/デコーダへの配送を意図されたコーディングされた信号を受信し、各調整可能コーダは、その光学経路のエンコーダ/デコーダへの配送を意図された、他のエンコーダ/デコーダによって生成されたコーディングされた信号を受信する。調整可能コーダのそれぞれは、受信されたコーディングされた信号を、宛先エンコーダ/デコーダによってデコード可能なさらなるコーディングされた信号に変換するようにも動作可能である。符号変換は、上で説明した形で、例えば、宛先加入者設備によって、それに割り当てられたさらなるアダマール符号を使用してデコード可能なさらなるコーディングされた信号を入手するために、既にコーディングされた信号に適当なアダマール符号を適用することによって、実行される。好ましくは、符号変換は、受動的な形で実行され、光学要素だけを使用して実行される、すなわち、コーディングされた光学信号は、符号変換のどのステップでも電気信号に変換されない。その後、調整可能コーダは、変換された信号を、宛先加入者設備への配送のために中央ハブに送信する。可変スペクトル位相エンコーダの現在の実施形態は、完全に新しい空間位相マスクで物理的に切り替えること、位相ビンの機械的調整(MEMまたは他の機械的手段を介する)に基づくまたは液晶位相変調器によるのいずれかの可変位相マスクを組み込むこと、新しい符号を生成するために一体化されたマイクロリング共振器の間で位相シフトを熱的に調整すること、あるいはN個の固定コーダのバンクおよび2つの1:N光学スイッチ(コーダのバンクの前後の)を使用することを含む、様々な機構によって動作する。
【0076】
調整可能コーダACa、...、ACdは、加入者設備U1、...、U4の任意の対の間での両方向ポイントツーポイント通信をもたらすように構成することができる。例として、両方向通信が、図8に示された加入者設備U1と加入者設備U2との間で確立される。局U1と局U2との間の経路に配置された2つの調整可能コーダACa、ACbのうちの一方を、加入者設備U1のエンコーダ/デコーダC1によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U2のエンコーダ/デコーダC2によってデコード可能な信号に変換するのに必要な適当なアダマール符号を適用するようにセットすることができる。したがって、2つの調整可能コーダCa、Cbのうちの他方は、アダマール符号1を適用し、その結果、その調整可能コーダで変換が発生しないようにする、すなわち、位相が変更されないようにするようにセットされる。同一のアダマール符号が、反対方向で送信されるコーディングされた信号を変換するときに、すなわち、加入者設備U2のエンコーダ/デコーダC2によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U1のエンコーダ/デコーダC1によってデコード可能な信号に変換するときにも、2つの調整可能コーダの一方によって使用される。
【0077】
同様に、両方向通信が、加入者設備U3と加入者設備U4との間で確立されるときに、2つの調整可能コーダACc、ACdのうちの一方は、加入者設備U3のエンコーダ/デコーダC3によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U4のエンコーダ/デコーダC4によってデコード可能なさらなるコーディングされた信号に変換するのに必要な適当なアダマール符号を適用するようにセットされ、2つの調整可能コーダACc、ACdのうちの他方は、アダマール符号1を適用するようにセットされる。同一のアダマール符号が、反対方向で送信されるコーディングされた信号を変換するのにも使用される。
【0078】
したがって、加入者設備の対の間の経路に配置される2つの調整可能コーダのうちの1つだけ(および、16個のアダマール符号のうちの1つだけ)が、加入者設備の対の間で両方向通信をサポートするのに必要である。同様に、加入者設備のN個の対のそれぞれの間で両方向通信を同時に確立するために、2N個の調整可能コーダのうちのN個だけ(およびN個のアダマール符号だけ)が必要である。
【0079】
代替案では、調整可能コーダACa、...、ACdは、加入者設備のうちの1つと他の加入者設備のうちの複数との間の単一方向ポイントツーマルチポイント通信または両方向ポイントツーマルチポイント通信を提供するように動作することができる。例として、マルチキャストを、加入者設備U1から加入者設備U2、U3、およびU4に提供することができる。調整可能コーダACaを、アダマール符号1を適用するようにセットすることができる。したがって、調整可能コーダACbは、加入者設備U1のエンコーダ/デコーダC1によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U2のエンコーダ/デコーダC2によってデコード可能な信号に変換するのに必要な適当なアダマール符号を適用するようにセットされ、したがって、調整可能コーダACcは、コーダ/デコーダC1によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U3のエンコーダ/デコーダC3によってデコード可能な信号に変換するもう1つの特定のアダマール符号を適用するようにセットされ、同様に、調整可能コーダACdは、コーダ/デコーダC1によって生成されたコーディングされた信号を加入者設備U4のエンコーダ/デコーダC4によってデコード可能なさらなるコーディングされた信号に変換するもう1つの特定のアダマール符号を適用するようにセットされる。調整可能コーダACa、...、ACdの設定の他の組合せを提供して、同一の結果を達成することもできる。
【0080】
したがって、このネットワーク内の加入者設備のいずれか1つは、送信する加入者設備のエンコーダ/デコーダが宛先加入者設備に関連するアダマール符号を使用して発信信号をエンコードすることを必要とせずに、このネットワーク内の任意の他の加入者設備と通信することができる。加入者設備のそれぞれのエンコーダ/デコーダは、その加入者設備に割り当てられたアダマール符号だけを使用して、信号をエンコードし、またはデコードする。したがって、各加入者設備は、その加入者設備に割り当てられたアダマール符号を格納するだけでよい。その結果、加入者設備のどれもが、別の加入者設備に向けられた通信を盗聴し、またはこれに干渉することができない。さらに、調整可能コーダACa、...、ACdが、中央ハブHと同一位置に配置される(または少なくとも中央ハブHと共に共通の制御の下にある)ときには、中央ハブを制御するネットワークオペレータは、調整可能エンコーダをも制御することができ、したがって、ネットワーク動作は、所与の加入者設備に向けられた信号が、その加入者設備によってデコード可能な形であるかどうかを判定することができる。中央ハブだけが、複数のアダマール符号を格納することができ、これによって、加入者設備による盗聴または干渉がさらに防がれる。
【0081】
図9に、本発明の代替実施形態によるOCDMAネットワークのもう1つの例を示す。ここでは、加入者設備U1’、...、U4’のそれぞれに、上で説明した形で一意のアダマール符号が割り当てられる。しかし、加入者設備U1’、...、U4’のそれぞれは、図8に示された調整可能でないエンコーダ/デコーダの代わりに、対応する調整可能エンコーダ/デコーダACa’、...、ACd’を含む。調整可能エンコーダ/デコーダACa’、...、ACd’は、それぞれ、「同調可能」であり、その結果、ピアツーピア通信を、加入者設備U1’、...、U4’のうちの任意の2つの間で実行できるようになる。加入者設備のうちの第1の加入者設備の調整可能エンコーダ/デコーダを、加入者設備のうちの第2の加入者設備に割り当てられたアダマール符号を使用して信号をエンコードするように、したがって、第2加入者設備によってデコード可能なコーディングされた信号を送信するように同調させることができる。第1加入者設備は、第2局に割り当てられたアダマール符合を使用して第2加入者設備によって生成されたコーディングされた信号をデコードすることもできる。さらに、調整可能エンコーダ/デコーダACa’、...、ACd’が、別々のエンコーダおよびデコーダからなるときには、受信する加入者設備によってデコード可能なコーディングされた信号を生成するように、送信する加入者設備のエンコーダだけを同調することによって、または送信する加入者設備によって生成されるコーディングされた信号をデコードするように、受信する加入者設備のデコーダだけを同調することによって、一方向通信を確立することができる。
【0082】
同調可能コーダは、新しい符号に「同調する」ためにその位相マスクを変更することによって動作する。通常、可変接続性を有するネットワークは、ネットワークの周辺に位置を定められた同調可能コーダを使用する。すなわち、同調可能エンコーダおよび/または同調可能デコーダは、ネットワークの周辺部に配置される。しかし、このネットワークは、ブロードキャストアンドセレクトモード(broadcast−and−select mode)で動作するので、周辺部での同調可能デコーダの使用(固定エンコーダまたは同調可能エンコーダのいずれかと共の)は、伝送の盗聴を可能にする。さらに、周辺部での同調可能エンコーダの使用(固定デコーダと共の)は、マルチキャスト動作の実行を妨げ、2つの送信器が同一受信器への送信を試みるときに、符号衝突が生じる。
【0083】
本実施形態の1つの特徴は、エンドユーザエンコーダを、固定コーディングを有するものとすることができると同時に、ネットワークの中心の可変エンコーダのアレイを、任意の接続性(ユニキャストとマルチキャストとの両方)をエンドノードの間で確立できるように調整できることである。その結果、伝送が、盗聴から保護され、マルチキャスト動作が、符号衝突の発生なしに可能である。
【0084】
図10に、伝送が、図8で使用された単一の光ファイバを介するのではなく、光ファイバの対を介して搬送される、図8に示されたものに対する代替実施形態を示す。加入者設備U1”、...、U4”のそれぞれは、関連する固定エンコーダTC1”、...、TC4”を含み、固定エンコーダTC1”、...、TC4”は、加入者設備に割り当てられたアダマール符号を使用してメッセージをエンコードし、その後、エンコードされたメッセージを第1光ファイバを介して中央ハブH”に送信する。各加入者設備は、関連するデコーダRC1”、...、RC4”をも含み、デコーダRC1”、...、RC4”は、エンコードされたメッセージを第2光ファイバを介して受信し、その局のエンコーダに割り当てられたものと同一のアダマール符号を使用して、またはその加入者設備のデコーダだけに割り当てられた別のアダマール符合を使用してのいずれかで、そのメッセージをデコードする。中央ハブH”は、図8の調整可能エンコーダ/デコーダと同一の形で動作するそれぞれの調整可能エンコーダ/デコーダACa”、...、ACd”を含む。しかし、この場合に、各エンコーダ/デコーダは、2つの光ファイバのうちの1つだけに接続され、その結果、各メッセージは、1つの調整可能エンコーダ/デコーダだけを通過するようになる。
【0085】
本発明を、アダマール符号を使用してコーディングされ、デコードされる信号を使用して説明したが、本発明は、信号をコーディングするのに乗算の下で閉集合である他の符号を使用することによって、または逆転可能である非直交符号を使用することによって、同様に適用可能である。さらに、本発明は、コーディング演算子およびデコーディング演算子がそれ自体の補数ではない場合であっても適用可能である。そのような場合に、各加入者設備は、上で説明したエンコーダ/デコーダの代わりに、別々のエンコーダおよび/またはデコーダを含む。
【0086】
本発明を、本明細書で特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態が、本発明の原理および応用例の例示に過ぎないことを理解されたい。したがって、多数の変更を、例示の実施形態に対して行えることと、他の配置を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに考案できることとを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】既知の電気光学通信ネットワークをブロック図形式で示す図である。
【図2】着信電気信号と図1のエンコーダのいずれかによって伝搬されるレートを高められた光信号との間の関係を示す図である。
【図3】光通信ネットワークの一部を構成する既知の送信するシステムを示すブロック図である。
【図4】図3の既知の送信するシステムを含む光通信ネットワークの一部を構成する既知の受信するシステムを示すブロック図である。
【図5】OCDMA応用例を組み込んだもう1つの光通信ネットワークを示すブロック図である。
【図6】図5の光通信ネットワークによって実行されるメッセージのエンコーディング、送信、およびデコーディングを概略的に示す図である。
【図7】本発明の実施形態によるメッセージのエンコーディング、変換、およびデコーディングの例を概略的に示す図である。
【図8】本発明のさらなる実施形態による光通信ネットワークの例を示すブロック図である。
【図9】本発明のもう1つの実施形態による光通信ネットワークの例を示すブロック図である。
【図10】本発明のさらなる実施形態による光通信ネットワークの例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の局のうちの少なくとも2つの間での通信を提供する方法であって、
前記複数の局のうちの第1局から信号を受信することであって、前記信号は、前記複数の局のうちの前記第1局に関連する第1符号を使用してコーディングされる、受信することと、
前記複数の局のうちの少なくとも第2局に関連するさらなる符号を使用してデコード可能であるさらなるコーディングされた信号を入手するために前記コーディングされた信号を変換することと、
前記複数の局のうちの前記少なくとも第2局への配送のために前記さらなるコーディングされた信号を送信することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1符号は、複数の符号のうちの符号であり、前記さらなる符号は、前記複数の符号のうちの別の符号であり、前記複数の符号は、要素ごとの乗算の下で閉集合であり、これによって、前記複数の符号のうちの特定の符号による前記第1符号の要素ごとの乗算は、前記さらなる符号をもたらし、前記変換するステップは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記複数の符号のうちの前記特定の符号を使用して前記コーディングされた信号を変換することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の符号は、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1符号および前記さらなる符号は、直交符号であり、前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号であり、前記変換するステップは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記コーディングされた信号の前記光パルス内の前記複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記さらなる符号を使用して前記複数の局のうちの前記第2局で前記さらなるコーディングされた信号をデコードすることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の局のうちの少なくとも2つの間での通信を提供する装置であって、
前記複数の局のうちの第1局から前記複数の局のうちの前記第1局に関連する第1符号を使用してコーディングされる信号を受信し、前記複数の局のうちの少なくとも第2局に関連するさらなる符号を使用してデコード可能であるさらなるコーディングされた信号を入手するために前記コーディングされた信号を変換し、前記複数の局のうちの前記少なくとも第2局への配送のために前記さらなるコーディングされた信号を送信するように動作可能な調整可能コーダ
を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記第1符号は、複数の符号のうちの符号であり、前記さらなる符号は、前記複数の符号のうちの別の符号であり、前記複数の符号は、要素ごとの乗算の下で閉集合であり、これによって、前記複数の符号のうちの特定の符号による前記第1符号の要素ごとの乗算は、前記さらなる符号をもたらし、前記調整可能コーダは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記複数の符号のうちの前記特定の符号を使用して前記コーディングされた信号を変換するように動作可能であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の符号は、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形からなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1符号および前記さらなる符号は、直交符号であり、前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号であり、前記調整可能コーダは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記コーディングされた信号の前記光パルス内の前記複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによって前記コーディングされた信号を変換するように動作可能であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
複数の局と、
中央ハブと、
前記複数の局のうちの所与の局にそれぞれが関連し、その局を前記中央ハブに接続するように動作可能な複数の通信経路であって、前記中央ハブは、前記関連する通信経路を介して前記複数の局のうちの少なくとも2つの間で接続を提供するように動作可能である、複数の通信経路と、
前記複数の局のうちの特定の局にそれぞれが関連し、前記通信経路内でその局と前記中央ハブとの間に配置された複数の調整可能コーダであって、前記複数の調整可能コーダのうちの少なくとも1つは、請求項7に記載の装置である、複数の調整可能コーダと
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項13】
前記複数の局のうちの前記第1局は、前記第1符号を使用して前記コーディングされた信号を生成するように動作可能であり、前記複数の局のうちの前記第2局は、前記さらなる符号を使用して前記さらなるコーディングされた信号をデコードするように動作可能であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記第1符号は、複数の符号のうちの符号であり、前記さらなる符号は、前記複数の符号のうちの別の符号であり、前記複数の符号は、要素ごとの乗算の下で閉集合であり、これによって、前記複数の符号のうちの特定の符号による前記第1符号の要素ごとの乗算は、前記さらなる符号をもたらし、前記調整可能コーダは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記複数の符号のうちの前記特定の符号を使用して前記コーディングされた信号を変換するように動作可能であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項15】
前記複数の符号は、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記第1符号および前記さらなる符号は、直交符号であり、前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項17】
前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号であり、前記調整可能コーダは、前記さらなるコーディングされた信号を入手するために前記コーディングされた信号の前記光パルス内の前記複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによって前記コーディングされた信号を変換するように動作可能であることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項18】
複数の局であって、前記複数の局のうちの少なくとも1つは、コーダを含み、前記複数の局のうちの少なくとももう1つは、デコーダを含む、複数の局と、
中央ハブと、
前記複数の局のうちの所与の局にそれぞれが関連し、その局を前記中央ハブに接続するように動作可能な複数の通信経路であって、前記中央ハブは、前記関連する通信経路を介して前記複数の局のうちの前記少なくとも1つと前記複数の局のうちの前記少なくとももう1つとの間で接続を提供するように動作可能である、複数の通信経路と
を含む通信システムであって、
前記コーダおよび前記デコーダのうちの少なくとも1つは、同調可能であり、
前記コーダが同調可能であるときに、前記コーダは、これによって前記複数の局のうちの前記少なくとももう1つに関連する第1符号を使用して第1のコーディングされた信号を生成するために、前記複数の局のうちの前記少なくとももう1つに同調するように動作可能な調整可能コーダであり、
前記デコーダが同調可能であるときに、前記デコーダは、これによって前記複数の局のうちの前記少なくとも1つに関連するさらなる符号を使用して前記複数の局のうちの前記少なくとも1つによって生成されたさらなるコーディングされた信号をデコードするために、前記複数の局のうちの前記少なくとも1つに同調するように動作可能な同調可能デコーダである
ことを特徴とする通信システム。
【請求項19】
前記第1符号は、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形からなる群から選択され、前記さらなる符号は、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形からなる群から選択されるもう1つの符号であり、アダマール符号の集合およびアダマール符号の集合の自己同形は、それぞれ、要素ごとの乗算の下でそれぞれの閉集合であり、これによって、アダマール符号の集合またはアダマール符号の集合の自己同形のうちの特定の1つによる前記第1符号の要素ごとの乗算は、前記さらなる符号をもたらし、前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号であることを特徴とする請求項18に記載の通信システム。
【請求項20】
前記コーディングされた信号および前記さらなるコーディングされた信号は、周波数の特定の範囲内の複数の離散周波数からなる光パルスから形成される変調された光信号であり、前記調整可能コーダは、コーディングされていない信号の前記光パルス内の前記複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによって前記コーディングされた信号を生成するように動作可能であり、前記調整可能デコーダは、前記さらなるコーディングされた信号の前記光パルス内の前記複数の離散周波数のうちの少なくとも1つの位相を変更することによって前記さらなるコーディングされた信号をデコードするように動作可能であることを特徴とする請求項18に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−543181(P2008−543181A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513762(P2008−513762)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/020450
【国際公開番号】WO2006/128001
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(399047921)テルコーディア テクノロジーズ インコーポレイテッド (61)
【Fターム(参考)】