説明

光記憶媒体の再生装置及びサムネイル画像作成方法

【課題】映像出力線及び制御通信線などの既存インターフェース構成を変更することなく、サムネイル画像の編集を可能にする。
【解決手段】サムネイル画像作成方法は、光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキ側で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、映像出力線を介してデッキに接続される表示制御装置側で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サムネイル画像作成機能を有する光記憶媒体の再生装置(光ディスクプレーヤ)に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代大容量光ディスク規格として策定されたブルーレイディスク(BD:Blu-ray Disc)には、書換え可能な光ディスクとして、BD−RE(Blu-ray Disc Rewritable)及
びBD−R(Blu-ray Disc Recordable)がある。BD−RE及びBD−Rは、従来のD
VD−VR(Digital Versatile Disc Video Recording)と違い、光ディスク上にサムネイル画像(厳密には、サムネイル画像データ)を格納(記録)することが可能である。
【0003】
サムネイル(Thumbnail)画像は、光ディスク上に記録した多数のコンテンツ(多数の
画像ファイルなど)のそれぞれについて1つのシーンを静止画像として切り出して記録しておき、ディスク再生時にコンテンツ一覧として可視表示することにより、ユーザ(コンテンツ視聴者)が記録内容を視覚的に容易に把握できるようにするものである。このようなサムネイル画像の作成機能は、既存の画像編集ソフトウェアに備えられている。
【0004】
例えば、車載型の光ディスクプレーヤは、光ディスクの再生を担うデッキと、このデッキを制御してデッキからの映像出力をディスプレイに表示する表示制御装置とを含み、デッキと表示制御装置との間は制御通信線及び映像出力線により接続される。
【0005】
従来のDVDプレーヤにおいて、DVD−VRの場合は、光ディスクに記録されているタイトル名や記録日時などをデッキから表示制御装置に制御用通信によって渡している。このようなタイトル名や記録日時であれば、1タイトル当たりのデータ量は100byte以下である。
【0006】
しかし、BD−REにおけるサムネイル画像の場合、1タイトル当たりのデータ量は16Kbyte程度となり、従来のDVD−VRに比べて160倍の通信量が必要となる。この場合、通信量が制御コマンドの送受信のために想定された制御用通信の能力を超えてしまうことになり、BD−REにおけるサムネイル画像をディスプレイ上で表示できるようにするには、デッキと表示制御装置間のインターフェースに変更を加えることを免れない。
【0007】
また、デッキから表示制御装置側へサムネイル画像及び画像枠などのデータを送信することなく、デッキ内部でサムネイル画像を作成し、ユーザに対する選択映像を作成することも考えられるが、この場合、画面のデザインはデッキに依存してしまい、表示制御装置毎の画面デザインに合わせるためには、デッキ内部のソフトウェアを作り変えなければならないため、非現実的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−342302号公報
【特許文献2】特開2004−120605号公報
【特許文献3】特開2004−40502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、映像出力線及び制御通信線などの既存インターフェース構成を変更することなく、サムネイル画像の編集を可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のサムネイル画像作成方法は、光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキ側で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置側で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する。
【0011】
また、本発明の光記憶媒体の再生装置は、光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキで、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力する手段と、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、デッキと表示制御装置間などの既存インターフェース構成を変更することなく、サムネイル画像を編集して表示することができ、ユーザへ新しい機能を提供できる。
【0013】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態における光ディスクプレーヤの機能構成を示すブロック図。
【図2】サムネイル映像及びメニュー図形とこれらの重ね合わせ処理とを説明するための図。
【図3】第2の実施の形態における光ディスクプレーヤの機能構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されてはならない。
【実施例1】
【0016】
[第1の実施の形態]
〈光ディスクプレーヤの構成及び機能〉
本発明の第1の実施の形態における光ディスクプレーヤの機能構成を示す図1を参照すると、この光ディスクプレーヤ1は、車載型の光記憶媒体再生装置であって、光ディスク2の再生を担うデッキ(光ディスク再生部)3と、このデッキ3を制御してデッキ3からの映像出力をディスプレイに可視表示する表示制御装置(表示制御部)4とを含み、デッキ3と表示制御装置4との間は、制御通信線5及び映像出力線6により接続されている。なお、ここでは、音声出力及びその出力線については、説明を省略する。
【0017】
光ディスク2は、次世代大容量光ディスク規格として策定されたブルーレイディスク(
BD)における何度でも書換え可能な光ディスクとしてのBD−REを適用するが、ブルーレイディスクに相応するデータ格納構造を有する他の光記憶媒体であってもよい。
【0018】
この光ディスクプレーヤ1におけるデッキ3及び表示制御装置4は、物理的に分離されているが、一体構造であってもよい。また、光ディスクプレーヤ1は、その機能がパーソナルコンピータ及びテレビジョンなどに組み込まれて、実施されてもよい。
【0019】
光ディスクプレーヤ1は、デッキ3及び表示制御装置4のハードウェア構成として、中央制御装置、主記憶装置、補助記憶装置としての光ディスクドライブ装置及びハードディスクドライブ装置、デコーダ、表示装置としてのディスプレイ、入力装置としてのリモートコントロール装置(リモコン)、及び各種インターフェースなどを備えている。リモコンは、ポインティング機能、カーソル送り機能、及び文字入力機能などを有する。これらのハードウェア構成は、当業者が容易に理解でき、実施可能であるので、ここではこの構成の図示を省略している。
【0020】
光ディスクドライブ装置は、デッキ3に挿入された光ディスク2から予め記録されている動画像データ、静止画像データ、及び音声データを含む多数のコンテンツ(多数の画像ファイルなど)を読み出すと共に、これらのコンテンツのそれぞれについて1つのシーンを静止画像として切り出して予め記録しているサムネイル画像データを読み出す。光ディスク2から読み出されたこれらのデータは、デコーダによってデコードされた後、再生(可視・可聴表示)される。
【0021】
後に詳述するサムネイル画像作成(厳密には、編集)機能を論理的に実現するには、図1に示すように、デッキ3及び表示制御装置4を機能構成すると共に、補助記憶装置にサムネイル画像作成処理プログラムをアプリケーションプログラムとしてインストールする。デッキ3は、サムネイル画像描画部31及び描画指示記憶部32を含む。また、表示制御装置4は、映像重合部41、メニュー図形描画部42、及びユーザ操作受付部43を含んでいる。
【0022】
この光ディスクプレーヤ1においては、多数の画像ファイルなどのコンテンツと共にサムネイル画像データを光ディスク2に保有(記録)しているデッキ3側で、サムネイル画像の描画(編集)を行った後、サムネイル映像として映像出力線6に出力し、表示制御装置4側で、サムネイル選択枠などのメニュー図形とサムネイル画像(サムネイル映像)とを重ね合わせた映像をディスプレイに表示することにより、ユーザ(コンテンツ視聴者)に提供する機能を有する。
【0023】
また、サムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するためのサムネイル描画指示情報を表示制御装置4から制御通信線5を通してデッキ3へ通知し、デッキ3でのサムネイル画像編集を制御する機能を有する。
【0024】
また、デッキ3において、表示制御装置4から通知されたサムネイル描画指示情報を初期設定値としてハードディスクなどの不揮発メモリに記憶しておくことで、サムネイル画像の表示の度に発生するサムネイル描画指示情報の通知を不要にする機能を有する。
【0025】
さらに、編集したサムネイル画像をデッキ3から表示制御装置4に映像出力線6を通して送信する際に、データ圧縮処理を施し、表示制御装置4において解凍処理を行う機能を有する。これらの圧縮・解凍処理のためには、既知の技術を利用することが可能である。これにより、サムネイル画像の送受信時に、通信量を低減することができる。
【0026】
〈サムネイル画像作成処理〉
次に、図1及び図2を併せ参照して、上述した構成を採る光ディスクプレーヤ1におけるサムネイル画像作成処理について説明する。
【0027】
表示制御装置4に含まれるディスプレイに表示されたオープンダイアログ画面におけるユーザからのサムネイル画像作成の指定操作を契機にして、表示制御装置4のユーザ操作受付部43がそのユーザ操作を受け付けると、メニュー図形描画部42は制御通信線5を通してデッキ3のサムネイル画像描画部31に光ディスク2の再生指示コマンドを通知(送信)する。
【0028】
これにより、多数の画像ファイルなどのコンテンツと共にサムネイル画像データを光ディスク2に予め記録しているデッキ3側では、サムネイル画像描画部31が、光ディスク2から読み出されたサムネイル画像をコンテンツ一覧として可視表示するために、サムネイル映像として映像出力線6に出力する。このサムネイル映像の一例を図2(A)に示している。出力されたサムネイル映像は映像重合部41に入力される。
【0029】
また、上述したユーザからのサムネイル画像作成の指定操作を契機にして、ユーザ操作受付部43がそのユーザ操作を受け付けると、メニュー図形描画部42は、上記サムネイル映像を含むサムネイル選択メニュー画面をディスプレイに表示するために、メニュー図形を映像重合部41に入力する。このメニュー図形の一例(ここでは、選択枠)を図2(B)に示している。
【0030】
この画面におけるサムネイル選択メニューには、メニュー図形として選択枠、画像枠、及び背景図などが含まれている。また、サムネイル選択メニューには、サムネイル画像毎にサムネイルの表示位置、大きさ、及び形を指定するために、サムネイル識別情報(ID)、座標、大きさ、切り出し形、回転角度、パレット変更、及び変形などが含まれている。
【0031】
サムネイル選択メニュー画面において、ユーザのリモコン操作によって指定され、かつサムネイル映像のそれぞれに対応付けされたメニュー図形としての選択枠は、ユーザ操作受付部43で受付(受信)後に、メニュー図形描画部42から映像重合部41に入力される。
【0032】
また、サムネイル選択メニュー画面において、ユーザのリモコン操作によって指定されたサムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するためのサムネイル描画指示情報は、ユーザ操作受付部43で受付後に、メニュー図形描画部42から制御通信線5を通してデッキ3に通知され、デッキ3でのサムネイル画像編集を制御する。
【0033】
デッキ3側では、サムネイル画像描画部31が表示制御装置4のメニュー図形描画部42から受信したサムネイル描画指示情報に基づいて、サムネイル画像の編集を行った後、サムネイル映像として映像出力線6に出力する。また、サムネイル画像描画部31は、後で読み出し可能なように、サムネイル識別情報をキー情報として、このサムネイル描画指示情報を描画指示記憶部32に格納する。
【0034】
映像出力線6に出力された編集後のサムネイル画像(サムネイル映像)は、表示制御装置4の映像重合部41で受信され、サムネイル選択枠などのメニュー図形と重ね合わせ処理された後、ディスプレイに表示することにより、コンテンツ視聴者のユーザに提供される(図2(C)参照)。
【0035】
デッキ3において、サムネイル描画指示情報を初期設定値として描画指示記憶部32に記憶しておくことで、サムネイル画像の表示の度に発生するサムネイル描画指示情報の通
知を不要にすることが可能である。つまり、サムネイル描画指示情報の次回の通知を不要にするために、サムネイル識別情報に基づいて読み出し可能にサムネイル描画指示情報を描画指示記憶部32に記憶する。
【0036】
上述したサムネイル画像作成処理によると、表示制御装置4側でサムネイル画像を作成した場合と同じになる。サムネイル描画指示情報のデータ量は、1つのタイトル(サムネイル識別情報)当たり10byte程度であり、十分従来レベルの通信量に収まる上、サムネイル画像の伝送には映像出力線6を使うので、表示制御装置4とデッキ3間の構成(インターフェース)は何ら変更の必要がない。
【実施例2】
【0037】
[第2の実施の形態]
〈光ディスクプレーヤの構成及び機能〉
本発明の第2の実施の形態における光ディスクプレーヤの機能構成を示す図3を参照すると、この光ディスクプレーヤ1は、車載型の光記憶媒体再生装置であって、光ディスク2の再生を担うデッキ(光ディスク再生部)3と、このデッキ3を制御してデッキ3からの映像出力をディスプレイに可視表示する表示制御装置(表示制御部)4とを含み、デッキ3と表示制御装置4との間は、制御通信線5及び映像出力線6により接続されている。なお、ここでは、音声出力及びその出力線については、説明を省略する。
【0038】
光ディスク2は、次世代大容量光ディスク規格として策定されたブルーレイディスク(BD)における何度でも書換え可能な光ディスクとしてのBD−REを適用するが、ブルーレイディスクに相応するデータ格納構造を有する他の光記憶媒体であってもよい。
【0039】
この光ディスクプレーヤ1におけるデッキ3及び表示制御装置4は、物理的に分離されているが、一体構造であってもよい。また、光ディスクプレーヤ1は、その機能がパーソナルコンピータ及びテレビジョンなどに組み込まれて、実施されてもよい。
【0040】
光ディスクプレーヤ1は、デッキ3及び表示制御装置4のハードウェア構成として、中央制御装置、主記憶装置、補助記憶装置としての光ディスクドライブ装置及びハードディスクドライブ装置、デコーダ、表示装置としてのディスプレイ、入力装置としてのリモートコントロール装置(リモコン)、及び各種インターフェースなどを備えている。リモコンは、ポインティング機能、カーソル送り機能、及び文字入力機能などを有する。これらのハードウェア構成は、当業者が容易に理解でき、実施可能であるので、ここではこの構成の図示を省略している。
【0041】
光ディスクドライブ装置は、デッキ3に挿入された光ディスク2から予め記録されている動画像データ、静止画像データ、及び音声データを含む多数のコンテンツ(多数の画像ファイルなど)を読み出すと共に、これらのコンテンツのそれぞれについて1つのシーンを静止画像として切り出して予め記録しているサムネイル画像データを読み出す。光ディスク2から読み出されたこれらのデータは、デコーダによってデコードされた後、再生(可視・可聴表示)される。
【0042】
後に詳述するサムネイル画像作成(厳密には、編集)機能を論理的に実現するには、図3に示すように、デッキ3及び表示制御装置4を機能構成すると共に、補助記憶装置にサムネイル画像作成処理プログラムをアプリケーションプログラムとしてインストールする。デッキ3はサムネイル画像データ分割送信部33を含む。また、表示制御装置4は、映像重合部41、メニュー図形描画部42、ユーザ操作受付部43、及びサムネイル画像データ蓄積部44を含んでいる。
【0043】
この光ディスクプレーヤ1においては、多数の画像ファイルなどのコンテンツと共に、これらのコンテンツのそれぞれについて1つのシーンを静止画像として切り出したサムネイル画像データを光ディスク2に予め記録しているデッキ3側で、サムネイル画像データを制御通信線5上での許容データ量に適合するように分割した後、制御通信線5の空き時間を利用して分割したサムネイル画像データを出力(送信)し、表示制御装置4側では、分割送信されたサムネイル画像データを蓄積した後、サムネイル選択枠などのメニュー図形とサムネイル画像とを重ね合わせた映像をディスプレイに表示することにより、ユーザ(コンテンツ視聴者)に提供する機能を有する。
【0044】
また、表示制御装置4において、分割サムネイル画像データの蓄積が完了していない時点でサムネイル画像を表示する場合、蓄積が完了していないサムネイル画像については、砂時計マークなどを表示して蓄積中であることをユーザに明示した上で、蓄積完了のサムネイル画像を部分的に表示する機能を有する。
【0045】
また、表示制御装置4において、分割サムネイル画像データの蓄積が完了していない時点でサムネイル画像を表示する場合、蓄積が完了していないサムネイル画像については、タイトル名のみを文字表示して蓄積中であることをユーザに明示した上で、蓄積完了のサムネイル画像を部分的に表示する機能を有する。
【0046】
さらに、分割サムネイル画像データをデッキ3から表示制御装置4に制御通信線5を通して送信する際に、データ圧縮処理を施し、表示制御装置4において解凍処理を行う機能を有する。これらの圧縮・解凍処理のためには、既知の技術を利用することが可能である。これにより、サムネイル画像データの送受信時に、通信量を一層低減することができる。
【0047】
〈サムネイル画像作成処理〉
次に、図2及び図3を併せ参照して、上述した構成を採る光ディスクプレーヤ1におけるサムネイル画像作成処理について説明する。
【0048】
表示制御装置4に含まれるディスプレイに表示されたオープンダイアログ画面におけるユーザからのサムネイル画像作成の指定操作を契機にして、表示制御装置4のユーザ操作受付部43がそのユーザ操作を受け付けると、メニュー図形描画部42は制御通信線5を通してデッキ3のサムネイル画像データ分割送信部33に光ディスク2の再生指示コマンドを通知(送信)する。
【0049】
これにより、多数の画像ファイルなどのコンテンツと共にサムネイル画像データを光ディスク2に予め記録しているデッキ3側では、サムネイル画像データ分割送信部33が、光ディスク2から読み出されたサムネイル画像をコンテンツ一覧として可視表示するために、サムネイル画像データを制御通信線5上での許容データ量に適合するように分割した後、制御通信線5の空き時間を利用して分割したサムネイル画像データを出力する。
【0050】
表示制御装置4のサムネイル画像データ蓄積部44は、サムネイル画像データ分割送信部33から制御通信線5を通して分割送信されたサムネイル画像データを順次に蓄積する。
【0051】
また、上述したユーザからのサムネイル画像作成の指定操作を契機にして、ユーザ操作受付部43がそのユーザ操作を受け付けると、メニュー図形描画部42は、サムネイル画像(サムネイル映像)を含むサムネイル選択メニュー画面をディスプレイに表示するために、メニュー図形を映像重合部41に入力すると共に、サムネイル画像データ蓄積部44から読み出したサムネイル画像データを映像重合部41に入力する。映像重合部41から
出力されるサムネイル映像の一例を図2(A)に示している。また、メニュー図形の一例(ここでは、選択枠)を図2(B)に示している。
【0052】
このサムネイル選択メニュー画面におけるサムネイル選択メニューには、メニュー図形として選択枠、画像枠、及び背景図などが含まれている。また、サムネイル選択メニューには、サムネイル画像毎にサムネイルの表示位置、大きさ、及び形を指定するために、サムネイル識別情報(ID)、座標、大きさ、切り出し形、回転角度、パレット変更、及び変形などが含まれている。
【0053】
サムネイル選択メニュー画面において、ユーザのリモコン操作によって指定され、かつサムネイル映像のそれぞれに対応付けされたメニュー図形としての選択枠は、ユーザ操作受付部43で受付(受信)後に、メニュー図形描画部42から映像重合部41に入力される。
【0054】
また、サムネイル選択メニュー画面において、ユーザのリモコン操作によって指定されたサムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するためのサムネイル描画指示情報は、ユーザ操作受付部43で受付後に、メニュー図形描画部42に入力される。
【0055】
メニュー図形描画部42は、入力されたサムネイル描画指示情報に基づいて、サムネイル画像の編集を行った後、サムネイル映像として映像重合部41に出力する。
【0056】
編集後のサムネイル画像は、映像重合部41で受信され、サムネイル選択枠などのメニュー図形と重ね合わせ処理された後、ディスプレイに表示することにより、コンテンツ視聴者のユーザに提供される(図2(C)参照)。
【0057】
なお、表示制御装置4のサムネイル画像データ蓄積部44において、分割サムネイル画像データの蓄積が完了していない時点でサムネイル画像を表示する場合、蓄積が完了していないサムネイル画像については、砂時計マークなどを表示するか、タイトル名のみを文字表示して、蓄積中であることをユーザに明示した上で、蓄積完了のサムネイル画像を部分的に表示してもよい。
【0058】
また、制御通信線5が空いている時間に分割サムネイル画像データをデッキ3から表示制御装置4へ渡しておき、実際にサムネイル画像の表示が必要になった際には、既に表示制御装置4に蓄えられたサムネイル画像データを用いて表示を実現してもよい。
【0059】
上述した第2の実施の形態におけるサムネイル画像作成処理によると、分割サムネイル画像データの伝送に制御通信線5を利用するので、表示制御装置4とデッキ3間の構成(インターフェース)は何ら変更の必要がない。
【0060】
[変形例]
上述した各サムネイル画像作成処理は、新たな光ディスクがデッキに挿入された場合、または書換え可能な光ディスクに対する記録機能によって、編集済みの光ディスクの記録内容(コンテンツ)が変更(追加、削除など)された場合など、ユーザの要望に応じて、上述した指定操作を契機として繰り返し実施するが可能である。
【0061】
上述した各実施の形態における処理はコンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの記録媒体、さらには通信回線を経て提供可能である。
【0062】
また、上述した各実施の形態における各処理はその任意の複数または全てを選択し組合
せて実施することもできる。
【0063】
[その他]
上述した各実施の形態及び変形例に関し、更に以下の態様を開示する。
【0064】
(態様1)
何度でも書換え可能な光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキ側で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置側で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する
光記憶媒体の再生装置におけるサムネイル画像作成方法。
【0065】
(態様2)
前記サムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するための描画指示情報を前記ユーザ指定として前記表示制御装置から制御通信線を通して前記デッキへ通知し、前記サムネイル画像の描画編集を制御する
態様1記載のサムネイル画像作成方法。
【0066】
(態様3)
前記描画指示情報の次回の通知を不要にするために、サムネイル識別情報に基づいて読み出し可能に前記描画指示情報を前記デッキ内部に初期設定値として記憶する
態様2記載のサムネイル画像作成方法。
【0067】
(態様4)
何度でも書換え可能な光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキ側で、前記サムネイル画像データを制御通信線を通して分割送信し、
前記制御通信線を介して前記デッキに接続される表示制御装置側で、分割送信された前記サムネイル画像データを蓄積し、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する
光記憶媒体の再生装置におけるサムネイル画像作成方法。
【0068】
(態様5)
前記表示制御装置において、前記分割送信のサムネイル画像データの蓄積が完了していない時点で前記サムネイル画像を表示する場合、蓄積が完了していない前記サムネイル画像については、砂時計マークを表示するか、タイトル名のみを文字表示して、蓄積中であることをユーザに明示した上で、蓄積完了の前記サムネイル画像を部分的に表示する
態様4記載のサムネイル画像作成方法。
【0069】
(態様6)
何度でも書換え可能な光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録している再生部で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、
前記映像出力線を介して前記再生部に接続される表示制御部で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する
光記憶媒体の再生装置におけるサムネイル画像作成方法。
【0070】
(態様7)
前記サムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するための描画指示情報を前記ユーザ指定として前記表示制御部から制御通信線を通して前記再生部へ通知し、前記サムネイル画像の描画編集を制御する
態様6記載のサムネイル画像作成方法。
【0071】
(態様8)
前記描画指示情報の次回の通知を不要にするために、サムネイル識別情報に基づいて読み出し可能に前記描画指示情報を前記デッキ内部に初期設定値として記憶する
態様7記載のサムネイル画像作成方法。
【0072】
(態様9)
何度でも書換え可能な光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキで、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力する手段と、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する手段と、
を備える光記憶媒体の再生装置。
【0073】
(態様10)
何度でも書換え可能な光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録している再生部で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力する手段と、
前記映像出力線を介して前記再生部に接続される表示制御部で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する手段と、
を備える光記憶媒体の再生装置。
【0074】
(態様11)
前記光記憶媒体は、ブルーレイディスクまたはこれに相応するデータ格納構造を有する記憶媒体である
態様9または10記載の光記憶媒体の再生装置。
【符号の説明】
【0075】
1 光ディスクプレーヤ
2 光ディスク
3 デッキ
4 表示制御装置
5 制御通信線
6 映像出力線
31 サムネイル画像描画部
32 描画指示記憶部
33 サムネイル画像データ分割送信部
41 映像重合部
42 メニュー図形描画部
43 ユーザ操作受付部
44 サムネイル画像データ蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキ側で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置側で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する
光記憶媒体の再生装置におけるサムネイル画像作成方法。
【請求項2】
前記サムネイル画像毎の表示位置、大きさ、及び形を指定するための描画指示情報を前記ユーザ指定として前記表示制御装置から制御通信線を通して前記デッキへ通知し、前記サムネイル画像の描画編集を制御する
請求項1記載のサムネイル画像作成方法。
【請求項3】
前記描画指示情報の次回の通知を不要にするために、サムネイル識別情報に基づいて読み出し可能に前記描画指示情報を前記デッキ内部に初期設定値として記憶する
請求項2記載のサムネイル画像作成方法。
【請求項4】
光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録している再生部で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力し、
前記映像出力線を介して前記再生部に接続される表示制御部で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する
光記憶媒体の再生装置におけるサムネイル画像作成方法。
【請求項5】
光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録しているデッキで、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力する手段と、
前記映像出力線を介して前記デッキに接続される表示制御装置で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する手段と、
を備える光記憶媒体の再生装置。
【請求項6】
光記憶媒体にサムネイル画像データを予め記録している再生部で、ユーザ指示に基づくサムネイル画像の描画編集を行った後、編集済みのサムネイル画像を映像出力線に出力する手段と、
前記映像出力線を介して前記再生部に接続される表示制御部で、ユーザ指定のサムネイル選択枠を含む図形を前記編集済みのサムネイル画像に重ね合わせ処理した映像をユーザ利用のディスプレイに表示する手段と、
を備える光記憶媒体の再生装置。
【請求項7】
前記光記憶媒体は、ブルーレイディスクまたはこれに相応するデータ格納構造を有する記憶媒体である
請求項5または6記載の光記憶媒体の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−161706(P2010−161706A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3508(P2009−3508)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】