説明

光造形物の製造方法

【課題】レーザ光を用いて焼結した金属粉末の焼結層を複数積層一体化して作製される反りの小さな光造形物の製造方法を提供する。
【解決手段】金属板20の上に被覆された金属粉末2の所定箇所にレーザ光Lを照射して焼結させて焼結層を形成する工程を繰り返すことで、複数の焼結層が積層一体化された焼結体13を有する光造形物を作製する際に、前記焼結層を加熱し残留応力を除去して反りを小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を用いて焼結した成形材料の焼結層を複数積層一体化して作製される光造形物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光造形物の製造方法は、金属粉末の層にレーザ光を照射して焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に金属粉末の層を被覆すると共にこの金属粉末にレーザ光を照射して焼結させることによって下の焼結層と一体になった焼結体を形成し、更にこれらの工程を繰り返すことで複数の焼結層が積層一体化された焼結体を作製するものである。例えば、下記の特許文献1,特許文献2を参照。
【0003】
図15は、特許文献2に記載された従来の光造形物の製造方法における工程の模式図である。
まず、図15(a)に示すように昇降テーブル1の上に金属粉末2をスキージー3で所定の厚みに被覆する。昇降テーブル1は基準テーブル4の側面に沿って昇降するものであり、スキージー3は基準テーブル4の上面と同じレベルで水平方向に往復運動するようにしてある。従って、昇降テーブル1の上面と基準テーブル4の上面との間のΔtの段差に相当する厚みで金属粉末2の層を昇降テーブル1の上に形成することができる。
【0004】
この後、図15(b)に示すように、集光レンズ5で集光したレーザ光Lを走査して、金属粉末2の層の必要な部分にのみにレーザ光Lを照射することによって焼結して焼結層6aとする。次に、昇降テーブル1を、レーザ光Lを照射した部分の金属粉末2の層Δtの寸法で下降させ、図15(c)に示すように、焼結層6aの上にスキージー3によって金属粉末2を供給し、次いで図15(d)に示すように、この金属粉末2の層の必要な部分にのみレーザ光Lを照射して焼結し、焼結層6aの上に焼結層6bを一体に積層させる。
【0005】
そして、この操作を必要な層数だけ繰り返すことによって、図15(e)に示すように所定数の焼結層6a〜6fを積層して一体化し、これを取り出すと、図16に示すような複数の焼結層6a〜6fからなる光造形物Aを作製することができる。
【0006】
しかし、この方法では、積層された焼結体の端面は階段状に段差を有して形成され、また不要な金属粉末の付着もあるため、機械的手段、熱的手段や化学的手段によって表面を滑らかに形成することができる表面仕上げ方法も提供されている。
【特許文献1】特許第2620353号
【特許文献2】特開2000−73108号公報(第2頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、焼結時の急熱・急冷による熱収縮に起因した残留応力によって反りが発生する。また、焼結体内部にクラックが発生し、割れの原因ともなる。反りの大きさは焼結条件や焼結体の形状によって変化し、一般には強固な焼結状態を得るために高い強度のレーザ光を照射する条件や、面積や厚さの大きな焼結体を作製する場合に、反りは大きくなる。反り量は例えば0.1mm以上に大きくなると、焼結層上に新しく金属粉末の被覆層を形成しても、厚さが不均一になり、全体を良好に焼結できなくなる。また、形成した焼結体の表面を滑らかにする機械加工などを行う際に、加工具の刃先が加工不要な箇所と干渉するため加工できなくなる。この反りの原因となる残留応力を抑制するために、焼結体の表面部の焼結密度を高くし内部の密度は小さくするなど焼結方法の工夫をしたり、焼結体の底部となる金属板に対する加熱が行われている(例えば、東喜万,阿部諭,峠山裕彦,吉田徳雄,不破勲 著;松下電工技報,2002年8月,第62頁を参照)。しかし、前述した焼結方法の工夫では焼結体の強度を確保には、低焼結密度領域の比率を大きくするには限界がある。また焼結体の加熱を金属板から行っているが、焼結体は金属粉末に埋没しているので、この方法では金属板の周辺も温度上昇するため、あまり高温に設定できない。また底部側からの熱伝導であるため、焼結体が厚くなるほど上面側の到達温度が低くなり、残留応力が除去されにくくなるという課題を有している。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、反りの小さな光造形物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の光造形物の製造方法は、成形材料の層の所定箇所にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させて焼結層を形成し、さらに前記焼結層の上に成形材料の層を被覆すると共にこの成形材料の所定箇所にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させて下の焼結層と一体になった焼結体を形成し、これらの工程を繰り返すことで複数の焼結層が積層一体化された焼結体を有する光造形物を作製するに際し、形成した焼結層を加熱し残留応力を除去するものである。
【発明の効果】
【0010】
この構成によると、焼結状態が強固な状態であったり、面積や厚さの大きな焼結体を有する光造形物でも、小さな反りで作製できるだけでなく、焼結層そのものを加熱するので装置全体が受ける熱負荷を小さくすることができる。
【0011】
本発明の光造形物の製造方法によれば、形成した焼結層を加熱することによって、残留応力を除去することができ、反りの小さな光造形物を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の光造形物の製造方法を、具体的な各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図6は本発明の(実施の形態1)を示す。
【0013】
図1は光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置を示す。
なお、図15と同じ構成要素については同じ符号を付けてその説明を省略する。
図1は、昇降テーブル1に取り付けられたベース板としての金属板20の上に、図2に示す形状の焼結体13の金型Aを、光造形で形成する光造形物製造装置である。
【0014】
昇降テーブル1は、昇降機構11bによって基準テーブル4の開口4aに向かって昇降駆動される。基準テーブル4には開口4aに隣接して開口4bが設けられており、昇降テーブル12は昇降機構11aによって開口4bに向かって昇降駆動される。
【0015】
昇降テーブル12の上には、成形材料である金属粉末2が充填されており、昇降機構11aによって昇降テーブル12を所定の高さに持ち上げることによって、開口4bから基準テーブル4の上面に適量の金属粉末2が押し出される。
【0016】
基準テーブル4の上面に押し出された適量の金属粉末2は、基準テーブル4の開口4bから開口4aに向かって移動するスキージー3によって掻き取って移送する。
基準テーブル4の開口4aから金属粉末2の供給を受ける側の昇降テーブル1は、基準テーブル4の上面よりも焼結層の1層の厚み分として50μmだけ下がった位置で停止しており、基準テーブル4の開口4bの上面より上に出た金属粉末2が、スキージー3の右側への移動によって基準テーブル4の上面に一致するように昇降テーブル1の上に供給される。
【0017】
金属粉末2は、鉄系のクロムモリブデン鋼とニッケルの2種類の粒子から成り、平均粒径は約30μmである。昇降テーブル1は、内部に設置された加熱機構18により120℃まで昇温されている。これ以上の加熱では、装置の構成部材の熱膨張により動作や精度に不具合が発生したり、安全面で好ましくない。なお、加熱機構18は無くても良いが、反りの発生は大きくなる。
【0018】
このようにして昇降テーブル1の上に供給された金属粉末2のうちで、さらに、金属板20の上に位置している金属粉末2の層うちの、必要な部分にのみレーザ光Lを照射して焼結し、焼結層を形成する。レーザ光Lは、炭酸ガスレーザ発振器14から出射したパルス発振のレーザ光15を、コリメータ16によってビーム径などが調整され、さらにガルバノ走査装置17および集光レンズ5によって所定の場所に誘導して照射され、金属粉末2を焼結させる。
【0019】
金属粉末2が焼結体13の最表面に被覆された状態を、図3に拡大した模式図として示す。金属板20の上に厚さ50μmの焼結層21が1層形成され、その上に金属粉末2の構成粒子であるクロムモリブデン鋼粒子22とニッケル粒子23が被覆されている。被覆の厚さが50μmで、粒子の平均粒径は30μmなので、粒子はおよそ2個ずつ並んでいる。これにレーザ光Lを照射して焼結し、焼結層を形成する。
【0020】
そして、この操作を必要な層数だけ繰り返すことによって、所定数の焼結層を積層一体化し、これを取り出すと、図2に示すような金型Aを作製することができる。
金型Aの焼結状態は、図4に示すように、高焼結密度層24、中焼結密度層25、低焼結密度層26の3層で形成されている。強固な外形を得るために表面は高焼結密度層24とし、内部には形状が維持できる程度の強度で反りを小さくするために中焼結密度層25と低焼結密度層26の多層が形成されるように、焼結時にレーザの照射条件を変えて、上記の3つの異なる焼結密度の領域を焼結体13内に形成し、反りの発生をできるだけ小さくした。
【0021】
焼結状態に影響するレーザ照射条件の因子には、レーザ光パルスの照射エネルギーとスポット径から決まるエネルギー密度、パルス幅と、走査速度と発振周波数から決まるオーバーラッピング率がある。本実施の形態では、ビームスポット径0.5mm、パルス幅3.0ms、走査速度18mm/s、発振周波数90Hzとし、加工点のエネルギー密度が9J/mmで焼結密度99%、2J/mmで焼結密度96%、0.9J/mmで焼結密度92%がそれぞれ得られた。焼結層21の形成を繰り返して積層することで焼結体13が作製されるが、各レーザ照射条件では、焼結層21がその下の焼結層と接合されていることが必要である。
【0022】
このようにして積層が終了した焼結体13に対して、次に図5に示すように、積層が終了した焼結体13をハロゲンランプなどの加熱ランプ19で加熱する。この工程では、焼結体13が未焼結の金属粉末2の中に埋没した状態では加熱焼鈍できないため、加熱ランプ19による加熱ができる位置まで焼結体13を昇降機構11bによって上昇させる。上昇後に、焼結体13の表面に残った金属粉末2をエアーブロー27により除去して焼結体13の表面を露出させ、加熱ランプ19により加熱する。
【0023】
鋼の場合、加熱による回復現象でほとんどの残留応力は消滅し、再結晶温度付近に加熱すれば完全に軟化する。100℃で10分間加熱すると、格子欠陥が消滅して残留応力は消滅し、反りも減少する。また加熱温度が高いほど、残留応力の除去に必要な加熱時間は短くなる。残留応力が減少すると、例えば当該部分の硬さが減少したり、X線回折パターンに現れる結晶面のピーク幅が狭くなることなどから確認することができる。
【0024】
図6は昇降テーブル1に取り付けられた金属板20と焼結体13とから成る造形物の金型Aが、加熱焼鈍前に反っている状態を示した模式図である。金属板20は固定ボルト28により昇降テーブル1に締め付け固定されているが、それでも焼結体13の面積や厚みに応じて焼結側が凹面状に反る。本実施の形態では、金属板20は縦横が200mmで厚みが40mm、焼結体13は縦横が120mmで高さ30mmで、焼結後の反りは0.11mmであった。この焼結体13を加熱ランプ19で30分間加熱すると、反りは0.1mm以下に減少した。
【0025】
なお、本実施の形態において、焼結体13の加熱方法として加熱ランプ19を設けたが、焼結体13の外周にコイルを設ける高周波加熱方式としても良い。高周波加熱方式では焼結体13の形状に応じてコイル形状の最適化が必要になるが、加熱速度が速いという特徴がある。
【0026】
(実施の形態2)
図7は、本発明の(実施の形態2)の光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置を示し、図1の構成と違う点は、加熱機構18、加熱ランプ19とエアーブロー27を除いたことであって、(実施の形態2)では、焼結層21が形成された後、次の金属粉末2が被覆される前に、焼結層21の上に焼結時とは照射条件を変えたレーザ光Lを再照射し加熱焼鈍する。その結果、照射しない場合の反り0.11mmが0.07mmまで減少した。
【0027】
図8は焼結体をレーザ光で焼鈍した後の断面の模式図である。
図8において、21は焼結層、29は焼鈍で生じた再溶融部で、再溶融部29の深さは焼結層21の厚みより小さくなるように形成してある。レーザ光Lの照射ピッチは、焼結時と同じである必要はなく、広くても良い。
【0028】
図9は焼結体を焼鈍する前の表面の模式図である。パルスのレーザ光Lが重ねて照射されたので、焼結層21の表面は、円状の照射跡が重なった形態を示す。
図10はレーザ照射で焼鈍した後の表面の模式図で、再溶融部が存在する場合である。焼結時と同じくパルスのレーザ光Lが照射されるので、表面の再溶融部29は、円状の照射跡が重なった形態を示す。レーザ強度を下げ再溶融部が存在しない場合には、表面状態は図9の焼結後の状態から変化は無い。これらの表面形態は、切削等の後加工が施されない限り残り、成形した樹脂部品等の表面に転写される。
【0029】
パルスレーザ光を照射したときの最大溶融深さは、次式で推定することができる。
最大溶融深さ=0.16×パワー密度×(パルス幅−t)/(密度×融解潜熱)
この式は、例えば、山中千代衛 監著;レーザ工学,1981年,第178頁に詳しい。
【0030】
ここでtは、
=(円周率/熱拡散係数)×(融点×熱伝導率/(2×パワー密度))
である。上式から分かるように、同じパルス幅のレーザ光Lであれば、パワー密度はエネルギー密度に比例するので、最大溶融深さはレーザ光のエネルギー密度に比例する。3種類の焼結密度層によって多少状態に差はあったが、3J/mmのレーザ光Lを照射することで、再溶融層の深さは、およそ37μmであった。再溶融によって焼結時の残留応力は一旦無くなる。また、再溶融部29の体積は焼結時の溶融体積よりも小さいため、再凝固時に凝固収縮に起因して発生する残留応力も小さくなる。再溶融部29よりも深い所では加熱のみ起こる。このとき加熱された領域の再溶融部29の近傍の温度は、1500〜1450℃程度になる。レーザ加熱による温度勾配は10℃/cmと言われており、このときの焼結層21の底面における到達温度を推定すると150〜200℃になる。パルス幅3msの間でこの温度上昇が起こっているとすると、同じ硬さが得られる条件を推定できる焼もどしパラメーターを用いれば、底面は100℃で10分間の焼鈍が行われた状態に相当すると見積もれるので、残留応力は除去される。
【0031】
この(実施の形態2)によれば、焼結体21の各層は残留応力を除去して積層されるので、(実施の形態1)のように焼結体13の表面から加熱する方式と比べ、焼結体13の反りを積層する毎に修正するだけでなく、また内部全体を満遍なく加熱することになるため、焼結体の形状精度がより良くなるという効果がある。
【0032】
(実施の形態3)
図11は、本発明の(実施の形態3)の光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置を示し、図11が(実施の形態1)や(実施の形態2)に用いた装置と異なる点は、加熱ランプ19によって金属粉末2の被覆層を加熱しながらレーザ光Lで焼結を行うことである。加熱ランプ19の加熱により、焼結工程中の金属粉末2の表面が100℃から300℃になるようにしておけば、焼結層21が絶えず焼鈍され、焼結工程が進む間に並行して残留応力を軽減することができ、また周辺の金属粉末2同士の固着なども起こらない。
【0033】
また、(実施の形態3)は、(実施の形態2)の場合と比較して焼鈍のための別工程を必要としないので、従来の方法で焼結体13を形成する場合と製造時間が変わらないという特有の効果もある。
【0034】
(実施の形態4)
図12は、本発明の(実施の形態4)の光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置を示し、図12が(実施の形態1)〜(実施の形態3)と異なる点は、焼結に用いるレーザ光Lに対し、波長が異なる焼鈍用の連続発振YAGレーザ発振器30を90度回転した位置に設け、YAGレーザ発振器30から出た焼鈍用レーザ光31をコリメータ32でビーム径などの調整を施した後、焼鈍用レーザ光31のみを45度全反射し炭酸ガスレーザ光Lを透過する45度全反射ミラー33によってレーザ光Lと焼鈍用レーザ光31を同軸化してレーザ光35を形成し、レーザ光35を2波長用ガルバノ走査装置34と集光レンズ5によって焼結体13上に被覆された金属粉末2へ照射することである。ここで、炭酸ガスレーザ光15の波長は10.6μm、YAGレーザ光31の波長は1.06μmである。焼鈍用レーザ光31はレーザ光15よりもパルス幅が長いか連続発振光が良い。
【0035】
図13は焼結体表面の形態の模式図である。
表面の溶融部36の形態は、パルス光で円状の焼結跡が形成されるが、並行して連続的に溶融凝固したために最終的には線状の形態を示す。(実施の形態2)と同様に、この表面形態は切削等の後加工が施されない限り、成形した樹脂部品等の表面に転写される。
【0036】
図14は焼結体断面の形態の模式図である。
パワー密度が100W/mmで焼鈍用レーザ光31を照射すると、深さ4μm程度の溶融部36が連続的に形成される。この場合、深さ17μmぐらいまでが残留応力が軽減される領域となる。
【0037】
この(実施の形態4)によれば、(実施の形態3)と同様に焼鈍するための別工程を必要としないので製造時間が長くなることがなく、また焼結工程を援助するので焼結用のレーザ強度を小さくできるだけでなく、焼鈍作用がレーザ光35の照射部の近傍に限られるため装置等に与える熱影響が小さいという特有の効果もある。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の光造形物の製造方法は、反りの小さな光造形物の製造方法を提供することができ、金型だけでなく、粉末材料を焼結させる構造部材や電子部品等の製造方法にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の(実施の形態1)における光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置の構成図
【図2】同実施の形態における光造形物の拡大断面図
【図3】同実施の形態における金属粉末の被覆状態の拡大模式図
【図4】同実施の形態における焼結状態の構成図
【図5】同実施の形態における焼結体を加熱する状態の装置構成図
【図6】同実施の形態における金属板および焼結体の加熱焼鈍前の模式図
【図7】本発明の(実施の形態2)における光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置の構成図
【図8】同実施の形態における焼鈍後の焼結体断面形態の模式図
【図9】同実施の形態における焼鈍前の焼結体表面形態の模式図
【図10】同実施の形態における焼鈍後の焼結体表面形態の模式図
【図11】本発明の(実施の形態3)における光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置の構成図
【図12】本発明の(実施の形態4)における光造形物の製造方法の実施に使用する光造形物製造装置の構成図
【図13】同実施の形態における焼結体表面形態の模式図
【図14】同実施の形態における焼結体断面形態の模式図
【図15】従来の光造形物の製造方法における工程の模式図
【図16】従来の光造形物の模式図
【符号の説明】
【0040】
1 昇降テーブル
2 金属粉末(成形材料)
3 移動するスキージー
4 基準テーブル
4a 基準テーブル4の開口
4b 基準テーブル4の開口
5 集光レンズ
11a 昇降機構
11b 昇降機構
12 昇降テーブル
13 焼結体
L レーザ光
14 炭酸ガスレーザ発振器
15 パルス発振のレーザ光
16 コリメータ
17 ガルバノ走査装置
18 加熱機構
19 加熱ランプ
20 金属板
21 焼結層
22 クロムモリブデン鋼粒子
23 ニッケル粒子
24 高焼結密度層
25 中焼結密度層
26 低焼結密度層
27 エアーブロー
28 固定ボルト
29 再溶融部
30 焼鈍用の連続発振YAGレーザ発振器
31 焼鈍用レーザ光
32 コリメータ
33 45度全反射ミラー
34 2波長用ガルバノ走査装置
35 レーザ光Lとレーザ光31を同軸化したレーザ光
36 溶融部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料の層の所定箇所にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させて焼結層を形成し、さらに前記焼結層の上に成形材料の層を被覆すると共にこの成形材料の所定箇所にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させて下の焼結層と一体になった焼結体を形成し、これらの工程を繰り返すことで複数の焼結層が積層一体化された焼結体を有する光造形物を作製するに際し、形成した焼結層を加熱し残留応力を除去する
光造形物の製造方法。
【請求項2】
前記焼結層が形成された後、次の成形材料の被覆が行われるまでに、最新に形成された焼結層を加熱することを特徴とする
請求項1記載の光造形物の製造方法。
【請求項3】
前記最新の焼結層への加熱により再溶融部を形成し、この再溶融部の深さは最新の焼結層の厚みより小さいことを特徴とする
請求項2記載の光造形物の製造方法。
【請求項4】
前記形成した焼結層を、焼結と同時に加熱することを特徴とする
請求項1記載の光造形物の製造方法。
【請求項5】
それぞれ波長の異なる焼結用と加熱用の2本のレーザ光を同時照射することを特徴とする
請求項4記載の光造形物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−270227(P2007−270227A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96183(P2006−96183)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】