光量調整装置
【課題】遮光羽根の絞り込み駆動時間を短くしつつ、電池のエネルギーロスを少なくするとともに、高い絞り口径精度を得ることができる仕組みを提供する。
【解決手段】光量調整装置は、マグネット部13bが同軸配置されるロータ3と、マグネット部の径方向外側に配置される複数のコイル5と、マグネット部の着磁平面の両側に配置され、マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されるステータ磁極部を有し、ロータに対して一部が軸方向に当接するヨーク2,7と、フォロア部及びロータに回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸8a−1〜8f−1を有し、互いに軸方向に重なって配置される複数の遮光羽根8a〜8fと、フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部9a〜9fを有するカム部材9とを備える。そして、回転軸とマグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、ロータの回転により、フォロア部がカム部の軌跡に沿って摺動して、遮光羽根が回転軸を支点として開閉動作する。
【解決手段】光量調整装置は、マグネット部13bが同軸配置されるロータ3と、マグネット部の径方向外側に配置される複数のコイル5と、マグネット部の着磁平面の両側に配置され、マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されるステータ磁極部を有し、ロータに対して一部が軸方向に当接するヨーク2,7と、フォロア部及びロータに回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸8a−1〜8f−1を有し、互いに軸方向に重なって配置される複数の遮光羽根8a〜8fと、フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部9a〜9fを有するカム部材9とを備える。そして、回転軸とマグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、ロータの回転により、フォロア部がカム部の軌跡に沿って摺動して、遮光羽根が回転軸を支点として開閉動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒等に搭載される光量調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒には、撮影レンズの焦点深度の確認や撮像素子に結像される被写体の光量を調整するために、絞り口径を調整する光量調整装置(絞り装置)が設けられている。光量調整装置は、駆動源としてステッピングモータを用い、遮光羽根としての複数の絞り羽根を開閉駆動して絞り口径を変化させるものが主流となっている。
【0003】
ところで、デジタルカメラのシャッタタイムラグの短縮化が望まれており、光量調節装置は、絞り羽根の絞り込みまでの駆動時間をさらに短くする必要性が生じている。この駆動時間を短縮するには、ステッピングモータを高速で駆動した後、急停止させることが望ましいが、このような急加速・急減速駆動を行った場合、絞り羽根が停止時に振動して、絞り口径精度が悪化する。特に、大口径の光量調節装置では、絞り羽根の慣性モーメントが大きいため、絞り羽根の振動が発生しやすい。
【0004】
また、絞り羽根と絞り羽根を開閉動作させる部材との嵌合ガタ(例えば絞り羽根の軸と軸が摺動するカム溝との嵌合ガタ)が大きいほど、絞り羽根の停止時の振動の収束が悪くなり、絞り口径精度が悪化する傾向にある。
【0005】
このような不都合を解消する技術として、例えば図19に示す光量調整装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
この光量調整装置は、ベース20に3枚の絞り羽根30がピン32を介して開閉可能に支持されている。絞り羽根30には、ガイドピン34が設けられ、また、円形穴22の周囲には、カム板50が円形穴22の中心周りに回転可能に設けられている。
【0007】
カム板50には、ガイドピン34に対応したカム溝55が形成され、カム板50の回転に連動してガイドピン34がカム溝55を摺動することで、絞り羽根30が回動して円形穴22を開閉する。
【0008】
ベース20には、カム板50をベース20側へ支持するための押え板40が取り付けられており、押え板40には、トーションばね70が設けられている。トーションばね70は、ガイドピン34をカム溝55の側面に押しつける方向に付勢する。
【0009】
このように、絞り羽根30のガイドピン34をトーションばね70の付勢力によりカム溝55の側面に常時押し付けた状態で当接させることで、ガイドピン34とカム溝55との嵌合ガタをなくして高速駆動した際の絞り羽根30の停止時の振動を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−160754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1では、ステッピングモータへの通電を遮断した場合、モータのコギングトルクによって、絞り羽根30が小絞り方向へ1ステップ分ずれるか、開放方向へ1ステップ分ずれるかを特定できず、結果的に±1ステップの誤差が生じる。このため、高い絞り口径精度が得られないという問題がある。なお、ステッピングモータへの通電を継続すれば、このような問題をなくすことが可能であるが、この場合、電池容量が消耗して、電池のエネルギーロスが大きくなる。
【0012】
また、上記特許文献1では、ガイドピン34をカム溝55の側面に押しつける方向に付勢するトーションばね70が必要となるため、部品点数が増して構造が複雑になるとともに装置の大型化を招く原因になる。
【0013】
そこで、本発明は、遮光羽根の絞り込み駆動時間を短くしつつ、電池のエネルギーロスを少なくするとともに、高い絞り口径精度を得ることができ、更には、光量調整装置の構造を簡略化して小型化を図ることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の光量調整装置は、着磁平面が形成された円盤状のマグネット部が同軸に固定されるロータと、前記マグネット部の径方向外側に配置されるコイルと、前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第1ヨークと、前記第1ヨークと反対側の位置で前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第2ヨークと、フォロア部、及び前記ロータに対して回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸を有し、互いに軸方向に重なるように配置される複数の遮光羽根と、前記遮光羽根の前記フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部を有するカム部材と、を備え、前記回転軸と前記マグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、前記ロータの回転により、前記フォロア部が前記カム部の軌跡に沿って摺動して、前記遮光羽根が前記回転軸を支点として開閉動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遮光羽根の絞り込み駆動時間を短くしつつ、電池のエネルギーロスを少なくするとともに、高い絞り口径精度を得ることができ、更には、光量調整装置の構造を簡略化して小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の一例である光量調整装置の断面図である。
【図2】図1に示す光量調整装置の要部拡大図である。
【図3】図1に示す光量調整装置の分解斜視図である。
【図4】ロータリプレートを軸方向から見た図である。
【図5】図4を裏面側から見た図である。
【図6】図4の側面図である。
【図7】第1ヨークの斜視図である。
【図8】第2ヨークの斜視図である。
【図9】光量調整装置のカバーシートを取り外した状態で第1ヨーク側から軸方向に見た図である。
【図10】図9の裏面側から見た図である。
【図11】ステッピングモータのステップ位置とトルク値との関係を示すグラフ図である。
【図12】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図13】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図14】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図15】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図16】絞り羽根が開放位置にある状態を示す図である。
【図17】絞り羽根が中間絞り位置にある状態を示す図である。
【図18】絞り羽根が小絞り位置にある状態を示す図である。
【図19】従来の光量調節装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態の一例である光量調整装置の断面図、図2は図1に示す光量調整装置の要部拡大図、図3は図1に示す光量調整装置の分解斜視図である。
【0019】
本実施形態の光量調整装置は、図1〜図3に示すように、カバーシート1、第1ヨーク2、ロータリプレート3、ボビン4、コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2、コイルシート6、第2ヨーク7、絞り羽根8a〜8f、及びカムプレート9を備える。
【0020】
本実施形態では、ヨーク2,7、ロータリプレート3、及びコイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2により絞り羽根8a〜8fを開閉駆動する駆動ユニットとしてのステッピングモータを構成する。
【0021】
カバーシート1は、絶縁材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、第1ヨーク2と当接して、外部からヨーク2を絶縁する。また、カバーシート1には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1〜7b−2に嵌合される穴部1a−1,1a−2が形成されている。
【0022】
図4はロータリプレート3を軸方向から見た図、図5は図4を裏面側から見た図、図6は図4の側面図である。
【0023】
図4〜図6に示すように、ロータリプレート3は、非磁性材料で円環状に形成されたプレート本体13aと、プレート本体13aに対して接着又は圧入等により同軸に固定され、プレート本体13aより大径のマグネット部13bとを有する。マグネット部13bは、中心に開口が形成される円盤状に形成される。
【0024】
マグネット部13bの平面には、周方向に沿ってS極とN極とが交互にn分割(本実施形態では、60分割)で着磁されている(図12参照)。すなわち、マグネット部13bには、平面を周方向に分割したS極およびN極が形成される。マグネット部13bのS極およびN極が形成される平面が、マグネット部13bの着磁平面となる。
【0025】
また、マグネット部13bには、軸方向に突出する突起部12a〜12dが周方向に略等間隔で形成されている。突起部12a〜12dは、非磁性材料で形成され、第2ヨーク7の一部と軸方向に当接して第2ヨーク7の軸方向の移動を規制する。
【0026】
マグネット部13bの材料には、Nd−Fe−B系希土類磁性粉又はフェライト系とポリアミドなどの熱可塑性樹脂バインダー材との混合物を射出成形することにより形成されたプラスチックマグネットを用いている。これにより、例えばポリアミド樹脂をバインダー材として使用した場合、7840N/cm2 以上の曲げ強度が得られ、マグネット部13bの軸方向の厚さを薄肉に形成することが可能となる。
【0027】
マグネット部13bを薄肉に形成することでマグネット部13bの着磁平面の両側に配置される第1ヨーク2と第2ヨーク7との空気間隔を短く設定して、その間の磁気抵抗が小さい磁気回路とすることができる。
【0028】
プレート本体13aには、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1に軸方向に嵌合される穴部3b−1〜3b−6がマグネット部13bの突起部12a〜12d側に開口して形成されている。
【0029】
また、プレート本体13aには、摺動リブ部3a−1〜3a−6、及び突起部3c−1〜3c−6がマグネット部13bの突起部12a〜12dの反対側の面から軸方向に突出して形成されている。突起部3c−1〜3c−6は、摺動リブ部3a−1〜3a−6の径方向外側に配置されている。
【0030】
本実施形態では、ロータリプレート3のマグネット部13bのみを磁性材料で形成したが、突起部3c−1〜3c−6、摺動リブ部3a−1〜3a−6、穴部3b−1〜3b−6、突起部12a〜12dを非磁性材料で形成し、その他を磁性材料で形成してもよい。
【0031】
図7は、第1ヨーク2の斜視図である。第1ヨーク2は、軟磁性材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、マグネット部13bの着磁平面に対して所定の隙間を介して対向配置される。
【0032】
第1ヨーク2には、図7に示すように、櫛歯形状の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2、突起部2a−1〜2a−4、及び穴部2b−1,2b−2が設けられている。
【0033】
突起部2a−1〜2a−4は、ボビン4の中空穴部4c−1〜4c−4に軸方向に挿入され、穴部2b−1,2b−2には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2が軸方向に嵌合される。
【0034】
磁極歯2e−1,2e−2の櫛歯の中央の歯は、マグネット部13bの同一極で周方向に例えば180°離間して配置される。磁極歯2f−1,2f−2についても同様に、櫛歯の中央の歯の位置は、マグネット部13bの同一極で周方向に例えば180°離間した位置に配置される。
【0035】
また、マグネット部13bの着磁分割数をnとすると、磁極歯2e−1,2f−1の中央の歯の位置は、周方向に90±180/n°となる位置に配置される。磁極歯2e−2,2f−2についても同様に、マグネット部13bの着磁分割数をnとすると、中央の歯の位置は、周方向に90±180/n°となる位置に配置される。
【0036】
磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2のそれぞれの櫛歯は、中央の歯を中心にして周方向両側にそれぞれ360/n°の間隔で複数(本実施形態では、5本)配置されて、ステータ磁極部を構成する。
【0037】
また、第1ヨーク2を軸方向から見て突起部2a−1,2a−2,2a−3,2a−4の中心位相は、磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2の櫛歯の中央の歯の中心位相と一致する。
【0038】
図8は、第2ヨーク7の斜視図である。第2ヨーク7は、軟磁性材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、第1ヨーク2の反対側の位置でマグネット部13bの着磁平面に対して軸方向に所定の隙間を介して対向配置される。
【0039】
第2ヨーク7には、図8に示すように、櫛歯形状の磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2、突起部7a−1〜7a−4(図3参照)、ビス穴7c−1〜7c−4、位置決め軸7b−1,7b−2(図3参照)、及び穴部7g−1,7g−2が設けられる。
【0040】
磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2は、第1ヨーク2の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2に対応する位置に配置される。磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2のそれぞれの櫛歯は、中央の歯を中心にして周方向の両側にそれぞれ360/n°の間隔で複数(本実施形態では、5本)配置されて、ステータ磁極部を構成する。突起部7a−1〜7a−4は、内周面が第1ヨーク2の突起部2a−1〜2a−4の外周面に接触した状態でボビン4の中空穴部4c−1〜4c−4に軸方向に挿入される。
【0041】
位置決め軸7b−1,7b−2は、第1ヨーク2の穴部2b−1,2b−2に嵌合され、穴部7g−1,7g−2には、カムプレート9の位置決め軸9g−1,9g−2が嵌合される。第2ヨーク7を軸方向から見て、突起部7a−1,7a−2,7a−3,7a−4の中心位相は、磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2の櫛歯の中央の歯の中心位相と一致する。
【0042】
図3に戻って、ボビン4は、合成樹脂等で形成されている。ボビン4には、第1ヨーク2の突起部2a−1〜2a−4及び第2ヨーク7の突起部7a−1〜7a−4が軸方向に挿入される中空穴部4c−1〜4c−4を有する突起部4a−1〜4a−4が第2ヨーク7側に突出して設けられている。なお、図3では、突起部4a−3,4a−4の図示は省略している。また、ボビン4の内周部には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2との干渉を回避するための凹部4b−1,4b−2が設けられている。
【0043】
コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2は、導電性材料で形成され、マグネット部13bの径方向外側でボビン4の突起部4a−1〜4a−4に巻回される。コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2に通電することで、第1ヨーク2の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2と第2ヨーク7の磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2とを異なる極に励磁する。コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2の位相関係は、コイル5a−1と5a−2が同相、コイル5b−1と5b−2が同相で1相2コイルである。
【0044】
コイルシート6a〜6dは、絶縁性材料で中空状に形成されて、ボビン4の突起部4a−1〜4a−4に嵌め込まれる。
【0045】
絞り羽根8a〜8fは、本発明の遮光羽根の一例であり、合成樹脂または金属薄板等で形成される。絞り羽根8a〜8fは、ロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に回転可能に嵌合されるダボ8a−1〜8f−1、及びカムプレート9のカム溝9a〜9fに摺動可能にカム係合するダボ8a−2〜8f−2(図10参照)を有する。ここで、ダボ8a−1〜8f−1は、本発明の回転軸の一例に相当し、ダボ8a−2〜8f−2は、本発明のフォロア部の一例に相当する。
【0046】
ダボ8a−1〜8f−1は、円筒状に形成され、内部に磁性材料が圧入または接着等により埋め込まれている。なお、ダボ8a−1〜8f−1を磁性材料で形成して、絞り羽根8a〜8fに接着等により固定してもよい。
【0047】
カムプレート9は、本発明のカム部材の一例であり、合成樹脂等で中心に開口が形成される円盤状に形成されている。カムプレート9は、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2が摺動可能にカム係合するカム溝9a〜9f、第2ヨーク7の穴部7g−1,7g−2に嵌合される位置決め軸9g−1,9g−2、及びビス挿通穴9h−1〜9h−4を有する。ビス挿通穴9h−1〜9h−4に挿入されたビス10は、ヨーク7のビス穴7c−1〜7c−4に締結される。ここで、カム溝9a〜9fは、本発明のカム部の一例に相当する。
【0048】
図9は、光量調整装置のカバーシート1を取り外した状態で第1ヨーク2側から軸方向に見た図である。
【0049】
図1〜図3、及び図9を参照して、カバーシート1の穴部1a−1,1a−2、及び第1ヨーク2の穴部2b−1,2b−2には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2が嵌め込まれて位置決めされる。
【0050】
ロータリプレート3は、摺動リブ部3a−1〜3a−6が第1ヨーク2の中央穴に対して回転可能に支持される(図9参照)。また、突起部3c−1〜3c−6が第1ヨーク2と軸方向に当接し、突起部12a〜12dが第2ヨーク7と軸方向に当接する。これにより、ロータリプレート3に対して第1ヨーク2及び第2ヨーク7の一部が軸方向に当接して、ロータリプレート3の軸方向の移動が規制されるとともに、ロータリプレート3がヨーク2,7に対して一定の摩擦力で回転する。
【0051】
絞り羽根8a〜8fは、磁性材料で形成されたダボ8a−1〜8f−1がロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に回転可能に嵌合される。これにより、図2の矢印に示すように、マグネット部13bとダボ8a−1〜8f−1との間に軸方向(絞り羽根8a〜8fの重なる方向)の磁気吸引力を生じる。
【0052】
これにより、絞り羽根8a〜8fは、軸方向に互いに重なる方向に付勢されて一定の摩擦力でダボ8a−1〜8f−1を支点として開閉動作することが可能となる。従って、ロータリプレート3に対して絞り羽根8a〜8fが軸方向にがたつくことがなく、急停止時の振動が抑制される。
【0053】
図10は、図9の裏面側から見た図である。図10に示すように、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2がカムプレート9のカム溝9a〜9fにカム係合する。そして、ロータリプレート3の回転により、ダボ8a−2〜8f−2がカム溝9a〜9fの軌跡に沿って摺動して、絞り羽根8a〜8fがダボ8a−1〜8f−1を支点として開閉動作する。
【0054】
次に、図11を参照して、ステッピングモータのコギングトルクについて簡単に説明する。図11は、ステッピングモータのステップ位置とトルク値との関係を示すグラフ図である。
【0055】
図11において、ステップ1,3,5は、1−2相励磁時の1相通電時(片方のコイルに通電)の位置であり、ステップ2,4は、1−2相励磁時の2相通電時(両方のコイルに通電)の位置である。
【0056】
ステップ1,3,5の位置は、その位置から左右にずれてもコギングトルクにより元の位置に戻す力が働く安定位置である。ステップ2,4の位置は、その位置から左右にずれた場合に、コギングトルクにより元の位置に対して1ステップ進むか1ステップ戻る力が働く不安定位置である。
【0057】
すなわち、モータに対して1相通電後に通電をオフした場合は、コギングトルクにより元の位置に戻る力が働くが、モータに対して2相通電後に通電をオフした場合は、元の位置からずれて止まる場合がある。これは、モータの回転精度により通電オン時の停止位置にバラツキが生じることによるものである。
【0058】
ここで、本実施形態では、絞り羽根8a〜8f同士に摩擦力が発生し、カムプレート9と絞り羽根8a〜8fとの間にも摩擦力が発生する。また、磁気吸引力によりロータリプレート3とヨーク2,7と間、及びロータリプレート3と絞り羽根8a〜8fとの間にも摩擦力が発生する。
【0059】
そして、これらの摩擦力が上記コギングトルクの回転力に抵抗して、ステッピングモータにより高速駆動される絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制している。本実施形態では、絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれをより確実に抑制するため、上記摩擦力の合計をコギングトルクによる回転力よりも大きく設定している。
【0060】
次に、図12〜図15を参照して、ヨーク2,7、ロータリプレート3、及びコイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2により構成されるステッピングモータの駆動例について説明する。
【0061】
図12では、コイル5a−1,5a−2を無通電、コイル5b−1,5b−2を正通電(1相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2をS極に励磁する。このとき、ロータリプレート3のマグネット部13bの着磁ピッチpの中心線と磁極歯7e−1,7e−2の櫛歯の中心線が一致した位置で停止する。
【0062】
次に、図12の状態で、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2を正通電(2相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2と7e−1,7e−2をS極に励磁すると、ロータリプレート3は、時計回りに回転し、図13の状態となる。
【0063】
次に、図13の状態で、コイル5a−1,5a−2を正通電し、コイル5b−1,5b−2を無通電(1相通電)し、磁極歯7e−1,7e−2をS極に励磁する。これによりロータリプレート3は、マグネット部13bの着磁ピッチpの中心線と磁極歯7e−1,7e−2の中心線とが一致する位置まで時計回りに回転し、図14の状態となる。
【0064】
次に、図14の状態で、コイル5a−1,5a−2を無通電、コイル5b−1,5b−2を逆通電(2相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2をN極に励磁すると、ロータリプレート3は、時計回りに回転し、図15の状態となる。このように、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2との通電を切り替える1−2相励磁駆動によってロータリプレート3が回転する。
【0065】
次に、図16〜図18を参照して、絞り羽根8a〜8fの動作例について説明する。図16は絞り羽根8a〜8fが開放位置にある状態を示す図、図17は絞り羽根8a〜8fが中間絞り位置にある状態を示す図、図18は絞り羽根8a〜8fが小絞り位置にある状態を示す図である。
【0066】
図16に示すように、絞り羽根8a〜8fが開放位置にあるとき、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2との通電を切り替えることによってロータリプレート3を回転させる。
【0067】
そして、ロータリプレート3が回転すると、ロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に嵌合された絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1がロータリプレート3の回転に伴って移動する。これにより、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2がカムプレート9のカム溝9a〜9fに沿って摺動しながら、絞り羽根8a〜8fが図17の中間絞り位置から図18の小絞り位置に絞り込まれる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、マグネット部13bと絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1との間に生じる軸方向の磁気吸引力によりロータリプレート3に対する絞り羽根8a〜8fの軸方向のがたつきを防止している。これにより、ステッピングモータを高速で駆動した後、急停止させた場合に、絞り羽根8a〜8fが振動するのを抑制することができ、絞り羽根8a〜8fの絞り込み駆動時間を短くしつつ、高い絞り口径精度を得ることができる。
【0069】
また、本実施形態では、ロータリプレート3は、突起部12a〜12dが第2ヨーク7に対して軸方向に当接した状態で回転するため、軸方向にがたつくことなくスムーズに回転する。
【0070】
更に、本実施形態では、従来のようにトーションばねを用いることなく絞り羽根8a〜8fの停止時の振動を抑制することができるので、構造が簡略化されて光量調整装置の小型化を図ることができる。
【0071】
更に、本実施形態では、絞り羽根8a〜8f同士、及びカムプレート9と絞り羽根8a〜8fとの間に摩擦力が発生し、また、ロータリプレート3とヨーク2,7との間、及びロータリプレート3と絞り羽根8a〜8fとの間に磁気吸引力による摩擦力が発生する。そして、これらの摩擦力が上記コギングトルクの回転力に抵抗して、ステッピングモータにより高速駆動される絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制している。これにより、ステッピングモータへの通電を継続することなく、即ち、電池のエネルギーロスを大きくすることなく、絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制して高い絞り口径精度を得ることができる。
【0072】
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0073】
2 第1ヨーク
3 ロータリプレート
5a−1,5a−2,5b−1,5b−2 コイル
7 第2ヨーク
8a〜8f 絞り羽根
8a−1〜8f−1 ダボ
8a−2〜8f−2 ダボ
9 カムプレート
9a〜9f カム溝
13b マグネット部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒等に搭載される光量調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒には、撮影レンズの焦点深度の確認や撮像素子に結像される被写体の光量を調整するために、絞り口径を調整する光量調整装置(絞り装置)が設けられている。光量調整装置は、駆動源としてステッピングモータを用い、遮光羽根としての複数の絞り羽根を開閉駆動して絞り口径を変化させるものが主流となっている。
【0003】
ところで、デジタルカメラのシャッタタイムラグの短縮化が望まれており、光量調節装置は、絞り羽根の絞り込みまでの駆動時間をさらに短くする必要性が生じている。この駆動時間を短縮するには、ステッピングモータを高速で駆動した後、急停止させることが望ましいが、このような急加速・急減速駆動を行った場合、絞り羽根が停止時に振動して、絞り口径精度が悪化する。特に、大口径の光量調節装置では、絞り羽根の慣性モーメントが大きいため、絞り羽根の振動が発生しやすい。
【0004】
また、絞り羽根と絞り羽根を開閉動作させる部材との嵌合ガタ(例えば絞り羽根の軸と軸が摺動するカム溝との嵌合ガタ)が大きいほど、絞り羽根の停止時の振動の収束が悪くなり、絞り口径精度が悪化する傾向にある。
【0005】
このような不都合を解消する技術として、例えば図19に示す光量調整装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
この光量調整装置は、ベース20に3枚の絞り羽根30がピン32を介して開閉可能に支持されている。絞り羽根30には、ガイドピン34が設けられ、また、円形穴22の周囲には、カム板50が円形穴22の中心周りに回転可能に設けられている。
【0007】
カム板50には、ガイドピン34に対応したカム溝55が形成され、カム板50の回転に連動してガイドピン34がカム溝55を摺動することで、絞り羽根30が回動して円形穴22を開閉する。
【0008】
ベース20には、カム板50をベース20側へ支持するための押え板40が取り付けられており、押え板40には、トーションばね70が設けられている。トーションばね70は、ガイドピン34をカム溝55の側面に押しつける方向に付勢する。
【0009】
このように、絞り羽根30のガイドピン34をトーションばね70の付勢力によりカム溝55の側面に常時押し付けた状態で当接させることで、ガイドピン34とカム溝55との嵌合ガタをなくして高速駆動した際の絞り羽根30の停止時の振動を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−160754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1では、ステッピングモータへの通電を遮断した場合、モータのコギングトルクによって、絞り羽根30が小絞り方向へ1ステップ分ずれるか、開放方向へ1ステップ分ずれるかを特定できず、結果的に±1ステップの誤差が生じる。このため、高い絞り口径精度が得られないという問題がある。なお、ステッピングモータへの通電を継続すれば、このような問題をなくすことが可能であるが、この場合、電池容量が消耗して、電池のエネルギーロスが大きくなる。
【0012】
また、上記特許文献1では、ガイドピン34をカム溝55の側面に押しつける方向に付勢するトーションばね70が必要となるため、部品点数が増して構造が複雑になるとともに装置の大型化を招く原因になる。
【0013】
そこで、本発明は、遮光羽根の絞り込み駆動時間を短くしつつ、電池のエネルギーロスを少なくするとともに、高い絞り口径精度を得ることができ、更には、光量調整装置の構造を簡略化して小型化を図ることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の光量調整装置は、着磁平面が形成された円盤状のマグネット部が同軸に固定されるロータと、前記マグネット部の径方向外側に配置されるコイルと、前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第1ヨークと、前記第1ヨークと反対側の位置で前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第2ヨークと、フォロア部、及び前記ロータに対して回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸を有し、互いに軸方向に重なるように配置される複数の遮光羽根と、前記遮光羽根の前記フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部を有するカム部材と、を備え、前記回転軸と前記マグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、前記ロータの回転により、前記フォロア部が前記カム部の軌跡に沿って摺動して、前記遮光羽根が前記回転軸を支点として開閉動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遮光羽根の絞り込み駆動時間を短くしつつ、電池のエネルギーロスを少なくするとともに、高い絞り口径精度を得ることができ、更には、光量調整装置の構造を簡略化して小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の一例である光量調整装置の断面図である。
【図2】図1に示す光量調整装置の要部拡大図である。
【図3】図1に示す光量調整装置の分解斜視図である。
【図4】ロータリプレートを軸方向から見た図である。
【図5】図4を裏面側から見た図である。
【図6】図4の側面図である。
【図7】第1ヨークの斜視図である。
【図8】第2ヨークの斜視図である。
【図9】光量調整装置のカバーシートを取り外した状態で第1ヨーク側から軸方向に見た図である。
【図10】図9の裏面側から見た図である。
【図11】ステッピングモータのステップ位置とトルク値との関係を示すグラフ図である。
【図12】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図13】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図14】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図15】ステッピングモータの駆動例について説明するための図である。
【図16】絞り羽根が開放位置にある状態を示す図である。
【図17】絞り羽根が中間絞り位置にある状態を示す図である。
【図18】絞り羽根が小絞り位置にある状態を示す図である。
【図19】従来の光量調節装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態の一例である光量調整装置の断面図、図2は図1に示す光量調整装置の要部拡大図、図3は図1に示す光量調整装置の分解斜視図である。
【0019】
本実施形態の光量調整装置は、図1〜図3に示すように、カバーシート1、第1ヨーク2、ロータリプレート3、ボビン4、コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2、コイルシート6、第2ヨーク7、絞り羽根8a〜8f、及びカムプレート9を備える。
【0020】
本実施形態では、ヨーク2,7、ロータリプレート3、及びコイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2により絞り羽根8a〜8fを開閉駆動する駆動ユニットとしてのステッピングモータを構成する。
【0021】
カバーシート1は、絶縁材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、第1ヨーク2と当接して、外部からヨーク2を絶縁する。また、カバーシート1には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1〜7b−2に嵌合される穴部1a−1,1a−2が形成されている。
【0022】
図4はロータリプレート3を軸方向から見た図、図5は図4を裏面側から見た図、図6は図4の側面図である。
【0023】
図4〜図6に示すように、ロータリプレート3は、非磁性材料で円環状に形成されたプレート本体13aと、プレート本体13aに対して接着又は圧入等により同軸に固定され、プレート本体13aより大径のマグネット部13bとを有する。マグネット部13bは、中心に開口が形成される円盤状に形成される。
【0024】
マグネット部13bの平面には、周方向に沿ってS極とN極とが交互にn分割(本実施形態では、60分割)で着磁されている(図12参照)。すなわち、マグネット部13bには、平面を周方向に分割したS極およびN極が形成される。マグネット部13bのS極およびN極が形成される平面が、マグネット部13bの着磁平面となる。
【0025】
また、マグネット部13bには、軸方向に突出する突起部12a〜12dが周方向に略等間隔で形成されている。突起部12a〜12dは、非磁性材料で形成され、第2ヨーク7の一部と軸方向に当接して第2ヨーク7の軸方向の移動を規制する。
【0026】
マグネット部13bの材料には、Nd−Fe−B系希土類磁性粉又はフェライト系とポリアミドなどの熱可塑性樹脂バインダー材との混合物を射出成形することにより形成されたプラスチックマグネットを用いている。これにより、例えばポリアミド樹脂をバインダー材として使用した場合、7840N/cm2 以上の曲げ強度が得られ、マグネット部13bの軸方向の厚さを薄肉に形成することが可能となる。
【0027】
マグネット部13bを薄肉に形成することでマグネット部13bの着磁平面の両側に配置される第1ヨーク2と第2ヨーク7との空気間隔を短く設定して、その間の磁気抵抗が小さい磁気回路とすることができる。
【0028】
プレート本体13aには、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1に軸方向に嵌合される穴部3b−1〜3b−6がマグネット部13bの突起部12a〜12d側に開口して形成されている。
【0029】
また、プレート本体13aには、摺動リブ部3a−1〜3a−6、及び突起部3c−1〜3c−6がマグネット部13bの突起部12a〜12dの反対側の面から軸方向に突出して形成されている。突起部3c−1〜3c−6は、摺動リブ部3a−1〜3a−6の径方向外側に配置されている。
【0030】
本実施形態では、ロータリプレート3のマグネット部13bのみを磁性材料で形成したが、突起部3c−1〜3c−6、摺動リブ部3a−1〜3a−6、穴部3b−1〜3b−6、突起部12a〜12dを非磁性材料で形成し、その他を磁性材料で形成してもよい。
【0031】
図7は、第1ヨーク2の斜視図である。第1ヨーク2は、軟磁性材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、マグネット部13bの着磁平面に対して所定の隙間を介して対向配置される。
【0032】
第1ヨーク2には、図7に示すように、櫛歯形状の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2、突起部2a−1〜2a−4、及び穴部2b−1,2b−2が設けられている。
【0033】
突起部2a−1〜2a−4は、ボビン4の中空穴部4c−1〜4c−4に軸方向に挿入され、穴部2b−1,2b−2には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2が軸方向に嵌合される。
【0034】
磁極歯2e−1,2e−2の櫛歯の中央の歯は、マグネット部13bの同一極で周方向に例えば180°離間して配置される。磁極歯2f−1,2f−2についても同様に、櫛歯の中央の歯の位置は、マグネット部13bの同一極で周方向に例えば180°離間した位置に配置される。
【0035】
また、マグネット部13bの着磁分割数をnとすると、磁極歯2e−1,2f−1の中央の歯の位置は、周方向に90±180/n°となる位置に配置される。磁極歯2e−2,2f−2についても同様に、マグネット部13bの着磁分割数をnとすると、中央の歯の位置は、周方向に90±180/n°となる位置に配置される。
【0036】
磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2のそれぞれの櫛歯は、中央の歯を中心にして周方向両側にそれぞれ360/n°の間隔で複数(本実施形態では、5本)配置されて、ステータ磁極部を構成する。
【0037】
また、第1ヨーク2を軸方向から見て突起部2a−1,2a−2,2a−3,2a−4の中心位相は、磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2の櫛歯の中央の歯の中心位相と一致する。
【0038】
図8は、第2ヨーク7の斜視図である。第2ヨーク7は、軟磁性材料で中心に開口が形成される円盤状に形成され、第1ヨーク2の反対側の位置でマグネット部13bの着磁平面に対して軸方向に所定の隙間を介して対向配置される。
【0039】
第2ヨーク7には、図8に示すように、櫛歯形状の磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2、突起部7a−1〜7a−4(図3参照)、ビス穴7c−1〜7c−4、位置決め軸7b−1,7b−2(図3参照)、及び穴部7g−1,7g−2が設けられる。
【0040】
磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2は、第1ヨーク2の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2に対応する位置に配置される。磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2のそれぞれの櫛歯は、中央の歯を中心にして周方向の両側にそれぞれ360/n°の間隔で複数(本実施形態では、5本)配置されて、ステータ磁極部を構成する。突起部7a−1〜7a−4は、内周面が第1ヨーク2の突起部2a−1〜2a−4の外周面に接触した状態でボビン4の中空穴部4c−1〜4c−4に軸方向に挿入される。
【0041】
位置決め軸7b−1,7b−2は、第1ヨーク2の穴部2b−1,2b−2に嵌合され、穴部7g−1,7g−2には、カムプレート9の位置決め軸9g−1,9g−2が嵌合される。第2ヨーク7を軸方向から見て、突起部7a−1,7a−2,7a−3,7a−4の中心位相は、磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2の櫛歯の中央の歯の中心位相と一致する。
【0042】
図3に戻って、ボビン4は、合成樹脂等で形成されている。ボビン4には、第1ヨーク2の突起部2a−1〜2a−4及び第2ヨーク7の突起部7a−1〜7a−4が軸方向に挿入される中空穴部4c−1〜4c−4を有する突起部4a−1〜4a−4が第2ヨーク7側に突出して設けられている。なお、図3では、突起部4a−3,4a−4の図示は省略している。また、ボビン4の内周部には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2との干渉を回避するための凹部4b−1,4b−2が設けられている。
【0043】
コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2は、導電性材料で形成され、マグネット部13bの径方向外側でボビン4の突起部4a−1〜4a−4に巻回される。コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2に通電することで、第1ヨーク2の磁極歯2e−1,2e−2,2f−1,2f−2と第2ヨーク7の磁極歯7e−1,7e−2,7f−1,7f−2とを異なる極に励磁する。コイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2の位相関係は、コイル5a−1と5a−2が同相、コイル5b−1と5b−2が同相で1相2コイルである。
【0044】
コイルシート6a〜6dは、絶縁性材料で中空状に形成されて、ボビン4の突起部4a−1〜4a−4に嵌め込まれる。
【0045】
絞り羽根8a〜8fは、本発明の遮光羽根の一例であり、合成樹脂または金属薄板等で形成される。絞り羽根8a〜8fは、ロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に回転可能に嵌合されるダボ8a−1〜8f−1、及びカムプレート9のカム溝9a〜9fに摺動可能にカム係合するダボ8a−2〜8f−2(図10参照)を有する。ここで、ダボ8a−1〜8f−1は、本発明の回転軸の一例に相当し、ダボ8a−2〜8f−2は、本発明のフォロア部の一例に相当する。
【0046】
ダボ8a−1〜8f−1は、円筒状に形成され、内部に磁性材料が圧入または接着等により埋め込まれている。なお、ダボ8a−1〜8f−1を磁性材料で形成して、絞り羽根8a〜8fに接着等により固定してもよい。
【0047】
カムプレート9は、本発明のカム部材の一例であり、合成樹脂等で中心に開口が形成される円盤状に形成されている。カムプレート9は、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2が摺動可能にカム係合するカム溝9a〜9f、第2ヨーク7の穴部7g−1,7g−2に嵌合される位置決め軸9g−1,9g−2、及びビス挿通穴9h−1〜9h−4を有する。ビス挿通穴9h−1〜9h−4に挿入されたビス10は、ヨーク7のビス穴7c−1〜7c−4に締結される。ここで、カム溝9a〜9fは、本発明のカム部の一例に相当する。
【0048】
図9は、光量調整装置のカバーシート1を取り外した状態で第1ヨーク2側から軸方向に見た図である。
【0049】
図1〜図3、及び図9を参照して、カバーシート1の穴部1a−1,1a−2、及び第1ヨーク2の穴部2b−1,2b−2には、第2ヨーク7の位置決め軸7b−1,7b−2が嵌め込まれて位置決めされる。
【0050】
ロータリプレート3は、摺動リブ部3a−1〜3a−6が第1ヨーク2の中央穴に対して回転可能に支持される(図9参照)。また、突起部3c−1〜3c−6が第1ヨーク2と軸方向に当接し、突起部12a〜12dが第2ヨーク7と軸方向に当接する。これにより、ロータリプレート3に対して第1ヨーク2及び第2ヨーク7の一部が軸方向に当接して、ロータリプレート3の軸方向の移動が規制されるとともに、ロータリプレート3がヨーク2,7に対して一定の摩擦力で回転する。
【0051】
絞り羽根8a〜8fは、磁性材料で形成されたダボ8a−1〜8f−1がロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に回転可能に嵌合される。これにより、図2の矢印に示すように、マグネット部13bとダボ8a−1〜8f−1との間に軸方向(絞り羽根8a〜8fの重なる方向)の磁気吸引力を生じる。
【0052】
これにより、絞り羽根8a〜8fは、軸方向に互いに重なる方向に付勢されて一定の摩擦力でダボ8a−1〜8f−1を支点として開閉動作することが可能となる。従って、ロータリプレート3に対して絞り羽根8a〜8fが軸方向にがたつくことがなく、急停止時の振動が抑制される。
【0053】
図10は、図9の裏面側から見た図である。図10に示すように、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2がカムプレート9のカム溝9a〜9fにカム係合する。そして、ロータリプレート3の回転により、ダボ8a−2〜8f−2がカム溝9a〜9fの軌跡に沿って摺動して、絞り羽根8a〜8fがダボ8a−1〜8f−1を支点として開閉動作する。
【0054】
次に、図11を参照して、ステッピングモータのコギングトルクについて簡単に説明する。図11は、ステッピングモータのステップ位置とトルク値との関係を示すグラフ図である。
【0055】
図11において、ステップ1,3,5は、1−2相励磁時の1相通電時(片方のコイルに通電)の位置であり、ステップ2,4は、1−2相励磁時の2相通電時(両方のコイルに通電)の位置である。
【0056】
ステップ1,3,5の位置は、その位置から左右にずれてもコギングトルクにより元の位置に戻す力が働く安定位置である。ステップ2,4の位置は、その位置から左右にずれた場合に、コギングトルクにより元の位置に対して1ステップ進むか1ステップ戻る力が働く不安定位置である。
【0057】
すなわち、モータに対して1相通電後に通電をオフした場合は、コギングトルクにより元の位置に戻る力が働くが、モータに対して2相通電後に通電をオフした場合は、元の位置からずれて止まる場合がある。これは、モータの回転精度により通電オン時の停止位置にバラツキが生じることによるものである。
【0058】
ここで、本実施形態では、絞り羽根8a〜8f同士に摩擦力が発生し、カムプレート9と絞り羽根8a〜8fとの間にも摩擦力が発生する。また、磁気吸引力によりロータリプレート3とヨーク2,7と間、及びロータリプレート3と絞り羽根8a〜8fとの間にも摩擦力が発生する。
【0059】
そして、これらの摩擦力が上記コギングトルクの回転力に抵抗して、ステッピングモータにより高速駆動される絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制している。本実施形態では、絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれをより確実に抑制するため、上記摩擦力の合計をコギングトルクによる回転力よりも大きく設定している。
【0060】
次に、図12〜図15を参照して、ヨーク2,7、ロータリプレート3、及びコイル5a−1,5a−2,5b−1,5b−2により構成されるステッピングモータの駆動例について説明する。
【0061】
図12では、コイル5a−1,5a−2を無通電、コイル5b−1,5b−2を正通電(1相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2をS極に励磁する。このとき、ロータリプレート3のマグネット部13bの着磁ピッチpの中心線と磁極歯7e−1,7e−2の櫛歯の中心線が一致した位置で停止する。
【0062】
次に、図12の状態で、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2を正通電(2相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2と7e−1,7e−2をS極に励磁すると、ロータリプレート3は、時計回りに回転し、図13の状態となる。
【0063】
次に、図13の状態で、コイル5a−1,5a−2を正通電し、コイル5b−1,5b−2を無通電(1相通電)し、磁極歯7e−1,7e−2をS極に励磁する。これによりロータリプレート3は、マグネット部13bの着磁ピッチpの中心線と磁極歯7e−1,7e−2の中心線とが一致する位置まで時計回りに回転し、図14の状態となる。
【0064】
次に、図14の状態で、コイル5a−1,5a−2を無通電、コイル5b−1,5b−2を逆通電(2相通電)し、磁極歯7f−1,7f−2をN極に励磁すると、ロータリプレート3は、時計回りに回転し、図15の状態となる。このように、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2との通電を切り替える1−2相励磁駆動によってロータリプレート3が回転する。
【0065】
次に、図16〜図18を参照して、絞り羽根8a〜8fの動作例について説明する。図16は絞り羽根8a〜8fが開放位置にある状態を示す図、図17は絞り羽根8a〜8fが中間絞り位置にある状態を示す図、図18は絞り羽根8a〜8fが小絞り位置にある状態を示す図である。
【0066】
図16に示すように、絞り羽根8a〜8fが開放位置にあるとき、コイル5a−1,5a−2とコイル5b−1,5b−2との通電を切り替えることによってロータリプレート3を回転させる。
【0067】
そして、ロータリプレート3が回転すると、ロータリプレート3の穴部3b−1〜3b−6に嵌合された絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1がロータリプレート3の回転に伴って移動する。これにより、絞り羽根8a〜8fのダボ8a−2〜8f−2がカムプレート9のカム溝9a〜9fに沿って摺動しながら、絞り羽根8a〜8fが図17の中間絞り位置から図18の小絞り位置に絞り込まれる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、マグネット部13bと絞り羽根8a〜8fのダボ8a−1〜8f−1との間に生じる軸方向の磁気吸引力によりロータリプレート3に対する絞り羽根8a〜8fの軸方向のがたつきを防止している。これにより、ステッピングモータを高速で駆動した後、急停止させた場合に、絞り羽根8a〜8fが振動するのを抑制することができ、絞り羽根8a〜8fの絞り込み駆動時間を短くしつつ、高い絞り口径精度を得ることができる。
【0069】
また、本実施形態では、ロータリプレート3は、突起部12a〜12dが第2ヨーク7に対して軸方向に当接した状態で回転するため、軸方向にがたつくことなくスムーズに回転する。
【0070】
更に、本実施形態では、従来のようにトーションばねを用いることなく絞り羽根8a〜8fの停止時の振動を抑制することができるので、構造が簡略化されて光量調整装置の小型化を図ることができる。
【0071】
更に、本実施形態では、絞り羽根8a〜8f同士、及びカムプレート9と絞り羽根8a〜8fとの間に摩擦力が発生し、また、ロータリプレート3とヨーク2,7との間、及びロータリプレート3と絞り羽根8a〜8fとの間に磁気吸引力による摩擦力が発生する。そして、これらの摩擦力が上記コギングトルクの回転力に抵抗して、ステッピングモータにより高速駆動される絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制している。これにより、ステッピングモータへの通電を継続することなく、即ち、電池のエネルギーロスを大きくすることなく、絞り羽根8a〜8fの停止時の位置ずれを抑制して高い絞り口径精度を得ることができる。
【0072】
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0073】
2 第1ヨーク
3 ロータリプレート
5a−1,5a−2,5b−1,5b−2 コイル
7 第2ヨーク
8a〜8f 絞り羽根
8a−1〜8f−1 ダボ
8a−2〜8f−2 ダボ
9 カムプレート
9a〜9f カム溝
13b マグネット部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着磁平面が形成された円盤状のマグネット部が同軸に固定されるロータと、
前記マグネット部の径方向外側に配置されるコイルと、
前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第1ヨークと、
前記第1ヨークと反対側の位置で前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第2ヨークと、
フォロア部、及び前記ロータに対して回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸を有し、互いに軸方向に重なるように配置される複数の遮光羽根と、
前記遮光羽根の前記フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部を有するカム部材と、を備え、
前記回転軸と前記マグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、前記ロータの回転により、前記フォロア部が前記カム部の軌跡に沿って摺動して、前記遮光羽根が前記回転軸を支点として開閉動作することを特徴とする光量調整装置。
【請求項2】
前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記ロータ、及び前記コイルによりステッピングモータを構成し、
前記複数の遮光羽根の間、及び前記カム部材と前記遮光羽根との間に発生する摩擦力と、磁気吸引力により前記ロータと前記第1ヨーク及び前記第2ヨークとの間、並びに前記ロータと前記遮光羽根との間に発生する摩擦力との合計が、前記ステッピングモータのコギングトルクの回転力より大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項3】
前記ロータは、前記第1ヨークに回転可能に支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光量調整装置。
【請求項1】
着磁平面が形成された円盤状のマグネット部が同軸に固定されるロータと、
前記マグネット部の径方向外側に配置されるコイルと、
前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第1ヨークと、
前記第1ヨークと反対側の位置で前記マグネット部の着磁平面に対して隙間を介して対向配置されて、前記コイルにより励磁されるステータ磁極部を有し、前記ロータに対して一部が軸方向に当接する第2ヨークと、
フォロア部、及び前記ロータに対して回転可能に支持される磁性材料からなる回転軸を有し、互いに軸方向に重なるように配置される複数の遮光羽根と、
前記遮光羽根の前記フォロア部が摺動可能にカム係合するカム部を有するカム部材と、を備え、
前記回転軸と前記マグネット部との間に軸方向の磁気吸引力を発生させた状態で、前記ロータの回転により、前記フォロア部が前記カム部の軌跡に沿って摺動して、前記遮光羽根が前記回転軸を支点として開閉動作することを特徴とする光量調整装置。
【請求項2】
前記第1ヨーク、前記第2ヨーク、前記ロータ、及び前記コイルによりステッピングモータを構成し、
前記複数の遮光羽根の間、及び前記カム部材と前記遮光羽根との間に発生する摩擦力と、磁気吸引力により前記ロータと前記第1ヨーク及び前記第2ヨークとの間、並びに前記ロータと前記遮光羽根との間に発生する摩擦力との合計が、前記ステッピングモータのコギングトルクの回転力より大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項3】
前記ロータは、前記第1ヨークに回転可能に支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光量調整装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−220778(P2012−220778A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87502(P2011−87502)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]