説明

光通信装置および光通信方法

【課題】簡単な構成でブレードの接続検出の信頼性を向上でき、アイセーフティの基準を満たすことができること。
【解決手段】光信号の経路を切り替える光スイッチ103と、第1のブレード110と光スイッチ103との間で光信号を伝送する第1の伝送路102と、第2のブレード120と光スイッチ103との間で光信号を伝送する第2の伝送路102と、光スイッチ103を制御するスイッチ制御部105と、を備える。スイッチ制御部105は、第1のブレード110と光スイッチ103との間の光接続および第2のブレード120と光スイッチ103との間の光接続を確認した後に、光スイッチ103の光信号の経路を切り替えて第1のブレード110と第2のブレード120の光通信をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のブレードが装着され互いに光信号接続する光通信装置および光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トラフィック量の増大に伴い、電気伝送では伝送速度の高速化が限界に近づいてきている。今後、さらなる大容量伝送について、中近距離間の伝送には、光を用いた光インターコネクト技術が用いられるようになる。たとえば、制御プレーンに複数のサーバ(ブレード)を差し込む形で使用するブレードサーバにおいても、多数のブレード間での伝送を電気から光に置き換えるインターコネクトの技術が適用されてきている。
【0003】
ブレード対ブレードが1:1の通信をおこなう場合、通信をおこなわないブレード間も光配線をおこなう必要があるため、制御プレーン上には多くの光配線が実装され、煩雑になる。そのため、ブレードサーバ内(制御プレーン)の光信号経路上に光スイッチを配置し光信号の経路を切り替える技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7452236号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブレードサーバ内での光伝送の適用を考えた場合、数十chと非常に多くの光信号を伝送する。各ブレードが50chの場合、1つのブレードあたり100本の光配線が施される。このため、制御プレーンと光接続するブレードの光コネクタには非常に大きな光パワーが集中する。
【0006】
通常、制御プレーンは、ブレードの装着(接続)を電気的な接続検出によって確認している。しかし、この接続検出に異常が生じると、制御プレーンにブレードが接続されていないにもかかわらず、「接続されている」と誤検出する可能性がある。この場合、制御プレーンの光コネクタからは送信側のブレードから送信された光信号が上述した大きな光パワーを有して外部に露出することになる。そして、この光パワーが1箇所に集約された光コネクタから露出されるとアイセーフティの基準を超えた光パワーになる。
【0007】
仮に、特許文献1のような光経路を切り替える光スイッチを搭載したとしても、ブレードの接続自体を電気的に誤検出すると、光スイッチでは適切な光経路の切り替えをおこなうことができない。
【0008】
このようなブレードの接続の誤検出時の対策として、シャッター等の機能で光の露出を防止することも考えられるが、複雑で部品も増え、コスト高となる。このため、アイセーフティの基準を簡単な構成で満たすことができる安全な接続検出手段の提供が求められていた。
【0009】
開示の技術は、上述した問題点を解消するものであり、簡単な構成でブレードの接続検出の信頼性を向上でき、アイセーフティの基準を満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、光信号の経路を切り替える光スイッチと、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第1の伝送路と、第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第2の伝送路と、前記光スイッチを制御するスイッチ制御部と、を備え、前記スイッチ制御部は、前記第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続および前記第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認した後に、前記光スイッチの光信号の経路を切り替えて前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの光通信をおこなう。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、簡単な構成でブレードの接続検出の信頼性を向上でき、アイセーフティの基準を満たすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施の形態2にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態2にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。
【図5−1】図5−1は、実施の形態2に用いた光スイッチの具体的な構成例を示す図である(その1)。
【図5−2】図5−2は、実施の形態2に用いた光スイッチの具体的な構成例を示す図である(その2)。
【図6】図6は、実施の形態3にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態3にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
開示の光通信装置は、光インターコネクトを適用したブレードサーバ等に適用でき、ブレードサーバの制御プレーン(ミッドプレーン)には、光信号を送受信する一対のブレードが光コネクタを介して接続される。そして、制御プレーンは、ブレードとの間の光信号の接続が確認できるまでの間は、光信号を相手先のブレードに到達しないよう経路を切り替える。そして、ブレードの接続が確認できれば、光信号を相手先のブレードに到達するよう切り替える。これにより、通信の相手先のブレードが制御プレーンの光コネクタに対し未接続のときに、制御プレーン上で表出した光コネクタ部分から外部に高出力の光信号が漏れることを防止する。
【0015】
(実施の形態1)
(ブレードサーバの全体構成)
図1は、実施の形態1にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。ブレードサーバ100は、制御プレーン(ミッドプレーン)101と、制御プレーン101に接続される通信ユニットとしてのブレード110,120と、を含む。制御プレーン101には、複数のブレード110,120が接続され、相互に光信号を送受信する。以下の説明では、具体例として、第1の通信ユニット(ブレード)110と、第2の通信ユニット(ブレード)120との間での光接続の確認について説明する。
【0016】
制御プレーン101は、基板上に複数の光信号の伝送路102が形成されており、この伝送路102は、1つのブレード110と、相手側のブレード120との間で光信号を送受信するために送信用と受信用の経路を有する。図1の例では、送信用と受信用の経路を1対で設けている。
【0017】
制御プレーン101には、1対の伝送路102を単位としてブレード110,120との間で光信号を接続するコネクタ130,140が設けられる。図示の例では、2つのブレード110,120としたが、多数のコネクタを介して他の多数のブレード(A1〜An,B1〜Bn)が接続される。コネクタ130,140は、光信号を接続するだけに限らず、このコネクタ130,140に対するブレード110,120の接続を電気的に検出するための信号用配線が設けられている。また、コネクタ130,140は、制御プレーン101に接続したブレード110,120を保持する機能を有してもよい。
【0018】
図1の例では、制御プレーン101上の伝送路102の一方の端部のコネクタ130には、光入力ポート107aと、光出力ポート107bが設けられる。このコネクタ130に対応して、ブレード110には、光入力ポート111aと、光出力ポート111bが設けられている。同様に、制御プレーン101上の伝送路102の他方の端部のコネクタ140には、光入力ポート108aと、光出力ポート108bが設けられる。このコネクタ140に対応して、ブレード120には、光入力ポート121aと、光出力ポート121bが設けられている。
【0019】
また、制御プレーン101上の伝送路102の途中位置には、光信号の経路を切り替える光スイッチ(SW)103が設けられている。図1に示すように、光SW103は、全てのブレード110,120に接続される伝送路102の途中位置に設けられている。この光SW103により、任意の経路で光信号を切り替えることができる。接続確認時におけるブレード110と光スイッチ103との間の伝送路120を第1の伝送路、ブレード120と光スイッチとの間の伝送路120を第2の伝送路と呼ぶ。
【0020】
また、図1では、1つの伝送路102をチャネルLとして記載したが、実際には、チャネルLあたり複数本n(たとえば50本)の光経路を有する。
【0021】
そして、この制御プレーン101には、光SW103の経路切り替え等を制御する制御部104が設けられる。制御部104は、スイッチ(SW)制御部105と、接続検出部106と、を含む。SW制御部105は、ブレード110,120が制御プレーン101にコネクタ接続を契機として、光SW103の経路をブレード110,120の接続確認のための経路に切り替える。
【0022】
制御部104は、たとえば、CPU、ROM、RAM等を含むコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成することができる。制御部104は、プログラムの実行により、ブレード110,120の装着時の接続確認の処理として、後述する、光SW103の経路切り替え、ブレード110,120からの光信号の出力制御、ブレード110,120から出力された光信号の検出に基づく接続確認の判断処理等、をおこなう。
【0023】
また、SW制御部105は、ブレード110,120の光信号の接続が確認できるまでの間は、光SW103による光信号の経路が、光信号を相手先(すなわち、ブレード110,120の光入力ポート111a、121a)に対して出力しない経路となるよう切り替え(図1の例では光信号を戻す経路R1,R2)、この切り替え状態を保持する。経路R1は、第1の伝送路側だけを用いる。経路R2は、第2の伝送路側だけを用いる。
【0024】
そして、SW制御部105は、ブレード110,120の光信号の接続が確認できれば、光SW103による光信号を相手先(すなわち、ブレード110,120の光入力ポート111a、121a)に出力する経路に切り替える。
【0025】
実施の形態1では、SW制御部105は、制御プレーン101に対するブレード110,120の接続検出について、1.接続検出部106による電気的検出と、2.電気的検出が確認された後に光信号を用いた光検出、の2段階でおこなっている。なお、光検出時には、最低限のチャネル(たとえば1チャネル)だけを用いるため、アイセーフティの基準を満たすことができ安全に接続検出できるようになっている。
【0026】
接続検出部106による電気的検出は、既存の技術を用いることができる。たとえば、接続検出部106からブレード110,120に対して、接続確認信号を送信し、この接続確認信号がブレード110,120を介してループバックされ、接続検出部106に再度入力されれば、接続されていると判断する。ループバックが検出されなければ、接続されていないと判断する。接続検出部106は接続確認信号の送出および帰還させる構成とし、接続の有無の判断は、SW制御部105がおこなう構成にもできる。
【0027】
ブレード110,120は、それぞれ光入力ポート111a,121aにはPD等の光検出部112,122が設けられて光信号の入力を検出し、光出力ポート111b,121bにはLED等の発光素子113,123が設けられて光信号を出力する。
【0028】
ブレード110の光検出部112により検出された光信号は、制御部114に出力される。ブレード120の光検出部122により検出された光信号は、制御部124に出力される。これら制御部114,124は、制御プレーン101のSW制御部105の制御(電気接続を介した制御信号)に基づき、上述した接続確認の2.光検出時に、発光素子113,123に対する発光制御をおこなうとともに、光検出部112,122による光信号の検出の有無の結果を制御プレーン101のSW制御部105に出力する。
【0029】
(実施の形態1による接続検出処理)
図2は、実施の形態1にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。図1に示した制御プレーン101にブレードA1(110)と、ブレードBn(120)が接続された場合における、これらブレードA1(110)と、ブレードBn(120)の接続検出処理を例に説明する。
【0030】
ユーザにより、ブレードサーバ100の制御プレーン101にブレードA1(110)と、ブレードBn(120)を装着した後、ユーザはブレードサーバ100の外部コントローラから接続検出のための開始信号を操作入力する。制御プレーン101は、開始信号を受けると、接続検出処理を開始する。
【0031】
はじめに、SW制御部105は、第1段階の接続確認として、接続検出部106によりブレードA1(110)と、ブレードBn(120)のコネクタ接続を電気的に検出する。具体的には、接続検出部106からブレードA1(110)に対して接続確認信号を送信し(ステップS201)、この送信した接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS202)。同様に、SW制御部105は、接続検出部106からブレードBn(120)に対して接続確認信号を送信し(ステップS203)、この送信した接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS204)。ステップS202,ステップS204における検出の判断は、接続確認信号の帰還を受ける接続検出部106あるいはSW制御部105がおこなう。
【0032】
そして、ステップS202,およびステップS204のいずれにおいても接続確認信号を検出できれば(ステップS202:Yes、およびステップS204:Yes)、SW制御部105は、第2段階の接続確認の処理を開始するが(ステップS205)、いずれか一方で接続確認信号を検出できなければ(ステップS202:No、あるいはステップS204:No)、第2段階の接続確認の処理を開始しない(それぞれステップS201,ステップS203に戻る)。これにより、コネクタ接続を電気的に検出できない状態では、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)から光信号を出力することを禁止できる。
【0033】
第2段階の接続確認の処理において、SW制御部105は、ブレードA1(110)、ブレードBn(120)に対し、光接続確認開始信号を出力する。また、SW制御部105は、光SW103に対し、光接続確認信号を送信したブレードにこの光接続確認信号を戻す経路に切り替える(図1の経路R1,R2)(ステップS210)。
【0034】
そして、ブレードA1(110),Bn(120)は、光接続確認開始信号を受けて、発光素子113,123から光接続信号を送信する。ブレードA1(110)は、発光素子113から光接続確認信号を送信し(ステップS206)、光SW103の経路R1により、ブレードA1(110)の光検出部112で光接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS207)。同様に、ブレードBn(120)は、発光素子123から光接続確認信号を送信し(ステップS208)、光SW103の経路R2により、ブレードBn(120)の光検出部122で光接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS209)。これらブレードA1(110)の光検出部112、およびブレードBn(120)の光検出部122による光接続確認信号の検出の有無は、光あるいは電気を介した制御信号を介してSW制御部105が判断する。
【0035】
上記処理において、ブレードA1(110),Bn(120)は、複数のLチャネル分の送受信部を有しているが、光接続確認信号をLチャネル全てから送信する必要はなく、最低1チャネルを用いて接続確認できる。これにより、光パワーを最低限にでき、アイセーフティの基準を満たすことができる。
【0036】
そして、ステップS207、およびステップS209のいずれにおいても光接続確認信号を検出できれば(ステップS207:Yes、およびステップS209:Yes)、SW制御部105は、ブレードA1(110),Bn(120)に対して通信開始信号を送信する(ステップS211)。ステップS207、およびステップS209における光接続確認信号の検出の順番はいずれでも構わない。
【0037】
しかし、ステップS207、ステップS209のいずれか一方で光接続確認信号を検出できなければ(ステップS207:No、あるいはステップS209:No)、SW制御部105は、通信開始信号の送信をおこなわない。これにより、光接続確認を検出できない状態では、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)から光信号を出力することを禁止できる。たとえば、ブレードA1(110)から見て、通信する相手先のブレードBn(120)の装着(光信号の接続)が確認できるまでの間は、光信号を相手先のブレードBn(120)に到達しないようにできる。
【0038】
SW制御部105は、通信開始信号の送信により(ステップS211)、光SW103に対し、ブレードA1(110)とブレードBn(120)とを接続する経路に戻す制御をおこなう(ステップS212)。そして、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)は、それぞれ通信信号を送信し(ステップS213、ステップS214)、相互の通信を開始する。
【0039】
以上説明した実施の形態1によれば、制御プレーン101に対するブレードA1(110)と、ブレードBn(120)の接続の確認を2段階でおこない、第1段階の電気的接続確認によりコネクタ接続を電気的に検出して、この第1段階の電気的な接続確認をおこなった後に、第2段階の光接続確認をおこなう構成としたので、接続確認の信頼性を向上できる。これにより、制御プレーン101に対して、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)が接続されていない状態で制御プレーン101の光入力ポート107a,121aから光が漏れることを防止できる。
【0040】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。図3に示す構成において、図1と同様の構成部には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2では、光SW103の特定のポート(第3の伝送路)を介して光接続確認用ポート103a,103nを設けた構成である。光接続確認用ポート103a,103nには、それぞれ光検出部301a,301bを設ける。
【0041】
そして、SW制御部105は、ブレード110,120の光信号の接続が確認できるまでの間は、光SW103による光信号の経路が、光信号を相手先(すなわち、ブレード110,120の光入力ポート111a、121a)に対して出力せず、光検出部301a,301bに入力させる経路R3,R4に切り替え、この切り替え状態を保持する。経路R3は、第2の伝送路側の光を第1の伝送路側に出力せず、光検出部301bに出力する。経路R4は、第1の伝送路側の光を第2の伝送路側に出力せず、光検出部301aに出力する。
【0042】
図4は、実施の形態2にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。図4に示す処理における、第1段階の接続確認の処理は、図2に示したステップS201〜ステップS204と同一の処理である。
【0043】
ユーザにより、ブレードサーバ100の制御プレーン101にブレードA1(110)と、ブレードBn(120)を装着した後、ユーザはブレードサーバ100の外部コントローラから接続検出のための開始信号を操作入力する。制御プレーン101は、開始信号を受けると、接続検出処理を開始する。
【0044】
はじめに、SW制御部105は、第1段階の接続確認として、接続検出部106によりブレードA1(110)と、ブレードBn(120)のコネクタ接続を電気的に検出する。具体的には、接続検出部106からブレードA1(110)に対して接続確認信号を送信し(ステップS401)、この送信した接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS402)。同様に、接続検出部106からブレードBn(120)に対して接続確認信号を送信し(ステップS403)、この送信した接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS404)。ステップS402、ステップS404における検出の判断は、接続確認信号の帰還を受ける接続検出部106あるいはSW制御部105がおこなう。
【0045】
そして、ステップS402、およびステップS404のいずれにおいても接続確認信号を検出できれば(ステップS402:Yes、およびステップS404:Yes)、SW制御部105は、第2段階の接続確認の処理を開始するが(ステップS405)、いずれか一方で接続確認信号を検出できなければ(ステップS402:No、あるいはステップS404:No)、SW制御部105は、第2段階の接続確認の処理を開始しない(それぞれステップS401、ステップS403に戻る)。これにより、コネクタ接続を電気的に検出できない状態では、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)から光信号を出力することを禁止できる。
【0046】
第2段階の接続確認の処理において、SW制御部105は、ブレードA1(110)、ブレードBn(120)に対し、光接続確認開始信号を出力する。また、SW制御部105は、光SW103に対し、光検出部301a,301bに入力させる経路R4,R3に切り替える(ステップS410)。
【0047】
そして、ブレードA1(110),Bn(120)は、光接続確認開始信号を受けて、発光素子113,123から光接続確認信号を送信する。ブレードA1(110)は、発光素子113から光接続確認信号を送信し(ステップS406)、光SW103の経路R4により、光検出部301aで光接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS407)。同様に、ブレードBn(120)は、発光素子123から光接続確認信号を送信し(ステップS408)、光SW103の経路R3により、光検出部301bで光接続確認信号を検出できたか判断する(ステップS409)。これら光検出部301a,301bにおける光接続確認信号の検出の有無は、SW制御部105が判断する。
【0048】
上記処理において、ブレードA1(110),Bn(120)は、複数のLチャネル分の送受信部を有しているが、光接続確認信号をLチャネル全てから送信する必要はなく、最低1チャネルを用いて光接続確認できる。これにより、光パワーを最低限にでき、アイセーフティの基準を満たすことができる。
【0049】
そして、ステップS207、およびステップS209のいずれにおいても光接続確認信号を検出できれば(ステップS407:Yes、およびステップS409:Yes)、SW制御部105は、ブレードA1(110),Bn(120)に対して通信開始信号を送信する(ステップS411)。ステップS407、およびステップS409における光接続確認信号の検出の順番はいずれでも構わない。
【0050】
しかし、ステップS407、ステップS409のいずれか一方で光接続確認信号を検出できなければ(ステップS407:No、あるいはステップS409:No)、SW制御部105は、通信開始信号の送信をおこなわない。これにより、光接続確認を検出できない状態では、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)から光信号を出力することを禁止できる。たとえば、ブレードA1(110)から見て、通信する相手先のブレードBn(120)の装着(光信号の接続)が確認できるまでの間は、光信号を相手先のブレードBn(120)に到達しないようにできる。
【0051】
SW制御部105は、通信開始信号の送信により、光SW103に対し、ブレードA1(110)とブレードBn(120)とを接続する経路に戻す制御をおこなう(ステップS412)。そして、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)は、それぞれ通信信号を送信し(ステップS413、ステップS414)、相互の通信を開始する。
【0052】
以上説明した実施の形態2によれば、制御プレーン101に対するブレードA1(110)と、ブレードBn(120)の接続の確認を2段階でおこない、第1段階の電気的接続確認によりコネクタ接続を電気的に検出して、この第1段階の電気的な接続確認をおこなった後に、第2段階の光接続確認をおこなう構成としたので、接続確認の信頼性を向上できる。これにより、制御プレーン101に対して、ブレードA1(110)と、ブレードBn(120)が接続されていない状態で制御プレーン101の光入力ポート107a,121aから光が漏れることを防止できる。また、第2段階での光接続の確認は、制御プレーン101上に設けた光検出部301a,301bによりおこなうため、接続するブレードの数が多くなっても、最小個数(図3の例では2個)の光検出部301a,301bを用いて光接続を確認できるようになる。
【0053】
(光スイッチの構成例について)
図5−1および図5−2は、実施の形態2に用いた光スイッチの具体的な構成例を示す図である。図5−1に示す構成例では、光SW103により経路切り替えしたLチャネル(n本)の光信号を1つの光検出部301aで検出するために、光SW103から出力されたLチャネルの光信号を光検出部301aに結合させるための光カプラ等の光結合器501を用いる。
【0054】
図5−2に示す構成例では、光SW103から出力されたLチャネルの光信号を光検出部301aに集光させるために集光レンズ502を用いる。これら図5−1、および図5−2に示す構成例では、光検出部301a部分の適用例を示したが、光検出部301bにおいても同様の構成を適用できる。これら、図5−1および図5−2に示す構成においては、チャネル数もしくはそれ以下の数の光信号を検出することとしてもよい。
【0055】
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3にかかるブレードサーバの全体構成を示す図である。図6に示す実施の形態では、実施の形態2の構成(図3)から電気的な接続検出部106を省いた構成である。図6において、図3と同一の構成部には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態3では、制御プレーン101に対するブレード110,120の接続確認を光信号だけを用いて確認する構成である。
【0056】
図7は、実施の形態3にかかるブレードの接続検出の処理内容を示すフローチャートである。この図7では、複数のブレードA1〜Anと、ブレードB1〜Bnに対する接続確認をおこなう処理を記載してある。
【0057】
以下、ブレードA側の処理(ステップS701〜ステップS706)と、ブレードB側の処理(ステップS707〜ステップS712)は、送受信で対応する1対のブレードA(A1〜An)と、ブレードB(B1〜Bn)について、1対ずつ同時に複数対n分を並行処理する。
【0058】
ユーザにより、ブレードサーバ100の制御プレーン101にブレードA(110)と、ブレードB(120)を装着した後、ユーザはブレードサーバ100の外部コントローラから接続検出のための開始信号を操作入力する。制御プレーン101は、開始信号を受けると、接続検出処理を開始する。実施の形態3では、光信号を用いた接続確認をおこなう。はじめに、SW制御部105は、ブレードA,Bに対して光接続確認開始信号を送信する。
【0059】
以下、便宜上、ブレードA(110)側の処理から説明する。SW制御部105は、ブレードA(110)が出力する光信号を光検出部301aに出力する経路R4に切り替える(ステップS701)。そして、ブレードA(110)は、光接続確認開始信号を受けて、発光素子113から光接続確認信号を送信する(ステップS702)。そして、SW制御部105は、この光接続確認信号が光検出部301aにより検出できたか判断する(ステップS703)。
【0060】
上記処理において、ブレードA(110)は、複数のLチャネル分の送受信部を有しているが、光接続確認信号をLチャネル全てから送信する必要はなく、最低1チャネルを用いて接続確認できる。これにより、光パワーを最低限にでき、アイセーフティの基準を満たすことができる。
【0061】
そして、ステップS703において光接続確認信号を検出できれば(ステップS703:Yes)、SW制御部105は、ブレードA(110)の接続が接続されたと確認し(ステップS704)、光接続確認信号を検出できなければ(ステップS703:No)、SW制御部105は、ブレードA(110)の接続が未接続であると確認する(ステップS705)。
【0062】
以上の処理は1つのブレードA(A1)に対する接続確認処理である。そのため、次のブレードA(A2)以降、最終のブレードAnまで処理を繰り返す。このため、最終のブレードAnに対する処理が終了するまでステップS701以下の処理を繰り返しおこない(ステップS706:No)、最終のブレードAnに対する処理が終了すると(ステップS706:Yes)、ステップS713に移行する。
【0063】
次に、ブレードB(120)側の処理を説明する。ブレードB側についても、ブレードA側の処理と同様である。SW制御部105は、ブレードB(120)が出力する光信号を光検出部301bに出力する経路R3に切り替える(ステップS707)。そして、ブレードB(120)は、光接続確認開始信号を受けて、発光素子123から光接続確認信号を送信する(ステップS708)。そして、SW制御部105は、この光接続確認信号が光検出部301bにより検出できたか判断する(ステップS709)。
【0064】
上記処理において、ブレードB(120)は、複数のLチャネル分の送受信部を有しているが、光接続確認信号をLチャネル全てから送信する必要はなく、最低1チャネルを用いて接続確認できる。これにより、光パワーを最低限にでき、アイセーフティの基準を満たすことができる。
【0065】
そして、ステップS709において光接続確認信号を検出できれば(ステップS709:Yes)、SW制御部105は、ブレードB(120)の接続が接続されたと確認し(ステップS710)、光接続確認信号を検出できなければ(ステップS709:No)、SW制御部105は、ブレードB(120)の接続が未接続であると確認する(ステップS711)。
【0066】
以上の処理は1つのブレードB(B1)に対する接続確認処理である。そのため、次のブレードB(B2)以降、最終のブレードBnまで処理を繰り返す。このため、最終のブレードBnに対する処理が終了するまでステップS707以下の処理を繰り返しおこない(ステップS712:No)、最終のブレードBnに対する処理が終了すると(ステップS712:Yes)、ステップS713に移行する。たとえば、ブレードA1(110)から見て、通信する相手先のブレードBn(120)の装着(光信号の接続)が確認できるまでの間は、光信号を相手先のブレードBn(120)に到達しないようにできる。
【0067】
上記処理により、制御プレーン101上のブレードA1〜An,ブレードB1〜Bnに対する接続確認がおこなわれた後、SW制御部105は、通信開始信号の送信により(ステップS713)、光SW103に対し、ブレードA(110)とブレードB(120)とを互いに対応するブレード間で接続する経路に戻す制御をおこなう(ステップS716)。そして、対応するブレードA(110)と、ブレードB(120)は、それぞれ通信信号を送信し(ステップS714、ステップS715)、相互の通信を開始する。
【0068】
上述した実施の形態3によれば、制御プレーン101に対するブレードA1(110)と、ブレードBn(120)の接続の確認を光信号を用いた接続確認だけでおこなう構成としたので、ブレードの接続を電気的に接続確認する必要がなく、光信号を用いて簡単にブレードの接続を検出できるようになる。
【0069】
以上説明した各実施の形態によれば、制御プレーンに対するブレードの接続について、光信号を用いて接続確認する構成としたため、ブレードの接続の誤検出を防止することができ、接続確認の信頼性を高めることができる。
【0070】
なお、本実施の形態で説明した光通信方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0071】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0072】
(付記1)光信号の経路を切り替える光スイッチと、
第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第1の伝送路と、
第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第2の伝送路と、
前記光スイッチを制御するスイッチ制御部と、を備え、
前記スイッチ制御部は、前記第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続および前記第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認した後に、前記光スイッチの光信号の経路を切り替えて前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの光通信をおこなうことを特徴とする光通信装置。
【0073】
(付記2)前記光スイッチ制御部は、前記第1の通信ユニットからの光信号を前記第1の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、前記第2の通信ユニットからの光信号を前記第2の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
【0074】
(付記3)光スイッチと第3の伝送路で接続され、光信号を検出する光検出部を更に備え、
前記光スイッチ制御部は、前記第1および第2の通信ユニットからの光信号を前記光検出部に接続することで、第1および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
【0075】
(付記4)前記第1および第2の通信ユニットとの接続を電気的に検出する接続検出部を更に備え、
前記スイッチ制御部は、前記接続検出部による前記第1および第2の通信ユニットとの接続が検出された後に、前記第1および第2の通信ユニットに対し、前記光信号を出力させることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の光通信装置。
【0076】
(付記5)前記第1および第2の通信ユニットは、それぞれ光信号を検出する光検出部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記光検出部の検出結果に基づき、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を判断することを特徴とする付記2に記載の光通信装置。
【0077】
(付記6)前記光スイッチと、前記光検出部との間には、チャネル数もしくはそれ以下の数の光信号を前記光検出部で検出するための光結合器を備えたことを特徴とする付記3または4に記載の光通信装置。
【0078】
(付記7)前記光スイッチと、前記光検出部との間には、チャネル数もしくはそれ以下の数の光信号を前記光検出部に集光させるための集光レンズを備えたことを特徴とする付記3または4に記載の光通信装置。
【0079】
(付記8)前記スイッチ制御部は、
前記通信ユニットに対し、光接続を確認する際の前記光信号の出力を最小のチャネル数でおこなうよう制御することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の光通信装置。
【0080】
(付記9)第1の通信ユニットと光スイッチとの間の光接続および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、
前記光スイッチの光信号の経路を切り替えて前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの光通信をおこなうことを特徴とする光通信方法。
【0081】
(付記10)前記第1の通信ユニットからの光信号を前記第1の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、前記第2の通信ユニットからの光信号を前記第2の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする付記9に記載の光通信方法。
【0082】
(付記11)前記第1および第2の通信ユニットからの光信号を光検出部に接続することで、第1および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする付記9に記載の光通信方法。
【符号の説明】
【0083】
100 ブレードサーバ
101 制御プレーン
102 伝送路
103 光スイッチ
103a,103n 光接続確認用ポート
104 制御部
105 スイッチ制御部
106 接続検出部
107a,121a 光入力ポート
107b 光出力ポート
108a 光入力ポート
108b 光出力ポート
110,120 ブレード
111a,121a 光入力ポート
111b,121b 光出力ポート
112,122 光検出部
113,123 発光素子
114,124 制御部
130,140 コネクタ
301a,301b 光検出部
501 光結合器
502 集光レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の経路を切り替える光スイッチと、
第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第1の伝送路と、
第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間で光信号を伝送する第2の伝送路と、
前記光スイッチを制御するスイッチ制御部と、を備え、
前記スイッチ制御部は、前記第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続および前記第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認した後に、前記光スイッチの光信号の経路を切り替えて前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの光通信をおこなうことを特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記光スイッチ制御部は、前記第1の通信ユニットからの光信号を前記第1の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、前記第2の通信ユニットからの光信号を前記第2の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
光スイッチと第3の伝送路で接続され、光信号を検出する光検出部を更に備え、
前記光スイッチ制御部は、前記第1および第2の通信ユニットからの光信号を前記光検出部に接続することで、第1および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
【請求項4】
前記第1および第2の通信ユニットとの接続を電気的に検出する接続検出部を更に備え、
前記スイッチ制御部は、前記接続検出部による前記第1および第2の通信ユニットとの接続が検出された後に、前記第1および第2の通信ユニットに対し、前記光信号を出力させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光通信装置。
【請求項5】
前記第1および第2の通信ユニットは、それぞれ光信号を検出する光検出部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記光検出部の検出結果に基づき、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を判断することを特徴とする請求項2に記載の光通信装置。
【請求項6】
第1の通信ユニットと光スイッチとの間の光接続および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、
前記光スイッチの光信号の経路を切り替えて前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの光通信をおこなうことを特徴とする光通信方法。
【請求項7】
前記第1の通信ユニットからの光信号を前記第1の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第1の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認し、前記第2の通信ユニットからの光信号を前記第2の通信ユニットに戻す経路に接続することで、第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする請求項6に記載の光通信方法。
【請求項8】
前記第1および第2の通信ユニットからの光信号を光検出部に接続することで、第1および第2の通信ユニットと前記光スイッチとの間の光接続を確認することを特徴とする請求項6に記載の光通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−205155(P2012−205155A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68987(P2011−68987)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】