説明

光送信装置、および光送信方法

【課題】コストを増加させずに、光インタコネクトの信頼性を向上させる。
【解決手段】1つの側面では、電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を送信する複数のVCSEL3a〜3d、4a〜4dを有する光送信装置1である。また、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dのそれぞれが光信号を送信する時間を計測する。そして、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dのうち計測した時間の累積が所定の閾値よりも多いVCSELを除いた1又は複数のVCSELに、送信対象となる情報の電気信号を振り分ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信装置、および光送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバ内の通信距離、通信速度、および信号密度を向上させるため、光信号を用いてサーバ内の通信を中継する光インタコネクトの技術が開発されている。例えば、光インタコネクトの技術が適用されたサーバは、電気信号と光信号とを相互に変換するユニットを有する。このような電気信号と光信号とを相互に変換するユニットは、送受信されるデータの電気信号を光信号に変換し、光信号を送受信することで、サーバ内の通信を中継する。
【0003】
ここで、光インタコネクトの技術が適用されたサーバは、電気信号と光信号とを相互に変換するユニットを有するので、電気信号を用いて通信するサーバより部品の数が増加する結果、コストが増加する。また、電気信号と光信号とを相互に変換するユニットは、電気信号のみを用いるユニットよりも信頼性が低い。このため、サーバ内の通信に用いるために電気信号と光信号とを相互に変換するユニットの信頼性を向上させた場合には、コストが増加する。
【0004】
一方、光インタコネクトの技術を安価に実現するため、光信号を出力するユニットに安価な光デバイスを用いる技術が知られている。例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)を光デバイスとして用いることで、コンシューマ向けのデバイスに対して、光インタコネクトの技術を安価に適用する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−067413号公報
【特許文献2】特開2003−008136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、コンシューマ向けの光インタコネクトの技術では、光デバイスの信頼性が低いので、サーバ向けの光インタコネクトに適用することができない。
【0007】
例えば、コンシューマ向けの光インタコネクトに採用されるVCSELは、保障された連続稼働時間が短く設定されているので、24時間運用されるようなサーバに設置した場合には、短期間で稼働時間の限界に達してしまう。また、コンシューマ向けの光インタコネクトに採用されるVCSELは、劣悪な環境に対応するためにレーザーの出力が高く設定されるので、経年劣化の進行が早い。このように、コンシューマ向けの光インタコネクトに採用されるVCSELでは、信頼性が低く、サーバ向けの光インタコネクトに採用できない。
【0008】
本願は、1つの側面では、光インタコネクトの信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの側面では、電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を送信する複数の送信部を有する光送信装置である。また、光送信装置は、送信部ごとに光信号を送信する時間を計測する。そして、光送信装置は、複数の送信部のうち、送信部ごとに計測した時間の累積が所定の閾値よりも多い送信部を除いた1又は複数の送信部に、送信対象となる情報の電気信号を振り分ける。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1に係る光送信装置の機能構成を説明するための図である。
【図2】図2は、計測する時間の一例を説明するための図である。
【図3】図3は、実施例1に係る光送信装置が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、使用リンク決定処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、使用リンク決定処理のバリエーションを説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、パッケージを考慮しない使用リンク決定処理の流れを説明するための第1のフローチャートである。
【図7】図7は、パッケージを考慮しない使用リンク決定処理の流れを説明するための第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して本願に係る光送信装置、および光送信方法について説明する。
【実施例1】
【0013】
以下の実施例1では、図1を用いて、光送信装置の一例を説明する。図1は、実施例1に係る光送信装置の機能構成を説明するための図である。図1に示すように、光送信装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、光受信装置5と接続される。また、光受信装置5は、HDD(Hard Disk Drive)6と接続されている。
【0014】
なお、図面では省略したが、各部1〜6は、サーバ内に設置されており、光受信装置5は、サーバが有する他の装置と接続されていても良い。また、以下の説明では、光送信装置1および光受信装置5は、CPU2とHDD6との間の通信を中継する例について説明する。
【0015】
また、図1に示す例では、光送信装置1は、素子パッケージ3、素子パッケージ4、伝送量監視部10、累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、リンクコントローラ13、発光素子制御部14を有する。なお、図1に示す例では、光送信装置1は、素子パッケージ3、4以外にも複数の素子パッケージを有するものとする。
【0016】
このような光送信装置1は、CPU2と複数の電気回路で接続され、CPU2が出力する情報の電気信号を複数の電気回路を介して取得する。また、光送信装置1は、複数の光リンクによって光受信装置5と接続されており、光信号に変換した情報を複数の光リンクを介して光受信装置5に送信する。なお、CPU2からは、複数の光リンクは論理的に1つの伝送路として識別される。
【0017】
このような場合には、光受信装置5は、光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換するとともに、変換後の電気信号をHDD6に送信する。また、HDD6は、光受信装置5から受信した電気信号が示す情報を記憶する。
【0018】
次に、光送信装置1が有する素子パッケージ3、4について説明する。素子パッケージ3は、発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)3a〜3dを有する。また、素子パッケージ4は、VCSEL4a〜4dを有する。なお、以下の説明では、素子パッケージ4は、素子パッケージ3と同様の機能を発揮するものとして、説明を省略する。また、図1では省略したが、各素子パッケージ3、4は、各光リンクを介して、光受信装置5から光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換するPDを有することとしてもよい。
【0019】
素子パッケージ3は、交換可能なパッケージであり、VCSEL3a〜3dのいずれかが故障した場合には、交換することにより、新たなVCSELを設置することができる。VCSEL3a〜3dは、入力された電気信号を光信号に変換し、自身に接続された光リンクを介して、光信号を光受信装置5へ送信する。なお、各VCSEL3a〜3dは、コンシューマ向けの安価なVCSELが適用され、サーバ向けレベルの信頼性を有していなくともよい。
【0020】
伝送量監視部10は、CPU2からHDD6へ送信する情報の伝送量を検出する。例えば、伝送量監視部10は、CPU2が出力した情報の電気信号を取得し、CPU2からHDD6へ送信される情報の伝送量を計測する。そして、伝送量監視部10は、測定した伝送量をリンクコントローラ13に通知する。
【0021】
累積時間カウンタ11は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力した時間をカウントするカウンタである。具体的には、累積時間カウンタ11は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力した回数を記憶する。そして、累積時間カウンタ11は、リンクコントローラ13から光信号を出力したVCSELの通知を取得した場合には、通知されたVCSELが光信号を出力した回数を1インクリメントする。
【0022】
例えば、累積時間カウンタ11は、図2に例示する情報を記憶する。図2は、計測する時間の一例を説明するための図である。図2に示す例では、累積時間カウンタ11は、各素子パッケージ3、4を識別するパッケージ情報を記憶する。また、累積時間カウンタ11は、各素子パッケージ3、4が有するVCSEL3a〜3d、4a〜4dを識別する素子情報と、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力した回数である累積稼働時間とを対応付けて記憶する。
【0023】
ここで、図2に示すパッケージ情報「1」は、素子パッケージ3を示し、パッケージ情報「2」は、素子パッケージ4を示す。また、パッケージ情報「1」と対応付けられた素子情報「1」は、VCSEL3aを示し、パッケージ情報「1」と対応付けられた素子情報「2」は、VCSEL3bを示す。また、パッケージ情報「1」と対応付けられた素子情報「3」は、VCSEL3cを示し、パッケージ情報「1」と対応付けられた素子情報「4」は、VCSEL3dを示す。
【0024】
また、パッケージ情報「2」と対応付けられた素子情報「1」は、VCSEL4aを示し、パッケージ情報「2」と対応付けられた素子情報「2」は、VCSEL4bを示す。また、パッケージ情報「2」と対応付けられた素子情報「3」は、VCSEL4cを示し、パッケージ情報「2」と対応付けられた素子情報「4」は、VCSEL4dを示す。
【0025】
つまり、図2に示す例では、累積時間カウンタ11は、VCSEL3aが光信号を「6」回出力し、VCSEL3b〜3dが光信号を「5」回出力した旨を示す。また、図2に示す例では、VCSEL4aが光信号を「1」回出力し、VCSEL4bが光信号を「2」回出力し、VCSEL4c、4dが光信号を出力していない旨を示す。
【0026】
このような累積時間カウンタ11は、例えば、リンクコントローラ13からVCSEL3bが光信号を出力した旨の通知を取得した場合には、パッケージ情報1の素子情報2と対応付けて記憶された累積稼働時間「5」を「6」に更新する。ここで、リンクコントローラ13は、光信号を送信したVCSELを所定の時間間隔で累積時間カウンタ11に通知する。このため、累積時間カウンタ11は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力した時間、つまり、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが動作した時間をカウントすることとなる。
【0027】
また、累積時間カウンタ11は、リンクコントローラ13から素子パッケージ3、4が交換された旨の通知を取得した場合は、通知された素子パッケージと対応付けて記憶する累積稼働時間を「0」に更新する。例えば、累積時間カウンタ11は、素子パッケージ3が交換された旨の通知を取得した場合には、パッケージ情報「1」と対応付けて記憶する累積稼働時間を「0」に更新する。
【0028】
図1に戻って、接続切替スイッチ12は、CPU2から取得した情報の電気信号を、リンクコントローラ13から通知されたVCSELに対して振り分けるスイッチである。例えば、接続切替スイッチ12は、リンクコントローラ13からVCSEL3b〜3dを通知された場合には、CPU2が出力した情報の電気信号を、VCSEL3b〜3dに振り分ける。
【0029】
リンクコントローラ13は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を送信した時間を計測する。そして、リンクコントローラ13は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を送信した累積時間に応じて、CPU2からHDD6へ送信される情報の電気信号を各VCSEL3a〜3d、4a〜4dに振り分ける。
【0030】
以下、リンクコントローラ13が実行する処理を具体的に説明する。まず、リンクコントローラ13は、伝送量監視部10から、CPU2からHDD6へ送信される情報の伝送量を取得する。このような場合には、リンクコントローラ13は、通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数を算出する。
【0031】
次に、リンクコントローラ13は、累積時間カウンタ11を参照し、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力した回数を取得する。そして、リンクコントローラ13は、累積稼働時間が所定の閾値以上、つまり、累積稼働時間が所定の閾値以上のVCSELを識別する。
【0032】
また、リンクコントローラ13は、識別したVCSELを非使用のVCSELとするとともに、非使用のVCSELを有する素子パッケージを識別する。なお、リンクコントローラ13は、非使用のVCSELを有する素子パッケージが複数存在する場合には、最若番のパッケージ情報が示す素子パッケージを識別する。
【0033】
また、リンクコントローラ13は、識別した素子パッケージが有するVCSELのうち、非使用のVCSEL以外のVCSELを識別する。そして、リンクコントローラ13は、識別したVCSELから、光信号を出力した回数が少ない順に、通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数と同数のVCSELを選択する。そして、リンクコントローラ13は、選択したVCSELを累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、発光素子制御部14に通知する。
【0034】
なお、リンクコントローラ13は、識別した素子パッケージから選択したVCSELの数が、通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数よりも少ない場合には、以下の処理を実行する。まず、リンクコントローラ13は、識別した素子パッケージから識別したVCSELを選択する。
【0035】
そして、リンクコントローラ13は、他の素子パッケージが有するVCSELから、光信号を出力した回数が少ない順に、不足する数のVCSELを選択する。そして、リンクコントローラ13は、選択したVCSELを累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、発光素子制御部14に通知する。
【0036】
なお、リンクコントローラ13は、上述した処理を所定の時間間隔で実行する。すなわち、リンクコントローラ13は、所定の時間間隔で、伝送量監視部10から送信する情報の伝送量を取得し、使用する光リンクの数を判別する。そして、リンクコントローラ13は、非使用のVCSELを有する素子パッケージのVCSELから、累積稼働時間が少ない順に、判別した数のVCSELを選択する。
【0037】
その後、リンクコントローラ13は、選択したVCSELを累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、発光素子制御部14に通知する。このため、光送信装置1は、所定の時間間隔で、使用するVCSELを選択するとともに、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を更新することとなる。
【0038】
次に、リンクコントローラ13が実行する処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、累積時間カウンタ11が図2に例示する情報を記憶するものとする。また、リンクコントローラ13は、「6」回以上の光信号を出力したVCSELを非使用のVCSELとするものとする。
【0039】
例えば、リンクコントローラ13は、伝送量監視部10から通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数が3本であると判別する。このような場合には、リンクコントローラ13は、累積時間カウンタ11を参照し、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を識別する。そして、リンクコントローラ13は、累積稼働時間が所定の閾値「6」よりも多いVCSEL、すなわち、非使用のVCSELがVCSEL3aであると判別する。
【0040】
次に、リンクコントローラ13は、VCSEL3aを有する素子パッケージ3を選択する。そして、素子パッケージ3が有する非使用のVCSELではないVCSEL3b〜3dのうち、光信号を送信した回数が少ない順に3つのVCSEL3b〜3dを選択する。そして、リンクコントローラ13は、VCSEL3b〜3dを累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、発光素子制御部14に通知する。
【0041】
また、例えば、リンクコントローラ13は、伝送量監視部10から通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数が6本であると判別する。このような場合には、リンクコントローラ13は、累積時間カウンタ11を参照し、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を識別し、VCSEL3aが非使用のVCSELとする。
【0042】
次に、リンクコントローラ13は、非使用のVCSELであるVCSEL3aを有する素子パッケージ3を選択する。ここで、素子パッケージ3は、非使用ではないVCSELをVCSEL3b〜3dの3つしか有していない。そこで、リンクコントローラ13は、VCSEL3b〜3dを選択するとともに、素子パッケージ4が有するVCSEL4a〜4dから、光信号を送信した回数が少ない順に残りのVCSELを選択する。
【0043】
図2に示す例では、リンクコントローラ13は、VCSEL4a、4c、4dを選択する。そして、リンクコントローラ13は、選択した6つのVCSEL3b〜3d、4a、4c、4dを累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、発光素子制御部14に通知する。
【0044】
なお、リンクコントローラ13は、素子パッケージ3、4が交換された場合には、素子パッケージ3、4が交換された旨を累積時間カウンタに通知する。例えば、リンクコントローラ13は、素子パッケージ3が新たなパッケージに交換された場合には、素子パッケージ3が交換された旨を累積時間カウンタに通知する。
【0045】
発光素子制御部14は、光信号を出力するVCSELのみに電源を供給する。具体的には、発光素子制御部14は、リンクコントローラ14から光信号を出力するVCSELの通知を取得した場合には、通知されたVCSELのみに対して電源を供給し、他のVCSELについては、電源を落とす。例えば、発光素子制御部14は、接続切替スイッチからVCSEL4a、4c、4dの通知を取得した場合には、VCSEL4a、4c、4dに対して電源を供給し、他のVCSEL3a〜3d、4bについては、電源を落とす。
【0046】
なお、例えば、素子パッケージ3、素子パッケージ4、伝送量監視部10、累積時間カウンタ11、接続切替スイッチ12、リンクコントローラ13、発光素子制御部14とは、電子回路である。ここで、電子回路の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、またはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などを適用する。また、累積時間カウンタ11は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置であってもよい。
【0047】
次に、図3を用いて、光送信装置1が実行する処理の流れについて説明する。図3は、実施例1に係る光送信装置が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。例えば、図3に示す例では、光送信装置1は、CPU2からHDD6に送信される情報の伝送量を検出する(ステップS101)。次に、光送信装置1は、検出した伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数を算出する(ステップS102)。
【0048】
次に、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を送信した累積時間、つまり、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を参照する(ステップS103)。そして、光送信装置1は、参照した累積稼働時間に応じて、光信号を送信するVCSELを決定する使用リンク決定処理を実行する(ステップS104)。
【0049】
次に、光送信装置1は、光信号を送信するVCSELに対して通電し、電源を供給する(ステップS105)。次に、光送信装置1は、接続切替スイッチ12を制御し(ステップS106)、光信号を送信するVCSELに対して、CPU2からHDD6へ送信される情報の電気信号を伝達する。次に、光送信装置1は、累積稼働時間を更新し(ステップS107)、再度、CPU2からHDD6に送信される情報の伝送量を検出する(ステップS101)。
【0050】
次に、図4を用いて、光送信装置1が使用リンクを決定する処理の一例について説明する。図4は、使用リンク決定処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、図4に示す各ステップS201〜207は、図3に示すステップS104と対応し、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を参照したことをトリガとして(ステップS103)、図4に示す処理を実行する。
【0051】
例えば、光送信装置1は、参照した各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間を累積稼働時間が多い順にソートし(ステップS201)、累積稼働時間が所定の閾値以上のVCSELを非使用とする(ステップS202)。また、次に、光送信装置1は、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っているかを判別する(ステップS203)。
【0052】
そして、光送信装置1は、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っていると判別した場合には(ステップS203肯定)、非使用のVCSELを有する素子パッケージが有するVCSELを識別する(ステップS204)。そして、光送信装置1は、識別したVCSELを累積稼働時間の多い順にソートし(ステップS205)、累積稼働時間が少ない順に使用するVCSELを選択する(ステップS206)。
【0053】
続いて、光送信装置1は、さらに帯域が必要か否かを判別する(ステップS207)。つまり、光送信装置1は、情報を送信するために要する光リンクの数と同数のVCSELを選択したか否かを判別する。そして、光送信装置1は、さらに帯域が必要であると判別した場合には(ステップS207肯定)、残りのVCSELを累積稼働時間の多い順にソートする(ステップS208)。
【0054】
そして、光送信装置1は、累積稼働時間が少ない順に、不足する数のVCSELを選択する(ステップS209)。その後、光送信装置1は、選択しなかった残りのVCSELを非使用とし(ステップS210)、処理を終了する。なお、光送信装置1は、VCSELを選択した後に(ステップS206)、帯域が十分であると判別した場合には(ステップS207否定)、選択しなかった残りのVCSELを非使用とし(ステップS210)、処理を終了する。
【0055】
また、光送信装置1は、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っていないと判別した場合には(ステップS203否定)、CPU2に帯域不足通知を送信し(ステップS211)、処理を終了する。なお、このような帯域不足通知が通知された場合は、CPU2は、一定時間待機し、その後、再度情報の送信をリトライする。
【0056】
[光送信装置1の効果]
上述したように、光送信装置1は、送信する情報の電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を送信する複数のVCSEL3a〜3d、4a〜4dを有する。また、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dごとに光信号を送信した時間を計測する。
【0057】
そして、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dのうち、計測した累積稼働時間が所定の閾値よりも多いVCSELを除いた他のVCSELに対して、送信対象となる情報の電気信号を振り分ける。つまり、光送信装置1は、累積稼働時間が所定の閾値よりも少ないVCSELにのみ送信対象となる情報の電気信号を振り分ける。このため、光送信装置1は、コストを増加させることなく、光インタコネクトの信頼性を高めることができる。
【0058】
すなわち、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dは、光信号を送信するたびに経年劣化が進行し、信頼性が低下する。そこで、光送信装置1は、所定の閾値よりも長い時間、光信号を送信したVCSELについては、経年劣化が進み、故障が発生しやすくなると判別する。
【0059】
そして、光送信装置1は、光信号を送信した時間が所定の閾値よりも長いVCSELについては、電気信号の振り分けを行わず、光信号を送信した時間が所定の閾値よりも短いVCSELに対してのみ電気信号の振り分けを行い、光信号を送信させる。この結果、光送信装置1は、光信号の送信中に故障が発生し、リンクエラーによる通信断絶を避け、光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。
【0060】
また、光送信装置1は、例えば、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dにコンシューマ向けの安価なVCSELを用いた場合にも、信頼性を下げることなく、光信号による通信を行うことができる。例えば、サーバ向けの光デバイスは、100000時間以上の連続動作時間が要求され、数百FIT(Failures in Time)以下の信頼性が要求される。一方、VCSELを初めとするコンシューマ向けの光デバイスは、10000時間程度しか連続動作時間が保証されておらず、信頼性も数千FIT(Failures in Time)となる。このため、コンシューマ向けの光デバイスをそのままサーバ向けの光インタコネクトに適用することはできない。
【0061】
しかし、光送信装置1は、複数のVCSEL3a〜3d、4a〜4dを有し、累積稼働時間が所定の閾値を超えたVCSELは使用せず、累積稼働時間が所定の閾値以下のVCSELにのみ、電気信号を振り分ける。このため、光送信装置1は、経年劣化により、故障が発生しやすいVCSELの使用を避けるため、通信時のエラーが発生する確率を下げることができる。
【0062】
つまり、光送信装置1は、コンシューマ向けの光デバイスをサーバ向けの光インタコネクトに適用した場合にも、サーバ向けの光デバイスに求められる信頼性を保持できるので、コストを増加させずに光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。
【0063】
また、光送信装置1は、計測した時間の追跡が所定の閾値よりも多いVCSELを除いた1又は複数のVCSELのうち、計測した時間の累積が最も少ないVCSELに対して、電気信号を振り分ける。このため、光送信装置1は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を出力する時間を平均化するので、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの交換時期をそろえることができる。
【0064】
また、リンクコントローラ13は、伝送量監視部10から通知された伝送量の情報を送信するために必要な光リンクの数を判別する。また、リンクコントローラ13は、経年劣化により故障したものとみなしたVCSELを有する素子パッケージを選択する。そして、リンクコントローラ13は、識別した素子パッケージが有するVCSELのうち、計測した時間の累積が少ない順に、判別した数のVCSELを選択し、選択したVCSELに対して電気信号の振り分けを行う。このため、光送信装置1は、送信する情報の伝送量が多く、複数の光リンクを要する場合にも、適切にVCSELを選択することができる。
【0065】
また、光送信装置1は、累積稼働時間が所定の閾値を超えたVCSELを有する素子パッケージ、すなわち、交換すべき素子パッケージが有するVCSELを識別し、識別した素子パッケージが有するVCSELを優先的に用いる。つまり、光送信装置1は、交換すべき素子パッケージが有する使用可能なVCSELを優先的に用いるので、素子パッケージ単位でVCSELを交換する場合にも、各VCSELを効率良く使用することができる。
【0066】
また、光送信装置1は、交換すべき素子パッケージが有する使用可能なVCSELを優先的に用いるので、他の素子モジュールが有するVCSELの使用を控えることができる。この結果、光送信装置1は、ランニングコストを削減することができる。
【0067】
また、リンクコントローラ13は、識別した素子パッケージが有するVCSELでは、帯域が不足する場合には、識別した素子パッケージが有するVCSELを選択する。また、リンクコントローラ13は、他の素子パッケージが有するVCSELから、計測した時間の累積が少ない順に、残りのVCSELを選択する。このため、リンクコントローラ13は、素子パッケージが有するVCSELよりも多くの光リンクを要する場合にも、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが光信号を送信する時間を平均化することができる。
【0068】
また、発光素子制御部14は、動作していないVCSELについては電源を落とすので、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dの経年劣化を防ぎ、寿命を延ばすことができる。この結果、光送信装置1は、光インタコネクトの信頼性をさらに向上させることができる。
【実施例2】
【0069】
これまで本発明の実施例について説明したが実施例は、上述した実施例以外にも様々な異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0070】
(1)使用リンク決定処理について
上述した光送信装置1は、累積稼働時間が少ないVCSELに対して、電気信号を振り分けた。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。以下、光送信装置1とは異なる処理を実行する光送信装置1aについて説明する。例えば、光送信装置1aは、光送信装置1と同様の機能構成を有する。
【0071】
また、光送信装置1aは、リンクコントローラ13とは異なるアルゴリズムで、電気信号を送信するVCSELを選択するリンクコントローラ13aを有する。例えば、リンクコントローラ13aは、累積稼働時間が所定の閾値よりも少ないVCSELのうち、累積稼働時間が多い順にVCSELを選択する。
【0072】
具体的には、リンクコントローラ13aは、1つの素子パッケージからVCSELを選択する際には、累積稼働時間が少ない順にVCSELを選択する。ここで、リンクコントローラ13aは、1つの素子パッケージから選択可能な数のVCSELでは帯域が不足する場合には、他のVCSELから累積稼働時間が多い順にVCSELを選択してもよい。以下、図5を用いて、リンクコントローラ13aが実行する処理の一例について説明する。
【0073】
図5は、使用リンク決定処理のバリエーションを説明するためのフローチャートである。なお、図5に示す処理のうち、ステップS301〜S308、S310、S311については、図3に示すステップS201〜208、S210、S211と同様の処理を実行するものとして、説明を省略する。
【0074】
図5に示すように、リンクコントローラ13aは、累積稼働時間が少ない順にVCSELを選択し(ステップS306)、さらに帯域が必要であると判別した場合には(ステップS307肯定)、以下の処理を実行する。すなわち、リンクコントローラ13aは、残りのVCSELを累積稼働時間が多い順にソートする(ステップS308)。そして、リンクコントローラ13aは、累積稼働時間が多い順に使用するVCSELを選択する(ステップS309)。
【0075】
このように、リンクコントローラ13aは、ある素子パッケージが有するVCSELだけでは帯域が不足する場合には、以下の処理を実行する。すなわち、リンクコントローラ13aは、他の素子パッケージが有するVCSELであって、累計稼働時間が所定の閾値より少ないVCSELから、累積稼働時間が多い順に、使用するVCSELを選択する。このため、リンクコントローラ13aは、累積稼働時間が長く、故障する確立が高いVCSELを一部の素子パッケージにまとめることができる。この結果、光送信装置1aは、素子パッケージ3、4を交換する際に、まだ使用ができるVCSELが交換されることを防ぐことができる。
【0076】
(2)素子パッケージごとの制御について
上述した光送信装置1、1aは、非使用のVCSELを有する素子パッケージに含まれるVCSELを優先的に使用することで、素子パッケージ3、4の交換時にまだ使用ができるVCSELが交換されることを防いでいた。しかし、実施例は、これに限定されるものではない。例えば、光送信装置1、1aは、複数のVCSEL3a〜3d、4a〜4dを素子パッケージ3、4の態様ではなく、それぞれ独立に交換可能な態様で有する場合には、素子パッケージ3、4を考慮しない処理を実行しても良い。
【0077】
以下、光送信装置1とは異なる処理を実行する光送信装置1b、1cについて説明する。例えば、光送信装置1bは、光送信装置1と同様の機能構成を有する。また、光送信装置1bは、リンクコントローラ13とは異なるアルゴリズムで、電気信号を送信するVCSELを選択するリンクコントローラ13bを有する。例えば、リンクコントローラ13bは、累積稼働時間が所定の閾値よりも少ないVCSELのうち、累積稼働時間が少ない順にVCSELを選択する。そして、リンクコントローラ13bは、選択したVCSELに対して、電気信号を振り分ける。
【0078】
次に、図6を用いて、光送信装置1bが実行する処理の流れについて説明する。図6は、パッケージを考慮しない使用リンク決定処理の流れを説明するための第1のフローチャートである。なお、図6に示す処理は、図3中ステップS104に対応する処理である。すなわち、光送信装置1bは、図3に示す処理と、図6に示す処理とを実行する。
【0079】
例えば、光送信装置1bは、累積時間カウンタ11を参照し、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dを、累積稼働時間が長い順にソートする(ステップS401)。次に、光送信装置1bは、累積稼働時間が所定の閾値以上のVCSELを非使用VCSELとする(ステップS402)。
【0080】
また、光送信装置1bは、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っているかを判別する(ステップS403)。そして、光送信装置1bは、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っていると判別した場合には(ステップS403肯定)、残っているVCSELを累積稼働時間が多い順にソートする(ステップS404)。
【0081】
次に、光送信装置1bは、累積稼働時間が少ない順に使用するVCSELを選択する(ステップS405)。そして、光送信装置1bは、選択しなかった残りのVCSELを非使用のVCSELとし(ステップS406)、処理を終了する。一方、光送信装置1bは、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っていないと判別した場合は(ステップS403否定)、CPU2に帯域不足通知を送信し(ステップS407)、処理を終了する。
【0082】
このように、光送信装置1bは、素子パッケージを考慮せずに、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dから、累積稼働時間が多い順に、使用するVCSELを選択する。このため、光送信装置1bは、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが累積稼働時間を平均化することができる。つまり、光送信装置1bは、光信号を送信するVCSELの経年劣化の度合いをそろえることができる。この結果、光送信装置1bは、光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、例えば、光送信装置1cは、光送信装置1と同様の機能構成を有する。また、光送信装置1bは、リンクコントローラ13とは異なるアルゴリズムで、電気信号を送信するVCSELを選択するリンクコントローラ13cを有する。例えば、リンクコントローラ13cは、累積稼働時間が所定の閾値よりも少ないVCSELのうち、累積稼働時間が多い順にVCSELを選択する。そして、リンクコントローラ13cは、選択したVCSELに対して、電気信号を振り分ける。
【0084】
ここで、図7を用いて、光送信装置1cが実行する処理の流れについて説明する。図7は、パッケージを考慮しない使用リンク決定処理の流れを説明するための第2のフローチャートである。なお、図7に示す各処理のうち、ステップS501〜S504、S506、S507は、図6に示す各処理のうち、ステップS401〜S404、S406、S407と同様の処理であるものとし、以下の説明を省略する。
【0085】
すなわち、光送信装置1cは、図3中ステップS102にて算出した数のVCSELが残っていると判別した場合には(ステップS503肯定)、残っているVCSELを累積稼働時間が多い順にソートする(ステップS504)。そして、光送信装置1cは、残っているVCSELを累積稼働時間が多い順に使用するVCSELを選択する(ステップS505)。その後、光送信装置1cは、選択しなかったVCSELを非使用のVCSELとし(ステップS506)、処理を終了する。
【0086】
このように、光送信装置1cは、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dのうち、累積稼働時間が所定の閾値より少ないVCSELから、累積稼働時間が多い順に使用するVCSELを選択する。このため、光送信装置1cは、光信号を送信するVCSELをまとめることができる。この結果、光送信装置1cは、まだ利用できるVCSELの交換を防ぐとともに、光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。
【0087】
(3)選択するVCSELの数について
上述した各光送信装置1〜1cは、それぞれ送信する情報の伝送量に応じた数のVCSELを選択した。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。例えば、CPU2からHDD6に対して一度に送信される情報の伝送量が、1本の光リンクで送信可能である場合には、累積稼働時間が最も少ないVCSEL、または、累積稼働時間が最も多いVCSELを選択することとしてもよい。
【0088】
例えば、光送信装置1は、情報を送信するのに必要な光リンクの数、すなわち、使用するVCSELの数を判別する処理を実行せずに、累積稼働時間が所定の閾値よりも多いVECSELを有する素子パッケージを判別する。そして、送信装置1は、判別した素子パッケージが有するVECSELのうち、累積稼働時間が最も少ないVECSELを選択することとしてもよい。
【0089】
また、光送信装置1bは、CPU2から情報の電気信号を取得する度に、全てのVECSEL3a〜3b、4a〜4bのうち、累積稼働時間が最も少ないVECSELを選択することとしてもよい。また、光送信装置1cは、CPU2から情報の電気信号を取得する度に、全てのVECSEL3a〜3b、4a〜4bのうち、累積稼働時間が所定の閾値より少ないVCSELのうち、累積稼働時間が最も多いVECSELを選択することとしてもよい。
【0090】
(4)使用するVCSELを選択する処理について
上述した各光送信装置1〜1cは、各VECSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間に応じて、使用するVCSELを選択した。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。例えば、光送信装置1〜1cは、各VECSEL3a〜3d、4a〜4dの累積稼働時間とは別に、直前に光信号を送信したVECSELを記憶する。そして、光送信装置1〜1cは、直前に光信号を送信したVECSELについては、非使用のVECSELとし、残りのVECSELから使用するVECSELを選択することとしてもよい。
【0091】
ここで、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dは、連続して光信号を送信した場合には、温度が上昇するため、光信号を連続して送信しない場合と比較して、早く劣化が進んでしまう。しかし、各光送信装置1〜1cは、直前に光信号を送信したVECSELについて、非使用のVECSELとし、残りのVECSELから使用するVECSELを選択した場合は、各VCSEL3a〜3d、4a〜4dが連続して光信号を送信する事を防ぐ。
【0092】
この結果、各光送信装置1〜1cは、さらに光インタコネクトの信頼性を向上させることができる。また、各光送信装置1〜1cは、サーバ向けのVCSELよりも信頼性が低いコンシューマ向けのVCSELを用いた場合にも、適切に動作することができるので、コストを削減することができる。
【0093】
(5)発光素子について
上述した各光送信装置1〜1cは、光信号を送信する発光素子として、VCSEL3a〜3d、4a〜4dを有していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、半導体レーザー等の技術により、電気信号を光信号に変換する任意の素子を適用することができる。
【0094】
(6)光送信装置の構成について
図1を用いて説明した光送信装置1の機能構成は、あくまで一例であり、同様の処理を実行する他の機能構成を有することとしてもよい。例えば、図1に示す例では、伝送量監視部10は、CPU2と接続切替スイッチ12との間のラインから送信する情報を取得する。しかし、例えば、伝送量監視部10は、CPU2から送信される情報を一度受信し、伝送量を識別した後に、CPU2から受信した情報を接続切替スイッチ12に出力することとしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1〜1c 光送信装置
2 CPU
3、4 素子パッケージ
3a〜3d、4a〜4d VCSEL
5 光受信装置
6 HDD
10 伝送量監視部
11 累積時間カウンタ
12 接続切替スイッチ
13 リンクコントローラ
14 発光素子制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を送信する複数の送信部と、
前記複数の送信部のそれぞれが光信号を送信する時間を計測する計測部と、
前記複数の送信部のうち、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも多い送信部を除いた1又は複数の送信部に、送信対象となる情報の電気信号を振り分ける振分部と、
を有することを特徴とする光送信装置。
【請求項2】
前記振分部は、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも多い送信部を除いた1又は複数の送信部のうち、前記計測部が計測した時間の累積が最も少ない送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
【請求項3】
複数の前記送信部を有する交換可能な送信モジュールを複数有し、
前記振分部は、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値を超えた送信部を有する送信モジュールを識別し、当該識別した送信モジュールが有する送信部のうち、前記計測部が計測した時間の累積が最も少ない送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項1または2に記載の光送信装置。
【請求項4】
前記振分部は、前記情報を送信するために必要な前記送信部の数を判別し、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも多い送信部を除いた1又は複数の送信部から、前記計測部が計測した時間の累積が少ない順に、前記判別した数の送信部を選択し、当該選択した送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項3に記載の光送信装置。
【請求項5】
前記振分部は、前記識別した送信モジュールが、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも少ない送信部を前記判別した数だけ有していない場合は、当該送信部に加えて、他の送信モジュールが有する送信部から、前記計測部が計測した時間の累積が少ない順に、残りの数の送信部を選択し、当該選択した送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
【請求項6】
前記振分部は、前記識別した送信モジュールが、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも少ない送信部を前記判別した数だけ有していない場合は、当該送信部に加えて、他の送信モジュールが有する送信部のうち、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも少ない送信部から、前記計測部が計測した時間の累積が多い順に残りの数の送信部を選択し、当該選択した送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
【請求項7】
前記振分部は、前記計測部が計測した時間の累積が所定の閾値よりも少ない送信部のうち、前記計測部が計測した時間の累積が最も多い送信部に対して、前記電気信号を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
【請求項8】
前記振分部が前記電気信号を振り分けた送信部に対してのみ電源を供給する供給部をさらに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光送信装置。
【請求項9】
電気信号を光信号に変換し、変換後の光信号を送信する複数の送信装置を有する光送信装置が実行する光送信方法において、
前記複数の送信装置のそれぞれが光信号を送信する時間を計測し、
前記複数の送信装置のうち、計測した時間の累積が所定の閾値より多い送信装置を除いた1又は複数の送信部に、送信対象となる情報の電気信号を振り分ける
処理を実行することを特徴とする光送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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