説明

光記録媒体の消去装置およびその消去方法

【課題】光記録媒体のデータを消去する際の負担を軽減することができる新しい光記録媒体を提供する。
【解決手段】基板11上に有機色素記録層12、光反射層14が少なくとも積層されており、有機色素記録層12に接して光触媒層13が形成される光記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光記録媒体、消去装置およびその消去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、文書、音楽、映像などのデータを記録して読み出す媒体として、CD、DVD、BDなどの光記録媒体(光ディスク)が利用されている。光記録媒体は、たとえば、光記録媒体に含まれる有機色素記録層を書き込み用のレーザ光で変形させるなどしてデータを記録し、読み取り用のレーザ光を有機色素記録層に当てて、反射してくる光の強弱でデータを読み取ることができる媒体である。
【0003】
このような光記録媒体は、記録されたデータを長期間にわたり繰り返し読み取ることができる特性を有するため、個人データや企業データなどを記録するために広く利用されている。また、このような光記録媒体に音楽データや映像データなどのコンテンツを記録しておき、ユーザに該光記録媒体を貸し出すレンタルサービスも広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−304736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個人データや企業データを記録した光記録媒体を処分する場合、記録されたデータが漏洩しないよう、データを消去してから処分するのが一般的である。従来、光記録媒体に記録したデータを消去するには、データ書き込み装置で光記録媒体に無意味なデータを上書きする方法などが取られているが(たとえば、特許文献1参照)、記録されたデータを逐一上書きするのは煩雑で時間のかかる作業であり、利用者に負担を強いるものであった。
【0006】
一方、レンタルサービスでは、貸し出した光記録媒体を回収することが前提となるが、利用者にとっては返送や返却のための手続が負担となり、レンタル業者にとっては、貸し出した光記録媒体の管理や、回収のための手続が負担となっていた。
【0007】
そこで、光記録媒体のデータを消去する際の負担を軽減することが望まれる。また、コンテンツを記録した光記録媒体のレンタルサービスにおいて、光記録媒体の回収に伴う利用者やレンタル業者の負担を軽減することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の光記録媒体は、基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される。
【0009】
また、本開示の光記録媒体は、前記光触媒層が、短波長紫外線を当てることにより酸化作用を示すことができる。
【0010】
本開示の消去装置は、基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される光記録媒体に記録された情報の消去装置であって、前記光記録媒体に前記光触媒層が酸化作用を示す光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する消去手段を有する。
【0011】
また、本開示の消去装置は、前記照射手段が、ユーザからの照射指示を受け付けて、前記光記録媒体に前記光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する。
【0012】
さらに、本開示の消去装置は、前記照射手段が、前記光記録媒体が規定回数読み取られた後、前記光記録媒体に前記光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する。
【0013】
本開示の消去方法は、基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される光記録媒体に記録された情報の消去方法であって、前記光記録媒体に前記光触媒層が酸化作用を示す光を照射することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る光記録媒体読取消去システム100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る光記録媒体10の概略した断面図を示す。
【図3】本実施形態に係る光記録媒体の読取消去装置20の概略構成を示すブロック図を示す。
【図4】本実施形態に係る光記録媒体の読取消去装置20の動作方法におけるフローチャートの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、光記録媒体として、コンパクトディスク(CD)を例にとって説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0016】
図1は、本開示の実施形態に係る光記録媒体読取消去システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
光記録媒体読取消去システム100は、図1に示すように、CD10と、CDに記録されたデータを読み取る読取消去装置20とを含む。
【0018】
CD10は、照射された光の反射光の変化によってデータ(情報)を読み取ることが可能な光ディスクである。本実施形態のCD10自体のサイズおよび厚さ、並びにデータの記録方式などについては、従来のCDと同様の規格、たとえば、いわゆるレッドブック、イエローブックなどの規格基準書に規定された内容に準拠したものとすることができるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0019】
CD10は、図2に示すように、そのデータ記録領域において、基板11の一面に、有機色素記録層12、光触媒層13、光反射層14、保護層15、および印刷層16を積層して構成される。CD10は、基板11の有機色素記録層12等が積層された面の反対側からレーザ光を照射することによって、有機色素記録層12に記録されたデータを読み取ることができる。
【0020】
基板11は、CD10の機械的強度を確保するための板であって、レーザ光を透過することが可能な円盤状の透明板である。なお、基板11は、従来のCDにおける基板と同様の材質および厚さとすることができる。たとえば、基板11の材料としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂を用いることができる。
【0021】
有機色素記録層12は、基板11上に形成された有機色素の記録層である。有機色素記録層12は、書き込み用のレーザ光の照射による有機色素の変化を利用して、層の表面を凸凹形状とすることでデータ(情報)を記録することができる。なお、有機色素記録層12は、従来のCDにおける有機色素記録層と同様の有機色素および厚さとすることができる。たとえば、有機色素(有機物)としては、たとえば、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの色素を用いることができる。
【0022】
光触媒層13は、有機色素記録層12に接して形成された光触媒の層(膜)である。光触媒として、たとえば、酸化チタン(TiO2)を用いることができる。光触媒層13は、紫外線などの光が照射されることによって酸化作用を示す。光触媒層13が酸化作用を示すと、光触媒層13に接する有機色素記録層12に含む有機物は電子が奪われ、有機物の結合が分断される。その結果、有機色素記録層12は、層の表面の凸凹形状が失われるため、有機色素記録層12に記録されたデータが消失する。光触媒層13の厚みは、その酸化作用によって有機色素記録層12に記録されたデータを消失させることができるように、有機色素記録層12の材質および厚みに応じて定めることができる。なお、光触媒は、酸化チタンに限られず、照射される光の種類に応じて適切な物質を用いることができる。
【0023】
光反射層14は、光触媒層13の上に形成され、基板11、有機色素記録層12、および光触媒層13を通して照射された特定の波長を有するレーザ光を反射する層である。なお、光反射層14は、従来のCDにおける光反射層と同様の材質および厚さとすることができる。たとえば、光反射層14の材質としては、たとえば、銀、アルミニウムなどの金属を用いることができる。
【0024】
保護層15は、有機色素記録層12、光触媒層13、および光反射層14などの層を保護する層である。なお、保護層15は、従来のCDにおける保護層と同様の材質および厚さとすることができる。たとえば、保護層15の材料としては、上記の基板11と同様、たとえば、ポリカーボネート系樹脂を用いることができる。
【0025】
印刷層16は、通常、レーベル面として利用されており、その表面に文字、記号、模様またはこれらの組合せ等が可視情報として印刷等により表示される。なお、印刷層16は、従来のCDにおける印刷層と同様の材質および厚さとすることができる。なお、印刷層16は、光記録媒体において省略することもできる。
【0026】
読取消去装置20は、その内部にCD10を取込こんで、CD10に記録されたデータを読み出す機能と、CD10に紫外線を照射し、CD10に記録されたデータを消去する機能を有するものである。
【0027】
読取消去装置20は、図3に示すように、データの読み取り機能を実現するために、CD10にレーザ光を照射する第1光照射系21およびCD10を回転させるためのスピンドルモータ22を有する。また、データの消去機能を実現するために、CD10の表面に光触媒層13が酸化作用を示す光を照射する第2光照射系23を有する。読取消去装置20は、さらに、第1光照射系21、スピンドルモータ22および第2光照射系23をそれぞれ制御する制御手段24(読取制御手段241,消去制御手段242)と、制御手段24に対してユーザが操作指令を与える操作部25とを有する。なお、本実施形態において、第1光照射系21、スピンドルモータ22および読取制御手段241で読取手段を構成し、また、第2光照射系23および消去制御手段242で特許請求の範囲に記載する消去手段を構成する。
【0028】
第1光照射系21は、データ読み取り時に、CD10にデータ読み取り用のレーザ光を照射するとともにCD10から反射された反射光を検出するものである。なお、第1光照射系21は、従来のCD読取装置(再生装置)の光照射系と同様の構成および機能とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0029】
スピンドルモータ22は、第1光照射系21によってCD10のデータ記録領域から連続的にデータを読み取るために、CD10を回転させるモータである。なお、スピンドルモータ22は、従来のCD読取装置のスピンドルモータと同様の構成および機能とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
第2光照射系23は、データ消去時に、CD10にデータ消去用の光を照射するものである。第2光照射系23が照射するデータ消去用の光は、たとえば、光触媒層13が酸化作用を示す短波長紫外線を用いることができる。短波長紫外線は、約280nm以下の紫外線であって、通常の地表に到達する太陽光には含まれない波長を有する紫外線である。すなわち、光触媒層13に、短波長紫外線の波長以下で酸化作用を示す光触媒を用いることで、CD10の光触媒層13は太陽光によっては酸化作用を示さないため、太陽光を受ける環境下でCD10を取り扱う場合でも記録されたデータの消失を防ぐことができる。なお、第2光照射系23が照射するデータ消去用の光は、光触媒層13が酸化作用を示す光であれば短波長紫外線に限られず、たとえば、太陽光に含まれる280nm以上の波長を有する紫外線を用いてもよい。
【0031】
また、第2光照射系23は、CD10の表面全体に光が照射されるように設定する。CD10の表面全体に光が照射されるように設定することで、CD10の有機色素記録層12に記録されたデータを漏れなく一括に消去することができる。なお、第2光照射系23は、CD10の表面全体に光が照射されるように設定する場合に限らず、CD10の有機色素記録層12に接する光触媒層13に全て光が照射されればよく、たとえば、CD10の半径分の照射範囲とし、スピンドルモータ22で回転させてCD10の表面全体に照射することもできる。
【0032】
制御手段24は、第1光照射系21、スピンドルモータ22および第2光照射系23をそれぞれ制御するものであり、読取制御手段241と、消去制御手段242とを含む。なお、制御手段24は、そのハードウェアとして、種々の演算および制御を行うためのCPU、データを一時的に格納するとともにデータ読み取り時、またはデータ消去時のワークエリアとして機能するRAM、制御プログラムを格納するROM,および周辺回路から構成することができる。
【0033】
読取制御手段241は、CD10に記録されたデータを読み取る制御を実行する手段であり、CPUがROMやRAMに格納される制御プログラムを実行し、各ハードウェアを制御することにより機能的に実現される。読取制御手段241は、たとえば、操作部25からのユーザのデータ読み取り指令を受け付けて、第1光照射系21およびスピンドルモータ22を制御し、CD10にデータ読み出し用のレーザ光を照射して有機色素記録層12に記録されたデータを読み取る。第1光照射系21が照射するデータ読み取り用のレーザ光は、光反射層14で反射する波長を有する光であって、たとえば、700nmの波長を用いることができる。なお、読取制御手段241の機能および構成は、従来のCD読取装置と同様にすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
消去制御手段242は、CD10に記録されたデータを消去する制御を実行する手段であり、CPUがROMやRAMに格納される制御プログラムを実行し、各ハードウェアを制御することにより機能的に実現される。消去制御手段242は、たとえば、操作部25からのユーザのデータ消去指令を受け付けて、第2光照射系23を制御し、CD10に向けて光触媒層13が酸化作用を示すデータ消去用の光を一定時間照射して有機色素記録層12に記録されたデータを消去する。なお、消去制御手段242は、たとえば、第2光照射系23による一定時間光の照射後、読取制御手段241によってデータの読み取りが可能か否かを判断させ、データの読み取りが可能と判断された場合、再度、第2光照射系23に一定時間光を照射させることもできる。また、光の照射時間は、CD10の有機色素記録層12および光触媒層13の材質や厚みによって最適な時間にすることができる。
【0035】
操作部25は、読取消去装置20の外部に設けられた操作パネルまたはリモートコントロールなどの操作手段であって、ユーザによる操作を受け付け、その受け付けた情報を制御手段24に送る機能を有する。たとえば、操作部25は、データ消去ボタンを有し、該データ消去ボタンがユーザによって押されることによって、読取消去装置20のデータ消去処理が実行される。
【0036】
以上のように構成される光記録媒体読取消去システム100の動作方法を、以下に説明する。
【0037】
まず、制御手段24は、CD10を受け付ける処理を実行する。すなわち、制御手段24は、ユーザの操作のもと読取消去装置20の内部にCD10を導入し、導入時処理(たとえば、CD情報の読み込み・表示など)を実行し、ユーザからの指示を待機する。
【0038】
操作部25からのユーザのデータ読み取り指令を受け付けた場合、制御手段24は、CD10に記録されたデータを読み取る処理を実行する。すなわち、制御手段24は、操作部25からのユーザの読み取り指令を受け付けることによって、第1光照射系21およびスピンドルモータ22の制御を実行する。なお、制御手段24は、ユーザの読み取り指令を受け付けた場合に制御する場合に限られず、たとえば、CD10を受け付けた段階で自動的にCD10に記録されたデータの読み取ることもできる。
【0039】
操作部25からのユーザのデータ消去指令を受け付けた場合、制御手段24は、CD10に記録されたデータを消去する処理を実行する。すなわち、制御手段24は、操作部25からのユーザの読み取り指令を受け付けることによって、第2光照射系23から光触媒層13が酸化作用を示すまでの一定時間、光を照射させることができる。なお、第2光照射系23から照射される光として、上述したように、短波長紫外線を用いることができる。
【0040】
本実施形態の光記録媒体読取消去システム100によれば、CD10が有機色素記録層12に接して光触媒層13を有しており、該CD10に対して光触媒層13が酸化作用を示す光を照射することによって、有機色素記録層12を構成する有機色素を変質させ、CD10に記録されたデータを一括で消去することができる。その結果、CDのデータを消去する際の負担を軽減することができる。
【0041】
なお、上述した読取消去装置は、特許請求の範囲に記載した消去装置の一例として説明した。消去装置の他の例として、たとえば、図3に示す構成から、読取用の光を照射させる構成(第1光照射系21、読取制御手段241など)を除いたものを用いることもできる。
<変形例1>
以上のように本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は、以上の実施形態に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲に表現された思想および範囲を逸脱することなく、種々の変形、追加、および省略が当業者によって可能である。
【0042】
たとえば、上記実施形態では、読取装置20に消去用の光を照射させる第2光照射系23を設けることによって、CD10のデータを消去する場合を説明したが、本開示はこれに限られず、読取装置20に消去用の光を照射させる第2光照射系23を用いずに、第1光照射系21を用いてCD10のデータを消去することもできる。この場合、通常の読取機能を繰り返し使用することで、CD10の有機色素触媒層13が徐々に酸化され、記録されたデータを消去することができる。
<変形例2>
また、本実施形態では、読取装置20によるCD10のデータ消去は、操作部25からのユーザの読み取り指令を受け付けた場合にその動作処理を実行する場合を説明したが、本開示はこの場合に限られず、たとえば、CD10を規定回数読み取った後、自動的にデータ消去の処理を実行することもできる。以下、この処理について、図4を用いて説明する。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。また、本実施形態の変形例では、読取装置20によって読み取り可能な最大読取回数(規定回数)をCD10に予め記録させておくものとし、さらに、読み取られた回数(再生回数)をCD10に読み書きすることができるものとする。規定回数は、たとえば、CD10をレンタルするレンタル業者が予め決定することができる。
【0043】
まず、制御手段24は、CD10を受け付け(ステップS100)、操作部25からのユーザのデータ読み取り指令を受け付けて、CD10に読み取り用のレーザ光を照射し、記録されたデータを読み取る(再生する)(ステップS101)。次いで、制御手段24は、CD10に記録された再生回数および規定回数を読み取る(ステップS102)。次いで、制御手段24は、再生回数に1を加える(ステップS103)。次いで、制御手段24は、再生回数および規定回数を比較する(ステップS104)。比較した結果、再生回数が規定回数以上でない場合(ステップS104:No)、再生回数をCD10に上書きする(ステップS105)。なお、CD10への上書きは、たとえば、第1光照射系21に書き込み用のレーザ光を照射させることで行うことができる。
【0044】
一方、上記比較した結果、読み取った再生回数が規定回数以上である場合(ステップS104:Yes)、制御手段24は、CD10に光触媒層13が酸化作用を示すデータ消去用の光を照射し、記録されたデータを消去する(ステップS106)。
以上により本動作処理は終了する。
【0045】
以上の本実施形態の変形例によれば、規定回数の読取(再生)後、自動的にコンテンツが消去されるので、CD10の回収が不要となり、その結果、コンテンツを記録したCDのレンタルサービスにおいて、CDの回収に伴う利用者やレンタル業者の負担を軽減することができる。
【0046】
なお、本実施形態の変形例は、再生回数および規格回数をCDそのものに記憶される場合を説明したが、この場合に限られず、たとえば、CD10に固有IDを記録しておき、読取装置20がネットワークを介してサーバに接続して固有IDを通知し、サーバ上で固有IDに対応づけて再生回数と規定回数とを記録し管理させることもできる。この場合、読取装置20は、サーバから読取対象のCD10に応じて再生回数が規定回数に達したか否かの情報を受け取って上記判断を行うこともできる。
<変形例3>
さらに、本実施形態では、CD10に含まれる光触媒層13が、有機色素記録層12と光反射層14との間に設けた場合を説明したが、本開示はこれに限られず、光触媒層13は有機記録層12に接していればよく、たとえば、基板11と有機色素記録層12との間に設けてもよく、または、基板11と有機色素記録層12との間と、有機色素記録層12と光反射層14との間との両方の間に設けることもできる。
<変形例4>
なお、上記本実施形態および変形例では、光記録媒体としてCDを例にとって説明したが、本開示はこれに限られず、有機色素記録層を含む光記録媒体であれば適用でき、たとえば、デジタルヴァーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)に適用できる。
【符号の説明】
【0047】
10 光記録媒体、
11 基板、
12 有機色素記録層、
13 光触媒層、
14 光反射層、
15 保護層、
20 読取消去装置、
100 光記録媒体読取消去システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される光記録媒体。
【請求項2】
前記光触媒層は、短波長紫外線を当てることにより酸化作用を示す、請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される光記録媒体に記録された情報の消去装置であって、
前記光記録媒体に前記光触媒層が酸化作用を示す光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する消去手段を有する消去装置。
【請求項4】
前記消去手段は、ユーザからの照射指示を受け付けて、前記光記録媒体に前記光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する、請求項3に記載の消去装置。
【請求項5】
前記消去手段は、前記光記録媒体が規定回数読み取られた後、前記光記録媒体に前記光を照射して前記有機色素記録層に記録された情報を消去する、請求項3に記載の消去装置。
【請求項6】
基板上に有機色素記録層、光反射層が少なくとも積層されており、前記有機色素記録層に接して光触媒層が形成される光記録媒体に記録された情報の消去方法であって、
前記光記録媒体に前記光触媒層が酸化作用を示す光を照射する、
ことを含む消去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−238307(P2010−238307A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85823(P2009−85823)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【特許番号】特許第4484090号(P4484090)
【特許公報発行日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(509026116)アイランド ジャイアント デベロップメント エルエルピー (2)
【Fターム(参考)】